JP5298414B2 - 遮光性ポリエステルフィルム - Google Patents

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Description

本発明は、カメラ、ビデオカメラ、複写機、現像機等の各種光学装置の遮光部材として有用な遮光フィルムに関する。
近時、旅行やレジャーさらには屋外での作業時等において、携帯性に優れる高性能コンパクトカメラが市場に多く出回っている。また、個人でビデオ撮影することが増えるに伴い、ビデオカメラも軽量、コンパクト化が進み、最近では手のひらに乗るくらいまで小型化されている。このように、光学機器、特にカメラ、ビデオカメラの小型化及び軽量化によって、それらを構成する部品にも小型化や軽量化が要望されている。
従来、シャッターや絞りなどの遮光部材には金属が使用されていたが、小型化、軽量化及び低コスト化に伴い、合成樹脂フィルムが用いられることが多くなってきた。
ポリエステルフィルムにカーボンブラックを混入し、不透明、遮光性を付与させることが通常の方法である。その具体的な例としては、例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4などが開示されている。
特許文献1では光学センサー用材料としての用途であり、カーボン粉末が混入されている。特許文献2では磁気記録媒体に使用される遮光性ポリエステルフィルムであり、フィルム中に炭素質粒子を含有させて遮光性を付与せしめている。さらに、特許文献3においても磁気記録媒体用途ではあるが、特定の平均粒径のカーボンブラックが分散含有されており、さらに特許文献4では特定の極限粘度と融点を有するポリエステル中にカーボンブラックを分散させた金属板貼合せ加工用ポリエステルフィルムに関するものである。
しかしながら、これら従来の遮光フィルムでは、フィルム厚みを薄くすると高い遮光性を保持できず、光学濃度斑の発生が問題になった。例えばフィルム厚みが50μm以下に下がると遮光性は大きく低下するとともに、光学濃度斑も目立ち、所望する光学用途向けの機能を発揮させることが難しくなる。
フィルムを薄くして高い遮光性を得るためには、カーボンブラックを多量に混入させるのが一般的な手法である。しかし、単なるこの方法ではフィルムの機械的物性が大きく低下するだけでなく、光学濃度斑が顕著になり、さらに、フィルム表面が粗面化しやすい問題もあった。
以上のように、従来の遮光フィルムはフィルム厚みが小さい使用に際しては、遮光性、摺動性、導電性及び表面つや消し性の全てを満足するものではなかった。そうした状況にあって我々は、以下に述べる方法によって遮光性、摺動性、導電性及び表面つや消し性に優れ、光学機器用のシャッターや絞り等として好適な遮光フィルムを見いだしたものである。
特開昭59−186124号公報 特開昭61−154924号公報 特開昭62−150515号公報 特開平10−077352号公報
本発明は、フィルム厚みが薄くても遮光性、機械強度を保持でき、シャッターや絞り等として好適な遮光フィルムを提供しようとするものである。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、極限粘度[η]が0.50〜0.85dl/gのポリエステルとカーボンブラック粒子とを用いた組成物を主たる成分とするフィルムであって、該フィルム中のカーボンブラック粒子含有量が0.5〜35重量%、該フィルムの光学濃度が0.5〜6.5、かつ光学濃度斑が20%以下である遮光性ポリエステルフィルムである。
本発明では相対的に極限粘度が高いポリエステルを用い、かつ、添加するカーボンブラックのフィルム中の平均二次粒子径とその含有量を適宣に選択することによって、高濃度化と均一分散化させることが可能になった。この技術手法を確立したことによって、フィルム中のカーボンブラック含有量を増量することができ、薄いフィルムにおいても機械的性質を低下させること無く、優れた遮光性フィルムを得ることが可能となった。
本発明を構成するポリエステルとは、ジオールとジカルボン酸とから縮重合によって得られるポリマーであり、ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバチン酸などで代表されるものである。
またジオールとは、エチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノールなどで代表されるものである。具体的には、ポリメチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタート、ポリエチレン−p−オキシベンゾエート、ポリ−1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートなどが挙げられる。
これらのポリエステルはホモポリエステルであっても、コポリエステルであってもよい。その共重合成分としては例えば、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコールなどのジオール成分、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などのジカルボン酸成分が挙げられる。
本発明に用いられるポリエステルとしては、耐水性、耐久性、耐薬品性などに優れているポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートが特に好ましい。また、このポリエステルの中には、実質的に線状とみなされる範囲において三官能以上の化合物や単官能化合物を結合させてもよい。また、公知の各種添加剤、例えば、酸化防止剤、帯電防止剤などが添加することもできる。
本発明で使用するポリエステルは、極限粘度[η]が0.50〜0.85dl/gの範囲にある分子量が相対的に大きいポリエステルである。0.60〜0.85dl/gの範囲が好ましく、特に0.70〜0.85dl/gの範囲が好ましい。極限粘度とは数個の濃度の違う高分子溶液の粘度を求めて、これを0に補外した濃度0の点の高分子溶液の粘度であり、一般的に知られているものである。この極限粘度[η]が0.5dl/gよりも低い場合には、フィルム厚みが低くなると機械的強度を保持できなくなる問題がある。
一方、0.85dl/gよりも大きい場合には、フィルム厚みが低くてもある程度は機械的強度は保持できるものの、カーボンブラック粒子との混和性が悪くなり、均質で物性の優れたフィルムを製造することが困難になる。
本発明における遮光性フィルム中のカーボンブラックは公知の種類のものを使用できるが、フィルム中に分散させた時に発現させるカーボンブラックの平均二次粒子径が0.1〜3.0μmの範囲であることが必要である。好ましくは0.2〜2.6μmの範囲である。平均二次粒子径が0.1μmより小さくなると摺動性が不良となり、逆に3.0μmより大きい場合はフィルム中に斑が発生し、引張強度、製膜性が不良となる問題がある。フィルム中のカーボンブラック粒子の平均二次粒子径は後述のように顕微鏡を用いて拡大した写真を観察することによって測定することができる。
本発明におけるカーボンブラック粒子のフィルム中における含有量は0.5〜35重量%、特に好ましくは3〜30重量%である。カーボンブラック粒子の含有量が0.5重量%未満の場合には、遮光性が不十分になり本発明の目的を達成できず、一方、含有量が35重量%を越えると製膜性が大きく低下し、目的とするフィルムを得ることができなくなる。
カーボンブラック粒子を所定のポリエステルに含有せしめる方法としては、重合前、重合中、重合後のいずれに添加してもよいが、ポリエステルに押出機の中でカーボンブラック粒子を直接に溶融させ、分散せしめて添加するコンパウンド化ペレット方法が有効である。
本発明においては、フィルムの光学濃度は0.5〜6.5の範囲内であることが必要である。好ましくは2.5〜6.5の範囲である。この光学濃度はフィルム中のカーボンブラック含有量によって大きく変動するが、さらにカーボンブラックの種類や粒子径によっても変わってくる。該光学濃度が0.5よりも小さいと、低膜厚時における遮光性が不十分になるために黒色の色調が低下し、光学的機能を発揮できなくなる。一方、6.5よりも大きくなると遮光性はよいが、カーボンブラックの混和性の影響からフィルムの引っ張り強度物性が低下して、製膜破れトラブルが出やすい問題がある。
この光学濃度は当然のことながらフィルム厚みに大きく依存する。本発明のフィルム厚みは使用目的や用途によって様々であるが、通常は1〜250μmの範囲で幅広く使用できる。遮光部材としては、特に5〜45μm範囲のフィルム厚みが好ましい。フィルム厚みによってカーボンブラックの含有量の調整が必要であり、フィルム厚みが5〜45μmの範囲では遮光性を効果的に発揮させるために光学濃度は2.5〜6.5の範囲が良好である。本発明は薄いフィルムでも遮光性を保持することを目的としており、薄膜でも遮光性の効果を発揮することができる。
ポリエステルフィルムの光学濃度斑は20%以下である。この光学濃度斑は光学機能を満足させるために必要な特性であり、光学濃度斑が20%を越えると遮光性の不均一さから遮光部材用途への使用ができなくなる。高機能性を必要とする用途に対しては、光学濃度斑はより厳しくする必要があり、10%以下であることが好ましい。濃度斑は製膜方法との関連が大きいが、本発明で使用する極限粘度の相対的に大きいポリエステルを使用することによって光学濃度斑の低いフィルムを製膜することが可能になった。
本発明では前記に述べた組成物を主成分とするが、本発明の目的を阻害しない範囲内で、カーボンブラック粒子以外の無機粒子あるいは内部析出粒子を併用してもよい。また、本発明のフィルムは前期の組成物を主要成分とするが、本発明の目的を阻害しない範囲内で、他種ポリマをブレンドしてもよいし、また酸化防止剤、熱安定材、滑剤、紫外線吸収剤、核生成剤などの無機または有機添加剤が通常添加される程度添加されていてもよい。
次に本発明フィルムの製造方法について説明する。
押出機を有する製膜装置において、乾燥したポリエステルのチップと乾燥したカーボンブラックのマスターチップを混合したものを260〜300℃に加熱された押出機に供給し、溶融してTダイ口金内に導入し押出成型する。この溶融シートを、表面温度10〜60℃に冷却されたドラム上で静電気により密着冷却固化し、未延伸フィルムを作製する。このようにして得られた未延伸フィルムはそのまま使用できる用途もあるが、主に縦方向および横方向に二軸延伸して必要最適な厚みのシートに成形される。延伸は、逐次二軸延伸しても良いし、同時に二方向に同時二軸延伸してもよい。また、さらに縦および/または横方向に再延伸を行ってもよい。 たとえば逐次二軸延伸の一例では、該未延伸フィルムを70〜120℃に加熱したロール群に導き、長手方向(縦方向、すなわちフィルムの進行方向)に2〜5倍延伸し、20〜30℃のロール群で冷却する。続いて長手方向に延伸したフィルムの両端をクリップで把持しながらテンターに導き90〜150℃に加熱した雰囲気中で長手方向に垂直な方向(横方向)に2〜5倍延伸する。延伸の面積倍率(縦延伸倍率×横延伸倍率)は6〜20倍であることが好ましい。面積倍率が6倍未満であると、得られるフィルムの強度が不十分となりやすく、逆に20倍を越えると延伸時に破れを生じやすくなる傾向がある。こうして得られた二軸延伸フィルムは、結晶配向を完了させて平面性や寸法安定性を付与するためにテンター内にて150〜238℃で1〜30秒間の熱処理工程を経て、均一に徐冷後、室温まで冷やして巻き取る工程を終了し適正サイズにスリット後、本発明の遮光性ポリエステルフィルム製品を得ることができる。なお、上記熱処理工程中では必要に応じて横方向あるいは縦方向に3〜12%の弛緩処理を施してもよい。また、この手法に近い未延伸シートを作製し同時二軸延伸する場合についても、延伸の面積倍率は6〜20倍であることが好ましい。 また二軸延伸後に、縦、横いずれか、あるいは両方向に再延伸してもよい。 その他、延伸温度と倍率はポリエステル中に添加するカーボンブラック粒子の添加量に対応して、適宜選択することが好ましい。
[特性の測定方法および評価方法]
(1)ポリエステルフィルム中のカーボンブラックの平均二次粒子径
走査型電子顕微鏡S4000(株式会社日立ハイテクノロジーズ製)を使用しフイルム表面を1000倍に拡大した表面写真から、大きさを0.1μm〜10μmの観察範囲内について、カーボンブラックの平均二次粒子径を測定した数値である。
(2)光学濃度
光学濃度計はXRite361T(日本平板機械製)を用い、遮光性ポリエステルフィルム試料に垂直透過光束を照射し試料が無い状態との比をlog(対数)で表したものを光学濃度とした。光束幅は直径1mmの円形もしくはそれ以上の広さのものとした。
(3)光学濃度斑
光学濃度計はXRite361T(日本平板機械製)を用いた。フィルムの大きさ30センチ角に切り取り、光学濃度を均等間隔で10点測定した数値から平均値を求め、最大値から最小値を引いた値を平均値で割り百分率で表した数値を使用し比較する。
(4)遮光性
遮光性ポリエステルフィルムの光学濃度が5以上のものは非常に黒く遮光性優良であり、光学濃度が0.5以下のものは黒さに欠け遮光性に斑があるので不良である。
(5)摺動性
遮光性ポリエステルフィルムの滑り係数を測定方法ASTM−D−1894規格で評価した。安定性大のものは静摩擦係数が0.4以下であり、抵抗が大きく不良のものは静摩擦係数が0.6以上である。
(6)静電気防止性
遮光性ポリエステルフィルムの表面比抵抗をJIS−C−2151規各で評価して1E+15Ω以下で抵抗値の低いものは静電気防止性に優れるが、1E+17Ω以上で抵抗値が高いものは静電気を帯びて帯電斑が出易いので不良である。
(7)つや消し性
遮光性ポリエステルフィルムの光沢度をJIS−K−7105規格で評価して、光沢度が95%以下と低い物はつや消し性良好であり、光沢度が110%以上に高い物は光沢がありすぎ不良となる。
(8)引っ張り強度
遮光性ポリエステルフィルムの引っ張り強は、テンシロン測定器を用いJIS−C−2151規格で評価して、実用レベル180MPa以上であるものが良品、脆く使用出来ない140MPa以下の物が不良品である。
本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
極限粘度[η]が0.70dl/gのポリエチレンテレフタレート(以降PETと省略)チップ97重量部と、マスターチップを用いてカーボンブラック3.0重量部を混合した。マスターチップは粒子径分布が上記のPETに、平均粒子径10〜50nmを有するカーボンブラック粒子(三菱化学社品 ♯50)を均一に分散させた濃度5.0重量%のものを使用した。その混合物を180℃で3時間真空乾燥した後に押出機に供給し、285℃で溶融してTダイ複合口金に導入した。溶融体シートを表面温度25℃に保たれた冷却ドラム上に静電荷法にて密着冷却固化させて未延伸フィルムとした。その後未延伸フィルムを85〜98℃に加熱したロール群に導き長手方向に3.3倍縦延伸した。続いて縦延伸されたフィルムの両端をクリップで把持しながらテンター内に導き130℃に加熱された雰囲気中で長手に垂直な方向に3.6倍横延伸した。その後テンター内で230℃の熱固定を行い、均一に徐冷後、室温まで冷やして巻き取り厚み45μmのフィルムを得た。フィルム中のカーボンブラック粒子の平均二次粒子径は0.9μmであった。
得られたポリエステルフィルムの特性は表1のとおりであった。評価項目として製膜性については工程内での安定性を、遮光性はXRite361Tによる光学濃度を評価基準とした。この遮光性ポリエステルフィルムは遮光性が非常に良好であり、フィルム特性が非常に優れていた。
実施例2
実施例1において、PETチップにカーボンブラック粒子の含有量が0.5重量%に希釈されるよう添加し、実施例1と同様の手法で製膜して厚み45μmのフィルムを得た。
このフィルムの光学濃度は0.5であるが黒く着色し実用可能の範囲内であった。
実施例3
実施例1において、PETチップにカーボンブラック粒子の含有量を35重量%に希釈されるよう添加し、実施例1と同様の手法で製膜して厚み45μmのフィルムを得た。
このフィルムの光学濃度は6.5であった。遮光性、摺動性が極めて良好であった。
実施例4
実施例1において極限粘度[η]0.60dl/gのポリエステルを使用し、カーボンブラック粒子の含有量が3.0重量%に成るように添加した。実施例1と同様の手法で製膜して厚み45μmのフィルムを得た。 このフィルムの光学濃度は6.0と高く、遮光性、摺動性が非常に良好であった。
実施例5
実施例1において極限粘度[η]が0.80dl/gのポリエステルを使用し、カーボンブラック粒子の含有量が3.0重量%になるように添加した。実施例1と同様の手法で製膜して厚み45μmのフィルムを得た。 このフィルムの光学濃度上限の6.0と高く、遮光性、摺動性などが非常に良好であった。
実施例6
実施例1において極限粘度[η]が0.85dl/gのポリエステルを使用し、カーボンブラック粒子の含有量が3.0重量%に成るように添加した。実施例1と同様の手法で製膜して厚み45μmのフィルムを得た。 このフィルムの光学濃度上限の6.0と高く、摺動性、つや消し性が非常に良好であった。
実施例7
実施例1において、平均二次粒子径3.0μmのカーボンブラック粒子を使用したマスターチップを使用して実施例1と同様の手法で製膜して厚み45μmのフィルムを得た。このフィルムの光学濃度は6.0と高く遮光性が優れ、摺動性、静電気防止性など性能バランスが良かった。
実施例8
実施例1において、平均二次粒子径0.1μmのカーボンブラック粒子を使用し、カーボンブラック粒子の含有量が3.0重量%になるように添加した。実施例1と同様の手法で製膜して厚み45μmのフィルムを得た。このフィルムの光学濃度は6.0と遮光性は高く、摺動性、静電気防止性など性能バランスが良好であった。
実施例10
実施例1において、PETチップにカーボンブラック粒子の含有量を3.0重量%に希釈されるよう添加し、実施例1と同様の手法で製膜して厚み24μmのフィルムを得た。
このフィルムの光学濃度が5.0と高く、表1に示すようにフィルム特性が非常に良好であった。
実施例11
実施例1において、PETチップにカーボンブラック粒子の含有量を35.0重量%に希釈されるよう添加し、実施例1と同様の手法で製膜して厚み24μmのフィルムを得た。
このフィルムの光学濃度が6.と高く、フィルム特性が非常に良好であった。
実施例12
実施例1と同様の手法で厚み5μmのフィルムを得た。このフィルムの光学濃度は0.5であるが、実用可能の範囲内であった。
実施例13
実施例3と同様の手法で厚み5μmのフィルムを得た。このフィルムの光学濃度は5.0の光学濃度であり、良好な遮光性を有した。
比較例1
実施例1において、極限粘度[η]が0.90dl/gのPETチップを使用し、実施例1と同様の手法で製膜して厚み45μmのフィルムを得た。このフィルムは光学濃度が6.0と遮光性が良いものの、製膜時に高粘度のため押し出し変動を発生して、光学濃度に斑が発生した。
比較例2
実施例1において、PETチップに混入するカーボン粒子マスターチップの濃度40重量%に調整しフィルムを得た。このフィルムの光学濃度は6.7と非常に高かったが、引っ張り強度が低下して製膜時に破れが頻発した。
比較例4
比較例2において厚み24μmのフィルムを得た。このフィルムの引っ張り強度が低下して製膜時に破れが頻発した。
比較例5
比較例4において厚み3.0μmのフィルムを得た。 このフィルムは製膜時に破れが頻発する問題があった。
Figure 0005298414

Claims (3)

  1. 極限粘度[η]が0.50〜0.85dl/gのポリエステルとカーボンブラック粒子とを用いた組成物を主たる成分とするフィルムであって、該フィルム中のカーボンブラック粒子含有量が0.5〜35重量%、該フィルムの光学濃度が0.5〜6.5、該フィルム中のカーボンブラック粒子の平均二次粒子径が0.1〜3.0μm、かつ光学濃度斑が20%以下であって、光学装置の遮光部材に用いられる遮光性ポリエステルフィルム。
  2. 前記のポリエステルフィルム中のカーボンブラック粒子含有量が3〜30重量%である請求項に記載の遮光性ポリエステルフィルム。
  3. 前記のポリエステルフィルムの厚みが5μm〜50μmの範囲内にあり、かつ、光学濃度が2.5〜6.5の範囲内にある請求項1または2に記載の遮光性ポリエステルフィルム。
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