JP5298423B2 - 遮光性ポリエステルフィルム - Google Patents
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Description
ここで、比粘度ηspは粘度比(溶液粘度/溶媒粘度)−1で算出し、cは溶媒100mlあたりの溶解ポリマ重量(g/100ml、通常1.2)、ハギンス定数K(0.343とする)。また溶液粘度、溶媒粘度はオストワルド粘度計を用いて測定する。
Fは試料に入射した照明光束、F0は試料なしの照明光束。測定方法は光学濃度計はXRite361T(日本平板機械社製)を用いる。サンプル1枚につき、面積一定(5cm×5cm)になるようにサンプリングしてN=3で測定し平均値を出す。
(1)カーボンブラックの平均二次粒子径
遮光性積層ポリエステルフィルム表層、ポリエステル層(A)表面のカーボンブラックの平均二次粒子径を走査型電子顕微鏡S4000(株式会社日立ハイテクノロジーズ製)を使用しフイルム表面を1000倍に拡大した表面写真から、大きさ0.1μm〜10μmの粒径範囲内でカーボンブラックの平均二次粒子径を測定した数値である。
以下の式を用いて密度を決定する。
測定方法はJIS−K−7105規格を用い、測定器はSM−6−IS−2B(スガ試験機株式会社製)を使用した。フィルムの表面色を積分球式カラーメーターで測定するが、各箇所一回の測定値で平均値を出した。
光学濃度計はXRite361T(日本平板機械社製)を用い、ポリエステルフィルム試料に垂直透過光束を照射し試料が無い状態との比をlog(対数)で表したものを光学濃度とした。光束幅は直径1mmの円形ものとした。サンプル1枚につき、面積一定(5cm×5cm)になるようにサンプリングし、光学濃度をN=3で測定して平均値を出した。
光学濃度計はXRite361T(日本平板機械製)を用いた。ポリエステルフィルムの10mサンプルから1m間隔に10枚切り分けて両端部、中央部の3カ所の真ん中から面積(5cm×5cm)で30枚のサンプリングをして光学濃度を1回ずつ測定し、30点の数値から平均値を求め最大値から最小値を引いた値を平均値で割り百分率で表した数値を使用する。
遮光性積層ポリエステルフィルムの引張強度は、テンシロン測定器を用いJIS−C−2151規格で評価して、50MPa以上であるものが実用レベルで良品、49MPa以下のものを脆く使用出来ない不良品とした。
遮光性積層ポリエステルフィルムの滑り係数を測定方法ASTM−D−1894規格で評価した。静摩擦係数が0.4以下のものは安定性大であり、静摩擦係数が0.6以上であるものは抵抗が大きく不良とした。
通常のポリエステルフィルムの密度1.40g/cm3を100とした場合に対して、密度が小さくなったことによる軽量化度合いを百分率で表した数値を使用し比較する。
ポリエステルフィルムの表面比抵抗をJIS−C−2151規格で評価して1E+15Ω以下のものは静電気防止性に優れ、1E+17Ω以上のものは静電気を帯びて帯電斑が出易いので不良とした。
遮光性積層ポリエステルフィルムの光学濃度が0.5以上のものは非常に黒く遮光性優良であり、光学濃度が0.5以下のものは黒さに欠け遮光性に斑があるので不良とした。
[実施例]
本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
極限粘度[η]が0.70dl/gのポリエチレンテレフタレート(以降PETと省略)チップ97重量部と、マスターチップを用いてカーボンブラック3.0重量部を混合した。マスターチップは粒子径分布が上記のPETに、平均粒子径10〜50nmを有するカーボンブラック粒子(三菱化学(株)社製 ♯50)を均一に分散させた濃度5.0重量%のものを使用した。この混合原料を押出機(ア)に送り溶融させポリエステル層(A)を形成すると共に、押出機(イ)を有する複合製膜装置において、ポリエステル層(B)を形成するため、乾燥したポリエステルのチップと、乾燥した三井化学社品のポリメチルペンテン樹脂(以降PMPと省略)5.0重量%を混合したものを260〜300℃に加熱された押出機(イ)に供給し、溶融してTダイ複合口金内に導入した。Tダイ複合口金に導入した。溶融体シートを表面温度25℃に保たれた冷却ドラム上に静電荷法にて密着冷却固化させて未延伸フィルムとした。その後未延伸フィルムを85〜98℃に加熱したロール群に導き長手方向に3.3倍縦延伸した。続いて縦延伸されたフィルムの両端をクリップで把持しながらテンター内に導き130℃に加熱された雰囲気中で長手に垂直な方向に3.6倍横延伸した。その後テンター内で230℃の熱固定を行い、均一に徐冷後、室温まで冷やして巻き取り厚み50μmのフィルムを得た。一般的に単層のポリエステルフィルムの密度は1.40g/cm3であるが、この三層積層フィルムの密度は1.00g/cm3となり軽量化29%であった。このフィルムの軽量性は良レベルであった。
実施例1において、ポリエステル層(B)のPMP含有量を10重量%に添加し、実施例1と同様に製膜して厚み50μmのフィルムを得た。このフィルムの光学濃度は6.0と優れ密度が0.85g/cm3で軽量化39%と実施例1よりも更に軽くなった。 このフィルムは実施例1に比べ特性、軽量性は良好、色調L値15であり同じ良レベルであった。
実施例1において、ポリエステル層(B)のPMP含有量を15重量%に添加し、実施例1と同様に製膜して厚み50μmのフィルムを得た。このフィルムの光学濃度は6.0と遮光性に優れ、密度が0.75g/cm3と非常に軽く軽量化46%であり実施例2よりも更に軽くなった。このフィルム実施例2に比べ特性は良好であり軽量性は優良、色調L値15で黒色性が良く同じレベルであった。
実施例1において、ポリエステル層(B)のPMP含有量を20重量%に添加し、実施例1と同様に製膜して厚み50μmのフィルムを得た。このフィルムの光学濃度は6.0と遮光性に優れ、密度が0.60g/cm3と非常に軽く軽量化57%であり実施例3よりも更に軽く優れている。このフィルムは実施例3に比べ特性は良好であり軽量性は非常に優良、色調L値15で黒色性が良く同じレベルであった。
実施例1においてポリエステル層(A)、(B)には、カーボンブラック粒子の含有量が0.3重量%になるように添加した。実施例1と同様に製膜して厚み50μmのフィルムを得た。このフィルムの光学濃度は1.0、密度1.00g/cm3、軽量化29%であり実施例1に比べると遮光性に劣るが実用可能レベル、色調L値29で実用可能レベルのものができた。
実施例1において、ポリエステル層(A)、(B)には、カーボンブラック粒子の含有量が30重量%に成るように添加した。またポリエステル層(B)のPMP含有量を5.0重量%に添加し実施例1と同様に製膜して厚み50μmのフィルムを得た。密度が1.00g/cm3、軽量化29%であり実施例1と同じレベルであるが、このフィルムの光学濃度は6.2と高く遮光性が非常に優れ、色調L値15で黒色性が良く実施例1と同じであった。
実施例1において、ポリエステル層(A)、(B)には、カーボンブラック粒子の含有量が0.5重量%になるように添加した。ポリエステル層(A)には平均二次粒子径0.1μmのカーボンブラック粒子を使用し、実施例1と同様に製膜して厚み50μmのフィルムを得た。このフィルムの光学濃度は2.0、密度が1.00g/cm3と軽量化29%であり、色調L値17で黒色性が良く実施例1よりも遮光性がやや劣るが、実用可能レベルのものができた。
実施例1において、ポリエステル層(A)、(B)には平均二次粒子径3.0μmのカーボンブラック粒子を使用し、実施例1と同様に製膜して厚み50μmのフィルムを得たが実施例1に比べ摩擦係数が少し低いものができた。このフィルムは色調L値14で黒色性が良く、密度が1.00g/cm3と軽量化29%であり実施例1と同じレベルである。このフィルムは遮光性が良いが製膜性がやや劣っていた。
実施例1において、ポリエステル層(A)、(B)には、カーボンブラック粒子の含有量が0.5重量%になるように添加した。ポリエステル層(A)には平均二次粒子径0.9μmのカーボンブラック粒子を使用し、実施例1と同様に製膜して厚み25μmのフィルムを得た。このフィルムの光学濃度が1.0であり実施例1に比べると遮光性が劣るが実用可能レベルである。密度は1.00g/cm3、軽量化29%であり、色調L値15で黒色性が良く実施例1と同じであった。
実施例7と同様の手法だが厚みを薄く製膜して15μmのフィルム厚みのものを得た。
実施例1において、ポリエステル層(A)、(B)には、カーボンブラック粒子の含有量が0.5重量%に成るように添加した。またポリエステル層(B)のPMP含有量を15重量%に添加し実施例1と同様に製膜して厚み100μmのフィルムを得た。このフィルムの光学濃度は4.0と良い。密度が0.75g/cm3と非常に軽く軽量化46%であり実施例3と同じレベルであった。このフィルムの色調L値14であり黒色性が良いが、実施例1に比べ遮光性が劣っていた。軽量性は優良レベルであった。
実施例1において、ポリエステル層(B)のPMP含有量を1.0重量%に添加し実施例1と同様に製膜して厚み50μmのフィルムを得た。このフィルムは、色調L値15で黒色性が良く実施例1と同じである。光学濃度が6.5以上と実施例1よりも遮光性が良いものの、密度が1.35g/cm3と重くなり、密度範囲を外れるので不良であった。
実施例1において、ポリエステル層(B)のPMP含有量を0.5重量%に添加し実施例1と同様に製膜して厚み50μmのフィルムを得た。このフィルムは、色調L値は15で黒色性が良く実施例1と同じである。光学濃度が6.5以上と実施例1よりも遮光性が良いものの、比較例1に比べ更に密度が1.38g/cm3と重く、密度範囲を外れるので不良であった。
実施例1において、ポリエステル層(B)のカーボンブラック粒子の含有量が0.1重量%に成るように添加した。またポリエステル層(B)のPMP含有量を45重量%に添加し実施例1と同様に製膜して厚み50μmのフィルムを得た。このフィルムは、色調L値35で黒色性が不良である。また、密度が0.30g/cm3と非常に軽いが、光学濃度が0.4と下限以下となり遮光性が不良である。実施例1に比べ製膜が安定せず、押し出し変動が発生して破れが頻発した。
極限粘度[η]が0.70dl/gのPETチップ97重量部と、マスターチップを用いてカーボンブラック3.0重量部を混合した。この混合原料と乾燥したPMP5.0重量%を混合したものを押出機に供給し、実施例1と同様に溶融製膜、延伸して厚み50μmの単層フィルムを得た。一般的に単層のポリエステルフィルムの密度は1.40g/cm3であるが、このフィルムの密度は0.85g/cm3となり軽量化39%を達成し軽量性は良好である。この遮光性積層ポリエステルフィルムは光学濃度4.0と遮光性が良であり、色調L値15.0であり黒色性が良く他のフィルム特性も良であった。
Claims (5)
- カーボンブラック粒子を含有するポリエステルフィルムであって、
該フィルムの密度が0.60g/cm3〜1.10g/cm3、フィルムの色調L値が30以下、
かつ光学濃度が0.5〜6.5である遮光性ポリエステルフィルムであって、
前記遮光性ポリエステルフィルムが積層フィルムであり、
カーボンブラック粒子およびポリエステルに非相溶な樹脂を含有するポリエステル層(B)の少なくとも片面に、カーボンブラック粒子を含有するポリエステル層(A)が積層され、
前記ポリエステルに非相溶な樹脂がポリメチルペンテンであり、ポリエステル層(B)の総重量に対して15〜20重量%含有されてなる遮光性ポリエステルフィルム。 - 前記のポリエステルフィルム中に含有されるカーボンブラック粒子の平均二次粒子径が0.1〜3.0μmである請求項1に記載の遮光性ポリエステルフィルム。
- 引張強度が50MPa以上である請求項1または2に記載の遮光性ポリエステルフィルム。
- 3層の積層構造であって、芯層部が前記ポリエステル層(B)、両表層部が前記ポリエステル層(A)である請求項1〜3のいずれかに記載の遮光性ポリエステルフィルム。
- 光学装置の遮光部材に用いられる請求項1〜4のいずれかに記載の遮光性ポリエステルフィルム。
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