JPH06107816A - 二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents

二軸配向ポリエステルフィルム

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JPH06107816A
JPH06107816A JP25624792A JP25624792A JPH06107816A JP H06107816 A JPH06107816 A JP H06107816A JP 25624792 A JP25624792 A JP 25624792A JP 25624792 A JP25624792 A JP 25624792A JP H06107816 A JPH06107816 A JP H06107816A
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film
polyester film
biaxially oriented
polyester
layer
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JP25624792A
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English (en)
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Shoji Nakajima
彰二 中島
Koichi Abe
晃一 阿部
Iwao Okazaki
巌 岡崎
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高速で走行・加工されても傷が付きにくく、
削れ粉が発生しないフィルムを提供する。 【構成】 分散ポリマとして異方性溶融物を形成しうる
共重合ポリエステルを0.1〜45重量%と、1次粒子
の平均径が5〜100nmの無機粒子を0.01〜3重
量%含有せしめた二軸配向ポリエステルフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリエステルフィルムに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】二軸配向ポリエステルフィルムとして
は、無機または有機の粒子を含有せしめ、耐摩耗性を向
上させたもの(たとえば特開平2−77431号公
報)、アルミナなどの高硬度粒子を含有せしめて耐摩耗
性を向上させたもの(たとえば特公平4−40375号
公報)などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、最近、フィル
ムの加工工程、たとえば包装用途における印刷工程、磁
気媒体用途における磁性層塗布・カレンダ−工程あるい
は感熱転写用途における感熱転写層塗布などの工程速度
が急激に増大しており、従来のポリエステルフィルムで
は、その表面の強さが不十分のため、加工工程で接触す
るロールなどで、フィルムに傷がつき削れ粉が発生する
という問題が顕在化してきている。
【0004】本発明はかかる問題点を改善し、高速で走
行、加工されても傷がつきにくく削れ粉が発生しないフ
ィルム(以下耐削れ性良好という)を提供することを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、分散ポリマとして異方性溶融物を形成し
うる共重合ポリエステルを0.1〜45重量%と、1次
粒子の平均径が5〜100nmの無機粒子を0.01〜
3重量%含有せしめたことを特徴とする二軸配向ポリエ
ステルフィルムとするものである。
【0006】本発明を構成する基材ポリエステルは特に
限定されないが、エチレンテレフタレ−ト、エチレン
α,β−ビス(2-クロルフェノキシ)エタン-4,4'-ジカ
ルボキシレ−ト、エチレン2,6-ナフタレ−ト単位から選
ばれた少なくとも一種の構造単位を主要構成成分とする
場合に特に望ましい。中でもエチレンテレフタレ−トを
主要構成成分とする場合が耐削れ性がより一層良好とな
るので望ましい。
【0007】該基材ポリエステルに分散せしめる異方性
溶融物を形成しうる共重合ポリエステル(以下、液晶性
ポリエステルという)は特に限定されないが、パラヒド
ロキシ安息香酸残基単位を主体とし、これにエチレンテ
レフタレート単位が共重合されたもの、パラヒドロキシ
安息香酸残基単位と2−オキシナフタレン−6−カルボ
ン酸残基単位とを主体としたもの、パラヒドロキシ安息
香酸残基単位、4−4’−ジヒドロキシビフェニル残基
単位およびテレフタル酸残基単位を主体とたもの、パラ
ヒドロキシ安息香酸残基単位、9,10−ジヒドロ−9
−オキサ−10−(2’,5’−ジヒドロキシジフェニ
ル)ホスファフェナントレン−10−オキシド残基単位
およびテレフタル酸残基単位(及び更にイソフタル酸残
基単位)からなるもの等があげられる。液晶性ポリエス
テルは、該基材ポリエステルとある程度非相溶であるこ
とが必要である。完全に相溶であると表面に突起が形成
されないため好ましくなく、また、非相溶すぎると表面
粗さが大きくなりすぎるので好ましくない。
【0008】該液晶性ポリエステルの含有量は上記基材
ポリエステルに対して、0.1〜45重量%、好ましく
は、0.5〜30重量%、さらに好ましくは1〜20重
量%であることが必要である。含有量が上記の範囲より
多くても、少なくても耐削れ性が不良となるので好まし
くない。なお、分散せしめるポリマは1種類ではなく2
種類以上でも問題ないが、その総量が上記の範囲を満足
することが必要である。
【0009】また、該液晶性ポリエステルを、基材ポリ
エステル中に分散を行なう方法としては、これらのポリ
エステルをブレンドし溶融押出する方法が用いられる
が、とくに、ベント式二軸混練押機によりブレンド、溶
融押出することで、液晶性ポリエステルの分散状態が均
一かつ微細になり、表面には均一な微小突起が形成され
耐削れ性がより一層良好となるので望ましい。
【0010】また、液晶性ポリエステルの分散状態につ
いて、フィルム断面における分散ポリマの平均分散径が
0.1〜3μm、より好ましくは0.2〜2.0μmで
ある場合に、耐削れ性がより一層良好となるので望まし
い。
【0011】また、液晶性ポリエステルの分散状態につ
いて、フィルム断面における分散ポリマの長径/短径比
が2.0以下、より好ましくは1.6以下である場合に
耐削れ性がより一層良好となるので望ましい。
【0012】また、液晶性ポリエステルの分散ポリマに
起因する粒子数が、3×103 〜8×107 個/mm2
である場合に耐削れ性が特に良好となるので望ましい。
より好ましくは5×103 〜3×107 個/mm2 であ
る。
【0013】また、本発明フィルムは上記液晶性ポリエ
ステル以外に無機粒子を含有していることが必要であ
る。該無機粒子の1次粒子の平均径(以下、平均1次径
ということがある)は5〜100nm、好ましくは、5
〜80nm、さらに好ましくは、10〜60nmの範囲
であることが必要である。平均1次径が上記の範囲より
小さくても、大きくても耐削れ性が不良となるので好ま
しくない。該無機粒子の種類は特に限定されず、また2
種類以上を併用しても良い。形状は凝集形態の粒子の場
合に耐削れ性が特に良好となるので望ましい。特に、ア
ルミナ、ジルコニア、カーボランダム、シリカの場合
に、耐削れ性が特に良好となるので望ましい。
【0014】該無機粒子の含有量は、全ポリマに対し、
0.01〜3重量%、好ましくは0.05〜2重量%、
さらに好ましくは、0.1〜1重量%の範囲であること
が必要である。含有量が上記の範囲より小さくても、大
きくても耐削れ性が不良となるので好ましくない。
【0015】また本発明フイルムは、表面突起の平均高
さが20〜800nm、特に、30〜600nmの範囲
である場合に耐削れ性がより一層良好となるのできわめ
て望ましい。
【0016】また、本発明は単層で使用できるが、上記
の該液晶性ポリエステルと1次粒子の平均径が5〜10
0nmの無機粒子を含有せしめたポリエステル組成物か
らなる層(A層)を、異方性溶融物を形成しうる共重合
ポリエステルを含有しないポリエステル組成物からなる
層(B層)の少なくとも片面に積層した積層フィルムと
した場合に耐削れ性がより一層良好となるので望まし
い。
【0017】また、該積層フィルムの、該A層の積層厚
さtと分散ポリマの平均分散径dの比、t/dが、0.
1〜10、より好ましくは0.2〜5の範囲である場合
に耐削れ性がより一層良好となるので望ましい。
【0018】さらに、該積層フィルムのA層の表面突起
の高さ分布の相対標準偏差が0.7以下である場合に、
耐削れ性がより一層良好となるので望ましい。
【0019】また、本発明フイルムは、上記組成物を主
要成分とするが、本発明の目的を阻害しない範囲内で、
他種ポリマをブレンドしてもよいし、また酸化防止剤、
熱安定剤、滑剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤などの有機
添加剤が通常添加される程度添加されていてもよい。
【0020】本発明フイルムは、上記構成組成物が二軸
に配向していることが必要である。一軸あるいは無配向
フイルムでは本発明の特性を満足することはできない。
この配向の程度は特に限定されないが、高分子の分子配
向の程度の目安であるヤング率が長手方向、幅方向とも
に350kg/mm2 以上である場合に耐削れ性がより
一層良好となるのできわめて望ましい。分子配向の程度
の目安であるヤング率の上限は特に限定されないが、通
常、1500kg/mm2 程度が製造上の限界である。
【0021】次に本発明フィルムの製造方法について説
明する。
【0022】まず、基材ポリエステルに液晶性ポリエス
テルを含有させる方法として、例えば液晶性ポリエステ
ルを実質的に含有しないポリエステルをあらかじめ重合
しておきそこに液晶性ポリエステルをベント式二軸混練
機等を用いてブレンドすると液晶性ポリエステルの分散
径が均一かつ微細になるので望ましい。次に基材ポリエ
ステルに無機粒子を含有せしめる方法としては、ポリエ
ステルの重合工程で粒子を含有せしめる方法、粒子を実
質的に含有しないポリエステルをあらかじめ重合してお
きそこに無機粒子をベント式二軸混練機等を用いて練り
込む方法等が望ましい。上記いずれかの方法で、液晶性
ポリエステルと無機粒子を別々に含有するポリエステル
を作成したのちこれらを混合する方法は特に限定されな
いが、無機粒子を重合工程で含有せしめた後、このポリ
エステルと液晶性ポリエステルをベント式二軸混練機等
を用いて練り込む方法が耐削れ性を特に良好とするのに
有効である。液晶性ポリエステルと無機粒子の含有量を
調節する方法としては上記方法で高濃度のマスタを作っ
ておき、それを製膜時に液晶性ポリエステルと無機粒子
を実質的に含有しないポリエステルで希釈して液晶性ポ
リエステルと無機粒子の含有量を調節する方法が有効で
ある。
【0023】次にこのポリエステルのペレットを用いて
ポリエステルフイルムとする。上記の方法にて得られた
ペレットを所定の割合で混合し、乾燥した後、公知の溶
融押出機に供給し、スリット状の口金からシートを押し
出し、キャスティングロールで冷却して未延伸フイルム
を作る。また積層フィルムの製造は上記の方法にて得ら
れたペレットを所定の割合で混合し、乾燥した後、公知
の溶融積層用押出機に供給し、スリット状の口金からシ
ートを押し出し、キャスティングロールで冷却して未延
伸フイルムを作る。すなわち、2台以上の押出機、2層
以上のマニホ−ルドまたは合流ブロックを用いて、液晶
性ポリエステルを含有しない層(B層)の少なくとも片
面に、液晶性ポリエステルと1次粒子の平均径が5〜1
00nmの無機粒子を所定割合で含有するポリエステル
組成物層(A層)となるように積層し、スリット状の口
金から2層以上のシートを押し出し、キャスティングロ
ールで冷却して未延伸フイルムを作る。
【0024】次にこの未延伸フィルムを二軸延伸し、二
軸配向せしめる。延伸方法としては、逐次二軸延伸法ま
たは同時二軸延伸法を用いることができる。ただし、最
初に長手方向、次に幅方向の延伸を行なう逐次二軸延伸
法を用い、長手方向の延伸を3段階以上に分けて、総縦
延伸倍率を2.5〜6.5倍で行なう方法は特に望まし
い。長手方向延伸温度はポリエステルの種類によって異
なり一概には言えないが、通常、その1段目を50〜1
30℃とし、2段目以降はそれより高くすることが有効
である。長手方向延伸速度は5000〜50000%/
分の範囲が好適である。幅方向の延伸方法としてはステ
ンタを用いる方法が一般的である。延伸倍率は、3.0
〜5.0倍の範囲が適当である。幅方向の延伸速度は、
1000〜20000%/分、温度は80〜160℃の
範囲が好適である。また、いったん二軸延伸されたフイ
ルムを少なくとも一方向にさらに延伸しても良い。次に
この延伸フィルムを熱処理する。この場合の熱処理温度
は170〜220℃、特に180〜200℃、時間は
0.2〜30秒の範囲が好適である。
【0025】
【作用】本発明は、異方性溶融物を形成しうる共重合ポ
リエステルと微細な無機粒子を各々特定範囲とし併用し
たので、表面には均一な微小突起が形成され本発明の効
果が得られたものと推定される。
【0026】
【物性の測定方法ならびに効果の評価方法】本発明の特
性値の測定方法並びに効果の評価方法は次の通りであ
る。
【0027】(1)無機粒子の平均1次粒径と液晶性ポ
リエステルのフィルム中での分散径 フィルム断面を透過型電子顕微鏡(TEM)を用い、無
機粒子測定の場合は50万倍以上で、凝集している無機
粒子の1次粒径は凝集粒子の分割できない粒子最小単位
について測定し、液晶性ポリエステルの分散径の測定の
場合は約3000〜50000倍の倍率で観察する。T
EMの切片厚さは80〜100nmとし場所をかえて1
00視野以上測定し、それぞれ円相当径の平均値であ
る。またこの時、液晶性ポリエステルと無機粒子をXM
Aなどを用いて両者を区別して測定を行なった。
【0028】(2)粒子、分散ポリマの含有量 基材ポリエステルは溶解し、分散ポリマ、無機粒子は溶
解させない溶媒を選択し、分散ポリマに起因する粒子と
無機粒子をポリエステルから遠心分離し、全体重量に対
する比率(重量%)をもってそれぞれの含有量とする。
必要に応じて熱分解ガスクロマトグラフィーや赤外分光
法、蛍光X線分析法、ラマン散乱、SEM−XMAなど
を利用して定量することもできる。また必要に応じて透
過型電子顕微鏡を用いて各断面に観察される粒子の個数
から計算することもできる。
【0029】(3)表面の分子配向(屈折率) ナトリウムD線(589nm)を光源として、アッベ屈
折率計を用いて測定した。マウント液にはヨウ化メチレ
ンを用い、25℃、65%RHにて測定した。ポリマの
二軸配向性は長手方向、幅方向、厚さ方向の屈折率をN
1 、N2 、N3とした時、(N1 −N2 )の絶対値が
0.07以下、かつ、N3 /[(N1 +N2 )/2]が
0.95以下であることをひとつの基準とできる。ま
た、レーザー型屈折率計を用いて屈折率を測定しても良
い。さらに、この方法では測定が難しい場合は全反射レ
ーザーラマン法を用いることもできる。レーザー全反射
ラマンの測定は、Jobin-Yvon社製Ramanor U−1000
ラマンシステムにより、全反射ラマンスペクトルを測定
し、例えばPETの場合では、1615cm-1(ベンゼ
ン環の骨格振動)と1730cm-1(カルボニル基の伸
縮振動)のバンド強度比の偏光測定比(YY/XX比な
ど。ここでYY:レーザーの偏光方向をYにしてYに対
して平行なラマン光検出、XX:レーザーの偏光方向を
XにしてXに対して平行なラマン光検出)が分子配向と
対応することを利用できる。ポリマの二軸配向性はラマ
ン測定から得られたパラメータを長手方向、幅方向の屈
折率に換算して、その絶対値、差などから判定できる。
この場合の測定条件は次のとおりである。 光源 アルゴンイオンレ−ザ−(5145A) 試料のセッティング フィルム表面を全反射プリズムに圧着させ、レ−ザのプ
リズムへの入射角(フィルム厚さ方向との角度)は60
゜とした。 検出器 PM:RCA31034/Photon Counting System(Hamamatsu C1
230) (supply 1600V) 測定条件 SLIT 1000μm LASER 100mW GATE TIME 1.0sec SCAN SPEED 12cm-1/min SAMPLING INTERVAL 0.2cm -1 REPEAT TIME 6
【0030】(4)表面突起の平均高さ 2検出器方式の走査型電子顕微鏡[ESM−3200、
エリオニクス(株)製]と断面測定装置[PMS−1、
エリオニクス(株)製]においてフィルム表面の平坦面
の高さを0として走査した時の突起の高さ測定値を画像
処理装置[IBAS2000、カ―ルツァイス(株)
製]に送り、画像処理装置上にフイルム表面突起画像を
再構築する。次に、この表面突起画像で突起部分を2値
化して得られた個々の突起の面積から円相当径を求めこ
れをその突起の平均径とする。また、この2値化された
個々の突起部分の中で最も高い値をその突起の高さと
し、これを個々の突起について求める。この測定を場所
をかえて500回繰返し、突起個数を求め、測定された
全突起についてその高さの平均突起高さと高さ分布の標
準偏差を求め、相対標準偏差を算出した。また走査型電
子顕微鏡の倍率は、1000〜8000倍の間の値を選
択する。なお、場合によっては、高精度光干渉式3次元
表面解析装置(WYKO社製TOPO−3D、対物レン
ズ:40〜200倍、高解像度カメラ使用が有効)を用
いて得られる高さ情報を上記SEMの値に読み替えて用
いてもよい。
【0031】(5)ヤング率 JIS−Z−1702に規定された方法にしたがって、
インストロンタイプの引っ張り試験機を用いて、25
℃、65%RHにて測定した。
【0032】(6)A層の積層厚さ 2次イオン質量分析装置(SIMS)を用いて、表層か
ら深さ3000nmの範囲のフイルム中の粒子の内もっ
とも高濃度の粒子に起因する元素とポリエステルの炭素
元素の濃度比(M+ /C+ )を粒子濃度とし、表面から
深さ3000nmまで厚さ方向の分析を行なう。表層で
は表面という界面のために粒子濃度は低く表面から遠ざ
かるにつれて粒子濃度は高くなる。本発明フイルムの場
合はいったん極大値となった粒子濃度がまた減少し始め
る。この濃度分布曲線をもとに表層粒子濃度がの極大値
の1/2となる深さ(この深さは極大値となる深さより
も深い)を求め、これを積層厚さとした。条件は次の通
り。 測定装置 2次イオン質量分析装置(SIMS) 独、ATOMIKA 社製 A-DIDA3000 測定条件 1次イオン種:O2 + 1次イオン加速電圧:12KV 1次イオン電流:200nA ラスター領域:400μm□ 分析領域:ゲ−ト30% 測定真空度:5.0×10-9Torr E−GUN:0.5KV−3.0A また、必要に応じて表面からエッチングしながらXPS
(X線光電子分光法)、IR(赤外分光法)などで上記
同様のデプスプロファイルを測定し積層厚さを求めても
良いし、また、電子顕微鏡等による断面観察で粒子濃度
の変化状態やコントラストの差から界面を認識し積層厚
さを求めることもできる。
【0033】(7)耐削れ性 フィルムを幅1/2 インチのテープ状にスリットしたもの
をテープ走行性試験機を使用して、ガイドピン(表面粗
度:Raで100nm)上を走行させる(走行速度25
0m/分、走行回数1パス、巻き付け角:60°、走行
張力:90g)。この時、フィルムに入ったキズを顕微
鏡観察し、またガイドピンに付着した削れ粉の量を目視
観察し、幅1μm以上のキズがテープ幅あたり2本未満
で、削れ粉の付着量が殆どなしは優、上記キズが2本以
上10本未満で、削れ粉がわずかに付着は良、上記キズ
が10本以上か、削れ粉の付着量が多いものは不良と判
定した。優が望ましいが、良でも実用的には使用可能で
ある。
【0034】
【実施例】本発明を実施例に基づいて説明する。
【0035】実施例1 まず平均1次粒子径30nmのジルコニアをエチレング
リコールにスラリーの形で分散せしめ、テレフタル酸ジ
メチルとエステル交換反応後、重縮合し、ポリエチレン
テレフタレ−トのマスタペレットを作った。このペレッ
トをベント式二軸混練押出機に供給し、液晶性ポリエス
テル(ポリエチレンテレフタレート/パラヒドロキシ安
息香酸共重合体=20/80)ペレットを練り込み、2
重量%含有のジルコニアと液晶性ポリエステルが共存す
るチップを作成した。
【0036】また、常法によって、実質的に無機粒子と
液晶性ポリエステルを含有しないポリエチレンテレフタ
レ−トのチップを製造した。
【0037】これらのポリマをそれぞれ180℃で3時
間減圧乾燥(3Torr)し、それぞれを押出機に供給し2
90℃で溶融し、これらのポリマを高精度瀘過した後、
静電印加キャスト法を用いて表面温度25℃のキャステ
ィング・ドラムに巻きつけて冷却固化し未延伸フィルム
を作った。この未延伸フイルムを温度90℃にて長手方
向に3.5倍延伸した。この延伸は2組のロ−ルの周速
差で行なった。この一軸延伸フイルムをステンタを用い
て延伸速度2000%/分で100℃で幅方向に4.5
倍延伸し、定長下で、200℃にて5秒間熱処理し、総
厚さ15μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
このフィルムは表1に示したとおり耐削れ性が優であっ
た。
【0038】実施例2〜4、比較例1〜5 液晶性ポリエステルの種類、含有量、無機粒子の1次粒
径と種類、含有量、延伸倍率を変更する以外は、実施例
1と同様にして表1及び表2の様な単層フィルムを得
た。本発明の範囲内の場合は、耐削れ性が優れたフイル
ムであるが、そうでない場合は目的を達し得ないことが
わかる。
【0039】実施例5、比較例6 実施例1に用いたのと同じジルコニアと液晶性ポリエス
テルを用いてそれぞれの含有量を調節したペレットを1
80℃で3時間減圧乾燥(3Torr)し、押出機1に供給
し280℃で溶融した(ポリマA)。更にもう1台の押
出機2を用意し無機粒子と液晶性ポリエステルを含有し
ないポリエチレンテレフタレ−トのペレットを180℃
で3時間減圧乾燥(3Torr)し、押出機2に供給し29
0℃で溶融した(ポリマB)。この2つのポリマを高精
度瀘過した後、3層用の矩形の合流ブロック(フィード
ブロック)で合流積層し、静電印加キャスト法を用いて
表面温度25℃のキャスティング・ドラムに巻きつけて
冷却固化し、3層構造の未延伸フィルムを作った。この
時、それぞれの押出機の吐出量を調節し総厚さ、ポリマ
A層の厚さを調節した。この未延伸フィルムを温度90
℃にて長手方向に3.4倍延伸した。この延伸は2組の
ロ−ルの周速差で行なった。この一軸延伸フイルムをス
テンタを用いて延伸速度2000%/分で100℃で幅
方向に4.0倍延伸し、定長下で、200℃にて5秒間
熱処理し、総厚さ15μmの二軸配向積層ポリエステル
フィルムを得た。本発明の無機粒子と液晶性ポリエステ
ルの含有量が範囲内の場合は、耐削れ性が優れたフイル
ムであるが、そうでない場合は目的を達し得ないことが
わかる。
【0040】
【表1】
【表2】
【0041】
【発明の効果】本発明は、分散ポリマとして異方性溶融
物を形成しうる共重合ポリエステルと、1次粒子の平均
径が5〜100nmの無機粒子を併用し、それぞれ特定
範囲含有せしめたので、耐削れ性が優れたフイルムとな
り、各用途でのフイルム加工速度の増大に対応できるも
のである。本発明フイルムの用途は特に限定されない
が、加工工程でのフィルム表面の削れが加工工程上、製
品性能上特に問題となる磁気記録媒体用ベ−スフィルム
として特に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 105:16 B29L 7:00 4F

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分散ポリマとして異方性溶融物を形成し
    うる共重合ポリエステルを0.1〜45重量%と、1次
    粒子の平均径が5〜100nmの無機粒子を0.01〜
    3重量%含有せしめたことを特徴とする二軸配向ポリエ
    ステルフィルム。
  2. 【請求項2】 異方性溶融物を形成しうる共重合ポリエ
    ステルの分散状態について、フィルム断面における分散
    ポリマの平均分散径が0.1〜3μmである請求項1記
    載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  3. 【請求項3】 異方性溶融物を形成しうる共重合ポリエ
    ステルの分散状態について、フィルム断面における分散
    ポリマの長径/短径比が2.0以下である請求項1また
    は2記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  4. 【請求項4】 異方性溶融物を形成しうる共重合ポリエ
    ステルの分散ポリマに起因する粒子数が、3×103
    8×107 個/mm2 である請求項1〜3のいずれかに
    記載の二軸配向ポリエステルフイルム。
  5. 【請求項5】 無機粒子がアルミナ、ジルコニア、カー
    ボランダム、シリカから選ばれた少なくとも一種である
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の二軸
    配向ポリエステルフイルム。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載のポリエ
    ステルフィルム層(A層)を、異方性溶融物を形成しう
    る共重合ポリエステルを含有しないポリエステル組成物
    からなる層(B層)の少なくとも片面に積層してなるこ
    とを特徴とする二軸配向ポリエステルフィルム。
  7. 【請求項7】 A層の積層厚さtと異方性溶融物を形成
    しうる共重合ポリエステルの分散ポリマの平均分散径d
    の比、t/dが、0.1≦t/d≦10であることを特
    徴とする請求項6記載の二軸配向ポリエステルフィル
    ム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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