JPWO2018142721A1 - 光拡散粒子、光拡散透過シート、及び光拡散粒子を製造する方法 - Google Patents

光拡散粒子、光拡散透過シート、及び光拡散粒子を製造する方法 Download PDF

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Abstract

光拡散粒子(10)は、コア(10c)と、シェル(10s)とを備えている。コア(10c)は、第一バインダー(11)と、第一微粒子(12)とによって形成されている。第一微粒子(12)は、第一バインダー(11)の屈折率よりも低い屈折率を有する低屈折率微粒子(12a)を含む。第一微粒子(12)は、第一バインダーに接触して覆われている。シェル(10s)は、コア(10c)の外面に接触してコア(10c)を覆う。シェル(10s)は、50nm〜450nmの粒子径を有しシェル(10s)に表面凹凸(A)を付与する球状粒子(13)を含む。

Description

本発明は、光拡散粒子、光拡散透過シート、及び光拡散粒子を製造する方法に関する。
液晶ディスプレイの高画質化に伴い、液晶ディスプレイのバックライトから出射される光を空間的に均質化するために、光拡散特性の高い光拡散透過シートに対する需要が高まっている。加えて、消費エネルギーを低減する観点から、輝度特性の高い光拡散透過シートに対する需要も高まっている。
特許文献1には、母材である樹脂と、樹脂に分散されたシリカ複合粒子とを備えた光拡散透過シートが記載されている。シリカ複合粒子は、平均粒径が100nm以下である酸化チタン微粒子を内包している。特許文献1に記載の光拡散透過シートは、高い全光線透過率及びヘイズ率を示す。なお、酸化チタンの屈折率はシリカの屈折率より大きい。
特許文献2には、プロジェクターから投影された映像を視認するための透過型スクリーンが記載されている。透過型スクリーンは、光拡散微粒子とキセロゲルとを含有する光拡散層を有する。光拡散微粒子として、有機微粒子と少量の無機微粒子とによる複合粒子又は無機微粒子と少量の有機高分子による複合粒子が使用可能であることが記載されている。有機微粒子と少量の無機微粒子とによる複合粒子としては、メラミン樹脂又はアクリル樹脂等の微粒子の表面がシリカ等の無機微粒子で被覆された複合粒子が例示されている。なお、通常、メラミン樹脂の屈折率及びアクリル樹脂の屈折率はシリカの屈折率よりも高い。
特許文献3には、光透過性基材と、内部散乱層とを有する光学積層体が記載されている。特許文献3には、この光学積層体が良好な防眩性を保ちつつ、優れたコントラストとギラツキ防止効果を発揮すると記載されている。内部散乱層は、内部散乱粒子を含有する。内部散乱粒子は、5〜300nmの平均粒径を有する微粒子を内包している。内部散乱粒子に内包された微粒子の屈折率nAは、内部散乱粒子に内包された微粒子以外の成分の屈折率nBより大きい。
特許文献4には、透明樹脂を含む透明基材からなる光拡散層を具備する光拡散板が記載されている。光拡散層は透明基材の内部に存在する、第一光拡散粒子及び第二光拡散粒子を含む。第二光拡散粒子の屈折率は、第一光拡散粒子の屈折率よりも大きい。第一光拡散粒子の屈折率は1.4〜1.7であり、第二光拡散粒子の屈折率は2より大きい。
特開2014−48427号公報 特開2013−195548号公報 特開2009−42554号公報 特開2008−40479号公報
特許文献1〜4に記載の技術は、特許文献1〜4に記載の粒子が分散した層又はシートを備えた製品に高い輝度特性をもたらすうえで、必ずしも有利であるとはいえない。加えて、特許文献1〜4において、粒子表面の保水性については何ら検討されていない。
そこで、本発明は、光拡散透過シートに高い輝度特性を付与するのに有利であり、かつ、水を留めにくい表面を有する光拡散粒子を提供する。
本発明は、
第一バインダーと、前記第一バインダーの屈折率よりも低い屈折率を有する低屈折率微粒子を含み、前記第一バインダーに接触して覆われている第一微粒子とによって形成されたコアと、
前記コアの外面に接触して前記コアを覆うシェルであって、50nm〜450nmの粒子径を有し当該シェルに表面凹凸を付与する球状粒子と、前記球状粒子の外面に接触している第二バインダーとを含むシェルと、を備えた、
光拡散粒子を提供する。
また、本発明は、
母材と、
前記母材に分散している上記の光拡散粒子と、を備えた、
光拡散透過シートを提供する。
さらに、本発明は、
コアシェル構造を有する光拡散粒子を製造する方法であって、
第一バインダーの原料と、前記第一バインダーの屈折率よりも低い屈折率を有する低屈折率微粒子を含む第一微粒子とが分散している第一分散液を調製し、
前記第一分散液に前記第一バインダーの原料を架橋させるための架橋剤を添加して前記第一バインダーの原料を架橋させてコアを形成し、
前記コアと、50nm〜450nmの粒子径を有する球状粒子とが分散している第二分散液を調製し、
前記第二分散液を噴霧乾燥する、
方法を提供する。
上記の光拡散粒子は、光拡散粒子が分散している光拡散透過シートに高い輝度特性を付与するのに有利であり、光拡散粒子の表面には水が留まりにくい。また、上記の方法によれば、コアシェル構造を有し、かつ、水を留めにくい表面を有する光拡散粒子を1回の噴霧乾燥で製造できる。
図1は、本発明の一例に係る光拡散粒子の構造を模式的に示す断面図である。 図2は、高屈折率の微粒子に入射する光の光路を模式的に示す図である。 図3Aは、低屈折率の微粒子に入射する光の光路を模式的に示す図である。 図3Bは、別の低屈折率の微粒子に入射する光の光路を模式的に示す図である。 図4は、保水しやすい表面を有する光拡散粒子を模式的に示す図である。 図5は、本発明の一例に係る光拡散粒子の表面における水の留まりにくさを模式的に説明する図である。 図6Aは、本発明の一例に係る光拡散粒子の表面付近を模式的に説明する図である。 図6Bは、図6Aに示すy0〜y2の区間における屈折率の変化を示す図である。 図7は、本発明の一例に係る光拡散透過シートを示す断面図である。 図8は、実施例3に係る光拡散粒子の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。 図9は、比較例1に係る光拡散粒子のSEM写真である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明は、本発明の一例に関するものであり、本発明はこれらによって限定されるものではない。
図1に示す通り、光拡散粒子10は、コア10cと、シェル10sとを備えている。コア10cは、第一バインダー11と、第一微粒子12とによって形成されている。第一微粒子12は、第一バインダー11の屈折率よりも低い屈折率を有する低屈折率微粒子12aを含む。加えて、第一微粒子12は、第一バインダー11に接触して覆われている。シェル10sは、コア10cの外面に接触してコア10cを覆っている。シェル10sは、球状粒子13と、第二バインダー15とを含んでいる。球状粒子13は、50nm〜450nmの粒子径を有し、シェルに表面凹凸Aを付与している。第二バインダー15は、球状粒子13の外面に接触している。なお、本明細書において、「粒子径」とは、最大径を意味する。「球状粒子」とは、1.3以下のアスペクト比(最小径に対する最大径の比)を有する粒子を意味する。
特許文献1に記載のシリカ複合粒子は、平均粒径が100nm以下である酸化チタン微粒子を内包している。酸化チタンの屈折率はシリカの屈折率よりも大きい。このため、シリカ複合粒子において高屈折率の酸化チタン微粒子が低屈折率のシリカに内包されている。図2に示す通り、相対的に低い屈折率の媒質から高屈折率の微粒子PHに光が入射する場合、微粒子PHに入射した光の一部が微粒子PHの内部で反射を繰り返し微粒子PHの内部に閉じ込められやすい。本明細書では、このような現象を「光閉じ込め現象」と呼ぶ。特許文献1に記載のシリカ複合粒子の内部では、光閉じ込め現象が起こりやすく、特許文献1に記載の技術は光拡散透過シートに高い輝度特性を付与するのに有利であるとは言い難い。特許文献2及び3に記載の技術についても同様である。また、特許文献4には、複合粒子は記載されていないが、第二光拡散粒子の屈折率は2より大きいため、第二光拡散粒子において光閉じ込め現象が起こりやすいと考えられる。
これに対し、例えば、図3A及び図3Bに示す通り、相対的に高い屈折率の媒質から低屈折率の微粒子PL1又は微粒子PL2に光が入射する場合、微粒子PL1及び微粒子PL2において「光閉じ込め現象」が起こりにくい。なお、図3Aにおいて、微粒子PL1の周囲の媒質の屈折率から微粒子PL1の屈折率を差し引いた差が0.01であり、図3Bにおいて、微粒子PL2の周囲の媒質の屈折率から微粒子PL2の屈折率を差し引いた差が0.1である。光拡散粒子10において、低屈折率微粒子12aは、第一バインダー11の屈折率よりも低い屈折率を有し、第一バインダー11に接触して覆われている。このため、低屈折率微粒子12aにおいて光閉じ込め現象が起こりにくく、光拡散粒子10は、光拡散粒子10が分散している光拡散透過シートに高い輝度特性を付与するのに有利である。
次に、光拡散粒子10の表面に水が留まりにくい理由を説明する。毛管凝縮の条件は以下の式[1]で説明される。ここで、p、ps、σ、V、r、R、及びTは、それぞれ、液体が平面のときの蒸気圧、毛管内の蒸気圧、表面張力、分子容、毛管の半径、気体定数、及び絶対温度である。
log10(p/ps)=(−2σV/rRT) [1]
式[1]より、25℃及び相対湿度50%RH(p/ps=0.5)の環境において液体が水である場合の毛管凝縮が起きる毛管の半径rを推算する。この推算において、σ、V、r、R、及びTは、それぞれ、72×10-3[N・m-1]、18x10-6[m3・kg-1]、8.31[J・mol-1-1]、及び298[K]と定める。この場合、毛管の半径r=3.5nmである。25℃及び相対湿度50%RHという標準的な環境で毛管凝縮が起きる毛管の半径が3.5nmであるので、粒子の表面付近に数ナノメートルの幅の凹部が存在すると空気中の水蒸気がその凹部で毛管凝縮する可能性がある。
例えば、図4に示す通り、粒子の表面付近に数ナノメートルの幅の凹部が密に存在すると、その凹部において水蒸気の毛管凝縮により多くの水Wが粒子の表面に留まる。光拡散粒子10のシェル10sにおいて、球状粒子13により表面凹凸Aが付与されている。図1に示す通り、表面凹凸Aは球状粒子13の形状を反映している。図5に示す通り、表面凹凸Aの凹部は、球状粒子13が50nm〜450nmの粒子径を有していることにより、光拡散粒子10の表面近傍においてまばらに存在している。このため、光拡散粒子10の表面付近には水蒸気の毛管凝縮が発生するようなサイトがまばらにしか存在せず、光拡散粒子10は水を留めにくい表面を有する。これにより、光拡散粒子10を用いて光拡散透過シートを製造する場合に水分により光拡散透過シートの品質が低下することを防止できる。
球状粒子13は、望ましくは50nm〜350nmの粒子径を有する。この場合、表面凹凸Aの凸部が可視光の波長の上限の約2分の1以下の幅(例えば、50nm〜350nm)を有する。図6Aに示す通り、光拡散粒子10のシェル10s(屈折率Ns)が媒質M(屈折率Nm>Ns)に接している場合を考える。この場合に、光拡散粒子10の半径方向において、シェル10sの内部の特定の位置をy0、表面凹凸Aの凸部の頂点付近の媒質Mの位置をy1と、表面凹凸Aの凸部の頂点からy1よりも半径方向外側に離れている媒質Mの位置をy2と定める。光拡散粒子10の表面近傍において表面凹凸Aが占める空間の割合は、y0〜y1の間で徐々に減少する。これにより、図6Bに示す通り、光拡散粒子10の表面近傍における見掛けの屈折率は、y0〜y1の区間で徐々に変化する。例えば、光拡散粒子がこのような表面凹凸Aを有していないと、光拡散粒子と媒質Mとの界面で屈折率がステップ状に急激に変化するので光拡散粒子に向かって入射する光が光拡散粒子の表面で反射されやすい。これに対し、球状粒子13の粒子径が50nm〜350nmである光拡散粒子10によれば、入射する光が光拡散粒子10の表面で反射しにくい。このため、光拡散粒子10は、光拡散粒子10が分散している光拡散透過シートに高い輝度特性を付与するうえでより有利である。
シェル10sの第二バインダー以外の成分における球状粒子13の含有率は、例えば25質量%〜70質量%であり、望ましくは40質量%〜60質量%である。これにより、球状粒子13によりシェル10sの表面全体に表面凹凸Aが適切に形成されやすい。その結果、光拡散粒子10がより確実に水を留めにくい表面を有する。加えて、光拡散粒子10が分散している光拡散透過シートに高い輝度特性をより確実に付与できる。また、シェル10sにおける球状粒子13の含有率が上記の上限を有することにより、光拡散粒子10が分散している光拡散透過シートのヘイズ率の低下を抑制できる。
図7に示す通り、光拡散透過シート100は、母材20と、母材20に分散している光拡散粒子10とを備えている。光拡散透過シート100は、光拡散粒子10を備えているので、高い輝度特性を発揮できる。
母材20は、特に限定されないが、例えば、光拡散粒子10の分散性に優れ、可視光に対する透明性、耐候性、耐湿性、及び耐熱性を有する樹脂である。例えば、母材20としては、ポリエステルポリオール、線状ポリエステル、アクリル系樹脂、アミノ樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ノルボルネン系樹脂、及びポリカーボネート樹脂等の材料が挙げられる。また、各種の熱硬化型樹脂、各種の紫外線硬化型樹脂を用いることもできる。これらの樹脂にはイソシアネート系等の硬化剤、各種の分散剤が適宜添加されていてもよい。光拡散透過シート100において、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム等の基板(図示省略)をさらに備え、その基板上に光拡散粒子10が分散している母材20が層状に形成されていてもよい。
光拡散粒子10が母材20に均一に分散できるように、光拡散粒子10の平均粒子径が所定の範囲に収まっていることが望ましい。このような観点から、光拡散粒子10の平均粒子径は、例えば4μm〜10μmであり、望ましくは4μm〜8μmであり、より望ましくは4μm〜7μmである。これにより、光拡散透過シート100における光学特性の空間的なばらつきを防止できる。また、光拡散粒子10が凝集したときに生じる一次粒子同士の間の空隙に光が進入することによる光の反射ロスを低減できる。その結果、光拡散透過シート100の輝度特性を向上させることができる。さらに、光拡散透過シート100において光が屈折する界面を十分に確保できる。これにより、光拡散透過シート100の光拡散特性を高めることができる。なお、本明細書で「平均粒子径」は、光拡散透過シート100の断面又は光拡散粒子10を走査型電子顕微鏡(SEM)又は透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したときに視認可能な50個以上の粒子の最大径の平均値として求められる。また、「平均粒子径」は、レーザー回折法で測定した体積基準のD50であってもよい。
光拡散粒子10の形状は、光拡散透過シート100に空間的に均一な光拡散特性を付与する観点から、1〜2のアスペクト比を有する粒状であることが望ましい。
図1に示す通り、シェル10sは、例えばコア10cの外面全体を覆っている。光拡散粒子10は、例えば1つ又は複数のコア10cを備えている。
第一バインダー11の屈折率は、例えば1.49〜1.60であり、望ましくは1.50〜1.55である。また、低屈折率微粒子12aの屈折率は、例えば1.35〜1.59であり、望ましくは1.35〜1.49である。望ましくは、第一バインダー11の屈折率nBから低屈折率微粒子12aの屈折率nFを差し引いた差nB−nFが0.01以上である。これにより、第一バインダー11と低屈折率微粒子12aとの屈折率差が大きくなり、低屈折率微粒子12aに入射した光が拡散(散乱)しやすい。このため、光拡散透過シート100が高い輝度特性を有するとともに良好な光拡散特性を有する。
第一バインダー11は、第一微粒子12の外面を覆うことができ、可視光に対する透明性を有する。光拡散粒子10の硬度を低下させて光拡散透過シート100に接する部材を傷付ける可能性を低減する観点から、第一バインダー11は、望ましくは、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、及びナイロンからなる群から選ばれる少なくとも1種の高分子を含む。中でも、第一バインダー11はポリウレタン樹脂であることが望ましい。
低屈折率微粒子12aは、例えば4nm〜9μmの粒子径を有する。これにより、低屈折率微粒子12aにおいてより確実に光閉じ込め現象が起こりにくい。低屈折率微粒子12aの平均粒子径は、望ましくは4nm〜4μmであり、より望ましくは0.1μm〜4μmである。これにより、コア10cにおいて低屈折率微粒子12aが均一に分散しやすい。
低屈折率微粒子12aは、例えば高分子でできている。この場合、低屈折率微粒子12aの密度が小さく、光拡散粒子10、ひいては光拡散透過シート100を軽量化しやすい。加えて、低屈折率微粒子12aが外力に対して変形しやすく、光拡散透過シート100に接触する部材を傷付けにくい特性を光拡散粒子10が光拡散透過シート100に付与できる。低屈折率微粒子12aは、望ましくは架橋高分子でできている。この場合、光拡散粒子10が耐熱性を有しやすい。架橋高分子は、例えば、架橋アクリル樹脂、又は、架橋スチレン樹脂である。架橋アクリル樹脂は良好な耐溶剤性も有する。架橋スチレン樹脂は優れた耐熱性を有する。なお、低屈折率微粒子12aは、場合によっては、シリカ及びフッ化マグネシウム等の無機材料でできていてもよい。
図1に示す通り、シェル10sは、例えば、球状粒子13に加えて、4nm〜15nm以下の粒子径を有する第二微粒子14をさらに含んでいる。第二微粒子14は、球状粒子13の粒子径より小さい粒子径を有するので、シェル10sにおいて球状粒子13同士の隙間に第二微粒子14が多数配置される。これにより、光の散乱が生じるサイトの数が増えるので、光拡散粒子10が良好な光拡散性を発揮しやすい。
シェル10sにおける第二微粒子14の含有率は、例えば20質量%〜60質量%であり、より望ましくは32質量%〜48質量%である。これにより、光拡散粒子10がより確実に良好な光拡散性を発揮しやすい。
球状粒子13は、例えば、第二バインダー15の屈折率よりも低い屈折率を有する。これにより、シェル10sにおいて球状粒子13において光閉じ込め現象が起こりにくく、光拡散粒子10がより確実に光拡散透過シート100に高い輝度特性を付与しやすい。第二バインダー15は、球状粒子13の外面の少なくとも一部を覆っている。第二バインダー15は、望ましくは球状粒子13の外面の全体を覆っている。
第二微粒子14は、例えば、第二バインダー15の屈折率よりも低い屈折率を有する。これにより、第二微粒子14において光閉じ込め現象が起こりにくく、光拡散粒子10がより確実に光拡散透過シート100に高い輝度特性を付与しやすい。第二バインダー15は、第二微粒子14の外面の少なくとも一部を覆っている。第二バインダー15は、望ましくは第二微粒子14の外面の全体を覆っている。
第二バインダー15の屈折率は、例えば1.49〜1.60であり、望ましくは1.50〜1.55である。第二バインダー15の屈折率は、望ましくは、第一バインダー11の屈折率以上である。これにより、光拡散粒子10が所望の光学特性を発揮しやすい。球状粒子13の屈折率は、例えば1.35〜1.59であり、望ましくは1.35〜1.49である。第二微粒子14の屈折率は、例えば1.35〜1.59であり、望ましくは1.35〜1.49である。
第二バインダー15は、例えば、可視光に対して透明性を有する樹脂である。光拡散粒子10の硬度を低下させて光拡散透過シート100に接する部材を傷付ける可能性を低減する観点から、第二バインダー15は、望ましくは、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、及びナイロンからなる群から選ばれる少なくとも1種の高分子を含む。中でも、第二バインダー15はポリウレタン樹脂であることが望ましい。
球状粒子13を第二バインダー15の原料に混ぜるときに球状粒子13が凝集しにくいことが望ましい。このような観点から、第二バインダー15がポリウレタン樹脂等の樹脂である場合、球状粒子13は望ましくはシリカである。
光拡散透過シート100における光拡散粒子10の含有率は、例えば55質量%以上であり、望ましくは60質量%以上であり、より望ましくは64質量%以上である。これにより、光拡散透過シート100が高い輝度特性を確実に有し、良好な光拡散特性を有する。また、光拡散透過シート100における光拡散粒子10の含有率は、例えば70質量%以下であり、望ましくは68質量%以下であり、より望ましくは66質量%以下である。これにより、光拡散粒子10が母材20に良好に分散し、例えば光拡散透過シート100の表面に光拡散粒子10が露出することを抑制できる。
コア10cの質量が光拡散粒子10の質量に占める割合は、例えば8%〜30%であり、望ましくは9%〜25%であり、より望ましくは9%〜21%である。一方、シェル10sの質量が光拡散粒子10の質量全体に占める割合は、例えば70%〜92%であり、望ましくは75%〜91%であり、より望ましくは79%〜91%である。これにより、光拡散透過シート100がより確実に高い輝度特性を発揮できる。
コア10cにおける第一微粒子12の含有率は、例えば50質量%〜80質量%であり、望ましくは50質量%〜75質量%であり、より望ましくは50質量%〜70質量%である。コア10cにおける第一バインダー11の含有率は、例えば20質量%〜50質量%であり、望ましくは25質量%〜50質量%であり、より望ましくは30質量%〜50質量%である。これにより、光拡散透過シート100がより確実に高い輝度特性を発揮できる。
コア10cにおける低屈折率微粒子12aの含有率は、例えば4質量%〜80質量%であり、望ましくは4質量%〜10質量%であり、より望ましくは5質量%〜7質量%である。これにより、光拡散透過シート100は、より確実に高い輝度特性を発揮できる。
図1に示す通り、第一微粒子12は、低屈折率微粒子12aとは異なる種類の微粒子を含んでいてもよい。例えば、第一微粒子12は、シリカ、シリコーン、フッ素樹脂、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、硫化亜鉛、水酸化アルミニウム、ガラス、及び体質顔料からなる群から選ばれる少なくとも1種の微粒子をさらに含んでいてもよい。これにより、より高い輝度特性を有する光拡散透過シート又は多様な光学特性を有する光拡散透過シートを提供できる。
第一微粒子12に含まれる、低屈折率微粒子12a以外の微粒子の平均粒子径は、例えば4nm〜500nmであり、望ましくは4nm〜20nmであり、より望ましくは4nm〜15nmである。これにより、第一微粒子12に含まれる、低屈折率微粒子12a以外の微粒子が第一バインダー11の内部で均一に分散しやすい。
第一微粒子12は、望ましくは、第一バインダー11の屈折率よりも低い屈折率を有する微粒子のみを含む。これにより、第一微粒子12の内部に光が閉じ込められにくいので、より確実に光拡散透過シート100に高い輝度特性を付与できる。
次に、光拡散粒子10及び光拡散透過シート100の製造方法の一例を説明する。第一バインダー11の原料と、低屈折率微粒子12aを含む第一微粒子12とが分散している分散液を調製する。分散液は、例えば、第一バインダー11の原料を含むエマルジョンと低屈折率微粒子12aを含む分散体とを混合することによって調製される。分散液には、必要に応じて、蛍光染料、蛍光増白剤、染料、又は顔料を分散させてもよい。調製した分散液を用いて噴霧乾燥を行うことによりコア10cを得ることができる。分散液における固体成分の含有量及び噴霧乾燥における噴霧条件を調整することにより、一次粒子の凝集を抑制してコア10cの粒子径を適切な範囲に調節できる。
また、噴霧乾燥を行う代わりに、分散液に所定の架橋剤を添加して加熱することにより第一バインダー11の原料を架橋させて、コア10cを形成してもよい。
また、第一バインダー11の原料となる樹脂に、低屈折率微粒子12aを含む第一微粒子12を添加し、必要に応じて、蛍光染料、蛍光増白剤、染料、又は顔料を添加して混錬し、これらの添加物を溶融樹脂に均一に混ぜ合わせる。このようにして得られた樹脂の塊を粉砕して所定の粒子径に調節することによってもコア10cを得ることができる。ただし、第一微粒子12を第一バインダー11に均一に分散させ、又は、所望の粒子径及び形状のコア10cを効率的に製造する観点から、分散液の調製及び噴霧乾燥又は架橋剤の添加によってコア10cを作製することが望ましい。
次に、コア10cと、球状粒子13とが分散している分散液を調製する。この分散液には、典型的には第二バインダー15の原料が添加され、必要に応じて第二微粒子14が添加される。調製した分散液を用いて噴霧乾燥を行うことにより、コアシェル構造を有する光拡散粒子10を製造できる。分散液における固体成分の含有量及び噴霧乾燥における噴霧条件を調整することにより、所望の粒径及び所望の特性を有する光拡散粒子10を製造できる。
所定の架橋剤の添加によりコア10cを形成する場合、第一バインダー11の原料と、第一バインダー11の屈折率よりも低い屈折率を有する低屈折率微粒子12aを含む第一微粒子12とが分散している第一分散液を調製する。次に、第一分散液に第一バインダー11の原料を架橋させるための架橋剤を添加して第一バインダー11の原料を架橋させてコア10cを形成する。そのうえで、コア10cと、球状粒子13とが分散している第二分散液を調製し、第二分散液を噴霧乾燥する。この場合、コアシェル構造を有する光拡散粒子10を製造できる。第二分散液には、典型的には第二バインダー15の原料も添加され、必要に応じて第二微粒子14が添加される。
上記のようにして作製した光拡散粒子10を、母材20の原料を含有している流動体に均一に分散させる。このようにして、光拡散粒子10及び母材20の原料を含有するインクを調製する。このインクをPETフィルム等の基板上に塗布してインクを固化させることにより光拡散透過シート100を製造できる。
実施例を用いて本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。まず、各実施例及び比較例の評価方法について説明する。
<輝度特性及び色度の測定>
輝度計測装置(ハイランド社製、製品名:RISA-COLOR ONE)を用いて各実施例に係るサンプル及び比較例に係るサンプルの輝度特性及び色度を測定した。光源としてApple社製のiPhone 5のバックライトを用いた。なお、「iPhone」はApple社の登録商標である。また、輝度及び色度の測定位置はサンプルの光源と反対側に位置し、輝度及び色度の測定位置とサンプルとの距離は100cmであった。各サンプルの評価結果を表1に示す。なお、表1において輝度の相対値が100%であるときの輝度の値は104cd/cm2である。
<ヘイズ率の測定>
分光光度計(島津製作所社製、製品名:UV-3600)及び積分球を用いて、各実施例に係るサンプル及び比較例に係るサンプルの波長555nmの入射光に対するヘイズ率を測定した。結果を表1に示す。
<乾燥処理前後の重量変化>
各実施例及び比較例に係る光拡散粒子を同一条件下(20〜30℃及び相対湿度30〜80%RHの環境で48時間)で静置した後110℃±5℃の環境において1時間乾燥処理を施した。乾燥処理の前後における各光拡散粒子の重量変化を測定し、水分率を以下の式に基づき算出した。ここで、ΔW及びWbは、それぞれ、乾燥処理前後の光拡散粒子の重量変化及び乾燥処理前の光拡散粒子の重量である。結果を表1に示す。
水分率[%]=100×ΔW/Wb
(実施例1)
架橋アクリル樹脂製の微粒子(綜研化学社製、KMR‐3TA、屈折率:1.49、平均粒子径:3μm)の水分散体を、コロイダルシリカA(日産化学工業社製、スノーテックスXS、シリカの屈折率:約1.45、シリカ微粒子の平均粒子径:4〜6nm)、コロイダルシリカB(日本化学工業社製、シリカドール30S、シリカの屈折率:約1.45、シリカ微粒子の平均粒子径:7〜10nm)、及びポリウレタンエマルジョン(三井化学社製タケラックW‐6020:屈折率1.50〜1.55及びタケラックWS‐6021:屈折率1.50〜1.55)と混合した。これにより、コア用の分散液が作製された。コア用の分散液において、架橋アクリル樹脂製の微粒子の固形分が6質量%になるように、かつ、ポリウレタンの固形分が50質量%になるように調製した。
上記のコア用の分散液に、架橋剤(日清紡ケミカル社製、カルボジライトE-05)を添加した後、コア用の分散液を80℃の環境で2時間加熱した。これにより、ポリウレタンを架橋させてコアが形成された分散液を得た。架橋剤は、ポリウレタンの固形分100質量部に対して20質量部添加した。次に、コアが形成された分散液と、コロイダルシリカA(日産化学工業社製、スノーテックスXS、シリカの屈折率:約1.45、シリカ微粒子の平均粒子径:4〜6nm)と、コロイダルシリカC(日産化学工業社製、スノーテックスZL、シリカの屈折率:約1.45、シリカ球状粒子の平均粒子径:70〜100nm)と、ポリウレタンエマルジョン(三井化学社製タケラックW‐6020:屈折率1.50〜1.55及びタケラックWS‐6021:屈折率1.50〜1.55)とを混合して、光拡散粒子用の分散液を調製した。コロイダルシリカAにおけるシリカとコロイダルシリカCにおけるシリカとの配合比は質量基準で50:50であった。また、光拡散粒子用の分散液において、コアの固形分が20質量%であり、コア以外のポリウレタンの固形分が20質量%となるように、光拡散粒子用の分散液を調製した。光拡散粒子用の分散液をマイクロミストスプレードライヤー(藤崎電機社製、製品名:MDL−050)を用いて噴霧乾燥させ、コアシェル構造を有する実施例1に係る光拡散粒子を得た。実施例1に係る光拡散粒子の平均粒子径は5μmであった。
実施例1に係る光拡散粒子をアクリル樹脂に分散させてインクを作製した。このインクをドクターブレード法によって20μmの厚みを有するPETフィルムに塗布して固化させ、実施例1に係るサンプルを作製した。サンプルにおける塗膜の厚みは10〜17μmであり、サンプルの塗膜における光拡散粒子の含有率は65質量%であった。
(実施例2)
光拡散粒子用の分散液の調製において、コロイダルシリカAにおけるシリカとコロイダルシリカCにおけるシリカとの配合比を質量基準で75:25に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例2に係る光拡散粒子を作製した。実施例2に係る光拡散粒子の平均粒子径は5μmであった。実施例1に係る光拡散粒子に代えて、実施例2に係る光拡散粒子を使用した以外は、実施例1と同様にして実施例2に係るサンプルを作製した。サンプルにおける塗膜の厚みは10〜17μmであり、サンプルの塗膜における光拡散粒子の含有率は65質量%であった。
(実施例3)
光拡散粒子用の分散液の調製において、コロイダルシリカCの代わりに、コロイダルシリカD(日産化学工業社製、MP‐2040、シリカの屈折率:約1.45、シリカ球状粒子の平均粒子径:170〜230nm)を用い、コロイダルシリカAにおけるシリカとコロイダルシリカDにおけるシリカとの配合比を質量基準で50:50に調整した以外は、実施例1と同様にして実施例3に係る光拡散粒子を作製した。実施例3に係る光拡散粒子の平均粒子径は5μmであった。図8に、実施例3に係る光拡散粒子のSEM写真を示す。図8に示す通り、実施例3に係る光拡散粒子は、コロイダルシリカDに含まれるシリカ球状粒子に由来する表面凹凸を有していた。実施例1に係る光拡散粒子に代えて、実施例3に係る光拡散粒子を使用した以外は、実施例1と同様にして実施例3に係るサンプルを作製した。サンプルにおける塗膜の厚みは10〜17μmであり、サンプルの塗膜における光拡散粒子の含有率は65質量%であった。
(実施例4)
光拡散粒子用の分散液の調製において、コロイダルシリカCの代わりに、コロイダルシリカE(日揮触媒化成社製、カタロイドSS‐300J、シリカの屈折率:約1.45、シリカ球状粒子の平均粒子径:280〜300nm)を用い、コロイダルシリカAにおけるシリカとコロイダルシリカEにおけるシリカとの配合比を質量基準で50:50に調整した以外は、実施例1と同様にして実施例4に係る光拡散粒子を作製した。実施例4に係る光拡散粒子の平均粒子径は5〜6μmであった。実施例1に係る光拡散粒子に代えて、実施例4に係る光拡散粒子を使用した以外は、実施例1と同様にして実施例4に係るサンプルを作製した。サンプルにおける塗膜の厚みは10〜17μmであり、サンプルの塗膜における光拡散粒子の含有率は65質量%であった。
(実施例5)
光拡散粒子用の分散液の調製において、コロイダルシリカCの代わりに、コロイダルシリカF(日本化学工業社製、MP‐4540M、シリカの屈折率:約1.45、シリカ球状粒子の平均粒子径:450nm)を用い、コロイダルシリカAにおけるシリカとコロイダルシリカFにおけるシリカとの配合比を質量基準で50:50に調整し、コアの固形分が10質量%となるように調整した以外は、実施例1と同様にして実施例5に係る光拡散粒子を作製した。実施例5に係る光拡散粒子の平均粒子径は5〜6μmであった。実施例1に係る光拡散粒子に代えて、実施例5に係る光拡散粒子を使用した以外は、実施例1と同様にして実施例5に係るサンプルを作製した。サンプルにおける塗膜の厚みは10〜17μmであり、サンプルの塗膜における光拡散粒子の含有率は65質量%であった。
(比較例)
実施例1と同様にして、コアが形成された分散液を調製した。次に、コアが形成された分散液と、コロイダルシリカA(日産化学工業社製、スノーテックスXS、シリカの屈折率:約1.45、シリカ微粒子の平均粒子径:4〜6nm)と、コロイダルシリカB(日本化学工業社製、シリカドール30S、シリカの屈折率:約1.45、シリカ微粒子の平均粒子径:7〜10nm)と、ポリウレタンエマルジョン(三井化学社製タケラックW‐6020:屈折率1.50〜1.55及びタケラックWS‐6021:屈折率1.50〜1.55)とを混合して、光拡散粒子用の分散液を調製した。コロイダルシリカAにおけるシリカとコロイダルシリカBにおけるシリカとの配合比は質量基準で22:78であった。また、光拡散粒子用の分散液において、コアの固形分が20質量%であり、コア以外のポリウレタンの固形分が20質量%となるように、光拡散粒子用の分散液を調製した。光拡散粒子用の分散液をマイクロミストスプレードライヤー(藤崎電機社製、製品名:MDL−050)を用いて噴霧乾燥させ、コアシェル構造を有する比較例に係る光拡散粒子を得た。比較例に係る光拡散粒子の平均粒子径は5μmであった。図9に、比較例に係る光拡散粒子のSEM写真を示す。図9に示す通り、比較例に係る光拡散粒子の表面は、実施例3に係る光拡散粒子と比べると、平滑であった。
実施例1に係る光拡散粒子に代えて、比較例に係る光拡散粒子を使用した以外は、実施例1と同様にして比較例に係るサンプルを作製した。サンプルにおける塗膜の厚みは10〜17μmであり、サンプルの塗膜における光拡散粒子の含有率は65質量%であった。
表1に示す通り、実施例1〜5に係る光拡散粒子における水分率は、比較例に係る光拡散粒子における水分率よりも低かった。これにより、実施例1〜5に係る光拡散粒子は、比較例に係る光拡散粒子に比べて、水が留まりにくい表面を有していることが示唆された。加えて、実施例1〜5に係るサンプルは、101.6以上の高い輝度の相対値を示した。特に、実施例1〜4に係るサンプルは、比較例に係るサンプルに比べて、高い輝度特性を示した。
Figure 2018142721

Claims (11)

  1. 第一バインダーと、前記第一バインダーの屈折率よりも低い屈折率を有する低屈折率微粒子を含み、前記第一バインダーに接触して覆われている第一微粒子とによって形成されたコアと、
    前記コアの外面に接触して前記コアを覆うシェルであって、50nm〜450nmの粒子径を有し当該シェルに表面凹凸を付与する球状粒子と、前記球状粒子の外面に接触している第二バインダーとを含むシェルと、を備えた、
    光拡散粒子。
  2. 前記球状粒子は、50nm〜350nmの粒子径を有する、請求項1に記載の光拡散粒子。
  3. 前記シェルの前記第二バインダー以外の成分における前記球状粒子の含有率が25質量%〜70質量%である、請求項1又は2に記載の光拡散粒子。
  4. 4μm〜10μmの平均粒子径を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光拡散粒子。
  5. 前記低屈折率微粒子は、4nm〜9μmの粒子径を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光拡散粒子。
  6. 前記シェルは、4nm〜15nmの粒子径を有する第二微粒子をさらに含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の光拡散粒子。
  7. 前記第一バインダーは、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、及びナイロンからなる群から選ばれる少なくとも1種の高分子を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の光拡散粒子。
  8. 前記球状粒子は、前記第二バインダーの屈折率よりも低い屈折率を有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の光拡散粒子。
  9. 前記第二バインダーは、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、及びナイロンからなる群から選ばれる少なくとも1種の高分子を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の光拡散粒子。
  10. 母材と、
    前記母材に分散している請求項1〜9のいずれか1項に記載の光拡散粒子と、を備えた、
    光拡散透過シート。
  11. コアシェル構造を有する光拡散粒子を製造する方法であって、
    第一バインダーの原料と、前記第一バインダーの屈折率よりも低い屈折率を有する低屈折率微粒子を含む第一微粒子とが分散している第一分散液を調製し、
    前記第一分散液に前記第一バインダーの原料を架橋させるための架橋剤を添加して前記第一バインダーの原料を架橋させてコアを形成し、
    前記コアと、50nm〜450nmの粒子径を有する球状粒子とが分散している第二分散液を調製し、
    前記第二分散液を噴霧乾燥する、
    方法。
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