JP6301576B2 - 光拡散透過シート - Google Patents

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Description

本発明は、光拡散透過シートに関する。
従来、例えば液晶ディスプレイのバックライトが液晶ディスプレイの全体において均一な明るさを有する光源となるように、入射光を拡散透過させる技術が用いられている。また、照明器具の光源の形状が目立ちにくくなるように、光源からの光を拡散透過させる技術が用いられている。
入射光を拡散透過させる方法としては、光源からの光が入射するシート等において、シート表面に凹凸を設ける方法、シートの内部に屈折率の異なる物質を併存させる方法などが知られている。
例えば、特許文献1では、ゾルゲル法により基板上に形成されたシリカ系膜中に透光性微粒子を含んでいる光散乱膜を備えた、光散乱膜付き透光性基板が提案されている。特許文献1において、透光性微粒子は2次粒子を形成した状態で光散乱膜に含まれており、光散乱膜の表面が透光性微粒子及びその2次粒子を反映した凹凸を有している。この、光散乱膜付き透光性基板は、光散乱膜の表面の凹凸及びシリカと透光性微粒子との屈折率差によって、光散乱性を実現している。
特許文献2には、高屈折率樹脂コアと低屈折率樹脂シェルという二層構造の透明樹脂微粒子であるビーズを分散した樹脂層をプラスチックフィルムの表面に形成した光学フィルムが提案されている。この光学フィルムにより、高い輝度が実現されている。
特許文献3には、中心から外部に向かって屈折率が変化した粒子を自己融着させて形成された光拡散体が提案されている。具体的には、第1のモノマー群の重合体と第2のモノマー群の重合体からなる重合体粒子であって、第1のモノマー群から得られる重合体の屈折率が第2のモノマー群から得られる重合体の屈折率より高い重合体粒子を使用することが提案されている。
ところで、特許文献1においては、ゾルゲル法によりシリカ系膜を形成して光散乱膜を形成しているので、光散乱膜の厚みを大きくすることが難しい。特許文献2においては、樹脂層に比較的多量のビーズを含有させている。具体的には、アクリル系樹脂10.0重量部に対して、20.0重量部のビーズを含有させている。また、特許文献3においては、粒子同士を自己溶着させて光拡散層が形成されておりバインダーが存在しない。つまり、光拡散層全体を粒子で形成している。
特開2008−129319号公報 特開平11−109113号公報 特開2002−214408号公報
本発明は、光拡散を発生させるための粒子の含有量が比較的少量であっても高い全光線透過率及び高いヘイズ率を示し、かつ、膜厚の制御が容易な光拡散透過シートを提供することを目的とする。
本発明は、母材である樹脂と、前記樹脂に分散されたシリカ複合粒子と、備え、前記シリカ複合粒子が、平均粒径が100nm以下である酸化チタン微粒子を内包している、光拡散透過シートを提供する。
本発明によれば、平均粒径が100nm以下である酸化チタン微粒子がシリカ複合粒子に内包されているため、高い光透過特性を示す。また、酸化チタン微粒子が内包されているシリカ複合粒子によって、異なる屈折率を持つ材料同士が接する屈折率の界面を光拡散透過シートの内部に多数設けることができる。これにより、光拡散透過シートに入射した光を効率良く拡散することができる。そのため、本発明の光拡散透過シートは、シリカ複合粒子の含有量が比較的少量であっても高い全光線透過率及び高いヘイズ率を示す。さらに、シリカ複合粒子が母材である樹脂に分散された構成であるので、光拡散透過シートの厚みの制御が容易である。
光拡散透過シートの光の拡散特性に関するシミュレーションの計算モデルを模式的に説明する図 光拡散透過シートの光の拡散特性に関するシミュレーション結果を示すグラフ
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本発明の光拡散透過シートは、母材である樹脂にシリカ複合粒子が分散されて構成されている。母材である樹脂は、特に限定されないが、シリカ複合粒子の分散性に優れ、透明性、耐候性、耐湿性、耐熱性を有する樹脂であることが好ましい。例えば、母材である樹脂としては、ポリエステルポリオール、線状ポリエステル、アクリル系樹脂、アミノ樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ノルボルネン系樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。また、各種の熱硬化型樹脂、各種の紫外線硬化型樹脂を用いることもできる。これらの樹脂にはイソシアネート系等の硬化剤、各種の分散剤が適宜添加されてもよい。
シリカ複合粒子は、平均粒径が1〜10μmを示す球状の粒子である。シリカ複合粒子の平均粒径がこの範囲であればシリカ複合粒子の母材である樹脂に対する分散性が良好である。
シリカ複合粒子は、平均粒径が100nm以下である酸化チタン微粒子を内包している。酸化チタンは高い屈折率を示すが、その反射特性を利用して従来は白色顔料として使用されることが多かった。そのため、白色顔料として使用されている酸化チタン粒子を光拡散透過シートに分散させて用いても十分な透過特性を実現することはできなかった。本発明では、平均粒径が100nm以下である酸化チタン微粒子を用いている。このように平均粒径が小さい酸化チタン微粒子を用いれば、光拡散透過シートの光の透過特性は向上する。そのため、シリカ複合粒子に内包される酸化チタン微粒子の平均粒径は、100nm以下が好ましく、80nm以下がより好ましく、30nm以下がさらに好ましい。なお、本明細書において平均粒径とは、レーザー回折式粒度分布測定法により測定した粒度分布において、体積累積が50%に相当する粒径(D50)を意味する。
一方、酸化チタン微粒子の平均粒径が小さすぎると光拡散透過シートの直線透過率が高まり十分な散乱効果を得ることが難しくなる。この観点から、酸化チタン微粒子の平均粒径は10nm以上が好ましく、15nm以上がより好ましい。
酸化チタン微粒子を単独で母材である樹脂に直接分散しようとすると、酸化チタン微粒子が凝集してしまい良好な分散性を実現しにくい。そこで、本発明においては、シリカ複合粒子に酸化チタン微粒子を内包させ、このシリカ複合粒子を母材である樹脂に分散させて光拡散透過シートを得ている。これにより、光拡散のための粒子を母材である樹脂に良好に分散させることができる。
シリカ複合粒子では、酸化チタン微粒子が内包されている。換言すると、母材であるシリカの内部に多数の酸化チタン微粒子が分散して存在している。このため、シリカ複合粒子の内部において、シリカと酸化チタンとの界面が多数存在する。酸化チタンの屈折率はシリカの屈折率より大きい。従って、シリカ複合粒子の内部には異なる屈折率を有する材料同士が接した屈折率の界面が多数形成されている。このため、シリカ複合微粒子は高い光の拡散効果を示す。シリカ複合微粒子は、例えば樹脂ビーズである光拡散粒子よりもより広い屈折率の界面を有し、樹脂ビーズである光拡散粒子よりも高い光拡散効果を示しうる。そのため、光拡散透過シートにおけるシリカ複合微粒子の含有量が比較的少量であっても、光拡散透過シートは高い光拡散効果を示すことができる。従って、本発明の光拡散透過シートにおいて、シリカ複合粒子の含有量は30質量%以下とすることができる。
一方、シリカ複合粒子の含有量が少なすぎると光の拡散効果が十分でない可能性ある。このため、シリカ複合粒子の含有量は5質量%以上が好ましく、8質量%以上がより好ましく、10質量%以上がさらに好ましい。
シリカ複合粒子に含まれる酸化チタン微粒子の量は、シリカ複合粒子の光拡散効果に影響する。このため、シリカ複合粒子における酸化チタン微粒子の含有量は、10〜70質量%であることが好ましい。
本発明の光拡散透過シートは、波長400〜700nmに対する全光線透過率が80%以上であり、かつ、ヘイズ率が60%以上を示しうる。すなわち、高い全光線透過率と高いヘイズ率とが両立されている。ここでヘイズ率は、拡散透過率の全光線透過率に対する百分率で示される。このため、光拡散透過シートに入射した光は高い割合で拡散しつつ透過する。従って、光源からの光がこの光拡散透過シートに入射したとき、光拡散透過シートの全体において均一な光が出射されやすい。また、光拡散透過シートの出射側から光源を見たときに、光源の形状が目立ちにくくなる。
本発明では樹脂にシリカ複合粒子を分散させて光拡散透過シートを形成しているので、ゾルゲル法により基板に光散乱膜を形成する方法と比較して、光拡散透過シートの厚みの制御が容易である。高いヘイズ率と高い全光線透過率とを両立するために、光拡散透過シートの厚みは、例えば4μm〜200μmであり、12μm〜200μmが好ましく、25μm〜200μmがさらに好ましい。
次に、本発明の光拡散透過シートの製造方法について説明する。まず、シリカ複合粒子の作製方法について説明する。シリカ複合粒子は、例えば酸化チタン微粒子をコロイダルシリカに分散してゾルを調製した後、このゾルを噴霧乾燥法によって粒子化し、さらにこの粒子を焼成することにより、製造することができる。具体的には、酸化チタン微粒子を分散剤とともに水に分散させた分散液、テトラメトキシシラン(TMOS)及びコロイダルシリカを混合しゾルを生成する。TMOSに替えてテトラエトキシシラン(TEOS)を用いてもよい。このゾルの内部の固形分中の酸化チタン濃度が10〜70質量%となるように、酸化チタン微粒子の分散液の量が調製されるとよい。このゾルを例えば噴霧乾燥装置によって粒子化する。噴霧乾燥の条件は、得られる粒子の粒径が1〜10μmとなるように調整するとよい。噴霧乾燥により得られた粒子はさらに焼成炉において焼成されシリカ複合粒子が得られる。焼成温度は、例えば500〜1000℃であり、焼成時間は、例えば、2〜10時間である。
次に、上記のようにして得られたシリカ複合粒子を樹脂に分散させる。具体的には、母材となる樹脂を形成する原料と溶剤との混合液にシリカ複合粒子を添加して撹拌し、塗料を調製する。塗料には必要に応じて硬化剤が添加されてもよい。この塗料を基板に厚みが均一となるように塗布し塗膜を形成する。この塗膜を乾燥又は硬化させて光拡散透過シートを形成する。基板が透明基板であれば、透明基板と塗膜とを共に用いてもよい。また、基板から塗膜を剥離させて光拡散透過シートとして用いてもよい。基板への塗料の塗布方法は特に限定されないが、例えばドクターブレード法を用いるとよい。樹脂として加熱硬化型樹脂を用いて、加熱により塗膜を硬化させてもよい。樹脂として紫外線硬化型樹脂を用いて、紫外線照射により塗膜を硬化させてもよい。
上記において透明基板を用いる場合、透明基板としてはガラス基板、プラスチックフィルム等を用いてもよい。プラスチックフィルムとしては、ポリエステル系フィルム、結晶化ポリオレフィンフィルム、非晶質ポリエステル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、アクリル系フィルム、耐候性塩化ビニル系フィルム、エンボスポリカーボネート系フィルム、セルロースアセテート系フィルム等を用いてもよい。
また、溶融した樹脂にシリカ複合粒子を添加して混錬し、この樹脂をシート状に成型して光拡散透過シートを得てもよい。この場合、シートの成型方法としては、公知の成型方法を用いることができる。
実施例により本発明を詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
まず、実施例及び比較例の評価方法について説明する。ヘイズ−ガードプラス(BYKガードナー社製)を用いて、実施例及び比較例に係る光透過散乱シートの波長400〜700nmの入射光に対する全光線透過率及びヘイズ率を測定した。なお、ガラス基板側から光拡散透過シートに向かって光源の光を入射させて測定した。全光線透過率は、ガラス基板の両面の反射を補正し、塗膜のみの全光線透過率を求めた。
<実施例1>
(シリカ複合粒子の作製)
酸化チタン微粒子の水分散液(石原産業社製:CS−N、酸化チタン平均粒径:30nm)350g、TMOS191g、及びコロイダルシリカ(日本化学工業社製:シリカドール30)268gを混合し、酸化チタン、シリカ、分散剤などの固形分が13質量%となるように純水を加え、ゾル液を調製した。ゾル液の固形分中における酸化チタンの含有量は30質量%であった。
調製したゾル液を、噴霧乾燥装置(藤崎電機社製:MDL−050)を用いて噴霧乾燥し、平均粒径3μmの粒子を得た。平均粒径3μmの粒子が得られるように熱風温度、熱風流量、ゾル液供給速度等の乾燥条件を適宜調整した。
噴霧乾燥により得られた粒子を焼成炉において600℃で7時間焼成し、シリカ複合粒子を得た。得られたシリカ複合粒子の平均粒径は3μmであった。なお、以上のシリカ複合粒子の作製の過程において酸化チタン微粒子同士の凝集や融着は発生しなかった。すなわち、酸化チタン微粒子は一次粒子の状態を維持してシリカ複合粒子に内包されていた。
(光拡散透過シートの作製)
上述の通り調製したシリカ複合粒子をアクリル系塗料(日本ペイント社製:オートクリアー)に加えて撹拌し、光拡散透過シート用の塗料を調製した。この塗料をガラス基板にドクターブレード法により均一に塗布して乾燥させ、厚さ13μmの塗膜(光拡散透過シート)を得た。光拡散透過シートにおけるシリカ複合粒子の含有量は7.7質量%であった。
<実施例2〜5>
光拡散透過シートにおけるシリカ複合粒子の含有量が表1に示す通りとなるようにシリカ複合粒子の塗料への添加量を変更した以外は、実施例1と同様にして実施例2〜5に係る光拡散透過シートを得た。
<実施例6>
ゾル液の固形分中における酸化チタンの含有量が50質量%となるようにゾル液を調製した以外は実施例1と同様にしてシリカ複合粒子を得た。得られたシリカ複合粒子の平均粒径は3μmであった。このシリカ複合粒子を用いて実施例1と同様にして実施例6に係る塗膜(光拡散透過シート)を得た。得られた光拡散透過シートの厚みは13μmであり、得られた光拡散透過シートにおけるシリカ複合粒子の含有量は6.4質量%であった。
<実施例7〜10>
光拡散透過シートにおけるシリカ複合粒子の含有量が表1に示す通りとなるようにシリカ複合粒子の塗料への添加量を変更した以外は、実施例6と同様にして実施例7〜10に係る光拡散透過シートを得た。
<実施例11>
ゾル液の固形分中における酸化チタンの含有量が70質量%となるようにゾル液を調製した以外は実施例1と同様にしてシリカ複合粒子を得た。得られたシリカ複合粒子の平均粒径は3μmであった。このシリカ複合粒子を用いて実施例1と同様にして実施例11に係る塗膜(光拡散透過シート)を得た。得られた光拡散透過シートの厚みは13μmであり、得られた光拡散透過シートにおけるシリカ複合粒子の含有量は5.1質量%であった。
<実施例12>
光拡散透過シートにおけるシリカ複合粒子の含有量が10.0質量%となるようにシリカ複合粒子の塗料への添加量を変更した以外は、実施例11と同様にして実施例12に係る光拡散透過シートを得た。
<実施例13>
光拡散透過シートの厚みが27μmとなるように塗料の塗布条件を変更した以外は、実施例11と同様にして実施例13に係る光拡散透過シートを得た。
<比較例1>
実施例1の酸化チタン微粒子の水分散液に替えて、酸化チタン粒子の水分散液(石原産業社製:CR−50、酸化チタン平均粒径:250nm)を用いた以外は実施例1と同様にしてゾル液の調製を行った。ゾル液の固形分中における酸化チタンの含有量は30質量%であった。このゾル液を用いて実施例1と同様にしてシリカ複合粒子を得た。得られたシリカ複合粒子の平均粒径は3μmであった。このシリカ複合粒子を用いて実施例1と同様にして比較例1に係る塗膜(光拡散透過シート)を得た。得られた光拡散透過シートの厚みは13μmであり、得られた光拡散透過シートにおけるシリカ複合粒子の含有量は4.6質量%であった。
<比較例2及び比較例3>
光拡散透過シートにおけるシリカ複合粒子の含有量が表2に示す通りとなるようにシリカ複合粒子の塗料への添加量を変更した以外は、比較例1と同様にして比較例2及び比較例3に係る光拡散透過シートを得た。
<比較例4>
ゾル液の固形分中における酸化チタンの含有量が50質量%となるようにゾル液を調製した以外は比較例1と同様にしてシリカ複合粒子を得た。得られたシリカ複合粒子の平均粒径は3μmであった。このシリカ複合粒子を用いて比較例1と同様にして比較例4に係る塗膜(光拡散透過シート)を得た。得られた光拡散透過シートの厚みは13μmであり、得られた光拡散透過シートにおけるシリカ複合粒子の含有量は3質量%であった。
<比較例5及び比較例6>
光拡散透過シートにおけるシリカ複合粒子の含有量が表2に示す通りとなるようにシリカ複合粒子の塗料への添加量を変更した以外は、比較例4と同様にして比較例5及び比較例6に係る光拡散透過シートを得た。
<比較例7>
ゾル液の固形分中における酸化チタンの含有量が70質量%となるようにゾル液を調製した以外は比較例1と同様にしてシリカ複合粒子を得た。得られたシリカ複合粒子の平均粒径は3μmであった。このシリカ複合粒子を用いて比較例1と同様にして比較例7に係る塗膜(光拡散透過シート)を得た。得られた光拡散透過シートの厚みは13μmであり、得られた光拡散透過シートにおけるシリカ複合粒子の含有量は0.7質量%であった。
<比較例8及び比較例9>
光拡散透過シートにおけるシリカ複合粒子の含有量が表2に示す通りとなるようにシリカ複合粒子の塗料への添加量を変更した以外は、比較例7と同様にして比較例8及び比較例9に係る光拡散透過シートを得た。
各実施例、各比較例に係る光拡散透過シートについて、全光線透過率及びヘイズ率を測定した。結果を表1及び表2に示す。
Figure 0006301576
Figure 0006301576
表1に示す通り、いずれの実施例も全光線透過率が80%以上、かつ、ヘイズ率が60%以上を示した。いずれの実施例においても、高い全光線透過率及び高いヘイズ率が両立されていた。塗膜におけるシリカ複合粒子の含有量が多いほどヘイズ率が高くなる傾向を示した。一方、塗膜におけるシリカ複合粒子の含有量が増加しても全光線透過率は大きく変化しないことが示された。また、実施例13の結果によれば、例えば光拡散透過シートの厚みを大きくしても、高い全光線透過率を示す光拡散透過シートを得ることができることが示唆された。従って、例えばヘイズ率を高めるために光拡散透過シートの厚みを大きくしても、高い全光線透過率も実現できることが示唆された。
表2に示す通り、比較例1〜9において、ヘイズ率を高めようとしてシリカ複合粒子の含有量を増やすと、全光線透過率が大幅に低下することが示された。すなわち、比較例においては、80%以上の全光線透過率と、60%以上のヘイズ率とを両立するのが困難であることが示された。
シリカ複合粒子に内包されている酸化チタン微粒子の平均粒径が光拡散透過シートの光拡散特性に及ぼす影響を調査するため、図1に示す計算モデルの散乱特性について以下の条件で光学シミュレーションを行った。図1において光拡散透過シート1に向かう矢印L1は入射光を示し、光拡散透過シート1から離れる矢印L2〜L4は出射光を示す。光拡散透過シート1の出射面に対して垂直方向に出射される出射光L2の出射角度θを0°とする。出射光は、出射光L2と時計周りに正の出射角度をとり、出射光L2と反時計周りに負の出射角度をとるものとする。
<条件1>
母材樹脂10:エポキシ樹脂(屈折率n:1.50)
シリカ複合粒子20:粒径4μmの球状粒子
シリカの屈折率:1.40
酸化チタン微粒子21:粒径100nmの球状粒子
酸化チタンの屈折率:2.60
シリカ複合粒子のおける酸化チタン微粒子の含有量:30質量%
酸化チタン複合粒子の含有量:15質量%
入射光の波長:600nm
入射光の入射方向:光拡散透過シート1の一方の主面に垂直な方向
<条件2>
条件1において、酸化チタン微粒子の粒径を300nmとした以外は条件1と同様の条件で光学シミュレーションを行った。条件1及び条件2のシミュレーション結果を図2に示す。
図2に示す通り、条件1の直線透過光(出射角度θ:0°)の光強度は、条件2の直線透過光(出射角度θ:0°)の光強度より低い。また、出射角度θが±4°又は±8°における条件1の光強度は、出射角度θが±4°又は±8°における条件2の光強度より強い。すなわち、条件1は、入射光を拡散させて透過させる傾向が条件2よりも顕著であることが示された。本シミュレーションにおいては、1個のシリカ複合粒子を対象にシミュレーションを行っているが、実際には母材樹脂に多数のシリカ複合粒子が分散している。従って、この傾向は実際の光拡散透過シートにおいてより顕著になるものと考えられる。なお、条件1及び条件2において波長600nmの入射光に対する全光線透過率はともに96%であった。
上記のシミュレーション結果より、シリカ複合粒子に内包されている酸化チタン微粒子の粒径が100nm程度であっても、光拡散の効果が得られることが示唆された。
本発明の光拡散透過シートは、液晶ディスプレイのバックライト、照明器具等に利用できる。

Claims (4)

  1. 母材である樹脂と、
    前記樹脂に分散されたシリカ複合粒子と、を備え
    前記シリカ複合粒子が、平均粒径が100nm以下である酸化チタン微粒子がシリカの内部に分散して存在することにより、前記酸化チタン微粒子を内包しており、
    波長400〜700nmの光に対する全光線透過率が80%以上であり、かつ、ヘイズ率が60%以上であり、
    13〜27μmの厚みを有し、
    前記シリカ複合粒子の含有量が5.1質量%〜15質量%である、
    光拡散透過シート。
  2. 前記酸化チタン微粒子の平均粒径が10〜100nmである、請求項1に記載の光拡散透過シート。
  3. 前記シリカ複合粒子における酸化チタンの含有量が10〜70質量%である、請求項1又は2に記載の光拡散透過シート。
  4. 前記複合粒子の平均粒径が1〜10μmである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光拡散透過シート。
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