JP6640721B2 - 有機elパネル用透明樹脂層、有機elパネル、有機el照明装置、および有機elディスプレイ - Google Patents

有機elパネル用透明樹脂層、有機elパネル、有機el照明装置、および有機elディスプレイ Download PDF

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Description

本発明は、有機ELパネル用透明樹脂層、有機ELパネル、有機EL照明装置、および有機ELディスプレイに関する。
有機EL(Electro-Luminescence)パネルに用いる有機EL素子は、透光性基板上に有機EL材料の層(有機EL層)を形成して製造することができる。
有機ELパネルにおいては、有機EL層からの発光の取り出し効率が低いという問題がある。前記問題には、いくつかの原因がある。第一の原因として、有機EL層からの発光に指向性がなく全方向に散逸するため、前記有機ELパネル正面に出てくる光量が少ないという原因がある。第二の原因として、前記発光が、前記有機ELパネルの各層の界面等で全反射し、前記有機ELパネル外部に出てこないという原因がある。
前記問題およびその原因について、図11の断面図を用いて模式的に例示する。なお、図11の断面図では、見易さのため、ハッチを省略している。同図の有機ELパネルは、図示のとおり、透明基板11の片面上に、透明電極(陽極)14、有機EL層16、および陰極15が、前記順序で積層されて形成されている。透明基板11は、例えば、ガラス等で形成されている。透明電極14は、例えば、ITO(Indium−Tin Oxide、酸化インジウムスズ)等で形成されている。陰極15は、例えば、金属により形成されている。有機EL層16からの発光には、有機ELパネル正面(透明基板11正面)方向またはそれに近い方向の発光101および102と、前記正面方向に対し大きく傾斜した方向の発光103および104とがある。発光101および102は、前記有機ELパネルの各層の界面等で全反射されず、そのまま、透明基板11を通じて前記有機ELパネル外部に取り出され、視認される。一方、発光103および104は、透明基板11と透明電極14との界面、有機EL層16と陰極15との界面、透明基板11と大気との界面等で全反射され、前記有機ELパネル外部に出てこない。これは、例えば、透明電極14、透明基板11、および大気の各層中を、前記順序で光が透過する際に、前記各層の屈折率差に基づき臨界角が生じるためである。例えば、透明電極14がITOの場合、その屈折率は約1.9、透明基板11がガラス(ソーダガラス、無アルカリガラス等)の場合、その屈折率は約1.5、大気の屈折率は約1.0であり、それぞれの屈折率差が大きい。このため、前記臨界角以上の入射角で入射した光は、前記各層の界面で全反射され、陰極15との間で多重反射を繰り返し、大気中に出ることができないのである。
そこで、この問題の解決を目的として、前記透光性基板上に、微粒子を含む層を設け、有機EL層からの発光の散乱、拡散等を制御することが行われている(特許文献1〜3等)。
国際公開WO2011/093120号パンフレット 特開2013−138018号公報 特開2005−190931号公報
しかし、特許文献1〜3等に記載の方法では、光の屈折率の波長依存性(波長分散)に起因する光の取り出し効率の問題がある。この問題について、図12の断面図を用いて模式的に例示する。なお、図12の断面図では、見易さのため、ハッチを省略している。
同図の有機ELパネルの構造は、図示のとおり、図11の有機ELパネルと同様である。有機ELパネル正面(透明基板11正面)方向またはそれに近い方向の発光111、112および113は、図11と同様、全反射されない。これらの光は、そのまま、透明基板11を通じて前記有機ELパネル外部に取り出され、視認される。一方、前記正面方向に対し大きく傾斜した方向の発光は、波長の短い光ほど前記有機ELパネル外部に取り出されにくい。これは、光の屈折率の波長依存性(波長分散)、すなわち、光の波長によって屈折率が異なる現象に起因して、全反射の臨界角も光の波長によって異なるためである。より具体的には、光の波長が短くなるほど屈折率が大きくなり、全反射される割合も大きくなる。例えば、図示のとおり、光出射の方向および角度が同じでも、赤色の光114および緑色の光115は、透明電極14と透明基板11との界面を透過して屈折するのに対し、青色の光116は、前記界面で全反射される。または、赤色の光117および緑色の光118は、透明基板11と大気との界面を透過して前記有機ELパネル外部に取り出されるのに対し、青色の光119は、前記界面で全反射され、前記有機ELパネル外部に出てこない。青色の光116および119は、例えば、図11と同様に、陰極(金属電極)15との間で全反射を繰り返し、前記有機ELパネル内部に閉じ込められる(図示せず)。
このように、一般的な有機ELパネルでは、波長が短い光ほど前記有機ELパネル内部に閉じ込められやすく、かつ、前記有機ELパネル端部に導波されやすいという問題がある。この問題に起因して、前記一般的な有機ELパネルでは、表示の色ムラ等が起こる恐れがある。前記表示の色ムラとは、例えば、前記有機ELパネル端部が、中心部と比較して青みがかって見える現象をいう。また、前記問題により、一般的な有機ELパネルを照明光源として用いた場合、当初設計していた色温度より色温度の低い照明パネルとなってしまったり、斜め視野から見た場合、色温度が異なって見えてしまったりする恐れがある。さらに、一般的な有機ELパネルでは、前述のとおり短波長領域の光が前記有機ELパネルの外部に出射されないことにより、発光効率の低下を招き、その結果、消費電力が大きくなってしまう恐れがある。
そこで、本発明は、光の屈折率の波長依存性(波長分散)に起因する光の取り出し効率の問題を解決できる有機ELパネル用透明樹脂層、有機ELパネル、有機EL照明装置、および有機ELディスプレイの提供を目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の第1の有機ELパネル用透明樹脂層は、
透明樹脂中に、複数の光散乱微粒子が分散され、
前記複数の光散乱微粒子は、平均粒子径が300〜50000nmである第1の微粒子群と、平均粒子径が1〜300nmである第2の微粒子群とを含む、
ことを特徴とする。
本発明の第2の有機ELパネル用透明樹脂層は、
透明樹脂中に、複数の凸部を含む凹凸構造が形成され、
前記複数の凸部は、幅および高さの少なくとも一方が300〜3000nmである第1の凸部群と、幅および高さの少なくとも一方が10〜300nmである第2の凸部群とを含み、
前記凹凸構造は、前記凸部の形状および大きさの少なくとも一方が周期性を有しない、ことを特徴とする。
基板と、前記基板の両側に2つの有機ELパネル用透明樹脂層とを有し、
前記2つの有機ELパネル用透明樹脂層の一方は、透明樹脂中に、複数の光散乱微粒子が分散され、
前記複数の光散乱微粒子は、平均粒子径が300〜3000nmである第1の微粒子群と、平均粒子径が1〜200nmである第2の微粒子群とを含み、
前記2つの有機ELパネル用透明樹脂層の他方は、透明樹脂中に、複数の凸部を含む凹凸構造が形成され、
前記複数の凸部は、幅および高さの少なくとも一方が300〜3000nmである第1の凸部群と、幅および高さの少なくとも一方が10〜200nmである第2の凸部群とを含み、
前記凹凸構造は、前記凸部の形状および大きさの少なくとも一方が周期性を有しないものであって
さらに、透明電極を有し、
1つの前記有機ELパネル用透明樹脂層が、前記基板と前記透明電極との間に挟まれるように配置され、
もう1つの前記有機ELパネル用透明樹脂層が、前記基板を挟んで、前記透明電極と反対側に配置されている、
ことを特徴とする。
本発明の有機EL照明装置は、有機EL照明パネル用である前記本発明の有機ELパネル用透明樹脂層、または、それを含む有機EL照明パネルである前記本発明の有機ELパネルを含むことを特徴とする。
本発明の有機ELディスプレイは、有機ELディスプレイパネル用である前記本発明の有機ELパネル用透明樹脂層、または、それを含む有機ELディスプレイパネルである前記本発明の有機ELパネルを含むことを特徴とする。
本発明の有機ELパネル用透明樹脂層、有機ELパネル、有機EL照明装置、および有機ELディスプレイによれば、光の屈折率の波長依存性(波長分散)に起因する光の取り出し効率の問題を解決できる。
図1は、本発明の有機ELパネルの構造の一例を模式的に示す断面図である。 図2は、本発明の有機ELパネルの構造の別の一例を模式的に示す断面図である。 図3は、本発明の有機ELパネルの構造のさらに別の一例を模式的に示す断面図である。 図4は、本発明の有機ELパネルの構造のさらに別の一例を模式的に示す断面図である。 図5は、本発明の有機ELパネルの構造のさらに別の一例を模式的に示す断面図である。 図6は、本発明の有機ELパネルの構造のさらに別の一例を模式的に示す断面図である。 図7は、本発明の有機ELパネルの構造のさらに別の一例を模式的に示す断面図である。 図8(a)は、凸部の形状および大きさが周期性を有する例を模式的に示す断面図である。図8(b)は、凸部の形状および大きさが周期性を有しない例を模式的に示す断面図である。 図9は、一般的な有機ELパネルの構造の一例を模式的に示す断面図である。 図10は、一般的な有機ELパネルの構造の別の一例を模式的に示す断面図である。 図11は、一般的な有機ELパネルによる光の導波の一例を模式的に示す断面図である。 図12は、一般的な有機ELパネルによる光の導波の別の一例を模式的に示す断面図である。
以下、本発明について、例を挙げて詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の説明により限定されない。また、図面においては、説明の便宜上、各部の構造は適宜簡略化して示す場合があり、各部の寸法比等は、実際とは異なり、模式的に示す場合がある。
[実施形態1]
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
本実施形態は、前記本発明の第1の有機ELパネル用透明樹脂層、および、それを基板と透明電極との間に挟まれるように配置した有機ELパネルについて説明する。
まず、図9の断面図に、一般的な有機ELパネルの構造の一例を模式的に示す。図示のとおり、この有機ELパネル90は、透明基板11の片面上に、透明電極(陽極)14、有機EL層16および陰極15が、前記順序で積層されて形成されている。透明基板11は、例えば、ガラス等で形成されている。透明電極14は、例えば、ITO等で形成されている。陰極15は、例えば、金属により形成されている。有機EL層16は、正孔注入層161、正孔輸送層162、発光層163、電子輸送層164、および電子注入層165が、透明電極14側から陰極15側に向かって前記順序で積層されて形成されている。
一方、図1の断面図に、本実施形態の有機ELパネルの構造の一例を模式的に示す。図示のとおり、この有機ELパネル10は、透明基板11の片面上に、有機ELパネル用透明樹脂層12、平坦化層13、透明電極(陽極)14、有機EL層16および陰極15が、前記順序で積層されて形成されている。透明基板11は、例えば、ガラス等で形成されている。透明電極14は、例えば、ITO等で形成されている。陰極15は、例えば、金属により形成されている。有機EL層16は、正孔注入層161、正孔輸送層162、発光層163、電子輸送層164、および電子注入層165が、透明電極14側から陰極15側に向かって前記順序で積層されて形成されている。
有機ELパネル用透明樹脂層(以下、単に「透明樹脂層」という場合がある。)12は、透明樹脂(以下「バインダー樹脂」または「マトリクス樹脂」という場合がある。)121中に、複数の光散乱微粒子(以下、単に「微粒子」という場合がある。)が分散されて形成されている。前記複数の光散乱微粒子は、複数の第1の微粒子122からなる第1の微粒子群と、複数の第2の微粒子123からなる第2の微粒子群とを含む。第1の微粒子122および第2の微粒子123は、それぞれ、光散乱材としての機能を有する。なお、本発明において、光の「散乱」は、光の「分散」および「拡散」を含む概念である。第1の微粒子122は、平均粒子径が300〜50000nmである。第2の微粒子123は、平均粒子径が1〜300nmである。すなわち、透明樹脂層12は、本発明の、前記「第1の有機ELパネル用透明樹脂層」である。
透明樹脂(バインダー樹脂)121は、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリアミド、ポリエーテルスルホン等のポリエーテル類、ポリスチレン(PS)、ポリエステルアミド、ポリカーボネート(PC)、ポリオレフィン、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等のアクリル系樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ビニル/アリルエステル(PET等)樹脂等が挙げられ、1種類のみ用いても複数種類併用しても良い。
第1の微粒子122および第2の微粒子123も、特に限定されない。第1の微粒子122および第2の微粒子123は、それぞれ、例えば有機微粒子でも無機微粒子でもそれらの混合物でも良い。前記有機微粒子としては、例えば、メタアクリル酸エステルおよびスチレンの共重合物、ポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、メラミン樹脂、ポリスチレン樹脂、およびシリコーン樹脂等が挙げられ、1種類のみ用いても複数種類併用しても良い。前記微粒子としては、メタアクリル酸エステルおよびスチレンを共重合させた球状有機ナノ粒子、ポリカーボネートを基材とした有機ナノ粒子等が特に好ましい。前記無機微粒子としては、例えば、金属酸化物、シリカ、ジルコニア、硫酸バリウムおよび炭酸カルシウム等が挙げられ、1種類のみ用いても複数種類併用しても良い。前記金属酸化物としては、例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄およびアルミナ等が挙げられ、1種類のみ用いても複数種類併用しても良い。
第1の微粒子122(または第1の微粒子122および第2の微粒子123)は、透明樹脂(バインダー樹脂、マトリクス樹脂)121との屈折率差等を利用して、その界面で光の屈折・回折・反射等を起こし、光散乱材(光分散材、光拡散材)として作用する。前記有機微粒子は、低比重で透明性が高く、樹脂へのなじみ・分散性に優れる等の特徴を有しており好ましい。また、前記無機微粒子(特に、金属酸化物)は、散乱層を形成した場合、樹脂への分散性では(樹脂との比重差が大きいため)前記有機微粒子に劣る傾向がある。また、透明性でも、前記無機微粒子より前記有機微粒子の方が勝る傾向がある。一方、前記無機微粒子は、前記有機微粒子よりも屈折率をさらに高くできるため、光の散乱という観点からは好ましい。具体的には、第1の微粒子122および第2の微粒子123の屈折率は、透明樹脂(バインダー樹脂)121の屈折率との差が大きいほうが、反射等により光を散乱または分散(波長分散を含む)させやすい。第1の微粒子122は、幾何学的散乱またはミー散乱により、また第2の微粒子123は本願目的の青色光の散乱に寄与するレイリーの散乱式により、前記屈折率差が大きいほうが、光の散乱係数および散乱強度を大きくできるためである。透明樹脂(バインダー樹脂)121の屈折率は、通常、約1.4〜1.5である。一方、無機微粒子の屈折率nは、概算で、酸化チタンがn=2.7、酸化亜鉛がn=1.9、酸化鉄がn=2.4と大きい。このように、無機微粒子は、透明樹脂(バインダー樹脂)との屈折率差を大きくとることができ、反射率が大きくなるので、光を散乱または分散(波長分散を含む)させやすい。また、前記有機微粒子および前記無機微粒子のそれぞれの長所を生かすために、両者を併用しても良い。
前記無機微粒子(金属酸化物等)は、例えば、マトリクス樹脂(バインダー樹脂、透明樹脂)との屈折率差を利用して、その界面で光が反射・回折することにより光散乱剤として作用する。一方、前記有機微粒子は、例えば、前記界面での反射・回折に加え、微粒子内部での屈折、反射によっても光を散乱させる。前記微粒子による光の散乱のメカニズムは特に限定されないが、例えば、前記微粒子の粒子径が一定以下になると、ミー散乱またはレイリー散乱が起こる傾向にある。本発明では、例えば、前記ミー散乱またはレイリー散乱を利用して光を散乱させることができる。
第1の微粒子122(平均粒子径が大きい方の微粒子)および第2の微粒子123(平均粒子径が小さい方の微粒子)は、前述のとおり、有機微粒子でも無機微粒子でも良い。ただし、以下の理由により、特に第2の微粒子123(小さい方の微粒子)は、有機微粒子であることが好ましい。
すなわち、無機微粒子は、一般に、混練粉砕法を用いて製造するため、不定形であり、粒子の表面積が大きい。また、無機微粒子は、前述のとおり、バインダー樹脂(透明樹脂121)との屈折率差が大きいため、バインダー樹脂と微粒子との界面で、光の反射率が大きくなり、かつ透過率が低下する。このため、第2の微粒子123が無機微粒子である場合、その含有率が大きすぎると、全光線透過の損失が大きく、光の取り出し部材としての光学的特性が低下するおそれがある。具体的には、透明樹脂層(散乱・拡散層)12に入射した光の多くが元来た方向へも反射し、光の取り出し側(透明基板11側)とは反対側(有機EL層16側)へ戻ってしまう確率も大きい。また、透明樹脂層12中における無機微粒子の含有率が高すぎると、透明樹脂層12の機械的強度自体が低下する恐れがある。さらに、無機微粒子は、前述の製造工程上、有機微粒子と比較すると、粒子径を揃えることおよび分級が困難であり、粒度分布が大きくなるため、光の散乱(反射)の制御が難しい。また、このため、無機微粒子は、粒子径が小さくなるほど、分級工程の負荷が大きくなり生産性が低下し、生産コストの上昇や生産時の環境負荷が大きくなるといった問題もある。
一方、有機微粒子は、一般に、粉砕分級工程の不要な、または大幅に軽減できる重合法により製造することができる。また、重合法により製造した有機微粒子は、形状を真球状とすることが容易で、粒子径および屈折率差を制御することも容易である。さらに、有機微粒子は、小粒子径かつシャープな粒度分布制御が比較的容易であり単分散の光散乱材として機能しうる。このため、有機微粒子によれば、光の散乱および分散の制御が、容易に、かつ正確にできる。さらに、有機微粒子は、その材料や製造工程条件を制御することで、分散剤等を内包する構造制御も可能で、付加機能を付与しやすい。これにより、小粒子径においても凝集を防ぎ、良好な分散安定性を得ることができる。さらに、粒径が比較的大きい場合、反射と同時に、透過・屈折等も利用できる。このため、透明樹脂(バインダー樹脂)との屈折率差が無機系と比較して小さい場合でも、高い光線透過率を維持し、同時にヘイズを上げる効果を有する。この効果によって、前記有機微粒子を含む有機ELパネル用透明樹脂層は、効率よく出射方向へ光を導光・拡散させ、有機ELパネルの光取り出し部材として機能する。また、これが、無機系の材料と比較してヘイズ値が小さい場合においても光散乱材として高い光学的特性が得られる理由のひとつとなっている。
前記有機微粒子の製造方法は、特に限定されず、例えば、一般的な有機微粒子の製造方法と同様でも良い。前記有機微粒子の製造方法は、具体的には、例えば、懸濁重合法、乳化重合凝集法、溶解懸濁法、分散重合法、界面重合法等が挙げられる。これらの中でも、溶解懸濁法は、有機溶剤に溶解する樹脂であれば、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、スチレン/アクリル樹脂など種類に関係なく使用することができるため、好ましい。また、溶解懸濁法は、製造プロセスに加熱工程がないため、低融点の離型剤を用いることも可能となる。さらに、溶解懸濁法は、脱溶剤時の条件により形状制御が容易であるという利点がある。以下に、溶解懸濁法による有機微粒子の製造プロセス(工程)の一例を示す。すなわち、まず、樹脂を有機溶剤に溶解し、樹脂溶剤溶液とする。つぎに、離型剤等の内添剤をnmサイズで分散させた微細分散液を作製する。さらに、前記樹脂溶剤溶液と前記内添剤の微細分散液を均一混合し、油相とする。一方、分散剤等を水に加えた水相を作製する。この水相を、前記油相と混合し、前記油相を、散乱剤が含まれた油滴として懸濁させる。その後、前記油滴から溶剤を除去し、さらに外添剤をブレンド(混合)することで、前記有機微粒子(光散乱材、または光分散材)を得ることができる。
前記無機微粒子の一般的な製造方法(前記混練粉砕法)では、特に、中心粒子径より小さい微粒子を効率的に除去することは困難であり、中心粒子径が小さい微粒子ほど、小さい粒子径側に裾を引いた粒度分布となりやすい。これに対し、前記有機微粒子は、前述のとおり、粉砕分級工程の不要な、または大幅に軽減できる重合法により製造することができる。このため、前記有機微粒子は、その粒度分布を、例えば、ほぼ正規分布とすることが可能であり、粒子径が小さい前記第2の微粒子として適している。
透明樹脂(バインダー樹脂)121と前記有機微粒子(第1の微粒子122および第2の微粒子123)との組み合わせは、特に限定されないが、例えば、以下のとおりである。例えば、透明樹脂(バインダー樹脂)121がPMMAである場合は、前記有機微粒子(第1の微粒子122および第2の微粒子123)として、シリコーン粒子、ポリカーボネート粒子、ポリスチレン粒子等を用いることができる。また、透明樹脂(バインダー樹脂)121がポリカーボネート、ポリスチレン等である場合は、前記有機微粒子(第1の微粒子122および第2の微粒子123)として、シリコーン粒子、アクリル粒子等を用いることができる。
なお、特許文献1〜3には、粒子径が異なる2種類の無機微粒子を用いることが記載されている。ただし、これらの文献では、粒子径が小さいほうの粒子は、バインダー樹脂(マトリクス樹脂)の屈折率を見かけ上大きくするために用いられ、本発明のように光の散乱または分散を目的としていない。すなわち、屈折率が非常に大きい酸化チタン等を、前記粒子径が小さいほうの粒子として前記バインダー樹脂に混合することで、前記バインダー樹脂の屈折率を見かけ上大きくしている。これは、前記バインダー樹脂の屈折率を大きくすることにより、粒子径が大きいほうの無機微粒子との屈折率差を小さくして、それらの界面での全反射を減らし、視認側へ光を導光することを目的としている。特許文献1〜3では、光の取り出しを向上させる機能および作用は、粒子径が大きいほうの(サブミクロンの)無機微粒子が担っている。これらは、幾何光学的散乱またはミー散乱を利用して波長に依存しないで一般的に光を取り出すための技術である。すなわち、特許文献1〜3の技術は、本発明のように、短波長の(例えば青色の)光の取り出し効率の向上を目的としていない。
一方、本発明では、平均粒子径が1〜300nmである前記第2の微粒子を、光散乱材として用いる。このように光の波長に比べて充分小さい粒子による散乱光の強度は、光の波長の4乗に反比例して大きくなる。したがって、例えば、赤色の光の波長は、青色の光の波長の1.5〜2倍前後あるため、青色の光は、赤色の光の約5倍〜16倍強く散乱されることになる。本発明は、このレイリー散乱の現象を利用して、前述の、光の屈折率の波長依存性(波長分散)に起因する光の取り出し効率の問題を解決する。
本発明において、前記第1の微粒子および、前記第2の微粒子は、前記透明樹脂(バインダー樹脂)の屈折率を上昇させる目的で用いるものではない。したがって、これらは、特許文献1〜3における前記粒子径が小さいほうの粒子のように、屈折率がきわめて大きい微粒子でなくても良い。ただし、本発明において、前記第1の微粒子および前記第2の微粒子は、光の散乱と光の取り出し効率のために、前記透明樹脂(バインダー樹脂)との屈折率差があることが好ましい。前記第1の微粒子および前記第2の微粒子において、前記透明樹脂(バインダー樹脂)との屈折率差は、微粒子の屈折率をn1、樹脂の屈折率をn2としたときの比n1/n2はそれぞれ、より好ましくは0.1〜2.0、さらに好ましくは0.2〜1.8、特に好ましくは0.3〜1.7である。また、前記第1の微粒子および前記第2の微粒子は、前記透明樹脂(バインダー樹脂)より屈折率が大きくても小さくても良い。上記屈折率差を設けることにより、下限は光散乱性を得る上で好ましく、上限は、透明性・透過率を維持する上で好ましい。
また、本発明において、前記第1の微粒子および前記第2の微粒子(特に、前記第2の微粒子)が無機微粒子である場合、水酸化アルミニウム、ステアリン酸Al、ポリヒドロキシステアリン酸、ポリアクリル酸Na、シリカ等で表面処理することにより、光散乱材の機能を付与しても良い。すなわち、一般的に、微粒子は、表面積が大きく、また帯電しやすいため凝集しやすい。このため、微粒子が散乱材として機能するためには、前記微粒子が凝集せず分散していることが必要である。本発明では、前記無機微粒子の表面処理は必須ではない。しかし、前記表面処理により、前記無機微粒子の表面活性を抑制し粉体の凝集を抑制し、透明樹脂(バインダー樹脂、または有機マトリックス樹脂)との相溶性を改善し、前記透明樹脂への分散性を改良できる。これにより、光散乱材としての機能がさらに向上する。前記表面処理の方法としては、例えば、無機表面処理(粒子表面に数nm程度の無機酸化物または水酸化物の被覆処理を行うことで樹脂との親和性を上げる方法)、および、有機表面処理(粒子表面の極性基にシランカップリング剤やシリコーン類による修飾を施し、樹脂との親和性を上げる方法)が挙げられる。前記無機表面処理としては、特に限定されないが、例えば、前述の、水酸化アルミニウムやシリカによる修飾が挙げられる。前記有機表面処理としては、特に限定されないが、例えば、ステアリン酸処理、シラン系やチタネート系、アルミネート系カップリング剤でコーティング処理することにより、樹脂との相溶性を向上させ、分散性を改善する方法が挙げられる。また、例えば、さらに、スルホン化処理で導電性を付与し帯電防止処理を行うことで、凝集の抑制、分散性を向上させることができる。前記表面処理を行わない場合、きわめて凝集しやすい微粒子では、凝集により散乱材としての機能が低下するおそれがある。この凝集体は、一定の大きさを有するため、透過率の低下と散乱能力の低下を引き起こす。しかし、きわめて凝集しやすい微粒子でも、前記表面処理により、前述のとおり、凝集が抑制され、散乱材としての機能が向上する。また、無機微粒子は、前述のとおり、屈折率の高い材料であるため、有機ELパネル用透明樹脂層全体の屈折率を上昇させ、光屈折率化に寄与する。
透明樹脂(バインダー樹脂)121の屈折率は、透明電極14からの入射光を入射させるために、透明電極14(例えば、ITO等)の屈折率になるべく近いことが好ましい。ただし、このようにすると、第1の微粒子122および第2の微粒子123との屈折率差が小さくなり、光散乱の効果が薄れるおそれがある。そこで、透明樹脂(バインダー樹脂)121は、透明電極14の屈折率に近づけるために低屈折率材料を選択し、その上に、透明電極14の屈折率になるべく近づけた高屈折率の平坦化層13を設けてもよい。なお、平坦化層13は、本発明においては任意の構成要素であり、なくても良い。しかし、前記理由により、平坦化層13が存在することが好ましい。平坦化層13の材質は、特に限定されないが、例えば、高屈折率の樹脂等でも良く、より具体的には、例えば、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)樹脂、フェノール(ノボラック)樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。なお、透明電極14の形成材料は、特に限定されないが、例えば、金属酸化物、酸化物半導体、銀ナノワイヤ、および炭素材料等が挙げられる。前記金属酸化物または酸化物半導体としては、特に限定されないが、例えば、ITO(Indium−Tin Oxide、酸化インジウムスズ)、IZO(Indium−Zinc Oxide、酸化亜鉛スズ)、ZnO(酸化亜鉛)等が挙げられる。前記炭素材料としては、特に限定されないが、例えば、グラフェン、カーボンナノチューブ等が挙げられる。これらの形成材料は、1種類のみ用いても、複数種類併用しても良い。
また、基板(ガラス等)11への光入射は、透明樹脂(バインダー樹脂)121が低屈折率材料である(すなわち、基板11との屈折率差が小さい)方が良好である。ただし、基板11への入射光は、透明樹脂(バインダー樹脂)121が高屈折率材料であっても、問題なく基板11に入射する。なぜならば、基板11への入射光は、第1の微粒子122および第2の微粒子123により散乱されて散乱光となっているためである。
第1の微粒子122の平均粒子径は、前述のとおり、300〜50000nmであり、好ましくは300〜3000nm、より好ましくは300〜1500nm、さらに好ましくは400〜1000nmである。また、第1の微粒子122の粒径が大きくなるに従い、透明樹脂に分散させたときに、その表面に第1の微粒子122の影響が現れ、凹凸ができる。本実施形態のように、透明樹脂層12を基板11と透明電極14との間に挟まれるように配置する場合は、前記凹凸により有機EL素子が影響を受け、ショートやリーク電流が発生しやすくなり、有機ELパネルの信頼性に影響を与えることを防止するため、前記凹凸が大きすぎないことが好ましい。具体的には、第1の微粒子122の平均粒子径は、300〜3000nmが好ましい。第2の微粒子123の平均粒子径は、前述のとおり、1〜300nmであり、好ましくは1〜200nm、より好ましくは1〜150nm、さらに好ましくは1〜100nmである。また、第2の微粒子123の含有率は、特に限定されないが、本発明の効果を得るためには少なすぎないことが好ましい。また、第1の微粒子122の含有量が低下し、また透過率が低下することにより可視光線の全波長領域での基板11に対する導出を低下させないためには、第2の微粒子123の含有率は(特に、第2の微粒子123が無機微粒子の場合)、多すぎないことが好ましい。第2の微粒子123の含有率は、具体的には、前記微粒子の全質量(本実施形態では、第1の微粒子122と第2の微粒子123との質量の合計)に対し、好ましくは1〜30質量%の範囲、より好ましくは10〜30質量%の範囲、さらに好ましくは10〜20質量%の範囲である。後述の各実施形態においても同様である。ただし、第2の微粒子123の含有率は、これに限定されない。例えば、有機EL層16からの発光の色温度の作成、変更、調整等を主目的とする場合において、第2の微粒子123の含有率が、前記1〜30質量%の範囲外であっても良い。後述の各実施形態においても同様である。また、第1の微粒子122および第2の微粒子123の体積の合計値は、有機ELパネル用透明樹脂層12の全体積(透明樹脂121、第1の微粒子122および第2の微粒子123の3つの体積の合計値)に対し、1〜40%の体積比率とするのが好ましい。具体的には、有機ELパネル用透明樹脂層12の強度低下により割れやクラック等が入ることを防止しやすいという観点から、前記体積比率は、40%以下が好ましい。また、光を視認側へ取り出す効率のために大きい散乱強度を得る観点から、前記体積比率は、1%以上が好ましい。
本発明の有機ELパネル用透明樹脂層および有機ELパネルにおいて、色温度の作成、変更、調整等(色味の調整)は、例えば、以下のメカニズムに基づいて行うことができる。例えば、本発明の有機ELパネルが白色有機EL照明用である場合、発光材料の発光の加法混色で白色を作ることができる。この場合、前記第2の微粒子(粒子径が小さい方の微粒子)の、前記微粒子全体に対する含有率が高くなればなるほど色温度が高くなる。一例として、前記第2の微粒子(粒子径が小さい方の微粒子)の、前記微粒子全体に対する含有率を0質量%⇒50質量%⇒100質量%と変更すると、発光色(色温度)は、例えば、電球色(2800K WW色)⇒温白色(3500K W色)⇒白色(4200K N色)と変化する。さらに、短波長(例えば青色)の光を効率よく出射させるためには、前記第2の微粒子の中でも、粒子径が40〜100nmの微粒子の粒度分布が大きい(含有率が高い)ことが好ましい。例えば、前記第2の微粒子(粒子径が小さい方の微粒子)の、前記微粒子全体に対する含有率が100質量%であり、中心粒径が80nm、分布幅が±20nm(±3σ)であると、白色(4200K N色)を昼白色(5000K D色)に近づけることができる。ただし、これらのメカニズムは例示であり、本発明をなんら限定しない。例えば、前記第2の微粒子の粒子径およびその含有率と色温度の変化との関係は、前記第1の微粒子および前記第2の微粒子の特性、機能等によって異なる。したがって、前記第1の微粒子および前記第2の微粒子の特性、機能等を考慮して、適宜、前記第2の微粒子の粒子径およびその含有率を調整すればよい。
なお、本発明において、「粒子径」および「平均粒子径」は、体積平均粒子径を指し、例えば、一般的に知られている動的光散乱法(日機装社製ナノトラックWave)や電気抵抗法(ベックマン・コールター社コールターカウンター)やレーザードップラー法(ホソカワミクロン社イースパートアナライザ)等による粒径測定装置により測定することができる。
透明樹脂層12の厚みは、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することが可能であり、例えば、フィルムまたはシートとして通常採用される範囲の厚みで良い。透明樹脂層12の厚みは、具体的には、例えば、50μm〜5.0mmが好ましい。
透明樹脂層12の製造方法は、特に限定されないが、例えば、以下のようにして製造できる。すなわち、まず、透明樹脂(バインダー樹脂)121の形成材料である熱可塑性樹脂を溶融または溶媒に溶解させる。つぎに、その中に、第1の微粒子122および第2の微粒子123を分散させる。その後に、シート状またはフィルム状に成形し、シート状またはフィルム状の透明樹脂層12とする。
図1の有機ELパネル10の製造方法も、特に限定されないが、例えば、以下のようにして製造できる。すなわち、まず、無アルカリガラス等から形成された基板11上に、透明樹脂層12を積層させ、さらにその上に、平坦化層13を形成する。透明樹脂層12は、例えば、基板11上に製膜しても良い。または、先にシート状またはフィルム状の透明樹脂層12を製造し、それを基板11上に積層させても良い。基板11と透明樹脂層12、および、透明樹脂層12と平坦化層13は、必要に応じ、透光性の接着剤または粘着剤等により貼り合わせても良い。さらに、平坦化層13上に、ITO等の透明電極14をスパッタ等で形成する。さらにその上に、有機EL層16を、真空蒸着法等で成膜(形成)する。さらにその上に、金属等の陰極15を形成し、図1の有機ELパネル10を製造できる。また、図1の有機ELパネル10は、さらに、基板11とは別のガラス基板(図示せず)等により封止しても良い。
図1の有機ELパネル10の使用方法も、特に限定されず、例えば、一般的な有機ELパネルと同様の方法で使用可能である。
また、本実施形態の有機ELパネルは、以上の説明に限定されない。例えば、基板11、透明電極14、陰極15、有機EL層16等の構造、形成材料、形成方法等は、以上の説明に限定されず任意であり、例えば、一般的な有機ELパネルと同様でも良い。
本発明の有機ELパネルによれば、例えば、透明電極(ITO等)14と基板(ガラス等)11との間の全反射を低下させ、光取り出し効率を向上させることが可能であり、特に、短波長(青色領域等)の光の出射を改善、向上させることができる。すなわち、波長分散に起因する、色による光の出射量(光束)の差を改善することが可能である。このため、本発明の有機ELパネルによれば、例えば、表示の色ムラ(前記有機ELパネル端部が、中心部と比較して青みがかって見える現象等)を軽減または防止することができる。
本発明の有機ELパネルによれば、前述のとおり、短波長(青色領域等)の光を効率よく外部へ取り出すことができる。このため、例えば、色温度の低下(パネル設計時からの差分)や斜め視野からの色および色温度の変化を防ぐことができる。また、本発明の有機ELパネルによれば、例えば、一般的な有機ELパネルと比較して発光効率が向上するため、その結果、省電力化につながる。
さらに、本発明の有機ELパネルによれば、例えば、短波長(青色領域等)の光の取り出し効率が向上することにより、青色発光材料に対する駆動条件を緩和できる。このため、本発明の有機ELパネルによれば、例えば、点灯時間による色ズレの小さい、長寿命な光源を作ることができる。さらに、本発明の有機ELパネルによれば、例えば、前記微粒子の含有率等を調整することで、例えば、有機EL層からの発光の色を、補正したり、変化させたりすることが可能である。
一般的な有機ELパネルでは、例えば、ITO−ガラス基板間、ガラス基板−大気間の屈折率差に由来する前述の課題を改善するために、ITO−ガラス基板間、ガラス基板−大気間等に構造物または散乱材を設ける。これにより、有機EL層からの発光の入射角を変えて前記光を取り出す。このとき、前記構造物または散乱材は、例えば、前記光の波長程度の大きさ、またはそれ以上の大きさの前記構造物または散乱材を用いる。これは、波長近傍を辺とする面積内に含まれる分子の集合は一体となって作用し、見かけ上一個の反射体として働き、効率よく光を取り出せるためである(幾何学的散乱およびミー散乱)。
一方、一般的に、光路長に対する散乱光の強度比は、散乱材等の粒子の直径の6乗に比例し、波長の4乗に逆比例する。このため、波長の1/2程度もしくはそれ以下の散乱材を用いると、波長の短い青色の光は赤色の光よりも多く散乱させることができる。本発明者は、この点に着目し、本発明を完成させた。本発明では、前記構造物または散乱材に、可視光の波長よりも小さい(例えば、前記波長の1/2程度またはそれ以下の)構造物または散乱材(前記「第2の微粒子」または前記「第2の凸部」)を包含(含有)させる。これにより、短波長側の光を大気中へ効率よく導出させることができる(レイリー散乱の利用)。
本発明の有機ELパネルのヘイズ値は、特に限定されないが、光の取り出し効率の観点から、好ましくは40〜98%、より好ましくは50〜75%、特に好ましくは58〜73%である。例えば、本発明では、前記第1の微粒子(粒子径が大きいほうの微粒子)に加え、前記第2の微粒子(粒子径が小さい方の微粒子)も、粒度分布を変動係数CV≦10%のシャープな形状とできる。特に、前記第2の微粒子が有機微粒子である場合に、粒度分布を前記シャープな形状としやすい。これにより、例えば、有機EL層からの発光の全光線透過率を70〜85%以上と高くすることができる。このように、本発明の有機ELパネルによれば、高い全光線(可視光域)光取り出し効率を維持しながら、同時に、一般的な有機ELパネルよりも短波長の光(例えば青色光)の取り出し効率をアップさせることができる。なお、理論的には、本発明の有機ELパネルの前記ヘイズ値が大きいほうが、光の取り出し効率が良いとも考えられる。しかし、実際には、その通りになるとは限らない。この傾向は、特に、前記光散乱微粒子(前記第1の微粒子および前記第2の微粒子)が無機微粒子である場合に顕著である。そのメカニズムは不明であるが、例えば、以下のように推測できる。すなわち、前記ヘイズ値が大きいと、光の反射率が大きいことにより、乱反射も大きくなる。このため、光取り出し側(透明基板側)とは反対側(有機EL層側または裏側)に向かって光が戻る確率または量が大きくなる。さらに、前記ヘイズ値が大きすぎない方が、光透過率等のトータルバランスがいいことが作用し、光の取り出し効率が良くなる場合があるとも考えられる。ただし、これらのメカニズムは、推測されるメカニズムの一例であり、本発明をなんら限定しない。
[実施形態2]
つぎに、本発明の第2の実施形態について説明する。
図2の断面図に、本実施形態の有機ELパネルの構造の一例を模式的に示す。図示のとおり、この有機ELパネル20は、透明樹脂層12に代えて透明樹脂層22を有すること以外は、実施形態1の有機ELパネル10と同じである。透明樹脂層22は、透明樹脂221中に、凹凸構造が形成されて構成されている。より具体的には、基板11上に前記凹凸構造が形成され、透明樹脂221で平坦化・封止されて透明樹脂層22が形成されている。前記凹凸構造は、複数の凸部を含む。前記複数の凸部は、複数の第1の凸部222からなる第1の凸部群と、複数の第2の凸部223からなる第2の凸部群とを含む。第1の凸部222は、幅および高さの少なくとも一方が300〜3000nmである。第2の凸部223は、幅および高さの少なくとも一方が10〜300nmである。前記凹凸構造は、前記凸部の形状および大きさの少なくとも一方が周期性を有しないように形成されている。すなわち、透明樹脂層22は、本発明の、前記「第2の有機ELパネル用透明樹脂層」である。
一般的に、凹凸構造に光が入射すると、前記光の干渉が発生する場合がある。前記干渉の発生は、主として、前記凹凸構造のパターン(形状、幅および高さ)の周期性と、前記凹凸構造の側面角度の周期性の2つに起因する。この光の干渉を防止する目的で、本実施形態における前記凹凸構造は、前述のとおり、前記凸部の形状および大きさの少なくとも一方が周期性を有しないように形成されている。ここで、周期性を有さず干渉を防止するためには、例えば、前記第1の凸部群および前記第2の凸部群の一方または両方において、山部(凸部)または谷部(凸部と凸部の間)の距離分布、前記凸部の底面積の分布、および前記凸部の高さの分布のうち、少なくとも一つの分布を、標準偏差が少なくとも異なる2つ以上の領域を有する構成とすると効果的である。
第1の凸部222の幅および高さは、前述のとおり、300〜3000nmであり、好ましくは300〜1500nm、さらに好ましくは400〜1000nmである。第2の凸部223の幅および高さは、前述のとおり、10〜300nmであり、好ましくは10〜200nm、より好ましくは10〜150nm、さらに好ましくは10〜100nmである。
第2の凸部223の、第1の凸部222に対する面積率または存在率(存在確率)は、特に限定されないが、本発明の効果を得るためには小さすぎないことが好ましい。また、可視光線の全波長領域での基板11に対する導出を低下させないためには、第2の凸部223の面積率は、大きすぎないことが好ましい。具体的には、第1の凸部群222および第2の凸部群223の底面の面積の合計に対し、第2の凸部群223の底面の面積が、好ましくは1〜30%の範囲、より好ましくは3〜25%の範囲、さらに好ましくは5〜20%の範囲である。後述の各実施形態においても同様である。ただし、第2の凸部223の面積率は、これに限定されない。例えば、有機EL層16からの発光の色温度の作成、変更、調整等を目的とする場合において、第2の凸部223の面積率が、面積比で前記1〜30%の範囲外であっても良い。また、色温度の作成、変更、調整等(色味の調整)は、例えば、第1の実施形態と同様のメカニズムに基づいて行うことができる。後述の各実施形態においても同様である。また、第1の凸部222および第2の凸部223の体積の合計値は、有機ELパネル用透明樹脂層22の全体積(透明樹脂221、第1の凸部222および第2の凸部223の3つの体積の合計値)に対し、1〜50%の体積比率とするのが好ましい。具体的には、有機ELパネル用透明樹脂層22の強度低下により割れやクラック等が入ることを防止しやすいという観点から、前記体積比率は、50%以下が好ましい。また、光を視認側へ取り出す効率のために大きい散乱強度を得る観点、および臨界角による全反射を抑制し視認側への導光を得る観点から、前記体積比率は、1%以上が好ましい。
また、前記第1の凸部および前記第2の凸部の幅および高さは、例えば、形状測定用のレーザー光学干渉計、例えばzygo(キャノン)社のNew Viewシリーズ、オリンパス社のOLSシリーズ(いずれも商品名)、または、触針式段差計、例えばKLAテンコール社のαステップやPシリーズ(いずれも商品名)、または、原子間力顕微鏡や走査型プローブ顕微鏡、例えば日立ハイテクサイエンス社のAFM5000シリーズ(商品名)等により測定することができる。
透明樹脂221の形成材料は、特に限定されないが、例えば、実施形態1(図1)の透明樹脂121と同様である。また、前記凹凸構造の形成材料も特に限定されないが、例えば、一般的な熱可塑性樹脂、フォトレジスト材料等でも良い。基板(ガラス等)11への光入射は、前記凹凸構造の形成材料が低屈折率材料である(すなわち、基板11との屈折率差が小さい)方が良好である。ただし、基板11への入射光は、前記凹凸構造の形成材料が高屈折率材料であっても、問題なく基板11に入射する。なぜならば、基板11への入射光は、前記凹凸構造により散乱(屈折・回折・反射・電気双極子による弾性散乱)されて散乱光となっているためである。また、前記凹凸構造の形成材料と、透明樹脂221の形成材料との屈折率差は、光の散乱または分散の観点から、凹凸構造の形成材料の屈折率をn1、透明樹脂の屈折率をn2としたときの比n1/n2は例えば0.1〜2.0、好ましくは0.2〜1.8、より好ましくは0.3〜1.7である。
図2の有機ELパネル20の製造方法は、特に限定されないが、例えば、透明樹脂層12に代えて透明樹脂層22を形成すること以外は、実施形態1(図1)の有機ELパネル10と同様にして製造できる。透明樹脂層22の形成方法も、特に限定されないが、例えば、以下のとおりである。すなわち、まず、無アルカリガラス等から形成された基板11上に、透明な熱可塑性樹脂、またはフォトレジスト材料等で、前記凹凸構造を形成する。前記熱可塑性樹脂を用いる場合は、例えば、型押し、またはナノインプリント技術により、前記凹凸構造を形成することができる。フォトレジスト材料を用いる場合は、例えば、フォトリソグラフィーにより前記凹凸構造を形成することができる。前記凹凸構造(凸部222および223)の形状および大きさ(幅および高さ)に周期性が存在すると、光学干渉を起こして発光面にムラが見られるようになる。このため、前記凸部(凸部222および223)の形状および大きさの少なくとも一方が周期性を有しないように、ランダムに前記凸部を形成する。
前記第1の凸部および前記第2の凸部の形状は、光の入射角をランダムにすることができれば(すなわち、光の干渉を防止できれば)、特に限定されない。したがって、例えば、前記凹凸形状における前記凸部、および前記凸部以外の部分(すなわち凹部)の少なくとも一方が、レンズ形状(例えば、断面が半円状または弧状)としても良い。また、これに限定されず、前記凹凸形状における凸部または凹部の少なくとも一方が、円柱、多角柱、円錐、多角錐等の形状であっても良い。さらに、前記凹凸形状は、不定形でも良く、例えば、波形の凹凸形状であっても良い。前記凹凸形状は、光の外部への取り出し効率の観点から、全反射の臨界角を持たないような形状、すなわち、前記凸部または凹部の少なくとも一方が略半球のレンズ形状であることが特に好ましい。なお、前記凸部が略半球のレンズ形状である場合については、後述の実施形態4(図4)において示す。
一般的な凹凸構造の形成方法としては、例えば、熱可塑性の有機材料を、一定パターンを繰り返した押し型でインプリントする方法が挙げられる。また、別の方法として、例えば、レジスト材料等の有機膜に対し、一定パターンを繰り返したフォトマスクを用いたフォトリソグラフィーにより前記凹凸構造を形成する方法が挙げられる。これらの方法では、前記押し型、または前記フォトマスクの形状により、前記凹凸構造のパターンおよび側面の角度(傾斜)が決まる。このとき、前記押し型、または前記フォトマスクの形状が周期性を有すると、前記凹凸構造のパターンおよび側面の角度(傾斜)が周期性を有し、光の干渉の原因となる。これを防止するために、例えば、前記押し型、または前記フォトマスクの形状(凹凸の大きさ、側面角度等)のパターンをランダムにする方法がある。例えば、前記凸部の側面角度の周期性をなくすためには、前記凸部の高さを異ならせる方法、または、前記凸部の大きさを変えて側面角度を変える方法がある。または、例えば、大きな凸部表面(側面等)上に別の小さな凸部を形成することにより、前記凸部側面の表面の角度をランダムにする方法がある。ただし、前記押し型、または前記フォトマスクの形状は、いずれもマイクロまたはナノサイズであるため、ランダムな(周期性を有しない)形状を作製するためには、マスクデータが膨大となる。そこで、より簡便な方法としては、例えば、以下に説明する方法がある。
すなわち、前記第1の凸部(幅および高さの少なくとも一方が300〜3000nm)は、例えば、フォトリソグラフィーにより、底辺の一辺または直径が、露光限界解像度の5μm前後となる多角形または円状の凸部とすることができる。また、ナノインプリントによれば、さらに微細サイズの形状を作製することができるので、底辺または直径が高さと同等またはそれ以下の多角形または円状の凸部とすることができる。前記第1の凸部をフォトリソグラフィーにより形成する場合、多重露光、ずらし露光、露光・現像後ポストベーク前の再露光現像、露光・現像後の複数回の温度条件を変えた熱処理等により、前記第1の凸部の幅、高さおよび形状を変えることができる。これにより、形状および大きさの少なくとも一方が周期性を有しない、前記第1の凸部を形成することができる。また、前記第1の凸部をナノインプリントにより形成する場合、例えば、片面の凹凸形状の幅、高さ、形状等が異なる押し型を複数個準備しておき、複数回インプリントすることにより、前記第1の凸部の幅、高さおよび形状を変えることができる。これにより、形状および大きさの少なくとも一方が周期性を有しない、前記第1の凸部を形成することができる。
また、前記第2の凸部を形成する方法としては、例えば、前記第1の凸部を、表面処理により微細加工する方法がある。前記表面処理方法としては、特に限定されないが、例えば、プラズマ処理、エキシマUVによる処理等のドライプロセスが挙げられる。具体的には、例えば、ドライプロセスによるドライエッチング、アッシング等により、前記第2の凸部の表面形状を形成する。さらに、例えば、前記ドライプロセス後の熱処理により、前記第1の凸部および前記第2の凸部の表面を曲面とすることができる。前記プラズマ処理は、特に限定されないが、例えば、大気圧または真空下における、酸素ガスによるプラズマ処理等が挙げられる。また、前記プラズマ処理としては、例えば、アルゴン等の不活性ガスを用いた反応性イオンエッチング処理も挙げられる。また、前記エキシマUVは、真空紫外域のエキシマ光を用いる方法であり、プラズマ処理より簡便である。
また、前記第2の凸部をフォトリソグラフィーにより形成することもできる。この場合、例えば、ネガレジスト使用時は、アンダー露光状態にすることで、前記第2の凸部を小さく形成することができる。前記アンダー露光状態にする方法としては、例えば、フォトマスクと基板との距離(露光ギャップ)と露光量を調整する方法、レジスト塗付厚を薄くする方法、露光時間を短くする方法等が挙げられる。また、ポジレジストを用いる場合は、前記と逆の操作を行うことにより、前記第2の凸部を小さく形成することができる。または、異方性現像を利用することによっても、前記第2の凸部を小さく形成することができる。
また、前記第2の凸部をナノインプリントにより形成することもできる。すなわち、ナノインプリントによれば、例えば、10nmオーダーの凹凸も形成できる。したがって、例えば、前記第1の凸部を形成後、前記第2の凸部の大きさの押し型を用いて、再度加熱およびインプリント処理をしても良い。
以上の方法により、例えば、前記凹凸構造のパターンの周期と側面角度の周期を無くすことができる。すなわち、形状および大きさの少なくとも一方が周期性を有しない凹凸構造を形成することができる。これにより、例えば、光の干渉によるムラを抑えつつ、大きさの異なる凸部による反射の低減および散乱効果を得て、短波長(例えば青色)領域の光の出射を改善し、向上させることができる。なお、図8の断面図に、凸部の形状および大きさが周期性を有する例および有しない例を、それぞれ模式的に示す。図8(a)は、凸部の形状および大きさが周期性を有する例である。図示のとおり、この例では、同じ幅Aの中に、大きい凸部(第1の凸部)81が1つと、小さい凸部(第2の凸部)82が2つ並んだ同形同大の凹凸形状が繰り返されている。図中の各凸部81は、それぞれ同形同大であり、側面角度(側面と底面とのなす角度)は、それぞれαである。また、図中の各凸部82は、それぞれ同形同大であり、側面角度(側面と底面とのなす角度)は、それぞれβである。すなわち、図8(a)の例では、形状および大きさの両方が周期性を有する。一方、図8(b)の例では、大きい凸部(第1の凸部)81および小さい凸部(第2の凸部)82がランダムに(不規則に)並んでいるため、凸部の形状および大きさが周期性を有しない。なお、図2の有機ELパネル用透明樹脂層22も、前述のとおり、凸部の形状および大きさが周期性を有しない例である。図2の有機ELパネル用透明樹脂層22では、第1の凸部222および第2の凸部223の側面角度(側面と底面とのなす角度)は、ほぼ等しく描いているが、これらの側面角度は、互いに異なっても良い。また、図2では、各第1の凸部222は、それぞれ同形同大に描いているが、大きさ、形状(例えば側面角度)等がそれぞれ異なっても良い。同様に、各第2の凸部223は、それぞれ同形同大に描いているが、大きさ、形状(例えば側面角度)等がそれぞれ異なっても良い。
さらに、前記凹凸構造を、透明樹脂221で平坦化し、透明樹脂層22を形成する。または、先にフィルム状またはシート状の透明樹脂層22を製造し、それを基板11上に積層させても良い。基板11と透明樹脂層22は、必要に応じ、透光性の接着剤または粘着剤等により貼り合わせても良い。
本実施形態の有機ELパネル20の使用方法も、特に限定されず、例えば、実施形態1(図1)の有機ELパネル10と同様に、一般的な有機ELパネルと同様の方法で使用可能である。また、本実施形態の有機ELパネル20により得られる効果も、例えば、実施形態1(図1)の有機ELパネル10と同様である。
[実施形態3]
つぎに、本発明の第3の実施形態について説明する。
図3の断面図に、本実施形態の有機ELパネルの構造の一例を模式的に示す。図示のとおり、この有機ELパネル30は、基板11と透明電極14との間に透明樹脂層12および平坦化層13が存在しない。そして、透明樹脂層12は、基板11における透明電極14と反対側の面上に積層されている。すなわち、透明樹脂層12が、基板11を挟んで、透明電極14と反対側に配置されている。これら以外は、図3の有機ELパネル30は、実施形態1の有機ELパネル10と同じである。
図3の有機ELパネル30の製造方法は、特に限定されない。例えば、透明樹脂層12を、基板11の、透明電極14と反対側の面上に積層させること以外は、実施形態1(図1)の有機ELパネル10と同様にして製造できる。この場合、透明樹脂層12よりも先に、透明電極14、有機EL層16および陰極15を、基板11上に積層させても良い。また、逆に、透明樹脂層12を、透明電極14、有機EL層16および陰極15よりも先に、基板11上に積層させても良い。
図3の有機ELパネル30の使用方法も特に限定されず、実施形態1および2の有機ELパネルまたは一般的な有機ELパネルと同様でも良い。図3の有機ELパネル30により得られる効果も、実施形態1および2の有機ELパネルと同様である。
[実施形態4]
つぎに、本発明の第4の実施形態について説明する。
図4の断面図に、本実施形態の有機ELパネルの構造の一例を模式的に示す。図示のとおり、この有機ELパネル40は、透明樹脂層12に代えて透明樹脂層42を有すること以外は、実施形態3の有機ELパネル30と同じである。
透明樹脂層42は、透明樹脂421中に、凹凸構造が形成されて構成されている。より具体的には、基板11上に前記凹凸構造が形成され、透明樹脂421で封止されて透明樹脂層42が形成されている。前記凹凸構造は、幅および高さの少なくとも一方が300〜1000nmである第1の凸部422と、幅および高さの少なくとも一方が10〜100nmである第2の凸部423とを含む。前記凹凸構造は、前記凸部の形状および大きさの少なくとも一方が周期性を有しないように形成されている。また、図示のとおり、この透明樹脂層42においては、第1の凸部422および第2の凸部423の形状が、略半球の凸レンズ(マイクロレンズ)状である。このように、前記凹凸構造(第1の凸部422および第2の凸部423)の形状が異なること以外は、透明樹脂層42は、実施形態2(図2)の透明樹脂層22と同様である。すなわち、透明樹脂層42は、本発明の、前記「第2の有機ELパネル用透明樹脂層」である。
図4の有機ELパネル40の製造方法は、特に限定されない。例えば、基板11における透明電極14と反対側の面上に、透明樹脂層12に代えて透明樹脂層42を形成すること以外は、実施形態3(図3)の有機ELパネル30と同様の製造方法で良い。透明樹脂層42の形成方法は、例えば、前記凹凸構造(第1の凸部422および第2の凸部423)の形状を変えること以外は、実施形態2(図2)の透明樹脂層22の形成方法と同様で良い。
図4の有機ELパネル40の使用方法も特に限定されず、実施形態1〜3の有機ELパネルまたは一般的な有機ELパネルと同様でも良い。図4の有機ELパネル40により得られる効果も、実施形態1〜3の有機ELパネルと同様である。
[実施形態5]
つぎに、本発明の第5の実施形態について説明する。
図5の断面図に、本実施形態の有機ELパネルの構造の一例を模式的に示す。図示のとおり、この有機ELパネル50は、基板11上における透明電極14と反対側の面に、透明樹脂層42を有する。それ以外は、実施形態1(図1)の有機ELパネル10と同様である。すなわち、図5の有機ELパネル50は、基板11の両側に、透明樹脂層12および透明樹脂層42の2つの透明樹脂層を有する。このように、本発明の有機ELパネル用透明樹脂層を基板の両側に複数有することで、本発明の有機ELパネル用透明樹脂層が1層である場合と比較して、さらに効率よく、さらに多くの短波長光(例えば青色の光)を、有機ELパネル外部(大気中)へ取り出すことができる。
また、本実施形態の有機ELパネルの構造は、図5の有機ELパネル50の構造に限定されない。例えば、図5の有機ELパネル50では、基板11上において、透明電極14と同じ側に、本発明の「第1の有機ELパネル用透明樹脂層」を配置し、透明電極14と反対側に、本発明の「第2の有機ELパネル用透明樹脂層」を配置している。しかし、これと逆に、透明電極14と同じ側に、本発明の「第2の有機ELパネル用透明樹脂層」を配置し、透明電極14と反対側に、本発明の「第1の有機ELパネル用透明樹脂層」を配置しても良い。
また、基板11上において、透明電極14と同じ側および反対側の両方に、本発明の「第1の有機ELパネル用透明樹脂層」または「第2の有機ELパネル用透明樹脂層」を配置しても良い。しかし、前述のとおり、いずれか一方に本発明の「第1の有機ELパネル用透明樹脂層」を配置し、他方に本発明の「第2の有機ELパネル用透明樹脂層」を配置することが好ましい。このように、異なる構造の透明樹脂層を併用することにより、光の散乱(分散、拡散)がさらに効率よく行われ、さらに多くの短波長光(例えば青色の光)を、有機ELパネル外部(大気中)へ取り出すことができるためである。また、例えば、光散乱微粒子を通過して一度散乱(分散、拡散)した光は、再度光散乱微粒子を通過させるよりも、前記光散乱微粒子と形状の異なる凹凸構造を通過させる方が、前記一度散乱(拡散、分散)した光を、有機ELパネル外部へ導光・導出する効果が大きくなる。光が、先に前記凹凸構造を通過し、後から前記光散乱微粒子を通過する場合も、同様である。このため、前述のとおり、本発明の「第1の有機ELパネル用透明樹脂層」および本発明の「第2の有機ELパネル用透明樹脂層」を併用することが好ましい。
本実施形態の有機ELパネルの製造方法も特に限定されないが、例えば、実施形態1〜4の有機ELパネルに準じても良い。また、本実施形態の有機ELパネルの使用方法も特に限定されないが、例えば、実施形態1〜4の有機ELパネルまたは一般的な有機ELパネルと同様でも良い。
[実施形態6]
つぎに、本発明の第6の実施形態について説明する。
本実施形態は、基板と対向する封止基板側から光を取り出す、いわゆるトップエミッションタイプの有機ELパネルについて説明する。
まず、図10の断面図に、一般的な有機ELパネルの構造の別の例を模式的に示す。図示のとおり、この有機ELパネル100は、陰極15の一端が、突出して正孔注入層161、正孔輸送層162、発光層163、電子輸送層164、および電子注入層165の一側面に接するとともに、アノード14に接さず隔てられるようにして、透明基板11の片面に接していること、正孔注入層161、正孔輸送層162、発光層163、電子輸送層164、および電子注入層165の側方は、シール部63で囲まれていること、陰極15の前記一端(同図において右側の端)と、その反対側におけるアノード14の一端(同図において左側の端)は、シール部63と透明基板11とに挟まれた状態で、シール部63の外側に突出しており、その突出した部分において、陰極15およびアノード14を、外部の電源等(図示せず)に接続可能であること、並びに、シール部63の上面(透明基板11と反対側の面)には、正孔注入層161、正孔輸送層162、発光層163、電子輸送層164、および電子注入層165を囲み、かつ、透明基板11と対向するように、封止透明基板61が貼付されており、これにより、正孔注入層161、正孔輸送層162、発光層163、電子輸送層164、および電子注入層165が、透明基板11、封止透明基板61およびシール部63で囲まれて封止されていること以外は、図9に示す有機ELパネル90と同じである。なお、図10において、62は、充填材であり、図6および7において同様である。封止透明基板61は、例えば、ガラス等で形成されている。図10に示す有機ELパネル100では、同図中に矢印801で示すように、光が、透明基板11側から取り出される。
一方、図6の断面図に、本実施形態の有機ELパネルの構造の一例を模式的に示す。図示のとおり、この有機ELパネル60は、透明基板11の片面上に、アノード14、有機EL層16および透明電極(カソード)15が、前記順序で積層されて形成されている。透明電極(カソード)15の一端は、突出して正孔注入層161、正孔輸送層162、発光層163、電子輸送層164、および電子注入層165の一側面に接するとともに、アノード14に接さず隔てられるようにして、透明基板11の片面に接している。正孔注入層161、正孔輸送層162、発光層163、電子輸送層164、および電子注入層165の側方は、シール部63で囲まれている。透明電極(カソード)15の前記一端(同図において右側の端)と、その反対部におけるアノード14の一端(同図において左側の端)は、シール部63と透明基板11とに挟まれた状態で、シール部63の外側に突出しており、その突出した部分において、透明電極(カソード)15およびアノード14を、外部の電源等(図示せず)に接続可能である。シール部63の上面(透明基板11と反対側の面)には、正孔注入層161、正孔輸送層162、発光層163、電子輸送層164、および電子注入層165を囲み、かつ、透明基板11と対向するように、封止透明基板61が貼付されており、これにより、正孔注入層161、正孔輸送層162、発光層163、電子輸送層164、および電子注入層165が、透明基板11、封止透明基板61およびシール部63で囲まれて封止されている。封止透明基板61上には、透明樹脂層12が設けられている。透明基板11は、実施形態1〜5の透明基板11と同じである。アノード14は、例えば、ITOまたは金属等で形成されている。透明電極(カソード)15は、例えば、薄い金属膜およびITO等で形成されている。封止透明基板61は、例えば、ガラスまたは透明フィルム等で形成されている。充填材62およびシール部63としては、一般的な有機ELパネルに用いられている充填材およびシール部を用いることができる。透明樹脂層12は、実施形態1の透明樹脂層12と同じである。このような構成とすることで、本実施形態の有機ELパネル60では、図6中に矢印601で示すように、光が、封止透明基板61側から取り出される。
図6では、前記透明樹脂層として、実施形態1に記載の本発明の「第1の有機ELパネル用透明樹脂層」12を示したが、本実施形態の有機ELパネルでは、前記透明樹脂層として、実施形態2または4に記載の本発明の「第2の有機ELパネル用透明樹脂層」22または42を用いてもよい。
本実施形態の有機ELパネルの製造方法は特に限定されないが、例えば、実施形態1〜5の有機ELパネルおよび一般的なトップエミッションタイプの有機ELパネルに準じても良い。また、本実施形態の有機ELパネルの使用方法も特に限定されないが、例えば、ディスプレイ、照明等、一般的なトップエミッションタイプの有機ELパネルと同様でもよい。
本実施形態の有機ELパネルによれば、封止透明基板上に、本発明の「第1の有機ELパネル用透明樹脂層」または「第2の有機ELパネル用透明樹脂層」を配置したことで、封止透明基板側から光を取り出す際に、光の屈折率の波長依存性(波長分散)に起因する光の取り出し効率の問題を解決できる等、実施形態1〜5と同様の効果が得られる。
[実施形態7]
つぎに、本発明の第7の実施形態について説明する。
本実施形態は、基板側と、基板と対向する封止基板側の双方から光を取り出す、いわゆる両面発光・両面光取り出し(シースルー)タイプの有機ELパネルについて説明する。
図7の断面図に、本実施形態の有機ELパネルの構造の一例を模式的に示す。図示のとおり、この有機ELパネル70は、透明基板11とアノード14との間、および、透明基板11におけるアノード14と反対側の面上に透明樹脂層12が配置されていること、並びに、アノードとして、ITO等の透明電極を用いていること以外は、実施形態6の有機ELパネル60と同様である。このような構成とすることで、本実施形態の有機ELパネル70では、図7中に矢印601および701で示すように、光が、透明基板11側および封止透明基板61側の双方から取り出される。
図7に示す有機ELパネルでは、透明基板11とアノード14との間、および、透明基板11におけるアノード14と反対側の面上の双方に透明樹脂層12が配置されているが、いずれか一方のみに透明樹脂層12が配置されていてもよい。
図7では、前記3つの透明樹脂層として、実施形態1に記載の本発明の「第1の有機ELパネル用透明樹脂層」12を示したが、本実施形態の有機ELパネルでは、前記透明樹脂層の一部または全部として、実施形態2または4に記載の本発明の「第2の有機ELパネル用透明樹脂層」22または42を用いてもよい。
本実施形態の有機ELパネルの製造方法は特に限定されないが、例えば、実施形態1〜6の有機ELパネルおよび一般的な両面発光・両面光取り出し(シースルー)タイプの有機ELパネルに準じても良い。また、本実施形態の有機ELパネルの使用方法も特に限定されないが、例えば、照明等、一般的な両面発光・両面光取り出し(シースルー)タイプの有機ELパネルと同様でもよい。
本実施形態の有機ELパネルによれば、透明基板側および封止透明基板側の双方に、本発明の「第1の有機ELパネル用透明樹脂層」または「第2の有機ELパネル用透明樹脂層」を配置したことで、透明基板側および封止透明基板側の双方から光を取り出す際に、光の屈折率の波長依存性(波長分散)に起因する光の取り出し効率の問題を解決できる等、実施形態1〜6と同様の効果が得られる。
実施例として、図1と同じ構造の有機ELパネルを製造した。一方、比較例として、図9と同じ構造の有機ELパネルを製造した。これらの発光の様子を観察した。その結果、実施例の有機ELパネルは、表示の色ムラがなく、パネル端部の反射光が発光面(パネル中央部)と同じ色を呈していた。これに対し、比較例の有機ELパネルは、パネル端部の電極部分が、発光面(パネル中央部)と比較して青みがかっていた。これは、導波された青色光が陰極(金属電極)の電極取り出し部分や、陽極の電極取り出し部のパッド部分で反射されたためである。
なお、前記実施例および前記比較例の有機ELパネルの製造および特性評価は、具体的には、以下のようにして行った。
[1.実施例の有機ELパネルの製造]
まず、ガラス基板11上に、光散乱層(有機ELパネル用透明樹脂層12および平坦化層13)を形成した。すなわち、まず、透明樹脂としてポリメタクリル酸メチルを主剤としたアクリル樹脂溶液100質量部を準備した。そこに、第1の微粒子122および第2の微粒子123を混合し、混練および分散して、光散乱材を調整した。第1の微粒子122としては、平均粒径が0.5〜1.2μmの間のシリコーン系微粒子を20質量部用いた。第2の微粒子123としては、平均粒径が200nmのシリコーン系微粒子を3質量部と、平均粒径が40nmのシリコーン系微粒子を0.5質量部用いた。つぎに、前記光散乱材を、所定の膜厚となるように、無アルカリガラス基板11上にスリットコーターにより塗布し、乾燥し、硬化させて、透明樹脂121中に第1の微粒子122および第2の微粒子123が分散した有機ELパネル用透明樹脂層12を形成した。さらに、その上に、前記アクリル樹脂溶液と同一の組成の溶液を塗布し、乾燥し、硬化させて、平坦化膜13を形成した。このようにして、前記光散乱層(有機ELパネル用透明樹脂層12および平坦化層13)を形成した。アフターキュア(硬化)後の前記光散乱層の膜厚は3.0μm、ヘイズ値は67%、分光光度計で測定した全光線の透過率は82%であった。
つぎに、前記光散乱層上に、有機ELパネルの陽極となるITOをスパッタ法にて成膜し、透明電極(陽極)14を形成した。さらに、その透明電極(陽極)14上に、真空蒸着法により、有機EL層16を形成した。さらに、有機EL層16上に、真空蒸着法により、アルミニウムの陰極15を形成した。このようにして、図1に示す有機EL照明パネルを製造した。有機EL層16は、透明電極14(ITO膜)側から、正孔注入層161、正孔輸送層162、発光層163、正孔ブロック層(図示せず)、電子輸送層164、電子注入層165が、前記順序で積層された積層体とした。前記積層体における各層の形成材料は、下記のとおりである。

正孔注入層:Cu−Pc(銅フタロシアニン)
正孔輸送層:α−NPD(N,N’−ジフェニル−N−N−ビス(1−ナフチル)−1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン)
発光層:ホスト;CBP(4,4’−ビスカルバゾリルビフェニル)
ドーパント;Ir(ppy) (トリス−(2フェリニルピリジン)イリジウム錯体)、BtpIr(acac) (ビス(2−(2’−ベンゾ(4,5−α)チエニル)ピリジネート−N,C2’)(アセチルアセトネート)イリジウム錯体)、FIr(pic) ((ビス(4,6−ジ−フルオロフェニル)−ピリジネート−N,C2’)ピコリネートイリジウム錯体)
正孔ブロック層:BCP(2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン)
電子輸送層:Alq
電子注入層:LiF
[2.実施例の有機ELパネルの特性評価(色度の均一性評価)]
本実施例の有機ELパネルに、駆動電流として25A/mの定電流を流して点灯させた。駆動電圧は4.5V、輝度は1680cd/mであった。この有機ELパネルにおける色度の均一性を、以下のようにして評価した。すなわち、この有機ELパネルにおける中心と周辺の面内5点の色度を測定し、u’およびv’を算出し、さらにそれから、中心部と周辺との色度差Δu’v’を算出した。この有機ELパネルの色度差は、平均で0.003、最も大きい場所でも0.004で0.01(10/1000)以下であり、高い色度の均一性を示した。なお、前記色度差Δu’v’は、下記数式(1)で表される。

Δu’v’={(u1’−u2’)2+(v1’−v2’)21/2 (1)
[3.比較例の有機ELパネルの製造]
前記光散乱層(有機ELパネル用透明樹脂層12および平坦化層13)を形成しなかったこと以外は、実施例と同様にして、比較例の有機ELパネルを製造した。
[4.比較例の有機ELパネルの特性評価(色度の均一性評価)]
本比較例の有機ELパネルに、駆動電流として25A/mの定電流を流して点灯させた。駆動電圧は4.7V、輝度は850cd/mであった。この有機ELパネルの中心と周辺部との色度差は、平均で0.031(31/1000)であり、色度の均一性としては良好ではなく、周辺部は青味方向にずれていた。
以上、実施形態および実施例を参照して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態および実施例に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
本発明の有機ELパネル用透明樹脂層は、例えば、有機EL照明パネル用、または有機ディスプレイパネル用に用いることができる。すなわち、本発明の有機ELパネルは、例えば、有機EL照明パネルまたは有機ELディスプレイパネルであっても良い。本発明の有機ELパネルの用途としては、例えば、液晶ディスプレイ等のバックライト等が挙げられる。また、本発明の有機ELパネルは、例えば、インテリア、エクステリア、車載用途等に用いることができる。ただし、本発明はこれに限定されず、広範な用途に適用可能であり、例えば、一般的な有機ELパネル、有機EL照明装置または有機ELディスプレイと同様の任意の用途に用いることができる。また、本発明の有機ELパネル(光源)の用途は、有機EL照明装置用および有機ELディスプレイ用のみに限定されず、光源を必要とする任意の装置に広く適用可能である。
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載しうるが、以下には限定されない。
(付記1)
透明樹脂中に、複数の光散乱微粒子が分散され、
前記複数の光散乱微粒子は、平均粒子径が300〜50000nmである第1の微粒子群と、平均粒子径が1〜300nmである第2の微粒子群とを含む、
ことを特徴とする有機ELパネル用透明樹脂層。
(付記2)
前記第2の微粒子群の含有率が、前記光散乱微粒子の全質量に対し、1〜30質量%の範囲であることを特徴とする付記1記載の有機ELパネル用透明樹脂層。
(付記3)
前記第1の微粒子群の平均粒子径が、300〜3000nmの範囲であることを特徴とする付記1または2記載の有機ELパネル用透明樹脂層。
(付記4)
透明樹脂中に、複数の光散乱微粒子が分散され、
前記複数の光散乱微粒子は、平均粒子径が300〜50000nmであることを特徴とする有機ELパネル用透明樹脂層。
(付記5)
透明樹脂中に、複数の光散乱微粒子が分散され、
前記複数の光散乱微粒子は、平均粒子径が1〜300nmであることを特徴とする有機ELパネル用透明樹脂層。
(付記6)
前記光散乱微粒子が、有機微粒子および無機微粒子の少なくとも一方であることを特徴とする付記1から5のいずれかに記載の有機ELパネル用透明樹脂層。
(付記7)
前記第1の微粒子群が、有機微粒子および無機微粒子の少なくとも一方であることを特徴とする付記6記載の有機ELパネル用透明樹脂層。
(付記8)
前記第2の微粒子群が、有機微粒子および無機微粒子の少なくとも一方であることを特徴とする付記6または7記載の有機ELパネル用透明樹脂層。
(付記9)
前記有機微粒子が、メタアクリル酸エステルおよびスチレンの共重合物、ポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、メラミン樹脂、ポリスチレン樹脂、およびシリコーン樹脂からなる群から選択される少なくとも一つであることを特徴とする付記6から8のいずれかに記載の有機ELパネル用透明樹脂層。
(付記10)
前記無機微粒子が、金属酸化物、シリカ、ジルコニア、硫酸バリウムおよび炭酸カルシウムからなる群から選択される少なくとも一つであることを特徴とする付記6から9のいずれかに記載の有機ELパネル用透明樹脂層。
(付記11)
前記金属酸化物が、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄およびアルミナからなる群から選択される少なくとも一つであることを特徴とする付記10記載の有機ELパネル用透明樹脂層。
(付記12)
前記第2の微粒子群が、有機微粒子であることを特徴とする付記1から11のいずれかに記載の有機ELパネル用透明樹脂層。
(付記13)
透明樹脂中に、複数の凸部を含む凹凸構造が形成され、
前記複数の凸部は、幅および高さの少なくとも一方が300〜3000nmである第1の凸部群と、幅および高さの少なくとも一方が10〜300nmである第2の凸部群とを含み、
前記凹凸構造は、前記凸部の形状および大きさの少なくとも一方が周期性を有しない、ことを特徴とする有機ELパネル用透明樹脂層。
(付記14)
前記第1の凸部群および前記第2の凸部群の底面の面積の合計に対し、前記第2の凸部群の底面の面積が、1〜30%の範囲であることを特徴とする付記13記載の有機ELパネル用透明樹脂層。
(付記15)
前記凹凸構造が、熱可塑性材料に対するインプリント、または、フォトレジスト材料に対するフォトリソグラフィーにより形成された凹凸構造であることを特徴とする付記13または14記載の有機ELパネル用透明樹脂層。
(付記16)
光散乱および光分散の少なくとも一方の機能を有するシートまたはフィルムであることを特徴とする付記1から15のいずれかに記載の有機ELパネル用透明樹脂層。
(付記17)
有機EL照明パネル用であることを特徴とする付記1から16のいずれかに記載の有機ELパネル用透明樹脂層。
(付記18)
有機ELディスプレイパネル用であることを特徴とする付記1から16のいずれかに記載の有機ELパネル用透明樹脂層。
(付記19)
基板と、付記1から18のいずれかに記載の有機ELパネル用透明樹脂層とを含み、
前記基板の少なくとも片面に、前記有機ELパネル用透明樹脂層が積層されていることを特徴とする有機ELパネル。
(付記20)
前記基板が、ガラス基板であることを特徴とする付記19記載の有機ELパネル。
(付記21)
さらに、透明電極を有することを特徴とする付記19または20記載の有機ELパネル。
(付記22)
前記透明電極が、金属酸化物、酸化物半導体、銀ナノワイヤ、および炭素材料からなる群から選択される少なくとも一つの材料から形成される付記21記載の有機ELパネル。
(付記23)
前記透明電極が、ITO(Indium−Tin Oxide、酸化インジウムスズ)、IZO(Indium−Zinc Oxide、酸化亜鉛スズ)、ZnO(酸化亜鉛)、銀ナノワイヤ、グラフェン、およびカーボンナノチューブからなる群から選択される少なくとも一つの材料から形成される付記21または22記載の有機ELパネル。
(付記24)
前記透明電極が、ITO(Indium−Tin Oxide、酸化インジウムスズ)電極であることを特徴とする付記21記載の有機ELパネル。
(付記25)
前記有機ELパネル用透明樹脂層が、前記基板と前記透明電極との間に挟まれるように配置されていることを特徴とする付記21から24のいずれかに記載の有機ELパネル。
(付記26)
前記有機ELパネル用透明樹脂層が、付記1から12のいずれかに記載の有機ELパネル用透明樹脂層であり、
前記第1の微粒子群における前記光散乱微粒子の平均粒子径が、300〜3000nmである付記25記載の有機ELパネル。
(付記27)
前記有機ELパネル用透明樹脂層が、前記基板を挟んで、前記透明電極と反対側に配置されていることを特徴とする付記21から24のいずれかに記載の有機ELパネル。
(付記28)
前記有機ELパネル用透明樹脂層が、複数であり、
少なくとも1つの前記有機ELパネル用透明樹脂層が、前記基板と前記透明電極との間に挟まれるように配置され、かつ、
他の少なくとも1つの前記有機ELパネル用透明樹脂層が、前記基板を挟んで、前記透明電極と反対側に配置されていることを特徴とする付記21から24のいずれかに記載の有機ELパネル。
(付記29)
前記基板と前記透明電極との間に挟まれるように配置された前記有機ELパネル用透明樹脂層が、付記1から12のいずれかに記載の有機ELパネル用透明樹脂層であり、
前記基板を挟んで、前記透明電極と反対側に配置された前記有機ELパネル用透明樹脂層が、付記13から18のいずれかに記載の有機ELパネル用透明樹脂層である、ことを特徴とする付記28記載の有機ELパネル。
(付記30)
前記基板と前記透明電極との間に挟まれるように配置された前記有機ELパネル用透明樹脂層が、付記13から18のいずれかに記載の有機ELパネル用透明樹脂層であり、
前記基板を挟んで、前記透明電極と反対側に配置された前記有機ELパネル用透明樹脂層が、付記1から12のいずれかに記載の有機ELパネル用透明樹脂層である、ことを特徴とする付記28記載の有機ELパネル。
(付記31)
付記17記載の有機ELパネル用透明樹脂層を含む有機EL照明パネルであることを特徴とする付記19から30のいずれかに記載の有機ELパネル。
(付記32)
付記18記載の有機ELパネル用透明樹脂層を含む有機ELディスプレイパネルであることを特徴とする付記19から30のいずれかに記載の有機ELパネル。
(付記33)
付記17記載の有機ELパネル用透明樹脂層または付記31記載の有機EL照明パネルを含むことを特徴とする有機EL照明装置。
(付記34)
基板と、前記基板と対向する封止基板と、付記1〜18のいずれかに記載の有機ELパネル用透明樹脂層とを含み、
前記有機ELパネル用透明樹脂層が、前記封止基板を挟んで、前記基板側と反対側に配置されていることを特徴とする有機ELパネル。
(付記35)
基板と、前記基板と対向する封止基板と、複数の付記1〜18のいずれかに記載の有機ELパネル用透明樹脂層とを含み、
少なくとも1つの前記有機ELパネル用透明樹脂層が、前記封止基板を挟んで、前記基板と反対側に配置され、かつ、
他の少なくとも1つの前記有機ELパネル用透明樹脂層が、前記基板の少なくとも片面に積層されていることを特徴とする有機ELパネル。
(付記36)
さらに、透明電極を有することを特徴とする付記35記載の有機ELパネル。
(付記37)
前記他の少なくとも1つの前記有機ELパネル用透明樹脂層が、前記基板と前記透明電極との間に挟まれるように配置されていることを特徴とする付記36記載の有機ELパネル。
(付記38)
前記他の少なくとも1つの前記有機ELパネル用透明樹脂層が、前記基板を挟んで、前記透明電極と反対側に配置されていることを特徴とする付記36記載の有機ELパネル。
(付記39)
前記他の少なくとも1つの前記有機ELパネル用透明樹脂層が、複数であり、
前記他の少なくとも1つの前記有機ELパネル用透明樹脂層のうちの少なくとも1つが、前記基板と前記透明電極との間に配置され、かつ、
前記他の少なくとも1つの前記有機ELパネル用透明樹脂層のうちの他の少なくとも1つが、前記基板を挟んで、前記透明電極と反対側に配置されていることを特徴とする付記36記載の有機ELパネル。
(付記40)
付記18記載の有機ELパネル用透明樹脂層または付記32記載の有機ELディスプレイパネルを含むことを特徴とする有機ELディスプレイ。
(付記41)
付記32記載の有機EL照明パネルを含み、前記有機EL照明パネルが、付記27記載の有機ELパネルであり、
前記基板に対し、前記有機ELパネル用透明樹脂層が視認側に配置され、かつ、前記透明電極が視認側と反対側に配置されていることを特徴とする付記40記載の有機ELディスプレイ。
(付記42)
前記有機ELパネル用透明樹脂層の視認側が、封止基板により封止されている付記41記載の有機ELディスプレイ。
(付記43)
付記1から12の有機ELパネル用透明樹脂層の製造工程中で、
前記光散乱微粒子の全質量に対する前記第2の微粒子群の含有率を高くすることにより、有機ELパネルの色温度を高くするか、または、
前記光散乱微粒子の全質量に対する前記第2の微粒子群の含有率を低くすることにより、有機ELパネルの色温度を低くすることを特徴とする、前記有機ELパネルの色温度の調整方法。
(付記44)
付記13から18の有機ELパネル用透明樹脂層の製造工程中で、
前記第1の凸部群および前記第2の凸部群の底面の面積の合計に対する前記第2の凸部群の底面の面積比率を高くすることにより、有機ELパネルの色温度を高くするか、または、
前記第1の凸部群および前記第2の凸部群の底面の面積の合計に対する前記第2の凸部群の底面の面積比率を低くすることにより、有機ELパネルの色温度を低くすることを特徴とする、前記有機ELパネルの色温度の調整方法。
この出願は、2014年7月4日に出願された日本出願特願2014−138652を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
10、20、30、40、50、60、70、90、100 有機ELパネル
11 基板
12、22、32、42 有機ELパネル用透明樹脂層
13 平坦化層
14 透明電極(陽極)
15 陰極
16 有機EL層
61 封止基板
62 充填材
63 シール部
161 正孔注入層
162 正孔輸送層
163 発光層
164 電子輸送層
165 電子注入層
121、221 透明樹脂(バインダー樹脂、マトリクス樹脂)
122 第1の微粒子
123 第2の微粒子
222、422、81 第1の凸部
223、423、82 第2の凸部
101、102、111、112、113 有機ELパネル正面(透明基板11正面)方向またはそれに近い方向の発光
103、104 前記正面方向に対し大きく傾斜した方向の発光
114、117 赤色の光
115、118 緑色の光
116、119 青色の光
601、701、801 光

Claims (6)

  1. 基板と、前記基板の両側に2つの有機ELパネル用透明樹脂層とを有し、
    前記2つの有機ELパネル用透明樹脂層の一方は、透明樹脂中に、複数の光散乱微粒子が分散され、
    前記複数の光散乱微粒子は、平均粒子径が300〜3000nmである第1の微粒子群と、平均粒子径が1〜200nmである第2の微粒子群とを含み、
    前記2つの有機ELパネル用透明樹脂層の他方は、透明樹脂中に、複数の凸部を含む凹凸構造が形成され、
    前記複数の凸部は、幅および高さの少なくとも一方が300〜3000nmである第1の凸部群と、幅および高さの少なくとも一方が10〜200nmである第2の凸部群とを含み、
    前記凹凸構造は、前記凸部の形状および大きさの少なくとも一方が周期性を有しないものであって
    さらに、透明電極を有し、
    1つの前記有機ELパネル用透明樹脂層が、前記基板と前記透明電極との間に挟まれるように配置され、
    もう1つの前記有機ELパネル用透明樹脂層が、前記基板を挟んで、前記透明電極と反対側に配置されている、
    ことを特徴とする有機ELパネル。
  2. 前記第2の微粒子群の含有率が、前記光散乱微粒子の全質量に対し、1〜30質量%の範囲であり、
    前記第1の凸部群および前記第2の凸部群の底面の面積の合計に対し、前記第2の凸部群の底面の面積が、1〜30%の範囲であることを特徴とする請求項1記載の有機ELパネル。
  3. 前記光散乱微粒子が、有機微粒子および無機微粒子の少なくとも一方であることを特徴とする請求項1または2記載の有機ELパネル。
  4. 前記1つの前記有機ELパネル用透明樹脂層と前記透明電極との間に、前記透明電極の屈折率に近づけた高屈折率の平坦化層を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の有機ELパネル。
  5. 請求項1からのいずれか一項に記載の有機ELパネルを含むことを特徴とする有機EL照明装置。
  6. 請求項1からのいずれか一項に記載の有機ELパネルを含むことを特徴とする有機ELディスプレイ。
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