JP7193828B2 - 有機el素子 - Google Patents

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Description

本発明は、有機EL素子に関する。
デザイン性の高い有機EL素子として、スリット状に発光する有機EL素子が知られている(特許文献1)。前記スリット状に発光する有機EL素子は、例えば、金属電極をスリット状に形成し、スリットとスリットとの間には電極を配置せず、有機膜のみとすることにより形成できる。これにより、スリット-スリット間が透明となり、非発光時には、前記スリット間を通して、前記素子の反対側(裏面側)が見えることになる。そして、発光時には、前記スリット部分が発光し、光の広がりにより、発光面側は、全体的に光っているように見える。
特開2016-066491号公報
一方、前記スリット状に発光する有機EL素子において、例えば、非発光面側は、前記有機EL素子の発光時においても、前記スリット間に電極が配置されないことから、ほとんど光っていないように見えると考えられている。しかしながら、実際は、例えば、前記有機EL素子の内部で反射した光等により、前記スリット間を通して光の漏れが生じ、これが原因で、前記非発光面側が光って見えるため、前記有機EL素子のデザイン性が損なわれる等の問題があるとの知見が、本発明者により得られた。
そこで、本発明は、例えば、スリット状に発光する有機EL素子において、前記非発光面側からの発光を抑制することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の有機EL素子は、
第1の基板と、第1の電極と、有機EL層と、第2の電極と、反射防止層とを含み、
前記有機EL層は、発光層を含み、
前記第1の基板と、前記第1の電極と、前記有機EL層と、前記第2の電極とが、この順序で積層されており、
前記第1の基板は、発光面側の基板であり、
前記第1の電極および前記第2の電極は、一方が陽極であり、他方が陰極であり、
前記第1の電極は、透明電極であり、
前記第2の電極は、前記有機EL層の面方向において間隔をあけて配置されており、
前記第1の基板において、前記第1の電極との対向面側に、前記反射防止層が配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、例えば、スリット状に発光する有機EL素子において、前記非発光面側からの発光を抑制できる。
図1は、実施形態1における有機EL素子を横から見た模式図(断面図)である。 図2は、実施形態1における有機EL素子を横から見た模式図(断面図)である。 図3は、実施形態2における有機EL素子を横から見た模式図(断面図)である。 図4は、実施形態3における有機EL素子を横から見た模式図(断面図)である。
本発明の有機EL素子は、例えば、さらに、第2の基板を含み、
前記第1の基板と、前記反射防止層と、前記第1の電極と、前記有機EL層と、前記第2の電極と、前記第2の基板とが、この順で積層されており、
前記第1の基板は、透明基板であり、
前記第2の基板は、封止基板である。前記有機EL素子は、例えば、ボトムエミッションタイプである。
本発明の有機EL素子は、例えば、さらに、第2の基板を含み、
前記第1の基板と、前記反射防止層と、前記第1の電極と、前記有機EL層と、前記第2の電極と、前記第2の基板とが、この順で積層されており、
前記第1の基板は、封止基板であり、
前記第2の基板は、透明基板である。前記有機EL素子は、例えば、トップエミッションタイプである。
本発明の有機EL素子は、例えば、前記第2の電極が、スリット状またはグリッド状に配置されている。
本発明の有機EL素子は、例えば、前記反射防止層が、光散乱層または光干渉層である。
本発明の有機EL素子は、例えば、前記反射防止層が、入射角調整層であり、
前記入射角調整層は、
前記第1の基板における、前記第1の電極との対向面側の表面層であり、
前記有機EL層からの光の入射角が、全反射の臨界角未満となる層である。
本発明の有機EL素子は、例えば、前記第1の基板の前記表面層は、複数の凹凸部を有し、前記凹凸部における凹部または凸部の形状が、円筒状または半球状である。
本発明の有機EL素子は、例えば、さらに、反射防止層を含み、
前記第1の基板において、前記第1の電極との対向面とは反対面側に、前記反射防止層が配置されている。
本発明の有機EL素子は、例えば、さらに、第2の基板と反射半透過層とを含み、
前記第1の基板と、前記反射防止層と、前記第1の電極と、前記有機EL層と、前記第2の電極と、前記第2の基板とが、この順で積層されており、前記第2の基板における、前記第2の電極との対向面に、前記反射半透過層が配置されている。
本発明の有機EL素子は、例えば、前記有機EL層において、前記発光層は、単層構造、または2層以上の積層構造である。
つぎに、本発明の実施形態について、図を用いて説明する。本発明は、下記の実施形態によって何ら限定および制限されない。なお、以下の図面において、同一部分には、同一符号を付している。各実施形態における説明は、それぞれ、互いを援用できる。さらに、各実施形態の構成は、特に言及がない限り、組合せ可能である。また、図面においては、説明の便宜上、各部の構造は適宜簡略化して示す部分があり、各部の寸法比等は、実際とは異なり、模式的に示す場合がある。
(実施形態1)
図1は、本実施形態における有機EL素子1を横から見た模式図(断面図)である。本実施形態の有機EL素子1は、ボトムエミッションタイプの有機EL素子であり、図1において、下方向が、有機EL素子1の本来の発光方向(発光面側)であり、上方向が、本来の非発光方向(非発光面側)である。
図1に示すように、本実施形態の有機EL素子1は、前記第1の基板である透明基板10と、反射防止層15と、前記第1の電極である陽極11と、有機EL層12と、前記第2の電極である陰極13と、中間層17と、前記第2の基板である封止基板14とを含む。有機EL素子1は、透明基板10上に、反射防止層15と、陽極11と、有機EL層12と、陰極13と、中間層17と、封止基板14とが、前記順序で積層されている。封止基板14は、中間層17を挟んで透明基板10に対向して配置されている。有機EL層12は、例えば、正孔注入層121と、正孔輸送層122と、発光層123と、電子輸送層124と、電子注入層125とを含み、これらが前記順序で積層されている。そして、本実施形態において、反射防止層15は、透明基板10の有機EL層12との対向面(図1における上面)に配置されている。陰極13は、後述するように、スリット状に間隔をあけて配置されている。なお、正孔注入層121、正孔輸送層122、電子輸送層124、電子注入層125、および中間層17は、必須の構成要件ではなく、有機EL素子1に含まれてもよいし、含まれなくてもよい。
有機EL素子1において、透明基板10、陽極11、正孔注入層121、正孔輸送層122、発光層123、電子輸送層124、電子注入層125、陰極13、中間層17、封止基板14、および反射防止層15の材料は、特に制限されず、公知の材料を用いることができる。
透明基板10は、有機EL素子1における発光層123の発光を透過させる透過率の高いものであることが好ましい。透明基板10の形成材料としては、例えば、無アルカリガラス、ソーダガラス、ソーダライムガラス、硼珪酸ガラス、アルミノ珪酸ガラス、石英ガラス等のガラス;ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル;ポリイミド;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル等のアクリル系樹脂;ポリエーテルサルフォン;ポリ炭酸エステル;等があげられる。透明基板10の大きさ(長さおよび幅)は、特に制限されず、例えば、所望の有機EL素子1の大きさに応じて、適宜設定すればよい。透明基板10の厚さも、特に制限されず、その形成材料、使用環境等に応じて、適宜設定でき、例えば、1mm以下である。
本実施形態において、前記第1の電極である陽極11は、透明電極である。前記透明電極を形成する材料としては、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)等があげられる。
発光層123は、電極から注入された電子と正孔とを再結合させ、蛍光、燐光等を発光させる層である。発光層123は、発光材料を含む。前記発光材料は、例えば、トリス(8-キノリノール)アルミニウム錯体(Alq)、ビスジフェニルビニルビフェニル(BDPVBi)、1,3-ビス(p-t-ブチルフェニル-1,3,4-オキサジアゾールイル)フェニル(OXD-7)、N,N’-ビス(2,5-ジ-t-ブチルフェニル)ペリレンテトラカルボン酸ジイミド(BPPC)、1,4ビス(N-p-トリル-N-4-(4-メチルスチリル)フェニルアミノ)ナフタレン等の低分子化合物、または、ポリフェニレンビニレン系ポリマー等の高分子化合物等があげられる。
また、前記発光材料は、例えば、ホストとドーパントとの二成分系からなり、ホスト分子で生成した励起状態のエネルギーがドーパント分子へ移動してドーパント分子が発光する材料でもよい。このような発光材料は、具体的には、例えば、ホストのAlq等のキノリノール金属錯体に、ドーパントの4-ジシアノメチレン-2-メチル-6-(p-ジメチルアミノスチリル)-4H-ピラン(DCM)、2,3-キナクリドン等のキナクリドン誘導体、もしくは、3-(2’-ベンゾチアゾール)-7-ジエチルアミノクマリン等のクマリン誘導体をドープしたもの、ホストの電子輸送性材料であるビス(2-メチル-8-ヒドロキシキノリン)-4-フェニルフェノール-アルミニウム錯体に、ドーパントのペリレン等の縮合多環芳香族をドープしたもの、または、ホストの正孔輸送層材料である4,4’-ビス(m-トリルフェニルアミノ)ビフェニル(TPD)に、ドーパントのルブレン等をドープしたもの、ホストの4,4’-ビスカルバゾリルビフェニル(CBP)、4,4’-ビス(9-カルバゾリル)-2,2’-ジメチルビフェニル(CDBP)等のカルバゾール化合物に、ドーパントの白金錯体、トリス-(2フェリニルピリジン)イリジウム錯体(Ir(ppy))、(ビス(4,6-ジ-フルオロフェニル)-ピリジネート-N,C2’)ピコリネートイリジウム錯体(FIr(pic))、(ビス(2-(2’-ベンゾ(4,5-α)チエニル)ピリジネート-N,C2’)(アセチルアセトネート)イリジウム錯体(BtpIr(acac))、Ir(pic)、BtIr(acac)等のイリジウム錯体をドープしたもの等があげられる。前記発光材料は、例えば、有機EL素子1の目的とする発光色に応じて、適宜選択できる。
正孔注入層121を形成する材料としては、例えば、銅フタロシアニン(Cu-Pc)、m-MTDATA、2-TNATA、およびTCTA等のスターバースト型芳香族アミン等のアリールアミン誘導体、スピロ-TAD、2,3,6,7,10,11-ヘキサシアノ-1,4,5,8,9,12-ヘキサアザトリフェニレン(HAT-CN)、ならびに、正孔注入性有機材料に五酸化バナジウムや三酸化モリブデン等を化学ドーピングしたもの等があげられる。正孔輸送層122を形成する材料としては、例えば、ビス(ジ(p-トリル)アミノフェニル)-1,1-シクロヘキサン、N,N’-ジフェニル-N-N-ビス(1-ナフチル)-1,1’-ビフェニル)-4,4’-ジアミン(α-NPD)、4,4'-ビス(m-トリルフェニルアミノ)ビフェニル(TPD)、TAPC等のトリフェニルジアミン類、トリフェニルアミンをさらに多量化したTPTR、TPTE、NTPA、スターバースト型芳香族アミン等があげられる。電子輸送層124を形成する材料としては、例えば、2-(4-ビフェニリル)-5-(4-t-ブチルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール(Bu-PBD)、2,9‐ジメチル‐4,7‐ジフェニル‐1,10‐フェナントロリン(BCP)、1,3-ビス(p-t-ブチルフェニル-1,3,4-オキサジアゾールイル)フェニル(OXD-7)等のオキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、キノリノール系の金属錯体、トリフェニルジアミン誘導体等があげられる。電子注入層125を形成する材料としては、例えば、リチウムおよびセシウム等のアルカリ金属、カルシウム等のアルカリ土類金属のフッ化物や酸化物、ならびに、マグネシウム銀、リチウムアルミニウム合金等があげられる。
前記第2の電極である陰極13は、例えば、金属(例えば、アルミニウム等)等の対向電極である。陰極13は、間隔をあけて配置されている。陰極13は、例えば、スリット状に間隔をあけて配置されている。スリット状の陰極13の幅および前記間隙の幅は、特に制限されず、陰極13の幅が、例えば、0.1~5000μm、100~3000μm、200~2000μmであり、前記スリット状の間隙の幅が、例えば、2~10000μm、200~6000μm、400~4000μmである。本実施形態において、陰極13は、スリット状であり、間隔をあけて配置されている。陰極13の形状は、前記スリット状には限定されず、例えば、グリッド状でもよい。この場合、前記グリッドの幅は、例えば、前記スリットの幅の条件を満たすことが好ましい。陰極13は、例えば、間隔をあけて配置されている陰極13が、互いに部分的に接続していてもよいし、未接続でもよい。
中間層17は、例えば、保護層、充填層、および接着層からなる群のうち少なくとも一つにより形成される層である。
前記保護層は、有機EL素子1を保護する層である。前記保護層は、例えば、水および酸素等の浸入を防ぐため、ガスバリア性を有していることが好ましい。前記保護層を形成する材料としては、ガスバリア性、および光透過性の観点から、例えば、無機酸化膜、無機酸窒化膜、無機窒化膜、および無機フッ化膜等からなる群のうち少なくとも一つを使用できる。具体的には、例えば、シリコン酸窒化膜(SiO)、シリコン酸化膜(SiO)、シリコン窒化膜(SiN)、酸化アルミニウム(Al)、酸化チタン(TiO)、およびフッ化マグネシウム(MgF)等があげられる。前記保護層は、例えば、単層からなる層でもよく、複数の層からなる層でもよい。後者の場合、例えば、ガスバリア性を高めるために、複数の前記ガスバリア性の膜を積層できる。
フレキシブル性を有する有機EL素子1とする場合、前記保護層に可撓性をもたせるため、前記保護層には、さらに緩衝層を積層してもよい。前記緩衝層を形成する材料としては、透過性、可撓性、および熱安定性の観点から、例えば、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、イミド系樹脂、アミド系樹脂、ウレタン系、およびオレフィン系樹脂、前記樹脂材料に無機材料のシリカ等を添加した有機-無機ハイブリッド材料、ならびに、塗布型のシリコン酸化膜等の無機材料があげられる。前記保護層および前記緩衝層は、例えば、交互に積層してもよい。
前記充填層は、例えば、気体および樹脂等の充填材等を含む層である。前記気体は、例えば、窒素、アルゴン、およびネオン等の不活性ガス、ならびに希ガスである。前記樹脂は、例えば、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、イミド系樹脂、アミド系樹脂、ウレタン系およびオレフィン系樹脂である。
前記接着層は、例えば、基板間の貼り合せ材を含む層である。前記貼り合せ材としては、例えば、エポキシ系、アクリル系およびシリコーン系の接着剤、ならびに粘着剤を用いたものがあげられる。
中間層17は、例えば、前記保護層、前記充填層、および前記接着層のいずれか1種類からなる層でもよく、いずれか2種類以上を組み合わせた積層構造の層でもよい。中間層17が、例えば、前記保護層、前記充填層、および前記接着層の3層を含む前記積層構造である場合、各層の積層順は、特に制限されず、例えば、前記保護層、前記充填層、および前記接着層の順に積層できる。例えば、陽極11、有機EL層12、および陰極13の有機層等に接する領域には、前記保護層が配置されていることが好ましい。前記保護層が配置されている場合、前記充填層は、配置されていても、いなくてもよい。また、例えば、前記有機層等に接する領域に、前記保護層が配置されず、前記充填層が配置されてもよい。前記保護層が配置されず、前記充填層が配置される形態は、例えば、照明分野で使用される。前記接着層は、例えば、前記保護層または前記充填層の上(前記保護層または前記充填層に接する領域であって、前記有機層等に接する領域とは反対側)に配置されている。
封止基板14は、有機EL素子1を封止する。封止基板14を形成する材料としては、例えば、無アルカリガラス、ソーダガラス等の透明なガラス類、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PES(ポリエーテルサルフォン)、PI(ポリイミド)、COP(シクロオレフィンポリマー)等のフィルム、シート類、ならびに樹脂基板等があげられる。
本実施形態において、反射防止層15は、透明基板10の有機EL層12との対向面(図1における上面)に配置されている。反射防止層15は、透明基板10の有機EL層12との前記対向面に配置されており、その領域は、特に制限されず、例えば、前記対向面の全面に配置されていてもよく、前記対向面の一部に配置されていてもよい。
本実施形態によれば、陰極13が前記スリット状の間隙を有する場合でも、例えば、以下の(I)および(II)の少なくとも一方の光が、陰極13の前記間隙を通過することを抑制できる。
(I)発光層から出射し、有機EL素子における界面のうち発光層よりも陽極側の界面で反射した光
(II)発光層から出射し、陰極における有機EL層に面する側の界面で反射し、さらに、陽極側の界面で反射した光
前記(I)において、前記有機EL素子における界面のうち発光層よりも陽極側の界面とは、例えば、図1における陽極11と透明基板10との界面、および透明基板10と大気との界面である。前記(II)において、前記陰極における有機EL層に面する側の界面とは、例えば、図1における陰極13と有機EL層12との界面である。また、前記陽極側の界面とは、例えば、図1における陽極11と透明基板10との界面、および透明基板10と大気との界面である。
本実施形態の有機EL素子1は、反射防止層15を有するため、例えば、発光層123から出射した光が、陽極11と透明基板10との間で反射することを防止できる。具体的に、前記(I)および(II)の光の通過抑制について、図1を用いて説明する。
まず、前記(I)の光の場合について説明する。反射防止層15が存在しない場合、図1における左端の実線の矢印に示すような、発光層123から出射し、有機EL素子1における界面のうち発光層123よりも陽極11側の界面に到達した光は、図1における左端の破線の矢印に示すように、陽極11側の前記界面で反射する。前記反射した光は、陰極13の前記間隙を通過し、漏れ光として、有機EL素子の非発光方向に出射される。しかし、本実施形態の有機EL素子1は、反射防止層15を有するため、前記実線の矢印に示すような、発光層123から出射し、陽極11側の前記界面に到達した光は、反射防止層15により反射が防止される。これにより、本実施形態の有機EL素子1は、発光層123から出射した光が前記界面(陽極11と透明基板10との間)で反射し、陰極13の前記スリット状の間隙を通過することを抑制できる。したがって、本実施形態の有機EL素子1は、図1において左端の前記破線の矢印で示すような、光の漏れを抑制できる。
つぎに、前記(II)の光の場合について説明する。反射防止層15が存在しない場合、図1の左から2番目の実線の矢印に示すような、発光層123から出射し、陰極13における有機EL層12に面する側の界面で反射し、さらに、陽極11側の界面に到達した光は、図1の左から2番目の破線の矢印に示すように、陽極11側の前記界面で反射する。前記反射した光は、陰極13の前記間隙を通過し、漏れ光として、有機EL素子の非発光方向に出射される。しかし、本実施形態の有機EL素子1は、反射防止層15を有するため、前記実線の矢印で示すような、陽極11側の前記界面に到達した光は、反射防止層15により反射が防止される。これにより、本実施形態の有機EL素子1は、発光層123から出射した光が、陰極13における有機EL層12に面する側の界面で反射し、さらに、陽極11側の界面で反射し、陰極13の前記スリット状の間隙を通過することを抑制できる。したがって、本実施形態の有機EL素子1は、図1において左から2番目の前記破線の矢印で示すような、光の漏れを抑制できる。
本実施形態の有機EL素子1において、さらに、反射防止層15は、例えば、透明基板10の、有機EL層12との対向面とは反対側の面(図2における下面)にも、配置されていることが好ましい。反射防止層15は、例えば、透明基板10における前記反対側の面に配置されており、その領域は、特に制限されず、例えば、前記反対側の面の全面に配置されていてもよく、前記反対側の面の一部に配置されていてもよい。
本実施形態の有機EL素子1は、例えば、透明基板10の、前記対向面と、前記反対側の面との両面に、反射防止層15を有する。これにより、例えば、陽極11と透明基板10との界面だけでなく、透明基板10と大気との界面においても、発光層123から出射した光の反射を防止できる。そのため、非発光面から漏れる光を、さらに抑制できる。
本実施形態において、反射防止層15は、例えば、光散乱層である。
前記光散乱層は、例えば、散乱材をバインダーに分散した分散材を用いて作製できる。前記散乱材および前記バインダーは、特に制限されず、例えば、屈折率に差がある組合せであり、具体的に、例えば、一方が、他方に対して相対的に高い屈折率であり、前記他方が、前記一方に対して相対的に低い屈折率である。前記屈折率の差は、特に制限されず、例えば、0.2を超える。
前記散乱材が、例えば、前記バインダーよりも低屈折率である場合、前記散乱材は、例えば、樹脂製の微粒子(ビーズともいう)が使用できる。前記樹脂は、特に制限されず、例えば、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、エポキシ樹脂、オレフィン樹脂等があげられる。前記散乱材が、例えば、前記バインダーよりも高屈折率である場合、前記散乱材は、例えば、金属または金属酸化物製の微粒子が使用できる。前記金属または金属酸化物は、例えば、酸化チタン(TiO)等があげられる。前記微粒子の大きさは、特に制限されず、直径が、例えば、0.01~100μm、0.1~50μm、0.3~5μmである。また、前記バインダーは、特に制限されず、例えば、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメタクリルメタクリレート等のアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等があげられる。
前記光散乱層は、前記発光層123から出射した光を、前記第1の電極である陽極11を介して前記光散乱層に入射させる観点から、例えば、前記光散乱層の屈折率が、前記第1の電極と同じか、前記第1の電極よりも高いことが好ましい。前記光散乱層の屈折率を高く設定する場合、例えば、前記バインダーにナノ粒子を添加する。前記ナノ粒子の材料は、例えば、前記金属または金属酸化物等があげられ、具体例としては、例えば、ジルコニウム等があげられる。
前記光散乱層は、例えば、有機EL素子1の本来の発光方向への光の透過性、発光面側の外観等を考慮して、透明基板10の全面に配置されてもよいし、透明基板10に部分的に配置されてもよい。前記部分的に配置とは、例えば、透明基板10上にて、島状、パターニングされた形状の配置等があげられる。前記光散乱層は、例えば、干渉縞が生じにくいため、対称性を有した微細なパターン形状とすることができる。
前記光散乱層のヘイズ値は、特に制限されず、有機EL素子1の所望の光透過性、外観等に応じて適宜設定できる。前記ヘイズ値は、例えば、前記スリット間を通して有機EL素子1の反対側(裏面側)を見る際における視認性の観点から、例えば、1~70%、1~50%、1~30%が好ましい。
本実施形態において、反射防止層15は、例えば、光干渉層でもよい。
前記光干渉層は、例えば、低屈折層と高屈折層との積層体があげられる。前記積層体は、例えば、低屈折材料の単層と、高屈折材料の単層とを、交互に積層することで作製できる。前記低屈折材料と、前記高屈折材料とは、特に制限されず、両者を比較した際に、両者が異なる屈折率の関係である。前記両者の屈折率の差は、特に制限されず、例えば、0.2を超える。具体例として、前記低屈折材料は、例えば、SiO(屈折率=1.46)等があげられ、前記高屈折材料は、例えば、TiO(屈折率=2.4)等があげられる。前記光干渉層の光学的膜厚は、特に制限されず、例えば、1/4波長の奇数倍に設定できる。これにより、例えば、光干渉層の表面で反射した光と、透明基板10(第1の基板)の表面で反射した光との間に、1/2波長分の光路差が生じることとなり、光同士が干渉し、光をより弱めることができる。
前記光干渉層は、例えば、光の位相も考慮して、前記低屈折層の光学的膜厚と前記高屈折層の光学的膜厚との比を設定してもよい。具体例として、前記光干渉層が、例えば、低屈折層と、高屈折層と、低屈折層とからなる三層構造の場合、各層の光学的膜厚比は、それぞれ、0.5/4λ(低屈折層)、1.0/4λ(高屈折層)、0.5/4λ(低屈折層)としてもよい。前記三層構造の場合、それぞれの材料は、例えば、Al(屈折率=1.60)、ZrO(屈折率=2.0)、MgF(屈折率=1.38)の組み合わせ、SiO(屈折率=1.46)、TiO(屈折率=2.4)、SiO(屈折率=1.46)の組み合わせ等があげられる。なお、各屈折層の材料の組み合わせは、これらの組み合わせには限定されない。前記光干渉層は、例えば、単層でも複層でもよく、後者の場合、例えば、別の材料の組み合わせでもよい。
前記光干渉層は、例えば、有機EL素子の本来の発光方向への光の透過性、発光面側の外観等を考慮して、透明基板10の全面に配置されてもよいし、部分的に配置されてもよい。前記部分的に配置とは、例えば、透明基板10上にて、島状、パターニングされた形状の配置等があげられ、前記形状は、対称性を有しても有さなくてもよい。
本実施形態において、反射防止層15は、例えば、入射角調整層でもよい。前記入射角調整層は、前記有機EL層12から、透明基板10へ入射する光の入射角が、全反射の臨界角未満となる層である。前記入射角調整層は、例えば、透明基板10(第1の基板)における、前記第1の電極との対向面側の表面層であり、具体例として、前記表面層は、複数の凹凸部を有する。前記凹部または凸部の形状は、特に制限されず、例えば、円筒状、または半球状である。具体的には、前記形状は、基板平面に対して垂直な方向(上下方向)から見た場合に、縦および横の長さが等しい形状でもよいし、一方の長さが他方よりも長い形状でもよい。前記上下方向から見た場合に、例えば、前記形状が前記円筒状である場合、前記形状は、長方形であり、前記形状が前記半球状である場合、前記形状は、円である。また、前記形状は、前記上下方向における断面が、例えば、弧状であり、具体的には、例えば、半円、扇形等である。前記凹凸部は、前記表面層において、有機EL層12側に凸状でも、凹状(有機EL層12とは反対側に凸状)でもよい。前記入射角調整層の形成材料は、特に制限されず、例えば、透明基板10と同じでもよいし、異なってもよいが、好ましくは同じである。前記凹凸部は、光の干渉を低減するため、例えば、規則性を持たないように配置することが好ましい。
前記凹凸部の大きさ、前記凹凸部間のピッチ(間隔)は、特に制限されず、大きさが、例えば、5~100μm、5~50μm、10~20μm、ピッチが、例えば、0~100μm、0~50μm、5~20μmである。
前記入射角調整層の形成方法は、特に制限されず、例えば、フォトリソグラフィ法により感光性レジストの形状を制御する、フォトエッチング法により所望の形状にエッチングを行う、および、アディティブ法により形状を構築する等の方法により形成できる。
前記全反射の臨界角は、特に制限されず、例えば、38°~60°、43°~55°、48°~50°である。
前記入射角調整層は、例えば、有機EL素子の本来の発光方向への光の透過性、発光面側の外観等を考慮して、透明基板10の全面に配置されてもよいし、部分的に配置されてもよい。前記部分的に配置とは、例えば、透明基板10上にて、島状、パターニングされた形状等の配置があげられる。
有機EL素子1において、陰極13の前記スリット状の間隙の下部分(以下、間隙の下部分ともいう)には、例えば、図1に示すように、陽極11および有機EL層12等の層(以下、有機層等ともいう。)が配置されている。本実施形態の有機EL素子は、これには限定されない。その他の形態の一例を、図2に示す。図2は、陰極13の前記間隙の下部分に、前記有機層等が未配置の有機EL素子1を示す図である。図2に示すように、有機EL素子1において、陰極13の前記間隙の下部分には、前記有機層等が未配置でもよいし、部分的に配置されてもよいし、前記有機層等のうち一部の層が、全体または部分的に配置されてもよい。前記間隙の下部分に前記有機層等が配置されない場合、前記間隙の下部分は、例えば、前述の中間層17と同様の層が配置されていることが好ましい。前記間隙の下部分に前記有機層等を配置しない場合、例えば、非発光時に、前記有機層等において、光の吸収による着色が生じにくいため、前記間隙がより透明となる。このため、前記スリット(前記間隙)間を通して有機EL素子1の反対側(裏面側)を見る場合に、好ましい。
陰極13の前記間隙の下部分に、前記有機層等が配置されない場合、陽極11は、例えば、ベタ膜形成(一面形成)されていてもよいし、図2に示すように、パターン形成されていてもよい。前記パターン形成は、例えば、陰極13の前記間隙の形状に対応してもよいし、対応しなくてもよい。前記パターンは、例えば、前記スリット状および前記グリッド状である。陽極11が前記パターン形成されることにより、例えば、陽極11と、透明基板10との界面による光の反射を抑制できる。例えば、陽極11が未配置の部分において、中間層17と透明基板10との界面での光の反射は、陽極11と透明基板10との界面での光の反射と比較し、より小さくなるため、光を、より多く、本来の光の方向に出射できる。また、陽極11が前記一面形成されている場合、例えば、専用のエッチング工程が不要となり、プロセス負荷を軽減できる。この場合も、反射防止層15の配置場所は、透明基板10の有機EL層12との対向面(図2における上面)である。具体的には、反射防止層15は、例えば、透明基板10の有機EL層12との対向面(図2における上面)に配置されている。反射防止層15は、例えば、透明基板10の有機EL層12との前記対向面に配置されており、その領域は、特に制限されず、例えば、前記対向面の全面に配置されていてもよく、前記対向面の一部に配置されていてもよい。
陰極13の前記間隙の下部分に、前記有機層等のうち、一部の層が配置される場合、例えば、前記間隙の下部分に、陽極11が配置されず、有機EL層12のみが配置されてもよい。前記間隙の下部分に、有機EL層12が配置されることにより、例えば、有機EL層12が絶縁膜の役割を果たす。そのため、有機EL素子1について、例えば、さらに、短絡防止、およびダークスポットの抑制等が可能であり、これによって、有機EL素子1の信頼性がより向上する。また、この場合、有機EL層12は、例えば、ベタ膜形成(一面形成)できるため、有機EL層12を、パターニング形成する場合と比較し、例えば、プロセス負荷をより小さくできる。
図1において、有機EL素子1は、前記第1の基板である透明基板10側に、第1の電極である陽極11が配置され、前記第2の基板である封止基板14側に、第2の電極である陰極13が配置されている。本実施形態の有機EL素子1は、これには制限されず、例えば、陽極11と陰極13とが、前記順序とは逆に積層されている形態であってもよい。この形態において、有機EL素子1は、例えば、前記第1の基板である透明基板10と、反射防止層15と、前記第1の電極である陰極13と、有機EL層12と、前記第2の電極である陽極11と、前記第2の基板である封止基板14とを含む。この場合、有機EL素子1は、透明基板10上に、反射防止層15と、陰極13と、有機EL層12と、陽極11と、中間層17と、封止基板14とが、前記順序で積層されている。有機EL層12は、例えば、電子注入層125と、電子輸送層124と、発光層123と、正孔輸送層122と、正孔注入層121とを含み、これらが前記順序で積層されている。陰極13は、例えば、MgAg合金等の透明性を有する電極を用いることができる。また、陽極11が、例えば、スリット状に間隔をあけて配置されている。
(実施形態2)
本実施形態の有機EL素子は、例えば、前記発光層が2層以上の積層構造であり(図示せず)、さらに、例えば、入射する光の一部を透過し、一部を反射する、反射半透過層を有する。図3は、本実施形態における有機EL素子2を横から見た模式図(断面図)である。図3において、下方向が、有機EL素子2の本来の発光方向(発光面側)であり、上方向が、本来の非発光方向(非発光面側)である。本実施形態の有機EL素子2は、前記発光層が2層以上の積層構造であり、且つ、反射半透過層16を有する以外は、前記実施形態1の有機EL素子1と同様である。
有機EL素子2において、反射半透過層16は、例えば、図3に示すように、封止基板14の有機EL層12との対向面(図3における下面)に配置されている。反射半透過層16の形成材料は、特に制限されず、公知のものが使用でき、例えば、金属、SiO、Al、SiON等の誘電体膜が使用できる。
本実施形態によれば、陰極13が前記スリット状の間隙を有する場合でも、例えば、さらに、以下の(III)の光が、陰極13の前記間隙を通過することを抑制できる。
(III)発光層から陰極方向に出射した光
有機EL素子において、例えば、発光層が単層構造の場合、前記発光層と陰極との間隔が、数十nm程度であると、前記(III)の光は、問題になりにくい。他方、例えば、マルチユニット素子、タンデム素子等と称される、前記発光層が厚み方向に複数積層された構造の有機EL素子においては、前記(III)の光の影響が考えられ、漏れ光として、有機EL素子の本来の非発光方向に出射される場合がある。
本実施形態の有機EL素子2は、例えば、封止基板14の有機EL層12との前記対向面に、入射する光の一部を透過し、一部を反射する、反射半透過層16を有するため、例えば、発光層123から陰極13方向に出射した光が、陰極13の前記スリット状の間隙を通過することを抑制できる。具体的に、前記(III)の光の通過抑制について、図3を用いて説明する。
反射半透過層16が存在しない場合、図3における右端の上向き実線の矢印に示すような、発光層123から陰極13方向に出射した光は、図3における右端の上向き破線の矢印に示すように、陰極13の前記スリット状の間隙を通過する。前記通過した光は、漏れ光として、有機EL素子の非発光方向に出射される。しかし、本実施形態の有機EL素子2は、反射半透過層16を有するため、前記右端の上向き実線の矢印に示すような、発光層123から陰極13方向に出射した光は、図3における右端の下向き実線の矢印に示すように、反射半透過層16により反射される。これにより、本実施形態の有機EL素子2は、発光層123から陰極13方向に出射した光が、陰極13の前記スリット状の間隙を通過することを抑制できる。したがって、本実施形態の有機EL素子2は、さらに、図3において前記破線の矢印で示すような、光の漏れを抑制できる。
本実施形態の有機EL素子2は、例えば、マルチユニット素子、タンデム素子等の、発光層が複数積層された構造に適している。
(実施形態3)
図4は、本実施形態における有機EL素子を横から見た模式図(断面図)である。本実施形態の有機EL素子3は、トップエミッションタイプの有機EL素子であり、図4において、上方向が、有機EL素子3の本来の発光方向(発光面側)であり、下方向が、本来の非発光方向(非発光面側)である。本実施形態の有機EL素子3は、ボトムエミッションタイプであることに代えて、トップエミッションタイプである以外は、前記実施形態1の有機EL素子1と同様である。
図4(A)に示すように、本実施形態の有機EL素子3Aは、前記第1の基板である封止基板34と、反射防止層35と、前記第1の電極である陰極33と、有機EL層32と、前記第2の電極である陽極31と、中間層37と、前記第2の基板である透明基板30とを含む。有機EL素子3Aは、例えば、透明基板30上に、中間層37と、陽極31と、有機EL層32と、陰極33と、反射防止層35と、封止基板34とが、前記順序で積層されている。有機EL層32は、例えば、正孔注入層321と、正孔輸送層322と、発光層323と、電子輸送層324と、電子注入層325とを含み、これらが前記順序で積層されている。そして、本実施形態において、反射防止層35は、封止基板34の有機EL層32との対向面(図4における下面)に配置されている。陽極31は、スリット状に間隔をあけて配置されている。なお、正孔注入層321と、正孔輸送層322と、電子輸送層324と、電子注入層325と、中間層37とは、必須の構成要件ではなく、有機EL素子3に含まれてもよいし、含まれなくてもよい。
本実施形態において、陽極31は、スリット状に間隔をあけて配置されている。陽極31の形状は、前記スリット状には限定されず、例えば、グリッド状に配置されていてもよい。この場合、前記グリッドの幅は、例えば、前述の、前記スリット状の間隙の幅の条件を満たすことが好ましい。陽極31は、例えば、間隔をあけて配置されている陽極31が、互いに部分的に接続していてもよいし、未接続でもよい。
本実施形態において、陰極33は、例えば、MgAg合金等の透明性を有する電極を用いることができる。
有機EL素子3Aは、例えば、駆動電圧が低く、発光効率も高いため、有機ELディスプレイ等に適している。
図4(A)において、有機EL素子3Aは、前記第1の基板である透明基板30側に、第2の電極である陽極31が配置され、前記第2の基板である封止基板34側に、第1の電極である陰極33が配置されている。本実施形態の有機EL素子3は、これには制限されず、例えば、図4(B)に示すように、成膜の順番を逆積みとした形態であってもよい。図4(B)に示す有機EL素子3Bは、前記第2の基板である透明基板30と、中間層37と、前記第2の電極である陰極33と、有機EL層32と、前記第1の電極である陽極31と、反射防止層35と、前記第1の基板である封止基板34とを含む。この場合、例えば、透明基板30上に、中間層37と、陰極33と、有機EL層32と、陽極31と、反射防止層35と、封止基板34とが、前記順序で積層されている。有機EL層32は、例えば、電子注入層325と、電子輸送層324と、発光層323と、正孔輸送層322と、正孔注入層321とを含み、これらが前記順序で積層されている。有機EL素子3Bは、例えば、照明分野等において使用される。
有機EL素子3Bにおいて、陰極33は、間隔をあけて配置されている。陰極33の形状は、例えば、スリット状であり、間隔をあけて配置されている。陰極33の形状は、前記スリット状には限定されず、例えば、グリッド状でもよい。この場合、前記グリッドの幅は、例えば、前述の、前記スリットの幅の条件を満たすことが好ましい。陰極33は、例えば、間隔をあけて配置されている陰極33が、互いに部分的に接続していてもよいし、未接続でもよい。陽極31および陰極33の形成材料は、前記実施形態1の説明を援用できる。また、反射防止層35は、有機EL素子3Aと同様に、封止基板34の有機EL層32との対向面(図4における下面)に配置されている。
本実施形態の有機EL素子3は、さらに、例えば、反射半透過層36を有してもよい。この場合、反射半透過層36は、透明基板30の有機EL層32との対向面(図4における上面)に配置されている。
(実施形態4)
本発明の有機EL照明装置は、前記本発明の有機EL素子を含むことを特徴とし、その他の構成は、なんら制限されない。本発明の有機EL照明装置によれば、非発光面側からの発光を抑制できる。
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をできる。
本発明によれば、有機EL素子における非発光面側からの発光を抑制できる。このため、本発明によれば、例えば、デザイン性の高い有機EL素子を提供できる。
1、2、3 有機EL素子
10、30 透明基板
11、31 陽極
12、32 有機EL層
121、321 正孔注入層
122、322 正孔輸送層
123、323 発光層
124、324 電子輸送層
125、325 電子注入層
13、33 陰極
14、34 封止基板
15、35 反射防止層
16、36 反射半透過層
17、37 中間層

Claims (10)

  1. 第1の基板と、第1の電極と、有機EL層と、第2の電極と、反射防止層とを含み、
    前記有機EL層は、発光層を含み、
    前記第1の基板と、前記第1の電極と、前記有機EL層と、前記第2の電極とが、この順序で積層されており、
    前記第1の基板は、発光面側の基板であり、
    前記第1の電極および前記第2の電極は、一方が陽極であり、他方が陰極であり、
    前記第1の電極は、透明電極であり、
    前記第2の電極は、前記有機EL層の面方向において間隔をあけて配置されており、
    前記第1の基板において、前記第1の電極との対向面の全面に、前記反射防止層が配置されており、
    さらに、第2の基板を含み、
    前記第1の基板と、前記反射防止層と、前記第1の電極と、前記有機EL層と、前記第2の電極と、前記第2の基板とが、この順で積層されており、
    前記第1の基板は透明基板であり、
    前記第2の基板は封止基板であり、
    前記反射防止層が、光散乱層または光干渉層である、有機EL素子。
  2. 第1の基板と、第1の電極と、有機EL層と、第2の電極と、反射防止層とを含み、
    前記有機EL層は、発光層を含み、
    前記第1の基板と、前記第1の電極と、前記有機EL層と、前記第2の電極とが、この順序で積層されており、
    前記第1の基板は、発光面側の基板であり、
    前記第1の電極および前記第2の電極は、一方が陽極であり、他方が陰極であり、
    前記第1の電極は、透明電極であり、
    前記第2の電極は、前記有機EL層の面方向において間隔をあけて配置されており、
    前記第1の基板において、前記第1の電極との対向面の全面に、前記反射防止層が配置されており、
    さらに、第2の基板を含み、
    前記第1の基板と、前記反射防止層と、前記第1の電極と、前記有機EL層と、前記第2の電極と、前記第2の基板とが、この順で積層されており、
    前記第1の基板は透明基板であり、
    前記第2の基板は封止基板であり、
    前記反射防止層が、入射角調整層であり、
    前記入射角調整層は、
    前記第1の基板における、前記第1の電極との対向面側の表面層であり、
    前記有機EL層からの光の入射角が、全反射の臨界角未満となる層である、有機EL素子。
  3. 第1の基板と、第1の電極と、有機EL層と、第2の電極と、反射防止層とを含み、
    前記有機EL層は、発光層を含み、
    前記第1の基板と、前記第1の電極と、前記有機EL層と、前記第2の電極とが、この順序で積層されており、
    前記第1の基板は、発光面側の基板であり、
    前記第1の電極および前記第2の電極は、一方が陽極であり、他方が陰極であり、
    前記第1の電極は、透明電極であり、
    前記第2の電極は、前記有機EL層の面方向において間隔をあけて配置されており、
    前記第1の基板において、前記第1の電極との対向面の全面に、前記反射防止層が配置されており、
    さらに、第2の基板を含み、
    前記第1の基板と、前記反射防止層と、前記第1の電極と、前記有機EL層と、前記第2の電極と、前記第2の基板とが、この順で積層されており、
    前記第1の基板は、封止基板であり、
    前記第2の基板は、透明基板であり、
    前記反射防止層が、光散乱層または光干渉層である、有機EL素子。
  4. 第1の基板と、第1の電極と、有機EL層と、第2の電極と、反射防止層とを含み、
    前記有機EL層は、発光層を含み、
    前記第1の基板と、前記第1の電極と、前記有機EL層と、前記第2の電極とが、この順序で積層されており、
    前記第1の基板は、発光面側の基板であり、
    前記第1の電極および前記第2の電極は、一方が陽極であり、他方が陰極であり、
    前記第1の電極は、透明電極であり、
    前記第2の電極は、前記有機EL層の面方向において間隔をあけて配置されており、
    前記第1の基板において、前記第1の電極との対向面の全面に、前記反射防止層が配置されており、
    さらに、第2の基板を含み、
    前記第1の基板と、前記反射防止層と、前記第1の電極と、前記有機EL層と、前記第2の電極と、前記第2の基板とが、この順で積層されており、
    前記第1の基板は、封止基板であり、
    前記第2の基板は、透明基板であり、
    前記反射防止層が、入射角調整層であり、
    前記入射角調整層は、
    前記第1の基板における、前記第1の電極との対向面側の表面層であり、
    前記有機EL層からの光の入射角が、全反射の臨界角未満となる層である、有機EL素子。
  5. 前記第1の基板の前記表面層は、複数の凹凸部を有し、前記凹凸部における凹部または凸部の形状が、円筒状または半球状である、請求項2または4記載の有機EL素子。
  6. 第1の基板と、第1の電極と、有機EL層と、第2の電極と、反射防止層とを含み、
    前記有機EL層は、発光層を含み、
    前記第1の基板と、前記第1の電極と、前記有機EL層と、前記第2の電極とが、この順序で積層されており、
    前記第1の基板は、発光面側の基板であり、
    前記第1の電極および前記第2の電極は、一方が陽極であり、他方が陰極であり、
    前記第1の電極は、透明電極であり、
    前記第2の電極は、前記有機EL層の面方向において間隔をあけて配置されており、
    前記第1の基板において、前記第1の電極との対向面の全面に、前記反射防止層が配置されており、
    さらに、第2の基板と反射半透過層とを含み、
    前記第1の基板と、前記反射防止層と、前記第1の電極と、前記有機EL層と、前記第2の電極と、前記反射半透過層と、前記第2の基板とが、この順で積層されており、
    前記第2の基板における、前記第2の電極との対向面の全面に、前記反射半透過層が配置されている、有機EL素子。
  7. 前記第2の電極が、スリット状またはグリッド状に配置されている、請求項1から6のいずれか一項に記載の有機EL素子。
  8. 前記第1の電極が、スリット状またはグリッド状に配置されている、請求項1から7のいずれか一項に記載の有機EL素子。
  9. さらに、第2の反射防止層を含み、
    前記第1の基板において、前記第1の電極との対向面とは反対面側に、前記第2の反射防止層が配置されている、請求項1から8のいずれか一項に記載の有機EL素子。
  10. 前記有機EL層において、前記発光層は、単層構造、または2層以上の積層構造である、請求項1から9のいずれか一項に記載の有機EL素子。
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