JP4726411B2 - 発光素子基板およびそれを用いた発光素子 - Google Patents

発光素子基板およびそれを用いた発光素子 Download PDF

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Description

本発明は、発光素子基板およびそれを用いた発光素子に関する。
有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子は、電界を印加することにより、陽極より注入された正孔と陰極より注入された電子の再結合エネルギーにより蛍光性物質が発光する原理を利用した自発光素子である。
積層型の低電圧駆動有機エレクトロルミネッセンス素子の報告がなされて以来、有機材料を構成材料とする有機エレクトロルミネッセンス素子に関する研究が盛んに行われている。Tangらは、トリス(8−キノリノール)アルミニウムを発光層に、トリフェニルジアミン誘導体を正孔輸送層に用いている。
積層構造の利点としては、発光層への正孔の注入効率を高めること、陰極より注入された電子をブロックして再結合により生成する励起子の生成効率を高めること、発光層内で生成した励起子を閉じこめることなどが挙げられる。
この例のように有機エレクトロルミネッセンス素子の素子構造としては、正孔輸送(注入)層、電子輸送性発光層の2層型、または正孔輸送(注入)層、発光層、電子輸送(注入)層の3層型等がよく知られている。こうした積層型構造素子では注入された正孔と電子の再結合効率を高めるため、素子構造や形成方法の工夫がなされている。
しかし、有機エレクトロルミネッセンス素子においては、キャリア再結合の際にスピン統計の依存性より一重項生成の確率に制限があり、発光確率に上限が生じる。この上限の値はおよそ25%と知られている。
さらに、少なくとも発光層を陰極と陽極で挟持した有機エレクトロルミネッセンス素子のような球面波状の波面を有する面発光素子では、発光体の屈折率が、基板や空気よりも高いため、臨界角以上の出射角の光は基板/空気界面等で全反射を起こし、基板から外部に取り出すことができない。発光体の屈折率が1.6とすると、発光量全体の20%程度しか有効に利用できないものと見積もられている。
このため、エネルギーの変換効率の限界としては一重項生成確率を併せ全体で5%程度と低効率とならざるをえない。発光確率に強い制限の生じる有機エレクトロルミネッセンス素子においては、低い光取り出し効率は致命的ともいえるエネルギー変換効率の低下を招くことになる。
この光の取り出し効率を向上させる手法として、従来、いくつかの提案がなされている。
例えば、基板にレンズを形成する方法が開示されている。同文献では、基板がセルフォックや凸レンズ等の集光性のある基板が利用されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、光の取り出し効率を向上させる手法として、反射面を形成する方法が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。同文献記載の技術は、発光層の片面に光を反射するミラーを設けたことを特徴とし、ミラーの形状をすり鉢状に形成することにより発光層の周囲への光のロスを改善している。
また、低屈折率層を基板と電極層との間に配置する方法が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。当該開示技術では、低屈折率層の少なくとも一方の表面に接して透明導電性膜(電極層)を有することで、低屈折率層を通過する光は大気への取り出し率が高くなり、光を外部に取り出す取り出し率が高くなること、低屈折率層の屈折率が1.003〜1.300であるので、低屈折率層を通過する光は大気への取り出し率が高くなり、光を外部に取り出す取り出し率が高くなること、さらに、低屈折率層としてシリカエアロゲルを使用することにより、1に近い超低屈折率を実現している。
また、発光層と基板との間に、高屈折率層、低屈折率層および高屈折率層がこの順で積層した反射防止膜を備える発光素子が開示されている(例えば、特許文献4参照。)。同文献の図1には、ガラスからなる基板1と有機EL層3との間に、高屈折率層H1、低屈折率層L1および高屈折率層である陽極80層2Aがこの順で積層してなる光学多層体2を設けた構造が記載されている。そして、段落0025には、この光学多層体2は反射防止機能を有しており、基板1からの光の取り出し効率が向上することが記載されている。
いわゆる反射防止膜は、単一膜で構成する場合、nd=λ/4(物理膜厚をd、使用波長をλとする)を満たすとき、光の干渉作用により反射光が打ち消される。上記文献記載の技術は、このような反射防止膜の一種であり、多層構造を有している。実施例で記載されている構造では、高屈折率層H1、低屈折率層L1および陽極層2Aの厚みは、それぞれ、14.2nm、41.5nmおよび139.8nmであり(段落0015)、各層の厚みは、発光波長400〜700nmに対し半波長以下の厚みとなっている。この文献に記載されている多層膜は、いわゆる反射防止膜の一種である。
特開昭63−314795号公報 特開平1−200394号公報 特開2001−202827号公報 特開2003−31374号公報
しかし、上記従来技術は、以下の点でなお改善の余地を有していた。
特許文献1、2に記載されている、基板にレンズを形成する方法や、反射面を形成する方法は、発光面積の大きな素子に対しては有効であるが、ドットマトリクスディスプレイ等の画素面積の微小な素子においては、集光性を持たせるレンズや側面の反射面等の形成加工が困難である。特に、有機エレクトロルミネッセンス素子においては発光層の膜厚が数μm以下となるためテーパー状の加工を施し素子側面に反射鏡を形成することは、現在の微細加工の技術では困難であり、大幅なコストアップをもたらすことは明白である。
特許文献3に記載されている、低屈折率層を基板と電極層との間に配置する方法では、臨界角内に光を集めて光取り出し効率を向上させるという点では有効であるが、陽極と低屈折率層の界面で光の反射が発生するために、光取り出し効率の改善は、未だ不十分であるといえる。また、超低屈折率層を得るためにポーラスなシリカエアロゲル膜を使用した場合、膜の機械強度が非常に弱い。また、ポーラスな膜の表面凹凸に起因した電極のショートが発生し、非発光部(ダークスポット)が発生する。このように、有機エレクトロルミネッセンス素子に有効な光取り出し技術は未だ不十分である。
特許文献4に記載されている反射防止膜を設ける方法では、その機能上、光の取り出し効率の向上に限界があった(実施例の項にて後述)。
また、よく知られているように、反射防止膜は、波長依存性が大きいため、上記構造では発光波長によって光の取り出し効率が大きく変動する。このため、同文献記載の技術を白色発光の素子に適用した場合、基板外部へ放出される光量が波長によって大きく相違することとなりホワイトバランスの劣化が問題となる。
さらに、反射防止膜は光の干渉を利用して光の反射を打ち消すものであるため、膜厚や屈折率が所定の条件を満たすように形成される必要がある。したがって、製造要因により膜厚が微妙に変動すると反射防止膜の反射率が変動することとなるため、素子性能のばらつきが生じやすい。
一方、光取り出し技術の開発は、有機エレクトロルミネッセンス素子等の発光素子の低電圧駆動化に繋がる重要な技術であり、素子の低消費電力化の実現に不可欠である。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、光取り出し効率に優れる発光素子基板またはそれを用いた発光素子を提供することを目的とする。
本発明によれば、光制御部を備える発光素子基板であって、この光制御部は、第一光透過性薄膜層と、この第一光透過性薄膜層の上部に設けられ、この第一光透過性薄膜層の屈折率よりも低い屈折率の実部を有する光透過性金属層とを備え、球面波の入射光を平面波状の光に変換してこの第一光透過性薄膜層に導くことを特徴とする発光素子基板が提供される。
この光制御部は、その上部に配置される発光層が発した球面波状の発光を平面波状の光に波面変換し、透明基板に導くように構成されているため、平面波状の光が第一光透過性薄膜層に導かれ、第一光透過性薄膜層とこれに隣接する層との間での反射や損失を効果的に低減でき、その結果、発光素子の光取り出し効率を顕著に向上することができる。
また、低屈折率層として、膜の機械強度が弱く表面に凹凸を有するポーラスなシリカエアロゲル膜などの代わりに、機械強度が強く表面も平坦な透明性金属薄膜層を備えるため、発光素子の機械特性または電気特性を向上させることができる。
以上、本発明の構成について説明したが、これらの構成を任意に組み合わせたものも本発明の態様として有効である。また、本発明の表現を他のカテゴリーに変換したものもまた本発明の態様として有効である。
本発明により提供される発光素子基板は、電圧等の外部刺激に対して発光する発光素子に利用でき、例えば、有機エレクトロルミネッセンス素子、無機エレクトロルミネッセンス素子、プラズマディスプレイ、LED等の発光素子に利用できる。特に、発光領域における発光が点発光となる素子に対して顕著な効果を発揮する。たとえばEL素子の発光は、発光層における発光中心からの点発光の集合であり、本発明の効果が顕著となる。
また、本発明の発光素子基板は、ディスプレイ等の表示デバイスに利用できるばかりでなく、有機EL素子用の封止材にも利用できる。
以上説明したように、本発明により提供される発光素子基板またはそれを用いた発光素子は、球面波の入射光を平面波状の光に変換して第一光透過性薄膜層に導く光制御部を備えるので、出射光を基板外に効率良く取り出すことができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
本明細書において、「平面波状の光」とは、光のポイニングベクトルが略平行であることをいう。光進行方向に対して垂直な面における光の位相は、必ずしも揃っていなくてもよい。「波面変換」とは、光の指向性を高めるように波面を変換することをいい、ポイニングベクトルが拡散する形態の球面波を、上記のような平面波状の光に変換することをいう。平面波状の光へ波面変換する具体的構成としては種々の形態を採用することができる。たとえば、光制御部中に屈折率変調領域を導入し、光の進行を適宜調整することにより波面変換することができる。
また、「発光素子基板」とは、光制御部の上部に発光領域を搭載して用いられる基板をいう。発光領域は種々の形態を採用することができる。たとえば、有機または無機のエレクトロルミネッセンス素子の発光層等とすることができる。
そして、本明細書において、「屈折率」とは、特にことわりがないかぎり、発光層からの出射光のピーク波長における屈折率を示すものとする。
なお、本明細書において、透明基板側から光制御部に向かう方向を「上」方向と規定している。
本実施形態によれば、光制御部を備える発光素子基板であって、この光制御部は、第一光透過性薄膜層と、この第一光透過性薄膜層の上部に設けられ、この第一光透過性薄膜層の屈折率よりも低い屈折率の実部を有する光透過性金属層とを備え、球面波の入射光を平面波状の光に変換してこの第一光透過性薄膜層に導く発光素子基板が提供される。
かかる構成によれば、低屈折率領域および高屈折率領域が隣接する箇所が波面変換領域となり得る。すなわち、低屈折率領域から高屈折率領域に光が導入される際、これらの領域の界面において光の波面が変換され、球面波状の発光が平面波状の光となる。
また、光制御部が、ミラー状またはレンズ状などの製造困難な形態の代わりに、複数の層を備える形態を有しているため、製造安定性に優れるという利点も得られる。
一方、低屈折率層としてポーラスなシリカエアロゲル膜などを使用した場合、膜の機械強度が非常に弱いため、ポーラスな膜の表面凹凸に起因した電極のショートが発生したり、非発光部(ダークスポット)が発生したりするので、発光素子の機械特性または電気特性が低下する傾向があった。そのため、このような発光素子の機械特性または電気特性の低下を伴わない低屈折率層の優れた材料を見出すという課題も新たに浮上している。
ここで、本実施形態によれば、低屈折率層として、膜の機械強度が弱く表面に凹凸を有するポーラスなシリカエアロゲル膜などの代わりに、機械強度が強く表面も平坦な透明性金属薄膜層を備えるため、発光素子基板の機械強度が非常に強くなり、あるいは電極のショートなどが発生しにくく、その結果、発光素子の機械特性または電気特性を向上させることができる。
ここで、上記の光透過性金属層の膜厚は、好ましくは10nm以下、より好ましくは5nm以下とするとよい。こうすることにより、良好な光透過性が得られるため、波面変換機能を安定的に得ることができる。こうした膜厚範囲の光透過性金属層は、蒸着法をはじめとする通常の製膜法により製造可能である。特に0.5nm以上であれば製造が容易である。
また、上記の光透過性金属層は、Ag、AuおよびAlからなる群より選ばれる1種以上の金属を含有してもよい。また、この光透過性金属層は、上記の第一光透過性薄膜層に接する構成であってもよい。そして、この第一光透過性薄膜層は、ガラスやプラスチックなどからなる透明基板であってもよい。
これらの金属を含む薄膜の屈折率は、非常に低いため、ガラスやプラスチックなどからなる第一光透過性薄膜と接する場合には、光透過性金属層と第一光透過性薄膜との界面において、球面波状の発光が平面波状の光に波面変換されるからである。
すなわち、かかる構成では、光透過性金属層および透明基板との界面が波面変換領域となる。この界面において光の波面が変換され、球面波状の発光が平面波状の光となる。このように層の界面において波面変換がなされるため、透明基板へ平面波状の光が効率よく安定的に導かれ、光取り出し効率が安定的に改善される。
また、上記の光制御部は、上記の透明基板の側から上部に向かって、上記の光透過性金属層とこの光透過性金属層の屈折率の実部よりも屈折率の高い第二光透過性薄膜層とを順に有する構成であってもよい。さらに、光制御部上に電極層をさらに備え、この光制御部の上面近傍の屈折率は、この電極層の屈折率以上となる構成とすることができる。このような構成によれば、光制御部とその上の界面における光の反射や損失の発生が抑制される。
ここで、上記の光透過性金属層は、上記の透明基板に接して設けられてもよい。こうすることにより、平面波状に変換された光がそのまま透明基板に導かれるため、従来問題となっていた透明基板と上部層との界面における反射や損失を効果的に抑制することができる。
また、上記の発光素子基板が備えられる発光素子の発光ピーク波長をλ、第二光透過性薄膜層の屈折率をn1、その層厚をd1とし、電極層の屈折率をn2、その層厚をd2とするとき、この発光素子基板は、n11+n22≧λ/2となるような構成を備えていてもよい。
こうすることにより、透明基板および光透過性金属層の界面において、発光が好適に波面変換されて平面波状の光となり、光取り出し効率の向上効果が安定的に得られるからである。
そして、上記の透明基板には、発光素子駆動回路が設けられていてもよい。たとえばTFT等の素子が形成されていてもよい。薄膜トランジスタ(TFT)等を付加すれば、アクティブ駆動で利用することもできるからである。
また、本実施形態によれば、透明基板と電極層とを備える発光素子基板と、この電極層上に設けられた発光層とを備える発光素子であって、この発光素子基板は、上記の発光素子基板である発光素子が提供される。
なぜなら、本実施形態の発光素子基板は、光制御部の作用により光取り出し効率が向上する。この光取り出し効率の作用は、反射防止膜に比べ、波長依存性が小さい。したがって、たとえば白色発光の素子に適用した場合、基板外部へ放出される光量が波長によって大きく相違することなく、ホワイトバランスが比較的良好に維持される。また、製造要因等による素子性能のばらつきが生じにくく、この点でも利点がある。よって、上記の構成を備える発光素子基板を用いることにより、輝度が高く、あるいは視認性の優れた発光素子を実現できるからである。
このとき、上記の透明基板に色変換フィルタまたはカラーフィルタを設けることができるからである。なぜなら、本実施形態の発光素子は、ホワイトバランスが優れているため、色変換フィルタまたはカラーフィルタを設けても、色にじみなどが発生し難いからである。
(第一の実施の形態)
図1は、本実施形態に係る発光素子基板の一例の模式的断面図である。
本実施形態の発光素子基板50は透明基板10を含む光制御部20を具備する。光制御部20は、第一光透過性薄膜層である透明基板10と、光透過性金属層30と、第二光透過性薄膜層40とからなっており、これらが透明基板10側からこの順で積層した構造を有している。
この発光素子基板は、光制御部20の上部に発光領域を搭載し、発光素子の基板として使用される。光制御部20は、その上部から導入された発光の球面波状の波面を平面波状の波面に変換する。
有機EL素子等の発光層における発光中心は点光源として取り扱われ、点光源からの出射光は360度全方向に進行する。通常の透明基板だけでは、この球面波状の波面は、発光中心から基板外へと出射していき、臨界角以上の出射角度は全反射により、基板内を反射し、基板外に出射することはできない。
一方、本実施形態では、光透過性金属層30と透明基板10との界面において、球面波状の波面が平面波状の波面へ変換され、高指向性の光となる。これにより、点光源から出射された球面波状の波面は、光透過性金属層30と透明基板10との界面を通過後、平面波状の波面へと変換され、指向性を有した状態で透明基板10を伝搬する。
このため、全反射する光の量が少なく、透明基板10の外側により多くの光が出射され、結果として光の取り出し効率が向上する。基板外への出射光は平面波状の波面であり、球面波状の波面や円筒波状の波面ではない。
ここで、本実施形態では、低屈折率層として光透過性金属層30を用いるため、発光素子基板を構成する各層は光学的に平滑であり、さらに、機械的強度の高い薄膜材料を選択できるため、信頼性の高い発光素子を提供することができる。すなわち、基板表面の凹凸に起因するショートを抑制でき、さらに、基板の変形に伴う薄膜のクラックを抑制できる。
また、光透過性金属層30が透明基板10に接して設けられることにより、平面波状に変換された光がそのまま透明基板10に導かれるため、従来問題となっていた透明基板10と上部層との界面における反射や損失を効果的に抑制できる。
図2は、図1の発光素子基板の上面に接して電極層60を設けた基板の断面図である。この電極層60は、第二光透過性薄膜層40よりも低い屈折率を有する。
電極層60と接し、この電極層よりも屈折率が高い第二光透過性薄膜層40は、電極層60よりも屈折率が高いため発光層からの出射光を少ない損失で、光透過性金属層30に導入する機能を有する。また、光透過性金属層30は、透明基板10との界面で、発光層から球面波状の波面として広がる光を平面波状の波面に変換する。
第二光透過性薄膜層40の膜厚を調整することにより、光透過性金属層30が効率良く発光層から球面波状の波面として広がる光を平面波状の波面に変換することが可能となる。
本実施形態では透明基板10と光透過性金属層30との界面に光を導入するまでの構成も本実施形態に係る重要な要素となっている。本実施形態に係る構成では発光層からの出射光は、電極層60を通り、次に第二光透過性薄膜層40、その次に光透過性金属層30、最後に透明基板10を通り、透明基板10の外へと出射される。
前述したように、高屈折率の層から低屈折率の層へ光が進行する界面が存在すると、その界面で光の反射や損失が起こる。図2の構成では、電極層60から光制御部20に至る領域において、第二光透過性薄膜層40と光透過性金属層30との界面において多少の反射や損失が起こりうるが、光透過性金属層30と透明基板10との界面において、球面波状の波面が平面波状の波面へ変換される効果の方が総合的に判断すると大きいため、優れた光取り出し効率を示す。
以下、本実施形態に係る発光素子基板を構成する各部を詳細に説明する。
透明基板10は、発光素子の光取り出し基板として使用される。少なくとも可視光領域の一部の波長を透過するものである。本実施形態における透明基板10とは、波長が400〜800nmの少なくとも一部の光を通すものであれば良く、材質は無機物でも有機物でも構わない。
無機物としては、例えばガラスがあり、有機物としてはプラスチック等が使用できる。ガラスとしては、溶融石英、無アルカリガラス、ソーダガラス、重フリントガラスの光学ガラスが利用できる。プラスチックとしては、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のエンジニアリングプラスチックが利用できる。
透明基板10の屈折率としては1.4〜2.1程度のものを用いることができる。透明基板10には、水分や酸素の透過を抑制するバリア層をコートしてあっても構わない。また、色変換フィルタやカラーフィルタを具備していても構わない。透明基板10の厚さは特に限定はないが、実用上の観点から0.1mmから2mm程度とすることができる。
図1および図2に示す基板は発光素子基板であり、透明基板10には発光素子の駆動回路が形成される。図9は、TFTを備えた有機エレクトロルミネッセンス素子の概略構造を模式的に示したものである。透明基板10には、TFT素子部530が形成されている。本実施形態に係る基板は、こうした素子に利用され得る。
なお、本実施形態に係る発光素子基板は、透明基板10上に光透過性金属層30、第二光透過性薄膜層40を順次積層して製造される。本実施形態に係る発光素子はその発光素子基板上に少なくとも電極層60および発光層を積層して製造される。このため、透明基板10の表面に凹凸があると電極層60や発光層にもその凹凸が影響を及ぼし、電極のショートの原因になる可能性がある。したがって透明基板10は、平滑なものを利用することが好ましい。なお、アクティブマトリックス駆動用の基板では、少なくとも発光素子を動作させる画素部で平滑とすることができる。
光透過性金属層30は、透明基板10上に固体の薄膜を形成できる金属材料でいずれの材料も使用することができる。例えば、アルミニウム、金、銀等があるが、これに限定されるものではない。この光透過性金属層30は、少なくとも可視光の一部の光を透過すれば良いが、その膜厚としては0.5nm〜10nmとすることができる。膜厚がこの範囲内であれば、一般的に、従来公知の技術により容易に製造可能であり、光透過性も有するからである。なお、発光素子内でスペクトルの異なる表示画素部を形成する場合、光透過性金属層の材質や膜厚を表示部ごとに適時変更しても構わない。
光透過性金属層30の屈折率は複素屈折率n-ikで表すことができる(kは消衰係数)。本発明における光透過性金属層30の屈折率の実部をnmetal、その膜厚をdmetalとし、第二光透過性薄膜層40の屈折率をn1、その層厚をd1とする。また、電極層の屈折率をn2、その膜厚をd2とし、透明基板10の屈折率をnsubとしたとき、nsub>nmetal<n1≧n2となっている。
例えば、透明基板10の屈折率が1.457で、電極層60の屈折率が1.78の場合、光透過性金属層30の屈折率の実部は1.457よりも小さい値である。光透過性金属層30の屈折率の実部の値は、透明基板10の屈折率であるnsubよりも小さければ良いが、その差が大きい方がより好ましい。また、第二光透過性薄膜層40の屈折率であるn1は電極層60の屈折率であるn2と同等かそれ以上であり、この際もその差が大きい方が平面波状の光への波面変換が、安定的に実現される。
ここで、発光層からの出射光のピーク波長をλ(μm)としたとき、発光層から光透過性金属層30までの光学厚みは、0.5λを超える値とすることができ、λを超える値とすることにより平面波状の光への波面変換が、安定的に実現される。この場合、光制御部に入射した光が、波面変換されて平面波状の光となり、光取り出し効率の向上効果が安定的に得られる。発光層から光透過性金属層30までの光学厚みの上限については、たとえば10λ以下とすることが好ましい。こうすることにより、平面波状の光への波面変換が、安定的に実現される。
また、上記の発光素子基板が備えられる発光素子の発光ピーク波長をλ、第二光透過性薄膜層40の屈折率をn1、その層厚をd1とし、電極層60の屈折率をn2、その層厚をd2とするとき、この発光素子基板は、n11+n22≧λ/2となるような構成を備えていてもよい。
こうすることにより、透明基板10および光透過性金属層30の界面において、発光が好適に波面変換されて平面波状の光となり、光取り出し効率の向上効果が安定的に得られるからである。
なお、第二光透過性薄膜層40の屈折率n1と電極層60の屈折率n2との比については、n1/n2≧1とすることが好ましい。例えば、電極層60の屈折率が1.78の場合、第二光透過性薄膜層40の屈折率は、1.78から2.5程度のものが実用上、好適である。こうすることにより、光制御部20と電極層60との界面での反射を抑制することができ、発光層から出射された光を高い割合で波面変換する機能を有する光制御部20に導くことが可能となる。
第二光透過性薄膜層40は、電極層60と同等あるいはそれ以上の屈折率を有することができる。
発光素子基板における第二光透過性薄膜層40を構成する材料としては、有機物でも無機物でも構わない。有機物としては、ポリイミド、ポリウレタン等が利用でき、無機物としては、SiO2、TiO2、SiNX、Al23、Ta25、ZrO2、Ce02、Y23、MgO、Nb25、ITO等がある。これらの材料は、単独で用いても構わないし、二種類以上の材料の組み合わせでも構わない。熱安定性等の理由から無機物とすることができる。
第二光透過性薄膜層40は、400nm〜800nmの波長の光を少なくとも一部を通すものであれば良い。これらの光学薄膜はウェット成膜あるいはドライ成膜等で製造することができる。
ウェット成膜法としては、ゾルゲル法等が利用でき、また、ドライ成膜法としては、化学気相成長法(CVD)や、蒸着法、プラズマスパッタ法、イオンビームスパッタ法等の物理気相成長法が利用できる。
詳しくは、CVD法としては、プラズマエンハンスCVD、メタルオーガニックCVD、レーザCVD、フォトケミカルCVDおよびエレクトロンサイクロトロン共鳴CVD等が利用できる。また、蒸着法としては、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、レーザ蒸着法、アーク放電蒸着法および高周波加熱蒸着法等が利用できる。プラズマスパッタ法としては、直流スパッタリング法、高周波スパッタリング法、対向ターゲットスパッタリング法およびマグネトロンスパッタリング法等がある。また、イオンビームスパッタ法のイオン源としては、ペニング型、ホロカソード型およびデュオプラズマトロン型等がある。
ここで、第二光透過性薄膜層40は光透過性金属層30の後に成膜される関係上、光透過性金属層30が変質、分解等しない成膜方法を選択することが好ましい。また、光透過性金属層30および第二光透過性薄膜層40は、その上に形成される電極層60や発光層などの製造プロセスに適応する材料を選択する必要がある。
本実施形態において、光透過性金属層30を電極層60の抵抗を下げる補助電極として利用することができる。この層は、発光素子の光学特性に寄与するだけでなく、電気特性にも寄与することができる。
本実施形態に係る発光素子基板は、反射防止膜を備えていても良い。本実施形態に係る第一の形態では、反射防止膜は、出射光が発光素子基板を通過し、大気中に放出される際の界面すなわち空気層と透明基板10との界面に反射防止膜を具備することにより、光取り出し効率の改善が見られる。
図3は、本実施形態に係る発光素子基板の反射防止膜を形成した一例の断面模式図である。
透明基板10の一方の面に反射防止層70を形成し、もう一方の面に、透明基板10の屈折率よりも低い屈折率を有する光透過性金属層30と、光透過性金属層30の屈折率よりも高い屈折率を有する第二光透過性薄膜層40からなる光制御部20を具備している。
本実施形態に係る第一の形態では、第二光透過性薄膜層40の屈折率は電極層60の屈折率以上であるから、発光層からの出射光が光制御部20に入るまでに大きな反射は起きない。したがって、発光層から球面波状の波面として広がる光は、大きな反射を受けること無く、光制御部20に入射しここで平面波状の波面に変換される。大きな反射を受けるのは、空気層/透明基板10界面であり、ここに反射防止膜70を配置することは有効であるが、その他の場所への反射防止膜70を配置すると、球面波状の波面を平面波状の波面に変換する効率を低下させることがある。
(第二の実施の形態)
図4は、本実施形態に係る発光素子基板を利用した無機エレクトロルミネッセンス素子の一例の断面模式図である。
透明基板10を含む光制御部20を具備し、その上に電極層60、絶縁層90、無機発光層100、絶縁層91、電極層61を順次具備する。光制御部20は、透明基板10と、光透過性金属層30と、光透過性金属層30の屈折率よりも高い屈折率を有する第二光透過性薄膜層40とを透明基板10側から順次具備する。光透過性金属層30は透明基板10側に位置する。なお、無機エレクトロルミネッセンス素子構成や構成材料は公知のものを任意に選択することができる。
本実施形態の構成によれば、発光層から全方向に出射された球面波状の波面が、光透過性金属層30と透明基板10との界面で平面波状の波面に変換される。この結果、基板外に効率良く光を取り出すことができる。
また、本実施形態でも、低屈折率層として光透過性金属層30を用いるため、発光素子基板を構成する各層は光学的に平滑であり、さらに、機械的強度の高い薄膜材料を選択できるため、信頼性の高い発光素子を提供することができる。すなわち、基板表面の凹凸に起因するショートを抑制でき、さらに、基板の変形に伴う薄膜のクラックを抑制できる。
そして、光透過性金属層30が透明基板10に接して設けられることにより、平面波状に変換された光がそのまま透明基板10に導かれるため、従来問題となっていた透明基板10と上部層との界面における反射や損失を効果的に抑制できる。
(第三の実施の形態)
本実施形態では、第一の実施の形態で説明した発光素子基板を有機エレクトロルミネッセンス素子に適用した例を示す。
図5は、本実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子の素子構造の一例を示す断面模式図である。本実施形態に係る発光素子基板上に、陽極80、発光層130、陰極120を順次具備している。
図6は、本実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子の異なる素子構造の一例を示す断面模式図である。本実施形態に係る発光素子基板上に、陽極80、正孔輸送層140、発光層130、陰極120を順次具備するものである。この他、陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極からなる構造、陽極/発光層/電子輸送層/陰極からなる構造等が挙げられる。
なお、本実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子は、低分子タイプ、高分子タイプの両方が利用できる。なお、本実施形態に係る有機EL素子では、発光素子基板は発光層からの出射光が発光素子基板を通過するように配置される。
正孔輸送材料としては種々のものを用いることができる。具体的には、ビス(ジ(p−トリル)アミノフェニル)−1,1−シクロヘキサン、N,N’−ジフェニル−N,N’―ビス(3−メチルフェニル)−1,1’―ビフェニル−4,4’―ジアミン、N,N’−ジフェニル−N−N−ビス(1−ナフチル)−1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン等のトリフェニルジアミン類や、スターバースト型分子等が挙げられる。
電子輸送材料としては種々のものを用いることができる。具体的には、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、ビス{2−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール}−m−フェニレン等のオキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、キノリノール系の金属錯体が挙げられる。
発光材料としては、例えば、トリス(8−キノリノール)アルミニウム錯体(Alq3)やビスジフェニルビニルビフェニル(BDPVBi)、1,3−ビス(p−t−ブチルフェニル−1,3,4−オキサジアゾールイル)フェニル(OXD−7)、N,N’−ビス(2,5−ジ−t−ブチルフェニル)ペリレンテトラカルボン酸ジイミド(BPPC)、1,4−ビス(p−トリル−p−メチルスチリルフェニル)ナフタレンなどがある。
また、電荷輸送材料に蛍光材料をドープした層を発光材料として用いることもできる。例えば、前記のAlq3などのキノリノール金属錯体に4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン(DCM)、2,3−キナクリドン[7]などのキナクリドン誘導体、3−(2’−ベンゾチアゾール)−7−ジエチルアミノクマリンなどのクマリン誘導体をドープした層、あるいは電子輸送材料ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリン)−4−フェニルフェノール−アルミニウム錯体にペリレン等の縮合多環芳香族をドープした層、あるいは正孔輸送材料4,4’−ビス(m−トリルフェニルアミノ)ビフェニル(TPD)にルブレン等をドープした層を用いることができる。
図5および図6の素子において、陽極80は、正孔を正孔輸送層に注入する役割を担うものであり、4.5eV以上の仕事関数を有することが好ましい。本実施形態に用いられる陽極80材料の具体例としては、酸化インジウム錫合金(ITO)、酸化錫(NESA)、金、銀、白金、銅等が挙げられるが特にITOが有効である。なお、本実施形態に係る第二光透過性薄膜層40の屈折率と有機エレクトロルミネッセンス素子の陽極80の屈折率とでは、第二光透過性薄膜層40の屈折率が陽極80の屈折率と同等もしくはそれ以上である。
一方、陰極120としては、電子輸送帯または発光層に電子を注入する目的で、仕事関数の小さい材料が好ましい。陰極120材料は特に限定されないが、具体的にはインジウム、アルミニウム、マグネシウム、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、アルミニウム−リチウム合金、アルミニウム−スカンジウム−リチウム合金、マグネシウム−銀合金等を使用できる。
なお、本実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子は、パッシブ駆動で利用することも出来るし、薄膜トランジスタ(TFT)等のアクティブ素子を付加し、アクティブ駆動で利用することもできる。
本実施形態における有機エレクトロルミネッセンス素子の各層の形成方法は特に限定されず、公知の方法から適宜選択できる。例えば、真空蒸着法、分子線蒸着法(MBE法)あるいは溶媒に溶かした溶液のディッピング法、スピンコーティング法、キャスティング法、バーコート法、ロールコート法等の塗布法等があげられる。
ここで、本実施形態では、低屈折率層として光透過性金属層30を用いるため、発光素子基板を構成する各層は光学的に平滑であり、さらに、機械的強度の高い薄膜材料を選択できるため、信頼性の高い発光素子を提供することができる。すなわち、基板表面の凹凸に起因するショートを抑制でき、さらに、基板の変形に伴う薄膜のクラックを抑制できる。
また、光透過性金属層30と透明基板10との界面は、発光層130の発光中心から発光された球面波状の波面を平面波状の波面に変換する機能を有している。このため、光透過性金属層30と透明基板10との界面を通過した光は平面波状の波面を有し、透明基板10内を、指向性を有した状態で伝播する。
さらに、光透過性金属層30が透明基板10に接して設けられることにより、平面波状に変換された光がそのまま透明基板10に導かれるため、従来問題となっていた透明基板10と上部層との界面における反射や損失を効果的に抑制できる。
このような理由から、色変換フィルタやカラーフィルタを形成した場合、それらの機能を有効に利用することができる。すなわち、発光層130から発光した光が、隣の画素に入ることが抑制され、色の純度が低下しないという利点がある。
これらのフィルタを配置する場所としては、本実施形態に係る発光素子基板のいずれの面でも構わないが、本実施形態に係る発光素子基板では、これらのフィルタを発光層と反対側の面に配置しても表示は高い色純度を維持することができる。
一般的に、色変換フィルタやカラーフィルタ上に電極や発光層を形成することは、製造プロセス上困難を伴う。これに対し、発光層130と反対側の透明基板10面に配置する場合、色変換フィルタやカラーフィルタの製造プロセスは、電極や発光層の製造プロセスとは独立し、製造が容易になる。例えば、発光素子を形成した後に、色変換フィルタやカラーフィルタを形成することも可能である。
色変換フィルタを使用する場合、発光層の発光色や色変換フィルタの種類は任意のものを使用することができる。例えば、青色発光層を使用し、青色を赤色に変換する赤色変換フィルタおよび青色を緑色に変換する緑色変換フィルタを平置することにより、フルカラー表示が得られる。
図7は、色変換フィルタを具備した有機エレクトロルミネッセンス素子の一例の断面模式図である。
透明基板10の一方の面に赤色変換フィルタ510、緑色変換フィルタ511を具備し、それと反対の面に光透過性金属層30、第二光透過性薄膜40、陽極80、青色発光層150、陰極120を具備している。
青色出射光501は、赤色変換フィルタ510で赤色出射光503に、緑色変換フィルタ511で緑色出射光502に変換される。この時、青色出射光501は、そのまま出射させても構わないし、カラーフィルタを設置し、さらに純度を向上させた後に出射させても構わない。前述したように、光透過性金属層30と透明基板10との界面を通過した後の光は、平面波状の波面を有し、透明基板10内を指向性を有して進行するため、赤色、緑色、青色の各画素のサイズが微小となっても色にじみの無い表示が得られる。
図8は、カラーフィルタを具備した有機エレクトロルミネッセンス素子の一例の断面模式図である。
この発光素子では、白色発光層160を使用し、赤色、緑色、青色のカラーフィルタで、フルカラーを表示できる。すなわち、透明基板10の一方の面に青色カラーフィルタ520、緑色カラーフィルタ521、赤色カラーフィルタ522を具備し、それと反対の面に光透過性金属層30、光透過性薄膜40、陽極80、白色発光層160、陰極120を具備している。
白色発光層からの白色発光507は青色カラーフィルタ520、緑色カラーフィルタ521、赤色カラーフィルタ522でそれぞれ、青色出射光501、緑色出射光502、赤色出射光503に分離される。前述したように、光透過性金属層30と透明基板10との界面を通過した後の光は、平面波状の波面を有し、透明基板10内を、指向性を有して進行するため、赤色、緑色、青色の各画素のサイズが微小となっても色にじみのない表示が得られる。
本実施形態に係る発光素子基板は、有機EL素子の封止材としても利用できる。前述したように、本実施形態に係る有機EL素子では、発光素子基板は発光層からの出射光が発光素子基板を通過するように配置される。基板の両側面のうち電極層や発光層を形成した側と反対の方向に、発光層からの光を出射させる、有機EL素子のトップエミッション型あるいはリバース型では、本実施形態に係る発光素子基板は、封止材として利用することができる。封止材として利用する場合、減圧下で、発光素子の最表面に貼り合わせることが好適である。
図4〜図8では発光素子部の層構造を示したが、実際には、透明基板10にTFT素子等の発光素子駆動回路を備えている構造としてもよい。
図9は、TFTを備えた有機エレクトロルミネッセンス素子の一例の概略構造を示す断面模式図である。
透明基板10の駆動回路形成領域には、TFT素子部530が形成されている。一方、透明基板10の発光素子形成領域には、光透過性金属層30、光透過性薄膜40、陽極80、発光層130および陰極120からなる発光素子が形成されている。
発光素子の層構造は、図示したものに限られず、様々なものが使用可能である。なお、この図ではカラーフィルタや色変換フィルタは示していない。ここで、TFT基板の画素表示部に光透過性薄膜40を有する構成をしている場合、その屈折率n1がnsub>nmeta<n1≧n2を満たしていれば、本発明の光制御部20中の光透過性薄膜40として利用することもできる。
以上、実施の形態に基づいて本発明を説明した。これらの実施の形態は例示であり、様々な変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
たとえば、上記実施の形態では、EL素子の例を挙げて説明したが、発光ダイオード等、他の発光素子に適用することもできる。発光素子は、たとえば表示素子として利用される。
また、第二光透過性薄膜層として一層構造のものを例示したが、これに限られず、多層構造としてもよい。この場合、発光層から透明基板に向かうにつれ屈折率が増大する屈折率分布とすることが好ましい。
以下、本発明を実施例によりさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下の実施例において、有機エレクトロルミネッセンス素子の発光特性の測定は輝度計(TOPCON BM−5A)を基板法線方向に配置し、集光角0.1度の条件で行った。また、有機エレクトロルミネッセンス素子の発光部の面積は4mm2とし、この素子に直流電圧を印加して、輝度100cd/m2の時の電流効率を測定した。また、使用した透明基板の厚さはすべて0.7mmである。
実施例1
透明基板として、屈折率1.457の溶融石英を使用し、その透明基板の一方の面に、蒸着法により光透過性金属層として銀を2nmの厚さに成膜した。さらに、その上に第二光透過性薄膜層として、CVD法により2.00の屈折率を有するSiNX膜を350nmの厚さに成膜して、発光素子基板を作製した。
さらに、作製した発光素子基板上に、陽極としてITOをスパッタリング法によってシート抵抗が20Ω/sqになるように成膜した。ITOの膜厚は100nmであり、屈折率は1.78とした。
次に、ITO上に有機層として以下の2層を形成した。まず正孔輸送層として、N,N'−ビス(3−メチルフェニル)−N,N'−ジフェニル−[1,1'−ビフェニル]−4,4'−ジアミンを真空蒸着法にて50nmの膜厚となるように形成し、次に、発光層としてトリス(8−キノリノラート)アルミニウムを真空蒸着法にて70nmの膜厚となるように形成した。最後に、陰極としてマグネシウム−銀合金を蒸着速度比9:1で真空蒸着法にて共蒸着した膜を150nmの膜厚となるように形成して緑色発光(ピーク波長530nm)の有機エレクトロルミネッセンス素子を作製した。
その結果、電流効率は、5.4cd/Aであり、比較例1で得られた結果を上回る結果が得られた。また、発光素子基板を構成する各層は光学的に平滑であり、基板の変形に伴う薄膜のクラックもほとんど発生しなかった。
実施例2
実施例1で作製した有機エレクトロルミネッセンス素子において、銀を金に変更した。電流効率は、5.0cd/Aであり、比較例1の結果を上回る結果が得られた。また、発光素子基板を構成する各層は光学的に平滑であり、基板の変形に伴う薄膜のクラックもほとんど発生しなかった。
実施例3
実施例1で作製した有機エレクトロルミネッセンス素子において、銀をアルミニウムに変更した。電流効率は、4.5cd/Aであり、比較例1の結果を上回る結果が得られた。また、発光素子基板を構成する各層は光学的に平滑であり、基板の変形に伴う薄膜のクラックもほとんど発生しなかった。
実施例4
実施例1で作製した有機エレクトロルミネッセンス素子において、銀の膜厚を0.5nmに変更した。電流効率は、5.0cd/Aであり、比較例1の結果を上回る結果が得られた。また、発光素子基板を構成する各層は光学的に平滑であり、基板の変形に伴う薄膜のクラックもほとんど発生しなかった。
実施例5
実施例1で作製した有機エレクトロルミネッセンス素子において、銀の膜厚を10nmに変更した。電流効率は、3.4cd/Aであり、比較例1の結果を上回る結果が得られた。また、発光素子基板を構成する各層は光学的に平滑であり、基板の変形に伴う薄膜のクラックもほとんど発生しなかった。
実施例6
実施例1で作製した有機エレクトロルミネッセンス素子において、透明基板として、溶融石英では無く屈折率1.616の重フリントガラスを利用した。電流効率は5.9cd/Aであり、比較例1の結果を上回る結果が得られた。また、発光素子基板を構成する各層は光学的に平滑であり、基板の変形に伴う薄膜のクラックもほとんど発生しなかった。
実施例7
実施例1で作製した有機エレクトロルミネッセンス素子において、第二光透過性薄膜層の膜厚を43.5nmに変更した。電流効率は、3.1cd/Aであり、比較例1の結果を上回る結果が得られた。また、発光素子基板を構成する各層は光学的に平滑であり、基板の変形に伴う薄膜のクラックもほとんど発生しなかった。
比較例1
光透過性金属層および第二光透過性薄膜層を具備しないこと以外は実施例1と同一の層構造、製造方法により有機エレクトロルミネッセンス素子を得た。この素子の電流効率は3.0 cd/Aであった。
比較例2
光制御部の光透過性金属層を具備せず、透明基板にCVD法により、光制御部の第二光透過性薄膜層として2.00の屈折率を有するSiN膜を350nmの厚さに成膜する以外は、比較例1と同一の層構造、製造方法により有機エレクトロルミネッセンス素子を得た。この素子の電流効率は3.0cd/Aであった。
比較例3
光制御部に含まれる金属層の膜厚を15nmとする以外は、実施例1と同一の層構造、製造方法により有機エレクトロルミネッセンス素子を得た。この素子の電流効率は1.2cd/Aであり、光取り出し効率の改善は観察されなかった。この例では、金属層の膜厚が厚すぎたため、光の吸収が増大してもはや光透過性を有さず、光取り出し効率の向上が図られなかったと考えられる。すなわち、本例における金属層を含む層構造は、光制御部としての機能を果たしていないことがわかる。
上記実施例および比較例の評価結果を以下の表1および表2に示す。表1および表2において、電極層である陽極の屈折率をn1、その膜厚をd1、第二光透過性薄膜層の屈折率をn2、その層厚をd2とした。また、光透過性金属層の屈折率の実部をnmetal、その膜厚をdmetalとし、透明基板の屈折率をnsubとした。
Figure 0004726411
Figure 0004726411
以上、本発明を実施例に基づいて説明した。この実施例はあくまで例示であり、種々の変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本発明により提供される発光素子基板の一例の断面模式図である。 本発明により提供される発光素子基板の一例の断面模式図である。 本発明により提供される発光素子基板の一例の断面模式図である。 本発明により提供される発光素子の一例の断面模式図である。 本発明により提供される発光素子の一例の断面模式図である。 本発明により提供される発光素子の一例の断面模式図である。 本発明により提供される発光素子の一例の断面模式図である。 本発明により提供される発光素子の一例の断面模式図である。 本発明により提供される発光素子の一例の断面模式図である。
符号の説明
10 透明基板
20 光制御部
30 光透過性金属層
40 第二光透過性薄膜層
50 発光素子基板
60 電極層
70 反射防止膜
80 陽極
90 絶縁層
91 絶縁層
100 無機発光層
120 陰極
130 発光層
140 正孔輸送層
150 青色発光層
160 白色発光層
501 青色出射光
502 緑色出射光
503 赤色出射光
507 白色発光
510 赤色変換フィルタ
511 緑色変換フィルタ
520 青色カラーフィルタ
521 緑色カラーフィルタ
522 赤色カラーフィルタ
530 TFT素子部

Claims (8)

  1. 光制御部を備える発光素子基板であって、
    該光制御部は、第一光透過性薄膜層と、該第一光透過性薄膜層の上部に設けられ、該第一光透過性薄膜層の屈折率よりも低い屈折率の実部を有する光透過性金属層とを備え、球面波の入射光を平面波状の光に変換して該第一光透過性薄膜層に導き、
    前記光制御部は、前記光透過性金属層の上部に第二光透過性薄膜層をさらに備え、該第二光透過性薄膜層の屈折率は、前記光透過性金属層の屈折率の実部よりも高く、
    前記光制御部上に電極層をさらに備え、前記光制御部の上面近傍の屈折率は、該電極層の屈折率以上であり、
    前記第一光透過性薄膜層及び前記光透過性金属層が接していて、また、前記第二光透過性薄膜層及び前記電極層が接していて、
    前記第二光透過性薄膜層の屈折率および膜厚をそれぞれnおよびdとし、前記電極層の屈折率および膜厚をそれぞれnおよびdとするとき、
    +n λ/2
    を満たし、
    前記光透過性金属層の膜厚は0.5nm以上かつ5nm以下であることを特徴とする発光素子基板。
  2. 請求項1に記載の発光素子基板において、
    前記光透過性金属層は、Ag、AuおよびAlからなる群より選ばれる1種以上の金属を含有することを特徴とする発光素子基板。
  3. 請求項1または2に記載の発光素子基板において、
    前記光透過性金属層は、前記第一光透過性薄膜層に接することを特徴とする発光素子基板。
  4. 請求項1乃至いずれかに記載の発光素子基板において、
    前記第一光透過性薄膜層は、透明基板であることを特徴とする発光素子基板。
  5. 請求項1乃至いずれかに記載の発光素子基板において、
    前記透明基板に、発光素子駆動回路が設けられたことを特徴とする発光素子基板。
  6. 透明基板と電極層とを備える発光素子基板と、
    該電極層上に設けられた発光層とを備える発光素子であって、
    該発光素子基板は、請求項1乃至いずれかに記載の発光素子基板であることを特徴とする発光素子。
  7. 請求項に記載の発光素子において、
    前記透明基板に色変換フィルタが設けられたことを特徴とする発光素子。
  8. 請求項またはに記載の発光素子において、
    前記透明基板にカラーフィルタが設けられたことを特徴とする発光素子。
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