JP2004335301A - 有機エレクトロルミネセンス素子用基板の製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネセンス素子用基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】発光特性のバラツキを低減し、発光効率を向上させた有機エレクトロルミネセンス素子を安定的に製造する。
【解決手段】回折格子12を有するガラス基板11を備える有機エレクトロルミネセンス素子に用いられる有機エレクトロルミネセンス用基板の製造方法において、ガラス基板11上に微粒子の分散液を塗布することによって、回折格子12を形成する工程を有する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば回折格子等の光学要素を有する基板を備える有機エレクトロルミネセンス素子に用いられる有機エレクトロルミネセンス素子用基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機エレクトロルミネセンス素子(以下、有機EL素子と略す)は、電界を印加することにより、陽極から注入された正孔と、陰極から注入された電子の再結合エネルギーにより蛍光物質が発光する原理を利用した自発光素子である。この有機EL素子の代表的な例としては、C.W.Tangらが提案した積層型素子による低電圧駆動有機EL素子(C.W.Tang、S.A.VanSlyke、アプライドフィジックスレターズ(Applied Physics Letters)、51巻、913頁、1987年等)が挙げられ、この積層型素子によって、有機EL素子の発光特性が飛躍的に改善された。そして、この高性能な有機EL素子の開発が発端となって、近年、実用化に向けた有機EL素子の研究・開発が活発に行われてきている。
【0003】
Tangらによる2層積層型構造の有機EL素子は、発光層にトリス(8−キノリノール)アルミニウム(AlQ)、正孔輸送層にトリフェニルジアミン誘導体(TPD)を用いたものである。この2層積層型構造が優れた発光特性を示す理由は、発光層への正孔の注入効率が高まること、陰極から注入された電子をブロックして再結合により生成する励起子の生成効率が高まること、生成した励起子を発光層内に閉じ込めることができることによる。また、この2層積層型構造を発展させた例として、正孔輸送(注入)層、発光層、電子輸送(注入)層の3層積層型構造が提案されている。この3層積層型構造は、上述した正孔輸送(注入)層、電子輸送性発光層からなる2層積層型構造とともに有機EL素子の代表的な構造としてよく知られている。なお、このような積層型素子における課題の一つとして、正孔と電子の再結合効率を改善することが望まれており、これを解決するために数多くの工夫がなされている。
【0004】
ところで、有機EL素子は、高い応答速度を持ち、自発光素子であることから、携帯端末やテレビ用の高精細ディスプレイとしてその実用化が期待されているが、高精細有機ELディスプレイの製品化を実現するためには、有機EL発光体の光取り出し効率の改善が不可欠と考えられている。そこで、有機EL素子における光取り出し効率の改善の必要性について、以下詳細に説明する。
【0005】
まず、有機EL素子におけるキャリア再結合原理を考えた場合、電極から発光層に注入された電子と正孔は、クーロン相互作用により電子−正孔対となり、一部が一重項励起子となり、他の一部が三重項励起子を形成し、その生成割合は量子力学的密度によって1:3となってしまう。つまり、3重項状態からの燐光が観察されないとした場合、発光の量子収率は最高でも25%となり、このことは、有機EL素子では最高でも25%の効率しか得られないことを示している。また、有機EL素子では、発光体の屈折率の影響を受けるため、臨界角以上の出射角の光が全反射を起こし、外部に取り出すことができない問題点もある。
【0006】
すなわち、発光体の屈折率が1.6であるとすると、発光量は全体の20%程度しか有効にならず、更に上述の一重項の生成比率(生成効率:25%)を併せると、全体では5%程度となり、有機EL素子の光取り出し効率はかなりの低効率となってしまう(筒井哲夫「有機エレクトロルミネセンスの現状と動向」:月刊ディスプレイ、Vol.1、No3、p11、1995年9月)。このため、有機EL素子では、この致命的な低下をもたらす光取り出し効率の改善が不可欠である。
【0007】
そこで、光取り出し効率を改善する対策として、無機EL素子の技術を発展させる方向でいくつか検討されてきた。その対策例として、基板に集光性を持たせる構成(例えば、特許文献1参照。)や、EL素子の側面に反射面を形成する構成(例えば、特許文献2参照。)が開示されている。
【0008】
一方、集光性や、EL素子の側面に反射面を形成する構成と異なる技術例としては、ガラス基板と発光体との間に、ガラス基板と発光体における各々の屈折率の中間値を持つ平坦層を導入し、この平坦層を反射防止膜として利用する構成が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。
【0009】
さらに、光取り出し効率を改善するための他の対策として、回折格子等の光学要素を基板上に形成する構成が開示されている(例えば、特許文献4参照。)。
【0010】
【特許文献1】
特開昭63−314795号公報
【特許文献2】
特開平1−220394号公報
【特許文献3】
特開昭62−172691号公報
【特許文献4】
特開平11−283751号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した特許文献1、2の構成は、比較的大面積の基板には有効であるが、微小な画素面積で構成される高精細ディスプレイでは、集光性を持たせるレンズの作製や、素子側面の反射面の形成等が困難である問題点がある。さらに、発光層の厚さが数ミクロン以下である有機EL素子では、有機EL素子の側面に反射鏡を形成することが、超微細加工技術を用いても非常に難しく、反射鏡が形成できたとしても、製造コストが大幅に増加してしまい、実用化に大きな障害となる。
【0012】
また、上述した特許文献3の構成では、前方への光取り出し効率を改善することは可能であるが、全反射を防止することができないと考えられる。
【0013】
すなわち、この反射防止膜の原理は、無機EL素子のような屈折率が大きな発光体には有効であるが、無機EL素子に比べて屈折率が小さい発光体である有機EL素子では、光取り出し効率を大きく改善することができない問題点がある。
【0014】
上述したように、有機EL素子での光取り出し効率を改善する技術については、数多くの構成が提案されているが、未だ要求される性能を満たしておらず、新規な概念を持った改善策が望まれてきた。そこで、上述した特許文献4の構成が提案されており、基板上に光学要素を形成する構成は、有機EL素子の光取り出し効率を改善させるのに有効であると考えられている。
【0015】
しかしながら、このような光学要素を有する有機EL素子については、光取り出し効率を大幅に向上できるものの、その製造が非常に困難である。また、特に良好な光学要素を安定的に形成することが難しく、現状の光学要素を有する基板を用いた有機EL素子では、基板の面内で発光特性に大きなバラツキが生じる等の問題点がある。
【0016】
また、基板上に、例えば光学要素である回折格子の溝を精密なピッチで形成する場合には、最先端の製造技術が不可欠であり、製造コストも大幅に増加してしまう点も問題として挙げられる。このため、基板上に光学要素を安定的にかつ容易に形成することができる製造技術が望まれている。
【0017】
そこで、本発明は、発光特性のバラツキを低減し、かつ発光効率を向上させることが可能な有機エレクトロルミネセンス素子用基板を安価かつ安定的に製造することができる有機エレクトロルミネセンス素子用基板の製造方法を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するため、本発明に係る有機エレクトロルミネセンス素子用基板の製造方法は、光学要素を有する基板を備える有機エレクトロルミネセンス素子に用いられる有機エレクトロルミネセンス用基板の製造方法において、基板上に微粒子の分散液を塗布することによって、光学要素を形成する工程を有する。
【0019】
上述した本発明に係る有機エレクトロルミネセンス素子用基板の製造方法によれば、基板上に光学要素を形成する工程で、基板上に微粒子の分散液を塗布することによって、光学要素を構成する溝や凹凸等を確実に埋め込むことや、光学要素を構成する溝や凹凸を容易に形成することが可能になり、基板上に良好な光学要素が安定的かつ容易に形成される。したがって、製造された有機エレクトロルミネセンス素子用基板を有機エレクトロルミネセンス素子に用いることによって、基板上の位置による発光特性のバラツキを低減し、発光効率を向上させた有機EL素子を安定的に製造することが可能になる。
【0020】
また、本発明に係る有機エレクトロルミネセンス素子用基板の製造方法は、光学要素を有する基板と、基板上に設けられる陽極と陰極との間に発光層を有する有機層とを備える有機エレクトロルミネセンス素子に用いられる有機エレクトロルミネセンス用基板の製造方法において、基板上にエッチング液を塗布することによって、光学要素を形成する工程を有する。
【0021】
上述した本発明に係る有機エレクトロルミネセンス素子用基板の製造方法によれば、基板上に光学要素を形成する工程で、基板上にエッチング液を塗布することによって、光学要素を構成する溝や凹凸を容易に形成することが可能になり、基板上に良好な光学要素が安定的かつ容易に形成される。したがって、製造された有機エレクトロルミネセンス素子用基板を有機エレクトロルミネセンス素子に用いることによって、基板上の位置による発光特性のバラツキを低減し、発光効率を向上させた有機EL素子を安定的に製造することが可能になる。
【0022】
なお、本発明において、有機エレクトロルミネセンス用基板とは、例えば、ガラス基板上に回折格子や散乱面等の光学要素が形成されたものを指す。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な実施形態について説明する。
【0024】
本発明の有機EL素子用基板の製造方法は、ガラス基板の主面上に微粒子の分散液を塗布することによって、ガラス基板上に光学要素を形成する工程を有する。光学要素としては、例えば、回折格子、散乱面等が挙げられる。微粒子の分散液を塗布する塗布工程を用いて、回折格子を形成する場合には、例えば回折格子を構成する溝を埋め込むための溝埋め込み工程に適応することができる。
【0025】
従来、ガラス基板上に形成された回折格子の溝埋め込み工程では、スパッタリング法によって金属酸化膜を成膜する手法が利用されていた。しかしながら、この手法では、回折格子の溝の埋め込み状態が不十分なうえに、ガラス基板の表面形状に沿って埋め込み膜が成膜されるため、埋め込み膜を平坦に形成することが困難であった。また、埋め込み膜を平坦化する手法として、例えば機械研磨工程等を併用することが考えられるが、このような研磨工程を利用した場合でも、表面あらさのRa値を数nm程度に平坦化することができず、実際のところ、有機EL素子用基板として充分な平坦性が確保された埋め込み膜が未だ得られていない。
【0026】
そこで、本発明の有機EL素子用基板の製造方法における、微粒子の分散液を塗布する塗布工程は、液体材料をガラス基板上に塗布することによって、光学要素を構成する溝内に液体材料が良好に流し込まれるために、溝内への埋め込み特性が優れ、スピンコート法を用いることで平坦な埋め込み膜を安定的に形成することができる。
【0027】
さらに、ガラス基板上に微粒子の分散液を塗布する塗布工程は、他の応用例として、微粒子の分散液をライン状に塗布し、固化させることで、回折格子を構成する凸部を容易に形成することができる。また一方で、微粒子の分散液の塗布工程は、ガラス基板上に微粒子の分散液を無作為に塗布し、固化させることで、ガラス基板上に微粒子による突起が形成され、散乱部を容易に形成することもできる。
【0028】
また、本発明の他の有機EL素子用基板の製造方法は、光学要素を有するガラス基板と、ガラス基板上に設けられる陽極と陰極との間に発光層を有する有機層とを備える有機EL素子に用いられる有機EL用基板の製造方法において、ガラス基板上にエッチング液を塗布することによって、光学要素を形成する工程を有する。この製造方法によれば、ガラス基板上に光学要素を安定的、かつ容易に製造することが可能になる。したがって、この製造方法によれば、製造された有機EL素子用基板を用いることによって、発光効率が比較的高い有機EL素子を安定的に製造することが可能になる。
【0029】
光学要素を有する有機EL素子用基板は、ガラス基板上にエッチング液を塗布する工程を用いることにより、安定的に製造することができる。光学要素としては、例えば回折格子や散乱部が挙げられる。ガラス基板上にエッチング液をライン状に塗布することにより、ガラス基板上に回折格子を構成する溝を容易に形成することができる。
【0030】
従来、回折格子を構成する溝を形成する際には、ガラス基板上にレジストを塗布した後、フォトマスクを用いて露光、現像し、エッチング処理によって溝を形成する工程が採られていた。しかしながら、この工程は、複数の工程を伴ううえに、レジストの洗浄工程等を含んでいるため、製造容易性を考えた場合、あまり好ましくなかった。一方で、本発明のガラス基板上にエッチング液をライン状に塗布する工程は、ガラス基板上に回折格子の溝を容易に形成することができ、工程数を従来の方法に比べて、削減することが可能になる。
【0031】
また、エッチング液を塗布する工程では、回折格子を形成する用途以外に、ガラス基板上にエッチング液を無作為に塗布することで、ガラス基板の表面を荒らすことができるため、ガラス基板上に散乱部を容易に形成することが可能になる。
【0032】
なお、微粒子の分散液またはエッチング液を塗布する工程では、塗布方法として、スプレ−法またはインクジェット法を用いることが好ましい。スプレ−法を用いて微粒子の分散液またはエッチング液を塗布することによって、精密な散乱面を形成することが可能になる。これによって作製された有機EL素子用基板を用いることで、発光効率が向上された有機EL素子を安定的に製造することが可能となる。一方、微粒子の分散液またはエッチング液を塗布するために、インクジェット法を用いることによって、所定のパターンで液体を塗布することが可能になるため、精密な回折格子や散乱部を容易に形成することができる。なお、インクジェット法を利用したインクジェットプリンタとしては、ピエゾタイプ、サーマルタイプ等の市販のプリンタ等を使用することができる。
【0033】
また、本発明の有機EL素子用基板の製造方法は、微粒子の分散液として、ゾルゲル法塗布液または有機金属分解法塗布液を使用することが好ましい。ゾルゲル法塗布液または有機金属分解法塗布液は、ガラス基板に対する濡れ性が良好であるとともに、加熱することで均一な単一膜を成膜することが可能である。このゾルゲル法塗布液または有機金属分解法塗布液としては、塗布液によって形成される膜が、例えば、酸化シリコン(SiO)膜、酸化チタン(TiO)膜、インジウム錫酸化物(ITO)膜、酸化亜鉛(ZnO)膜、酸化ジルコニウム(ZrO)膜、5酸化2タンタル(Ta)膜、アルミナ(Al)膜であるものが好ましく、これらの材料を使用することで安定的に膜を形成することが可能になる。
【0034】
また、本発明の有機EL素子用基板の製造方法で用いられる微粒子の分散液は、25℃での表面張力が20〜50dyne/cmであることが好ましい。本発明における表面張力とは、液面が静止しているときの静的表面張力を指しており、これは、ウィルヘルミー式の板吊り法等により測定される。静的表面張力が、50dyne/cmを超える、または20dyne/cm未満の分散液を用いた場合には、インクジェット法によって所定のパターンを形成するときに、液滴の着弾特性が劣化し、特にブリードが生じて、良好なパターンが得られないおそれがある。
【0035】
また、本発明に係る有機EL素子用基板の製造方法は、分散液の粘度が、25℃で1〜10cpsの範囲内に調整されていることが好ましい。粘度が10cpsを超える、または1cps未満の分散液を用いて、例えばインクジェット法で塗布した場合には、液体吐出ヘッドによる分散液の吐出安定性が低下し、良好なパターンが得られないおそれがある。
【0036】
また、本発明に係る有機EL素子用基板の製造方法は、分散液における微粒子の配合濃度が分散液総量に対して、10重量%未満であることが好ましい。微粒子の配合濃度が10重量%以上である場合には、分散液の分散安定性が劣化し、インクジェット法で吐出する際に、液体吐出ヘッドに目詰まりが生じるおそれがある。
【0037】
本発明に係る有機EL素子用基板の製造方法では、エッチング液として、フッ酸を主成分としたエッチング液を使用することが好ましい。フッ酸を主成分としたエッチング液を用いることで、精密なパターンを形成することが可能となる。
【0038】
続いて、本発明の製造方法によって製造された有機EL素子用基板が用いられる有機EL素子における有機層について詳細に説明する。
【0039】
有機EL素子は、ガラス基板に設けられる陽極と陰極との間に、有機層が1層、または2層以上積層された構造である。その基本構造としては、例えば、陽極/発光層/陰極から構成される構造、陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極からなる構造、陽極/正孔輸送層/発光層/陰極からなる構造、陽極/発光層/電子輸送層/陰極からなる構造等が挙げられる。
【0040】
有機EL素子の正孔輸送材は、通常の正孔輸送材料として使用されている材料であればよく、その代表例として、例えば、ビス(ジ(P−トリル)アミノフェニル)−1,1−シクロヘキサン、N−N‘−ジフェニル−N−N‘−ビス(3−メチルフェニル)−1−1’−ビフェニル−4,4‘−ジアミン、N−N‘−ジフェニル−N−N−ビス(1−ナフチル−1,1’−ビフェニル)−4,4‘−ジアミン等のトリフェニルジアミン類や、スターバースト型分子等が挙げられるが、特にこれに限定されるものではない。
【0041】
有機EL素子の電荷輸送材料は、通常使用されている電荷輸送材料であればよく、その代表例として、例えば、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、ビス{2−84−t−ブチルフェニル}−1,3,4−オキサジアゾール}−m−フェニレン等のオキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、キノリノール金属錯体等が挙げられるが、特にこれに限定されるものではない。
【0042】
有機EL素子に用いられる有機EL発光物質は、一般に使用されている発光材料であればよく、その代表例として、例えば、ジスチリルアリーレン誘導体、クマリン誘導体、ジシアノメチレンピラン誘導体、ペリレン誘導体、および特開平8−298186号公報や特開平9−268284号公報で開示される芳香族系材料、特開平9−157643号公報や特開平9−268283号公報に開示されたアントラセン系材料、特開平5−70773号公報に開示されたキナクリドン誘導体等が挙げられるが、特にこれに限定されるものではない。
【0043】
有機EL素子で使用される陽極は、正孔輸送材料または発光材料に正孔を注入する機能を持つものであり、その仕事関数が4.5eV以上であることが好ましい。仕事関数が4.5eV未満の陽極を有機EL素子に使用した場合には、十分な正孔注入特性が得られず、充分な発光効率が得られない問題点がある。なお、代表的な陽極材料としては、例えば、酸化インジウム錫合金(ITO)、酸化インジウム亜鉛合金(IZO)、酸化錫、金、銀、白金、銅等が挙げられるが、特にこれに限定されるものではない。
【0044】
有機EL素子で使用される陰極は、電荷輸送体または発光材料に電子を注入することを目的とするもので、仕事関数が小さい材料が好ましい。仕事関数が大きな材料を陰極に使用した場合には、良好な発光特性を再現することが困難になる。なお、代表的な陰極材料としては、例えば、インジウム、アルミニウム、マグネシウム、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、アルミニウム−リチウム合金、アルミニウム−スカンジウム−リチウム合金、マグネシウム−銀合金等が挙げられるが、特にこれに限定されるものではない。
【0045】
有機EL素子における各層は、公知の方法により形成することができる、その代表的な方法として、真空蒸着法、分子線蒸着法(MBE法)や、層を構成する材料を溶剤に溶かし、その溶液を用いて塗布する手法であるディッピング法、スピンコート法、キャスティング法、バーコート法、ロールコート法等が挙げられるが、特にこれに限定されるものではない。
【0046】
上述したように、有機EL素子用基板の製造方法によれば、ガラス基板上に微粒子の分散液を塗布することによって、光学要素を形成する工程を有することで、ガラス基板上に良好な光学要素を安定的かつ容易に形成することができる。したがって、本発明によれば、ガラス基板上に光学要素が高精度に形成されるため、ガラス基板上の位置による発光特性のバラツキを低減し、発光効率を向上させた有機EL素子を安定的に製造することが可能になる。
【0047】
【実施例】
以下、本発明の実施例について詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されない。
【0048】
(実施例1)
実施例1では、図1に示すように、50mm×50mmのガラス基板11(HOYA社製:NA(開口数)45、厚さ1.1mm)上に、回折格子12を形成した。まず、ガラス基板11上に、フォトリソグラフィ工程によって、幅0.1μm、間隔0.1μmをなすパターンを形成した。すなわち、ガラス基板11上にi線レジスト(東京応化社製:THMR−iP1700)をスピンコート法によって厚さ2μmに形成し、i線ステッパーを用いて格子状のパターンを形成した。その後、格子状のパターンが形成されたガラス基板11をフッ化水素酸溶液に浸漬し、深さ100nmの溝を形成した後、残存レジストを専用の剥離液で除去することにより、回折格子12をなす溝を得た。
【0049】
続いて、回折格子12の溝を、酸化チタン(TiO)膜成膜用の有機金属分解法塗布液(高純度化学研究所製:Ti−05)を用いて埋め込むための溝埋め込み工程を行った。塗布液は、スピンコート法によって、回転数を2000〜5000rpmでガラス基板11を回転させて塗布した。また、焼成条件は400℃、3時間として、スピンコート処理を2回行った。なお、成膜されたTiO膜は、膜厚が200nmであった。続いて、ガラス基板11のTiO膜上に、図2に示すように、陽極13、正孔注入層14、発光層15、陰極16を順次形成し、有機EL素子を作製した。
【0050】
陽極13、正孔注入層14、発光層15、陰極16からなる有機層の形成工程について、以下詳細に説明する。
【0051】
酸化インジウム錫合金(ITO)をスパッタリング処理することによって、ガラス基板11上にITO膜を成膜して陽極13を形成した。そして、ガラス基板11上に形成された陽極13を、2mm×50mmの帯状になるようにパターンニング処理し、図3に示すように、ガラス基板11上に2mm×50mmの帯を5本形成した。このときの陽極13をなすITO膜は、膜厚が100nm、シート抵抗が20Ω/□であった。
【0052】
続いて、ガラス基板11の陽極13上に、正孔注入層14、発光層15、陰極16の順に各層を抵抗加熱式真空蒸着法によってそれぞれ成膜した。使用した真空蒸着装置では、真空槽上部に設置したガラス基板11に対して、下方250mmの位置に、蒸着させる材料を充填したモリブテン製のボートを設置し、ガラス基板11の主面に対する入射角が38度になるように配置した。ガラス基板11の回転数は、30rpmとした。また、本実施例における成膜(蒸着)条件は、圧力が5×10−7Torrに到達した時点で蒸着を開始して、ガラス基板11の側面に装着した水晶振動子式膜厚制御装置によって蒸着速度を制御した。
【0053】
なお、蒸着速度を0.15nm/sとし、正孔注入層14として、N,N‘−ジフェニル−N−N−ビス(1−ナフチル)−1,1’−ビフェニル)−4,4‘−ジアミン(以下、α−NMPと略す)を50nmに形成し、次に、発光層15として、トリス(8−キノリノール)アルミニウム(以下、AlQと略す)を70nm、そして、陰極16としてマグネシウム銀合金を蒸着速度比10:1で共蒸着により膜厚150nmに形成することで、有機EL素子を作製した。なお、陰極16は、メタルマスクを用いて、図4に示すように、陽極13のパターンに跨るようなパターンを形成した。したがって、陰極16と陽極13のパターン形状から、本実施例の有機EL素子では、図5に示すように、ガラス基板11の主面に2mm×2mmサイズの5つの発光部18a〜18eがそれぞれ形成される。
【0054】
(実施例2)
実施例2は、実施例1の構造の中で、回折格子12の溝のピッチのみを変更したもので、溝のピッチを幅0.05μm、間隔0.05μmとした。なお、回折格子12の溝形成工程、回折格子12の溝埋め込み工程、有機層の形成工程については実施例1と同一である。
【0055】
(実施例3)
実施例3は、50mm×50mmのガラス基板11(HOYA社製:NA45、厚さ1.1mm)上に、フッ化水素酸標準液を塗布することで、散乱部を形成した。これは、ガラス基板11上に、スプレ−を用いてフッ化水素酸標準液を霧状に飛散させることで、ガラス基板11の表面を適度に荒らし、凹凸からなる散乱部を形成した。また、散乱部の凹凸を埋めるための埋め込み工程では、実施例1と同様に酸化チタン(TiO)膜成膜用の有機金属分解法塗布液を用いて膜厚300nmのTiO膜を成膜し、成膜したTiO膜上に、陽極13、正孔注入層14、発光層15、陰極16を順次形成し、有機EL素子を作製した。なお、陽極13から陰極16までの有機層の形成工程は、実施例1と同一条件で行った。
【0056】
(実施例4)
実施例4は、50mm×50mmのガラス基板11(HOYA社製:NA45、厚さ1.1mm)上に、酸化チタン(TiO)膜成膜用の有機金属分解法塗布液(高純度化学研究所製:Ti−05)を、50μm間隔で50μm×50mmのライン状にインクジェットプリンタを用いて印刷し、塗布液を焼成させることによりTiO膜を成膜した。この結果、ガラス基板11上に、90μm間隔で10μm×50mmサイズ、高さ200nmの周期的なライン状のTiO膜が形成され、回折格子を得ることができた。
【0057】
なお、塗布液をライン状に印刷する際には、インクジェットプリンタとして、ピエゾタイプの解像度が1200dpi相当の市販機を使用した。続いて、TiO膜の印刷成膜により得られた回折格子12の埋め込み工程として、SiOターゲットを用いるスパッタリング法によりSiO膜を厚さ300nmで成膜させた後、SiO膜上に、陽極13、正孔注入層14、発光層15、陰極16を順次形成させ、有機EL素子を作製した。なお、陽極13から陰極16までの有機層の形成工程は、実施例1と同一条件で行った。
【0058】
(実施例5)
実施例5は、50mm×50mmのガラス基板11(HOYA社製:NA45、厚さ1.1mm)上に、酸化チタン(TiO)膜成膜用の有機金属分解法塗布液(高純度化学研究所製:Ti−05)をスプレーで吹き付け、焼成成膜を行った。この結果、ガラス基板11上には、底部面積が200〜500nm程度、高さ100nm程度のTiO膜による突起が散らばった形状が生じ、散乱部が形成された。
【0059】
続いて、形成された散乱部の突起を埋め込んで平坦化するために、SiOターゲットを用いたスパッタリング処理によってSiO膜を成膜した後、このSiO膜上に、陽極13、正孔注入層14、発光層15、陰極16を順次形成し、有機EL素子を作製した。なお、埋め込み膜であるSiO膜は、膜厚が300nmであった。また、陽極13から陰極16までの有機層の形成工程は、上述の実施例1と同一条件で行った。
【0060】
(実施例6)
実施例6は、50mm×50mmのガラス基板11(HOYA社製:NA45、厚さ1.1mm)上に、エッチング液であるフッ化水素酸標準液を50μm間隔で50μm×50mmのライン状をなすように、インクジェットプリンタで印刷した。この結果、ガラス基板11上にラインに沿った周期的な溝が形成され、回折格子12が得られた。なお、回折格子12の溝は、20μm間隔で幅が80μm、深さ300nmであった。続いて、TiOターゲットを用いたスパッタリング処理して、回折格子12を埋め込んだ。TiO膜は、膜厚が300nmとした。そして、TiO膜上に、陽極13、正孔注入層14、発光層15、陰極16を順次形成させ、有機EL素子を作製した。なお、陽極13から陰極16までの有機層の形成工程は、実施例1と同一条件で行った。
【0061】
(実施例7)
実施例7は、50mm×50mmのガラス基板11(HOYA社製:NA45、厚さ1.1mm)に、フッ酸標準液をスプレーを用いて吹き付けた。この結果、ガラス基板11上には、粒径200〜500nm、深さ200nm程度の窪みが散らばった構造からなる散乱部が得られた。続いて、散乱部の窪みを、TiOターゲットを用いたスパッタリング処理によって埋め込んで平坦化した。TiO膜は、膜厚を300nmとし、TiO膜上に、陽極13、正孔注入層14、発光層15、陰極16を順次形成させ、有機EL素子を作製した。なお、陽極13から陰極16までの有機層の形成工程は、実施例1と同一条件で行った。
【0062】
(比較例1)
比較例1の有機EL素子の作製手順を示す。この有機EL素子は、ガラス基板上11に、陽極13、正孔注入層14、発光層15、陰極16が順次積層されてなる。
【0063】
比較例1は、50mm×25mmのガラス基板11(HOYA社製:NA45、厚さ1.1mm)上に、酸化インジウム錫合金(ITO)をスパッタリング処理により成膜し、これを陽極13とした。成膜されたITO膜は、膜厚が100nm、シート抵抗が20Ω/□であった。そして、成膜されたITO膜を2mm×50mmの帯状になるように、メタルマスクを用いてパターンニングした。
【0064】
続いて、このITO膜上に、正孔注入層14、発光層15、陰極16の順で各層を積層した。なお、これら正孔注入層14、発光層15、陰極16は、抵抗加熱式真空蒸着法を用いてそれぞれ成膜した。以下、真空蒸着法による成膜手順について、詳細に説明する。
【0065】
使用した真空蒸着装置は、真空槽上部に設置したガラス基板11に対して、下方250mmの位置に、蒸着させる材料を充填したモリブテン製のボートを設置し、ガラス基板11の主面に対する入射角が38度になるように配置した。ガラス基板11の回転数は30rpmとした。比較例1における成膜(蒸着)では、圧力が5×10−7Torrに到達した時点で蒸着を開始して、ガラス基板11の側面に装着した水晶振動子式膜厚制御装置により蒸着速度を制御した。なお、蒸着速度を0.15nm/sとし、正孔注入層14としてN,N‘−ジフェニル−N−N−ビス(1−ナフチル)−1,1’−ビフェニル)−4,4‘−ジアミン(以下、α−NMPと略す)を50nm、発光材料としてトリス(8−キノリノール)アルミニウム(以下、AlQと略す)を70nm、そして、陰極16としてマグネシウム銀合金を蒸着速度比10:1で共蒸着により150nmと、順次積層して、有機EL素子を作製した。
【0066】
(比較例2)
比較例2は、実施例1と同様の50mm×25mmのガラス基板11を用いて、ガラス基板11の表面を#300紙ヤスリで研磨することによって散乱部を形成した。すなわち、紙ヤスリによりガラス基板11の表面を荒らすことよって、ガラス基板11上に散乱部を形成した。この散乱部の形成工程以降、ガラス基板11の散乱部の埋め込み工程は、実施例1と同様な条件で、酸化チタン(TiO)膜を膜厚300nmで形成し、このTiO膜上に、陽極13、正孔注入層14、発光層15、陰極16を順次形成し、有機EL素子を作製した。なお、陽極13から陰極16までの有機層の形成工程は、実施例1と同一条件で行った。
【0067】
(比較例3)
比較例3は、実施例1と同一条件で、ガラス基板11上に幅0.1μm、間隔0.1μmの深さ100nmの溝からなる回折格子12を形成した。回折格子12の溝埋め込み工程では、TiOをターゲットとしてスパッタリング法により行い、TiO膜を膜厚200nmで形成した後、陽極13、正孔注入層14、発光層15、陰極16を順次形成し、有機EL素子を作製した。なお、陽極13から陰極16までの有機層の形成工程は、実施例1と同一条件で行った。
【0068】
(比較例4)
比較例4は、実施例1と同一条件で、ガラス基板11上に幅10μm、間隔90μmの深さ200nmの溝からなる回折格子12を形成した。回折格子12の溝埋め込み工程は、TiOをターゲットとしてスパッタリング法により行い、TiO膜を膜厚300nmで形成した後、陽極13、正孔注入層14、発光層15、陰極16を順次形成し、有機EL素子を作製した。なお、陽極13から陰極16までの有機層の形成工程は、実施例1と同一条件で行った。
【0069】
(評価)
上述した各実施例および各比較例の有機EL素子について、特性評価として第1の評価〜第3の評価をそれぞれ行った。なお、実施例、比較例のガラス基板11には、図5に示すように、主面上に2mm×2mmサイズの5つの発光部18a〜18eがそれぞれ設けられている。
【0070】
(第1の評価)発光効率
有機EL素子に10Vの電圧を印加して電流密度(mA/cm)と輝度(cd)をそれぞれ測定し、輝度/電流密度から発光効率(cd/m)を算出した。なお、輝度計を用いて測定し、ガラス基板11の中心部を測定位置とした。また、この発光効率は、各ガラス基板11の主面に設けられた4つの発光部18a〜18dについてそれぞれ評価した。評価結果を表1に示す。
【0071】
(第2の評価)発光特性
有機EL素子に10Vの電圧を印加して、発光部18a〜18dの発光状態を観察した。この観察は目視で行い、下記の基準で発光特性を評価した。また、この発光特性は、各ガラス基板11の4つの発光部18a〜18dをそれぞれ評価した。評価結果を表2に示す。
【0072】
○ : すべての発光部の全面で良好な発光を示す。
【0073】
△ : 局部的な非発光が観察される。
【0074】
× : 発光しない発光部が比較的大きな領域として観察される。
【0075】
(第3の評価)ガラス基板11の主面上での発光特性のバラツキの評価
各実施例、各比較例におけるガラス基板11の発光特性のバラツキを評価した。この評価では、各ガラス基板11の4つの発光部18a〜18dにおける発光効率をそれぞれ測定して、4つの発光部18a〜18dの中で最大値を示すものをEmax、最小値を示すものをEminとして、下記に示す基準で発光特性を評価した。なお、この評価では、上述した第1の評価と同様に10V電圧の印加時の発光効率を測定した。評価結果を表3に示す。
【0076】
○ : Emin/Emaxが0.90以上である。
【0077】
△ : Emin/Emaxが0.80以上0.90未満である。
【0078】
× : Emin/Emaxが0.80未満である。
【0079】
【表1】
Figure 2004335301
【0080】
【表2】
Figure 2004335301
【0081】
【表3】
Figure 2004335301
【0082】
表1,2,3に示したように、上述した各実施例および各比較例の評価結果から、本発明の有機EL素子用基板の製造方法によって製造された有機EL素子用基板を有機EL素子に用いることによって、ガラス基板11上の位置による発光特性のバラツキが低減されて発光状態が良好で、かつ発光効率を向上させた有機EL素子を安定的に製造できることができた。
【0083】
【発明の効果】
上述したように本発明に係る有機エレクトロルミネセンス用基板の製造方法によれば、基板上に微粒子の分散液を塗布することによって、光学要素を形成する工程を有することで、基板上に良好な光学要素を安定的かつ容易に形成することができる。したがって、本発明によれば、基板上に光学要素が高精度に形成されるため、基板上の位置による発光特性のバラツキを低減し、発光効率を向上させた有機EL素子を安定的に製造することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ガラス基板上に形成された回折格子を示す横断面図である。
【図2】有機エレクトロルミネセンス素子を示す縦断面図である。
【図3】ガラス基板上に形成された陽極のパターンを示す模式図である。
【図4】ガラス基板上に形成された陰極のパターンを示す模式図である。
【図5】有機エレクトロルミネセンス素子が有する各発光部を示す模式図である。
【符号の説明】
11 ガラス基板
12 回折格子
13 陽極
14 正孔注入層
15 発光層
16 陰極
18a〜18e 発光部

Claims (10)

  1. 光学要素を有する基板を備える有機エレクトロルミネセンス素子に用いられる有機エレクトロルミネセンス素子用基板の製造方法において、前記基板上に微粒子の分散液を塗布することによって、前記光学要素を形成する工程を有することを特徴とする有機エレクトロルミネセンス素子用基板の製造方法。
  2. 光学要素を有する基板と、前記基板上に設けられる陽極と陰極との間に発光層を有する有機層とを備える有機エレクトロルミネセンス素子に用いられる有機エレクトロルミネセンス素子用基板の製造方法において、
    前記基板上にエッチング液を塗布することによって、前記光学要素を形成する工程を有することを特徴とする有機エレクトロルミネセンス素子用基板の製造方法。
  3. 前記光学要素は、回折格子または散乱面である請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネセンス素子用基板の製造方法。
  4. 前記工程では、前記塗布液によって、回折格子をなす溝または散乱面をなす凹凸が埋め込まれる請求項1に記載の有機エレクトロルミネセンス素子用基板の製造方法。
  5. 前記工程では、スプレ−法またはインクジェット法によって前記分散液または前記エッチング液を塗布する請求項1ないし4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネセンス素子用基板の製造方法。
  6. 前記微粒子の分散液は、ゾルゲル法塗布液または有機金属分解法塗布液であって、該塗布液によって形成される膜が、酸化シリコン(SiO)膜、酸化チタン(TiO)膜、インジウム錫酸化物(ITO)膜、酸化亜鉛(ZnO)膜、酸化ジルコニウム(ZrO)膜、5酸化2タンタル(Ta)膜、アルミナ(Al)膜のいずれかである請求項1、3ないし5のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネセンス素子用基板の製造方法。
  7. 前記微粒子の分散液は、前記基板に対する静的表面張力が、20〜50dyne/cmである請求項1、3ないし6のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネセンス素子用基板の製造方法。
  8. 前記微粒子の分散液は、粘度が1〜10cpsである請求項1、3ないし7のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネセンス素子用基板の製造方法。
  9. 前記微粒子の分散液は、微粒子の配合濃度が分散液総量に対して10重量%未満である請求項1、3ないし8のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネセンス素子用基板の製造方法。
  10. 前記エッチング液は、フッ化水素酸を主成分とする請求項2に記載の有機エレクトロルミネセンス素子用基板の製造方法。
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