JP7015048B2 - 有機el素子および有機el照明装置 - Google Patents

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Description

本発明は、有機EL素子および有機EL照明装置に関する。
デザイン性の高い有機EL素子として、スリット状に発光する有機EL素子が知られている(特許文献1)。前記スリット状に発光する有機EL素子は、例えば、金属電極をスリット状に形成し、スリットとスリットとの間には電極を配置せず、有機膜のみとすることにより形成できる。これにより、スリット-スリット間が透明となり、非発光時には、前記スリット間を通して、前記素子の反対側(裏面側)が見えることになる。そして、発光時には、前記スリット部分が発光し、光の広がりにより、発光面側は、全体的に光っているように見える。
特開2016-177967号公報
一方、前記スリット状に発光する有機EL素子において、非発光面側は、例えば、前記有機EL素子の発光時においても、前記スリット間に電極が配置されないことから、ほとんど光っていないように見えると考えられている。しかしながら、実際は、例えば、前記有機EL素子の内部で反射した光等により、前記スリット間を通して光の漏れが生じ、これが原因で、前記非発光面側が光って見えるため、前記有機EL素子のデザイン性が損なわれる等の問題があるとの知見が、本発明者により得られた。
そこで、本発明は、例えば、スリット状に発光する有機EL素子において、前記非発光面側からの発光を抑制することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の有機EL素子は、
基板と、第1の電極と、有機EL層と、第2の電極とを含み、
前記有機EL層は、発光層を含み、
前記基板と、前記第1の電極と、有機EL層と、前記第2の電極とが、この順序で積層されており、
前記第1の電極および前記第2の電極は、一方が陽極であり、他方が陰極であり、
前記第1の電極は、透明電極であり、
前記第2の電極は、前記有機EL層の面方向において間隔をあけて配置されており、
前記発光層と、前記有機EL素子における界面のうち前記発光層よりも前記第1の電極側の前記界面との光学距離をL1、前記発光層と、前記第2の電極における前記有機EL層に面する側の前記界面との光学距離をL2とした場合に、前記L1と前記L2との関係が、下記(I)~(III)からなる群から選択された少なくとも2つの光が干渉により弱め合う位相の光となる関係であることを特徴とする。
(I)前記発光層から出射し、前記有機EL素子における界面のうち前記発光層よりも前記第1の電極側の界面で反射した光
(II)前記発光層から出射し、前記第2の電極における前記有機EL層に面する側の界面で反射し、さらに、前記発光層よりも前記第1の電極側の前記界面で反射した光
(III)前記発光層から出射し、前記第2の電極方向に出射した光
本発明によれば、例えば、スリット状に発光する有機EL素子において、前記非発光面側からの発光を抑制できる。
図1は、実施形態1における有機EL素子を横からみた模式図(断面図)である。 図2は、実施形態1における有機EL素子を横からみた模式図(断面図)である。 図3は、実施形態2における有機EL素子を横からみた模式図(断面図)である。 図4は、実施形態3における有機EL素子を横からみた模式図(断面図)である。
本発明の有機EL素子は、例えば、前記発光層から出射する光の波長をλとした場合に、前記L1、前記L2、およびλが、下記式(7)に示される関係、ならびに下記式(5)および(6)の少なくとも一方に示される関係のうち少なくとも一方の関係を満たす。
Figure 0007015048000001
Figure 0007015048000002
本発明の有機EL素子は、例えば、前記発光層から出射する光の波長をλとした場合に、前記L1、前記L2、およびλが、下記式(1)および(2)に示される関係、下記式(3)および(4)に示される関係、ならびに下記式(5)および(6)に示される関係からなる群のうち少なくとも1つの関係を満たす。
Figure 0007015048000003
Figure 0007015048000004
Figure 0007015048000005
本発明の有機EL素子は、例えば、前記有機EL素子における界面のうち前記発光層よりも前記第1の電極側の前記界面が、前記第1の電極における、前記有機EL層に面する側とは反対側の界面である。
本発明の有機EL素子は、例えば、前記有機EL素子における界面のうち前記発光層よりも前記第1の電極側の前記界面が、前記基板における、前記第1の電極に面する側とは反対側の界面である。
本発明の有機EL素子は、例えば、前記第2の電極が、スリット状に配置されている。
本発明の有機EL素子は、例えば、さらに、位相調整層を含む。
本発明の有機EL素子は、例えば、前記位相調整層が、前記基板と前記第1の電極との間に配置されている。
本発明の有機EL素子は、例えば、前記位相調整層が、前記発光層から出射する光の波長をλとした場合に、(1/4)λ+(1/2)pλの厚みを有する。
本発明の有機EL素子は、例えば、前記位相調整層が、前記第2の電極における間隙に対し、1つおきに対応するように配置されている。
本発明の有機EL素子は、例えば、前記第2の電極が、金属電極である。
つぎに、本発明の実施形態について、図を用いて説明する。本発明は、下記の実施形態によって何ら限定および制限されない。なお、以下の図面において、同一部分には、同一符号を付している。各実施形態における説明は、それぞれ、互いを援用できる。さらに、各実施形態の構成は、特に言及がない限り、組合せ可能である。また、図面においては、説明の便宜上、各部の構造は適宜簡略化して示す部分があり、各部の寸法比等は、実際とは異なり、模式的に示す場合がある。
(実施形態1)
図1は、本実施形態における有機EL素子1を横からみた模式図(断面図)である。本実施形態の有機EL素子1は、ボトムエミッションタイプの有機EL素子であり、図1において、下方向が、有機EL素子1の本来の発光方向(発光面側)であり、上方向が、本来の非発光方向(非発光面側)である。図1に示すように、本実施形態の有機EL素子1は、基板10と、陽極11と、有機EL層12と、陰極13と、中間層14と、封止基板15とを含み、基板10上に、陽極11、有機EL層12、および陰極13が、前記順序で積層されている。封止基板15は、中間層14を挟んで基板10に対向して配置されている。有機EL層12は、正孔注入層121と、正孔輸送層122と、発光層123と、電子輸送層124と、電子注入層125とを含み、これらが前記順序で積層されている。陰極13は、後述するように、スリット状に間隔をあけて配置されている。なお、中間層14、封止基板15、正孔注入層121、正孔輸送層122、電子輸送層124、および電子注入層125は、必須の構成要件ではなく、有機EL素子1に含まれてもよいし、含まれなくてもよい。また、有機EL素子1において、陽極11と陰極13とが、前記順序とは逆に積層されていてもよい。この場合、陽極11が、スリット状に間隔をあけて配置されている。
有機EL素子1において、基板10、陽極11、正孔注入層121、正孔輸送層122、発光層123、電子輸送層124、電子注入層125、陰極13、中間層14および封止基板15の材料は、特に制限されず、公知の材料を用いることができる。
基板10は、有機EL素子1における発光層123の発光を透過させる透過率の高いものであることが好ましい。基板10の形成材料としては、例えば、無アルカリガラス、ソーダガラス、ソーダライムガラス、硼珪酸ガラス、アルミノ珪酸ガラス、石英ガラス等のガラス;ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル;ポリイミド;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル等のアクリル系樹脂;ポリエーテルサルフォン;ポリ炭酸エステル;等があげられる。基板10の大きさ(長さおよび幅)は、特に制限されず、例えば、所望の有機EL素子1の大きさに応じて、適宜設定すればよい。基板10の厚さも、特に制限されず、その形成材料、使用環境等に応じて、適宜設定でき、例えば、1mm以下である。
本実施形態において、陽極11は、透明電極である。前記透明電極を形成する材料としては、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)等があげられる。
発光層123は、電極から注入された電子と正孔とを再結合させ、蛍光、燐光等を発光させる層である。発光層123は、発光材料を含む。前記発光材料は、例えば、トリス(8-キノリノール)アルミニウム錯体(Alq)、ビスジフェニルビニルビフェニル(BDPVBi)、1,3-ビス(p-t-ブチルフェニル-1,3,4-オキサジアゾールイル)フェニル(OXD-7)、N,N’-ビス(2,5-ジ-t-ブチルフェニル)ペリレンテトラカルボン酸ジイミド(BPPC)、1,4ビス(N-p-トリル-N-4-(4-メチルスチリル)フェニルアミノ)ナフタレン等の低分子化合物、または、ポリフェニレンビニレン系ポリマー等の高分子化合物等があげられる。
また、前記発光材料は、例えば、ホストとドーパントとの二成分系からなり、ホスト分子で生成した励起状態のエネルギーがドーパント分子へ移動してドーパント分子が発光する材料でもよい。このような発光材料は、具体的には、例えば、ホストのAlq等のキノリノール金属錯体に、ドーパントの4-ジシアノメチレン-2-メチル-6-(p-ジメチルアミノスチリル)-4H-ピラン(DCM)、2,3-キナクリドン等のキナクリドン誘導体、もしくは、3-(2’-ベンゾチアゾール)-7-ジエチルアミノクマリン等のクマリン誘導体をドープしたもの、ホストの電子輸送性材料であるビス(2-メチル-8-ヒドロキシキノリン)-4-フェニルフェノール-アルミニウム錯体に、ドーパントのペリレン等の縮合多環芳香族をドープしたもの、または、ホストの正孔輸送層材料である4,4’-ビス(m-トリルフェニルアミノ)ビフェニル(TPD)に、ドーパントのルブレン等をドープしたもの、ホストの4,4’-ビスカルバゾリルビフェニル(CBP)、4,4’-ビス(9-カルバゾリル)-2,2’-ジメチルビフェニル(CDBP)等のカルバゾール化合物に、ドーパントの白金錯体、トリス-(2フェリニルピリジン)イリジウム錯体(Ir(ppy))、(ビス(4,6-ジ-フルオロフェニル)-ピリジネート-N,C2’)ピコリネートイリジウム錯体(FIr(pic))、(ビス(2-(2’-ベンゾ(4,5-α)チエニル)ピリジネート-N,C2’)(アセチルアセトネート)イリジウム錯体(BtpIr(acac))、Ir(pic)、BtIr(acac)等のイリジウム錯体をドープしたもの等があげられる。前記発光材料は、例えば、有機EL素子1の目的とする発光色に応じて、適宜選択できる。
正孔注入層121を形成する材料としては、例えば、銅フタロシアニン(Cu-Pc)、m-MTDATA、2-TNATA、およびTCTA等のスターバースト型芳香族アミン等のアリールアミン誘導体、スピロ-TAD、2,3,6,7,10,11-ヘキサシアノ-1,4,5,8,9,12-ヘキサアザトリフェニレン(HAT-CN)、ならびに、正孔注入性有機材料に五酸化バナジウムや三酸化モリブデン等を化学ドーピングしたもの等があげられる。正孔輸送層122を形成する材料としては、例えば、ビス(ジ(p-トリル)アミノフェニル)-1,1-シクロヘキサン、N,N’-ジフェニル-N-N-ビス(1-ナフチル)-1,1’-ビフェニル)-4,4’-ジアミン(α-NPD)、4,4'-ビス(m-トリルフェニルアミノ)ビフェニル(TPD)、TAPC等のトリフェニルジアミン類、トリフェニルアミンをさらに多量化したTPTR、TPTE、NTPA、スターバースト型芳香族アミン等があげられる。電子輸送層124を形成する材料としては、例えば、2-(4-ビフェニリル)-5-(4-t-ブチルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール(Bu-PBD)、2,9‐ジメチル‐4,7‐ジフェニル‐1,10‐フェナントロリン(BCP)、1,3-ビス(p-t-ブチルフェニル-1,3,4-オキサジアゾールイル)フェニル(OXD-7)等のオキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、キノリノール系の金属錯体、トリフェニルジアミン誘導体等があげられる。電子注入層125を形成する材料としては、例えば、リチウムおよびセシウム等のアルカリ金属、カルシウム等のアルカリ土類金属のフッ化物や酸化物、ならびに、マグネシウム銀、リチウムアルミニウム合金等があげられる。
陰極13は、例えば、金属(例えば、アルミニウム等)等の対向電極である。陰極13は、スリット状に間隔をあけて配置されている。陰極13の幅および前記間隙の幅(有機EL層12の面方向において、陰極13および前記スリットの長さ方向に対して垂直方向の長さ)は、特に制限されず、陰極13の幅が、例えば、0.1~5000μm、100~3000μm、200~2000μmであり、前記間隙の幅が2~10000μm、200~6000μm、400~4000μmである。
本実施形態において、陰極13は、スリット状であり、間隔をあけて配置されている。ただし、陰極13の形状は、前記スリット状には限定されず、間隔をあけて配置されていればよく、例えば、グリット状等でもよい。陰極13は、例えば、間隔をあけて配置されている陰極13が、互いに部分的に接続していてもよいし、未接続でもよい。
中間層14は、例えば、保護層、充填層、および接着層からなる群のうち少なくとも一つにより形成される層である。
前記保護層は、有機EL素子1を保護する層である。前記保護層は、例えば、水および酸素等の浸入を防ぐため、ガスバリア性を有していることが好ましい。前記保護層を形成する材料としては、ガスバリア性、および光透過性の観点から、例えば、無機酸化膜、無機酸窒化膜、無機窒化膜、および無機フッ化膜等からなる群のうち少なくとも一つを使用できる。具体的には、例えば、シリコン酸窒化膜(SiO)、シリコン酸化膜(SiO)、シリコン窒化膜(SiN)、酸化アルミニウム(Al)、酸化チタン(TiO)、およびフッ化マグネシウム(MgF)等があげられる。前記保護層は、例えば、単層からなる層でもよく、複数の層からなる層でもよい。後者の場合、例えば、ガスバリア性を高めるために、複数の前記ガスバリア性の膜を積層できる。
フレキシブル性を有する有機EL素子1とする場合、前記保護層に可撓性をもたせるため、前記保護層には、さらに緩衝層を積層してもよい。前記緩衝層を形成する材料としては、透過性、可撓性、および熱安定性の観点から、例えば、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、イミド系樹脂、アミド系樹脂、ウレタン系、およびオレフィン系樹脂、前記樹脂材料に無機材料のシリカ等を添加した有機-無機ハイブリッド材料、ならびに、塗布型のシリコン酸化膜等の無機材料があげられる。前記保護層および前記緩衝層は、例えば、交互に積層してもよい。
前記充填層は、例えば、気体および樹脂等の充填材等を含む層である。前記気体は、例えば、窒素、アルゴン、およびネオン等の不活性ガス、ならびに希ガスである。前記樹脂は、例えば、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、イミド系樹脂、アミド系樹脂、ウレタン系およびオレフィン系樹脂である。
前記接着層は、例えば、基板間の貼り合せ材を含む層である。前記貼り合せ材としては、例えば、エポキシ系、アクリル系およびシリコーン系の接着剤、ならびに粘着剤を用いたものがあげられる。
中間層14は、例えば、前記保護層、前記充填層、および前記接着層のいずれか1種類からなる層でもよく、いずれか2種類以上を組み合わせた積層構造の層でもよい。中間層14が、例えば、前記保護層、前記充填層、および前記接着層の3層を含む前記積層構造である場合、各層の積層順は、特に制限されず、例えば、前記保護層、前記充填層、および前記接着層の順に積層できる。例えば、陽極11、有機EL層12、および陰極13の有機層等に接する領域には、前記保護層が配置されていることが好ましい。前記保護層が配置されている場合、前記充填層は、配置されていても、いなくてもよい。また、例えば、前記有機層等に接する領域に、前記保護層が配置されず、前記充填層が配置されてもよい。前記保護層が配置されず、前記充填層が配置される形態は、例えば、照明分野で使用される。前記接着層は、例えば、前記保護層または前記充填層の上(前記保護層または前記充填層に接する領域であって、前記有機層等に接する領域とは反対側)に配置されている。
封止基板15は、有機EL素子1を封止する。封止基板15を形成する材料としては、例えば、無アルカリガラスおよびソーダガラス等の透明なガラス類、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PES(ポリエーテルサルフォン)、PI(ポリイミド)、およびCOP(シクロオレフィンポリマー)等のフィルム、シート類、ならびに樹脂基板等があげられる。
本実施形態によれば、陰極13が前記間隙を有する場合でも、例えば、以下(I)~(III)の少なくともいずれかの光が、陰極13の前記間隙を通過することを抑制できる。
(I)発光層から出射し、有機EL素子における界面のうち発光層よりも陽極側の界面で反射した光
(II)発光層から出射し、陰極における有機EL層に面する側の界面で反射し、さらに、発光層よりも陽極側の前記界面で反射した光
(III)発光層から出射し、陰極方向に出射した光
前記(I)において、前記有機EL素子における界面のうち発光層よりも陽極側の界面とは、例えば、図1における陽極11と基板10との界面、および基板10と大気との界面である。以下の説明において、前記有機EL素子における界面のうち発光層よりも陽極側の界面が、例えば、図1における陽極11と基板10との界面である場合について述べるが、本発明は、これには限定されず、前記界面が、例えば、図1における基板10と大気との界面である場合についても同様である。
本発明において、前記非発光面側からの発光を抑制するとは、例えば、前記(I)~(III)の光のうち、すべての光を弱めることでもよいし、一部の光を弱めることでもよい。後者の場合、例えば、前記(I)および(II)の光を弱めてもよい。一般的な有機EL素子の構造において、発光層と陰極との間隔は、例えば、数十nm程度と短いことから、前記(III)の光の影響は、問題になりにくい。したがって、例えば、前記(I)および(II)の光を弱めることによっても、前記非発光面側からの発光を抑制できる。
陰極13における有機EL層12に面する側の界面での反射の場合、例えば、前記光の位相に1/2×λのずれが生じる。一方、陽極11と基板10との界面での反射の場合、例えば、基板10よりも陽極11の屈折率が大きいため、前記光の位相にずれは生じない。
本実施形態において、発光層123と、陽極11と基板10との界面との光学距離をL1、前記発光層と、有機EL層12と陰極13との界面との光学距離をL2、および発光層123から出射する光の波長をλとした場合に、前記L1、前記L2、およびλは、下記式(7)の関係を満たす。
Figure 0007015048000006
前記式(7)において、aは、0以上の任意の整数であり、特に制限されない。aは、例えば、有機EL素子1の所望の多層膜構造等に応じて、適宜設定できる。aは、例えば、それぞれ、同じでもよいし、異なってもよい。(以下、同様。)
前記光学距離は、例えば、実距離に屈折率を乗算することにより、求めることができる。前記光学距離L1およびL2は、例えば、前記L1およびL2に含まれる各膜について前記光学距離を求め、これを加算することにより、得ることができる。
有機EL素子1において、前記光学距離L1およびL2に基づき実距離を求める場合、前記実距離は、実際には、前記計算により求められた値に対し、許容範囲内の誤差があってもよく、例えば、前記光が、干渉により弱め合うことができる範囲であればよい。
前記式(7)の関係を満たすには、例えば、正孔注入層121、正孔輸送層122、および陽極11の少なくともいずれかの膜厚を変更することにより、前記L1およびL2を調整できる。このように、前記式(7)の関係を満たすには、有機EL素子1の正孔側における前記各層の膜厚を変更することが、例えば、素子の発光・電気特性への影響が小さいため、好ましい。前記膜厚の変更は、具体的には、例えば、光学干渉の影響を受ける発光スペクトル、および外部量子効率等に基づき、最適となるL1を求め、次に、L1を構成する各層の膜厚のバランスを調整する。前記各層の膜厚のバランスは、特に制限されず、例えば、前記各層を形成する材料の移動度および注入効率等に基づき、素子に注入されるホールと電子とのキャリアバランスおよびそれによる発光効率(量子効率)等が所望の値となるよう、適宜設定できる。これにより、例えば、裏面への光漏れを抑え、且つ駆動電圧が低く発光効率の高い有機EL素子を得ることができる。ただし、これには制限されず、例えば、有機EL素子1の陰極13側における前記各層の膜厚を変更することにより、前記L1およびL2を調整してもよい。
前記L1、前記L2、およびλが前記式(7)の関係を満たすことにより、例えば、前記(I)および(II)の光の位相が、それぞれ調整され、前記(I)の光と前記(II)の光とを、例えば、逆位相とすることができる。前記(I)および(II)の光は、陰極13の前記間隙を通過し、漏れ光として、有機EL素子の非発光方向に出射される。しかし、本実施形態の有機EL素子1は、前記L1、前記L2、およびλが前記式(7)の関係を満たすことにより、前記(I)および(II)の光が、例えば、逆位相となるため、これらの光が、干渉により弱め合う。このため、図1において矢印で示すような、光の漏れを抑制できる。このように、前記式(7)の関係を満たすことにより、前記(I)および(II)の光が弱め合うため、前記式(7)は、例えば、有機EL素子の前記非発光面側からの発光において、陰極13と有機EL層12との界面での反射、および陽極11と基板10との界面での反射の寄与が大きい場合に、好適に適用できる。なお、有機EL素子1は、例えば、陰極13と有機EL層12との界面、および陽極11と基板10との界面における屈折率差が大きいことから、前記反射による寄与が大きいと考えられる。
前記(II)の光は、例えば、陰極13における反射後、前記(I)の光との干渉により、弱め合う。ただし、これには限定されず、前記(II)の光は、例えば、陰極13における反射後、さらに基板10と陽極11との界面で反射し、この光が、前記(I)の光との干渉により、弱め合ってもよい。
前記L1、前記L2、およびλが前記関係を満たすことにより、前記2つの光を、例えば、逆位相とすることができるが、本発明は、これには限定されず、前記光が、干渉により弱め合うことができればよい。干渉により弱め合うことができるとは、前記光の位相差が、例えば、135~225度、140~220度、160~200度の範囲であればよい。
前記L1、前記L2、およびλは、例えば、下記式(1)および(2)の関係を満たしてもよい。
Figure 0007015048000007
前記式(1)および(2)において、mおよびnは、0以上の任意の整数であり、特に制限されない。mおよびnは、例えば、有機EL素子1の所望の多層膜構造等に応じて、適宜設定できる。mおよびnは、例えば、それぞれ、同じでもよいし、異なってもよい。(以下、同様。)
前記L1、前記L2、およびλが前記式(1)および(2)の関係を満たすことにより、例えば、前記(I)および(II)の光の位相が、それぞれ調整され、前記(I)の光と前記(II)の光とを、例えば、逆位相とすることができる。また、前記(I)の光と前記(III)の光とを、例えば、逆位相とすることができる。前記(I)~(III)の光は、陰極13の前記間隙を通過し、漏れ光として、有機EL素子の非発光方向に出射される。しかし、本実施形態の有機EL素子1は、前記L1、前記L2、およびλが前記式(1)および(2)の関係を満たすことにより、前記(I)および(II)の光、ならびに前記(II)および(III)の光が、例えば、逆位相となるため、これらの光が、干渉により弱め合う。このため、図1において矢印で示すような、光の漏れを抑制できる。このように、前記式(1)および(2)の関係を満たすことにより、前記(I)および(II)の光、ならびに前記(II)および(III)の光が弱め合うため、前記式(1)および(2)は、例えば、有機EL素子の前記非発光面側からの発光において、陰極13と有機EL層12との界面での反射、および陽極11と基板10との界面での反射の寄与が大きい場合に、好適に適用できる。
前記L1、前記L2、およびλは、例えば、下記式(1’)および(2)の関係を満たしてもよい。下記式(1’)および(2)の関係を満たすことで、例えば、正孔注入・正孔輸送側の膜厚を十分な大きさとすることができる。このため、素子の信頼性等の観点から、好ましい。
Figure 0007015048000008
または、前記L1、前記L2、およびλは、下記式(3)および(4)の関係を満たす。
Figure 0007015048000009
前記L1、前記L2、およびλが前記式(3)および(4)の関係を満たすことにより、例えば、前記(I)および(II)の光の位相が、それぞれ調整され、前記(I)の光と前記(II)の光とを、例えば、逆位相とすることができる。また、前記(II)の光と前記(III)の光とを、例えば、逆位相とすることができる。前記(I)~(III)の光は、陰極13の前記間隙を通過し、漏れ光として、有機EL素子の非発光方向に出射される。しかし、本実施形態の有機EL素子1は、前記L1、前記L2、およびλが前記式(3)および(4)の関係を満たすことにより、前記(I)および(II)の光、ならびに前記(II)および(III)の光が、例えば、逆位相となるため、これらの光が、干渉により弱め合う。このため、図1において矢印で示すような、光の漏れを抑制できる。このように、前記式(3)および(4)の関係を満たすことにより、前記(I)および(II)の光、ならびに前記(II)および(III)の光が弱め合うため、前記式(3)および(4)は、例えば、有機EL素子の前記非発光面側からの発光において、陰極13と有機EL層12との界面での反射、および陽極11と基板10との界面での反射の寄与が大きい場合に、好適に適用できる。
または、前記L1、前記L2、およびλは、下記式(5)および(6)の少なくとも一方の関係を満たす。
Figure 0007015048000010
前記L1、前記L2、およびλが前記式(5)および(6)の少なくとも一方の関係を満たすことにより、前記(I)および(II)の少なくとも一方の光の位相が、それぞれ調整され、前記(I)の光および前記(II)の少なくとも一方の光と前記(III)の光とを、例えば、逆位相とすることができる。前記(I)~(III)の光は、陰極13の前記間隙を通過し、漏れ光として、有機EL素子の非発光方向に出射される。しかし、本実施形態の有機EL素子1は、前記L1、前記L2、およびλが前記式(5)および(6)の少なくとも一方の関係を満たすことにより、前記(I)および(III)の光、ならびに前記(II)および(III)の光の少なくとも一方が、例えば、逆位相となるため、これらの光が、干渉により弱め合う。このため、図1において矢印で示すような、光の漏れを抑制できる。このように、前記式(5)および(6)の少なくとも一方の関係を満たすことにより、前記(I)および(III)の光、ならびに前記(II)および(III)の光の少なくとも一方が弱め合うため、前記式(5)および(6)は、例えば、有機EL素子の前記非発光面側からの発光において、発光層123から出射し、陰極13方向に出射した光の寄与が大きい場合に、好適に適用できる。
または、前記L1、前記L2、およびλは、前記式(5)および(6)の関係を満たす。
前記L1、前記L2、およびλが前記式(5)および(6)の関係を満たすことにより、前記(I)および(II)の光の位相が、それぞれ調整され、前記(I)の光および前記(II)の光と前記(III)の光とを、例えば、逆位相とすることができる。また、前記L1、前記L2、およびλが前記式(5)および(6)の関係を満たすことにより、前記(I)および(II)の光の位相が、それぞれ調整され、前記(I)の光と前記(II)の光とが、例えば、同位相となる。前記(I)~(III)の光は、陰極13の前記間隙を通過し、漏れ光として、有機EL素子の非発光方向に出射される。しかし、本実施形態の有機EL素子1は、前記L1、前記L2、およびλが前記式(5)および(6)の関係を満たすことにより、前記(I)および(II)の光、ならびに前記(II)および(III)の光が、例えば、逆位相となるため、これらの光が、干渉により弱め合う。このため、図1において矢印で示すような、光の漏れを抑制できる。このように、前記式(5)および(6)の関係を満たすことにより、前記(I)および(III)の光、ならびに前記(II)および(III)の光が弱め合うため、前記式(5)および(6)は、例えば、有機EL素子の前記非発光面側からの発光において、発光層123から出射し、陰極13方向に出射した光の寄与が大きい場合に、好適に適用できる。
有機EL素子1において、陰極13の前記間隙の下部分(以下、間隙の下部分ともいう)には、例えば、図1に示すように、陽極11および有機EL層12等の層(以下、有機層等ともいう。)が配置されている。本実施形態の有機EL素子は、これには限定されない。その他の形態の一例を、図2に示す。図2は、陰極13の前記間隙の下部分に、前記有機層等が未配置の有機EL素子1を示す図である。図2に示すように、有機EL素子1において、前記間隙の下部分には、前記有機層等が未配置でもよいし、部分的に配置されていてもよいし、前記有機層等のうち一部の層が、全体または部分的に配置されてもよい。前記間隙の下部分に前記有機層等が配置されない場合、前記間隙の下部分は、例えば、後述する中間層14と同様の層により形成されることが好ましい。前記間隙の下部分に前記有機層等が配置されない場合、例えば、非発光時に、前記有機層等において、光の吸収による着色が生じにくいため、前記間隙がより透明となる。このため、前記スリット間(前記間隙)を通して有機EL素子1の反対側(裏面側)を見る場合に、好ましい。
陰極13の前記間隙の下部分に、前記有機層等が配置されない場合、陽極11は、ベタ膜形成(一面形成)されていてもよいし、図2に示すように、パターン形成されていてもよい。前記パターン形成は、例えば、陰極13における前記間隙の形状に対応してもよいし、対応しなくてもよい。前記パターンは、例えば、スリット状およびグリット状である。陽極11がパターン形成されることにより、例えば、陽極11と基板10との界面による光の反射を抑制できる。例えば、陽極11が未配置の部分において、基板10と中間層14との界面での光の反射は、陽極11と透明基板10との界面での光の反射と比較し、より小さくなるため、光を、より多く、本来の光の方向に出射できる。また、陽極11が前記一面形成されている場合、例えば、専用のエッチング工程が不要となり、プロセス負荷を軽減できる。
前記間隙の下部分に、前記有機層等のうち、一部の層が配置される場合、例えば、前記間隙の下部分に、陽極11が配置されず、有機EL層12のみが配置されてもよい。有機EL層12が配置されることにより、例えば、有機EL層12が絶縁膜の役割を果たす。そのため、有機EL素子1について、例えば、さらに、短絡防止、およびダークスポットの抑制等が可能であり、これによって、有機EL素子1の信頼性がより向上する。また、この場合、有機EL層12は、例えば、ベタ膜形成(一面形成)できるため、有機EL層12を、パターニング形成する場合と比較し、例えば、プロセス負荷をより小さくできる。
(実施形態2)
本実施形態の有機EL素子1は、図3に示すように、さらに、位相調整層16を含む点以外は、実施形態1の有機EL素子1と同様である。
位相調整層16は、例えば、基板10と陽極11との間に配置される。ただし、これには制限されず、例えば、有機EL層12と陰極13との間、ならびに、前記L1および前記L2に含まれる各層の間に設けることができる。位相調整層16は、例えば、複数の層に設けられてもよい。
位相調整層16の材料は、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂、ノルボルネン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリサルフォン樹脂、およびポリビニルアルコール等の合成樹脂系、ならびに、二酢酸セルロース、および三酢酸セルロース(TAC系樹脂)等の天然樹脂系からなるフィルムに対して、一軸または二軸延伸を行った透明樹脂を用いることができる。また、光透過性を有する、無機酸化膜、無機酸窒化膜、無機窒化膜、および無機フッ化膜等からなる群から選択されたいずれか1種または2種以上を組み合わせた材料を使用することができ、具体的には、例えば、シリコン酸窒化膜(SiO)、シリコン酸化膜(SiO)、シリコン窒化膜(SiN)、酸化アルミニウム(Al)、酸化チタン(TiO)、フッ化マグネシウム(MgF)等があげられる。また、位相調整層16の材料は、例えば、ガスバリア性を有する前記保護層と同様の材料を用いることができる。
位相調整層16を配置することにより、例えば、前記L1および前記L2を調整できる。すなわち、有機EL素子1の各層の膜厚を変更することに加えて、または代えて、位相調整層16の厚みを適宜設定することにより、前記実施形態1における前記各式の関係を満たすように、前記L1および前記L2を調整することができる。このため、例えば、有機EL素子1の各層の膜厚等について、発光効率等の光学・電気特性の観点に基づき、好ましい値とすることができる。
また、位相調整層16の厚みは、例えば、前記発光層から出射する光の波長をλとした場合に、(1/4)λ+(1/2)pλ(pは、0以上の任意の整数)としてもよい。発光層123から出射し、基板10と陽極11との界面で反射する光は、例えば、位相調整層16を往復する。このため、位相調整層16を前記厚みとすることにより、前記光の位相を、位相調整層16を透過していない光の位相と比べて、例えば、逆位相とすることができる。
位相調整層16は、例えば、1枚の位相調整層からなるものでもよいし、複数枚の位相調整層を組み合わせたものでもよい。後者の場合、位相調整層16は、例えば、(1/4)λの厚みを有する前記位相調整層と(1/2)λの厚みを有する前記位相調整層とを任意の順序で貼り合せたものでもよいし、複数枚の(1/4)λの厚みを有する前記位相調整層を貼り合せたものでもよい。
位相調整層16は、例えば、有機EL層12の面方向において、全面に配置されてもよいし、部分的に配置されてもよい。後者の場合、位相調整層16は、例えば、陰極13における前記間隙に対し、1つおきに対応するように配置されている。これにより、例えば、位相調整層16を透過した光と位相調整層16を透過していない光とを干渉させ、これらの光を弱めることができる。このため、図3において矢印で示すような、光の漏れを抑制できる。
(実施形態3)
本実施形態の有機EL素子2は、ボトムエミッションタイプの有機EL素子であることに代えて、トップエミッションタイプの有機EL素子であること以外は、実施形態1の有機EL素子1と同様である。有機EL素子2は、図4に示すように、基板20と、陽極21と、有機EL層22と、陰極23と、封止基板25とを含み、基板20上に、陽極21、有機EL層22、陰極23および封止基板25とが、前記順序で積層されている。有機EL層22は、正孔注入層221と、正孔輸送層222と、発光層223と、電子輸送層224と、電子注入層225とを含み、これらが前記順序で積層されている。陽極21は、スリット状に間隔をあけて配置されている。
本実施形態において、発光層223と、陰極23と封止基板25との界面との光学距離をL1、発光層223と、有機EL層22と陽極21との界面との光学距離をL2、および発光層223から出射する光の波長をλとした場合に、前記L1、前記L2、およびλは、実施形態1における前記各式の関係を満たす。図3に示される(I)~(III)の光は、陽極21の前記間隙を通過し、漏れ光として、有機EL素子の非発光方向に出射される。しかし、本実施形態の有機EL素子2は、前記L1、前記L2、およびλが実施形態1における前記各式の関係を満たすことにより、前記(I)~(III)の光が、例えば、逆位相となるため、これらの光が、干渉により弱め合う。このため、図4において矢印で示すような、光の漏れを抑制できる。
(実施形態4)
本発明の有機EL照明装置は、前記本発明の有機EL素子を含むことを特徴とする。本発明の有機EL照明装置によれば、非発光面側からの発光を抑制できる。
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をできる。
本発明によれば、有機EL素子における非発光面側からの発光を抑制できる。このため、例えば、本発明によれば、例えば、デザイン性の高い有機EL素子を提供できる。
1、2 有機EL素子
10、20 基板
11、21 陽極
12、22 有機EL層
121、221 正孔注入層
122、222 正孔輸送層
123、223 発光層
124、224 電子輸送層
125、225 電子注入層
13、23 陰極
14 中間層
15、25 封止基板
16 位相調整層

Claims (10)

  1. 基板と、第1の電極と、有機EL層と、第2の電極とを含み、
    前記有機EL層は、発光層を含み、
    前記基板と、前記第1の電極と、前記有機EL層と、前記第2の電極とが、この順序で積層されており、
    前記第1の電極および前記第2の電極は、一方が陽極であり、他方が陰極であり、
    前記第1の電極は、透明電極であり、
    前記第2の電極は、前記有機EL層の面方向において間隔をあけて配置されており、
    前記発光層と、有機EL素子における界面のうち前記発光層よりも前記第1の電極側の前記界面との光学距離をL1、前記発光層と、前記第2の電極における前記有機EL層に面する側の前記界面との光学距離をL2とした場合に、前記L1と前記L2との関係が、下記(I)~(III)からなる群から選択された少なくとも2つの光が干渉により弱め合う位相の光となる関係であることを特徴とする有機EL素子。
    (I)前記発光層から出射し、前記有機EL素子における界面のうち前記発光層よりも前記第1の電極側の界面で反射した光
    (II)前記発光層から出射し、前記第2の電極における前記有機EL層に面する側の界面で反射し、さらに、前記発光層よりも前記第1の電極側の前記界面で反射した光
    (III)前記発光層から出射し、前記第2の電極方向に出射した光
  2. 前記発光層から出射する光の波長をλとした場合に、前記L1、前記L2、およびλが、下記式(7)に示される関係、ならびに下記式(5)および(6)の少なくとも一方に示される関係のうち少なくとも一方の関係を満たす、請求項1記載の有機EL素子。
    Figure 0007015048000011
    Figure 0007015048000012
  3. 前記発光層から出射する光の波長をλとした場合に、前記L1、前記L2、およびλが、下記式(1)および(2)に示される関係、下記式(3)および(4)に示される関係、ならびに下記式(5)および(6)に示される関係からなる群のうち少なくとも1つの関係を満たす、請求項1または2記載の有機EL素子。
    Figure 0007015048000013
    Figure 0007015048000014
    Figure 0007015048000015
  4. 前記有機EL素子における界面のうち前記発光層よりも前記第1の電極側の前記界面が、前記第1の電極における、前記有機EL層に面する側とは反対側の界面である、請求項1から3のいずれか一項に記載の有機EL素子。
  5. 前記有機EL素子における界面のうち前記発光層よりも前記第1の電極側の前記界面が、前記基板における、前記第1の電極に面する側とは反対側の界面である、請求項1から4のいずれか一項に記載の有機EL素子。
  6. 前記第2の電極が、スリット状に配置されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の有機EL素子。
  7. さらに、位相調整層を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の有機EL素子。
  8. 前記位相調整層が、前記基板と前記第1の電極との間に配置されている、請求項7記載の有機EL素子。
  9. 前記位相調整層が、前記発光層から出射する光の波長をλとした場合に、(1/4)λ+(1/2)pλ(pは、0以上の任意の整数)の厚みを有する、請求項7または8記載の有機EL素子。
  10. 前記位相調整層が、前記第2の電極における間隙に対し、1つおきに対応するように配置されている、請求項7から9のいずれか一項に記載の有機EL素子。
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