JP6475849B2 - 光拡散透過シート及び複合粒子の製造方法 - Google Patents

光拡散透過シート及び複合粒子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、光拡散透過シートに関する。
液晶ディスプレイの高画質化に伴い、液晶ディスプレイのバックライトから出射される光を空間的に均質化するために、光拡散特性の高い光拡散透過シートに対する需要が高まっている。加えて、消費エネルギーを低減する観点から、輝度特性の高い光拡散透過シートに対する需要も高まっている。
特許文献1には、母材である樹脂と、樹脂に分散されたシリカ複合粒子とを備えた光拡散透過シートが記載されている。シリカ複合粒子は、平均粒径が100nm以下である酸化チタン微粒子を内包している。特許文献1に記載の光拡散透過シートは、高い全光線透過率及びヘイズ率を示す。なお、酸化チタンの屈折率はシリカの屈折率より大きい。
特許文献2には、光透過性基材上に設けられた内部散乱層を有する光学積層体が記載されている。内部散乱層は内部散乱粒子を含有する。内部散乱粒子は、平均粒径が1〜10μmであり、かつ、平均粒径が5〜300nmの有機材料及び/又は無機材料からなる微粒子を内包している。また、内部散乱粒子に内包された微粒子の屈折率nAは、内部散乱粒子に内包された微粒子以外の成分の屈折率nBよりも大きい。
特許文献3には、プロジェクターから投影された映像を視認するための透過型スクリーンが記載されている。透過型スクリーンは、光拡散微粒子とキセロゲルとを含有する光拡散層を有する。光拡散微粒子はキセロゲルによって担持されている。これにより、光拡散微粒子表面にキセロゲルの空隙(屈折率1.0の空気)が存在して、光拡散微粒子の空気に対する相対屈折率が非常に高くなる。このため、光拡散微粒子の効率的な光拡散が可能になる。その結果、プロジェクターから投影された映像を視認できる視野角が非常に広く、スクリーンの両面からの視認性にも優れる透過型スクリーンが提供される。特許文献3には、光拡散微粒子として、有機微粒子と少量の無機微粒子とによる複合粒子又は無機微粒子と少量の有機高分子による複合粒子が使用可能であることが記載されている。有機微粒子と少量の無機微粒子とによる複合粒子としては、メラミン樹脂又はアクリル樹脂等の微粒子の表面がシリカ等の無機微粒子で被覆された複合粒子が例示されている。なお、通常、メラミン樹脂の屈折率及びアクリル樹脂の屈折率はシリカの屈折率よりも高い。
特許文献4には、透明樹脂を含む透明基材からなる光拡散層を具備する光拡散板が記載されている。光拡散層は透明基材の内部に存在する、第一光拡散粒子及び第二光拡散粒子を含む。第二光拡散粒子の屈折率は、第一光拡散粒子の屈折率よりも大きい。第一光拡散粒子の屈折率は1.4〜1.7であり、第二光拡散粒子の屈折率は2より大きい。
特許文献5には、第1の熱可塑性樹脂で構成されたコアと、第1の熱可塑性樹脂とは異なる第2の熱可塑性樹脂で構成され、コアを被覆するシェルとを含むコアシェル構造を有する複合樹脂粒子が記載されている。複合樹脂粒子のシェルに無機粒子が偏在して含まれている。この複合樹脂粒子は、フラットパネルディスプレイ用の光散乱添加剤(光拡散剤)として利用できる。
特開2014−48427号公報 特開2009−42554号公報 特開2013−195548号公報 特開2008−40479号公報 特開2008−291253号公報
特許文献1及び2に記載の技術によれば、複合粒子に内包されている微粒子が相対的に高い屈折率を有している。また、特許文献3に記載の技術によれば、相対的に高い屈折率を有する微粒子の表面を相対的に低い屈折率を有する材料で被覆することは示唆されている。しかし、これらの技術は、複合粒子が分散している光拡散透過シートの輝度を高めるために有利であるとは限らない。また、特許文献4には、透明基材に複合粒子を分散させることは記載も示唆もされていない。
このような事情のもと、本発明は、輝度を高めるために有利な複合粒子を備えることにより高い輝度特性を有する光拡散透過シートを提供することを目的とする。
本発明は、
母材樹脂と、
1.43より高い屈折率を有する樹脂バインダー及び前記樹脂バインダーに内包された微粒子を含有し、前記母材樹脂に分散している複合粒子と、を備え、
前記微粒子は、1.43以下の屈折率を有する第一微粒子を含む、
光拡散透過シートを提供する。
上記の光拡散透過シートは、1.43より高い屈折率を有する樹脂バインダーに内包された微粒子が1.43以下の屈折率を有する第一微粒子を含むことにより、高い輝度特性を有する。
本発明の第1実施形態に係る光拡散透過シートの模式的な断面図 複合粒子の構造を模式的に示す断面図 複合粒子の内部の高屈折率の微粒子に入射する光の光路を模式的に示す図 複合粒子の内部の低屈折率の微粒子に入射する光の光路を模式的に示す図 変形例に係る複合粒子の構造を模式的に示す断面図 本発明の第2実施形態に係る光拡散透過シートの模式的な断面図 複合粒子の構造を模式的に示す断面図 本発明の第3実施形態に係る光拡散透過シートの模式的な断面図 複合粒子の構造を模式的に示す断面図 複合粒子の内部の高屈折率の微粒子に入射する光の光路を模式的に示す図 複合粒子の内部の低屈折率の微粒子に入射する光の光路を模式的に示す図 変形例に係る複合微粒子の構造を模式的に示す断面図 実施例及び比較例に係る光拡散透過シートの輝度特性を示すグラフ 実施例及び比較例に係る光拡散透過シートのヘイズ率を示すグラフ 実施例及び比較例に係る光拡散透過シートのサンプルの傷付与特性を評価するための装置の側面図 実施例及び比較例に係る光拡散透過シートの輝度特性を示すグラフ
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明は、本発明の一例に関するものであり、本発明はこれらによって限定されるものではない。
<第1実施形態>
図1に示すように、本発明の光拡散透過シート1は、母材樹脂10と、複合粒子20とを備えている。複合粒子20は、母材樹脂10に分散している。母材樹脂10は、特に限定されないが、複合粒子20の分散性に優れ、可視光に対する透明性、耐候性、耐湿性、及び耐熱性を有する樹脂であることが望ましい。例えば、母材樹脂10としては、ポリエステルポリオール、線状ポリエステル、アクリル系樹脂、アミノ樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ノルボルネン系樹脂、及びポリカーボネート樹脂等の材料が挙げられる。また、各種の熱硬化型樹脂、各種の紫外線硬化型樹脂を用いることもできる。これらの樹脂にはイソシアネート系等の硬化剤、各種の分散剤が適宜添加されていてもよい。光拡散透過シート1は、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム等の基板(図示省略)をさらに備え、その基板上に複合粒子20が分散している母材樹脂10が層状に形成されていてもよい。
図2に示すように、複合粒子20は、樹脂バインダー21及び微粒子22を含有している。樹脂バインダー21は、1.43より高い屈折率を有する。微粒子22は、樹脂バインダー21に内包されている。微粒子22は、第一微粒子22aを含む。第一微粒子22aは、1.43以下の屈折率を有する。このように、複合粒子20において、相対的に高い屈折率を有する樹脂バインダー21に相対的に低い屈折率を有する第一微粒子22aが内包されている。
図3Aに示すように、複合粒子の内部に存在する高屈折率の微粒子PHに光が入射する場合、光の一部が微粒子PHの内部で全反射を繰り返して微粒子PHの内部に閉じ込められることがある。これに対し、図3Bに示すように、複合粒子の内部に存在する低屈折率の微粒子PLに光が入射する場合、光が微粒子PLの内部に閉じ込められにくく、微粒子PLに入射した光の多くが光拡散透過シート1の前方に向かって進む。上記の通り、複合粒子20において、相対的に高い屈折率を有する樹脂バインダー21に相対的に低い屈折率を有する第一微粒子22aが内包されているので、微粒子22に閉じ込められる光の割合が低減される。その結果、光拡散透過シート1は高い輝度特性を有する。
樹脂バインダー21の屈折率は、望ましくは1.44以上であり、より望ましくは1.50以上である。また、樹脂バインダー21の屈折率は、例えば1.55以下である。第一微粒子22aの屈折率は、望ましくは1.42以下であり、より望ましくは1.38以下である。望ましくは、樹脂バインダー21の屈折率nBから第一微粒子22aの屈折率nFを差し引いた差nB−nFが0.1以上である。これにより、樹脂バインダー21と第一微粒子22aとの屈折率差が大きくなり、第一微粒子22aに入射した光が拡散(散乱)しやすい。このため、光拡散透過シート1が高い輝度特性を有するとともに高い拡散特性を有する。第一微粒子22aの屈折率は、例えば1.30以上である。
樹脂バインダー21は、微粒子22を内包でき、可視光に対する透明性を有する。複合粒子20の硬度を低下させて光拡散透過シート1に接する部材を傷付ける可能性を低減する観点から、樹脂バインダー21は、望ましくは、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、及びナイロンからなる群から選ばれる少なくとも1つの樹脂を含む。中でも、樹脂バインダー21はポリウレタン樹脂であることが望ましい。
第一微粒子22aは、例えばフッ化マグネシウム微粒子である。フッ化マグネシウムの屈折率は1.38であるので、フッ化マグネシウム微粒子は第一微粒子22aとして望ましい屈折率を有する。
複合粒子20が母材樹脂10に均一に分散できるように、複合粒子20の平均粒径が所定の範囲に収まっていることが望ましい。このような観点から、複合粒子20の平均粒径は、例えば1μm〜20μmであり、望ましくは1μm〜15μmであり、より望ましくは4μm〜15μmである。これにより、光拡散透過シート1における光学特性の空間的なばらつきを防止できる。また、複合粒子20が凝集したときに生じる一次粒子同士の間の空隙に光が進入することによる光の反射ロスを低減できる。これにより、光拡散透過シート1の輝度特性を向上させることができる。さらに、光拡散透過シート1において光が屈折する界面を十分に確保できる。これにより、光拡散透過シート1の光拡散特性を高めることができる。なお、本明細書で「平均粒径」とは、レーザー回折法で測定した体積基準のD50を意味する。また、「平均粒径」は、光拡散透過シート1の断面又は複合粒子20の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)又は透過型電子顕微鏡(TEM)で観察するときに視認可能な50個以上の粒子の最大径の平均値として求められてもよい。
複合粒子20の形状は、光拡散透過シート1に空間的に均一な光拡散特性を付与する観点から、アスペクト比が1〜2である粒状であることが望ましい。ここで、アスペクト比とは、複合粒子20の長径daの複合粒子20の短径dbに対する比(da/db)を意味する。
第一微粒子22aの平均粒径は、例えば10nm〜10μmである。第一微粒子22aの平均粒径は、望ましくは100nm〜1μmであり、より望ましくは100nm〜300nmである。これにより、複合粒子20において第一微粒子22aが均一に分散しやすく、第一微粒子22aが樹脂バインダー21に適切に内包される。
光拡散透過シート1における複合粒子20の含有率は、例えば55質量%以上であり、望ましくは60質量%以上であり、より望ましくは64質量%以上である。これにより、光拡散透過シート1が高い輝度特性を確実に有し、良好な光拡散特性を有する。また、光拡散透過シート1における複合粒子20の含有率は、例えば70質量%以下であり、望ましくは68質量%以下であり、より望ましくは66質量%以下である。これにより、複合粒子20が母材樹脂10に適切に分散し、例えば光拡散透過シート1の表面に複合粒子20が露出することを抑制できる。
複合粒子20における微粒子22の含有率は、例えば30質量%〜99質量%であり、望ましくは30質量%〜95質量%であり、より望ましくは50質量%〜90質量%である。複合粒子20における樹脂バインダー21の含有率は、例えば1質量%〜70質量%であり、望ましくは5質量%〜70質量%であり、より望ましくは10質量%〜50質量%である。これにより、光拡散透過シート1が良好な光拡散特性を有する。
複合粒子20における第一微粒子22aの含有率は、例えば1質量%〜26質量%であり、望ましくは2質量%〜10質量%であり、より望ましくは4質量%〜9質量%である。これにより、光拡散透過シート1は、より確実に高い輝度特性を有する。
図2に示すように、微粒子22は、例えば第二微粒子22bを含んでいてもよい。この場合、第二微粒子22bは、例えば、シリカ、シリコーン、フッ素樹脂、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、硫化亜鉛、水酸化アルミニウム、ガラス、及び体質顔料からなる群から選ばれる少なくとも1種の微粒子である。これにより、より高い輝度特性を有する光拡散透過シート又は多様な光学特性を有する光拡散透過シートを提供できる。
第二微粒子22bの平均粒径は、例えば1nm〜1μmであり、望ましくは2nm〜600nmであり、より望ましくは2nm〜400nmである。これにより、複合粒子20において第二微粒子22bが均一に分散しやすく、第二微粒子22bが樹脂バインダー21に適切に内包される。
微粒子22は、第二微粒子22bのように、第一微粒子22aとは別の種類の微粒子を含んでいてもよい。この場合、複合粒子20は、望ましくは樹脂バインダー21よりも低い屈折率を有する微粒子のみを微粒子22として含有している。これにより、微粒子22の内部に光が閉じ込められないので、光拡散透過シート1がより確実に高い輝度特性を有する。
複合粒子20は、例えば、微粒子22として、フッ化マグネシウム、シリカ、シリコーン、及びフッ素樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1つの微粒子を含有している。フッ化マグネシウム、シリカ、シリコーン、及びフッ素樹脂は、比較的低い屈折率を有するので、複合粒子20の微粒子22の屈折率が樹脂バインダー21の屈折率よりも低くなりやすい。このため、光拡散透過シート1の輝度特性を高めるのに有利である。
複合粒子20は、例えば、微粒子22として、フッ化マグネシウム微粒子及びシリカ微粒子のみを含有している。この場合、複合粒子20の微粒子22の屈折率が樹脂バインダー21の屈折率よりも低くなりやすいことに加えて、複合粒子20が所望の機械的強度を有しやすい。
図4に示すように、例えば、複合粒子20は、微粒子22として、第一微粒子22aのみを含有していてもよい。この場合、例えば、複合粒子20は、微粒子22として、フッ化マグネシウム微粒子のみを含有している。これにより、複合粒子20の微粒子22の屈折率が樹脂バインダー21の屈折率よりも低くなりやすい。
次に、光拡散透過シート1の製造方法の一例を説明する。樹脂バインダー21と、少なくとも第一微粒子22aを含む微粒子22とが分散しているゾル液を調製する。ゾル液には、必要に応じて、第一微粒子22aとは異なる種類の微粒子22、蛍光染料、蛍光増白剤、染料、又は顔料を分散させる。調製したゾル液を用いて噴霧乾燥を行うことにより複合粒子20を得ることができる。ゾル液における固体成分の含有量及び噴霧乾燥における噴霧条件を調整することにより、一次粒子の凝集を抑制して複合粒子20の粒径を適切な範囲に制御することができる。
また、樹脂バインダー21となる溶融樹脂に、少なくとも第一微粒子22aを含む微粒子22を添加し、必要に応じて、第一微粒子22aとは異なる種類の微粒子22、蛍光染料、蛍光増白剤、染料、又は顔料を添加して混錬し、これらの添加物を溶融樹脂に均一に混ぜ合わせる。このようにして得られた樹脂の塊を粉砕して所定の粒径に調整することによっても複合粒子20を得ることができる。ただし、微粒子22などを樹脂バインダー21に均一に分散させ、又は、望ましい粒径及び形状の複合粒子20を効率的に製造する観点から、ゾル液の調製及び噴霧乾燥によって複合粒子20を作製することが望ましい。
上記のようにして作製した複合粒子20を、母材樹脂10を含有している流動体に均一に分散させる。このようにして、母材樹脂10及び複合粒子20を含有するインクを調製する。このインクをPETフィルム等の基板上に塗布してインクを固化させることにより光拡散透過シート1を得ることができる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態の光拡散透過シート201について説明する。特許文献1に記載のシリカ複合粒子は、シリカと酸化チタンとの2成分系であるので、光拡散透過シートの光学特性を調整するための余地が少ない。例えば、シリカ複合粒子におけるシリカの含有率及び酸化チタンの含有率を調整して光拡散透過シートの輝度特性を高めようとしても、光拡散透過シートの輝度特性を十分に高めにくい可能性がある。また、光拡散透過シートは、光拡散透過シートに他の部材が重ねられた状態で使用される可能性がある。この場合、光拡散透過シートが他の部材を傷付けにくいことが重要である。特許文献2〜4によれば、他の部材を傷付けにくくするために有利な複合粒子に関する具体的な検討はなされていない。
このような事情のもと、光拡散透過シートの輝度特性を高めるために有利であり、かつ、光拡散透過シートに重ねられる他の部材を傷付けにくくするために有利である複合粒子を備えた光拡散透過シートを提供することを目的として、光拡散透過シート201が案出されている。
図5に示すように、本発明の光拡散透過シート201は、母材樹脂210と、複合粒子220とを備えている。複合粒子220は、母材樹脂210に分散している。母材樹脂210は、特に限定されないが、複合粒子220の分散性に優れ、可視光に対する透明性、耐候性、耐湿性、及び耐熱性を有する樹脂であることが望ましい。例えば、母材樹脂210としては、ポリエステルポリオール、線状ポリエステル、アクリル系樹脂、アミノ樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ノルボルネン系樹脂、及びポリカーボネート樹脂等の材料が挙げられる。また、各種の熱硬化型樹脂、各種の紫外線硬化型樹脂を用いることもできる。これらの樹脂にはイソシアネート系等の硬化剤、各種の分散剤が適宜添加されていてもよい。光拡散透過シート201は、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム等の基板(図示省略)をさらに備え、その基板上に複合粒子220が分散している母材樹脂210が層状に形成されていてもよい。
図6に示すように、複合粒子220は、樹脂バインダー221及び微粒子222を含有している。微粒子222は、樹脂バインダー221に内包されている。微粒子222は、第一微粒子としてのフッ化マグネシウム微粒子222aと、シリカ微粒子222bとを含んでいる。複合粒子220における樹脂バインダー221の含有率が40質量%〜80質量%であり、かつ、複合粒子220における微粒子222の含有率が20質量%〜60質量%である。これにより、複合粒子220は、光拡散透過シート201の輝度特性を高め、光拡散透過シート201に重ねられる他の部材を傷付けにくくするうえで有利である。
複合粒子220が母材樹脂210に均一に分散できるように、複合粒子220の平均粒径が所定の範囲に収まっていることが望ましい。このような観点から、複合粒子220の平均粒径は、例えば1μm〜20μmであり、望ましくは1μm〜15μmであり、より望ましくは4μm〜15μmである。これにより、光拡散透過シート201における光学特性の空間的なばらつきを防止できる。また、複合粒子220が凝集したときに生じる一次粒子同士の間の空隙に光が進入することによる光の反射ロスを低減できる。これにより、光拡散透過シート201の輝度特性を向上させることができる。さらに、光拡散透過シート201において光が屈折する界面を十分に確保できる。これにより、光拡散透過シート201の光拡散特性を高めることができる。
複合粒子220の形状は、光拡散透過シート201に空間的に均一な光拡散特性を付与する観点から、アスペクト比が1〜2である粒状であることが望ましい。ここで、アスペクト比とは、複合粒子220の長径daの複合粒子220の短径dbに対する比(da/db)を意味する。
フッ化マグネシウム微粒子222aの平均粒径は、例えば10nm〜10μmである。フッ化マグネシウム微粒子222aの平均粒径は、望ましくは100nm〜1μmであり、より望ましくは100nm〜300nmである。これにより、複合粒子220においてフッ化マグネシウム微粒子222aが均一に分散しやすく、フッ化マグネシウム微粒子222aが樹脂バインダー221に適切に内包される。フッ化マグネシウム微粒子222aの表面には、製造上の理由により、鋭い部分が形成されることがある。この場合でも、フッ化マグネシウム微粒子222aの平均粒径が上記の範囲であれば、複合粒子220において、フッ化マグネシウム微粒子222aの表面が露出することを抑制できる。このため、複合粒子220は、光拡散透過シート201に重ねられる他の部材を傷付けにくくするために有利である。
シリカ微粒子222bの平均粒径は、例えば1nm〜1μmであり、望ましくは2nm〜600nmであり、より望ましくは2nm〜400nmである。これにより、複合粒子220においてシリカ微粒子222bが均一に分散しやすく、シリカ微粒子222bが樹脂バインダー221に適切に内包される。シリカ微粒子222bは、例えば球形状である。
フッ化マグネシウムは比較的低い屈折率(1.38)を有する。このため、多くの場合、フッ化マグネシウム微粒子222aは、樹脂バインダー221の屈折率よりも低い屈折率を有する。これにより、フッ化マグネシウム微粒子222aに入射した光がフッ化マグネシウム微粒子222aの内部で全反射を繰り返してフッ化マグネシウム微粒子222aの内部に閉じ込められることが抑制される。その結果、より多くの光が光拡散透過シート201を透過するので、光拡散透過シート201が高い輝度特性を有する。
シリカの屈折率は約1.45である。このように、複合粒子220における微粒子222は、それぞれ異なる屈折率を有するフッ化マグネシウム微粒子222a及びシリカ微粒子222bを含む。このため、複合粒子220におけるフッ化マグネシウム微粒子222aの含有率及び複合粒子220におけるシリカ微粒子222bの含有率を調整することにより光拡散透過シート201の光学特性を幅広く調整できる。
複合粒子220は、微粒子222として、シリカ、シリコーン、フッ素樹脂、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニア、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、硫化亜鉛、水酸化アルミニウム、ガラス、及び体質顔料からなる群から選ばれる少なくとも1種の微粒子をさらに含んでいてもよい。これにより、複合粒子220に多様な光学特性又は機械的特性を付与できる。また、光拡散透過シート201の光学特性をより幅広く調整できる。
一方、複合粒子220は、微粒子222として、フッ化マグネシウム微粒子222a及びシリカ微粒子222bのみを含有していてもよい。この場合でも、光拡散透過シート201は高い輝度特性を有する。加えて、複合粒子220における各種類の微粒子222の含有率の調整が過度に複雑になることを防止できる。
樹脂バインダー221は、微粒子222を内包でき、所定の波長域の光(例えば、可視光)に対する透明性を有する。また、光拡散透過シート201において光の直進性を高めて光拡散透過シート201の輝度特性を高める観点から、母材樹脂210の屈折率nMと樹脂バインダー221の屈折率nBとの差|nB−nM|が小さいことが望ましい。この観点から、|nB−nM|は0.1以下である。一方、フッ化マグネシウム微粒子222aの内部に光が閉じ込められることが確実に抑制されるように、樹脂バインダー221は、フッ化マグネシウムの屈折率よりも高い屈折率を有することが望ましい。樹脂バインダー221の屈折率は、例えば、1.50〜1.55である。
複合粒子220の硬度を低下させて光拡散透過シート201に接する部材を傷付ける可能性を低減する観点から、樹脂バインダー221は、望ましくは、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、及びナイロンからなる群から選ばれる少なくとも1つの樹脂を含む。中でも、樹脂バインダー221はポリウレタン樹脂であることが望ましい。
光拡散透過シート201における複合粒子20の含有率は、例えば55質量%以上であり、望ましくは60質量%以上であり、より望ましくは64質量%以上である。これにより、光拡散透過シート201が高い輝度特性を確実に有し、良好な光拡散特性を有する。また、光拡散透過シート201における複合粒子202の含有率は、例えば70質量%以下であり、望ましくは68質量%以下であり、より望ましくは66質量%である。これにより、複合粒子220が母材樹脂210に適切に分散し、例えば光拡散透過シート201の表面に複合粒子220が露出することを抑制できる。
複合粒子220におけるフッ化マグネシウム微粒子222aの含有率は、例えば1質量%〜26質量%であり、望ましくは2質量%〜10質量%であり、より望ましくは4質量%〜9質量%である。これにより、光拡散透過シート201は、より確実に高い輝度特性を有する。
複合粒子220におけるシリカ微粒子222bの含有率は、例えば1質量%〜59質量%であり、望ましくは20質量%〜59質量%であり、より望ましくは20質量%〜49質量%である。これにより、光拡散透過シート201は、より確実に高い輝度特性を有する。
次に、光拡散透過シート201の製造方法の一例を説明する。樹脂バインダー221と、少なくともフッ化マグネシウム微粒子222a及びシリカ微粒子222bを含む微粒子222とが分散しているゾル液を調製する。ゾル液には、必要に応じて、フッ化マグネシウム微粒子222a及びシリカ微粒子222bとは異なる種類の微粒子222、蛍光染料、蛍光増白剤、染料、又は顔料を分散させる。調製したゾル液を用いて噴霧乾燥を行うことにより複合粒子220を得ることができる。ゾル液における固体成分の含有量及び噴霧乾燥における噴霧条件を調整することにより、一次粒子の凝集を抑制して複合粒子220の粒径を適切な範囲に制御することができる。
また、樹脂バインダー221となる溶融樹脂に、少なくともフッ化マグネシウム微粒子222a及びシリカ微粒子222bを含む微粒子222を添加し、必要に応じて、フッ化マグネシウム微粒子222a及びシリカ微粒子222bとは異なる種類の微粒子222、蛍光染料、蛍光増白剤、染料、又は顔料を添加して混錬し、これらの添加物を溶融樹脂に均一に混ぜ合わせる。このようにして得られた樹脂の塊を粉砕して所定の粒径に調整することによっても複合粒子220を得ることができる。ただし、微粒子222などを樹脂バインダー221に均一に分散させ、又は、望ましい粒径及び形状の複合粒子220を効率的に製造する観点から、ゾル液の調製及び噴霧乾燥によって複合粒子220を作製することが望ましい。
上記のようにして作製した複合粒子220を、母材樹脂210を含有している流動体に均一に分散させる。このようにして、母材樹脂210及び複合粒子220を含有するインクを調製する。このインクをPETフィルム等の基板上に塗布してインクを固化させることにより光拡散透過シート201を得ることができる。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態に係る光拡散透過シート301について説明する。特許文献1及び2に記載の技術によれば、複合粒子に内包されている微粒子が相対的に高い屈折率を有している。また、特許文献3に記載の技術によれば、相対的に高い屈折率を有する微粒子の表面を相対的に低い屈折率を有する材料で被覆することは示唆されている。しかし、これらの技術は、複合粒子が分散している光拡散透過シートの輝度を高めるために有利であるとは限らない。また、特許文献4には、透明基材に複合粒子を分散させることは記載も示唆もされていない。特許文献5に記載の技術は、専らシェルに微粒子を偏在させることを目的としており、光拡散透過シートの輝度を高めるために有利であるとは限らない。
特許文献2に記載の技術によれば、内部散乱粒子をマトリックス樹脂中に分散させる場合に、マトリックス樹脂を溶かすために又は内部散乱粒子を分散させるために使用される有機溶剤に内部散乱粒子の有機材料が溶出する可能性がある。特許文献1、3〜5によれば、複合粒子の樹脂成分の有機溶剤への溶出に関して具体的な検討はなされていない。
このような事情のもと、光拡散透過シートの輝度特性を高めるために有利であり、かつ、樹脂バインダーの有機溶剤への溶出を抑制するために有利である複合粒子を備えた光拡散透過シートを提供することを目的として光拡散透過シート301が案出されている。
図7に示すように、本発明の光拡散透過シート301は、母材樹脂310と、コアシェル構造を有する複合粒子320とを備えている。複合粒子320は、母材樹脂310に分散している。母材樹脂310は、特に限定されないが、複合粒子320の分散性に優れ、可視光に対する透明性、耐候性、耐湿性、及び耐熱性を有する樹脂であることが望ましい。例えば、母材樹脂310としては、ポリエステルポリオール、線状ポリエステル、アクリル系樹脂、アミノ樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ノルボルネン系樹脂、及びポリカーボネート樹脂等の材料が挙げられる。また、各種の熱硬化型樹脂、各種の紫外線硬化型樹脂を用いることもできる。これらの樹脂にはイソシアネート系等の硬化剤、各種の分散剤が適宜添加されていてもよい。光拡散透過シート301は、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム等の基板(図示省略)をさらに備え、その基板上に複合粒子320が分散している母材樹脂10が層状に形成されていてもよい。
図8に示すように、複合粒子320は、コア320aと、シェル320bとを備えている。コア320aは、第一樹脂バインダー321と、コア微粒子322とによって形成されている。第一樹脂バインダー321は、1.43より高い屈折率を有する。コア微粒子322は、第一樹脂バインダー321に内包されている。また、コア微粒子322は、1.43以下の屈折率を有する低屈折率微粒子322a(第一微粒子に相当する)を含む。シェル320bは、第二樹脂バインダー323と、第二樹脂バインダー323に内包されたシェル微粒子324とによって形成されている。シェル320bは、コア320aの表面の少なくとも一部を覆っている。シェル320bは、望ましくは、コア320aの表面全体を覆っている。複合粒子320は、2個以上のコア320aを備えていてもよい。
図9Aに示すように、コアの内部に存在する高屈折率の微粒子PHに光が入射する場合、光の一部が微粒子PHの内部で全反射を繰り返して微粒子PHの内部に閉じ込められることがある。これに対し、図9Bに示すように、コアの内部に存在する低屈折率の微粒子PLに光が入射する場合、光が微粒子PLの内部に閉じ込められにくく、微粒子PLに入射した光の多くが光拡散透過シート301の前方に向かって進む。上記の通り、コア320aにおいて、相対的に高い屈折率を有する第一樹脂バインダー321に相対的に低い屈折率を有する低屈折率微粒子322aが内包されているので、コア微粒子322に閉じ込められる光の割合が低減される。その結果、光拡散透過シート301は高い輝度特性を有する。
また、シェル微粒子324が内包されたシェル320bを複合粒子320が備えていることにより、光拡散透過シート301の製造過程において複合粒子320が有機溶剤に接触する場合でも、第一樹脂バインダー321が有機溶剤に溶出しにくい。加えて、複合粒子320が、コア320aに加えて、シェル320bを備えていることにより、系の組成の調整の自由度が向上する。その結果、複合粒子320の光学特性を向上させやすい。例えば、光拡散透過シート301の輝度特性又は光拡散特性(ヘイズ率)を有利に向上させることができる。
第一樹脂バインダー321の屈折率は、望ましくは1.44以上であり、より望ましくは1.50以上である。また、第一樹脂バインダー321の屈折率は、例えば1.55以下である。低屈折率微粒子322aの屈折率は、望ましくは1.42以下であり、より望ましくは1.38以下である。望ましくは、第一樹脂バインダー321の屈折率nBから低屈折率微粒子322aの屈折率nFを差し引いた差nB−nFが0.1以上である。これにより、第一樹脂バインダー321と低屈折率微粒子322aとの屈折率差が大きくなり、低屈折率微粒子322aに入射した光が拡散(散乱)しやすい。このため、光拡散透過シート301が高い輝度特性を有するとともに良好な光拡散特性を有する。低屈折率微粒子322aの屈折率は、例えば1.30以上である。
第一樹脂バインダー321は、コア微粒子322を内包でき、可視光に対する透明性を有する。複合粒子320の硬度を低下させて光拡散透過シート301に接する部材を傷付ける可能性を低減する観点から、第一樹脂バインダー321は、望ましくは、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、及びナイロンからなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂を含む。中でも、第一樹脂バインダー321はポリウレタン樹脂であることが望ましい。
低屈折率微粒子322aは、例えばフッ化マグネシウム微粒子である。フッ化マグネシウムの屈折率は1.38であるので、フッ化マグネシウム微粒子は低屈折率微粒子322aとして望ましい屈折率を有する。
複合粒子320が母材樹脂310に均一に分散できるように、複合粒子320の平均粒径が所定の範囲に収まっていることが望ましい。このような観点から、複合粒子320の平均粒径は、例えば1μm〜20μmであり、望ましくは1μm〜15μmであり、より望ましくは4μm〜15μmである。これにより、光拡散透過シート301における光学特性の空間的なばらつきを防止できる。また、複合粒子320が凝集したときに生じる一次粒子同士の間の空隙に光が進入することによる光の反射ロスを低減できる。その結果、光拡散透過シート301の輝度特性を向上させることができる。さらに、光拡散透過シート301において光が屈折する界面を十分に確保できる。これにより、光拡散透過シート301の光拡散特性を高めることができる。
複合粒子320の形状は、光拡散透過シート301に空間的に均一な光拡散特性を付与する観点から、アスペクト比が1〜2である粒状であることが望ましい。ここで、アスペクト比とは、複合粒子320の長径daの複合粒子320の短径dbに対する比(da/db)を意味する。
低屈折率微粒子322aの平均粒径は、例えば10nm〜10μmである。低屈折率微粒子322aの平均粒径は、望ましくは100nm〜1μmであり、より望ましくは100nm〜300nmである。これにより、コア320aにおいて低屈折率微粒子322aが均一に分散しやすく、低屈折率微粒子322aが第一樹脂バインダー321に適切に内包される。
光拡散透過シート301における複合粒子320の含有率は、例えば55質量%以上であり、望ましくは60質量%以上であり、より望ましくは64質量%以上である。これにより、光拡散透過シート301が高い輝度特性を確実に有し、良好な光拡散特性を有する。また、光拡散透過シート301における複合粒子320の含有率は、例えば70質量%以下であり、望ましくは68質量%以下であり、より望ましくは66質量%である。これにより、複合粒子320が母材樹脂310に適切に分散し、例えば光拡散透過シート301の表面に複合粒子320が露出することを抑制できる。
複合粒子320におけるコア320aの質量が複合粒子320の質量全体に占める割合は、例えば1%〜50%であり、望ましくは2%〜30%であり、より望ましくは4%〜25%である。一方、複合粒子320におけるシェル320bの質量が複合粒子320の質量全体に占める割合は、例えば50%〜99%であり、望ましくは70%〜98%であり、より望ましくは75%〜96%である。これにより、第一樹脂バインダー321の有機溶剤への溶出を確実に抑制できるとともに、多くの入射光をコア320aまで導くことができる。その結果、光拡散透過シート301がより確実に高い輝度特性又は良好な光拡散特性を有する。
コア320aにおけるコア微粒子322の含有率は、例えば30質量%〜99質量%であり、望ましくは30質量%〜95質量%であり、より望ましくは50質量%〜90質量%である。複合粒子320における第一樹脂バインダー321の含有率は、例えば1質量%〜70質量%であり、望ましくは5質量%〜70質量%であり、より望ましくは10質量%〜50質量%である。これにより、光拡散透過シート301がより確実に高い輝度特性又は良好な光拡散特性を有する。
コア320aにおける低屈折率微粒子322aの含有率は、例えば1質量%〜26質量%であり、望ましくは2質量%〜10質量%であり、より望ましくは4質量%〜9質量%である。これにより、光拡散透過シート301は、より確実に高い輝度特性を有する。
図8に示すように、コア微粒子322は、低屈折率微粒子322aとは異なる種類の微粒子を含んでいてもよい。例えば、コア微粒子322は、シリカ、シリコーン、フッ素樹脂、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、硫化亜鉛、水酸化アルミニウム、ガラス、及び体質顔料からなる群から選ばれる少なくとも1種の微粒子をさらに含んでいてもよい。これにより、より高い輝度特性を有する光拡散透過シート301又は多様な光学特性を有する光拡散透過シート301を提供できる。
コア微粒子322に含まれる、低屈折率微粒子322a以外の微粒子の平均粒径は、例えば1nm〜1μmであり、望ましくは2nm〜600nmであり、より望ましくは2nm〜400nmである。これにより、コア微粒子322に含まれる、低屈折率微粒子322a以外の微粒子が均一に分散しやすく、第一樹脂バインダー321に適切に内包される。
コア微粒子322は、望ましくは、第一樹脂バインダー321の屈折率よりも低い屈折率を有する微粒子のみを含む。これにより、コア微粒子322の内部に光が閉じ込められないので、光拡散透過シート301がより確実に高い輝度特性を有する。
コア微粒子322は、第一樹脂バインダー321の屈折率よりも低い屈折率を有する微粒子のみを含む場合、例えば、フッ化マグネシウム、シリカ、シリコーン、及びフッ素樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の微粒子を含む。フッ化マグネシウム、シリカ、シリコーン、及びフッ素樹脂は、比較的低い屈折率を有するので、コア微粒子322の屈折率が第一樹脂バインダー321の屈折率よりも低くなりやすい。このため、フッ化マグネシウム、シリカ、シリコーン、及びフッ素樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の微粒子の使用は、光拡散透過シート301の輝度特性を高めるのに有利である。
コア微粒子322は、例えばフッ化マグネシウム微粒子及びシリカ微粒子のみを含む。この場合、複合粒子320のコア微粒子322の屈折率が第一樹脂バインダー321の屈折率よりも低くなりやすいことに加えて、複合粒子320が所望の機械的強度を有しやすい。
図10に示すように、コア微粒子322は、低屈折率微粒子322aのみを含んでいてもよい。この場合、コア微粒子322は、例えば、フッ化マグネシウム微粒子のみを含む。これにより、光拡散透過シート301がより確実に高い輝度特性を有する。
シェル微粒子324としては、光拡散透過シート301に所定の光学特性を付与し、第一樹脂バインダー321の有機溶媒への溶出を適切に抑制する観点から様々な微粒子を利用できる。例えば、シェル微粒子324は、フッ化マグネシウム、シリカ、シリコーン、フッ素樹脂、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、硫化亜鉛、水酸化アルミニウム、ガラス、及び体質顔料からなる群から選ばれる少なくとも1種の微粒子を含む。
シェル微粒子324の平均粒径は、例えば1nm〜10μmであり、望ましくは2nm〜2μmであり、より望ましくは2nm〜1μmである。これにより、シェル320bにおいてシェル微粒子324が均一に分散しやすく、シェル微粒子324が第二樹脂バインダー323に適切に内包される。
第二樹脂バインダー323は、シェル微粒子324を内包でき、可視光に対する透明性を有する。複合粒子320の硬度を低下させて光拡散透過シート301に接する部材を傷付ける可能性を低減する観点から、第二樹脂バインダー323は、望ましくは、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、及びナイロンからなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂を含む。中でも、第二樹脂バインダー323はポリウレタン樹脂であることが望ましい。
シェル320bにおけるシェル微粒子324の含有率は、例えば1質量%〜99質量%であり、望ましくは30質量%〜95質量%であり、より望ましくは75質量%〜90質量%である。シェル320bにおける第二樹脂バインダー323の含有率は、例えば1質量%〜99質量%であり、望ましくは5質量%〜70質量%であり、より望ましくは10質量%〜25質量%である。これにより、第一樹脂バインダー321が有機溶剤に溶出することが有利に抑制される。また、複合粒子320の硬度が過度に高くなることが防止される。その結果、光拡散透過シート301が、光拡散透過シート301に接する他の部材を傷付けにくい。
次に、光拡散透過シート301の製造方法の一例を説明する。第一樹脂バインダー321の原料と、低屈折率微粒子322aを含むコア微粒子322とが分散しているゾル液を調製する。ゾル液は、例えば、第一樹脂バインダー321の原料を含むエマルジョンと低屈折率微粒子322aを含むコロイド液とを混合することによって調製される。ゾル液には、必要に応じて、蛍光染料、蛍光増白剤、染料、又は顔料を分散させてもよい。調製したゾル液を用いて噴霧乾燥を行うことによりコア320aを得ることができる。ゾル液における固体成分の含有量及び噴霧乾燥における噴霧条件を調整することにより、一次粒子の凝集を抑制してコア320aの粒径を適切な範囲に制御することができる。
また、噴霧乾燥を行う代わりに、ゾル液に所定の架橋剤を添加して加熱することにより第一樹脂バインダー321の原料を架橋させて、コア320aを形成してもよい。
また、第一樹脂バインダー321の原料となる溶融樹脂に、低屈折率微粒子322aを含むコア微粒子322を添加し、必要に応じて、蛍光染料、蛍光増白剤、染料、又は顔料を添加して混錬し、これらの添加物を溶融樹脂に均一に混ぜ合わせる。このようにして得られた樹脂の塊を粉砕して所定の粒径に調整することによってもコア320aを得ることができる。ただし、コア微粒子322を第一樹脂バインダー321に均一に分散させ、又は、望ましい粒径及び形状のコア320aを効率的に製造する観点から、ゾル液の調製及び噴霧乾燥又は架橋剤の添加によってコア320aを作製することが望ましい。
次に、コア320aと、第二樹脂バインダー323の原料と、シェル微粒子324とが分散しているゾル液を調製する。調製したゾル液を用いて噴霧乾燥を行うことにより、コアシェル構造を有する複合粒子320を製造できる。ゾル液における固体成分の含有量及び噴霧乾燥における噴霧条件を調整することにより、所望の粒径及び所望の特性を有する複合粒子320を製造できる。
所定の架橋剤の添加によりコア320aを形成する場合、第一樹脂バインダー321の原料と、1.43以下の屈折率を有する低屈折率微粒子322aを含むコア微粒子322とが分散している第一ゾル液を調製し、第一ゾル液に第一樹脂バインダー321の原料を架橋させるための架橋剤を添加して第一樹脂バインダー321の原料を架橋させてコア320aを形成する。そのうえで、コア320aと、第二樹脂バインダー323の原料と、シェル微粒子324とが分散している第二ゾル液を調製し、第二ゾル液を噴霧乾燥する。この場合、1回の噴霧乾燥で複合粒子320を製造できる。
上記のようにして作製した複合粒子320を、母材樹脂310を含有している流動体に均一に分散させる。このようにして、母材樹脂310及び複合粒子320を含有するインクを調製する。このインクをPETフィルム等の基板上に塗布してインクを固化させることにより光拡散透過シート301を得ることができる。
実施例を用いて本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。まず、第1実施形態に係る実施例及び比較例について説明する。
<実施例>
フッ化マグネシウム(関東化学社製、屈折率:1.38)を湿式ビーズミル(ビーズ径:2mm)によって粉砕して得られたフッ化マグネシウム微粒子(平均粒径:0.25μm)の水分散体(フッ化マグネシウム濃度:5.5質量%)4.9重量部と、シリカ微粒子のコロイド液A(日産化学工業社製、シリカ微粒子の平均粒径:2nm〜3nm、シリカ微粒子の屈折率:約1.45、商品名:スノーテックス XS)18.1重量部と、シリカ微粒子のコロイド液B(日本化学工業社製、シリカ微粒子の平均粒径:7nm〜10nm、シリカ微粒子の屈折率:約1.45、商品名:シリカドール30S)42.7重量部と、ポリウレタンエマルジョンA(三井化学社製、商品名:タケラック W−6020、ポリウレタンの屈折率:1.50〜1.55)30.9重量部と、ポリウレタンエマルジョンB(三井化学社製、商品名:タケラック WS−6021、ポリウレタンの屈折率:1.50〜1.55)3.4重量部とを混合してゾル液を調製した。ゾル液の固形分におけるフッ化マグネシウムの含有率は1質量%であり、ゾル液の固形分におけるポリウレタンの固形分の含有率は38.1質量%であった。ゾル液の固形分におけるフッ化マグネシウムの含有率が2質量%、4質量%、6質量%、及び8質量%となるようにフッ化マグネシウム微粒子の水分散体の量を変更した以外は同様にして、複数種類のゾル液を調製した。
上記の通り調製した複数種類のゾル液のそれぞれについて、マイクロミストスプレードライヤー(藤崎電機社製、製品名:MDL−050)を用いて噴霧乾燥させ、フッ化マグネシウムの含有率が異なる複数種類の複合粒子を作製した。複合粒子の平均粒径が4μm〜15μmの範囲に収まるようにゾル液の噴霧条件を調整した。
上記の通り作製した複数種類の複合粒子のそれぞれをアクリル樹脂に分散させて複数種類のインクを調製した。この複数種類のインクのそれぞれをドクターブレード法によって厚さ20μmのPETフィルムに塗布して固化させ、複数種類のサンプルを作製した。各サンプルにおける塗膜の厚みは7〜15μmであり、各サンプルの塗膜における複合粒子の含有率は65質量%であった。
<比較例>
ガラス微粒子(屈折率:1.57、平均粒径:1〜2μm)の水分散体(ガラス微粒子の濃度:6質量%)8.8重量部と、シリカ微粒子のコロイド液A(日産化学工業社製、シリカ微粒子の平均粒径:2nm〜3nm、シリカ微粒子の屈折率:約1.45、商品名:スノーテックス XS)17.2重量部と、シリカ微粒子のコロイド液B(日本化学工業社製、シリカ微粒子の平均粒径:7nm〜10nm、シリカ微粒子の屈折率:約1.45、商品名:シリカドール 30S)40.8重量部と、ポリウレタンエマルジョンA(三井化学社製、商品名:タケラック W−6020、ポリウレタンの屈折率:1.50〜1.55)29.9重量部と、ポリウレタンエマルジョンB(三井化学社製、商品名:タケラック WS−6021、ポリウレタンの屈折率:1.50〜1.55)3.3重量部とを混合してゾル液を調製した。ゾル液の固形分におけるガラス微粒子の含有率は2質量%であり、ゾル液の固形分におけるポリウレタンの固形分の含有率は38.1質量%であった。ゾル液の固形分におけるガラスの含有率が4質量%、6質量%、8質量%、及び10質量%となるようにガラス微粒子の水分散体の量を変更して複数種類のゾル液を調製した。
上記の通り調製した複数種類のゾル液のそれぞれについて、マイクロミストスプレードライヤー(藤崎電機社製、製品名:MDL−050)を用いて噴霧乾燥させ、フッ化マグネシウムの含有率が異なる複数種類の複合粒子を作製した。複合粒子の平均粒径が4μm〜15μmの範囲に収まるようにゾル液の噴霧条件を調整した。複合粒子の平均粒径は、レーザー回折・散乱式粒子径分布測定装置(日機装社製、製品名:マイクロトラック(MT-3000II))を用いて測定した。この測定に使用した試料は、乾燥した複合粒子を純水に適量混合して超音波振動(130Wで1分間)にかけて複合粒子を純水中に分散させることによって作製した。
上記の通り作製した複数種類の複合粒子のそれぞれをアクリル樹脂に分散させて複数種類のインクを調製した。この複数種類のインクのそれぞれをドクターブレード法によって厚さ20μmのPETフィルムに塗布して固化させ、複数種類のサンプルを作製した。各サンプルにおける塗膜の厚みは7〜15μmであり、各サンプルの塗膜における複合粒子の含有率は65質量%であった。
<輝度特性の測定>
輝度計測装置(ハイランド社製、製品名:RISA-COLOR ONE)を用いて実施例に係る各サンプル及び比較例に係る各サンプルの輝度を測定した。光源としてApple社製のiPhone 5のバックライトを用いた。なお、「iPhone」はApple社の登録商標である。また、輝度の測定位置はサンプルの光源と反対側に位置し、輝度の測定位置とサンプルとの距離は100cmであった。各サンプルの評価結果を図11に示す。なお、図11において輝度の相対値が100%であるときの輝度の値は104cd/cm2である。
図11に示すように、実施例に係るサンプルは比較例に係るサンプルよりも高い輝度特性を有することが示唆された。
<ヘイズ率の測定>
分光光度計(島津製作所社製、製品名:UV-3600)及び積分球を用いて、実施例に係る各サンプル及び比較例に係る各サンプルの波長555nmの入射光に対するヘイズ率を測定した。結果を図12に示す。実施例に係るサンプルは、91%以上の高いヘイズ率を示した。
次に、第2実施形態に係る実施例について説明する。まず、各実施例及び各比較例に係るサンプルの評価方法について説明する。
<傷付与特性の評価>
図13に示す装置を用いて、実施例14及び15の光拡散透過シートのサンプル並びに比較例9〜11の光拡散透過シートのサンプルが接触により他の部材をどの程度傷付けてしまうかを評価した。長さ100mm、幅30mmの輝度上昇フィルムPS(3M社製、BEF4-GT-90(24))を両面テープにより支持台40上に貼り付けた。次に、長さ20mm、幅15mmの光拡散透過シートのサンプルSaを平面摩擦子31に両面テープを用いて貼り付けた。さらに、図13に示すように、サンプルSaが輝度上昇フィルムPSに接触するようにサンプルSaを配置した。この際に、平面摩擦子31の上部にはおもり32を取り付けて、輝度上昇フィルムPSに150gの荷重がかかるようにした。この状態で、平面摩擦子31を平均速度8.7m/分で輝度上昇フィルムPS上を100mm往復運動させて、サンプルSaによって輝度上昇フィルムPSを擦った。サンプルSaで擦った後の輝度上昇フィルムPSの傷付き具合を目視により3段階で評価した。輝度上昇フィルムPSの傷が少ない場合を「0」と評価し、輝度上昇フィルムPSの傷がやや多い場合を「1」と評価し、輝度上昇フィルムPSの傷が多い場合を「2」と評価した。結果を表3に示す。
<輝度特性の測定>
輝度計測装置(ハイランド社製、製品名:RISA-COLOR ONE)を用いて実施例1〜13及び比較例1〜8に係るサンプルの輝度を測定した。光源としてApple社製のiPhone 5のバックライトを用いた。なお、「iPhone」はApple社の登録商標である。また、輝度の測定位置はサンプルの光源と反対側に位置し、輝度の測定位置とサンプルとの距離は100cmであった。各サンプルの評価結果を図14に示す。なお、図14において輝度の相対値が100%であるときの輝度の値は104cd/cm2である。
<実施例1〜15>
ポリウレタンエマルジョンA(三井化学社製、商品名:タケラック W−6020、ポリウレタンの屈折率:1.50〜1.55)と、ポリウレタンエマルジョンB(三井化学社製、商品名:タケラック WS−6021、ポリウレタンの屈折率:1.50〜1.55)と、フッ化マグネシウム微粒子(関東化学社製、平均粒径(D50):0.25μm、屈折率:1.38)の水分散体(フッ化マグネシウム濃度:6質量%)と、シリカ微粒子のコロイド液A(日産化学工業社製、シリカ微粒子の平均粒径:2nm〜3nm、シリカ微粒子の屈折率:約1.45、商品名:スノーテックス XS)と、シリカ微粒子のコロイド液B(日本化学工業社製、シリカ微粒子の平均粒径:7nm〜10nm、シリカ微粒子の屈折率:約1.45、商品名:シリカドール 30S)とを、表1及び表3に示す分量で混合して実施例1〜15に係るゾル液をそれぞれ調製した。実施例1に係るゾル液と実施例2に係るゾル液とは同一のバッチにおいて調製した。実施例3に係るゾル液と実施例4に係るゾル液とは同一のバッチにおいて調製した。実施例5〜8に係るゾル液は同一のバッチにおいて調製した。実施例9に係るゾル液と実施例10に係るゾル液とは同一のバッチにおいて調製した。実施例11〜13に係るゾル液は同一のバッチにおいて調製した。なお、フッ化マグネシウム微粒子はフッ化マグネシウムの塊を粉砕することによって製造されており、フッ化マグネシウム微粒子の表面には鋭い部分が存在していた。
上記の通り調製した実施例1〜15に係るゾル液のそれぞれについて、マイクロミストスプレードライヤー(藤崎電機社製、製品名:MDL−050)を用いて噴霧乾燥させ、実施例1〜15に係る複合粒子を作製した。実施例1に係る複合粒子と実施例2に係る複合粒子とは同一バッチの噴霧乾燥によって作製した。実施例3に係る複合粒子と実施例4に係る複合粒子とは同一バッチの噴霧乾燥によって作製した。実施例5〜8に係る複合粒子は同一バッチの噴霧乾燥によって作製した。実施例9に係る複合粒子と実施例10に係る複合粒子とは同一バッチの噴霧乾燥によって作製した。実施例11〜13に係る複合粒子は同一バッチの噴霧乾燥によって作製した。各実施例の複合粒子の平均粒径が4μm〜15μmの範囲に収まるようにゾル液の噴霧条件を調整した。各実施例に係る複合粒子の平均粒径は、レーザー回折・散乱式粒子径分布測定装置(日機装社製、製品名:マイクロトラック(MT-3000II))を用いて測定した。この測定に使用した試料は、乾燥した各実施例に係る複合粒子を純水に適量混合して超音波振動(130Wで1分間)にかけて複合粒子を純水中に分散させることによって作製した。
上記の通り作製した実施例1〜15に係る複合粒子のそれぞれをアクリル樹脂に分散させて実施例1〜15に係るインクを調製した。実施例1に係るインクと実施例2に係るインクとは同一のバッチにおいて調製した。実施例3に係るインクと実施例4に係るインクとは同一のバッチにおいて調製した。実施例5に係るインクと実施例6に係るインクとは同一のバッチにおいて調製した。実施例7に係るインクと実施例8に係るインクとは同一のバッチにおいて調製した。実施例9に係るインクと実施例10に係るインクとは同一のバッチにおいて調製した。実施例11に係るインクと実施例12に係るインクとは同一のバッチにおいて調製した。実施例1〜15に係るインクのそれぞれをドクターブレード法によって厚さ20μmのPETフィルムに塗布して固化させ、実施例1〜15に係るサンプルを作製した。実施例1に係るサンプルと実施例2に係るサンプルとは同一のバッチにおいて作製した。実施例3に係るサンプルと実施例4に係るサンプルとは同一のバッチにおいて作製した。実施例5に係るサンプルと実施例6に係るサンプルとは同一のバッチにおいて作製した。実施例7に係るサンプルと実施例8に係るサンプルとは同一のバッチにおいて作製した。実施例9に係るサンプルと実施例10に係るサンプルとは同一のバッチにおいて作製した。実施例11に係るサンプルと実施例12に係るサンプルとは同一のバッチにおいて作製した。各サンプルにおける塗膜の厚みは7〜15μmであり、各サンプルの塗膜における複合粒子の含有率は65質量%であった。
<比較例1〜11>
ポリウレタンエマルジョンAと、ポリウレタンエマルジョンBと、フッ化マグネシウム微粒子の水分散体と、シリカ微粒子のコロイド液Aと、シリカ微粒子のコロイド液Bとを、表2及び表3に示す量で混合して比較例1〜11に係るゾル液を調製した。比較例1に係るゾル液と比較例2に係るゾル液とは同一のバッチにおいて調製した。比較例3に係るゾル液と比較例4に係るゾル液とは同一のバッチにおいて調製した。比較例5に係るゾル液と比較例6に係るゾル液とは同一のバッチにおいて調製した。比較例7に係るゾル液と比較例8に係るゾル液とは同一のバッチにおいて調製した。なお、比較例1、比較例2、及び比較例9においては、ポリウレタンエマルジョンを加えずにゾル液を調製した。
上記の通り調製した比較例1〜11に係るゾル液のそれぞれについて、マイクロミストスプレードライヤー(藤崎電機社製、製品名:MDL−050)を用いて噴霧乾燥させ、比較例1〜11に係る複合粒子を作製した。比較例1に係る複合粒子と比較例2に係る複合粒子とは同一バッチの噴霧乾燥によって作製した。比較例3に係る複合粒子と比較例4に係る複合粒子とは同一バッチの噴霧乾燥によって作製した。比較例5に係る複合粒子と比較例6に係る複合粒子とは同一バッチの噴霧乾燥によって作製した。比較例7に係る複合粒子と比較例8に係る複合粒子とは同一バッチの噴霧乾燥によって作製した。各比較例の複合粒子の平均粒径が4μm〜15μmの範囲に収まるようにゾル液の噴霧条件を調整した。各比較例に係る複合粒子の平均粒径は、実施例と同様にして測定した。
上記の通り作製した比較例1〜11に係る複合粒子のそれぞれをアクリル樹脂に分散させて比較例1〜11に係るインクを調製した。比較例1に係るインクと比較例2に係るインクとは同一のバッチにおいて調製した。比較例3に係るインクと比較例4に係るインクとは同一のバッチにおいて調製した。比較例5に係るインクと比較例6に係るインクとは同一のバッチにおいて調製した。比較例7に係るインクと比較例8に係るインクとは同一のバッチにおいて調製した。比較例1〜11に係るインクのそれぞれをドクターブレード法によって厚さ20μmのPETフィルムに塗布して固化させ、比較例1〜11に係るサンプルを作製した。比較例1に係るサンプルと比較例2に係るサンプルとは同一のバッチにおいて作製した。比較例3に係るサンプルと比較例4に係るサンプルとは同一のバッチにおいて作製した。比較例5に係るサンプルと比較例6に係るサンプルとは同一のバッチにおいて作製した。比較例7に係るサンプルと比較例8に係るサンプルとは同一のバッチにおいて作製した。各サンプルにおける塗膜の厚みは7〜15μmであり、各サンプルの塗膜における複合粒子の含有率は65質量%であった。
図14に示す通り、実施例1〜13に係るサンプルは比較的高い輝度特性を有していた。これにより、樹脂バインダーであるポリウレタンの含有率が40質量%〜80質量%である複合粒子は、光拡散透過シートの輝度特性を高めるために有利であることが示唆された。また、表3に示すように、実施例14及び15に係るサンプルは、比較例9〜11に係るサンプルに比べて他の部材を傷付けにくいことが示唆された。
Figure 0006475849
Figure 0006475849
Figure 0006475849
次に、第3実施形態に係る実施例について説明する。まず、各実施例及び各比較例に係るサンプルの評価方法について説明する。
<輝度特性及び色度の測定>
輝度計測装置(ハイランド社製、製品名:RISA-COLOR ONE)を用いて各実施例に係る各サンプル及び比較例に係るサンプルの輝度特性及び色度を測定した。光源としてApple社製のiPhone 5のバックライトを用いた。なお、「iPhone」はApple社の登録商標である。また、輝度及び色度の測定位置はサンプルの光源と反対側に位置し、輝度及び色度の測定位置とサンプルとの距離は100cmであった。各サンプルの評価結果を表4に示す。なお、表4において輝度の相対値が100%であるときの輝度の値は104cd/cm2である。
<ヘイズ率の測定>
分光光度計(島津製作所社製、製品名:UV-3600)及び積分球を用いて、各実施例に係るサンプル及び比較例に係るサンプルの波長555nmの入射光に対するヘイズ率を測定した。結果を表4に示す。
<有機溶剤への溶出特性>
複合粒子の濃度が9質量%となるように、各実施例及び比較例に係る複合粒子をそれぞれメチルエチルケトンに分散させた。各複合粒子の分散液を80℃で2時間加熱した。その後、分散液の上澄みを採取し、この上澄みを乾燥させ、上澄みに含まれる固形分の濃度を算出した。上澄みに含まれる固形分の濃度を溶出率と定義した。結果を表4に示す。
<実施例1−A>
フッ化マグネシウム(関東化学社製、屈折率:1.38)を湿式ビーズミル(ビーズ径:2mm)によって粉砕して得られたフッ化マグネシウム微粒子(平均粒径:0.25μm)の水分散体(フッ化マグネシウム濃度:6質量%)29.8重量部と、シリカ微粒子のコロイド液A(日産化学工業社製、シリカ微粒子の平均粒径:2nm〜3nm、シリカ微粒子の屈折率:約1.45、商品名:スノーテックス XS)10.1重量部と、シリカ微粒子のコロイド液B(日本化学工業社製、シリカ微粒子の平均粒径:7nm〜10nm、シリカ微粒子の屈折率:約1.45、商品名:シリカドール30S)23.8重量部と、ポリウレタンエマルジョンA(三井化学社製、商品名:タケラック W−6020、ポリウレタンの屈折率:1.50〜1.55)32.7重量部と、ポリウレタンエマルジョンB(三井化学社製、商品名:タケラック WS−6021、ポリウレタンの屈折率:1.50〜1.55)3.6重量部とを混合してゾル液Aを調製した。ゾル液Aの固形分におけるフッ化マグネシウムの固形分の含有率は8質量%であり、ゾル液Aの固形分におけるポリウレタンの固形分の含有率は50質量%であり、ゾル液Aの固形分におけるシリカ微粒子の含有率は42質量%であった。
上記のように調製したゾル液Aについて、マイクロミストスプレードライヤー(藤崎電機社製、製品名:MDL−050)を用いて噴霧乾燥させ、実施例1−Aに係るコアを作製した。実施例1−Aに係るコアの平均粒径は、4〜15μmであった。実施例1−Aに係るコアの平均粒径は、レーザー回折・散乱式粒子径分布測定装置(日機装社製、製品名:マイクロトラックMT-3000II)を用いて測定した。この測定に使用した試料は、乾燥した実施例1−Aに係るコアを純水に適量混合して超音波振動(130Wで1分間)にかけてコアを純水中に分散させることによって作製した。
次に、実施例1−Aに係る粉末状のコア6.5重量部と、シリカ微粒子のコロイド液A(日産化学工業社製、シリカ微粒子の平均粒径:2nm〜3nm、シリカ微粒子の屈折率:約1.45、商品名:スノーテックス XS)21.4重量部と、シリカ微粒子のコロイド液B(日本化学工業社製、シリカ微粒子の平均粒径:7nm〜10nm、シリカ微粒子の屈折率:約1.45、商品名:シリカドール30S)50.5重量部と、ポリウレタンエマルジョンA(三井化学社製、商品名:タケラック W−6020、ポリウレタンの屈折率:1.50〜1.55)8.7重量部と、ポリウレタンエマルジョンB(三井化学社製、商品名:タケラック WS−6021、ポリウレタンの屈折率:1.50〜1.55)13.0重量部とを混合してゾル液Bを調製した。ゾル液Bの固形分におけるコアの含有率は20質量%であり、ゾル液Bの固形分におけるポリウレタンの固形分の含有率は20質量%であった。ゾル液Bの固形分におけるシリカ微粒子の含有率は60質量%であった。
上記のように調製したゾル液Bについて、マイクロミストスプレードライヤー(藤崎電機社製、製品名:MDL−050)を用いて噴霧乾燥させ、実施例1−Aに係る複合粒子を作製した。実施例1−Aに係る複合粒子の平均粒径は4〜15μmであった。実施例1−Aに係る複合粒子の平均粒径は、レーザー回折・散乱式粒子径分布測定装置(日機装社製、製品名:マイクロトラックMT-3000II)を用いて測定した。この測定に使用した試料は、乾燥した実施例1−Aに係る複合粒子を純水に適量混合して超音波振動(130Wで1分間)にかけて複合粒子を純水中に分散させることによって作製した。
上記の通り作製した実施例1−Aに係る複合粒子をアクリル樹脂に分散させて実施例1−Aに係るインクを調製した。実施例1−Aに係るインクをドクターブレード法によって厚さ20μmのPETフィルムに塗布して固化させ、実施例1−Aに係るサンプルを作製した。サンプルにおける塗膜の厚みは7〜15μmであり、サンプルの塗膜における複合粒子の含有率は65質量%であった。
<実施例2−A>
ゾル液Bの固形分におけるコアの含有率、ゾル液Bの固形分におけるポリウレタンの固形分の含有率、及びゾル液Bの固形分におけるシリカ微粒子の含有率がそれぞれ10質量%、20質量%、及び70質量%となるように、コアを含むゾル液Bを調製した以外は、実施例1−Aと同様にして、実施例2−Aに係る複合粒子を作製した。なお、実施例2−Aに係る複合粒子の平均粒径は4〜15μmであった。実施例1−Aに係る複合粒子の代わりに実施例2−Aに係る複合粒子を用いた以外は、実施例1−Aと同様にして、実施例2−Aに係るサンプルを作製した。実施例2−Aに係るサンプルの塗膜の厚みは7〜15μmであり、実施例2−Aに係るサンプルの塗膜における複合粒子の含有率は65質量%であった。
<実施例3−A>
実施例1−Aと同様にして、ゾル液Aを調製した。次に、ゾル液Aに、架橋剤(日清紡ケミカル社製、製品名:カルボジライトE−05)5.2重量部を加え、80℃で4時間加熱して、ポリウレタンを架橋させた。このようにして実施例3−Aに係るコアを作製した。実施例3−Aに係るコアと、シリカ微粒子のコロイド液A(日産化学工業社製、シリカ微粒子の平均粒径:2nm〜3nm、シリカ微粒子の屈折率:約1.45、商品名:スノーテックス XS)15.6重量部と、シリカ微粒子のコロイド液B(日本化学工業社製、シリカ微粒子の平均粒径:7nm〜10nm、シリカ微粒子の屈折率:約1.45、商品名:シリカドール30S)37.0重量部と、ポリウレタンエマルジョンA(三井化学社製、商品名:タケラック W−6020、ポリウレタンの屈折率:1.50〜1.55)8.0重量部と、ポリウレタンエマルジョンB(三井化学社製、商品名:タケラック WS−6021、ポリウレタンの屈折率:1.50〜1.55)11.9重量部とを混合してゾル液Cを調製した。ゾル液Cの固形分におけるコアの固形分の含有率は10質量%であり、ゾル液Cの固形分におけるポリウレタンの固形分の含有率は20質量%であり、ゾル液Cの固形分におけるシリカ微粒子の含有率は70質量%であった。
ゾル液Bの代わりにゾル液Cを用いて噴霧乾燥を行った以外は、実施例1−Aと同様にして実施例3−Aに係る複合粒子を作製した。実施例3−Aに係る複合粒子の平均粒径は、4〜15μmであった。また、実施例1−Aに係る複合粒子の代わりに実施例3−Aに係る複合粒子を用いた以外は、実施例1−Aと同様にして、実施例3−Aに係るサンプルを作製した。実施例3−Aに係るサンプルの塗膜の厚みは7〜15μmであり、実施例3−Aに係るサンプルの塗膜における複合粒子の含有率は65質量%であった。
<比較例1−A>
実施例1−Aと同様にして、ゾル液Aを調製した。ゾル液Aについて、マイクロミストスプレードライヤー(藤崎電機社製、製品名:MDL−050)を用いて噴霧乾燥させ、比較例1−Aに係る複合粒子を作製した。比較例1−Aに係る複合粒子の平均粒径は4〜15μmであった。また、実施例1−Aに係る複合粒子の代わりに比較例1−Aに係る複合粒子を用いた以外は、実施例1−Aと同様にして、比較例1−Aに係るサンプルを作製した。比較例1−Aに係るサンプルの塗膜の厚みは7〜15μmであり、比較例1−Aに係るサンプルの塗膜における複合粒子の含有率は65質量%であった。
表4に示すように、各実施例に係るサンプルが高い輝度特性を有することが示唆された。また、各実施例に係るサンプルに関するヘイズ率は、比較例1−Aに係るサンプルに関するヘイズ率よりも高く、各実施例に係るサンプルが良好な光拡散特性を有することが示唆された。また、各実施例に係る複合粒子の溶出率は、比較例1−Aに係る複合粒子の溶出率より格段に低く、各実施例に係る複合粒子が有機溶剤と接しても、樹脂バインダーが有機溶剤へ溶出しにくいことが示唆された。
Figure 0006475849

Claims (13)

  1. 母材樹脂と、
    1.43より高い屈折率を有する樹脂バインダー及び前記樹脂バインダーに内包された微粒子を含有し、前記母材樹脂に分散している複合粒子と、を備え、
    前記微粒子は、1.43以下の屈折率を有する第一微粒子を含み、
    前記複合粒子は、
    前記樹脂バインダーである第一樹脂バインダーと、前記第一樹脂バインダーに内包されたコア微粒子であって、前記第一微粒子としての低屈折率微粒子を含むコア微粒子とによって形成されたコアと、
    第二樹脂バインダーと、前記第二樹脂バインダーに内包されたシェル微粒子とによって形成され、前記コアの表面の少なくとも一部を覆うシェルと、を備えている、
    光拡散透過シート。
  2. 前記低屈折率微粒子の平均粒径は、10nm〜10μmである、請求項に記載の光拡散透過シート。
  3. 前記コアにおける前記コア微粒子の含有率が30質量%〜99質量%であり、かつ、前記コアにおける前記第一樹脂バインダーの含有率が1質量%〜70質量%である、請求項又はに記載の光拡散透過シート。
  4. 前記低屈折率微粒子は、フッ化マグネシウム微粒子である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光拡散透過シート。
  5. 前記コア微粒子は、シリカ、シリコーン、フッ素樹脂、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、硫化亜鉛、水酸化アルミニウム、ガラス、及び体質顔料からなる群から選ばれる少なくとも1種の微粒子をさらに含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光拡散透過シート。
  6. 前記コア微粒子は、前記第一樹脂バインダーの屈折率よりも低い屈折率を有する微粒子のみを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の光拡散透過シート。
  7. 前記コア微粒子は、フッ化マグネシウム、シリカ、シリコーン、及びフッ素樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の微粒子を含む、請求項に記載の光拡散透過シート。
  8. 前記コア微粒子は、フッ化マグネシウム微粒子及びシリカ微粒子のみを含む、請求項に記載の光拡散透過シート。
  9. 前記コア微粒子は、フッ化マグネシウム微粒子のみを含む、請求項に記載の光拡散透過シート。
  10. 前記第一樹脂バインダーは、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、及びナイロンからなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂を含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の光拡散透過シート。
  11. 前記シェル微粒子は、フッ化マグネシウム、シリカ、シリコーン、フッ素樹脂、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、硫化亜鉛、水酸化アルミニウム、ガラス、及び体質顔料からなる群から選ばれる少なくとも1種の微粒子を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の光拡散透過シート。
  12. 前記第二樹脂バインダーは、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、及びナイロンからなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂を含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の光拡散透過シート。
  13. コアシェル構造を有する複合粒子の製造方法であって、
    1.43より高い屈折率を有する第一樹脂バインダーの原料と、1.43以下の屈折率を有する低屈折率微粒子を含むコア微粒子とが分散している第一ゾル液を調製し、
    前記第一ゾル液に前記第一樹脂バインダーの原料を架橋させるための架橋剤を添加して前記第一樹脂バインダーの原料を架橋させてコアを形成し、
    前記コアと、第二樹脂バインダーの原料と、シェル微粒子とが分散している第二ゾル液を調製し、
    前記第二ゾル液を噴霧乾燥する、
    方法。
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