JP2006084927A - 光拡散剤およびその製造法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、従来の光拡散剤よりも優れた全光線透過率と光拡散性能を有し、特に液晶テレビの光拡散シートや光拡散板に用いたとき高輝度の製品を得ることができ、プロジェクターやプロジェクションテレビのスクリーンに用いたときには高拡散で、ギラツキ感のない製品を得ることができる光拡散剤を提供することにある。
【解決手段】球状有機ポリマー粒子の内部に、平均粒子径がより小さく、屈折率が異なる多数の球状有機ポリマー微粒子を島構造に分散させた光拡散剤が上記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
【選択図】なし

Description

本発明は高輝度でありながら、いわゆるギラツキ感のない優れた光拡散性能を有する、新規な光拡散剤とその製造方法に関するものである
光拡散剤は透明なポリエステルフィルムやポリアミドフィルムにバインダー樹脂により層状に塗布したり、透明なアクリル樹脂、MS樹脂、ポリカーボネート樹脂やシクロポリオレフィンポリマーのような熱可塑性樹脂に配合して使用される。これらの光拡散剤は蛍光あるいは白色光の照明カバー、バックライト式半透明の看板、ディスプレイ、電飾、内装の半透明パーティションのほか液晶ディスプレイ、液晶テレビジョンの光拡散シートや板、プロジェクターやプロジェクションテレビのスクリーンなど多方面に使用されている。
初期の光拡散剤は無機系の二酸化チタン、硫酸バリウム、ガラスなどが用いられていたが現在は、均一な光拡散性能を有し、しかも全光線透過率がよく、機械的強度に優れた光拡散樹脂組成物が得られる。架橋ポリメタクリルメチル、架橋ポリスチレン、架橋メチルメタクリレート・スチレン共重合体およびシリコーンなどの有機ポリマー粉体が広く使われている。
光拡散剤の性能としては、まず全光線透過率が良く光拡散性に優れていることが重要であるが、用途によって若干異なり、液晶テレビ等の光拡散剤塗布タイプの光拡散シートや光拡散剤練りこみタイプの光拡散板は特に高輝度であることが求められ、プロジェクターやプロジェクションテレビのスクリーンは光に対する均一な拡散性が要求される。
これまで、上記のような性能に優れた光拡散性を有し、しかも全光線透過率の高い有機ポリマー粉体の光拡散剤を得るため、有機ポリマー粒子の平均粒子径およびその分布あるいはマトリックス樹脂に対する屈折率を工夫したり、さらに粒子の形状を真球状より、異形の形状にしたもの、粒子内部に構造的な屈折率差を持たせた粒子などさまざまな工夫が凝らされてきた。
たとえば特許文献1には粒度分布の揃ったコア/シェル構造をもった重合体粒子でそのコア樹脂とシェル層樹脂の屈折率差が±0.2の範囲内の光拡散粒子が提案されている。また特許文献1には光拡散性能を向上させるため、2種類の平均粒子径の異なる微粒子の集合体が、特許文献3には2種類の平均粒子径の異なる微粒子をバインダーで結合させた集合体が提案されている。
一方、有機ポリマー粒子は光線透過性に優れるために、光拡散剤として用いた光拡散シートや光拡散板にギラツキ感が現れるという問題点があり、特にプロジェクターやプロジェクションテレビのスクリーンに使われたときはそれが顕著に現れるため、光拡散性には優れるとともにギラツキ感のない光拡散剤が強く求められてきた。
特開平1−292064号公報 特開2002−30151号公報 特開2003−183410号公報
本発明は従来の光拡散剤よりも優れた全光線透過率と光拡散性能を有し、特に液晶テレビの光拡散シートや光拡散板に用いたとき高輝度の製品を得ることができ、プロジェクターやプロジェクションテレビのスクリーンに用いたときには高拡散で、ギラツキ感のない製品を得ることができる光拡散剤を提供することにある。
本発明者らは上記の問題点を解決するため種々検討した結果、球状有機ポリマー粒子の内部に、それより平均粒子径が小さく、屈折率が異なる多数の球状有機ポリマー微粒子を島構造に分散させた光拡散剤が有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)複数の球状架橋有機ポリマー微粒子をそれより大なる球状架橋粒子内部に島構造に分散させた海島構造粒子からなる光拡散剤、
(2)島構造微粒子の合計量が海島構造粒子全体の1〜50重量%である(1)記載の海島構造粒子からなる光拡散剤、
(3)島構造微粒子のポリマーと、海構造粒子のポリマーの屈折率( 25D)の差が±0.2の範囲内にある(1)〜(3)記載の海島構造粒子からなる光拡散剤、
(4)島構造微粒子の平均粒子径が0.1〜10μmであり、海島構造粒子の平均粒子径が1〜50μmである(1)〜(3)のいずれかに記載の海島構造粒子からなる光拡散剤。
(5)球状架橋有機ポリマー微粒子を単官能ビニルモノマーおよび多官能ビニルモノマーの混合液に分散させ、重合開始剤を添加し、分散安定剤を含む水分散媒中に加え、縣濁重合を行う(1)〜(4)のいずれかに記載の海島構造粒子からなる光拡散剤の製造方法、
(6)(1)〜(4)のいずれかに記載の光拡散剤をフィルム又はシート状樹脂にバインダーにより塗布した光拡散フィルム又は光拡散シート、および
(7)(1)〜(4)のいずれかに記載の光拡散剤を熱可塑性または熱硬化性マトリックス樹脂に練り込んで成形した光拡散樹脂成形体、
である。
本発明に用いられる海島構造の架橋有機粒子(海島粒子ということがある。)は、ラジカル重合性のモノマーの乳化重合等で得られた島構造を形成させる微粒子を、海構造となるラジカル重合性モノマー中に一次粒子として分散させた後、縣濁重合することにより得られる。
島構造の有機ポリマー微粒子は(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸などのアクリル系モノマー、スチレン、酢酸ビニルなどのビニル重合性モノマーのホモおよびコポリマーのほか、ポリエステル、シリコーン、フッ素樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの微粒子を用いることが出来る。これらのうちビニル性ポリマー微粒子は通常の乳化重合、シード重合、分散重合や縣濁重合によって製造することが出来る。これらの微粒子は次の工程で海構造となるビニル重合性モノマーに分散時あまり溶解せず、島構造を維持するため、架橋タイプがのぞましい。架橋剤としてはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートやジビニルベンゼンなどの多官能ビニルモノマーが共重合される。架橋剤の使用量はポリマーに対して0.1〜20%好ましくは0.5〜10%である。
上記の重合により得られる島構造となる有機微粒子の平均粒子径は、目的とする光拡散剤の平均粒子径によって異なるが、通常0.1〜10μm、好ましくは0.2〜5μmである。
重合により得られた有機ポリマー微粒子は重合反応液から通常の操作により、粉体として取り出して使用される。すなわち、塩析や凍結により凝集させた後、遠心分離による方法、噴霧乾燥などによる方法をとることが出来る。得られた微粒子は一次粒子径のままが望ましいが、弱い凝集や融着をした2次凝集の粉体の場合、海構造となるビニルモノマー中、機械的に一次粒子として分散させた後、次工程に入る方が望ましい。粉体として取り出すことなく重合反応液より海構造のビニルモノマーで抽出により取り出すことも出来る。
本発明の光拡散剤は上記島構造となる微粒子を海構造となるビニル性モノマーに分散させた状態で縣濁重合することにより、目的の光拡散能を有する光拡散剤を得ることが出来る。
島構造をとる微粒子のビニル性モノマーへの分散量は目的に応じて最適量が設定されるが海構造をとるビニル性モノマーも含んだ量に対し、1〜50重量%、好ましくは3〜30重量%、さらに好ましくは5〜20重量%使用する。1重量%以下ではその効果が少なく、50%を超えると、ビニル性モノマーへの分散液の粘度があがり、縣濁重合時、所望の液滴径を得ることが困難となり、また液滴が不安定となるため、縣濁重合により目的とする分布の真球状をした海島構造を合成することが困難となる。
海構造を造るためのビニルモノマーとして、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、アクリロニトリルなどを用いることが出来る。また耐溶剤性を向上させるためエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレートなどの架橋性モノマーを併用することができ、その使用量は、海構造樹脂の通常0.5〜50重量%である。
島構造となる微粒子は海構造となるビニル性モノマーに一次粒子になるまで分散させることが望ましい。分散を容易にするため、必要に応じて、シェアの高いホモジナイザーなどにより分散を行うことが出来る。その際加熱することにより、さらに容易に分散することが出来る。
以上の島構造となるポリマー微粒子を海構造となるビニル性モノマーに分散した溶液は重合開始剤を溶解後、重合安定剤および界面活性剤を含む水溶液に注入後、攪拌により、所望の液滴径に調整する。さらに攪拌下、加熱し重合反応を行い、所望の光拡散剤粒子を得る。この重合反応で重合開始剤はベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドなどの過酸化物系開始剤、アゾビスニトリルのようなアゾビス系開始剤を用いることが出来る。その使用量はモノマーに対して、0.1〜2%使われる。重合安定剤はポバールのなどの水溶性高分子やリン酸カルシウムなどの無機系安定剤を用いることが出来る。
重合反応終了後、重合粉体は遠心脱水などの固液分離方法により取り出した後、乾燥、分級の操作を経て、優れた光拡散能を有する海島構造粒子の光拡散剤を得ることが出来る。
海島構造粒子の平均粒子径は、通常1〜50μm、好ましくは2〜30μmである。島構造微粒子のポリマーと、海構造となるポリマーの屈折率( 25D)には、差がある方がよいが、その差は±0.2の範囲内にあることが望ましい。
本発明の海島構造粒子を、バインダーを含有する溶剤に分散後、フィルムやシートと言った基板上に均一に塗布、固着することにより、光拡散フィルムやシートを製造することができる。
このフィルムやシート基材の材質は光学的に透明で、耐熱性、耐候性に優れたものがよく、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、シクロポリオレフィンポリマー樹脂、ポリカーボネート樹脂などが挙げられるが、ポリエチレンテレフタレート樹脂が好ましい。これらの基板のフィルムやシートの厚みはディスプレイの大きさに応じて通常10〜200μmのものが選択される。
基板上に設けるビーズ層の厚みは通常15〜150μm、好ましくは20〜100μm程度である。
また上記のバインダーとしては、透明な溶剤タイプのアクリル樹脂、ポリエステル樹脂が用いられ、乾燥時、ウレタン系架橋剤等で固着される。海島構造粒子に対する、バインダーの使用量はとくに限定されるものではないが、粒子100部に対して、通常20〜200部、好ましくは40〜100部である。
海島構造粒子とバインダーを含有する分散液の基板表面への塗布方法としては、ロールコート法、スプレーコーティング法など各種の方法により行われるが特に限定されるものではない。
本発明の海島構造粒子を熱可塑性または熱硬化性マトリックス樹脂に練り込んで成形することにより光拡散樹脂成形体を製造することが出来る。
これらのマトリックス樹脂としてはポリメチルメタクリレート樹脂、MS樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂など透明性に優れ、耐候性が良く、剛性のある樹脂が好ましく用いられる。
樹脂と海島構造粒子は混合機で混合し、溶融混練機で混練した後、シート上に押し出すことにより光拡散樹脂成形体を得ることができる。また溶融混練後、ペレットとして取り出し、このペレットを溶融後射出成形することにより、光拡散樹脂成形体を得ることが出来る。
海島構造粒子のマトリックス樹脂に対する練り込み量は用途と求められる光拡散能によって選定されるが通常0.5〜10重量部である。
さらに海島構造粒子を用いて、塗布タイプの光拡散フィルム、シートや練り込みタイプの光拡散樹脂成形体を製造するとき、粒度分布や平均粒子径の異なる粒子を2種以上配合して、使用することが出来る。また通常の真球状やコアシェルタイプの粒子と併用することも可能である。
光拡散フィルムや光拡散板の有機微粒子の光拡散剤として、屈折率の異なった有機微粒子を島構造に分散させた球状光拡散剤を使用することにより、通常の球状有機微粒子に比べ、光拡散性能に優れ、輝度が高く、ギラツキ感のない製品が得られる。
以下に製造例、実施例、試験例を挙げて本発明を具体的に説明する。なお「部」及び「%」は、断りのないかぎり重量基準である。
(1)島構造用微粒子の製造
攪拌機、温度計、還流冷却器及び窒素導入口を備えた重合反応器に窒素置換を行いながら、脱イオン水500部、モノマー乳化液(スチレン186部、エチレングリコールジメタクリレート20部、メチルメタクリレート194部、イオン交換水76部、ネオコールP(花王(株)製)4部からなる乳化液480部)の1%(4.8部)、開始剤水溶液(過硫酸ナトリウム1.2部、イオン交換水8.8部の水溶液)の10%(1部)を注入し、加熱、昇温し、75℃、20分でシード重合を行った。
つづいて残りのモノマー乳化液99%、残りの開始剤水溶液90%を85℃に保ちながら、3時間かけて別々の注入口より滴下後、同温度で60分熟成反応を行った。さらに追触媒を加え、反応して、乳化重合反応液を得た。この反応液を噴霧乾燥し、平均粒子径0.35μ、屈折率( 25D)1.54の島構造となる有機ポリマー微粒子の弱い凝集体(A)360部を得た。
(2)海島構造粒子の製造
分散容器に、脱イオン水300部、10%ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、PVA217)25部、及びあらかじめメチルメタクリレート75部、エチレングリコールジメタクリレート20部、ラウリルパーオキサイド1部の溶液中で上記有機微粒子(A)5部を一次粒子のレベルまで充分に分散させた分散液を作製し、注入した。この混合液をホモミキサー(特殊機化工業(株)製)を用いて、3000rpmで10分間分散処理し、液滴径を調整した分散液を得た。この分散液を攪拌機、温度計、還流冷却器及び窒素導入口を備えた重合反応器に注入し、窒素気流下に70℃で攪拌し、次いで80〜85℃で3時間の重合反応を行った。
得られたポリマー粒子の重合液を、濾別、乾燥、洗浄、篩別することにより、平均粒子径0.35μm、屈折率1.54の微粒子を島構造に分散した屈折率( 25D)1.49、平均粒子径20μmの球状ポリマー粒子95部を得た。
(1)島構造用微粒子の製造
攪拌機、温度計、還流冷却器及び窒素導入口を備えた重合反応器にメタノール1000部にポリビニルピロリドン23部を加え溶解後、ネオコールP(花王(株)製)25部を加え、さらにメチルメタクリレート100部、エチレングリコールジメタクリレート0.5部、アゾビスイソブチロニトリル1部を加えた。窒素置換しながら、60℃に昇温し、同温度で8時間反応を行った。
この反応液を遠心分離機にかけてポリマー微粒子を取り出し、洗浄、乾燥を行い、平均粒子径2.5μ、屈折率( 25D)1.49の島構造となる有機微粒子(B)80部を得た。
(2)海島構造粒子の製造
分散容器に、脱イオン水300部、リン酸三カルシウム10部及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部の水溶液に予めスチレン50部、メチルメタクリレート30部、57%ジビニルベンゼン10部、ベンゾイルパーオキサイド1部の溶液中で上記有機微粒子(B)10部を一次粒子のレベルまで充分に分散させた分散液を作製し、注入した。この混合液をホモミキサー(特殊機化工業(株)製)を用いて、4000rpmで10分間分散処理し、モノマー液滴径を調整した分散液を得た。この分散液を攪拌機、温度計、還流冷却器及び窒素導入口を備えた重合反応器に注入し、窒素気流下で攪拌しながら、80〜85℃で5時間の重合反応を行った。
得られたポリマー粒子の重合液を、濾別、乾燥、洗浄、篩別することにより、平均粒子径2.5μm、屈折率1.49の微粒子を島構造に分散した屈折率( 25D)1.55、平均粒子径12μmの球状ポリマー粒子95部を得た。
〔比較例1〕
分散容器に、脱イオン水300部、10%ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、PVA217)25部、メチルメタクリレート80部、エチレングリコールジメタクリレート20部、ラウリルパーオキサイド1部を注入した。この混合液をホモミキサー(特殊機化工業(株)製)を用いて、3000rpmで10分間分散処理し、液滴径を調整した分散液を得た。この分散液を攪拌機、温度計、還流冷却器及び窒素導入口を備えた重合反応器に注入し、窒素気流下に70℃で攪拌し、80〜85℃で3時間の重合反応を行った。
得られたポリマー粒子の重合液を、濾別、乾燥、洗浄、篩別することにより、球状の屈折率1.49、平均粒子径20μmの球状ポリマー粒子95部を得た。
〔比較例2〕
分散容器に、脱イオン水300部、リン酸三カルシウム10部及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部の水溶液に予めスチレン50部、メチルメタクリレート40部、57%ジビニルベンゼン10部、ベンゾイルパーオキサイド1部を注入した。この混合液をホモミキサー(特殊機化工業(株)製)を用いて、4000rpmで10分間分散処理し、モノマー液滴径を調整した分散液を得た。この分散液を攪拌機、温度計、還流冷却器及び窒素導入口を備えた重合反応器に注入し、窒素気流下で攪拌しながら、80〜85℃で5時間の重合反応を行った。
得られたポリマー粒子の重合液を、濾別、乾燥、洗浄、篩別することにより、球状の屈折率1.55、平均粒子径12μmの球状ポリマー粒子を得た。
光拡散フィルムの調整
基材シートとして厚み100μmのポリエステルフィルムの片面にアクリル系樹脂20部、実施例1の海島構造ポリマー粒子40部、溶剤60部より調合した配合ワニスをダイコート法でコーティングして、厚さ30μmのポリマー粒子を分散した樹脂層を形成して、光拡散シートを得た。
実施例1の海島構造ポリマー粒子に換えて、比較例1の球状ポリマー粒子を用いた外は前述と同様にして、光拡散シートを得た。
〔試験例1〕
輝度の測定と測定結果
実施例3で得られたそれぞれの光拡散シートの輝度の測定は、導光板の上に得られた光拡散フィルム一枚を置き、さらに光拡散フィルムの上にプリズムシートを互いに直交させるように重ねて、プリズムシートから30cmの出射面の法線方向の輝度(cd/cm)を測定した。輝度計は、ミノルタ社製SL−110を用いた。実施例1と比較例1のポリマー粒子を用いて調製した光拡散フィルムの光学的性質測定結果を表1に示す。
Figure 2006084927
表1から明らかなように、従来の球状粒子(比較例1)に比べ、実施例1の海島構造の球状粒子を塗布すると、輝度の高い光拡散フィルムが得られた。
光拡散板の製造
MS樹脂(屈折率1.53)95部と実施例2の海島構造ポリマー粒子(屈折率1.55)5部を二軸押し出し機(池貝鉄鋼(株)製:PCM−30)を用いて280℃で混練、押し出しを行い、ペレットを得た。このペレットを射出成形機により射出成形して、評価用の2mm厚のプレートをえた。
実施例2の海島構造ポリマー粒子に換えて、同量の比較例2のポリマー粒子を練り込んだ光拡散板を調製した。
それぞれの光拡散板の光学的性質測定結果を表2に示す。
Figure 2006084927
表2から明らかなように、従来の球状粒子(比較例2)に比べ、本発明の実施例2の海島構造の球状粒子から成る光分散剤をマトリックス樹脂に練りこむと、光拡散能に優れ、ギラツキ感の少ない光拡散板が得られた。
本発明の光拡散樹脂組成物は、ギラツキ感が無く、しかも高輝度の光分散性を有しているので、蛍光あるいは白色光の照明カバー、バックライト式半透明の看板、ディスプレイ、電飾、内装の半透明パーティションのほか液晶ディスプレイ、液晶テレビジョンの光拡散シートや板、プロジェクターやプロジェクションテレビのスクリーンなど多方面への利用が期待される。

Claims (7)

  1. 複数の球状架橋有機ポリマー微粒子をそれより大なる球状架橋有機ポリマー粒子内部に島構造に分散させた海島構造粒子からなる光拡散剤。
  2. 島構造微粒子の合計量が海島構造粒子全体の1〜50重量%である請求項1記載の海島構造粒子からなる光拡散剤。
  3. 島構造微粒子のポリマーと、海構造となるポリマーの屈折率( 25D)の差が±0.2の範囲内にある請求項1又は2記載の海島構造粒子からなる光拡散剤。
  4. 島構造微粒子の平均粒子径が0.1〜10μmであり、海島構造粒子の平均粒子径が1〜50μmである請求項1〜3のいずれかに記載の海島構造粒子からなる光拡散剤。
  5. 球状架橋有機ポリマー微粒子を単官能ビニルモノマーおよび多官能ビニルモノマーの混合液に分散させ、重合開始剤を添加し、分散安定剤を含む水分散媒中に加え、縣濁重合を行う請求項1〜4のいずれかに記載の海島構造粒子からなる光拡散剤の製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の光拡散剤をバインダーによりフィルム又はシート状樹脂に塗布した光拡散フィルム又は光拡散シート。
  7. 請求項1〜4のいずれかに記載の光拡散剤を熱可塑性または熱硬化性マトリックス樹脂に練り込んで成形した光拡散樹脂成形体。
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