JP3957784B2 - 光拡散剤および光拡散板 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、優れた光の拡散性と透過性とを有する光拡散剤および光拡散板に関する。本発明の光拡散剤および光拡散板は、液晶表示のバックライト、プロジェクションテレビなどの透過型スクリーン、照明器具、電飾看板などの光拡散用に好適である。
【0002】
【従来の技術】
光拡散板には、基材樹脂、たとえばアクリル系樹脂、スチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート樹脂などの透明な樹脂中に、基材樹脂とは異なる屈折率を有する微粒子を光拡散剤として混合分散させ、成形したシート、フィルムなどや、基材樹脂を所望の形状に成形して透明性の基材とし、基材に基材樹脂とは異なる屈折率を有する微粒子を光拡散剤として含む光拡散層を積層した積層体が用いられている。そして、光拡散板には優れた光の拡散性と透過性とが要求され、この要求を満たすためには、優れた性能の光拡散剤が必要である。
従来、光拡散剤としては、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、二酸化チタン、シリカ、アルミナ、ガラス粉末などの無機粉末が用いられてきた。しかし、無機粉末は、通常、粒子形状がまちまちで粒径のばらつきが大きい上、光の均一拡散性に乏したったり、光透過率が低かったり、さらに光拡散板の表面が無機粉末によって粗面化されるなどの問題があった。
【0003】
この問題解決のために、光拡散剤に架橋構造のアクリル系樹脂やスチレン系樹脂、シロキサン系樹脂などの有機系の樹脂粒子を用いることが提案された。しかし、樹脂粒子を用いることにより、無機粉末を用いるよりも光透過性が向上する利点のあったものの、樹脂粒子の屈折率が比較的低く、満足な光拡散特性が得られなかった。総じて、従来の無機微粉末や有機微粒子を光拡散剤に用いた光拡散板は、光拡散効率が高い場合には光透過性が劣り、光透過性が優れている場合には光拡散効率が低く、両者のバランスにも問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
さらに、特開平6−59107号公報に記載の発明は、光拡散層中に透明性樹脂、合成樹脂粒子および透明性樹脂の屈折率よりも高い屈折率をもつ粒子を含有させることにより、正面方向への出射光を増やし、輝度を向上させた光拡散性シートを提案している。しかし、透明性樹脂の屈折率よりも高い屈折率をもつ粒子に無機粒子を用いるため、光透過性に必ずしも満足できない点がある。また、特開平7−174909号公報には、透明基板の一面に、屈折率差が一定の範囲内の有機高分子バインダーと有機高分子粒子とを含む光拡散層を形成させた光拡散板が提案されている。しかし、有機高分子粒子と有機高分子バインダーとの屈折率差が十分に大きくないため、光拡散性に必ずしも満足できない点がある。本発明は、光の透過性および拡散性に優れ、バランスの取れた特性の光拡散板を提供することを目的として完成された。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の目的を達成すべく鋭意検討した結果、高屈折率で好ましくは
球状の含硫黄重合体粒子を光拡散剤として使用することにより、前記の目的を達成
できることを見出し、本発明を完成した。具体的に説明すると、含硫黄重合体とし
[化2]の(1)式で表される重合性単量体10〜100重量%と、前記重合性
単量体と共重合が可能な他のビニル系単量体90〜0重量%とからなる共重合体を
あげることができる。
【0006】
【化2】
Figure 0003957784
また、含硫黄重合体に、(1)式で表される重合性単量体に対して、次の(2)式で表されるポリチオール類を官能基当量比で0.001〜1.01の割合で重合させてなる共重合体を用いてもよい。
R−(SH)n (2)
ただし、R:多価の脂肪族または芳香族炭化水素からなる有機基、
n:2以上の整数
含硫黄重合体としては他にも、(1)式で表される重合性単量体と(2)式で表されるポリチオール類とを付加反応させて得られるポリチオエーテル骨格を有するプレポリマーと、他のビニル系単量体との共重合体を用いることもできる。前記の光拡散剤を構成する含硫黄重合体粒子の重量平均粒子径は、いずれも2〜50μmの範囲が好ましく、また、含硫黄重合体粒子の屈折率は1.6〜1.7の範囲が好適である。
【0007】
加えて本発明は、前記した本発明の光拡散剤を、該光拡散剤とは異なる屈折率を有する透明な基材樹脂中に混合分散させ、成形したことを特徴とする光拡散板を提供する。また、成形されている透明な基材樹脂に、本発明の光拡散剤を含む光拡散層が積層されていることを特徴とする光拡散板を提供する。本発明で光拡散板の形状に制限はないが、主に、板状体、シート、フィルムなどに成形される。成形基材樹脂への積層は、片表面、両表面、中間層のいずれでもよい。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の光拡散剤および光拡散板を実施形態例をあげて具体的に説明する。
最初に、本発明において光拡散剤として用いる含硫黄重合体につき説明する。
本発明で用いるのに好ましい含硫黄重合体として、まず、前記の(1)式で表される重合性単量体10〜100重量%と、該重合性単量体と共重合可能な他のビニル系単量体90〜0重量%からなる重合体があげられる。なお、(1)式で表される重合性単量体100重量%で構成される含硫黄重合体も光拡散剤として十分な効果を奏する。(1)式で表される重合性単量体は、[化3]の式(3)で表されるジチオールを、例えばアルカリ水溶液に溶解させ、これにメタクリル酸クロリドを反応させて得ることができる。
【0009】
【化3】
Figure 0003957784
(1)式で表される重合性単量体と共重合可能な他のビニル系単量体としては、前記重合性単量体と相溶性があり、懸濁重合が可能なビニル系単量体であれば特に制限はない。例えば、不飽和脂肪酸エステル、芳香族ビニル化合物、不飽和脂肪酸及びその誘導体、不飽和二塩基酸及びその誘導体、(メタ)アクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物などがあげられる。なお、(メタ)は、例えば(メタ)アクリロニトリルでは、アクリロニトリル、メタアクリロニトリルを意味し、他のアクリル系化合物もこれに準ずる。
【0010】
不飽和脂肪酸エステルとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フルオロメチル(メタ)アクリレート、クロロメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等があげられる。芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、フルオロスチレン等があげられる。不飽和脂肪酸及びその誘導体としては、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等があげられる。不飽和二塩基酸及びその誘導体としては、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド等があげられる。
【0011】
次に、前記含硫黄重合体の他に光拡散剤として用いられる好ましい含硫黄重合体として、(1)式で表される重合性単量体に対して、前記の(2)式で表されるポリチオール類を官能基当量比で0.001〜1.01の割合で重合した共重合体があげられる。
(2)式で表されるポリチオール類としては、nが2以上、好ましくはnが2〜5の整数である脂肪族ポリチオール類または芳香族ポリチオール類が用いられる。このようなポリチオール類の代表例としては、1、2−エタンジチオール、1、8−オクタンジチオール、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド、1、2、3−プロパントリオール等があげられる。
【0012】
さらに、(1)式で表される重合性単量体と(2)式で表されるポリチオール類とを付加反応させて得られるポリチオエーテル骨格を有するプレポリマーと、ビニル系単量体との共重合体もまた、本発明で光拡散剤として用いるのに好適な含硫黄重合体である。(2)式で表されるポリチオール類としては前記したポリチオール類を、ビニル系単量体としても前記のビニル系単量体を使用できる。
【0013】
次に、前記した含硫黄重合体の球状粒子の製造方法を説明する。含硫黄重合体の球状粒子は、一般的に懸濁重合法により得ることができる。懸濁重合に際しては、重合進行中に、粒子が変形あるいは凝集するのを防ぐ目的で、懸濁安定剤を使用すると有利なことが多い。懸濁安定剤としては、ゼラチン、澱粉、ポリビニルアルコール、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム等が用いられる。さらにドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム等の界面活性剤と組合せると有利なことも多い。
【0014】
懸濁重合は、あらかじめ前記懸濁安定剤、必要に応じて界面活性剤を溶解した水溶液中に、各種成分、すなわちモノマー、重合開始剤、必要により、架橋剤、連鎖移動剤を溶解あるいは分散させたものを懸濁させる。得られた懸濁水溶液を、ホモジナイザー、超音波分散機などを用い、モノマー液滴を所望の粒子径に調整した後、窒素雰囲気中、40〜100℃で4〜12時間重合を行い、所望の含硫黄重合体を粒子状の重合物として得ることができる。得られた含硫黄重合体粒子状物をろ別し、乾燥した後、必要により分級操作を行い、粒度分布の狭い球状の含硫黄重合体を得る。
【0015】
重合開始剤として、一般的に過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル等の過酸化物、2、2´−アゾビスイソブチロニトリル、2、2´−アゾビス(2、4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾビス系化合物が使用される。重合開始剤の使用量は、重合開始剤の種類、モノマーの種類及び組成比などにより適量が異なるので一概には決められないが、通常、重合性単量体と他の共重合可能なビニル系単量体あるいはポリチオール類との総量に対して0.001〜20モル%の範囲、好ましくは0.01〜10モル%の範囲である。また、得られる粒子の重合度を調整する目的でアルキルメルカプタン、ハロゲン化炭化水素等の連鎖移動剤を使用してもよい。
【0016】
前記の重合条件を適用することにより、通常、1.60〜1.70の高い屈折率を有する含硫黄重合体粒子を得ることができる。屈折率が高いので光拡散剤として用いると優れた光拡散効果が得られる。
本発明で使用する含硫黄重合体粒子の重量平均粒径は2〜50μmの範囲がよく、中でも3〜20μmが好ましい。重量平均粒径が2μmより小さいと全光線透過率が低く、また、重量平均粒径が50μmより大きいとヘイズが小さくなるため好ましくない。
【0017】
本発明の光拡散剤から光拡散板を製造するには、透明な基材樹脂に前記の含硫黄重合体微粒子及び必要に応じてその他の添加剤を混合分散し、例えば押出成形法、射出成形法、ロール混練法を用いて所要の形状に成形する方法がある。透明な基材樹脂として、(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン系樹脂等をあげることができる。
【0018】
また、フィルム、シートなどに成形した基材樹脂の片面、両面または中間に、含硫黄重合体微粒子を含む光拡散層を積層して光拡散板としてもよい。光拡散層を支持体に積層するには、光拡散剤を、たとえば溶剤に溶解した有機高分子バインダー中に混合、分散し、支持体上に塗布すればよい。塗布方法としては、ディッピング法、ロールコート法、スクリーン印刷法等を利用できる。支持体としてはポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル等が好適である。なかでも、加工性等の点からポリエチレンテレフタレートが好ましい。光拡散層の厚さは、通常5〜50μm、好ましくは10〜30μmである。有機高分子バインダーとしては、ポリエステル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリル酸エステル樹脂、ウレタン樹脂などを利用できる。屈折率、基材との接着性、耐擦傷性、透明性等の点でポリエステル樹脂が好ましく用いられる。
【0019】
光拡散剤と有機高分子バインダーの配合量は、通常、有機高分子バインダー100重量部に対して光拡散剤50〜500重量部、好ましくは70〜350重量部である。50〜500重量部の範囲内ではヘイズおよび全光線透過率の低下が小さい。また、本発明では光拡散剤と有機高分子バインダーの屈折率差は0.05〜0.15が好ましい。屈折率差が0.05〜0.15の範囲内ではヘイズおよび全光線透過率の低下が小さい利点がある。
本発明の光拡散板の特性は、ヘイズが90%以上、好ましくは95%以上、光線透過率は通常80%以上、好ましくは85〜95%の範囲である。ヘイズが90%より低いと、例えば液晶ディスプレイ等の画面の鮮明度が劣ることがあり好ましくない。また、光線透過率が80%より低いと、画面の明度が低下することがあり好ましくない。さらに、本発明の目的を達成する範囲内において、任意の添加剤(例えば染顔料、酸化防止剤などの安定剤、難燃剤、帯電防止剤等)を添加配合することができる。
【0020】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。本発明はこれらによって何等限定されるものではない。なお、以下の製造例、実施例および比較例における測定方法および評価基準には、
Figure 0003957784
【0021】
製造例1
ビス(4−メタクリロイルチオフェニル)スルフィド60g及びスチレン40gからなる硬化性組成物100gに、ラジカル重合開始剤として2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.5gを加えて溶解した。一方、純水380gに、懸濁安定剤としてポリビニルアルコール(ゴーセノールGL−05:日本合成化学工業(株)製)20gを溶解したものを用意し、これらを混合した後、ホモジナイザー(TKホモミキサーモデルM:特殊機化工業(株)製)を用い、3000r.p.m.で1分間,分散させた。両溶液を攪拌機を備えた1000mlの四つ口フラスコに注入し、攪拌下に窒素置換した後、湯浴により徐々に60℃まで昇温した。昇温後、60℃に保ち7時間、重合を継続した。重合終了後、40℃まで冷却し、減圧下で重合物をろ別して水洗、乾燥を行い、含硫黄重合体粒子95gを得た。
【0022】
別途、重合体の屈折率を測定するための試料を作成した。前記硬化性組成物50gにラジカル重合開始剤として2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.25gを溶解させ、特公平6−81770号公報に記載の方法に準拠して、5cm×5cm×3mmのガラスモールドに注入し、窒素気流下、35℃で10時間加熱した後、昇温速度10℃/hrで80℃まで加熱して脱型し、さらに100℃で1時間加熱硬化をさせた。得られた硬化物は均一で無色透明な重合体であり、屈折率測定用の試料にした。
【0023】
製造例2
ビス(4−メタクリロイルチオフェニル)スルフィド500gおよびスチレン250gからなる硬化性組成物を1000mlの攪拌機付4つ口フラスコに投入し、強く攪拌して溶解させた。窒素気流下、攪拌を続けながら室温にてジエチルメチルアミン0.8gを添加し、次にビス(2−メルカプトエチル)スルフィド50gを滴下ロートで滴下しながら加えた。反応温度は25〜35℃に制御し、その後さらに3時間攪拌を続け、反応を完結させた。反応の終結は、 1H−NMRスペクトルにおいてメタクリロイル基に帰属されるケミカルシフトピークの減少率と、Volhard法によるメルカプト基の分析においてメルカプト基の消失を確認することによって判断した。反応終了後、強塩基吸着用無機吸着剤(キヨーワード700SL:協和化学工業(株)製)を40g添加して、ジエチルメチルアミンを除去した。吸着剤をろ別し、液状のプレポリマー774gを得た。このプレポリマー100gを実施例1と同様の方法で重合させ、重量終了後40℃まで冷却し、減圧下で重合体をろ別し、さらに水洗、乾燥を行い、含硫黄重合体粒子96gを得た。
別途、前記のプレポリマーを、製造例1におけるのと同様にしてガラスモールド内で硬化させた。硬化物は均一で、無色透明な重合体であり、屈折率測定用の試料にした。
【0024】
製造例3
ビス(4−メタクリロイルチオフェニル)スルフィド100gを室温でトルエン70gに溶解させ、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド16gを加え、さらに2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1gを加えて溶解させた。実施例1と同様に重合させ、重合終了後40℃まで冷却し、減圧下にろ別した後、水洗、乾燥を行い、含硫黄重合体粒子110gを得た。
【0025】
別途、ビス(4−メタクリロイルチオフェニル)スルフィドのトルエン溶液にビス(2−メルカプトエチル)スルフィドと2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を加えた溶液を減圧濃縮してトルエンを留去した後、製造例1におけるのと同様にしてガラスモールド内で硬化させた。硬化物は均一で、無色透明な重合体であり、屈折率測定用の試料にした。
【0026】
製造例4
ビス(4−メタクリロイルチオフェニル)スルフィド60gをトルエン40gに溶解させ、さらに2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.5gを加え溶解させた。実施例1と同様に重合させ、重合終了後40℃まで冷却し、減圧下にろ別した後水洗、乾燥を行い、含硫黄重合体粒子57gを得た。別途、ビス(4−メタクリロイルチオフェニル)スルフィドにラジカル重合開始剤として1,1ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンを加え、65℃で加熱溶解させた後、製造例1におけるのと同様にしてガラスモールド内で硬化させた。硬化物は均一で無色透明な重合体であり、屈折率測定用の試料にした。
【0027】
実施例1
厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(ルミラーT60:東レ(株)製)の片面に下記配合の拡散剤含有塗布液を塗布した。塗布後、熱風乾燥した後に50℃、48時間エージングを行い、膜厚20μmの光拡散層を有する光拡散板を得た。
Figure 0003957784
用いた光拡散剤および得られた光拡散板の測定および評価結果を表1に示す。
【0028】
実施例2〜4
実施例1において光拡散剤を製造例2〜4で得られた含硫黄重合体粒子に変更した以外は実施例1と同様にして光拡散板を得た。用いた光拡散剤および得られた光拡散板の測定および評価結果を表1に示す。
【0029】
比較例1
実施例1において光拡散剤を硫酸バリウム(屈折率1.64、重量平均粒径10μm)に変更した以外は実施例1と同様にして光拡散板を得た。用いた光拡散剤および得られた光拡散板の測定および評価結果を表1に示す。
【0030】
比較例2
実施例1において光拡散剤をジビニルベンゼン−スチレン架橋重合体粒子(屈折率1.58、重量平均粒径10μm)に変更した以外は実施例1と同様にして光拡散板を得た。
以上の実施例1〜4、比較例1、2で得られた光拡散板についての評価結果を表1に示す。用いた光拡散剤および得られた光拡散板の測定および評価結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
Figure 0003957784
【0032】
【発明の効果】
本発明の光拡散剤は、高屈折率であると共に、透明性、光学的物性に優れた含硫黄重合体の粒子であって、この光拡散剤を用いた光拡散板は、優れた光拡散性と全光線透過性を有する。どのような位置から散乱光を見た場合においても、良好な光拡散性と全光線透過性とがバランスよく充足された光拡散板であって、液晶表示のバックライト、透過型スクリーン、照明器具、電飾看板などに広く利用することができる。

Claims (7)

  1. 含硫黄重合体の粒子からなる光拡散剤であって、含硫黄重合体が、(1)式で表
    される重合性単量体10〜100重量%と、前記重合性単量体と共重合が可能な他
    のビニル系単量体90〜0重量%とからなる共重合体であることを特徴とする光拡
    散剤
    Figure 0003957784
  2. 請求項1に記載の含硫黄重合体に代え、含硫黄重合体として(1)式で表される
    重合性単量体に対して(2)式で表されるポリチオール類を官能基当量比で0.0
    01〜1.01の割合で重合させてなる共重合体を用いたことを特徴とする請求項
    1記載の光拡散剤。
    R−(SH)n (2)
    ただし、R:多価の脂肪族または芳香族炭化水素からなる有機基
    n:2以上の整数
  3. 請求項1に記載の含硫黄重合体に代え、含硫黄重合体として(1)式で表される
    重合性単量体と(2)式で表されるポリチオール類とを付加反応させて得られるポ
    リチオエーテル骨格を有するプレポリマーと、他のビニル系単量体との共重合体
    用いたことを特徴とする、請求項1記載の光拡散剤。
  4. 含硫黄重合体の粒子の重量平均粒子径が、2〜50μmであることを特徴とする
    、請求項1ないし3のいずれかに記載の光拡散剤。
  5. 含硫黄重合体の粒子の屈折率が、1.6〜1.7であることを特徴とする、請求
    1ないし4のいずれかに記載の光拡散剤。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の光拡散剤を、前記光拡散剤とは異なる屈折
    率を有する透明な基材樹脂中に混合分散させ、成形したことを特徴とする光拡散板
  7. 成形されている透明な基材樹脂に、請求項1ないし5のいずれかに記載の光拡散
    剤を含む光拡散層が積層されていることを特徴とする光拡散板。
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