JPH09281339A - 光拡散剤および光拡散板 - Google Patents

光拡散剤および光拡散板

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JPH09281339A
JPH09281339A JP8089101A JP8910196A JPH09281339A JP H09281339 A JPH09281339 A JP H09281339A JP 8089101 A JP8089101 A JP 8089101A JP 8910196 A JP8910196 A JP 8910196A JP H09281339 A JPH09281339 A JP H09281339A
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light
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英一 荒木
Norihiro Sugihara
範洋 杉原
Kazuo Sakiyama
和夫 崎山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光の透過性および拡散性に優れ、バランスの
取れた特性を有する。 【解決手段】 含硫黄重合体の粒子からなる光拡散剤で
ある。含硫黄重合体として、(1)式で表される重合性
単量体10〜100重量%と、前記重合性単量体と共重
合が可能な他のビニル系単量体90〜0重量%とからな
る共重合体が好ましく用いられる。含硫黄重合体は、い
ずれも粒子の重量平均粒子径が2〜50μmの範囲に、
また、含硫黄重合体粒子の屈折率が1.6〜1.7の範
囲のものが好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた光の拡散性
と透過性とを有する光拡散剤および光拡散板に関する。
本発明の光拡散剤および光拡散板は、液晶表示のバック
ライト、プロジェクションテレビなどの透過型スクリー
ン、照明器具、電飾看板などの光拡散用に好適である。
【0002】
【従来の技術】光拡散板には、基材樹脂、たとえばアク
リル系樹脂、スチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリ
カーボネート樹脂などの透明な樹脂中に、基材樹脂とは
異なる屈折率を有する微粒子を光拡散剤として混合分散
させ、成形したシート、フィルムなどや、基材樹脂を所
望の形状に成形して透明性の基材とし、基材に基材樹脂
とは異なる屈折率を有する微粒子を光拡散剤として含む
光拡散層を積層した積層体が用いられている。そして、
光拡散板には優れた光の拡散性と透過性とが要求され、
この要求を満たすためには、優れた性能の光拡散剤が必
要である。従来、光拡散剤としては、硫酸バリウム、炭
酸カルシウム、水酸化アルミニウム、二酸化チタン、シ
リカ、アルミナ、ガラス粉末などの無機粉末が用いられ
てきた。しかし、無機粉末は、通常、粒子形状がまちま
ちで粒径のばらつきが大きい上、光の均一拡散性に乏し
たったり、光透過率が低かったり、さらに光拡散板の表
面が無機粉末によって粗面化されるなどの問題があっ
た。
【0003】この問題解決のために、光拡散剤に架橋構
造のアクリル系樹脂やスチレン系樹脂、シロキサン系樹
脂などの有機系の樹脂粒子を用いることが提案された。
しかし、樹脂粒子を用いることにより、無機粉末を用い
るよりも光透過性が向上する利点のあったものの、樹脂
粒子の屈折率が比較的低く、満足な光拡散特性が得られ
なかった。総じて、従来の無機微粉末や有機微粒子を光
拡散剤に用いた光拡散板は、光拡散効率が高い場合には
光透過性が劣り、光透過性が優れている場合には光拡散
効率が低く、両者のバランスにも問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】さらに、特開平6−5
9107号公報に記載の発明は、光拡散層中に透明性樹
脂、合成樹脂粒子および透明性樹脂の屈折率よりも高い
屈折率をもつ粒子を含有させることにより、正面方向へ
の出射光を増やし、輝度を向上させた光拡散性シートを
提案している。しかし、透明性樹脂の屈折率よりも高い
屈折率をもつ粒子に無機粒子を用いるため、光透過性に
必ずしも満足できない点がある。また、特開平7−17
4909号公報には、透明基板の一面に、屈折率差が一
定の範囲内の有機高分子バインダーと有機高分子粒子と
を含む光拡散層を形成させた光拡散板が提案されてい
る。しかし、有機高分子粒子と有機高分子バインダーと
の屈折率差が十分に大きくないため、光拡散性に必ずし
も満足できない点がある。本発明は、光の透過性および
拡散性に優れ、バランスの取れた特性の光拡散板を提供
することを目的として完成された。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の目的
を達成すべく鋭意検討した結果、高屈折率で好ましくは
球状の含硫黄重合体粒子を光拡散剤として使用すること
により、前記の目的を達成できることを見出し、本発明
を完成した。すなわち、前記目的は、含硫黄重合体の粒
子からなる光拡散剤を用いることによって達成される。
含硫黄重合体として具体的に、[化2]の(1)式で表
される重合性単量体10〜100重量%と、前記重合性
単量体と共重合が可能な他のビニル系単量体90〜0重
量%とからなる共重合体をあげることができる。
【0006】
【化2】 また、含硫黄重合体に、(1)式で表される重合性単量
体に対して、次の(2)式で表されるポリチオール類を
官能基当量比で0.001〜1.01の割合で重合させ
てなる共重合体を用いてもよい。 R−(SH)n (2) ただし、R:多価の脂肪族または芳香族炭化水素からな
る有機基、 n:2以上の整数 含硫黄重合体としては他にも、(1)式で表される重合
性単量体と(2)式で表されるポリチオール類とを付加
反応させて得られるポリチオエーテル骨格を有するプレ
ポリマーと、他のビニル系単量体との共重合体を用いる
こともできる。前記の光拡散剤を構成する含硫黄重合体
粒子の重量平均粒子径は、いずれも2〜50μmの範囲
が好ましく、また、含硫黄重合体粒子の屈折率は1.6
〜1.7の範囲が好適である。
【0007】加えて本発明は、前記した本発明の光拡散
剤を、該光拡散剤とは異なる屈折率を有する透明な基材
樹脂中に混合分散させ、成形したことを特徴とする光拡
散板を提供する。また、成形されている透明な基材樹脂
に、本発明の光拡散剤を含む光拡散層が積層されている
ことを特徴とする光拡散板を提供する。本発明で光拡散
板の形状に制限はないが、主に、板状体、シート、フィ
ルムなどに成形される。成形基材樹脂への積層は、片表
面、両表面、中間層のいずれでもよい。
【0008】
【発明の実施の形態】次に、本発明の光拡散剤および光
拡散板を実施形態例をあげて具体的に説明する。最初
に、本発明において光拡散剤として用いる含硫黄重合体
につき説明する。本発明で用いるのに好ましい含硫黄重
合体として、まず、前記の(1)式で表される重合性単
量体10〜100重量%と、該重合性単量体と共重合可
能な他のビニル系単量体90〜0重量%からなる重合体
があげられる。なお、(1)式で表される重合性単量体
100重量%で構成される含硫黄重合体も光拡散剤とし
て十分な効果を奏する。(1)式で表される重合性単量
体は、[化3]の式(3)で表されるジチオールを、例
えばアルカリ水溶液に溶解させ、これにメタクリル酸ク
ロリドを反応させて得ることができる。
【0009】
【化3】 (1)式で表される重合性単量体と共重合可能な他のビ
ニル系単量体としては、前記重合性単量体と相溶性があ
り、懸濁重合が可能なビニル系単量体であれば特に制限
はない。例えば、不飽和脂肪酸エステル、芳香族ビニル
化合物、不飽和脂肪酸及びその誘導体、不飽和二塩基酸
及びその誘導体、(メタ)アクリロニトリル等のシアン
化ビニル化合物などがあげられる。なお、(メタ)は、
例えば(メタ)アクリロニトリルでは、アクリロニトリ
ル、メタアクリロニトリルを意味し、他のアクリル系化
合物もこれに準ずる。
【0010】不飽和脂肪酸エステルとしては、メチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アク
リレート、フルオロメチル(メタ)アクリレート、クロ
ロメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレー
ト等があげられる。芳香族ビニル化合物としては、スチ
レン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、フル
オロスチレン等があげられる。不飽和脂肪酸及びその誘
導体としては、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメ
チル(メタ)アクリルアミド等があげられる。不飽和二
塩基酸及びその誘導体としては、N−メチルマレイミ
ド、N−エチルマレイミド等があげられる。
【0011】次に、前記含硫黄重合体の他に光拡散剤と
して用いられる好ましい含硫黄重合体として、(1)式
で表される重合性単量体に対して、前記の(2)式で表
されるポリチオール類を官能基当量比で0.001〜
1.01の割合で重合した共重合体があげられる。
(2)式で表されるポリチオール類としては、nが2以
上、好ましくはnが2〜5の整数である脂肪族ポリチオ
ール類または芳香族ポリチオール類が用いられる。この
ようなポリチオール類の代表例としては、1、2−エタ
ンジチオール、1、8−オクタンジチオール、ビス(2
−メルカプトエチル)スルフィド、1、2、3−プロパ
ントリオール等があげられる。
【0012】さらに、(1)式で表される重合性単量体
と(2)式で表されるポリチオール類とを付加反応させ
て得られるポリチオエーテル骨格を有するプレポリマー
と、ビニル系単量体との共重合体もまた、本発明で光拡
散剤として用いるのに好適な含硫黄重合体である。
(2)式で表されるポリチオール類としては前記したポ
リチオール類を、ビニル系単量体としても前記のビニル
系単量体を使用できる。
【0013】次に、前記した含硫黄重合体の球状粒子の
製造方法を説明する。含硫黄重合体の球状粒子は、一般
的に懸濁重合法により得ることができる。懸濁重合に際
しては、重合進行中に、粒子が変形あるいは凝集するの
を防ぐ目的で、懸濁安定剤を使用すると有利なことが多
い。懸濁安定剤としては、ゼラチン、澱粉、ポリビニル
アルコール、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム等が用
いられる。さらにドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム、ドデシル硫酸ナトリウム等の界面活性剤と組合せる
と有利なことも多い。
【0014】懸濁重合は、あらかじめ前記懸濁安定剤、
必要に応じて界面活性剤を溶解した水溶液中に、各種成
分、すなわちモノマー、重合開始剤、必要により、架橋
剤、連鎖移動剤を溶解あるいは分散させたものを懸濁さ
せる。得られた懸濁水溶液を、ホモジナイザー、超音波
分散機などを用い、モノマー液滴を所望の粒子径に調整
した後、窒素雰囲気中、40〜100℃で4〜12時間
重合を行い、所望の含硫黄重合体を粒子状の重合物とし
て得ることができる。得られた含硫黄重合体粒子状物を
ろ別し、乾燥した後、必要により分級操作を行い、粒度
分布の狭い球状の含硫黄重合体を得る。
【0015】重合開始剤として、一般的に過酸化ベンゾ
イル、過酸化ラウロイル等の過酸化物、2、2´−アゾ
ビスイソブチロニトリル、2、2´−アゾビス(2、4
−ジメチルバレロニトリル)等のアゾビス系化合物が使
用される。重合開始剤の使用量は、重合開始剤の種類、
モノマーの種類及び組成比などにより適量が異なるので
一概には決められないが、通常、重合性単量体と他の共
重合可能なビニル系単量体あるいはポリチオール類との
総量に対して0.001〜20モル%の範囲、好ましく
は0.01〜10モル%の範囲である。また、得られる
粒子の重合度を調整する目的でアルキルメルカプタン、
ハロゲン化炭化水素等の連鎖移動剤を使用してもよい。
【0016】前記の重合条件を適用することにより、通
常、1.60〜1.70の高い屈折率を有する含硫黄重
合体粒子を得ることができる。屈折率が高いので光拡散
剤として用いると優れた光拡散効果が得られる。本発明
で使用する含硫黄重合体粒子の重量平均粒径は2〜50
μmの範囲がよく、中でも3〜20μmが好ましい。重
量平均粒径が2μmより小さいと全光線透過率が低く、
また、重量平均粒径が50μmより大きいとヘイズが小
さくなるため好ましくない。
【0017】本発明の光拡散剤から光拡散板を製造する
には、透明な基材樹脂に前記の含硫黄重合体微粒子及び
必要に応じてその他の添加剤を混合分散し、例えば押出
成形法、射出成形法、ロール混練法を用いて所要の形状
に成形する方法がある。透明な基材樹脂として、(メ
タ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレ
ン系樹脂等をあげることができる。
【0018】また、フィルム、シートなどに成形した基
材樹脂の片面、両面または中間に、含硫黄重合体微粒子
を含む光拡散層を積層して光拡散板としてもよい。光拡
散層を支持体に積層するには、光拡散剤を、たとえば溶
剤に溶解した有機高分子バインダー中に混合、分散し、
支持体上に塗布すればよい。塗布方法としては、ディッ
ピング法、ロールコート法、スクリーン印刷法等を利用
できる。支持体としてはポリエチレンテレフタレート、
ポリエステル、ポリアミド、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル等が好適であ
る。なかでも、加工性等の点からポリエチレンテレフタ
レートが好ましい。光拡散層の厚さは、通常5〜50μ
m、好ましくは10〜30μmである。有機高分子バイ
ンダーとしては、ポリエステル樹脂、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体樹脂、アクリル酸エステル樹脂、ウレタン
樹脂などを利用できる。屈折率、基材との接着性、耐擦
傷性、透明性等の点でポリエステル樹脂が好ましく用い
られる。
【0019】光拡散剤と有機高分子バインダーの配合量
は、通常、有機高分子バインダー100重量部に対して
光拡散剤50〜500重量部、好ましくは70〜350
重量部である。50〜500重量部の範囲内ではヘイズ
および全光線透過率の低下が小さい。また、本発明では
光拡散剤と有機高分子バインダーの屈折率差は0.05
〜0.15が好ましい。屈折率差が0.05〜0.15
の範囲内ではヘイズおよび全光線透過率の低下が小さい
利点がある。本発明の光拡散板の特性は、ヘイズが90
%以上、好ましくは95%以上、光線透過率は通常80
%以上、好ましくは85〜95%の範囲である。ヘイズ
が90%より低いと、例えば液晶ディスプレイ等の画面
の鮮明度が劣ることがあり好ましくない。また、光線透
過率が80%より低いと、画面の明度が低下することが
あり好ましくない。さらに、本発明の目的を達成する範
囲内において、任意の添加剤(例えば染顔料、酸化防止
剤などの安定剤、難燃剤、帯電防止剤等)を添加配合す
ることができる。
【0020】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。本発明はこれらによって何等限定されるもの
ではない。なお、以下の製造例、実施例および比較例に
おける測定方法および評価基準には、 a.全光線透過率:ASTM D1003−61に準
拠、ポイック積分球式ヘイズメーター(SEP−HS−
30D:日本精密光学(株)製)を用い測定、 評価基準(3段階) ○:透過率が85%以上 △:透過率が80%以上85%未満 ×:透過率が80%未満 b.拡散光線透過率:全光線透過率と同様に測定、 c.ヘイズ:次式により算出、評価、 ヘイズ=(拡散光線透過率÷全光線透過率)×100(%) 評価基準(3段階) ○:ヘイズが95%以上 △:ヘイズが90%以上95%未満 ×:ヘイズが90%未満 d.屈折率:アッベ屈折計(3L型:(株)島津製作所
製)を用い20℃で測定 e.重量平均粒子径:レーザー回折式粒度分布測定機
( Coulter Multisizer II: コールター エレクトロ
ニクス社製)を用い測定し、D50の値を用いた。
【0021】製造例1 ビス(4−メタクリロイルチオフェニル)スルフィド6
0g及びスチレン40gからなる硬化性組成物100g
に、ラジカル重合開始剤として2,2´−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.5gを加えて
溶解した。一方、純水380gに、懸濁安定剤としてポ
リビニルアルコール(ゴーセノールGL−05:日本合
成化学工業(株)製)20gを溶解したものを用意し、
これらを混合した後、ホモジナイザー(TKホモミキサ
ーモデルM:特殊機化工業(株)製)を用い、3000
r.p.m.で1分間,分散させた。両溶液を攪拌機を
備えた1000mlの四つ口フラスコに注入し、攪拌下
に窒素置換した後、湯浴により徐々に60℃まで昇温し
た。昇温後、60℃に保ち7時間、重合を継続した。重
合終了後、40℃まで冷却し、減圧下で重合物をろ別し
て水洗、乾燥を行い、含硫黄重合体粒子95gを得た。
【0022】別途、重合体の屈折率を測定するための試
料を作成した。前記硬化性組成物50gにラジカル重合
開始剤として2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバ
レロニトリル)0.25gを溶解させ、特公平6−81
770号公報に記載の方法に準拠して、5cm×5cm
×3mmのガラスモールドに注入し、窒素気流下、35
℃で10時間加熱した後、昇温速度10℃/hrで80
℃まで加熱して脱型し、さらに100℃で1時間加熱硬
化をさせた。得られた硬化物は均一で無色透明な重合体
であり、屈折率測定用の試料にした。
【0023】製造例2 ビス(4−メタクリロイルチオフェニル)スルフィド5
00gおよびスチレン250gからなる硬化性組成物を
1000mlの攪拌機付4つ口フラスコに投入し、強く
攪拌して溶解させた。窒素気流下、攪拌を続けながら室
温にてジエチルメチルアミン0.8gを添加し、次にビ
ス(2−メルカプトエチル)スルフィド50gを滴下ロ
ートで滴下しながら加えた。反応温度は25〜35℃に
制御し、その後さらに3時間攪拌を続け、反応を完結さ
せた。反応の終結は、 1H−NMRスペクトルにおいて
メタクリロイル基に帰属されるケミカルシフトピークの
減少率と、Volhard法によるメルカプト基の分析
においてメルカプト基の消失を確認することによって判
断した。反応終了後、強塩基吸着用無機吸着剤(キヨー
ワード700SL:協和化学工業(株)製)を40g添
加して、ジエチルメチルアミンを除去した。吸着剤をろ
別し、液状のプレポリマー774gを得た。このプレポ
リマー100gを実施例1と同様の方法で重合させ、重
量終了後40℃まで冷却し、減圧下で重合体をろ別し、
さらに水洗、乾燥を行い、含硫黄重合体粒子96gを得
た。別途、前記のプレポリマーを、製造例1におけるの
と同様にしてガラスモールド内で硬化させた。硬化物は
均一で、無色透明な重合体であり、屈折率測定用の試料
にした。
【0024】製造例3 ビス(4−メタクリロイルチオフェニル)スルフィド1
00gを室温でトルエン70gに溶解させ、ビス(2−
メルカプトエチル)スルフィド16gを加え、さらに
2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)1gを加えて溶解させた。実施例1と同様に重合さ
せ、重合終了後40℃まで冷却し、減圧下にろ別した
後、水洗、乾燥を行い、含硫黄重合体粒子110gを得
た。
【0025】別途、ビス(4−メタクリロイルチオフェ
ニル)スルフィドのトルエン溶液にビス(2−メルカプ
トエチル)スルフィドと2,2´−アゾビス(2,4−
ジメチルバレロニトリル)を加えた溶液を減圧濃縮して
トルエンを留去した後、製造例1におけるのと同様にし
てガラスモールド内で硬化させた。硬化物は均一で、無
色透明な重合体であり、屈折率測定用の試料にした。
【0026】製造例4 ビス(4−メタクリロイルチオフェニル)スルフィド6
0gをトルエン40gに溶解させ、さらに2,2´−ア
ゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.5gを
加え溶解させた。実施例1と同様に重合させ、重合終了
後40℃まで冷却し、減圧下にろ別した後水洗、乾燥を
行い、含硫黄重合体粒子57gを得た。別途、ビス(4
−メタクリロイルチオフェニル)スルフィドにラジカル
重合開始剤として1,1ビス(t−ブチルパーオキシ)
−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンを加え、65
℃で加熱溶解させた後、製造例1におけるのと同様にし
てガラスモールド内で硬化させた。硬化物は均一で無色
透明な重合体であり、屈折率測定用の試料にした。
【0027】実施例1 厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム
(ルミラーT60:東レ(株)製)の片面に下記配合の
拡散剤含有塗布液を塗布した。塗布後、熱風乾燥した後
に50℃、48時間エージングを行い、膜厚20μmの
光拡散層を有する光拡散板を得た。 有機高分子バインダー:ポリエステル樹脂(バイロン200:東洋紡(株)製) 100重量部 光拡散剤:製造例1で得た含硫黄重合体粒子 80重量部 溶剤:トルエン 100重量部 メチルエチルケトン 100重量部 用いた光拡散剤および得られた光拡散板の測定および評
価結果を表1に示す。
【0028】実施例2〜4 実施例1において光拡散剤を製造例2〜4で得られた含
硫黄重合体粒子に変更した以外は実施例1と同様にして
光拡散板を得た。用いた光拡散剤および得られた光拡散
板の測定および評価結果を表1に示す。
【0029】比較例1 実施例1において光拡散剤を硫酸バリウム(屈折率1.
64、重量平均粒径10μm)に変更した以外は実施例
1と同様にして光拡散板を得た。用いた光拡散剤および
得られた光拡散板の測定および評価結果を表1に示す。
【0030】比較例2 実施例1において光拡散剤をジビニルベンゼン−スチレ
ン架橋重合体粒子(屈折率1.58、重量平均粒径10
μm)に変更した以外は実施例1と同様にして光拡散板
を得た。以上の実施例1〜4、比較例1、2で得られた
光拡散板についての評価結果を表1に示す。用いた光拡
散剤および得られた光拡散板の測定および評価結果を表
1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】本発明の光拡散剤は、高屈折率であると
共に、透明性、光学的物性に優れた含硫黄重合体の粒子
であって、この光拡散剤を用いた光拡散板は、優れた光
拡散性と全光線透過性を有する。どのような位置から散
乱光を見た場合においても、良好な光拡散性と全光線透
過性とがバランスよく充足された光拡散板であって、液
晶表示のバックライト、透過型スクリーン、照明器具、
電飾看板などに広く利用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 55/00 LMF C08L 55/00 LMF G02B 5/02 G02B 5/02 B G02F 1/1335 530 G02F 1/1335 530 // C08F 28/00 MNR C08F 28/00 MNR (72)発明者 崎山 和夫 兵庫県姫路市飾磨区入船町1番地 住友精 化株式会社第2研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】含硫黄重合体の粒子からなることを特徴と
    する光拡散剤。
  2. 【請求項2】含硫黄重合体が、(1)式で表される重合
    性単量体10〜100重量%と、前記重合性単量体と共
    重合が可能な他のビニル系単量体90〜0重量%とから
    なる共重合体であることを特徴とする請求項1記載の光
    拡散剤。 【化1】
  3. 【請求項3】含硫黄重合体が、(1)式で表される重合
    性単量体に対して、(2)式で表されるポリチオール類
    を官能基当量比で0.001〜1.01の割合で重合さ
    せてなる共重合体であることを特徴とする請求項1記載
    の光拡散剤。 R−(SH)n (2) ただし、R:多価の脂肪族または芳香族炭化水素からな
    る有機基、 n:2以上の整数
  4. 【請求項4】含硫黄重合体が、(1)式で表される重合
    性単量体と(2)式で表されるポリチオール類とを付加
    反応させて得られるポリチオエーテル骨格を有するプレ
    ポリマーと、他のビニル系単量体との共重合体であるこ
    とを特徴とする、請求項1記載の光拡散剤。
  5. 【請求項5】含硫黄重合体の粒子の重量平均粒子径が、
    2〜50μmであることを特徴とする、請求項1ないし
    4のいずれかに記載の光拡散剤。
  6. 【請求項6】含硫黄重合体の粒子の屈折率が、1.6〜
    1.7であることを特徴とする、請求項1ないし5のい
    ずれかに記載の光拡散剤。
  7. 【請求項7】請求項1ないし6のいずれかに記載の光拡
    散剤を、前記光拡散剤とは異なる屈折率を有する透明な
    基材樹脂中に混合分散させ、成形したことを特徴とする
    光拡散板。
  8. 【請求項8】成形されている透明な基材樹脂に、請求項
    1ないし6のいずれかに記載の光拡散剤を含む光拡散層
    が積層されていることを特徴とする光拡散板。
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