JP3520903B2 - 光拡散剤粒子及び光拡散性シート - Google Patents

光拡散剤粒子及び光拡散性シート

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JP3520903B2
JP3520903B2 JP11209998A JP11209998A JP3520903B2 JP 3520903 B2 JP3520903 B2 JP 3520903B2 JP 11209998 A JP11209998 A JP 11209998A JP 11209998 A JP11209998 A JP 11209998A JP 3520903 B2 JP3520903 B2 JP 3520903B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、光拡散剤粒子及び
光拡散性シートに関する。更に詳しくは、本発明は、優
れた光拡散性と光透過性を両立させた光拡散剤粒子及び
光拡散性シートに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
パソコン、テレビ等の表示装置に液晶が使用されてい
る。この液晶を使用した表示装置は、一般に、液晶セル
及びバックライトからなる。ここで、液晶は、視野角が
狭いという欠点がある。この欠点を解決するため、液晶
セルとバックライトとの間に、光拡散性シートが通常用
いられる。この光拡散性シートは、バックライトから出
た光を、屈折や反射により任意の方向に拡散させるとい
う機能を有している。
【0003】上記光拡散性シートには、その光拡散性を
向上させるために、酸化チタン、ガラス等の無機粉末、
ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート等の有機粉末
が光拡散性粒子として使用されている。例えば、無機粉
末を使用するものとして、特開平6−59107号公報
に記載の光拡散性シートが挙げられる。この公報には、
基材樹脂よりも屈折率の高い無機粒子を基材樹脂に含有
させて、正面方向への出射光を多くすることにより、輝
度を向上させた光拡散性シートが記載されている。しか
しながら、無機粉末を使用した場合、均一に光が拡散し
なかったりする等の欠点があった。更に、光拡散性シー
トを成形する際に、成形機の機械破損を招く恐れもあっ
た。
【0004】また、有機粉末は、その屈折率が、一般に
基材樹脂として使用されているアクリル系樹脂の屈折率
に近似しており、それら屈折率の差が小さいため、十分
に光を拡散させることが困難であるという欠点があっ
た。
【0005】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、一般式(I)
【0006】
【化2】
【0007】(式中、R1 及びR2 は、同一又は異なっ
て、水素原子又は低級アルキル基を示す)で表される単
量体5〜95重量%と、該単量体と共重合し得る他の単
量体95〜5重量%との共重合体を含む粒子からなり、
該粒子が1〜80μmの平均粒子径と1.60〜1.6
7の屈折率を有し、前記他の単量体が、不飽和脂肪酸エ
ステル、芳香族ビニル化合物、不飽和脂肪酸塩、不飽和
二塩基酸、シアン化ビニル化合物及び多官能ビニル化合
物から選択されることを特徴とする光拡散剤粒子が提供
される。
【0008】更に、本発明によれば、シート上に上記の
光拡散剤粒子を含む光拡散層を備えるか、シート内に上
記の光拡散剤粒子を含んでなることを特徴とする光拡散
性シートが提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の光拡散剤粒子は、一般式
(I)
【0010】
【化3】
【0011】(式中、R1 及びR2 は、同一又は異なっ
て、水素原子又は低級アルキル基を示す)で表されるジ
ビニルビフェニル系単量体と、該単量体と共重合し得る
他の単量体との共重合体を少なくとも含む。一般式
(I)中、R1 及びR2 の低級アルキル基には、メチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec
−ブチル、t−ブチル等の基が含まれる。また、ビニル
基の置換位置は、特に限定されない。また、ビニル基の
置換位置のみが異なる単量体の混合物を使用してもよ
い。
【0012】好ましいジビニルビフェニル系単量体は、
4,4’−ジビニルビフェニル、3,3’−ジビニルビ
フェニル等のR1 及びR2 が水素である単量体又はそれ
らの混合物である。一方、ジビニルビフェニル系単量体
と共重合し得る他の単量体としては、例えば、不飽和脂
肪酸エステル、芳香族ビニル化合物、不飽和脂肪酸、不
飽和二塩基酸、シアン化ビニル化合物、多官能ビニル化
合物等が挙げられる。
【0013】より具体的には、不飽和脂肪酸エステルと
しては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)
アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチ
ルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)ア
クリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデ
シル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)ア
クリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレー
ト、(イソ)ボルニル(メタ)アクリレート、アダマン
チル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリ
レート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メ
タ)アクリレート、1−ナフチル(メタ)アクリレー
ト、フルオロフェニル(メタ)アクリレート、クロロフ
ェニル(メタ)アクリレート、ブロモフェニル(メタ)
アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレー
ト、メトキシフェニル(メタ)アクリレート、シアノフ
ェニル(メタ)アクリレート、ビフェニル(メタ)アク
リレート、ブロモベンジル(メタ)アクリレート等のア
クリル酸芳香族エステル、フルオロメチル(メタ)アク
リレート、クロロメチル(メタ)アクリレート、ブロモ
エチル(メタ)アクリレート、トリクロロメチル(メ
タ)アクリレート等のハロアルキル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メ
タ)アクリル酸ポリエチレングリコールエステル、グリ
シジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0014】芳香族ビニル化合物としては、スチレン、
ジビニルベンゼン(m体、p体又はそれらの混合物)
や、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、α−ク
ロロスチレン等のα−置換スチレン、フルオロスチレ
ン、クロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルス
チレン、メトキシスチレン等の置換スチレン等が挙げら
れる。
【0015】不飽和脂肪酸としては、(メタ)アクリル
酸、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メ
タ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリ
ルアミド等が挙げられる。不飽和二塩基酸としては、N
−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−ブチ
ルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フ
ェニルマレイミド、N−メチルフェニルマレイミド、N
−クロロフェニルマレイミド、N−カルボキシフェニル
マレイミド、マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。
【0016】シアン化ビニル化合物としては、例えば
(メタ)アクリロニトリルが挙げられる。多官能ビニル
化合物としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ト
リプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,
3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,
4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−
ペンタジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキ
サジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリ
コールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸
ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレー
ト、オリゴエステルジ(メタ)アクリレート、ポリブタ
ジエンジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−
(メタ)アクリロイルオキシフェニル)プロパン、2,
2−ビス(4−(ω−(メタ)アクリロイルオキシポリ
エトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−
(ω−(メタ)アクリロイルオキシポリエトキシ)ジブ
ロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(ω−
(メタ)アクリロイルオキシポリプロポキシ)フェニ
ル)プロパン、ビス(4−(ω−(メタ)アクリロイル
オキシポリエトキシ)フェニル)メタン等のジ(メタ)
アクリレート、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタ
レート、ジアリルテレフタレート、ジアリルカーボネー
ト、ジエチレングリコールジアリルカーボネート、N,
N’−m−フェニレンビスマレイミド等の二官能ビニル
化合物、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、
トリ(メタ)アリルイソシアヌレート、トリアリルトリ
メリテート、ジアリルクロレンデート等の三官能ビニル
化合物、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレ
ートのような四官能ビニル化合物等が挙げられる。
【0017】なお、上記他の単量体は、単独でも、混合
して使用してもよい。上記他の単量体の内、光拡散用シ
ート製造時の溶剤に対する耐性を光拡散剤粒子に付与す
る観点から、多官能ビニル化合物を使用することが好ま
しい。特に好ましい他の単量体は、ジビニルベンゼン、
ジエチレングリコールジメタクリレートである。
【0018】本発明の光拡散剤粒子において、ジビニル
ビフェニル系単量体とこの単量体と共重合可能な他の単
量体から由来する成分の割合は、5〜95重量%と95
〜5重量%である。ジビニルビフェニル系単量体由来の
成分の割合が5重量%より少ない場合、屈折率が1.6
以下となるので好ましくない。一方、95重量%より多
い場合、得られる光拡散剤粒子の強度が低下するので好
ましくない。より好ましいジビニルビフェニル系単量体
とこの単量体と共重合可能な他の単量体から由来する成
分の割合は、15〜90重量%と85〜10重量%であ
る。
【0019】更に、本発明の光拡散剤粒子は、光拡散性
及び光透過性が妨げられない限り、他の樹脂を含んでも
よく、ジビニルビフェニル系単量体及び他の単量体と共
重合し得る別の単量体との多元共重合体からなっていて
もよい。本発明の光拡散剤粒子は、1〜80μmの平均
粒子径を有している。平均粒子径が1μmより小さい場
合、光透過性が低下するため好ましくない。一方、80
μmより大きい場合、光拡散性シートの製造時に、光拡
散剤粒子を増やしても、光拡散性が向上せず、また異物
として目視することができるようになるため好ましくな
い。より好ましい平均粒子径は、2〜40μmである。
【0020】更に、本発明の光拡散剤粒子は、1.60
〜1.67の屈折率を有している。屈折率が1.60よ
り小さい場合、光拡散性シートに一般に使用されるアク
リル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系
樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル系樹脂等との屈
折率の差が小さく、十分に光を拡散させることが困難と
なるため好ましくない。
【0021】上記光拡散剤粒子の製造方法は、上記特性
の粒子を得ることができさえすれば特に限定されず、例
えば、懸濁重合、乳化重合等の方法により製造すること
ができる。この内、製造が比較的容易な懸濁重合を採用
して製造することが好ましい。以下、上記光拡散剤粒子
の懸濁重合による製造方法を説明する。まず、ジビニル
ビフェニル系単量体と他の単量体とを混合して単量体混
合物を得る。この単量体混合物とは別に、懸濁安定剤及
び重合開始剤を水を主成分とする溶媒に分散させて水性
媒体を得る。懸濁安定剤としては、例えば第三リン酸カ
ルシウム、ピロリン酸マグネシウムのような難水溶性無
機塩が挙げられる。懸濁安定剤の添加量は、単量体混合
物に対して、1〜10重量%の範囲であることが好まし
い。
【0022】また、懸濁安定剤としての難水溶性無機塩
は、単量体混合物との親和性が乏しいため、ラウリル硫
酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
等の界面活性剤を懸濁安定助剤として添加してもよい。
懸濁安定助剤の添加量は、水性媒体に対して、50〜1
000ppmの範囲であることが好ましい。重合開始剤
としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、
2,2’−アゾビスイソバレロニトリル、、2,2’−
アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル等のアゾ系
化合物、メチルエチルケトンパーオキシド、メチルイソ
ブチルケトンパーオキシド、シクロヘキサノンパーオキ
シド、アセチルアセトンパーオキシド等のケトンパーオ
キシド系化合物、イソブチリルパーオキシド、2,4−
ジクロロベンゾイルパーオキシド、o−メチルベンゾイ
ルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、p−クロロ
ベンゾイルパーオキシド等のジアシルパーオキシド系化
合物、2,4,4−トリメチルペンチル−2−ヒドロパ
ーオキシド、ジイソプロピルンゼンパーオキシド、クメ
ンヒドロパーオキシド、t−ブチルパーオキシド等のヒ
ドロパーオキシド系化合物、ジクメニルパーオキシド、
t−ブチルクメニルパーオキシド、ジ−t−ブチルパー
オキシド、トリス(t−ブチルパーオキシ)トリアジン
等のジアルキルパーオキシド系化合物、1,1−ジ−t
−ブチルパーオキシシクロヘキサン、2,2−ジ(t−
ブチルパーオキシ)ブタン等のパーオキシケタール系化
合物、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパ
ーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパー
オキシイソブチレート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキ
サヒドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシア
ゼレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメ
チルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシアセテー
ト、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチ
ルパーオキシトリメチルアジペート等のアルキルパーエ
ステル系化合物、ジイソプロピルパーオキシジカーボネ
ート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、
t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート等のパ
ーカーボネート系化合物等が挙げられる。重合開始剤の
添加量は、単量体混合物に対して、0.01〜5重量%
の範囲であることが好ましい。
【0023】次に、単量体混合物を水性媒体中に導入
し、攪拌しつつ重合させる。ここで攪拌は、攪拌機の先
端の周速度2〜7m/秒の範囲で行うことが好ましい。
この範囲であれば、本発明の範囲の平均粒子径を有する
光拡散剤粒子を得ることができる。また、重合は、使用
する単量体の種類によっても相違するが、40〜100
℃で、4〜15時間加熱することにより行うことができ
る。
【0024】重合後、水性媒体中の粒子を、公知の冷
却、濾過、洗浄及び乾燥工程に付すことにより、光拡散
剤粒子を得ることができる。更に、本発明では、上記光
拡散剤粒子を使用した光拡散性シートも提供される。具
体的には、シート上に光拡散剤粒子を含む光拡散層を備
えた構成、シート内に上記光拡散剤粒子を含んだ構成が
挙げられる。
【0025】まず、シート上に光拡散剤粒子を含む光拡
散層を備えた構成の場合、光拡散性シートを構成するシ
ートは、特に限定されない。例えば、ガラス、樹脂(例
えば、ポリエステル)等からなるシートが挙げられる。
また、シートの厚さは特に限定されず、使用する用途に
応じて適宜選択される。光拡散剤層は、例えば、有機溶
媒(例えば、トルエン)に、光拡散剤粒子を分散させる
と共に、バインダー樹脂(例えば、ポリエステル)を溶
解する。得られた溶液を、シート上に塗布し、次いで乾
燥させることにより光拡散剤層を形成することができ
る。
【0026】一方、シート内に上記光拡散剤粒子を含ん
だ構成の場合、シートを構成する原料に光拡散剤粒子を
混合し、得られた混合物を成形することにより得ること
ができる。また、シートを構成する原料は、単量体であ
ってもよい。その場合、例えば、光拡散剤粒子を単量体
と混合し、単量体を重合させた後、押し出し又は射出工
程を経ることにより光拡散性シートを形成することがで
きる。また、例えば、光拡散剤粒子を単量体と混合し、
単量体を光ないし熱重合させながら光拡散性シートを形
成することもできる。
【0027】本発明の光拡散性シートは、液晶表示装
置、テレビ等の表示装置のバックライト(エッジライト
を含む)から生じた光を拡散させる用途に好適に使用す
ることができる。本発明の光拡散性シートは、ヘイズ
(拡散光透過率÷全光線透過率×100)を90%以上
にすることができる。従って、バックライトから生じた
光を減少させないで、広範囲に拡散させることができ
る。このような光拡散性シートを例えば液晶表示装置に
使用した場合、視野角を従来より広くすることが可能と
なる。
【0028】なお、図1に、本発明の光拡散性シートを
使用した液晶表示装置の概略図を示す。図1では、エッ
ジライト方式の液晶表示装置が示されている。図1中、
1はリフレクター、2は光源、3は導光板、4は反射フ
ィルム、5は光拡散性シート、6はプリズムシート、7
は液晶セルを示している。この装置では、光源2を出た
光は、導光板3を介して、光拡散性シート5に入射す
る。光は光拡散性シート5を通過することにより、殆ど
減少することなく任意に拡散する。この後、光は、プリ
ズムシート6により所望の方向に揃えられ、液晶セル7
に入射することとなる。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により更に
詳しく説明する。
【0030】実施例1 攪拌機を備えたジャケット式の2リットルのオートクレ
ーブに、難水溶性無機塩として第三リン酸カルシウム
(懸濁安定剤)20gとラウリル硫酸ナトリウム(懸濁
安定助剤)0.5gを水1000ccに分散させて水性
媒体を得た。この水性媒体とは別に、ジビニルビフェニ
ル(4,4’−体と3,3’−体との混合物)400g
とジビニルベンゼン(m−体とp−体の混合物)の単量
体混合物100g(ジビニルビフェニル:ジビニルベン
ゼン=4:1)に、2,2’−アゾビスイソブチロニト
リル(重合開始剤)5gを加えて単量体溶液を得た。こ
の単量体溶液を上記水性媒体を含むオートクレーブ中に
導入し、攪拌機の先端の周速度を5m/秒として、単量
体溶液を水性媒体中に懸濁させつつ、70℃で6時間重
合させた。
【0031】オートクレーブの内容物を冷却した後、濾
過・洗浄・乾燥工程に付すことにより、平均粒子径が1
0μmの光拡散剤粒子を得た。なお、平均粒子径は、コ
ールター社製のコールターカウンターを使用して測定し
た。得られた光拡散剤粒子30重量部をトルエン30重
量部中に分散させ、次いで分散液にポリエステル樹脂
(東洋紡社製バイロン20ss、トルエン:メチルエチ
ルケトン:ポリエステル樹脂=5.6:1.4:3の混
合物)を溶解した。得られた混合液を厚さ100μm、
幅100mm、長さ50mmのポリエステルフィルム
(ダイヤホイル社製ダイヤホイルO−300E)の片面
に均一に塗布し、乾燥させてトルエン及びメチルエチル
ケトンを除去することにより、光拡散性シートを得た
(シート厚さ140μm)。得られた光拡散性シートの
全光線透過率と拡散光透過率をスガ試験器社製HGM−
2Dを使用して測定した。また、下記式によりヘイズを
算出した。
【0032】 ヘイズ(%)=拡散光透過率÷全光線透過率×100 また、上記光拡散剤粒子の製造とは別に、光拡散剤粒子
を構成する樹脂の屈折率を下記方法により測定した。上
記光拡散剤粒子の製造に使用したものと同じ組成の単量
体混合物100重量部に、2,2−アゾビス−2,4−
ジメチルバレロニトリル1重量部を溶解させた。この溶
解物を幅50mm、長さ100mm、厚さ1mmのガラ
スモールド中に注入した。この後、40℃で10時間重
合させ、次いで40℃から80℃まで5時間かけて昇温
させつつ重合させ、更に100℃で1時間重合させた。
得られた重合体を冷却後ガラスモールドから剥離するこ
とにより、屈折率測定用の試験片とした。なお、屈折率
は、アタゴ社製のRX−2000を使用して測定した。
【0033】上記のようにして測定された、屈折率、平
均粒子径、全光線透過率及びヘイズを表1に示す。
【0034】実施例2 ジビニルベンゼンの代わりにエチレングリコールジメタ
クリレートを使用すること以外は、実施例1と同様にし
て光拡散剤粒子を製造した。得られた光拡散剤粒子の屈
折率、平均粒子径、全光線透過率及びヘイズを実施例1
と同様にして測定した。その結果を表1に示す。
【0035】実施例3 ジビニルビフェニルを200g、ジビニルベンゼンを3
00g(ジビニルビフェニル:ジビニルベンゼン=2:
3)使用すること以外は、実施例1と同様にして光拡散
剤粒子を製造した。得られた光拡散剤粒子の屈折率、平
均粒子径、全光線透過率及びヘイズを実施例1と同様に
して測定した。その結果を表1に示す。
【0036】実施例4 攪拌機の先端の周速度を5m/秒から4m/秒にするこ
と以外は、実施例1と同様にして光拡散剤粒子を製造し
た。得られた光拡散剤粒子の屈折率、平均粒子径、全光
線透過率及びヘイズを実施例1と同様にして測定した。
その結果を表1に示す。
【0037】実施例5 ジビニルビフェニルを75g、ジビニルベンゼンを42
5g(ジビニルビフェニル:ジビニルベンゼン=3:1
7)使用すること以外は、実施例1と同様にして光拡散
剤粒子を製造した。得られた光拡散剤粒子の屈折率、平
均粒子径、全光線透過率及びヘイズを実施例1と同様に
して測定した。その結果を表1に示す。
【0038】実施例6 ジビニルビフェニルを425g、ジビニルベンゼンを7
5g(ジビニルビフェニル:ジビニルベンゼン=17:
3)使用すること以外は、実施例1と同様にして光拡散
剤粒子を製造した。得られた光拡散剤粒子の屈折率、平
均粒子径、全光線透過率及びヘイズを実施例1と同様に
して測定した。その結果を表1に示す。
【0039】実施例7 ジビニルベンゼンの代わりにスチレンを使用すること以
外は、実施例1と同様にして光拡散剤粒子を製造した。
得られた光拡散剤粒子の屈折率、平均粒子径、全光線透
過率及びヘイズを実施例1と同様にして測定した。その
結果を表1に示す。
【0040】実施例8 ジビニルベンゼンの代わりにメチルメタクリレートを使
用すること以外は、実施例1と同様にして光拡散剤粒子
を製造した。得られた光拡散剤粒子の屈折率、平均粒子
径、全光線透過率及びヘイズを実施例1と同様にして測
定した。その結果を表1に示す。
【0041】実施例9 ラルリル硫酸ナトリウムを0.1g使用すること以外
は、実施例1と同様にして光拡散剤粒子を製造した。得
られた光拡散剤粒子の屈折率、平均粒子径、全光線透過
率及びヘイズを実施例1と同様にして測定した。その結
果を表1に示す。
【0042】
【0043】
【0044】比較例攪拌機の先端の周速度を5m/秒
から2m/秒にし、ラウリル硫酸ナトリウムを0.05
g使用すること以外は、実施例1と同様にして光拡散剤
粒子を製造した。
【0045】また、屈折率、平均粒子径、全光線透過率
及びヘイズを実施例1と同様にして測定し、表1に示
す。
【0046】
【0047】表1から明らかなように、実施例の光拡散
剤粒子を使用すれば、良好な屈折率とヘイズを有する光
拡散性シートを製造することができた。なお、表1中、
全光線透過率の○は、全光線透過率が90%以上である
ことを意味し、ヘイズの○は、ヘイズが80%以上であ
ることを、×は80%未満であることを意味する。
【0048】
【発明の効果】本発明のジビニルビフェニル由来の成分
を含む光拡散剤用粒子を含む光拡散性シートによれば、
優れた光拡散特性が得られる。また、光拡散剤用粒子
は、1.6以上の高い屈折率を有し、容易かつ安価に製
造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光拡散性シートを使用した液晶表示装
置の概略図である。
【符号の説明】
1 リフレクター 2 光源 3 導光板 4 反射フィルム 5 光拡散性シート 6 プリズムシート 7 液晶セル

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、R1 及びR2 は、同一又は異なって、水素原子
    又は低級アルキル基を示す)で表される単量体5〜95
    重量%と、該単量体と共重合し得る他の単量体95〜5
    重量%との共重合体を含む粒子からなり、該粒子が1〜
    80μmの平均粒子径と1.60〜1.67の屈折率を
    し、前記他の単量体が、不飽和脂肪酸エステル、芳香
    族ビニル化合物、不飽和脂肪酸塩、不飽和二塩基酸、シ
    アン化ビニル化合物及び多官能ビニル化合物から選択さ
    ることを特徴とする光拡散剤粒子。
  2. 【請求項2】 他の単量体が、ジビニルベンゼン又はエ
    チレングリコールジメタクリレートである請求項の粒
    子。
  3. 【請求項3】 シート上に光拡散剤粒子を含む光拡散層
    を備えるか、シート内に光拡散剤粒子を含んでなり、光
    拡散剤粒子が請求項1又は2の粒子であることを特徴と
    する光拡散性シート。
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