JP5304048B2 - 異形粒子、組成物、及び光学材料用成型品 - Google Patents

異形粒子、組成物、及び光学材料用成型品 Download PDF

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Description

本発明は異形粒子、組成物、及び光学材料用成型品に関し、更に詳しくは、光透過性と光拡散性のバランスに優れた光学材料用成型品を提供可能な異形粒子及び組成物、並びに光透過性と光拡散性のバランスに優れた光学材料用成型品に関する。
現在、テレビ、パーソナルコンピュータ等の表示装置として、液晶表示装置が使用されている。この液晶表示装置は、光源と、この光源の近傍に配設及び照射される導光板と、この導光板の前方に順次配設される光拡散板、プリズムシート、及び液晶表示パネルとを備えている。導光板の前方に配設される光拡散板は、導光板を通過した光を更に均一に拡散させるために使用されている。この光拡散板の特性を改良することにより、液晶表示装置の輝度を向上させる試みがなされている。
関連する従来技術として、異形粒子を光拡散性樹脂粒子として用いた光拡散板が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この文献によれば、異形粒子を光拡散性樹脂粒子として用いることにより、高い全光線透過率と高いヘイズとを併せ持つ粒子が得られることが開示されている。
特開2007−197588号公報
しかしながら、特許文献1に記載された異形粒子を用いた光拡散板であっても、その直進透過率については未だ改良の余地があり、更なる高特性の光拡散成型品、及びそのような光拡散成型品を製造し得る材料の開発が望まれていた。
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、表面での正反射光を抑え、光拡散性に優れ、かつ直進透過率にも優れた、即ち、光透過性と光拡散性のバランスに優れた光学材料用成型品を提供可能な異形粒子を提供することにある。また、その課題とするところは、光透過性と光拡散性のバランスに優れた光学材料用成型品を提供可能な組成物を提供することにある。更に、その課題とするところは、光透過性と光拡散性のバランスに優れた光学材料用成型品を提供することにある。
本発明者らは上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、中空粒子と、所定の屈折率を有する重合体からなる粒子と、から異形粒子を構成することによって、上記課題を達成することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。また、所定の異形粒子と、バインダー成分と、から組成物を構成することによって、上記課題を達成することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。更に、所定の異形粒子又は所定の組成物を用いて光学材料用成型品を構成することによって、上記課題を達成することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、以下に示す異形粒子、組成物、及び光学材料用成型品が提供される。
[1]第一の重合体からなり、その外殻の厚さが0.05〜3.0μmである(a)中空粒子と、前記(a)中空粒子の表面の少なくとも一部に配置され、波長589nmの光に対する屈折率が1.3〜1.5であり、前記第一の重合体と異なる組成を有する第二の重合体からなる(b)粒子と、を有し、前記(b)粒子が、前記(a)中空粒子の表面の少なくとも一部に突起状に配置された形状を有し、前記(a)中空粒子の屈折率(R )と、前記(b)粒子の屈折率(R )との比((R )/(R ))の値が、0.7〜1.4であり、その数平均粒子径が0.4〜10μmである異形粒子。
[2]前記(a)中空粒子の数平均粒子径(L)と、前記(b)粒子の数平均粒子径(L)との比((L)/(L))が、0.05〜20である前記[1]に記載の異形粒子。
[3]前記第一の重合体が、(a1)芳香族ビニル系単量体由来の構成単位を60〜98質量%、(a2)極性官能基含有単量体由来の構成単位を2〜40質量%、及び(a3)その他の単量体由来の構成単位を0〜38質量%(但し、(a1)+(a2)+(a3)=100質量%)、を含有する前記[1]又は[2]に記載の異形粒子。
[4]前記第二の重合体が、(b1)フッ素原子含有単量体由来の構成単位、及び(b2)その単独重合体が、波長589nmの光に対する屈折率が1.5未満である(メタ)アクリレート化合物(但し、(b1)を除く)からなる群から選ばれる少なくとも一種を含む単量体由来の構成単位、を含有する前記[1]〜[3]のいずれかに記載の異形粒子。
[5]前記(a)中空粒子をシードポリマー粒子とし、シード重合させることにより、前記(a)中空粒子の表面の少なくとも一部に前記(b)粒子を配置させて得られる前記[1]〜[4]のいずれかに記載の異形粒子。
[6]前記[1]〜[5]のいずれかに記載の異形粒子と、バインダー成分と、を含む組成物。
[7]樹脂成分と、前記[1]〜[5]のいずれかに記載の異形粒子と、を含む樹脂材料からなる光学材料用成型品。
[8]基材層と、前記基材層の少なくとも一方の面上に形成された、前記[6]に記載の組成物からなる光学材料層と、を備えた光学材料用成型品。
[9]導光板、光拡散板、光拡散フィルム、アンチグレアフィルム、プリズムシート、又はプロテクトシートである前記[7]又は[8]に記載の光学材料用成型品。
本発明の異形粒子は、光透過性と光拡散性のバランスに優れた光学材料用成型品を提供可能であるという効果を奏するものである。
また、本発明の組成物は、光透過性と光拡散性のバランスに優れた光学材料用成型品を提供可能であるという効果を奏するものである。
更に、本発明の光学材料用成型品は、光透過性と光拡散性のバランスに優れているという効果を奏するものである。
以下、本発明の実施の最良の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
1.異形粒子
本発明の異形粒子は、(a)中空粒子と、(a)中空粒子の表面の少なくとも一部に配置される(b)粒子と、を有し、(b)粒子が、(a)中空粒子の表面の少なくとも一部に突起状に配置された形状を有し、(a)中空粒子の屈折率(R )と、(b)粒子の屈折率(R )との比((R )/(R ))の値が、0.7〜1.4であり、その数平均粒子径が0.4〜10μmであるものである。このような異形粒子は、表面での正反射光を抑え、光拡散性に優れ、かつ直進透過率にも優れた、即ち、光透過性と光拡散性のバランスに優れた光学材料用成型品を提供することが可能である。
1.1 異形粒子の構成成分
1.1.1 (a)中空粒子
本発明の異形粒子を構成する(a)中空粒子は、第一の重合体からなり、その外殻の厚さが0.05〜3.0μmであるものである。このような(a)中空粒子を有することによって、粒子殻の内壁面での光の散乱効果が顕著に加わり、より高い光拡散性を発現するという利点がある。また、(a)中空粒子は、水に対する溶解度が10−2質量%以下である有機化合物を含有する油溶性重合開始剤を吸収可能なシードポリマー粒子であることが好ましい。なお、本明細書において「中空粒子」とは、粒子内部に単一の空隙が形成された粒子をいう。
(第一の重合体)
第一の重合体は、(a1)芳香族ビニル系単量体由来の構成単位(以下、「構成単位(a1)」ともいう)、(a2)極性官能基含有単量体由来の構成単位(以下、「構成単位(a2)」ともいう)、及び必要に応じて(a3)その他の単量体由来の構成単位(以下、「構成単位(a3)」ともいう)を含有することが好ましい。なお、これらを総称して「第一の重合体用の単量体」ともいう。
構成単位(a1)
構成単位(a1)を構成するために用いられる芳香族ビニル系単量体として、具体的には、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、4−エチルスチレン、4−tert−ブチルスチレン、3,4−ジメチルスチレン、4−メトキシスチレン、4−エトキシスチレン、2−クロロスチレン、3−クロロスチレン、4−クロロスチレン、2,4−ジクロロスチレン、2,6−ジクロロスチレン、4−クロロ−3−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン等を挙げることができる。これらの中でも、スチレン、ジビニルベンゼン、α−メチルスチレンが好ましい。なお、これらの芳香族ビニル系単量体は、一種単独で用いても良く、二種以上を組み合わせて用いても良い。
構成単位(a1)の含有割合は、第一の重合体用の単量体に由来する構成成分の合計を100質量%とした場合に、60〜98質量%であることが好ましく、65〜95質量%であることが更に好ましく、70〜90質量%であることが特に好ましい。構成単位(a1)の含有割合が60質量%未満であると、中空型の粒子が良好に得難くなる傾向にある。一方、98質量%超であると、異形粒子が得難くなる傾向にある。
構成単位(a2)
構成単位(a2)を構成するために用いられる極性官能基含有単量体とは、その分子中に極性官能基を有する単量体をいう。このような極性官能基としては、カルボキシル基、シアノ基、水酸基、グリシジル基等を好適例として挙げることができる。極性官能基含有単量体として、具体的には、カルボキシル基含有単量体、シアノ基含有単量体、水酸基含有単量体、グリシジル基含有単量体、エステル基含有単量体等を挙げることができる。なお、以下に例示する単量体は、一種単独で用いても良く、二種以上を組み合わせて用いても良い。
カルボキシル基含有単量体として、具体的には、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、へキサヒドロフタル酸モノ−2−(メタ)アクリロイルオキシエチル等のカルボキシル基含有不飽和単量体やその無水物類等を挙げることができる。これらの中でも、(メタ)アクリル酸が好ましい。
また、シアノ基含有単量体として、具体的には、(メタ)アクリロニトリル、クロトンニトリル、ケイ皮酸ニトリル等のシアン化ビニル系単量体;2−シアノエチル(メタ)アクリレート、2−シアノプロピル(メタ)アクリレート、3−シアノプロピル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらの中でも、(メタ)アクリロニトリルが好ましい。
更に、水酸基含有単量体として、具体的には、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシ(シクロ)アルキルモノ(メタ)アクリレート類;3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の置換ヒドロキシ(シクロ)アルキルモノ(メタ)アクリレート類等を挙げることができる。これらの中でも、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレートが好ましい。
また、グリシジル基含有単量体として、具体的には、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジルメチルアクリレート、エポキシ化シクロヘキシル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらの中でも、グリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。
更に、エステル基含有単量体として、具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、p−メトキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等を挙げることができる。これらの中でも、メチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレートが好ましい。
構成単位(a2)の含有割合は、第一の重合体用の単量体に由来する構成成分の合計を100質量%とした場合に、2〜40質量%であることが好ましく、4〜35質量%であることが更に好ましく、8〜30質量%であることが特に好ましい。構成単位(a2)の含有割合が2質量%未満であると、異形粒子が得難くなる傾向にある。一方、40質量%超であると、光拡散性が劣る傾向にある。
構成単位(a3)
構成単位(a3)を構成するために用いられるその他の単量体は、構成単位(a1)及び(a2)を構成するために用いられる単量体と共重合可能な単量体であれば良い。例えば、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチロール(メタ)アクリルアミド等のN−メチロール化不飽和カルボン酸アミド類;2−ジメチルアミノエチルアクリルアミド等のアミノアルキル基含有アクリルアミド類;(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−エチレンビス(メタ)アクリルアミド、マレイン酸アミド、マレイミド等の不飽和カルボン酸のアミド類又はイミド類;N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド等のN−モノアルキル(メタ)アクリルアミド又はN,N−ジアルキルアクリルアミド類;2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノアルキル基含有(メタ)アクリレート類;2−(ジメチルアミノエトキシ)エチル(メタ)アクリレート等のアミノアルコキシアルキル基含有(メタ)アクリレート類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、脂肪酸ビニルエステル等のハロゲン化ビニル化合物類;1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等の共役ジエン化合物類;
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、n−へキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の(シクロ)アルキル(メタ)アクリレート類;2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、p−メトキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート等のアルコキシ(シクロ)アルキル(メタ)アクリレート類;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の多価(メタ)アクリレート類等がある。
構成単位(a3)の含有割合は、第一の重合体用の単量体に由来する構成成分の合計を100質量%とした場合に、0〜38質量%であることが好ましく、0〜30質量%であることが更に好ましく、0〜20質量%であることが特に好ましい。構成単位(a3)の含有割合が38質量%超であると、光拡散性能が低下する傾向にある。
第一の重合体の主成分の好ましい具体例としては、スチレン系重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体等を挙げることができる。
((a)中空粒子の物性)
(a)中空粒子の外殻の厚さは、0.05〜3.0μmであり、0.07〜2.0μmであることが好ましく、0.1〜1.0μmであることが特に好ましい。厚さが0.05μm未満であると、外力等により(a)中空粒子が潰れ易くなるおそれがある。一方、3.0μm超であると、十分な光拡散性を発現しないおそれがある。
(a)中空粒子の数平均粒子径は、0.1〜9μmであることが好ましく、0.2〜5μmであることが更に好ましい。(a)中空粒子の数平均粒子径がこの範囲外であると、乳化重合により製造することが困難になる場合がある。
1.1.2 (b)粒子
本発明の異形粒子を構成する(b)粒子は、(a)中空粒子の表面の少なくとも一部に配置された、第二の重合体からなるものである。また、第二の重合体は、第一の重合体と異なる組成を有するものである。
(第二の重合体)
第二の重合体は、(b1)フッ素原子含有単量体由来の構成単位(以下、「構成単位(b1)」ともいう)、及び(b2)その単独重合体が、波長589nmの光に対する屈折率が1.5未満である(メタ)アクリレート化合物(但し、(b1)を除く)からなる群から選ばれる少なくとも一種を含む単量体由来の構成単位(以下、「構成単位(b2)」ともいう)を含有するものであることが好ましい。なお、これらを総称して「第二の重合体用の単量体」ともいう。
構成単位(b1)
構成単位(b1)を構成するために用いられるフッ素原子含有単量体としては、例えば、フッ素原子含有ビニル単量体やフッ素原子含有(メタ)アクリレート単量体等がある。これらの中でも、フッ素原子含有(メタ)アクリレート単量体が好ましい。なお、これらのフッ素原子含有単量体は、一種単独で用いても良く、二種以上を組み合わせて用いても良い。
フッ素原子含有ビニル単量体として、具体的には、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン等を挙げることができる。
また、フッ素原子含有(メタ)アクリレート単量体としては、例えば、フルオロアルキル(メタ)アクリレートがある。フルオロアルキル(メタ)アクリレートの具体例としては、ウンデカフルオロエチルアクリレート、ノナフルオロペンチルアクリレート、ヘプタフルオロブチルアクリレート、オクタフルオロペンチルアクリレート、ペンタフルオロプロピルアクリレート、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロブチルアクリレート、トリフルオロイソプロピル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
構成単位(b1)の含有割合は、第二の重合体用の単量体に由来する構成成分の合計を100質量%とした場合に、50質量%以上であることが好ましい。
構成単位(b2)
構成単位(b2)を構成するために用いられる単量体としては、その単独重合体が、波長589nmの光に対する屈折率が1.5未満である(メタ)アクリレート化合物(以下、「特定(メタ)アクリレート化合物」ともいう)からなる群から選ばれる少なくとも一種を含むものであれば特に限定されるものではない。特定(メタ)アクリレート化合物として、具体的には、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、3−エトキシプロピル(メタ)アクリレート、3−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、3,3,5−トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、1,1−ジエチルプロピル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
構成単位(b2)の含有割合は、第二の重合体用の単量体に由来する構成成分の合計を100質量%とした場合に、50質量%以上であることが好ましい。
構成単位(b3)
第二の重合体には、必要に応じて、構成単位(b1)及び(b2)を構成するために用いられる単量体と共重合可能なその他の単量体由来の構成単位(以下、「構成単位(b3)」ともいう)が含有されても良い。構成単位(b3)を構成するために用いられるその他の単量体として、具体的には、構成単位(a3)を構成するために用いられるその他の単量体として記載したものを挙げることができる。これらの中でも、多価(メタ)アクリレート類を用いることが好ましい。なお、構成単位(b3)は構成単位(b2)と同一の化合物であっても良く、異なっていても良い。
構成単位(b3)の含有割合は、第二の重合体用の単量体に由来する構成成分の合計を100質量%とした場合に、通常、5〜50質量%である。
第二の重合体の組成と第一の重合体の組成は、第二の重合体に含まれる単量体由来の構成単位の少なくとも一種が、第一の重合体に含まれる単量体由来の構成単位と異なっている。この場合、異形粒子を構成する単量体由来の構成単位のうち、少なくとも一種は第一の重合体と第二の重合体のいずれか一方の重合体にのみ含まれていることになり、第一の重合体の組成と第二の重合体の組成が異なるものとなる。これにより、例えば、(a)中空粒子と(b)粒子とを非対称に分離させることができる。
(第二の重合体の物性)
第二の重合体の波長589nmの光に対する屈折率は、1.3〜1.5であり、1.35〜1.5であることが好ましく、1.4〜1.5であることが更に好ましい。波長589nmの光に対する屈折率が1.3未満であると、異形粒子が良好に得られにくくなる場合がある。一方、1.5超であると、全光線透過率が不十分な場合がある。
1.1.3 反応性官能基
本発明の異形粒子は、反応性官能基を有すること、即ち、第一の重合体及び第二の重合体の少なくともいずれかに一種以上の反応性官能基を有することが好ましい。これは、重合安定性を良好に保ちやすい傾向にあるためである。反応性官能基としては、例えば、エステル基、アミド基、アミン基、カルボキシル基、スルホン酸基、硫酸基、グリシジル基、水酸基がある。
反応性官能基として、エステル基、アミド基、アミン基、カルボキシル基、グリシジル基、又は水酸基を有する重合体は、例えば、これらの反応性官能基を有する単量体を共重合させるか、又はこれらの反応性官能基を有する化合物をグラフト重合させることにより得ることができる。また、スルホン酸基を有する重合体は、例えば、スルホン酸基を有する反応性界面活性剤の存在下で、単量体を重合させることにより得ることができる。更に、硫酸基を有する重合体は、例えば、過硫酸カリウム等の重合開始剤を用いて単量体を重合させることにより得ることができる。第一の重合体及び第二の重合体の少なくともいずれかに含まれる反応性官能基の量は、この反応性官能基の導入に用いられた化合物に換算して、それぞれの重合体につき、0.5〜50質量%であることが好ましく、2〜30質量%であることが更に好ましい。
1.2 異形粒子の製造方法
本発明の異形粒子は、例えば、以下に示す方法に従って製造することができる。先ず、シード粒子の存在下、水性媒体中で、第一の重合体用の単量体を乳化重合して第一の重合体からなるコアシェル粒子を調製し(以下、「工程(a−1)」ともいう)、次いで、アンモニア等の揮発性塩基を添加することによってコアを膨潤させることによって(a)中空粒子を調製する(以下、「工程(a−2)」ともいう)。次に、調製した(a)中空粒子をシードポリマー粒子とし、その存在下で第二の重合体用の単量体をシード重合させる(以下、「工程(b)」ともいう)ことで製造することができる。
1.2.1 工程(a−1)
工程(a−1)は、シード粒子の存在下、水性媒体中で、第一の重合体用の単量体を乳化重合して第一の重合体からなるコアシェル粒子を調製する工程である。より具体的には、メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体のようなカルボン酸を有する重合体からなる粒子をシード粒子として用い、水性媒体中で第一の重合体用の単量体を乳化重合して第一の重合体をコアとするコアシェル粒子を調製する工程である。
(シード粒子の調製)
シード粒子は、例えば、不飽和カルボン酸単量体(c1)(以下、「単量体(c1)」といもいう)及びラジカル重合性単量体(c2)(以下、「単量体(c2)」ともいう)からなる単量体混合物(c)を水性媒体中で乳化重合させることによって調製することができる。
単量体(c1)としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のモノ又はジカルボン酸、前記ジカルボン酸の酸無水物、モノアルキルエステル、モノアミド類等がある。これらの中でも、シード粒子の安定性の観点から、(メタ)アクリル酸、イタコン酸が好ましい。なお、これらは1種単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。
また、単量体(c2)としては、例えば、不飽和カルボン酸エステル;スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族単量体;(メタ)アクリロニトリル;酢酸ビニル、ブタジエン、イソプレン等がある。これらの中でも、不飽和カルボン酸エステルが好ましく、単量体(c2)総量の50質量%以上が、不飽和カルボン酸エステルであることが更に好ましい。不飽和カルボン酸エステルが(c2)総量の50質量%未満であると、後述する揮発性塩基による膨潤作用が低下し、空隙の形成が不十分となったり、空隙が形成された場合でも、空隙に芯粒子が残存してしまったりする場合がある。
水性媒体とは、水を主成分とする媒体をいう。具体的には、水性媒体中における水の含有率が、40質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることが更に好ましい。なお、水と併用することのできる媒体としては、エステル類、ケトン類、フェノール類、アルコール類等を挙げることができる。
(コアシェル粒子の調製)
調製したシード粒子の存在下で、第一の重合体用の単量体を乳化重合し、第一の重合体をコアとするコアシェル粒子を調製する。乳化重合の条件は、特に制限されるものではなく、従来公知の方法に準ずれば良い。例えば、第一の重合体用の単量体の全量を100質量部とした場合に、100〜500質量部の水を使用し、重合温度−10〜100℃(好ましくは−5〜100℃、より好ましくは0〜90℃)、重合時間0.1〜30時間(好ましくは2〜25時間)の条件で行うことができる。乳化重合の方式としては、単量体を一括して仕込むバッチ方式、単量体を分割若しくは連続して供給する方式、単量体のプレエマルジョンを分割若しくは連続して添加する方式、又はこれらの方式を段階的に組み合わせた方式等を採用することができる。また、通常の乳化重合に用いられる分子量調節剤、キレート化剤、無機電解質等を必要に応じて使用することができる。なお、これらは1種単独で用いても良く、二種以上を組み合わせて用いても良い。
乳化重合に重合開始剤を使用する場合には、この重合開始剤として、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、2−カルバモイルアザイソブチロニトリル等のアゾ化合物;過酸化基を有するラジカル乳化性化合物を含有するラジカル乳化剤、亜硫酸水素ナトリウム、及び硫酸第一鉄等の還元剤を組み合わせたレドックス系等を用いることができる。また、乳化剤を用いる場合には、この乳化剤として、公知のアニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤、及び両性乳化剤からなる群より選択される少なくとも一種を使用することができる。なお、分子内に不飽和二重結合を有する反応性乳化剤等を用いても良い。
乳化重合に用いられる分子量調節剤は、特に制限されるものではなく、具体的には、n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ヘキサデシルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、t−テトラデシルメルカプタン、チオグリコール酸等のメルカプタン類;ジメチルキサントゲンジスルフィド、ジエチルキサントゲンジスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィド等のキサントゲンジスルフィド類;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド等のチウラムジスルフィド類;クロロホルム、四塩化炭素、四臭化炭素、臭化エチレン等のハロゲン化炭化水素類;ペンタフェニルエタン、α−メチルスチレンダイマー等の炭化水素類;アクロレイン、メタクロレイン、アリルアルコール、2−エチルヘキシルチオグリコレート、ターピノーレン、α−テルネピン、γ−テルネピン、ジペンテン、1,1−ジフェニルエチレン等を挙げることができる。これらの中でも、メルカプタン類、キサントゲンジスルフィド類、チウラムジスルフィド類、1,1−ジフェニルエチレン、α−メチルスチレンダイマーがより好適に用いられる。なお、これらは一種単独で用いても良く、二種以上を組み合わせて用いても良い。
乳化重合終了時における重合転化率は、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることが更に好ましく、95質量%以上であることが特に好ましい。重合添加率が80質量%未満の状態で、第二の重合体用の単量体を投入すると、形成される(a)中空粒子と(b)粒子が明確に分離し難くなる傾向にある。
1.2.2 工程(a−2)
工程(a−2)は、調製したコアシェル粒子をアンモニア等の揮発性塩基を添加することによって膨潤させて(a)中空粒子を調製する工程である。より具体的には、調製したコアシェル粒子の分散体のpHをアンモニア、アミン等の揮発性塩基によって7以上に調整し、必要に応じて加熱して、中和膨潤させて(a)中空粒子を調製する。単量体混合物(c)に由来するシード粒子は、揮発性塩基が浸透し得るため、上記処理によって、中和され、これに伴い、著しく吸水することにより、内部に空隙を有する(a)中空粒子を形成する。
1.2.3 工程(b)
工程(b)は、調製した(a)中空粒子をシードポリマー粒子とし、その存在下で第二の重合体用の単量体をシード重合させて異形粒子を製造する工程であり、(a)中空粒子の表面の少なくとも一部に配置され、(a)中空粒子の表面の少なくとも一部に突起状に配置された(b)粒子を得る工程である。
具体的には、(a)中空粒子が分散した水性媒体中に、第二の重合体用の単量体若しくはそのプレエマルジョンを一括、分割、又は連続して滴下すれば良い。このとき使用する(a)中空粒子の量は、第二の重合体用の単量体100質量部に対して、1〜10,000質量部とすることが好ましく、2〜9,000質量部とすることが更に好ましい。重合に際して重合開始剤や乳化剤を用いる場合には、(a)中空粒子の調製方法に記載したものと同様のものを使用することができる。また、重合時間等の条件についても、(a)中空粒子の調製方法に記載した方法と同様にすれば良い。このような方法によれば、異形粒子中の(b)粒子は、図8〜10に示すように生長することができる。
1.3 異形粒子の形状及び物性
1.3.1 形状
本発明の異形粒子は、(a)中空粒子と、(b)粒子と、を有し、(b)粒子が(a)中空粒子の表面の少なくとも一部に配置された形状をとる。また、(b)粒子が(a)中空粒子の表面の少なくとも一部に突起状に配置された形状をとる。具体的な形状は、(a)中空粒子と(b)粒子の質量比、分離性、(b)粒子の形成する際の重合条件等によって種々変化する。
本明細書にいう「異形」とは、一方の粒子(例えば、(a)中空粒子)が他方の粒子(例えば、(b)粒子)の表面の少なくとも一部に配置させて得られる形状を含むものであり、より詳しくは、一方の粒子の中心と他方の粒子の中心を通る面で切断した切断面における一方の粒子と他方の粒子との中心間距離が、一方の粒子の半径と他方の粒子の半径の和以下である形状をいう。
本発明の異形粒子は、(a)中空粒子と(b)粒子がいずれも実質的に単一の領域にまとまって存在するとともに、異形粒子全体の中心点に対して非対称に配置されていることが好ましい。別言すれば、本発明の異形粒子は、芯部が粒子表面に露出されていない従来のコアシェル粒子とは異なり、(a)中空粒子と(b)粒子のいずれもが表面に露出していることが好ましい。更に別言すれば、(a)中空粒子の表面に(b)粒子が局在化して存在する形状、或いは(b)粒子の表面に(a)中空粒子が局在化して存在する形状が好ましい。なお、本発明の異形粒子の全体形状は、具体的には、(a)中空粒子と(b)粒子のそれぞれの一部分で少なくとも相互に接しているか、又は重なり合って形成された形状、いわゆる雪だるま形状(又は、西洋梨形状、瓢箪形状等ということもできる)であることが好ましい
なお、粒子全体の形状が、図1のような球状突起を持つ形状である場合が、本明細書にいう「異形粒子」の概念に含まれる。
1.3.2 数平均粒子径
本発明の異形粒子の数平均粒子径は、0.4〜10μmであり、好ましくは0.8〜10μmであり、更に好ましくは1.2〜10μmである。数平均粒子径が0.4μm未満であると、十分な光拡散性が得られない場合がある。一方、10μm超であると、乳化重合法によって製造することが困難な場合がある。
1.3.3 数平均粒子径の比
本発明の異形粒子は、(a)中空粒子の数平均粒子径(L)と、(b)粒子の数平均粒子径(L)との比((L)/(L))の値が、0.05〜20であることが好ましく、0.2〜18であることが更に好ましく、0.4〜15であることが特に好ましい。(L)/(L)の値がこの範囲外であると、光透過性と光拡散性のバランスが著しく劣る傾向にある。なお、粒子の形状が、真球形状ではなく、いわゆる扁平形状や、図1に示すような球状突起をもつ形状である場合、長径と短径の平均値を「平均粒子径」とする。
1.3.4 長径/短径の数平均値の比
本発明の異形粒子は、その長径の数平均値(L)と、短径の数平均値(D)との比((L)/(D))の値が、1.0〜2.0であることが好ましく、1.1〜1.9であることが更に好ましく、1.2〜1.8であることが特に好ましい。(L)/(D)の値が2.0超であると、バインダー成分への分散性が低下し、均一な光拡散性を得難くなる傾向にある。
なお、本明細書において「長径」及び「短径」とは、例えば、異形粒子が図1に示すような球状突起をもつ形状である場合、長径(L)は、図7に示すように(a)中空粒子1の端部から、(b)粒子2の端部までの距離をいい、短径(D)は、(a)中空粒子1又は(b)粒子2のうちより大きい粒子(図7においては、(a)中空粒子1)の径をいう。
1.3.5 屈折率の比
本発明の異形粒子は、(a)中空粒子の屈折率(R)と、(b)粒子の屈折率(R)との比((R)/(R))の値が、0.7〜1.4であり、0.8〜1.3であることが好ましく、0.85〜1.25であることが特に好ましい。(R)/(R)の値がこの範囲外であると、異形粒子を得難くなる傾向にある。なお、ここでいう屈折率は、以下のようにして測定した値である。
先ず、測定対象となる粒子を80℃で24時間乾燥させた後に破砕し、60メッシュの金網で濾過して試験サンプル(乾燥一次粒子)を調製する。次いで、調製した乾燥一次粒子と、適当な屈折率の屈折率標準液(Cargille社製)を混合して、一次粒子分散液を調製する。その後、調製した一次粒子分散液を顕微鏡で観察し、一次粒子の輪郭部分が視認可能であるか否かを確認し、視認不可能な場合における屈折率標準液の屈折率、即ち、視認することができなくなったときの屈折率標準液の屈折率を、その粒子の「屈折率」とする。
1.3.6 表面の露出割合
本発明の異形粒子の全表面積のうち、(a)中空粒子により形成される露出面と、(b
)粒子により形成される露出面との割合((a)/(b))(以下、「面積比」ともいう)は、5/95〜95/5であることが好ましく、10/90〜90/10であることが更に好ましい。面積比がこの範囲外であると、異形粒子が「異形」であることによる効果が十分に得られない場合がある。なお、異形粒子の全表面積に占める(a)中空粒子又は(b)粒子の露出面の割合は、例えば、電子顕微鏡写真から測定することができる。
2.組成物
本発明の組成物は、「1.異形粒子」に記載の異形粒子と、バインダー成分と、を含むものである。そのため、表面での正反射光を抑え、光拡散性に優れ、かつ直進透過率にも優れた、即ち、光透過性と光拡散性のバランスに優れた光学材料用成型品を提供することが可能である。
2.1 組成物の構成成分
2.1.1 異形粒子
本発明の組成物に含まれる異形粒子は、「1.異形粒子」に記載の異形粒子をいう。
2.1.2 バインダー成分
本発明の組成物に含まれるバインダー成分は、透明であるとともに、例えば、樹脂製のシート等の表面上に異形粒子を分散一体化させることができるものであれば、特に限定されるものではない。具体的には、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルブチラール、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ニトロセルロース等の熱可塑性樹脂;フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂や、電子線或いは紫外線照射により硬化する電離放射線硬化型樹脂等を挙げることができ、これらは適用する光学材料に応じて適宣選択して用いることができる。なお、これらは一種単独で用いても良く、二種以上を組み合わせて用いても良い。
バインダー成分の含有割合は、異形粒子100質量部に対して、1〜10,000質量部であることが好ましく、2〜5,000質量部であることが更に好ましく、3〜1,000質量部であることが特に好ましい。含有割合が1質量部未満であると、例えば、樹脂製のシート等の表面上に異形粒子を分散一体化させることが困難になる傾向がある。一方、10,000質量部超であると、組成物を用いて製造した光学材料用成型品の光拡散性が向上し難くなる傾向にある。
(バインダー成分の物性)
バインダー成分の全光線透過率は、80%以上であることが好ましく、90%以上であることが更に好ましい。バインダー成分の全光線透過率が80%以上であると、より光透過性に優れた光学材料用成型品を製造可能となる。また、バインダー成分の屈折率としては1.46〜1.54程度であることが好ましい。
2.1.3 その他の成分
本発明の異形粒子組成物には、異形粒子及びバインダー成分以外にも、必要に応じて、硬化剤、分散剤、染料等のその他の成分を含むことができる。
その他の成分の含有割合は、異形粒子とバインダー成分との総量100質量部に対して、0〜10質量部であることが好ましく、0〜5質量部であることが更に好ましく、0〜3質量部であることが特に好ましい。
2.2 組成物の製造方法
本発明の組成物は、例えば、以下のようにして製造することができる。異形粒子を含有するエマルジョンから溶媒を除去して、乾燥状態の異形粒子を得、得られた乾燥状態の異形粒子とバインダー成分を混合することで製造することができる。このようにして製造された組成物は、光透過性と光拡散性のバランスに優れた光学材料用成型品を提供可能することができる。
異形粒子を含有するエマルジョンから溶媒を除去する方法については特に限定されるものではないが、フリーズドライ方法、スプレードライ方法であると、簡便に乾燥状態とすることができるために好ましい。
なお、乾燥は、溶媒の含有割合が5.0質量%以下となるまですることが好ましく、3.0質量%以下となるまですることが更に好ましい。溶媒の含有割合が5.0質量%超であると、バインダー成分への分散性が低下し、均一な光拡散性を有する光学材料用成型品を製造することが困難になる傾向がある。
混合方法については特に限定されないが、例えば、各種混練機、ビーズミル、高圧ホモジナイザー等を用いて混合することができる。また、必要に応じてその他の成分を加えて均一に混合する。なお、その他の成分は、異形粒子及びバインダー成分を混合した後、別途混合しても良い。
3.光学材料用成型品
本発明の光学材料用成型品の一実施形態は、樹脂成分と異形粒子を含む樹脂材料からなるもの(以下、「光学材料用成型品(1)」ともいう)である。また、本発明の光学材料用成型品の他の実施形態は、基材層と、この基材層の少なくとも一方の面上に形成された組成物からなる光学材料層と、を備えたもの(以下、「光学材料用成型品(2)」ともいう)である。これらのような光学材料用成型品は、表面での正反射光を抑え、光拡散性に優れ、かつ直進透過率にも優れた、即ち、光透過性と光拡散性のバランスに優れたものである。従って、本発明の光学材料用成型品は、このような特性を生かし、導光板、光拡散板、光拡散フィルム、アンチグレアフィルム、プリズムシート、又はプロテクトシート等として好適に利用可能である。
3.1 光学材料用成型品(1)
3.1.1 光学材料用成型品(1)の構成成分
光学材料用成型品(1)は、樹脂成分と異形粒子とを含む樹脂材料からなるものである。樹脂成分については特に制限されるものではないが、可視光線に対して高い透過性を有する透明なものが好ましい。なお、透明には、無色透明の他に、有色透明、半透明が概念的に含まれる。樹脂成分として、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリスチレン、メチル(メタ)アクリレート−スチレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体等の熱可塑性樹脂;エポキシ樹脂、ビニルエーテル樹脂、2つ以上の(メタ)アクリル基を有する(メタ)アクリレート、オキセタン樹脂、ビニルエステル樹脂等の熱又は活性エネルギー線で硬化可能な硬化性樹脂等を挙げることができる。これらの中でも、熱又は活性エネルギー線で硬化可能な硬化性樹脂が、ガラス繊維やガラス繊維布との複合化が容易であるとともに、熱的に安定であることから好ましく、エポキシ樹脂、2つ以上の(メタ)アクリル基を有する(メタ)アクリレートが更に好ましい。
また、樹脂成分は、厚さ200μmのシートにした場合に、光線透過率が80%以上のものであることが、光学材料用成型品の光透過性をより優れたものとすることができるために好ましく、85%以上のものであることが更に好ましく、90%以上のものであることが特に好ましい。また、使用環境や保存環境等を考慮すると、樹脂成分のガラス転移温度は、100℃以上であることが好ましく、120℃以上であることが更に好ましく、150℃以上であることが特に好ましい。
異形粒子は、「1.異形粒子」に記載したものである。異形粒子の含有割合は、樹脂成分100質量部に対して、1〜1,000質量部であることが好ましく、1〜500質量部であることが更に好ましく、1〜100質量部であることが特に好ましい。含有割合が1質量部未満であると、光拡散性が十分に向上し難くなる傾向にある。一方、1,000質量部超であると、著しく光透過性が低下する傾向にある。
3.1.2 光学材料用成型品(1)の製造方法
光学材料用成型品(1)の製造方法としては、例えば、樹脂成分と異形粒子とを押出機に供給し、押出機から押し出されたものをマスターバッチ化した後、このマスターバッチを押出機に供給し、キャビティ内に射出して成型加工する等の方法がある。
3.2 光学材料用成型品(2)
3.2.1 光学材料用成型品(2)の構成成分
光学材料用成型品(2)は、基材層と、この基材層の少なくとも一方の面上に形成された組成物からなる光学材料層と、を備えたものである。基材層は、透明(無色透明、有色透明、又は半透明)な樹脂からなる層であることが好ましい。この基材層を構成する樹脂として、具体的には、光学材料用成型品(1)を構成する樹脂材料に含有される樹脂成分と同一のものを挙げることができる。
基材層の厚さは特に限定されないが、30〜300μmであることが好ましく、50〜200μmであることが更に好ましい。
基材層の少なくとも一方の面上に形成される光学材料層は、「2.組成物」に記載の組成物からなる層である。組成物に含有される異形粒子は、バインダー成分によって、基材層上に一体化されている。なお、一部の異形粒子は、光学材料層の表面からその一部を突出させた状態となっていても良い。また、異形粒子の突出した部分は、光学材料層中に全面的に被覆されていても、一部のみが被覆されていても良い。更に、異形粒子の全てが、光学材料層中に完全に埋没した状態であっても良い。また、光学材料層の厚さについては、特に限定されないが、3〜20μmであることが好ましく、3〜15μmであることが更に好ましい。
3.2.2 光学材料用成型品(2)の製造方法
光学材料用成型品(2)は、例えば、異形粒子及びバインダー成分を含む組成物を分散又は溶解可能な有機溶媒に、分散又は溶解してスラリー状とし、各種コーターによる塗工及び乾燥を行うことによって製造することができる。有機溶媒として、具体的には、水、トルエン、シクロヘキサン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルエチルケトン(MEK)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等を挙げることができる。
有機溶媒の含有割合は、組成物100質量部に対して、10〜2,000質量部であることが好ましく、20〜1,000質量部であることが更に好ましい。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の「部」は、特に断らない限り質量基準である。また、各種物性値の測定方法、及び諸特性の評価方法を以下に示す。
[数平均粒子径(μm)]:ベックマンコールター社製のレーザー粒径解析システム(商品名「LS13320」)を用いて測定した。
[粒子の長径の数平均値(L)及び短径の数平均値(D)]:日本電子社製のSEM(走査型電子顕微鏡)を使用して観察することにより測定した。
[粒子形状]:第一の粒子及び(b)粒子については、日立ハイテクノロジーズ社製のTEM(透過型電子顕微鏡)で観察した結果、粒子内部に単一の空隙が形成された場合を「中空」と評価し、粒子内部に単一の空隙が形成されていない場合を「中実」と評価した。また、第二の粒子については、日本電子社製のSEM(走査型電子顕微鏡)を使用して観察した結果図1〜図6に記載したような形状である場合を「異形」と評価し、球状である場合を「球」と評価した。
[中空率(%)]:日立ハイテクノロジーズ社製のTEM(透過型電子顕微鏡)を使用して次の式により算出した。
中空部体積/粒子全体の体積 ×100(%)
[光学材料層の厚さ(μm)]:サンコウ電子社製の電磁式膜厚計を使用して測定した。
[全光線透過率(%)]:日本電飾社製のヘーズメーターを用いてJIS K7105に準拠し、試料の無い状態(空気)を100%として測定した。
[直進透過率(%)]:村上色彩技術研究所製のゴニオフォトメーターGP200型を用いて測定した。
[ヘイズ(%)]:日本電飾社製のヘーズメーターを用いてJIS K7105に準拠して測定した。
(実施例1)
(1)シード粒子(A)の調製
容量2Lの反応容器に、予め媒体として水110部、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(商品名「F65」、花王社製)0.2部、及び重合開始剤として過硫酸カリウム0.5部を投入した。一方で、メタクリル酸メチル90部、メタクリル酸10部、分子量調整剤としてオクチルチオグリコレート5部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.1部、及び水40部を混合攪拌して単量体混合物の水性分散体を調製した。この単量体混合物の水性分散体の20vol%を反応容器に投入し、攪拌しながら75℃まで昇温して1時間重合反応を行った。その後、温度を75℃に保ちながら残りの単量体混合物の水性分散体を連続的に2時間かけて反応容器に添加し、更に、2時間熟成を行った。これにより固形分40%、重合転化率99%で、数平均粒子径が0.2μmのシード粒子(A)の水性分散体を得た。
(2)シード粒子(B)の調製
容量2Lの反応容器に、予め媒体として水186部を投入し、これに得られたシード粒子(A)を固形分で10部、及び重合開始剤として過硫酸カリウム0.5部を投入した。一方で、メタクリル酸メチル80部、メタクリル酸20部、分子量調整剤としてオクチルチオグリコレート1部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.1部、及び水40部を混合攪拌して単量体混合物の水性分散体を調製した。次に、反応液を80℃まで昇温、保持し、反応液を攪拌しながら単量体混合物の水性分散体を連続的に3時間かけて反応容器に添加し、更に、2時間熟成を行った。これにより固形分30%、重合転化率99%で、数平均粒子径が0.45μmのシード粒子(B)の水性分散体を得た。
(3)第一の粒子の調製
容量2Lの反応容器に、予め媒体として水140部を投入し、これに調製したシード粒子(B)を固形分で10部、及び重合開始剤として過硫酸カリウム0.5部を投入した。一方で、スチレン72部、ジビニルベンゼン20部、メタクリル酸グリシジル8部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部、及び水55部を混合攪拌して第一の重合体用の単量体混合物の水性分散体を調製した。次に、反応液を80℃まで昇温、保持し、反応液を攪拌しながら第一の重合体用の単量体混合物の水性分散体を連続的に3時間かけて反応容器に添加し、その後、5%に調整した水酸化ナトリウム水溶液1部を加え、更に、2時間熟成を行った。これにより固形分22%、重合転化率99%で、数平均粒子径が1.0μmの第一の粒子(1)を調製した。調製した第一の粒子(1)は、中空率が50%であり、その形状は「中空」であった。そのため第一の粒子(1)は(a)中空粒子である。
(4)第二の粒子の製造
t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(商品名「パーブチルO」、日本油脂社製)2部、ラウリル硫酸ナトリウム0.2部、及び水20部を攪拌して乳化後、超音波ホモジナイザーで更に微粒子化し、水性分散体を得た。得られた水性分散体を、第一の粒子(1)15部、及びアセトン6部からなる混合液に添加し、16時間攪拌した。次いで、ポリビニルアルコール(重合度:2,000、ケン化度:87〜89)の2.5%水溶液200部、メタクリル酸メチル90部、及びトリメチロールプロパントリメタクリレート10部を加え、40℃で3時間ゆっくり攪拌して、メタクリル酸メチル及びトリメチロールプロパントリメタクリレートを第一の粒子(1)に吸収させた。その後、75℃に昇温し、3時間重合反応を行った。これにより、数平均粒子径が1.0μmであり、その形状が「中実」であり、波長589nmの光に対する屈折率が1.50である第二の重合体からなる(b)粒子を第一の粒子(1)の表面に形成した。第一の粒子(1)と(b)粒子を合わせて第二の粒子(1)とする。なお、凝固物はほとんど発生しなかった。
製造した第二の粒子(1)の重合転化率は98%であり、数平均粒子径は1.5μmであり、(L)/(D)の比の値は1.5であり、L/Lの値は1.0であった。また、粒子形状は図1に記載したように、第一の粒子(1)の表面に(b)粒子が配設された形状を有していたため、その評価は「異形」であった。そのため、第二の粒子(1)は異形粒子である。
(実施例2〜8、比較例4)
表1に記載した配合処方で行ったこと以外は実施例1と同様にして第二の粒子(2)〜(8)、(12)を製造した。これらの物性値を表2に記載する。なお、実施例2〜8で製造した第二の粒子(2)〜(8)の粒子形状は図1に記載したように、第一の粒子の表面に(b)粒子が配設された形状を有していた。
(比較例1)
表1に記載した配合処方で行ったこと以外は実施例1と同様にして第一の粒子(9)を調製した。調製した第一の粒子(9)の物性値を表2に記載する。
(比較例2,3)
シード粒子を用いず、表1に記載した配合処方で行ったこと以外は実施例1と同様にして第一の粒子(10)及び(11)を調製した。調製した第一の粒子(10)及び(11)の物性値を表2に記載する。
(比較例5)
シード粒子を用いず、表1に記載した配合処方で行ったこと以外は実施例1と同様にして第二の粒子(13)を製造した。製造した第二の粒子(13)の物性値を表2に記載する。
Figure 0005304048
Figure 0005304048
なお、表1に略記した化合物名を以下に記す。
MMA:メタクリル酸メチル
MAA:メタクリル酸
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタアクリレート
GMA:グリシジルメタクリレート
ST:スチレン
TMPTMA:トリメチロールプロパントリメタクリレート
DVB:ジビニルベンゼン
IBMA:イソブチルメタクリレート
TBMA:t−ブチルメタクリレート
TBA:t−ブチルアクリレート
TFEMA:2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート
なお、上記化合物のうち、その単独重合体が、波長589nmの光に対する屈折率が1.5未満である(メタ)アクリレート化合物(即ち、(b2)条件を満たす化合物)は、MMA、TMPTMA,IBMA、TBMA、TBA、TEEMAである。
(実施例9)
(5)組成物の調製
実施例1で製造した第二の粒子(1)を含有するエマルジョンを、スプレードライヤー(型番「L−8型」、大川原加工機社製)を使用して乾燥し、乾燥状態の第二の粒子(1)を得た。バインダー成分として、ポリメタクリル酸メチル(商品名「パペラットHR−L」、クラレ社製、メルトインデックス:2g/10分)50部、及びメチルイソブチルケトン200部を混合して得られた混合液に対して、乾燥状態の第二の粒子(1)50部を添加して分散させることにより、組成物(1)を調製した。
(6)光学材料用成型品の製造
調製した組成物(1)をトリアセチルセルロースフィルム基材(全光線透過率:88.0%、ヘイズ:3.2%、厚さ:200μm)上に均一に層状に塗布した後、60℃で1時間乾燥させることにより、厚さ35μmの光学材料層を有する光学フィルム(1)として光学材料用成型品を製造した。製造した光学フィルム(1)の全光線透過率は95%であり、直進透過率は61%であり、ヘイズは90%であった。
(実施例10〜16、比較例6〜10)
表3に記載した第二の粒子を用いたこと以外は実施例8と同様にして光学フィルム(2)〜(13)を製造した。これらの物性値を合わせて表3に記載する。
Figure 0005304048
表3からわかるように、本発明の異形粒子を用いて製造した光学フィルムは、全光線透過率、直進透過率、及びヘイズの全てが高い値をとり、光透過性と光拡散性のバランスに優れている。
本発明は、光透過性と光拡散性のバランスに優れた光学材料用成型品として、導光板、光拡散板、光拡散フィルム、アンチグレアフィルム、プリズムシート、プロテクトシート等に好適に用いることができる。
本発明の異形粒子の一実施形態の形状を示す模式図である。 形粒子の他の実施形態の形状を示す模式図である。 形粒子の更に他の実施形態の形状を示す模式図である。 形粒子の更に他の実施形態の形状を示す模式図である。 形粒子の更に他の実施形態の形状を示す模式図である。 形粒子の更に他の実施形態の形状を示す模式図である。 本発明の異形粒子の長径と短径を示す模式図である。 本発明の異形粒子における(b)粒子が成長する様子の初期段階を示す模式図である。 本発明の異形粒子における(b)粒子が成長する様子の中間段階を示す模式図である。 本発明の異形粒子における(b)粒子が成長する様子の最終段階を示す模式図である。
符号の説明
1:(a)中空粒子、2:(b)粒子、3:異形粒子。

Claims (9)

  1. 第一の重合体からなり、その外殻の厚さが0.05〜3.0μmである(a)中空粒子と、
    前記(a)中空粒子の表面の少なくとも一部に配置され、波長589nmの光に対する屈折率が1.3〜1.5であり、前記第一の重合体と異なる組成を有する第二の重合体からなる(b)粒子と、を有し、
    前記(b)粒子が、前記(a)中空粒子の表面の少なくとも一部に突起状に配置された形状を有し、
    前記(a)中空粒子の屈折率(R )と、前記(b)粒子の屈折率(R )との比((R )/(R ))の値が、0.7〜1.4であり、
    その数平均粒子径が0.4〜10μmである異形粒子。
  2. 前記(a)中空粒子の数平均粒子径(L)と、前記(b)粒子の数平均粒子径(L)との比((L)/(L))が、0.05〜20である請求項1に記載の異形粒子。
  3. 前記第一の重合体が、
    (a1)芳香族ビニル系単量体由来の構成単位を60〜98質量%、
    (a2)極性官能基含有単量体由来の構成単位を2〜40質量%、及び
    (a3)その他の単量体由来の構成単位を0〜38質量%(但し、(a1)+(a2)+(a3)=100質量%)、を含有する請求項1又は2に記載の異形粒子。
  4. 前記第二の重合体が、
    (b1)フッ素原子含有単量体由来の構成単位、及び
    (b2)その単独重合体が、波長589nmの光に対する屈折率が1.5未満である(メタ)アクリレート化合物(但し、(b1)を除く)からなる群から選ばれる少なくとも一種を含む単量体由来の構成単位、を含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の異形粒子。
  5. 前記(a)中空粒子をシードポリマー粒子とし、シード重合させることにより、前記(a)中空粒子の表面の少なくとも一部に前記(b)粒子を配置させて得られる請求項1〜4のいずれか一項に記載の異形粒子。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の異形粒子と、
    バインダー成分と、を含む組成物。
  7. 樹脂成分と、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の異形粒子と、を含む樹脂材料からなる光学材料用成型品。
  8. 基材層と、
    前記基材層の少なくとも一方の面上に形成された、請求項6に記載の組成物からなる光学材料層と、を備えた光学材料用成型品。
  9. 導光板、光拡散板、光拡散フィルム、アンチグレアフィルム、プリズムシート、又はプロテクトシートである請求項7又は8に記載の光学材料用成型品。
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