JP2015074789A - 酸化ニオブ系スパッタリングターゲット及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高電力を印加したスパッタリング時の耐割れ性を向上した酸化ニオブ系スパッタリングターゲット及びその製造方法を提供する。【解決手段】酸化ニオブ系スパッタリングターゲットは、全金属元素に対して、Zn:2.6〜19.8at%を含有し、残部がNbからなる酸化ニオブ系焼結体によるスパッタリングターゲットであり、該スパッタリングターゲットの抗折強度が160N/mm2以上であり、かつ、熱伝導率が2.5W/m・K以上である。【選択図】なし
Description
本発明は、高屈折率膜を高電力によるスパッタリングで成膜できる耐スパッタ割れ性に優れた酸化ニオブ系スパッタリングターゲット及びその製造方法に関するものである。
太陽光を直接電気エネルギーに変換する薄膜太陽電池における光電変換材料として、シリコンを用いず、有機色素で増感された酸化物半導体を用いることが知られている。光電変換材料用酸化物半導体には、分光増感色素を吸着させた金属酸化物半導体が用いられており、この金属酸化物として、例えば、酸化ニオブを用いることが知られている(例えば、特許文献1乃至3を参照)。
一方、酸化ニオブ膜の光学的な応用としては、薄膜太陽電池以外にも、単層の熱線反射ガラスや反射防止膜から始まり、さらに特定の波長の光が選択的に反射あるいは透過するような分光特性が優れるように設計した多層膜系の反射防止コート、反射増加コート、干渉フィルター、偏光膜など多分野にわたっている。また、多層膜の一部に透明導電膜や金属、導電性セラミックス等の導電性や熱線反射などの各種機能をもった膜をはさむことにより、帯電防止や熱線反射、電磁波カットなどの機能をもたせた多層膜にすることも検討されている。
上述の酸化ニオブ膜の形成にあっては、薄膜太陽電池、フラットディスプレイ等の製造では、大面積基板が必要な場合が多く、スパッタリングによる成膜法が用いられている。さらに、スパッタリング成膜法の中でも、大面積の成膜には、特に、直流放電を利用したDCスパッタリング法が最適である。ところが、高屈折率の酸化ニオブ膜をDCスパッタリング法で成膜する場合には、導電性を有する金属ニオブスパッタリングターゲットを、酸素を含む雰囲気でスパッタする反応性スパッタリングを用いている。しかし、この方法で得られる薄膜の成膜速度は極めて遅く、このため生産性が悪く、コストが高くつくという、製造上の大きな問題がある。
また、酸化ニオブ焼結体から成るスパッタリングターゲットは、ホットプレスによって作製される場合には、該ホットプレスは、加圧方向が一軸方向のみであり、不活性ガス雰囲気中で行われるため、大面積の成形体を得ようとすると、充填する不活性ガス量が増加し製造コストが高くなるという欠点を有し、さらには、酸化ニオブ焼結体の相対密度が90%程度と低いことから、スパッタリングターゲットとして用いた際、安定した放電が得られにくく、亀裂や破損が生じやすく長期間の使用に供することができず、生産性が低下するという問題があった。
そこで、本発明は、酸化ニオブ系スパッタリングターゲットを酸化ニオブ粉末に酸化亜鉛粉末を添加した混合粉末を焼結することにより、抗折強度及び熱伝導率を高くして、スパッタリング時の耐割れ性を向上し、常に安定したDCスパッタリングが可能である酸化ニオブを主成分とする酸化ニオブ系スパッタリングターゲット及びその製造方法を提供することを目的とする。
上述の問題を解決するには、酸化ニオブスパッタリングターゲットの耐割れ性を向上するために、スパッタリングターゲットの抗折強度及び熱伝導率を高くすることが重要であるという知見が得られたので、酸化ニオブスパッタリングターゲットの製造において、酸化ニオブ粉末(Nb2O5粉末)に酸化亜鉛粉末(ZnO粉末)を添加すると、酸化ニオブスパッタリングターゲットの抗折強度及び熱伝導率を高めることができ、高電力を印加したスパッタリング時の耐割れ性を改善できることが判明した。
さらに、酸化ニオブ粉末(Nb2O5粉末)に還元処理を施すことにより、酸素欠損状態の酸化ニオブ(Nb2O5―x)を生成でき、粉末の比抵抗を低下できるという知見が得られているので、酸化ニオブ系スパッタリングターゲットの製造において、この還元処理が施された酸素欠損状態の酸化ニオブ粉末(Nb2O5―x粉末)と、酸化亜鉛粉末(ZnO粉末)とを原料粉として、この混合体を焼結して酸化ニオブ系焼結体を得るようにすれば、酸化ニオブスパッタリングターゲットの抗折強度及び熱伝導率を高めつつ、ターゲット比抵抗について、厚さ方向でばらつきを少なくし、しかも、比抵抗の一層の低下を図れ、高電力の直流(DC)スパッタリングにおいても、耐割れ性を発揮でき、安定したスパッタリングを行えることが判明した。
したがって、本発明は、上記知見から得られたものであり、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。
(1)本発明の酸化ニオブ系スパッタリングターゲットは、全金属元素に対して、Zn:2.6〜19.8at%を含有し、残部がNbからなる酸化ニオブ系焼結体によるスパッタリングターゲットであって、前記スパッタリングターゲットの抗折強度が160N/mm2以上であり、かつ、熱伝導率が2.5W/m・K以上であることを特徴とする。
(2)前記(1)の酸化ニオブ系スパッタリングターゲットは、ターゲット厚み方向の全域で、比抵抗が、0.002〜0.05Ω・cmであることを特徴とする。
(3)前記(1)又は(2)の酸化ニオブ系スパッタリングターゲットは、ターゲット厚み方向での比抵抗のばらつきが平均値の15%以下であることを特徴とする。
(4)本発明の酸化ニオブ系スパッタリングターゲットの製造方法は、前記(1)の酸化ニオブ系スパッタリングターゲットを製造する方法であって、酸化ニオブ粉末:67〜95mol%と、酸化亜鉛粉末:33〜5mol%とを混合して、混合体を得る混合工程と、前記混合体を、非酸化雰囲気にて焼結して、焼結体を得る焼結工程と、を有することを特徴とする。
(5)前記(4)の酸化ニオブ系スパッタリングターゲットの製造方法は、前記(2)又は(3)の酸化ニオブ系スパッタリングターゲットを製造する方法であって、前記混合工程の前に、酸化ニオブ粉末を還元処理して、酸素欠損酸化ニオブ粉末を生成する還元工程を有し、前記酸素欠損酸化ニオブ粉末と酸化亜鉛粉末とを混合して、混合体を得ることを特徴とする。
(6)前記(5)の製造方法における前記還元工程では、酸化ニオブ粉末を、還元雰囲気で、500℃以上で熱処理して、化学式:Nb2O5−x(ただし、x=0.005〜0.1)を満たす酸素欠損状態の酸化ニオブ粉末を生成することを特徴とする。
(1)本発明の酸化ニオブ系スパッタリングターゲットは、全金属元素に対して、Zn:2.6〜19.8at%を含有し、残部がNbからなる酸化ニオブ系焼結体によるスパッタリングターゲットであって、前記スパッタリングターゲットの抗折強度が160N/mm2以上であり、かつ、熱伝導率が2.5W/m・K以上であることを特徴とする。
(2)前記(1)の酸化ニオブ系スパッタリングターゲットは、ターゲット厚み方向の全域で、比抵抗が、0.002〜0.05Ω・cmであることを特徴とする。
(3)前記(1)又は(2)の酸化ニオブ系スパッタリングターゲットは、ターゲット厚み方向での比抵抗のばらつきが平均値の15%以下であることを特徴とする。
(4)本発明の酸化ニオブ系スパッタリングターゲットの製造方法は、前記(1)の酸化ニオブ系スパッタリングターゲットを製造する方法であって、酸化ニオブ粉末:67〜95mol%と、酸化亜鉛粉末:33〜5mol%とを混合して、混合体を得る混合工程と、前記混合体を、非酸化雰囲気にて焼結して、焼結体を得る焼結工程と、を有することを特徴とする。
(5)前記(4)の酸化ニオブ系スパッタリングターゲットの製造方法は、前記(2)又は(3)の酸化ニオブ系スパッタリングターゲットを製造する方法であって、前記混合工程の前に、酸化ニオブ粉末を還元処理して、酸素欠損酸化ニオブ粉末を生成する還元工程を有し、前記酸素欠損酸化ニオブ粉末と酸化亜鉛粉末とを混合して、混合体を得ることを特徴とする。
(6)前記(5)の製造方法における前記還元工程では、酸化ニオブ粉末を、還元雰囲気で、500℃以上で熱処理して、化学式:Nb2O5−x(ただし、x=0.005〜0.1)を満たす酸素欠損状態の酸化ニオブ粉末を生成することを特徴とする。
本発明による酸化ニオブ系スパッタリングターゲットは、酸化ニオブ(Nb2O5)を主成分とし、酸化亜鉛(ZnO)を成分組成に含む酸化ニオブ系焼結体から構成される。この酸化ニオブ系焼結体は、ZnOが含有されていることにより、抗折強度及び熱伝導率が改善され、スパッタリング時のスパッタリング時の耐割れ性の向上を図ることができ、高電力のスパッタリングが可能になる。ここで、Znの含有量が、2.6at%未満だと、抗折強度及び熱伝導率の向上効果が不十分で、耐スパッタ割れ性が悪くなり、また、Znの含有量が、19.8at%以上であると、NbとZnとの複合酸化物が多くなりすぎて、異常放電回数が多くなり、スパッタリング時のターゲット割れが発生し、安定したスパッタリングできなくなる。また、抗折強度が、160N/mm2以下未満であると、耐割れ性が低下し、熱伝導率が、2.5W/m・K未満であると、ターゲット冷却効果が低下するため、ターゲット割れが発生しやすくなり、高電力によるスパッタリングに耐えられないものとなる。
さらに、本発明による酸化ニオブ系スパッタリングターゲットは、厚さ方向でばらつきの少ない比抵抗となるように、ターゲット厚み方向での比抵抗が、0.002〜0.05Ω・cm、さらには、ターゲット厚み方向での比抵抗のばらつきが平均値の15%以下とした。スパッタリングターゲットにおける比抵抗のばらつきを少なくすることにより、スパッタリング時の耐割れ性を向上しつつ、高電力の高周波(RF)スパッタリング又は直流(DC)スパッタリングを可能にするとともに、スパッタリングの安定化を図ることができる。
前記(4)の酸化ニオブ系スパッタリングターゲットを製造する方法にあっては、酸化ニオブ系スパッタリングターゲットにおける抗折強度を160N/mm2以上、かつ、熱伝導率を2.5W/m・K以上を実現するため、酸化ニオブ粉末:67〜95mol%と、酸化亜鉛粉末33〜5mol%とを混合して、混合体を得る混合工程と、前記混合体を、非酸化雰囲気にて焼結して、焼結体を得る焼結工程と、を有することとし、高電力のスパッタリング時の耐割れ性の向上を図る。
その製造方法では、全金属元素に対して、Zn:2.6〜19.8at%を含有し、残部がNbからなる成分組成となるように、酸化ニオブ粉末(Nb2O5粉末):67〜95mol%と、酸化亜鉛粉末(ZnO粉末):33〜5mol%とを配合した。次いで、これらの粉末を原料粉として混合し、混合体を得る。この混合体を、温度800〜1300℃で、2〜3時間、圧力20〜60MPaの条件で、非酸化雰囲気にて焼結して、酸化ニオブ系焼結体を作製する。この条件を満たす場合には、より確実に抗折強度及び熱伝導率が向上し、耐割れ性が向上する。
さらに、前記(5)の酸化ニオブ系スパッタリングターゲットの製造方法においては、混合工程の前に、酸化ニオブ粉末(Nb2O5粉末)を還元処理して、酸素欠損酸化ニオブ粉末(Nb2O5―x粉末)を生成する還元工程を有しており、前記混合工程において、前記酸素欠損酸化ニオブ粉末(Nb2O5―x粉末)と酸化亜鉛粉末(ZnO粉末)とを混合して、混合体を得ることした。なお、混合工程と焼結工程は、前記(4)の製造方法の場合と同様である。
この酸化ニオブ系スパッタリングターゲットの製造方法によれば、スパッタリングターゲットにおける抗折強度及び熱伝導率の向上を図り、高電力のスパッタリングでの耐割れ性を向上するとともに、ターゲット比抵抗について、厚さ方向でばらつきを少なくし、特に、比抵抗の一層の低下を図って、高電力の直流(DC)スパッタリングにおいても、耐割れ性を発揮でき、安定したスパッタリングを行える酸化ニオブ系スパッタリングターゲットを得ることができる。
前記(4)の酸化ニオブ系スパッタリングターゲットの製造方法においては、市販されている通常の酸化ニオブ粉末(Nb2O5粉末)と、酸化亜鉛粉末(ZnO粉末)とを原料粉末として、高電力のスパッタリングにおいても優れた耐割れ性を示す酸化ニオブ系スパッタリングターゲットを製造したが、前記(5)の酸化ニオブ系スパッタリングターゲットの製造方法では、ターゲット抗折強度及び熱伝導率に関する要件を満たしつつ、ターゲット比抵抗を一層低下させるために、原料粉末である酸化ニオブ粉末(Nb2O5粉末)を、酸化亜鉛粉末(ZnO粉末)との混合前に、還元処理を行う還元工程を実施する。この還元工程において、酸化ニオブ粉末に還元処理が施されると、酸素欠損状態の酸化ニオブ(Nb2O5―x)が生成される。
この酸化ニオブ系スパッタリングターゲットは、酸素欠損状態の酸化ニオブ粉末(Nb2O5―x粉末)と酸化亜鉛粉末(ZnO粉末)との混合体を焼結した酸化ニオブ系焼結体から構成される。通常の酸化ニオブ(Nb2O5)は、導電性を示さないが、この酸化ニオブ粉末に還元処理を施すと、酸素欠損状態の酸化ニオブ(Nb2O5―x)粉末が生成されて、これが導電性を示すようになる。この酸素欠損量xを調整することにより、酸化ニオブ粉末の比抵抗が変化する。そこで、この酸素欠損状態の酸化ニオブ(Nb2O5―x)粉末と酸化亜鉛(ZnO)粉末とを原料粉として焼結すると、得られた酸化ニオブ系焼結体は、該焼結体の厚さ方向の全域で、低い比抵抗を示すことになる。この焼結体による酸化ニオブ系スパッタリングターゲットを用いて酸化ニオブ膜を成膜するとき、高電力の直流(DC)スパッタリングを可能にするには、その比抵抗が、0.002〜0.05Ω・cmであることが好ましい。さらには、常に安定したDCスパッタリングを可能にするには、ターゲット厚み方向での比抵抗のばらつきが平均値の15%以下とすることが好ましい。
この還元処理工程では、例えば、市販の酸化ニオブ粉末(Nb2O5粉末)をカーボン製のるつぼに入れ、所定の還元条件、即ち、真空中又は不活性ガス中にて、温度500〜1100℃で、3〜5時間加熱して還元処理を行うと、酸素欠損状態の酸化ニオブ(Nb2O5―x)粉末を作製できる。この還元処理において、化学式:Nb2O5−x(ただし、x=0.005〜0.1)までの還元処理を行うためには、酸化ニオブ粉末(Nb2O5粉末)の粒径は2〜25μmが好ましい。得られた還元粉末については、必要に応じて、酸素欠損酸化ニオブ粉末の酸素含有量ばらつきを低減させるため、乾式ボールミル装置にて、1〜3時間、80〜120rpmの回転数で混合した。この後、得られたNb2O5−x粉末を、平均粒径が2〜25μmとなるように、32〜600μmの目開きの篩にかけて分級する。
また、次の焼結工程では、還元工程で得られたNb2O5−x粉末と、ZnO粉末とを原料粉とし混合体を、モールドに充填し、所定の焼結条件、即ち、非酸化性雰囲気で、例えば、真空槽内を10−2Torr(1.3Pa)の到達真空圧力まで排気した後、保持温度800〜1300℃で2〜3時間、圧力20〜60MPaで焼結する。酸素欠損状態の酸化ニオブ(Nb2O5−x)と酸化亜鉛との混合体による焼結体を作製した。そして、その焼結体を所定形状に機械加工して、酸化ニオブスパッタリングターゲットを作製した。
なお、焼結には、ホットプレス(HP)、熱間静水圧プレス法(HIP法)、或いは、還元雰囲気での常圧焼結のいずれも用いることができる。
なお、焼結には、ホットプレス(HP)、熱間静水圧プレス法(HIP法)、或いは、還元雰囲気での常圧焼結のいずれも用いることができる。
以上の様に、本発明による酸化ニオブ系スパッタリングターゲットは、全金属元素に対して、Zn:2.6〜19.8at%を含有し、残部がNbからなり、抗折強度が160N/mm2以上であり、かつ、熱伝導率が2.5W/m・K以上である酸化ニオブ系焼結体で構成されるので、高電力によるスパッタリングにおいても、十分な耐割れ性を発揮することができる。
また、本発明の酸化ニオブ系スパッタリングターゲットの製造方法では、酸化ニオブ粉末を還元処理して、酸素欠損酸化ニオブ粉末を生成する還元工程と、前記酸素欠損酸化ニオブ粉末と酸化亜鉛粉末とを混合して、混合体を得る混合工程と、前記混合体を非酸化雰囲気にて焼結して、焼結体を得る焼結工程と、を有し、この酸化ニオブ系焼結体で構成された酸化ニオブ系スパッタリングターゲットでは、酸化ニオブ系焼結体の厚さ方向で、酸素欠損酸化ニオブ相が分散して、比抵抗の一層の低下が図れ、さらには、比抵抗のばらつきを小さくすることができるとともに、抗折強度及び熱伝導率を向上することができるため、高電力による直流(DC)スパッタリングにおいても、十分な耐割れ性を発揮することができる。
従って、本発明の酸化ニオブ系スパッタリングターゲットによれば、抗折強度及び熱伝導性が向上されて、スパッタリング時の耐割れ性に優れたものとなり、高電力のスパッタリングが可能となるので、生産性向上に寄与する。
次に、この発明の酸化ニオブ系スパッタリングターゲット及びその製造方法について、以下に、実施例により具体的に説明する。
〔第1実施例〕
第1実施例では、市販の酸化ニオブ粉末(Nb2O5粉末)と酸化亜鉛粉末(ZnO粉末)とを原料粉としており、純度99.9%、D50=10μmの酸化ニオブ粉末(Nb2O5粉末)と、純度99.99%、D50=1μmの酸化亜鉛粉末(ZnO粉末)とを原料粉末とし、表1に示される組成割合となるように秤量し、これらの秤量された原料粉を、φ5mmのジルコニアボールとともに、ポリ容器に充填して混合し、得られた混合粉末を、1200℃、3時間、29.4MPa(300kgf/cm2)の真空ホットプレスで焼結し、上記の酸化ニオブ系焼結体を作製した。そして、その焼結体を、直径125mm×厚さ10mmの大きさに機械加工した後に、バッキングプレートを貼り付けて、実施例1〜4の酸化ニオブ系スパッタリングターゲットを作製した。
第1実施例では、市販の酸化ニオブ粉末(Nb2O5粉末)と酸化亜鉛粉末(ZnO粉末)とを原料粉としており、純度99.9%、D50=10μmの酸化ニオブ粉末(Nb2O5粉末)と、純度99.99%、D50=1μmの酸化亜鉛粉末(ZnO粉末)とを原料粉末とし、表1に示される組成割合となるように秤量し、これらの秤量された原料粉を、φ5mmのジルコニアボールとともに、ポリ容器に充填して混合し、得られた混合粉末を、1200℃、3時間、29.4MPa(300kgf/cm2)の真空ホットプレスで焼結し、上記の酸化ニオブ系焼結体を作製した。そして、その焼結体を、直径125mm×厚さ10mmの大きさに機械加工した後に、バッキングプレートを貼り付けて、実施例1〜4の酸化ニオブ系スパッタリングターゲットを作製した。
〔第2実施例〕
第1実施例では、市販の酸化ニオブ粉末(Nb2O5粉末)と酸化亜鉛粉末(ZnO粉末)とを原料粉として混合体を作製したが、第2実施例では、この混合体を得る前に、Nb2O5粉末に対して還元処理を施し、酸素欠損状態となった酸化ニオブ粉末(Nb2O5−x粉末)を作製し、この酸素欠損状態のNb2O5−x粉末を原料粉として混合体を作製した。
第1実施例では、市販の酸化ニオブ粉末(Nb2O5粉末)と酸化亜鉛粉末(ZnO粉末)とを原料粉として混合体を作製したが、第2実施例では、この混合体を得る前に、Nb2O5粉末に対して還元処理を施し、酸素欠損状態となった酸化ニオブ粉末(Nb2O5−x粉末)を作製し、この酸素欠損状態のNb2O5−x粉末を原料粉として混合体を作製した。
先ず、原料粉を混合する前の還元工程では、市販の酸化ニオブ粉末(Nb2O5粉末)をカーボン製のるつぼに入れ、真空中にて、温度1000℃で、3時間加熱して還元処理を行った。この還元処理で酸素欠損状態となった酸化ニオブ粉末(Nb2O5−x粉末)とジルコニアボールとをポリ容器(ポリエチレン製ポット)に入れ、乾式ボールミル装置にて壊砕した。この後、得られたNb2O5−x粉末を、平均粒径が2〜25μmとなるように、250μmの目開きの篩にかけて分級した。
この様にして得られたNb2O5−x粉末とZnO粉末とを原料粉とし、表1に示される成分組成となるように配合し混合した混合体を、第1実施例の場合と同様に、モールドに充填し、保持温度1200℃で、3時間、圧力29.4MPa(300kg/cm2)で真空ホットプレスした。これにより、酸化ニオブ(Nb2O5)とZnOとによる酸化ニオブ系焼結体を作製した。そして、その焼結体を機械加工した後、バッキングプレートを貼り付けて、直径125mm×厚さ10mmを有する実施例5〜8の酸化ニオブ系スパッタリングターゲットを作製した。
<EPMA画像による還元相(Nb2O5−x相)の観察>
本発明に係る酸化ニオブスパッタリングターゲットの一例として、実施例6の場合について、EPMA(フィールドエミッション型電子線プローブ)にて得られた元素分布像を、図2に示した。図中の4枚の写真から、組成像(COMP像)、Zn、Nb、Oの分布の様子を観察することができる。
なお、EPMAによる元素分布像は、本来カラー像であるが、図2の写真では、白黒像に変換して示しているため、その写真中において、白いほど、当該元素の濃度が高いことを表している。具体的には、COMP像による分布像において、白い領域(代表的に、丸印で囲まれている)が、還元相(Nb2O5−x相)であり、酸化ニオブ(Nb2O5)中に、Nb2O5−x相が分散分布している様子を観察することができる。
本発明に係る酸化ニオブスパッタリングターゲットの一例として、実施例6の場合について、EPMA(フィールドエミッション型電子線プローブ)にて得られた元素分布像を、図2に示した。図中の4枚の写真から、組成像(COMP像)、Zn、Nb、Oの分布の様子を観察することができる。
なお、EPMAによる元素分布像は、本来カラー像であるが、図2の写真では、白黒像に変換して示しているため、その写真中において、白いほど、当該元素の濃度が高いことを表している。具体的には、COMP像による分布像において、白い領域(代表的に、丸印で囲まれている)が、還元相(Nb2O5−x相)であり、酸化ニオブ(Nb2O5)中に、Nb2O5−x相が分散分布している様子を観察することができる。
〔比較例〕
第1及び第2実施例の酸化ニオブ系スパッタリングターゲットと比較するため、Znの含有量を範囲外の条件とした比較例1〜3の酸化ニオブ系スパッタリングターゲットを用意した。比較例1〜3の場合は、市販のニオブ酸化物粉末(Nb2O5粉末)と酸化亜鉛粉末(ZnO粉末)とを混合し焼結して酸化ニオブ系スパッタリングターゲットを製造した。比較例1、3は、Znの含有量が少なすぎる場合であり、比較例2は、Znの含有量が多すぎる場合である。焼結条件については、実施例の場合と同様にして焼結を行い、酸化ニオブ系焼結体を得て、比較例1〜3の酸化ニオブ系スパッタリングターゲットを作製した。
第1及び第2実施例の酸化ニオブ系スパッタリングターゲットと比較するため、Znの含有量を範囲外の条件とした比較例1〜3の酸化ニオブ系スパッタリングターゲットを用意した。比較例1〜3の場合は、市販のニオブ酸化物粉末(Nb2O5粉末)と酸化亜鉛粉末(ZnO粉末)とを混合し焼結して酸化ニオブ系スパッタリングターゲットを製造した。比較例1、3は、Znの含有量が少なすぎる場合であり、比較例2は、Znの含有量が多すぎる場合である。焼結条件については、実施例の場合と同様にして焼結を行い、酸化ニオブ系焼結体を得て、比較例1〜3の酸化ニオブ系スパッタリングターゲットを作製した。
なお、下記の表1では、実施例及び比較例の酸化ニオブ系スパッタリングターゲットはNbを主成分としているので、Znの含有量のみが示され、「粉末還元処理」欄に、市販のNb2O5粉末を用いた場合には、「なし」と、還元処理を施したNb2O5−x粉末を用いた場合には、「あり」とそれぞれ表記されている。そして、「酸素欠損Nb2O5−x」欄では、「なし」の場合には、「x=0」と表記し、「あり」の場合には、xの値が記載されている。
次に、得られた実施例1〜8及び比較例1〜3の酸化ニオブ系スパッタリングターゲットについて、抗折強度、熱伝導率、比抵抗を測定した。
<抗折強度の測定>
実施例1〜8及び比較例1〜3の酸化ニオブ系スパッタリングターゲットを加工して、3×5×40mmの大きさを有する試験片を作製した。
試験機(株式会社島津製作所、AG−X試験機)を用いて、各試験片について、3点曲げ法により、抗折強度を測定した。その測定結果が、表2の「抗折強度(N/mm2)」欄に示されている。
<抗折強度の測定>
実施例1〜8及び比較例1〜3の酸化ニオブ系スパッタリングターゲットを加工して、3×5×40mmの大きさを有する試験片を作製した。
試験機(株式会社島津製作所、AG−X試験機)を用いて、各試験片について、3点曲げ法により、抗折強度を測定した。その測定結果が、表2の「抗折強度(N/mm2)」欄に示されている。
<熱伝導率の測定>
実施例1〜8及び比較例1〜3の酸化ニオブ系スパッタリングターゲットを加工して、10×10×2mmの大きさを有する試験片を作製した。
測定機(NETZSCH−GeratebauGmbH製、Xeフラッシュアナライザー)を用いて、各試験片について、レーザーフラッシュ法により、熱伝導率を測定した。その測定結果が、表2の「熱伝導率(W/m・K)」欄に示されている。
実施例1〜8及び比較例1〜3の酸化ニオブ系スパッタリングターゲットを加工して、10×10×2mmの大きさを有する試験片を作製した。
測定機(NETZSCH−GeratebauGmbH製、Xeフラッシュアナライザー)を用いて、各試験片について、レーザーフラッシュ法により、熱伝導率を測定した。その測定結果が、表2の「熱伝導率(W/m・K)」欄に示されている。
<比抵抗の測定>
実施例1〜8及び比較例1〜3の酸化ニオブ系スパッタリングターゲットの表面(0mm)において、図1に示したようなターゲットスパッタ面内の5箇所(A〜E)の測定点について、比抵抗を測定した。その測定結果の平均値が、表2の「表面比抵抗(Ω・cm)」欄に示されている。
実施例1〜8及び比較例1〜3の酸化ニオブ系スパッタリングターゲットの表面(0mm)において、図1に示したようなターゲットスパッタ面内の5箇所(A〜E)の測定点について、比抵抗を測定した。その測定結果の平均値が、表2の「表面比抵抗(Ω・cm)」欄に示されている。
さらに、実施例1〜8及び比較例1〜3の酸化ニオブスパッタリングターゲットについて、その加工面(表面)から焼結体の厚さ方向(エロージョン深さに対応)の全域を、抵抗測定装置により、比抵抗を測定した。ここで、直径125mm×厚さ10mmの酸化ニオブ系スパッタリングターゲットを前述の製造方法で作製し、エロージョン深さ方向に、表面(0mm)から、2mm、4mm、6mm、8mmの深さまで削り、削られた面毎に図1に示す5箇所(A〜E)の比抵抗を測定して各面毎の平均値を求めた。また、スパッタ深さ方向にける各測定点での最大差(最高値と最低値との差)を各測定点の平均値で割り、ばらつきの平均値に対する割合を算出した。以上の結果が、表3に示されている。なお、実施例1〜4及び比較例1〜3の場合には、オーバーレンジとなったため、「測定範囲外」とし表記した。
以上の測定では、抵抗測定装置として、三菱化学株式会社製の低抵抗率計(Loresta-GP)を用い、四探針法で、比抵抗(Ω・cm)測定した。測定時の温度は23±5℃、湿度は50±20%にて測定された。
以上の測定では、抵抗測定装置として、三菱化学株式会社製の低抵抗率計(Loresta-GP)を用い、四探針法で、比抵抗(Ω・cm)測定した。測定時の温度は23±5℃、湿度は50±20%にて測定された。
次に、得られた実施例1〜8及び比較例1〜3の酸化ニオブ系スパッタリングターゲットについて、DCスパッタリングの可否評価、及び、スパッタ割れ試験を行った。
<DCスパッタリングの可否評価>
実施例1〜8及び比較例1〜3の酸化ニオブ系スパッタリングターゲットをエロージョン深さに削ってスパッタ面を形成する毎にスパッタリング装置に装着して、1000Wで30分間放電させて試験を行った。その試験結果による評価が、表4に示されている。
ここで、表4においては、DCスパッタリングを継続して可能な場合について、「○」を、そして、放電が起こらないか、或いは、異常放電が多発する場合について、「×」をそれぞれ表示した。さらに、放電が起こらないか、或いは、異常放電が多発した以後においては、試験の継続に意味が無いので、試験を行わず、この場合には、「−」を表示した。
また、表2に示されるように、実施例4と比較例3では、高周波(RF)スパッタリングを用いてスパッタ割れ試験が行われたため、DCスパッタリングの可否評価の対象としなかった。
<DCスパッタリングの可否評価>
実施例1〜8及び比較例1〜3の酸化ニオブ系スパッタリングターゲットをエロージョン深さに削ってスパッタ面を形成する毎にスパッタリング装置に装着して、1000Wで30分間放電させて試験を行った。その試験結果による評価が、表4に示されている。
ここで、表4においては、DCスパッタリングを継続して可能な場合について、「○」を、そして、放電が起こらないか、或いは、異常放電が多発する場合について、「×」をそれぞれ表示した。さらに、放電が起こらないか、或いは、異常放電が多発した以後においては、試験の継続に意味が無いので、試験を行わず、この場合には、「−」を表示した。
また、表2に示されるように、実施例4と比較例3では、高周波(RF)スパッタリングを用いてスパッタ割れ試験が行われたため、DCスパッタリングの可否評価の対象としなかった。
<スパッタ割れ試験>
実施例1〜8及び比較例1〜3の場合について、直径125mm×厚さ10mmの酸化ニオブ系スパッタリングターゲットを前述の製造方法で作製し、スパッタリング装置のチャンバー内に装着して、以下に示す条件で、放電を行った。先ず、その放電を、1000W、30分間行い、チャンバー開放して、ターゲット表面が割れていないかどうかを確認した。次いで、ターゲット表面が割れていなければ、電力を200wずつ上昇させて印加し、2000Wになるまで、その都度、チャンバー開放して、ターゲット表面が割れていないかを確認した。一方、ターゲット表面の割れが確認できたときには、それ以降のスパッタ割れ試験を中断した。その確認結果が、表5に示されている。
(放電条件)
・電源:DC1000W〜2000W
・全圧:0.67Pa
・スパッタリングガス:Ar=30sccm
・ターゲット−基板(TS)距離:70mm
なお、表5においては、ターゲット表面の割れが確認できなかった場合には、「無」を、そして、ターゲット表面の割れが確認できた場合には、「有」をそれぞれ表示した。さらに、スパッタ割れ試験を中断した場合には、「−」を表示した。
実施例1〜8及び比較例1〜3の場合について、直径125mm×厚さ10mmの酸化ニオブ系スパッタリングターゲットを前述の製造方法で作製し、スパッタリング装置のチャンバー内に装着して、以下に示す条件で、放電を行った。先ず、その放電を、1000W、30分間行い、チャンバー開放して、ターゲット表面が割れていないかどうかを確認した。次いで、ターゲット表面が割れていなければ、電力を200wずつ上昇させて印加し、2000Wになるまで、その都度、チャンバー開放して、ターゲット表面が割れていないかを確認した。一方、ターゲット表面の割れが確認できたときには、それ以降のスパッタ割れ試験を中断した。その確認結果が、表5に示されている。
(放電条件)
・電源:DC1000W〜2000W
・全圧:0.67Pa
・スパッタリングガス:Ar=30sccm
・ターゲット−基板(TS)距離:70mm
なお、表5においては、ターゲット表面の割れが確認できなかった場合には、「無」を、そして、ターゲット表面の割れが確認できた場合には、「有」をそれぞれ表示した。さらに、スパッタ割れ試験を中断した場合には、「−」を表示した。
以上の各表に示された結果によれば、実施例1、5の酸化ニオブ系スパッタリングターゲットのいずれも、1800Wの高電力を印加しても、ターゲット割れは確認できず、DCスパッタリングが可能であった。また、実施例2、3、6〜8の酸化ニオブ系スパッタリングターゲットのいずれも、2000Wの高電力を印加しても、ターゲット割れは確認できず、DCスパッタリングが可能であった。実施例4の酸化ニオブ系スパッタリングターゲットでは、2000Wの高周波電力を印加しても、ターゲット割れは確認できなかった。さらに、実施例5〜8の酸化ニオブ系スパッタリングターゲットでは、ターゲット厚さ方向の全体に亘って、比抵抗が0.002〜0.05Ω・cmの範囲にあり、その比抵抗の厚さ方向ばらつきが平均値の15%以下を達成できることが確認され、ターゲット厚さ方向の全体に亘って、ターゲット比抵抗が一層低く、かつ、ばらつきが少ないことが分かった。ターゲット比抵抗を一層低下できただけでなく、ターゲット厚さ方向で、比抵抗のばらつきを小さくできたので、ターゲット割れが発生することなく、高電力のDCスパッタリングを安定して実施できた。
一方、比較例1〜3の酸化ニオブ系スパッタリングターゲットに関しては、比較例1、3では、亜鉛(Zn)の含有量が少なすぎたため、抗折強度及び熱伝導率がともに低く、1400Wの電力が印加されると、ターゲット割れが発生した。また、比較例2の場合には、亜鉛(Zn)の含有量が多すぎたため、スパッタリング時に異常放電が多発し、スパッタリングが不安定であった。
以上の様に、本発明による酸化ニオブ系スパッタリングターゲットでは、抗折強度及び熱伝導性が向上されて、スパッタリング時の耐割れ性に優れたものとなり、高電力のスパッタリングが可能であることが確認された。さらに、酸素欠損状態の酸化ニオブ粉末(Nb2O5−x粉末)が混合した場合でも、抗折強度及び熱伝導性が向上され、且つ、ターゲット厚さ方向における比抵抗を一層低下させつつ、そのばらつきも小さいものとなり、スパッタリング時の耐割れ性に優れたものとなり、高電力のDCスパッタリングが可能であることが確認された。なお、酸化ニオブ系スパッタリングターゲットの形状が平板であっても、或いは、その形状が円筒型であっても、耐割れ性の向上を実現できる。
Claims (6)
- 全金属元素に対して、Zn:2.6〜19.8at%を含有し、残部がNbからなる酸化ニオブ系焼結体によるスパッタリングターゲットであって、
前記スパッタリングターゲットの抗折強度が160N/mm2以上であり、かつ、熱伝導率が2.5W/m・K以上であることを特徴とする酸化ニオブ系スパッタリングターゲット。 - 前記スパッタリングターゲットは、ターゲット厚み方向の全域で、比抵抗が、0.002〜0.05Ω・cmであることを特徴とする請求項1に記載の酸化ニオブ系スパッタリングターゲット。
- 前記スパッタリングターゲットは、ターゲット厚み方向での比抵抗のばらつきが平均値の15%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のスパッタリングターゲット。
- 請求項1に記載の酸化ニオブ系スパッタリングターゲットを製造する方法であって、
酸化ニオブ粉末:67〜95mol%と、酸化亜鉛粉末33〜5mol%とを混合して、混合体を得る混合工程と、
前記混合体を、非酸化雰囲気にて焼結して、焼結体を得る焼結工程と、
を有することを特徴とする酸化ニオブ系スパッタリングターゲットの製造方法。 - 請求項2又は3に記載の酸化ニオブ系スパッタリングターゲットを製造する方法であって、
前記混合工程の前に、酸化ニオブ粉末を還元処理して、酸素欠損酸化ニオブ粉末を生成する還元工程を有し、
前記酸素欠損酸化ニオブ粉末と酸化亜鉛粉末とを混合して、混合体を得ることを特徴とする請求項4に記載の酸化ニオブ系スパッタリングターゲットの製造方法。 - 前記還元工程では、酸化ニオブ粉末を、還元雰囲気で、500℃以上で熱処理して、化学式:Nb2O5−x(ただし、x=0.005〜0.1)を満たす酸素欠損状態の酸化ニオブ粉末を生成することを特徴とする請求項5に記載の酸化ニオブスパッタリングターゲットの製造方法。
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JP2013209978A JP2015074789A (ja) | 2013-10-07 | 2013-10-07 | 酸化ニオブ系スパッタリングターゲット及びその製造方法 |
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JP2016121057A (ja) * | 2014-08-12 | 2016-07-07 | 東ソー株式会社 | 酸化物焼結体及びスパッタリングターゲット |
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2013
- 2013-10-07 JP JP2013209978A patent/JP2015074789A/ja active Pending
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