JP2008057045A - 酸化物焼結体スパッタリングターゲット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】主成分がTiOX (1<X<2)で、かつ、室温での比抵抗が0.65Ωcm以下であり、二酸化チタン粉末を非酸化雰囲気でホットプレスして焼結することにより形成される酸化物焼結体スパッタリングターゲット。
【選択図】なし
Description
本発明のターゲットにおいて、上記の酸化チタンにチタン以外の金属酸化物を50重量%未満を加えることにより、高速成膜を維持したまま、屈折率、機械的特性、化学的特性などの膜質を改善できる。
市販されている高純度のTiO2 粉末を準備し、カーボン製のホットプレス用型に充填し、アルゴン雰囲気中1100℃〜1400℃で1時間保持の条件でホットプレスを行った。このときのホットプレス圧力は50kg/cm2 とした。得られた焼結体の密度、比抵抗を測定した。また、得られた焼結体をメノウ乳鉢で粉砕し、空気中で1100℃に加熱し、その重量増加を測定した。この空気中での加熱後には粉末が完全に酸化したTiO2 になっているとして、その重量増加分から、ホットプレス後の焼結体の酸素量を求めた。これらの結果を表1に示す。
また、1200℃でホットプレスした焼結体を直径6インチ、厚さ5mmの寸法に機械加工し、ターゲットを作製した。ターゲットは銅製のバッキングプレートにメタルボンディングで接着して用いた。
市販されている高純度のTiO2 粉末と添加物としてCr2 O3 粉末、CeO2 粉末、Nb2 O5 粉末、Al2 O3 粉末,SiO2 粉末、を準備し、Cr2 O3 粉末、CeO2 粉末、Nb2 O5 粉末がそれぞれ20重量%、またAl2 O3 粉末,SiO2 粉末がそれぞれ5重量%になるように、TiO2 粉末とボールミルで混合した。これら3種類の混合粉末をカーボン製のホットプレス用型に充填し、アルゴン雰囲気中1200℃で1時間保持の条件でホットプレスを行った。このときのホットプレス圧力は50kg/cm2 とした。得られた焼結体の密度、比抵抗を測定した。これらの結果を表3に示す。
また、これらのターゲットとなる焼結体の一部を酸溶解あるいはアルカリ溶融して、水溶液を調製し、ICP装置で焼結体の組成を分析した結果、混合粉末の仕込組成と焼結体の組成はほぼ一致していることを確認している。
つぎに、このターゲットをマグネトロンスパッタリング装置に取り付けて、TiO2 膜の成膜を行った。このときの条件は投入電力:DC1kW、背圧:1×10-5Torr、スパッタリング圧力:2×10-3Torrで行った。スパッタリングガスには、アルゴンまたはアルゴンと酸素の混合ガスを用いた。基板にはソーダライムガラスを用いた。また、基板に対する意図的な加熱は特に行わなかった。膜厚はおよそ100nmとなるように行った。スパッタリング中の放電はきわめて安定しておりDCスパッタリングでも安定して成膜ができた。成膜後、膜厚を触針式の膜厚測定装置を用いて測定した。さらに、エリプソメーターで膜の屈折率を測定した。表4に、成膜速度および膜の屈折率を示す。また、得られた膜はすべて透明で膜の光吸収は無かった。
表3、表4の結果から明らかなように、本発明のターゲットを用いることにより高屈折率を有する透明なTiO2 膜が高速で成膜できた。
Claims (3)
- 主成分がTiOXである酸化物焼結体スパッタリングターゲットにおいて、室温での比抵抗値が0.65Ωcm以下であり、Xが1<X<2の範囲であり、かつ、酸素含有量が35重量%以上であり、二酸化チタン粉末を焼結することにより形成されることを特徴とする酸化物焼結体スパッタリングターゲット。
- TiOX以外の金属酸化物を50重量%未満を含む請求項1記載の酸化物焼結体スパッタリングターゲット。
- 前記金属酸化物が、クロム、セリウム、ジルコニウム、イットリウム、ニオブ、タンタル、珪素、アルミニウム、およびホウ素からなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化物である請求項2記載の酸化物焼結体スパッタリングターゲット。
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