JP2005220428A - スパッタリングターゲットおよびそれを用いた酸化膜の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】光学薄膜に好適なSi酸化膜等をスパッタ成膜するにあたって、Si酸化膜等の成膜コストの低減および成膜効率の向上を図る。
【解決手段】Si、Ta、Nb、Zr、Hf、Mg、Ca、YおよびAlから選ばれる少なくとも1種の元素から実質的になるスパッタリングターゲットであって、60〜98%の範囲の相対密度を有する。さらに、Siから実質的になるスパッタリングターゲットは、酸素含有量が0.01〜1質量%の範囲、またビッカース硬さがHv300〜800の範囲とされている。
【選択図】なし

Description

本発明は、光学薄膜用のSi酸化膜等の形成に用いられるスパッタリングターゲットと酸化膜の製造方法に関する。
ディスプレイ装置としては陰極線管(CRT)を使用した装置が広く使用されてきたが、CRTはある程度以上の設置スペースが必要とされることから、軽量・薄型のディスプレイ装置として液晶表示装置が急速に普及している。液晶表示装置は携帯電話やPDA等の表示部、パソコン用モニタ、家庭用テレビを始めとする各種家電製品等に使用されている。また、自発光タイプのディスプレス装置としては、プラズマディスプレイパネル(PDP)が実用化されている。さらに、電界放出型冷陰極等の電子放出素子を用いた表示装置、いわゆる電界放出型表示装置(FED)の実用化も進められている。
上述したような各種のディスプレイ装置には、当然ながら見やすさが第一に要求される。このため、コントラストの低下要因となる背景の映り込みを防止するために、画面の表面反射を抑制する必要がある。そこで、ディスプレイ装置の表面には一般に反射防止処理が施されている。反射防止膜は高低の屈折率の異なる薄膜を光学設計により交互に積層することで、反射光を干渉させて反射率を減衰させるものである。このような反射防止膜の成膜方法としては主に蒸着法やゾル・ゲル法が採用されてきたが、最近では生産能力と膜厚の制御性の観点からスパッタリング法が採用され始めている。
反射防止膜の構成材料には、高屈折率膜としてTa、Nb、Ti、Zr、Hf等の酸化膜が、また低屈折率膜としてSiの酸化膜が主に用いられている(例えば特許文献1〜2等参照)。Si酸化膜の成膜方法としては、(1)Siターゲットを用いてArとO2の混合ガス雰囲気中で反応性スパッタする方法、(2)Si酸化物ターゲットを用いてAr雰囲気中もしくはArとO2の混合ガス雰囲気中でスパッタ成膜する方法、等が知られている。(1)の成膜方法においては、一般的に溶解法で作製された単結晶または多結晶のSiターゲットが用いられている。
しかしながら、上述した(1)Siターゲットおよび(2)Si酸化物ターゲットのいずれを用いた成膜方法においても成膜速度が遅く、この成膜速度の低下がSi酸化膜ひいては反射防止膜等の生産コストの増加要因となっている。このような成膜速度の低下はSi酸化膜の形成工程に限らず、Ta、Nb、Ti、Zr、Hf等の酸化膜の形成工程においても同様に問題になっている。さらに、従来の溶解材からなるSiターゲットにおいては、使用頻度が低い段階、例えばSiターゲットの厚さに対するエロージョン深さが1/4に満たない段階で、Siターゲットに割れが生じやすいという問題がある。
特開平11-171596号公報 特開2002-338354号公報
上述したように、従来のSiターゲットや金属ターゲット(TaターゲットやNbターゲット等)を用いた成膜工程においては、ターゲットによる酸素のトラップ等に起因する成膜速度の低下が著しく、これがSi酸化膜や金属酸化膜の成膜コストの増加要因になっている。また、従来のSiターゲットは使用頻度が低い段階で割れが生じやすく、この点もSi酸化膜の成膜コストの増加の一因になっている。Si酸化膜や金属酸化膜は、例えば反射防止機能、波長分離機能、波長合成機能等を有する光学薄膜として使用されており、特に反射防止膜を適用するディスプレイ装置等の分野は大量生産が必要とされることから、酸化膜の生産性の向上や生産コストの低下を図ることが強く求められている。
本発明はこのような課題に対処するためになされたもので、光学薄膜に好適なSi酸化膜や金属酸化膜をスパッタ成膜するにあたって、それら酸化膜の成膜コストの増加を抑制することによって、Si酸化膜や金属酸化膜ひいては光学薄膜等の生産コストの低減を図ることを可能にしたスパッタリングターゲットと、そのようなスパッタリングターゲットを用いた酸化膜の製造方法を提供することを目的としている。
本発明の第1のスパッタリングターゲットは、Si、Ta、Nb、Zr、Hf、Mg、Ca、YおよびAlから選ばれる少なくとも1種の元素から実質的になるスパッタリングターゲットであって、60〜98%の範囲の相対密度を有することを特徴としている。このような第1のスパッタリングターゲットは、特にSiから実質的になるスパッタリングターゲットに対して好適である。
また、本発明の第2のスパッタリングターゲットは、Siから実質的になるスパッタリングターゲットであって、酸素含有量が0.01〜1質量%の範囲であることを特徴としている。さらに、本発明の第3のスパッタリングターゲットは、Siから実質的になるスパッタリングターゲットであって、ビッカース硬さでHv300〜800の範囲の硬度を有することを特徴としている。
本発明の酸化膜の製造方法は、上述した本発明のスパッタリングターゲットを用いて酸素を含む雰囲気中でスパッタ成膜し、スパッタリングターゲットの構成元素の酸化膜を形成する工程を具備することを特徴としている。
本発明の第1のスパッタリングターゲットによれば、例えばSi酸化膜や金属酸化膜等のスパッタ膜の成膜速度を高めることができる。第2のスパッタリングターゲットによれば、例えばSi酸化膜の成膜速度を高めることができる。また、第3のスパッタリングターゲットによれば、例えばSi酸化膜の成膜工程における早期の割れを抑制することができる。このようなスパッタリングターゲットを用いた酸化膜の製造方法によれば、Si酸化膜や金属酸化膜等の成膜コストの低減を図ることが可能となる。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。本発明の第1の実施形態によるスパッタリングターゲットは実質的にSiからなり、例えば反射防止機能、波長分離機能、波長合成機能等を有する光学薄膜もしくはその構成膜として好適なSi酸化膜(SiOx膜等)の形成に使用されるものである。反射防止機能を有する光学薄膜としては、高屈折率膜と低屈折率膜とを光学設計に基づいて交互に積層した多層膜が挙げられる。反射防止膜の構成膜において、Si酸化膜は低屈折率膜として利用されるものである。
第1の実施形態によるスパッタリングターゲット(Siターゲット)は60〜98%の範囲の相対密度を有している。このような比較的相対密度が低いSiターゲットによれば、ターゲット表面の見掛け上の表面積が増大することから、Arイオン等によりスパッタされる面積が大きくなり、その結果としてスパッタ時の成膜速度を向上させることができる。特に、Siターゲットを用いてSi酸化膜を成膜する際に、Siターゲットの相対密度に基づいて成膜速度を向上させることができる。Siターゲットを用いてSi酸化膜を成膜する場合、Siターゲットによる酸素のトラップが成膜速度の低下の一因と考えられることから、スパッタされる面積を増大させることでSi酸化膜の成膜速度をより効果的に高めることができる。
Siターゲットの相対密度が98%を超える場合には、スパッタ面積の増大による成膜速度の向上効果を得ることができない。なお、従来の溶解材によるSiターゲットは、単結晶材および多結晶材のいずれも相対密度が約100%であり、これが成膜速度の低下の一因と考えられる。また、各種のスパッタリングターゲットとして焼結材を適用することも行われているが、この場合には相対密度が例えば99%以上の高密度材、すなわち溶解材に近い密度を有する焼結材を用いることが一般的である。よって、従来の焼結材からなるスパッタリングターゲットの成膜速度については、溶解材によるターゲットと同様に、ターゲットの高密度化が成膜速度の低下要因になっていたものと考えられる。
一方、Siターゲットの相対密度が60%未満の場合には強度が不足して、例えばターゲット形状に加工する際に割れや欠け等が生じやすくなり、スパッタリングターゲットの製造コストの増大等を招くことになる。また、パーティクルやダスト等の発生も多くなり、Si酸化膜の品質低下等を招くおそれがある。Siターゲットの相対密度は80〜98%の範囲とすることがより好ましい。このような相対密度を有するSiターゲットを用いることによって、成膜速度の向上を図ると共に、高品質のSi酸化膜を再現性よく得ることができる。Siターゲットの相対密度は90%以上とすることがさらに好ましく、Si酸化膜の膜厚や品質等の特性を向上させることができる。また、成膜速度の向上という観点からは、Siターゲットの相対密度は95%以下とすることがより好ましい。
また、Siターゲットの相対密度に関しては、スパッタ膜(例えばSi酸化膜)の膜厚分布の均一性を高める上で、ターゲット全体としての相対密度のバラツキを低く抑えることが好ましい。具体的には、Siターゲット全体としての相対密度のバラツキを30%以内とすることが好ましい。このような相対密度のバラツキが小さいSiターゲットを用いることによって、膜面内における膜厚分布の均一性に優れるスパッタ膜(例えばSi酸化膜)を再現性よく得ることが可能となる。このように、Siターゲット全体としての相対密度のバラツキは、スパッタ膜の膜厚分布に影響を及ぼす。Siターゲット全体としての相対密度のバラツキは10%以内とすることがより好ましい。
なお、Siターゲットの相対密度およびそのバラツキは、以下のようにして求めた値を示すものとする。例えばターゲットが円盤状の場合、ターゲットの中心部と、中心部を通り円周を均等に分割した4本の直線上の中心部から50%の距離の各位置(計8個所)、および中心部から90%の距離の各位置(計8個所)の合計17個所からそれぞれ試験片を採取し、これら17個の試験片の相対密度を測定し、これらの測定値の平均値をSiターゲットの相対密度とする。また、相対密度のバラツキは、各試験片の相対密度(各測定値)の最大値と最小値から、[{(最大値−最小値)/(最大値+最小値)}×100(%)]の式に基づいて求めるものとする。各試験片の相対密度はアルキメデス法により測定するものとする。
上述したような相対密度を有するSiターゲットは、ターゲット素材としてSi焼結材を使用することで得ることができる。そして、Si焼結材を製造する際に、原料粉末としてのSi粉末の粒径、Si粉末を焼結する際の条件、具体的には焼結法、焼結温度、焼結時間、焼結時の圧力等を適宜選択ないしは設定することによって、Si焼結材ひいてはそれを用いたSiターゲットの相対密度を所望の値に制御することができる。Siターゲットの相対密度のバラツキを低減する上で、粒径が揃ったSi粉末を用いると共に、成形型内にSi粉末を充填した後に振動等を加えて充填密度やその均一性を高めることが有効である。具体的な製造条件等については、後に詳述する。
第1の実施形態によるスパッタリングターゲット(Siターゲット)は、さらに0.01〜1質量%の範囲の酸素を含有することが好ましい。このような量の酸素を含有するSiターゲットによれば、それを用いて酸化膜(Si酸化膜)を成膜する際に、ターゲットにトラップされるスパッタ雰囲気中の酸素量が低減されることから、反応性スパッタに寄与する酸素プラズマイオンが多くなる。これによって、スパッタ時の成膜速度、特にSi酸化膜の成膜速度を向上させることができる。
すなわち、Siターゲットの酸素含有量が0.01質量%未満であると、成膜時にターゲットにスパッタ雰囲気中の酸素がトラップされ、これによって反応性スパッタに寄与する酸素プラズマイオンが低下するため、特にSi酸化膜を成膜する際の速度が低下する。なお、従来の溶解材によるSiターゲットは酸素含有量が低く、これも成膜速度を低下させる一因になっていたものと考えられる。一方、Siターゲットの酸素含有量が1質量%を超えると、Siターゲットの比抵抗が大きくなり、例えばDCスパッタを実施した際に異常放電が発生しやすくなり、スパッタ成膜が可能であったとしてもSi酸化膜の品質低下等を招くおそれが大きい。Siターゲットの酸素含有量は0.1〜0.5質量%の範囲とすることがより好ましい。
また、Siターゲットの酸素含有量に関しては、スパッタ膜(例えばSi酸化膜)の膜厚分布の均一性を高める上で、ターゲット全体としての酸素含有量のバラツキを低く抑えることが好ましい。具体的には、Siターゲット全体としての酸素含有量のバラツキを30%以内とすることが好ましい。このような酸素含有量のバラツキが小さいSiターゲットを用いることによって、膜面内における膜厚分布の均一性に優れるスパッタ膜(例えばSi酸化膜)を再現性よく得ることが可能となる。このように、Siターゲット全体としての酸素含有量のバラツキはスパッタ膜の膜厚分布に影響を及ぼす。Siターゲット全体としての酸素含有量のバラツキは10%以内とすることがより好ましい。
なお、Siターゲットの酸素含有量およびそのバラツキは、以下のようにして求めた値を示すものとする。例えばターゲットが円盤状の場合、相対密度を測定する際と同様にして、ターゲットの各部(合計17個所)からそれぞれ試験片を採取し、これら17個の試験片の酸素含有量を測定し、これらの測定値の平均値をSiターゲットの酸素含有量とする。また、酸素含有量のバラツキは、各試験片の酸素含有量(各測定値)の最大値と最小値から、[{(最大値−最小値)/(最大値+最小値)}×100(%)]の式に基づいて求めるものとする。各試験片の酸素含有量は、不活性ガス溶解・赤外線吸収法で測定するものとする。
上述したような酸素含有量を有するSiターゲットは、ターゲット素材としてSi焼結材を使用することで得ることができる。そして、Si焼結材を製造する際に、原料粉末としてのSi粉末の純度や粒径、Si粉末を焼結する際の条件、具体的には焼結法、焼結温度、焼結時間、焼結時の圧力等を適宜選択ないしは設定することによって、Si焼結材ひいてはそれを用いたSiターゲットの酸素含有量を所望の値に制御することができる。さらに、酸素含有量を所望の範囲に制御する上で、焼結温度で本焼結を行う前に適量の酸素を含む雰囲気中で熱処理することも有効である。
さらに、第1の実施形態によるスパッタリングターゲット(Siターゲット)は、ビッカース硬さでHv300〜800の範囲の硬度を有することが好ましい。すなわち、上述したようなSi焼結材からなるスパッタリングターゲット(Siターゲット)は、その相対密度等に基づいて適度な硬度を有することから、Siターゲットの使用頻度が低い段階での割れ等を防ぐことができる。具体的には、ビッカース硬さがHv300〜800の範囲のSiターゲットを実現することができ、このような硬度に基づいて使用頻度が低い段階でのSiターゲットの割れ等を防ぐことができる。
すなわち、Siターゲットのビッカース硬さがHv800を超えると、スパッタ時にターゲット内部で熱応力を十分に緩和することができず、このために使用頻度が低い段階(例えばSiターゲットの厚みに対するエロージョン深さが1/4に満たない段階)で割れ等が生じてしまう。一方、Siターゲットのビッカース硬さがHv300未満であると、例えばターゲット形状に加工する際に割れや欠け等が生じやすくなる。Siターゲットの硬度は、ビッカース硬さでHv400〜600の範囲であることがより好ましい。
また、Siターゲットの硬度のバラツキもターゲット強度、さらにはターゲットの使用頻度に影響を及ぼすことから、ターゲット全体としての硬度のバラツキを低く抑えることが好ましい。具体的には、Siターゲット全体としての硬度のバラツキを30%以内とすることが好ましい。このような硬度のバラツキが小さいSiターゲットを用いることによって、使用頻度が低い段階での割れを再現性よく抑制することができる。言い換えると、エロージョン深さがより深い位置に達するまで安定して使用することが可能となり、これによって成膜コストの低減や成膜効率の向上等を図ることができる。Siターゲット全体としての硬度のバラツキは10%以内とすることがより好ましい。
上述したような硬度を有するSiターゲットは、ターゲット素材としてSi焼結材を使用すると共に、その密度を適度な範囲に制御することで得ることができる。Si焼結材を製造する際に、原料粉末としてのSi粉末の純度や粒径、Si粉末を焼結する際の条件、具体的には焼結法、焼結温度、焼結時間、焼結時の圧力等を適宜選択ないしは設定することによって、Si焼結材ひいてはそれを用いたSiターゲットの硬度を所望の値に制御することができる。さらに、Siターゲットの硬度には例えばSi焼結材の密度に加えて、不純物としてのガス成分量(例えば酸素、窒素、水素、炭素等の含有量)等も影響することから、Siターゲットの硬度を高めるために、焼結前に脱ガス処理等を実施することも有効である。酸素量条件と硬度条件については、Si焼結材の製造条件等を制御することで両立させることができる。
なお、Siターゲットの硬度(ビッカース硬さ)およびそのバラツキは、例えばターゲットが円盤状の場合、相対密度を測定する際と同様にして、ターゲットの各部(合計17個所)からそれぞれ試験片を採取し、これら17個の試験片のビッカース硬さを測定し、これらの測定値の平均値をSiターゲットのビッカース硬さとする。また、ビッカース硬さのバラツキは、各試験片のビッカース硬さ(各測定値)の最大値と最小値から、[{(最大値−最小値)/(最大値+最小値)}×100(%)]の式に基づいて求めるものとする。試験片のビッカース硬さは、各試験片の表面を鏡面研磨(例えば#1000まで研磨+バフ研磨)し、この鏡面に対してビッカース圧痕試験機(島津社製HMV200)を用いて荷重200g(荷重負荷時間10sec)を負荷して測定するものとする。
スパッタリングターゲットを構成するSi材には、反射防止膜(低屈折率膜)等の使用用途を考慮して、例えば純度が99%以上のSi材を使用することが好ましい。ここで言う純度とはSi以外の不純物元素、例えばFe、Ni、Cr、Al、Cu、Na、K等の元素の各含有量(質量%)の合計量を100%から引いた値を示すものであり、これら不純物元素の含有量が1質量%以下、すなわちSiの純度が99%以上であることが好ましい。さらには、ターゲット中の不純物元素量が0.5質量%以下、すなわちSiの純度が99.5%以上であることがより好ましい。実用的には、ターゲット中の不純物元素量が0.01〜1質量%(Siの純度が99〜99.99%)の範囲のSi材を用いることが好ましい。測定方法はICP分析法等の公知の方法が適用される。なお、酸素含有量を制御したSiターゲットにおいて、酸素量は不純物元素量から除くものとする。
上述したように、第1の実施形態によるスパッタリングターゲットは、Siターゲットの相対密度や酸素含有量を制御することで成膜速度の向上を図ると共に、Siターゲットの硬度を制御することでスパッタ時の使用頻度を改善したものである。成膜速度に関しては、相対密度および酸素含有量のいずれか一方を所望の範囲に制御することで、従来の溶解材からなるSiターゲットに比べて向上させることができる。ただし、より再現性よく成膜速度を向上させる上で、相対密度および酸素含有量の条件を同時に満足させることが望ましい。また、Siターゲットの硬度については、それ単独で満足させるようにしてもよいが、Siターゲットの使用頻度の増加による成膜コストの低減効果に加えて、成膜速度の向上に基づく成膜コストの低減効果を得るために、相対密度および酸素含有量のいずれか一方もしくは両方と共に満足させることが好ましい。これらによって、Si酸化膜ひいては光学薄膜等の生産コストをより有効に低減することができる。
第1の実施形態のスパッタリングターゲット(Siターゲット)は、例えば以下のようにして得ることができる。すなわち、上述したような純度を有するSi粉末を、所望のターゲット形状に応じた成形型(例えばカーボン型)内に充填する。この際、相対密度、酸素含有量、ビッカース硬さ、およびそれらのバラツキを制御する上で、Si粉末の粒径は100μm以下とすることが好ましく、さらに好ましくは75〜100μmの範囲である。また、相対密度のバラツキを低減する上で、成形型内にSi粉末を充填した後に振動等を加えて充填密度およびその均一性を高めることも有効である。さらに、酸素含有量やそのバラツキを上記した範囲内に制御するために、適度な量の酸素を含有するSi粉末を使用してもよい。
成形型内に充填されたSi粉末は焼結温度まで昇温され、例えばホットプレス(HP)やHIPにより加圧焼結される。また、常圧焼結や雰囲気加圧焼結等を適用することも可能である。この際、酸素含有量を所望の範囲に制御する上で、焼結温度で本焼結を行う前に適量の酸素を含む雰囲気中で熱処理することも有効である。酸素を含有させるための熱処理工程は、例えば500℃の温度にて1〜5hr程度の条件で実施することが好ましい。また、ビッカース硬さの向上については脱ガス処理が有効であるが、それと酸素含有量とを同時に満足させるために、脱ガスのための熱処理の後期に適量の酸素を熱処理雰囲気中に導入するようにしてもよい。焼結温度は800〜1300℃の範囲とすることが好ましく、またそのような温度による保持時間は2時間以上とすることが好ましい。
上述したような焼結工程を適用して作製したターゲット素材(Si焼結材)を所定の形状に機械加工し、さらに例えばAlやCuからなるバッキングプレートと接合することで、目的とするスパッタリングターゲット(Siターゲット)が得られる。バッキングプレートとの接合には一般的な拡散接合やソルダー接合を適用することができる。ソルダー接合を適用する場合には、公知のIn系やSn系の接合材を介してバッキングプレートと接合する。また、拡散接合の温度は600℃以下とすることが好ましい。
この実施形態のスパッタリングターゲット(Siターゲット)は、反射防止膜等の光学薄膜に用いられるSi酸化膜(SiOx膜)の成膜に好適に使用されるものである。SiOx膜はSiターゲットを用いて、例えばArとO2の混合ガス中で反応性スパッタすることにより得られる。このようなSiOx膜の成膜にあたって、この実施形態のスパッタリングターゲットによれば成膜速度や使用頻度を向上させることができるため、SiOx膜ひいては光学薄膜の生産コストの低減や生産効率の向上を実現することが可能となる。さらに、SiOx膜を用いた反射防止膜等の光学薄膜の品質を高めることができる。
次に、本発明の第2の実施形態によるスパッタリングターゲットについて説明する。第2の実施形態によるスパッタリングターゲットは、Ta、Nb、Zr、Hf、Mg、Ca、YおよびAlから選ばれる少なくとも1種の元素から実質的になり、例えば反射防止機能、波長分離機能、波長合成機能等を有する光学薄膜もしくはその構成膜として好適な金属酸化膜(TaOx膜やNbOx膜等)の形成に使用されるものである。反射防止機能を有する光学薄膜としては、高屈折率膜と低屈折率膜とを光学設計に基づいて交互に積層した多層膜が挙げられる。反射防止膜の構成膜において、TaOx膜、NbOx膜、ZrOx膜、HfOx膜等の金属酸化膜は高屈折率膜として利用されるものである。
第2の実施形態によるスパッタリングターゲット(金属ターゲット)は60〜98%の範囲の相対密度を有している。このような比較的相対密度が低い金属ターゲットによれば、ターゲット表面の見掛け上の表面積が増大することから、Arイオン等によりスパッタされる面積が大きくなり、その結果としてスパッタ時の成膜速度を向上させることができる。特に、金属ターゲットを用いて、その構成元素の酸化膜を成膜する際に有効である。なお、相対密度に基づく金属ターゲットの成膜速度の向上効果は、特にSiターゲットを用いた場合に顕著であることから、本発明はSiターゲットに対して特に有効である。
金属ターゲットの相対密度が98%を超える場合には、スパッタ面積の増大による成膜速度の向上効果を得ることができない。一方、金属ターゲットの相対密度が60%未満の場合には強度が不足して、例えばターゲット形状に加工する際に割れや欠け等が生じやすくなり、スパッタリングターゲットの製造コストの増大等を招くことになる。また、パーティクルやダスト等の発生も多くなり、金属酸化膜の品質低下等を招くおそれがある。金属ターゲットの相対密度は80〜98%の範囲とすることがより好ましい。このような相対密度を有する金属ターゲットを用いることによって、成膜速度の向上を図ると共に、高品質の金属酸化膜を再現性よく得ることができる。金属ターゲットの相対密度は90〜95%の範囲とすることがより好ましい。
また、金属ターゲットの相対密度に関しては、スパッタ膜(例えば金属酸化膜)の膜厚分布の均一性を高める上で、ターゲット全体としての相対密度のバラツキを低く抑えることが好ましい。具体的には、金属ターゲット全体としての相対密度のバラツキを30%以内とすることが好ましい。このような相対密度のバラツキが小さい金属ターゲットを用いることによって、膜面内における膜厚分布の均一性に優れるスパッタ膜(例えば金属酸化膜)を再現性よく得ることが可能となる。このように、金属ターゲット全体としての相対密度のバラツキは、スパッタ膜の膜厚分布に影響を及ぼす。金属ターゲット全体としての相対密度のバラツキは10%以内とすることがより好ましい。
金属ターゲットの相対密度およびそのバラツキは、前述したSiターゲットと同様にして求めるものとする。また、上述したような相対密度を有する金属ターゲットは、ターゲット素材として焼結材を使用することで得ることができる。そして、焼結材を製造する際に、原料粉末としての金属粉末の粒径、金属粉末を焼結する際の条件、具体的には焼結法、焼結温度、焼結時間、焼結時の圧力等を適宜選択ないしは設定することによって、焼結材ひいてはそれを用いた金属ターゲットの相対密度を所望の値に制御することができる。さらに、金属ターゲットの相対密度のバラツキを低減する上で、粒径が揃った金属粉末を用いると共に、成形型内に金属粉末を充填した後に振動等を加えて充填密度を高めることも有効である。
次に、本発明の具体的な実施例およびその評価結果について述べる。
実施例1
まず、粒径が75〜100μmの範囲のSi粉末(純度4N)を用意し、このSi粉末をカーボン型内に充填した。この際、カーボン型に振動を加えることによって、Si粉末の充填密度を高めると共に充填密度の均一化を図った。これをホットプレス(HP)装置にセットし、1×10-3Paの真空雰囲気中にて25MPaの圧力を印加しながら800℃×5時間の条件で焼結した。この後、圧力を取り除いて室温まで冷却した。
このようにして得たターゲット素材(Si焼結体)を直径50mm×厚さ5mmの形状に機械加工した後、Cu製バッキングプレートにろう付け接合することによって、Siスパッタリングターゲットを作製した。このSiスパッタリングターゲットの相対密度とそのバラツキを前述した方法にしたがって測定したところ、相対密度は69%、そのバラツキは8%であった。このようなSiターゲットを後述する特性評価に供した。
実施例2〜12
上記した実施例1において、焼結時の条件(焼結法、焼結温度、焼結時間)をそれぞれ示す表1に条件に変更する以外は、実施例1と同様にしてターゲット素材(Si焼結体)を作製した。なお、実施例11〜12については振動の印加処理を実施していない。これら各ターゲット素材(Si焼結体)を用いて、それぞれ実施例1と同様にしてSiスパッタリングターゲットを作製した。各Siスパッタリングターゲットの相対密度とそのバラツキは表1に示す通りである。このような各Siスパッタリングターゲットを後述する特性評価に供した。
比較例1〜2
市販の溶解材からなる単結晶Siターゲット(比較例1)と多結晶Siターゲット(比較例2)を用意した。これら単結晶Siターゲットおよび多結晶Siターゲットの相対密度とそのバラツキは表1に示す通りである。このような各Siスパッタリングターゲットを後述する特性評価に供した。
比較例3〜6
上記した実施例1において、Si粉末の粒径や焼結時の条件(焼結法、焼結温度、焼結時間)をそれぞれ表1に示す条件に変更する以外は、実施例1と同様にしてターゲット素材(Si焼結体)を作製した。これら各ターゲット素材(Si焼結体)を用いて、それぞれ実施例1と同様にしてSiスパッタリングターゲットを作製した。各Siスパッタリングターゲットの相対密度とそのバラツキは表1に示す通りである。このような各Siスパッタリングターゲットを後述する特性評価に供した。
次に、上述した実施例1〜12および比較例1〜6の各Siスパッタリングターゲットを用いて、スパッタガス:Ar=50sccm+O2=10sccm、スパッタ圧:5Pa、出力:100W、スパッタ時間:600secの条件下でDCスパッタを行い、それぞれガラス基板上にSi酸化膜(SiOx膜)を成膜した。このようして得た各Si酸化膜の膜厚を段差計にて測定し、各膜厚を成膜時間(600sec)で割って成膜速度(nm/min)を求めた。また、各Si酸化膜の面内膜厚分布を以下のようにして求めた。すなわち、ガラス基板の直径に対して端部から5mm間隔で膜厚を測定し、これら各測定値から最大値と最小値を求め、その最大値と最小値から[{(最大値−最小値)/(最大値+最小値)}×100(%)]の式に基づいて、膜厚分布の均一性(%)を求めた。これらの結果を表1に併せて示す。
Figure 2005220428
表1から明らかなように、実施例1〜12の各Siスパッタリングターゲットによれば、Si酸化膜の成膜速度の向上を図ることができる。さらに、Siスパッタリングターゲットの相対密度のバラツキを低減することによって、Si酸化膜の膜厚分布の均一性を高めることが可能となる。
実施例13〜14
上記した実施例1において、Si粉末の粒径を表2に示す条件に変更する以外は、実施例1と同様にしてターゲット素材(Si焼結体)を作製した。これら各ターゲット素材(Si焼結体)を用いて、それぞれ実施例1と同様にしてSiスパッタリングターゲットを作製した。これらSiスパッタリングターゲットの酸素含有量とそのバラツキを前述した方法にしたがって測定した。その結果は表2に示す通りである。なお、各Siスパッタリングターゲットの相対密度は72%、76%であった。このような各Siスパッタリングターゲットを後述する特性評価に供した。
実施例15〜21
表2に示す粒径を有する各Si粉末をカーボン型内に充填し、次いで真空雰囲気中にて表2に示す条件下でそれぞれ仮焼工程を実施した。この後、25MPaの圧力を印加しながら800〜1200℃×5時間の条件で焼結(HP焼結)した。この後、圧力を取り除いて室温まで冷却した。このようにして得た各ターゲット素材(Si焼結体)を用いて、それぞれ実施例1と同様にしてSiスパッタリングターゲットを作製した。これらSiスパッタリングターゲットの酸素含有量とそのバラツキを前述した方法にしたがって測定した。その結果は表2に示す通りである。このような各Siスパッタリングターゲットを後述する特性評価に供した。
比較例7〜11
上記した実施例15において、Si粉末の粒径や仮焼工程の条件(仮焼温度、仮焼時間)をそれぞれ表2に示す条件に変更する以外は、実施例15と同様にしてターゲット素材(Si焼結体)を作製した。これら各ターゲット素材(Si焼結体)を用いて、それぞれ実施例1と同様にしてSiスパッタリングターゲットを作製した。各Siスパッタリングターゲットの酸素含有量とそのバラツキは表2に示す通りである。このような各Siスパッタリングターゲットを後述する特性評価に供した。
次に、上述した実施例13〜21および比較例1〜2、比較例7〜11の各Siスパッタリングターゲットを用いて、それぞれ実施例1と同一条件下でガラス基板上にSi酸化膜(SiOx膜)を成膜した。このようなSi酸化膜の成膜速度と膜厚分布の均一性を実施例1と同様にして測定、評価した。これらの結果を表2に併せて示す。
Figure 2005220428
表2から明らかなように、実施例13〜21の各Siスパッタリングターゲットによれば、Si酸化膜の成膜速度の向上を図ることができる。さらに、Siスパッタリングターゲットの酸素含有量のバラツキを低減することによって、Si酸化膜の膜厚分布の均一性を高めることが可能となる。
実施例22
粒径が75〜100μmの範囲のSi粉末(純度4N)を用意し、このSi粉末をカーボン型内に充填した。次いで、真空雰囲気中にて500℃×5hrの条件でSi粉末に対して脱ガス処理を施した後、ホットプレス(HP)装置にセットして焼結した。ホットプレス焼結は、1×10-3Paの真空雰囲気中にて25MPaの圧力を印加しながら800℃×5時間の条件で実施した。この後、圧力を取り除いて室温まで冷却した。
このようにして得たターゲット素材(Si焼結体)を用いて、実施例1と同様にしてSiスパッタリングターゲットを作製した。このSiスパッタリングターゲットのビッカース硬さとそのバラツキを前述した方法にしたがって測定した。その結果は表3に示す通りである。なお、このSiスパッタリングターゲットの相対密度は70%であった。このようSiスパッタリングターゲットを後述する特性評価に供した。
実施例23〜34
上記した実施例22において、Si粉末の粒径や焼結時の条件(焼結法、焼結温度、焼結時間)をそれぞれ表3に示す条件に変更する以外は、実施例22と同様にしてターゲット素材(Si焼結体)を作製した。なお、脱ガス処理は必要に応じて実施した。これら各ターゲット素材(Si焼結体)を用いて、それぞれ実施例1と同様にしてSiスパッタリングターゲットを作製した。各Siスパッタリングターゲットのビッカース硬さとそのバラツキは表3に示す通りである。このような各Siスパッタリングターゲットを後述する特性評価に供した。
比較例12〜13
Si粉末の粒径や焼結時の条件(焼結温度、焼結時間)をそれぞれ表3に示す条件に変更する以外は、実施例22と同様にしてターゲット素材(Si焼結体)を作製した。なお、脱ガス処理は実施していない。これら各ターゲット素材(Si焼結体)を用いて、それぞれ実施例1と同様にしてSiスパッタリングターゲットを作製した。各Siスパッタリングターゲットのビッカース硬さとそのバラツキは表3に示す通りである。このような各Siスパッタリングターゲットを後述する特性評価に供した。
次に、上述した実施例22〜34および比較例1〜2、比較例12〜13の各Siスパッタリングターゲットを用いて、それぞれ実施例1と同一条件下でガラス基板上にSi酸化膜(SiOx膜)を成膜した。このようなSi酸化膜の成膜工程を連続して行い、Siスパッタリングターゲットに割れが生じた時点でエロージョン深さを測定した。その測定結果を表3に併せて示す。
Figure 2005220428
表3から明らかなように、比較例1〜2の各Siスパッタリングターゲットは割れが早期に生じている(エロージョン深さが浅い)のに対して、実施例22〜34の各Siスパッタリングターゲットは使用頻度が高められていることがエロージョン深さから分かる。特に、ビッカース硬さのバラツキを低減したSiスパッタリングターゲットは、割れが生じた時点のエロージョン深さが深く、長寿命化が達成されていることが分かる。
実施例35〜40、比較例14〜17
表4に示す粒径を有するTa粉末もしくはNb粉末を用意し、これら各金属粉末をホットプレス法で焼結することによりターゲット素材(Ta焼結体もしくはNb焼結体)をそれぞれ作製した。Ta粉末の焼結条件は、焼結雰囲気:真空雰囲気、圧力:25MPa、焼結温度:1000〜1200℃、焼結時間:5時間とした。Nb粉末の焼結条件は、焼結雰囲気:真空雰囲気、圧力:25MPa、焼結温度:1000〜1200℃、焼結時間:5時間とした。個々の条件は表4に示す通りである。
このようにして得たターゲット素材(Ta焼結体もしくはNb焼結体)を、それぞれ直径50mm×厚さ5mmの形状に機械加工した後、Cu製バッキングプレートにろう付け接合することによって、目的とするスパッタリングターゲットをそれぞれ得た。なお、表中の比較例14は溶解材で作製したTaターゲット、比較例15は相対密度を本発明の範囲外としたTaターゲット、比較例16は溶解材で作製したNbターゲット、比較例17は相対密度を本発明の範囲外としたNbターゲットである。
次に、上述した実施例35〜40および比較例14〜17による各スパッタリングターゲットを用いて、スパッタガス:Ar=50sccm+O2=10sccm、スパッタ圧:5Pa、出力:100W、スパッタ時間:600secの条件下でDCスパッタを行い、ガラス基板上にTa酸化膜(TaOx膜)もしくはNb酸化膜(NbOx膜)を成膜した。このような各酸化膜の成膜速度と膜厚分布の均一性を実施例1と同様にして測定、評価した。これらの結果を表4に併せて示す。
Figure 2005220428
表4から明らかなように、実施例35〜40の各スパッタリングターゲットによれば、Ta酸化膜やNb酸化膜の成膜速度の向上を図ることができる。さらに、スパッタリングターゲットの相対密度のバラツキを低減することによって、Ta酸化膜やNb酸化膜の膜厚分布の均一性を高めることが可能となる。

Claims (5)

  1. Si、Ta、Nb、Zr、Hf、Mg、Ca、YおよびAlから選ばれる少なくとも1種の元素から実質的になるスパッタリングターゲットであって、60〜98%の範囲の相対密度を有することを特徴とするスパッタリングターゲット。
  2. 請求項1記載のスパッタリングターゲットにおいて、
    前記ターゲットはSiから実質的になることを特徴とするスパッタリングターゲット。
  3. Siから実質的になるスパッタリングターゲットであって、酸素含有量が0.01〜1質量%の範囲であることを特徴とするスパッタリングターゲット。
  4. Siから実質的になるスパッタリングターゲットであって、ビッカース硬さでHv300〜800の範囲の硬度を有することを特徴とするスパッタリングターゲット。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載のスパッタリングターゲットを用いて酸素を含む雰囲気中でスパッタ成膜し、前記スパッタリングターゲットの構成元素の酸化膜を形成する工程を具備することを特徴とする酸化膜の製造方法。
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WO2017104802A1 (ja) * 2015-12-18 2017-06-22 三菱マテリアル株式会社 スパッタリングターゲット
JP2017115241A (ja) * 2015-12-18 2017-06-29 三菱マテリアル株式会社 スパッタリングターゲット

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