JP6345214B2 - 点火プラグ - Google Patents

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Description

本明細書は、点火プラグに関する。
内燃機関などの燃焼室における混合気に点火するために点火プラグが用いられている。点火プラグとしては、例えば、筒状の主体金具と、主体金具の内周側に設けられる絶縁体と、を備えるものが、用いられている。
特開2000−215963号公報
内燃機関の設計自由度を向上するためには、点火プラグの小径化が好ましい。ところが、点火プラグの小径化に起因して、主体金具の製造時に不具合が生じる場合があった。例えば、主体金具の強度が不足する場合があった。また、主体金具の製造時に生じる切り屑が工具に付着して、生産性が低下する場合があった。
本明細書は、主体金具の強度低下と生産性低下とを抑制できる技術を開示する。
本明細書は、例えば、以下の適用例を開示する。
[適用例1]
軸線の方向に延びる筒状の主体金具を備える点火プラグであって、
前記主体金具は、
主成分である鉄と、
0.20wt%以上、0.30wt%以下の炭素と、
0.30wt%以上、0.45wt%以下のマンガンと、
0.005wt%以上、0.009wt%以下の硫黄と、
を含み、
硫黄の含有率(wt%)に対するマンガンの含有率(wt%)の比であるMn/Sが、40以上、65以下である、
点火プラグ。
この構成によれば、主体金具の強度低下と生産性低下とを抑制できる。
[適用例2]
適用例1に記載の点火プラグであって、
前記主体金具は、自身の外周面に、
径方向外側に突出する座面と、
前記座面よりも前記軸線の方向における先端側に設けられたネジ部と、
を有し、
前記座面の先端部から前記主体金具の先端までの前記軸線の方向の距離は、26mm以上、40mm以下である、
点火プラグ。
主体金具の強度低下と生産性低下とが抑制されるので、座面から先端までの距離が26mm以上の長い主体金具を、適切に、利用できる。
[適用例3]
適用例2に記載の点火プラグであって、
前記距離は、34mm以上、40mm以下である、
点火プラグ。
主体金具の強度低下と生産性低下とが抑制されるので、座面から先端までの距離が34mm以上の長い主体金具を、適切に、利用できる。
[適用例4]
適用例2または3のいずれかに記載の点火プラグであって、
前記ネジ部の呼び径は、M12、M10、M8のいずれかである、
点火プラグ。
主体金具の強度低下と生産性低下とが抑制されるので、M12、M10、M8のいずれかである細いネジ部を有する主体金具を、適切に、利用できる。
なお、本明細書に開示の技術は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、点火プラグ用の主体金具、主体金具を有する点火プラグ、点火プラグを用いた点火装置、点火プラグを搭載する内燃機関、点火プラグを用いた点火装置を搭載する内燃機関等の態様で実現することができる。
一実施形態としての点火プラグ100の断面図である。 ネジ切り加工の説明図である。 サンプルの材料と評価結果とを表す表である。 サンプルの構成と評価結果とを表す表である。 サンプルの構成と評価結果とを表す表である。
A.実施形態:
A−1.点火プラグ100の構成:
図1は、一実施形態としての点火プラグ100の断面図である。図中には、点火プラグ100の中心軸CL(「軸線CL」とも呼ぶ)と、点火プラグ100の中心軸CLを含む平らな断面と、が示されている。以下、中心軸CLに平行な方向を「軸線CLの方向」、または、単に「軸線方向」または「前後方向」とも呼ぶ。軸線CLに垂直な方向を、「径方向」とも呼ぶ。中心軸CLに平行な方向のうち、図1における下方向を先端方向Df、または、前方向Dfと呼び、上方向を後端方向Dfr、または、後方向Dfrとも呼ぶ。先端方向Dfは、後述する端子金具40から中心電極20に向かう方向である。また、図1における先端方向Df側を点火プラグ100の先端側と呼び、図1における後端方向Dfr側を点火プラグ100の後端側と呼ぶ。
点火プラグ100は、軸線CLに沿って延びる貫通孔12(軸孔12とも呼ぶ)を有する筒状の絶縁体10と、貫通孔12の先端側で保持される中心電極20と、貫通孔12の後端側で保持される端子金具40と、貫通孔12内で中心電極20と端子金具40との間に配置された抵抗体73と、中心電極20と抵抗体73とに接触してこれらの部材20、73を電気的に接続する導電性の第1シール部72と、抵抗体73と端子金具40とに接触してこれらの部材73、40を電気的に接続する導電性の第2シール部74と、絶縁体10の外周側に固定された筒状の主体金具50と、一端が主体金具50の先端面55に接合されるとともに他端が中心電極20とギャップgを介して対向するように配置された接地電極30と、を有している。
絶縁体10の軸線方向の略中央には、外径が最も大きな大径部14が形成されている。大径部14より後端側には、後端側胴部13が形成されている。大径部14よりも先端側には、後端側胴部13よりも外径の小さな先端側胴部15が形成されている。先端側胴部15よりもさらに先端側には、縮外径部16と、脚部19とが、先端側に向かってこの順に形成されている。縮外径部16の外径は、前方向Dfに向かって、徐々に小さくなっている。縮外径部16の近傍(図1の例では、先端側胴部15)には、前方向Dfに向かって内径が徐々に小さくなる縮内径部11が形成されている。絶縁体10は、機械的強度と、熱的強度と、電気的強度とを考慮して形成されることが好ましく、例えば、アルミナを焼成して形成されている(他の絶縁材料も採用可能である)。
中心電極20は、絶縁体10の貫通孔12内の前方向Df側の端部に配置されている。中心電極20は、頭部24と、頭部24の前方向Df側に形成された軸部27と、軸部27の先端に接合(例えば、レーザ溶接)された第1チップ29と、を有している。頭部24の外径は、絶縁体10の縮内径部11よりも前方向Df側の部分の内径よりも大きい。頭部24の前方向Df側の面は、絶縁体10の縮内径部11によって、支持されている。軸部27は、軸線CLに平行に前方向Dfに向かって延びている。軸部27は、外層21と、外層21の内周側に配置された芯部22と、を有している。外層21は、例えば、ニッケルを主成分として含む合金で形成されている。ここで、主成分は、含有率(重量パーセント(wt%))が最も高い成分を意味している。芯部22は、外層21よりも熱伝導率が高い材料(例えば、銅を主成分として含む合金)で形成されている。第1チップ29は、軸部27よりも放電に対する耐久性に優れる材料(例えば、イリジウム(Ir)、白金(Pt)等の貴金属、タングステン(W)、それらの金属から選択された少なくとも1種を含む合金)を用いて形成されている。中心電極20のうち第1チップ29を含む先端側の一部分は、絶縁体10の軸孔12から前方向Df側に露出している。なお、芯部22と第1チップ29との少なくとも一方は、省略されてもよい。
絶縁体10の貫通孔12の後端側には、端子金具40の前方向Df側の一部が挿入されている。端子金具40は、軸線CLに平行に延びる棒状の部材である。端子金具40は、導電性材料を用いて形成されている(例えば、鉄を主成分として含む金属)。端子金具40は、前方向Dfに向かって順番で並ぶ、キャップ装着部49と、鍔部48と、軸部41と、を有している。キャップ装着部49は、絶縁体10の後端側で、軸孔12の外に露出している。キャップ装着部49には、高圧ケーブル(図示せず)に接続されたプラグキャップが装着され、火花放電を発生するための高電圧が印加される。キャップ装着部49は、高圧ケーブルが接続される部分である端子部の例である。軸部41は、絶縁体10の軸孔12の後方向Dfr側の部分に挿入されている。鍔部48の前方向Df側の面は、絶縁体10の後方向Dfr側の端である後端10eに接している。
絶縁体10の軸孔12内において、端子金具40と中心電極20との間には、電気的なノイズを抑制するための抵抗体73が配置されている。抵抗体73は、導電性材料(例えば、ガラスと炭素粒子とセラミック粒子との混合物)を用いて形成されている。抵抗体73と中心電極20との間には、第1シール部72が配置され、抵抗体73と端子金具40との間には、第2シール部74が配置されている。これらのシール部72、74は、導電性材料(例えば、金属粒子と抵抗体73の材料に含まれるものと同じガラスとの混合物)を用いて形成されている。中心電極20は、第1シール部72、抵抗体73、第2シール部74によって、端子金具40に電気的に接続されている。以下、絶縁体10の軸孔12内で端子金具40と中心電極20とを電気的に接続する部材72、73、74の全体を、接続部300とも呼ぶ。
主体金具50は、軸線CLに沿って延びる貫通孔59を有する筒状の部材である。主体金具50の貫通孔59には、絶縁体10が挿入され、主体金具50は、絶縁体10の外周に固定されている。主体金具50は、導電材料(例えば、主成分である鉄を含む炭素鋼等の金属)を用いて形成されている。絶縁体10の前方向Df側の一部は、貫通孔59の外に露出している。また、絶縁体10の後方向Dfr側の一部は、貫通孔59の外に露出している。
主体金具50は、工具係合部51と、胴部52と、を有している。工具係合部51は、点火プラグ用のレンチ(図示せず)が嵌合する部分である。胴部52は、主体金具50の先端面55を含む部分である。胴部52の外周面には、内燃機関(例えば、ガソリンエンジン)の取付孔に螺合するためのネジ部57が形成されている。ネジ部57は、雄ねじであり、螺旋状のネジ山を有している(図示省略)。
主体金具50の工具係合部51と胴部52との間の外周面には、径方向外側に突き出たフランジ状の鍔部54が形成されている。胴部52のネジ部57と鍔部54との間には、環状のガスケット90が配置されている。ガスケット90は、例えば金属の板状部材を折り曲げることによって形成されており、点火プラグ100がエンジンに取り付けられた際に押し潰されて変形する。このガスケット90の変形によって、点火プラグ100と(具体的には、鍔部54の前方向Df側の面)、エンジンと、の隙間が封止され、燃焼ガスの漏出が抑制される。鍔部54の前方向Df側の面54sは、ガスケット90に接触してガスケット90を前方向Dfへ押圧する座面を形成する(以下、座面54sとも呼ぶ)。座面54sは、径方向の外側に向かって突出している。そして、ネジ部57は、座面54sよりも前方向Df側に設けられている。なお、ガスケット90が省略されてもよい。この場合、座面54sは、直接に、エンジンの点火プラグ100用の取付孔を形成する部分(例えば、エンジンヘッド)に接触してよい。これにより、点火プラグ100とエンジンとの間が封止される。いずれの場合も、主体金具50の座面54sとしては、主体金具50の外面のうちの径方向の外側に向かって突出するとともに前方向Df側を向いた面のうち、主体金具50とエンジンとの間に挟まれる部材(例えば、ガスケット90)に接触し得る部分、または、エンジンの取付孔を形成する部分(例えば、取付孔の縁)に直接的に接触し得る部分、を採用可能である。このような座面54sは、ガスケット90などの部材、または、エンジンに、接触することによって、点火プラグ100とエンジンとの間を封止することができる。
主体金具50の胴部52には、先端側に向かって内径が徐々に小さくなる縮内径部56が形成されている。主体金具50の縮内径部56と、絶縁体10の縮外径部16と、の間には、先端側パッキン8が挟まれている。本実施形態では、先端側パッキン8は、例えば、鉄製の板状リングである(他の材料(例えば、銅等の金属材料)も採用可能である)。
主体金具50の工具係合部51より後端側には、薄肉のカシメ部53が形成されている。また、鍔部54と工具係合部51との間には、薄肉の座屈部58が形成されている。主体金具50の工具係合部51からカシメ部53にかけての内周面と、絶縁体10の後端側胴部13の外周面との間には、円環状のリング部材61,62が挿入されている。さらにこれらのリング部材61,62の間には、タルク70の粉末が充填されている。点火プラグ100の製造工程において、カシメ部53が内側に折り曲げられて加締められると、座屈部58が圧縮力の付加に伴って外向きに変形(座屈)し、この結果、主体金具50と絶縁体10とが固定される。タルク70は、この加締め工程の際に圧縮され、主体金具50と絶縁体10との間の気密性が高められる。また、パッキン8は、絶縁体10の縮外径部16と主体金具50の縮内径部56との間で押圧され、そして、主体金具50と絶縁体10との間をシールする。
接地電極30は、棒状の本体部37と、本体部37の先端部34に取り付けられた第2チップ39と、を有している。本体部37の一端部33(基端部33とも呼ぶ)は、主体金具50の先端面55に接合されている(例えば、抵抗溶接)。本体部37は、主体金具50に接合された基端部33から先端方向Dfに向かって延び、中心軸CLに向かって曲がって、先端部34に至る。第2チップ39は、先端部34の後方向Dfr側の部分に固定されている(例えば、レーザ溶接)。接地電極30の第2チップ39と、電極20の第1チップ29とは、ギャップgを形成している。すなわち、接地電極30の第2チップ39は、中心電極20の第1チップ29の前方向Df側に配置されており、第1チップ29とギャップgを介して対向している。第2チップ39は、本体部37よりも放電に対する耐久性に優れる材料(例えば、イリジウム(Ir)、白金(Pt)等の貴金属、タングステン(W)、それらの金属から選択された少なくとも1種を含む合金)を用いて形成されている。
本体部37は、外層31と、外層31の内周側に配置された内層32と、を有している。外層31は、内層32よりも耐酸化性に優れる材料(例えば、ニッケルを含む合金)で形成されている。内層32は、外層31よりも熱伝導率が高い材料(例えば、純銅、銅合金、等)で形成されている。なお、内層32と第2チップ39との少なくとも一方は、省略されてもよい。
図1には、先端部長Lが示されている。先端部長Lは、座面54sの先端部から、主体金具50の先端までの、軸線CLに平行な方向の距離である。座面54sの先端部は、座面54sのうちの最も前方向Df側の部分である。通常は、この先端部長Lが長いほど、ネジ部57は長い。
図1の左部には、主体金具50の座屈部58を含む部分の拡大図が示されている。拡大図中には、厚さTが示されている。厚さTは、座屈部58のうちの最も外径の大きい部分58wの、軸線CLに垂直な方向の厚さである。主体金具50の径方向の厚さは、主体金具50の部分に応じて異なる。例えば、胴部52の厚さは、座屈部58の厚さよりも、厚い。ただし、通常は、座屈部58の厚さTが厚い場合には、主体金具50の他の部分(例えば、胴部52)の厚さも厚い。従って、座屈部58の厚さTは、主体金具50(例えば、胴部52)の厚さを表す指標値として利用可能である。
A−2.主体金具50の製造方法:
主体金具50の製造方法としては、種々の方法を採用可能である。例えば、以下の方法によって、主体金具50を製造してよい。まず、円柱状の金属製の部材を準備する。そして、冷間鍛造によって、円柱状の部材の形状を、大まかに成形する。そして、成形済の部材に貫通孔59に相当する孔を開けて、円筒状の部材を生成する。次に、切削加工によって、円筒状の部材の各部分の外径と内径とを、主体金具50の対応する部分の外径と内径とに、調整する。外径と内径とが調整された部材の胴部52に、ダイスを用いるネジ切り加工によって、ネジ部57を形成する。これにより、主体金具50が完成する。
図2は、主体金具50(図1)のネジ部57を形成するネジ切り加工の説明図である。図中には、前方向Dfを向いて見た加工中の主体金具50xと、主体金具50xにネジ部57を形成する3個のネジ切りダイス310〜330と、が示されている。主体金具50xは、主体金具50(図1)が完成する前の段階の部材であり、軸線CLに沿って延びる円筒状の部材である。ダイス310〜330は、主体金具50xの軸線CLに平行に延びる略円柱状の工具である。図2の例では、主体金具50xの外周面に、周方向に沿っておおよそ等間隔に並ぶ3個のダイス310〜330が、接触している。各ダイス310〜330の外周面310s〜330sには、予め、ネジ部57(すなわち、雄ねじ)の形状を反転させた形状の部分が設けられている。3個のダイス310〜330によって主体金具50xを挟んだ状態で、3個のダイス310〜330を、それぞれの回転軸310c〜330cを中心に回転させる。これにより、主体金具50xの外周面に、ネジ部57が形成される(ネジ部57のこのような形成方法は、転造とも呼ばれる)。
ネジ切り加工の前の切削加工において、切削加工によって生じる切り屑が切削工具に付着し、付着した切り屑が切削工具と新たな主体金具50xとの間に挟まり、生産性が低下する場合がある。また、ネジ切り加工によって、主体金具50x(例えば、ネジ部57が形成される胴部52)が割れる場合がある。このように同じ工具を用いて複数の主体金具50xを1つずつ加工する場合に、生産性が低下する場合がある。以下に説明する評価試験では、不具合を抑制可能な主体金具50の材料について、検討した。
B.評価試験:
B−1.第1評価試験:
第1評価試験では、互いに材料が異なる主体金具50xの複数種類のサンプルを用いて、切削加工とネジ切り加工を行った。そして、同じ切削工具を用いて複数の主体金具50xを一つずつ加工し、切り屑に起因する不具合が発生したか否かを確認した。またネジ切り加工後のサンプルを目視で観察することによって、主体金具50xが割れたか否かを確認した。
図3の第1表T1は、サンプルの材料と評価結果とを表している。主体金具50xのサンプルの材料は、炭素鋼であり、主成分である鉄と、炭素Cと、マンガンMnと、硫黄Sと、を含んでいる。第1表T1は、サンプルの種類の番号と、主体金具50xの材料に含まれる炭素CとマンガンMnと硫黄Sとのそれぞれの含有率(単位は、wt%)と、硫黄Sの含有率(wt%)に対するマンガンMnの含有率(wt%)の比(Mn/S)と、割れの評価結果と、生産性の評価結果と、総合評価結果と、を示している。なお、本評価試験では、ダイス310〜330は、主体金具50xを加工する通常の回転速度よりも速い回転速度で、回転した。このように、不具合が生じやすい条件下で、ネジ切り加工が行われた。
第1表T1(図3)に示すように、本評価試験では、A1番からA25番の25種類のサンプルが、評価された。これらのサンプルの間では、炭素Cの含有率とマンガンMnの含有率と硫黄Sの含有率とのうちの少なくとも1つが互いに異なっている。炭素Cの含有率とマンガンMnの含有率とは、原料への炭素CとマンガンMnとそれぞれの添加量を調整することによって、調整された。硫黄Sの含有率は、原料に不純物として含まれる硫黄Sの除去の程度を調整することによって、調整された。これらの含有率以外の構成は、複数種類のサンプルの間で共通であった。例えば、主体金具50のネジ部57の呼び径は、M12であり、先端部長Lは、28mmであった。なお、A3番のサンプルの材料は、一般的な炭素鋼の例である。
各種サンプルの評価結果は、同じ材料で形成された10個のサンプルに切削加工とネジ切り加工を行った結果を示している。割れの評価結果に関しては、A評価は、10個の全てのサンプルが割れなかったことを示し、B評価は、少なくとも1個のサンプルが割れたことを示している。生産性の評価結果は、10個の同じ種類のサンプルを1つずつ加工する場合の評価結果を示している。A評価は、切り屑に起因する不具合が生じなかったことを示している。B評価は、少なくとも1個のサンプルの切削加工において、切削工具に切り屑が付着することにより正常な加工が行えない等の切り屑に起因した不具合が生じたことを示している。切り屑に起因する不具合が生じた場合、切り屑を取り除いて、試験を継続した。総合評価結果に関しては、A評価は、割れの評価結果と生産性の評価結果との両方がA評価であることを示し、B評価は、割れの評価結果と生産性の評価結果との少なくとも一方がB評価であることを示している。
第1表T1(図3)に示すように、A1、A2番に関しては、炭素Cの含有率は、0.18wt%であり、他のサンプルの炭素Cの含有率と比べて少なかった。そして、A1、A2番の完成した主体金具50は、柔らかく、実用的な硬さを有していなかった。A3番からA23番のサンプルに関しては、炭素Cの含有率は、0.20wt%以上、0.30wt%以下の範囲内であり、完成した主体金具50は、実用的な硬さを有していた。A24、A25番に関しては、炭素Cの含有率は、0.35wt%であり、他のサンプルの炭素Cの含有率と比べて多かった。そして、A24、A25番のサンプルは、硬すぎて、割れの評価結果がB評価であった。以上により、炭素Cの含有率は、0.20wt%以上、0.30wt%以下であることが好ましい。
炭素Cの含有率が上記の好ましい範囲内であるA3番からA23番のサンプルのうち、A評価の総合評価結果を実現したサンプルは、A7、A8、A10、A11、A13、A19、A22、A23番のサンプルであった。これらのサンプルの、マンガンMnの含有率と、硫黄Sの含有率と、含有率比(Mn(wt%)/S(wt%))との分布範囲は、以下の通りであった。
0.30wt% ≦ マンガンMnの含有率 ≦0.45Wt%
0.005wt%≦ 硫黄Sの含有率 ≦0.009wt%
40 ≦ 含有率比(Mn/S) ≦65
マンガンMnの含有率が0.30wt%未満であるA5、A17、A20番のサンプルの割れの評価結果は、B評価であった。この理由は、マンガンMnの低い含有率に起因して主体金具50xが脆くなったからだと推定される。一方、マンガンMnの含有率が0.45wt%を超えたA3、A14、A21番のサンプルの割れの評価結果は、B評価であった。この理由は、マンガンMnの高い含有率に起因して主体金具50xが過度に硬くなり、この結果、主体金具50xが割れやすくなったからだと推定される。
硫黄Sの含有率が0.005wt%未満であるA9、A12番の生産性の評価結果は、B評価であった。この理由は、硫黄Sの低い含有率に起因して主体金具50xが柔らかくなり、この結果、柔らかい切り屑が切削工具に付着し易くなったからだと推定される。一方、硫黄Sの含有率が0.009wt%を超えたA3〜A6、A14〜A17番の割れの評価結果は、B評価であった。これらのうち、マンガンMnの含有率がA評価の総合評価結果を実現した上記のサンプルのマンガンMnの含有率の分布範囲(0.30wt%以上、0.45Wt%以下)内であるA4、A6、A15、A16の評価結果がB評価である理由は、硫黄Sの高い含有率に起因して主体金具50xが脆くなり、主体金具が割れてしまうためだと推定される。
含有率比が40未満であるA3、A5、A6、A15〜A18、A20番の割れの評価結果は、B評価であった。この理由は、含有率比が小さい場合には、マンガンMnの含有率に対する硫黄Sの含有率の割合が高いので、主体金具50xが脆くなったからだと推定される。一方、含有率比が65を超えたA12、A21番に関しては、A12番の生産性の評価結果がB評価であり、A21番の割れの評価結果がB評価であった。硫黄Sの含有率に対するマンガンMnの含有率の割合が高い場合、主体金具50xが硬くなり、この結果、主体金具50xが割れやすくなり得ると推定される。また、マンガンMnの含有率に対する硫黄Sの含有率の割合が小さい場合、主体金具50xが柔らかくなり、この結果、柔らかい切り屑が切削工具に付着し易くなり得ると推定される。
以上により、主体金具50の材料(ひいては、主体金具50)は、以下の条件1〜5を満たすことが好ましい。
(条件1)主成分である鉄Feを含む
(条件2)0.20wt%以上、0.30wt%以下の炭素Cを含む
(条件3)0.30wt%以上、0.45wt%以下のマンガンMnを含む
(条件4)0.005wt%以上、0.009wt%以下の硫黄Sを含む
(条件5)含有率比(Mn/S)が、40以上、65以下
硫黄Sの含有率の上記の好ましい範囲は、A3番の材料のような一般的な炭素鋼の硫黄Sの含有率(例えば、0.01wt%以上)と比べて、低い。通常は、このように硫黄Sの含有率が低い場合、材料が柔らかくなるので、切り屑が工具に付着し易い。上記の好ましい条件1〜5では、硫黄Sの含有率とマンガンMnの含有率とのバランスを調整することによって、切り屑に起因する不具合と、主体金具50xの割れと、の両方を抑制している。
なお、上記の4つのパラメータ(炭素Cの含有率、マンガンMnの含有率、硫黄Sの含有率、含有率比(Mn/S))のそれぞれの好ましい範囲(具体的には、下限以上、上限以下の範囲)の上限と下限としては、第1表T1に示す良好な総合評価結果を実現したA7、A8、A10、A11、A13、A19、A22、A23番の対応するパラメータの値から任意に選択された値を採用可能である。例えば、良好な総合評価結果を実現したサンプルのマンガンMnの含有率は、0.30、0.31、0.32、0.33、0.37、0.39、0.45であった。マンガンMnの含有率の好ましい範囲の上限と下限とを、これらの値から任意に選択してよい。また、良好な総合評価結果を実現したサンプルの硫黄Sの含有率は、0.005、0.006、0.007、0.008、0.009であった。硫黄Sの含有率の好ましい範囲の上限と下限とを、これらの値から任意に選択してもよい。また、良好な総合評価結果を実現したサンプルの含有率比(Mn/S)は、40.0、42.9、44.3、46.3、50.0、55.0、64.0、65.0であった。含有率比(Mn/S)の好ましい範囲の上限と下限とを、これらの値から任意に選択してもよい。
また、主体金具50の成分の上記の好ましい条件は、主体金具の形状や大きさに拘わらずに、割れの良好な評価結果と生産性の良好な評価結果とを実現できると推定される。従って、種々の形状と大きさの主体金具に、上記の好ましい条件を適用可能である。例えば、ネジ部57の呼び径は、M12以外の種々の径であってよい。また、先端部長Lは、28mm以外の種々の値であってよい。
B−2.第2評価試験:
第2評価試験では、互いに先端部長L(図1)が異なる主体金具50xの複数種類のサンプルを用いて、図2のネジ切り加工を行った。そして、加工後のサンプルを目視で観察することによって、主体金具50xが割れたか否かを確認した。図4(A)、図4(B)の表T2、T3は、サンプルの番号と、先端部長Lと、第1試験の評価結果と、第2試験の評価結果と、を示している。図4(A)の第2表T2は、一般的な炭素鋼の例としてA3番(図3)の材料を用いる場合を示している。図4(B)の第3表T3は、図3で説明した好ましい条件1〜5を満たす材料の例としてA22番の材料を用いる場合を示している。先端部長Lとしては、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42の10種類が試験された。第1試験では、ダイス310〜330は、主体金具50xを加工する通常の回転速度よりも速い回転速度で、回転した。第2試験では、ダイス310〜330は、通常の回転速度で、回転した。このように、第1試験は、第2試験と比べて、不具合が生じやすい条件下で、行われた。なお、第2表T2のサンプルB1〜B10と第3表T3のサンプルC1〜C10との間では、材料以外の構成は、共通であった。例えば、ネジ部57の呼び径は、M12であった。
第1試験と第2試験とのそれぞれの評価結果は、同じ構成の10個のサンプルにネジ切り加工を行った結果を示している。A評価は、10個の全てのサンプルに、「割れ」も「皺」も生じなかったことを示している。ここで「皺」は、材料が引っ張られた跡である。ダイス310〜330によって主体金具50xの外周面が引っ張られることによって、皺が生じ得る。なお、皺は、割れではないので、皺が生じたとしても、実用上は問題ではない。B評価は、10個の全てのサンプルに「割れ」が生じず、かつ、1個以上のサンプルに「皺」が生じたことを示している。C評価は、1個以上のサンプルに「割れ」が生じたことを示している。
第2表T2(図4(A))に示すように、A3番の材料(一般的な炭素鋼の例)を用いる場合、第1試験の評価結果は、L=24mmの場合にA評価であり、L=26mmの場合にB評価であり、L≧28mmの場合にC評価であった。第2試験の評価結果は、L≦32mmの場合にA評価であり、L=34mmの場合にB評価であり、L≧36mmの場合にC評価であった。このように、先端部長Lが長いほど、評価結果が低かった。この理由は、以下のように推定される。先端部長Lが長いほど、主体金具50xとダイス310〜330との接触面積が広くなるため、転造条件を厳しく設定する必要がある。その結果、ダイス310〜330から主体金具50x全体に印加される力が大きくなる。この結果、主体金具50xに、割れや皺が生じ易い。
第3表T3(図4(B))に示すように、A22番の材料を用いる場合、第1試験の評価結果は、L≦34mmの場合にA評価であり、36mm≦L≦40mmの場合にB評価であり、L=42mmの場合にC評価であった。第2試験の評価結果は、L≦38mmの場合にA評価であり、L=40mmの場合にB評価であり、L=42mmの場合にC評価であった。
このように、好ましい材料(A22番)を用いる場合には、一般的な材料(A3番)を用いる場合と比べて、良好な評価結果を実現する先端部長Lが、大幅に長くなった。具体的には、以下の通りである。第1試験の評価結果に関しては、26mm≦L≦40mmの範囲の全ての先端部長Lに関して、A22番の材料の評価結果は、A3番の材料の評価結果よりも、良好であった。例えば、第3表T3(図4(B))のC5番(L=32mm)の評価結果は、A評価であり、第2表T2(図4(A))のB5番(L=32mm)のC評価よりも、良好であった。他の先端部長Lについても、同様である。
図3で説明したように、A22番の材料に限らず、材料が上記の好ましい条件1〜5を満たす場合、割れの評価結果と生産性の評価結果との両方が良好であった。従って、A22番の材料に限らず、条件1〜5を満たす種々の材料を用いることによって、26mm以上40mm以下の先端部長Lの範囲内において、一般的な炭素鋼を用いる場合と比べて、ネジ切り加工での不具合(例えば、割れや皺)を抑制できる、と推定される。
また、第2試験の評価結果に関しては、34mm≦L≦40mmの範囲の全ての先端部長Lに関して、A22番の材料の評価結果は、A3番の材料の評価結果よりも、良好であった。例えば、第3表T3(図4(B))のC7番(L=36mm)の評価結果は、A評価であり、第2表T2(図4(A))のB7番(L=36mm)のC評価よりも、良好であった。他の先端部長Lについても、同様である。
図3で説明したように、A22番の材料に限らず、材料が上記の好ましい条件1〜5を満たす場合、割れの評価結果と生産性の評価結果との両方が良好であった。従って、A22番の材料に限らず、条件1〜5を満たす種々の材料を用いることによって、不具合が生じやすい条件下でネジ切り加工が行われる場合であっても、34mm以上40mm以下の先端部長Lの範囲内において、一般的な炭素鋼を用いる場合と比べて、ネジ切り加工での不具合(例えば、割れや皺)を抑制できる、と推定される。
なお、主体金具の形状と大きさとがサンプルの形状と大きさと異なる場合にも(例えば、ネジ部57の呼び径がM12とは異なる場合にも)、条件1〜5を満たす材料を用いることによって、不具合を抑制できると推定される。また、先端部長Lが26mm未満である場合、または、先端部長Lが40mmを超える場合に、上記の好ましい条件1〜5を満たす材料を用いてもよい。
B−3.第3評価試験:
第3評価試験では、主体金具50のネジ部57の呼び径(ネジ径とも呼ぶ)が互いに異なる主体金具50xの複数種類のサンプルを用いて、図2のネジ切り加工を行った。そして、加工後のサンプルを目視で観察することによって、主体金具50xが割れたか否かを確認した。図5(A)、図5(B)の表T4、T5は、サンプルの番号と、ネジ径と、厚さT(図1)と、割れ発生率と、評価結果と、を示している。図5(A)の第4表T4は、一般的な炭素鋼の例としてA3番(図3)の材料を用いる場合を示している。図5(B)の第5表T5は、図3で説明した好ましい条件1〜5を満たす材料の例としてA22番の材料を用いる場合を示している。ネジ径としては、8、10、12、14(mm)の4種類が試験された。厚さTは、ネジ径が大きいほど、厚かった。本評価試験では、ダイス310〜330は、主体金具50xを加工する通常の回転速度よりも速い回転速度で、回転した。そして、100個のサンプルにネジ切り加工を行った。割れ発生率は、100個のサンプルのうちの割れが発生したサンプルの数の割合(%)を示している。評価結果に関しては、A評価は、割れ発生率がゼロ%であることを示し、B評価は、割れ発生率がゼロ%よりも大きかったことを示している。なお、第4表T4のサンプルD1〜D4と第5表T5のサンプルE1〜E4との間では、材料以外の構成は、共通であった。例えば、先端部長Lは、28mmであった。
第4表T4(図5(A))に示すように、A3番の材料(一般的な炭素鋼の例)を用いる場合、評価結果は、ネジ径=14mmの場合にA評価であり、ネジ径≦12mmの場合にB評価であった。このように、ネジ径が小さい場合に主体金具50xが割れやすい理由は、ネジ径が小さい場合には、主体金具50の肉厚(例えば、座屈部58の厚さT)が薄くなるので、主体金具50xの耐久性が低下するからである。
第5表T5(図5(B))に示すように、A22番の材料を用いる場合、評価結果は、全てのネジ径で、A評価であった。このように、好ましい材料(A22番)を用いる場合には、一般的な材料(A3番)を用いる場合と比べて、良好な評価結果を実現するネジ径が、大幅に細くなった。具体的には、以下の通りである。12mm(M12)、10mm(M10)、8mm(M8)のネジ径に関して、A22番の材料の評価結果は、A3番の材料の評価結果よりも、良好であった。例えば、第5表T5(図5(B))のE1番(M8)の評価結果は、A評価であり、第4表T4(図5(A))のD1番(M8)のB評価よりも、良好であった。他のネジ径についても、同様である。
図3で説明したように、A22番の材料に限らず、材料が上記の好ましい条件1〜5を満たす場合、割れの評価結果と生産性の評価結果との両方が良好であった。従って、A22番の材料に限らず、条件1〜5を満たす種々の材料を用いることによって、不具合が生じやすい条件下でネジ切り加工が行われる場合であっても、M12、M10、M8のいずれのネジ径に関しても、一般的な炭素鋼を用いる場合と比べて、ネジ切り加工での不具合(例えば、割れ)を抑制できる、と推定される。
なお、主体金具の形状と大きさとがサンプルの形状と大きさと異なる場合にも(例えば、先端部長Lが28mmとは異なる場合にも)、条件1〜5を満たす材料を用いることによって、不具合を抑制できると推定される。また、ネジ部57のネジ径がM12、M10、M8のいずれとも異なる場合に(例えば、ネジ径がM12よりも大きい場合、または、ネジ径がM8よりも小さい場合)、上記の好ましい条件1〜5を満たす材料を用いてもよい。
C.変形例
(1)上記の好ましい条件1〜5を満たす主体金具50の材料としては、図3に示すサンプルの材料に限らず、条件1〜5を満たす他の任意の材料を採用可能と推定される。図3で説明したように、条件1〜5で示される範囲は、割れの評価結果と生産性の評価結果との両方が良好であったサンプルのパラメータ(具体的には、炭素Cの含有率、マンガンMnの含有率、硫黄Sの含有率、が含有率比(Mn/S))の分布範囲である。従って、それらのパラメータが、上記の好ましい条件1〜5で示される範囲内である場合には、割れの評価結果と生産性の評価結果とは、大幅には変化せずに、良好であると推定される。いずれの場合も、主体金具が条件1〜5を満たす場合には、主体金具の材料も条件1〜5を満たすので、主体金具の強度低下と生産性低下とを抑制できる。
(2)主体金具50の製造方法としては、上述した製造方法に代えて、他の任意の方法を採用可能である。例えば、外径と内径とを切削加工によって整える前の部材を、鋳造で製造してもよい。いずれの場合も、主体金具50の製造において、切削加工が行われる場合には、切り屑による不具合が生じ得る。ここで、上記の好ましい条件1〜5を満たす材料を用いることによって、主体金具50xの割れを抑制しつつ、切り屑に起因する不具合を抑制できる。
(3)点火プラグの構成は、図1で説明した構成に代えて、他の種々の構成であってよい。例えば、中心電極の側面(軸線CLに垂直な方向側の面)と、接地電極とが、放電用のギャップを形成してもよい。放電用のギャップの総数が2以上であってもよい。抵抗体73が省略されてもよい。絶縁体10の貫通孔12内の中心電極20と端子金具40との間に、磁性体が配置されてもよい。中心電極20の全体が、絶縁体10の貫通孔12内に配置されてもよい。端子金具40の全体が、絶縁体10の貫通孔12内に配置されてもよい。
以上、実施形態、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。
8...先端側パッキン、10...絶縁体、10e...後端、11...縮内径部、12...軸孔(貫通孔)、13...後端側胴部、14...大径部、15...先端側胴部、16...縮外径部、19...脚部、20...中心電極、21...外層、22...芯部、24...頭部、27...軸部、29...第1チップ、30...接地電極、31...外層、32...内層、33...一端部、33...基端部、34...先端部、37...本体部、39...第2チップ、40...端子金具、41...軸部、48...鍔部、49...キャップ装着部、50、50x...主体金具、51...工具係合部、52...胴部、53...カシメ部、54...鍔部、54s...座面、55...先端面、56...縮内径部、57...ネジ部、58...座屈部、59...貫通孔、61...リング部材、70...タルク、72...第1シール部、73...抵抗体、74...第2シール部、90...ガスケット、100...点火プラグ、300...接続部、310〜330...ダイス、310c〜330c...回転軸、310s〜330s...外周面、g...ギャップ、L...先端部長、CL...中心軸(軸線)、Df...先端方向(前方向)、Dfr...後端方向(後方向)

Claims (4)

  1. 軸線の方向に延びる筒状の主体金具を備える点火プラグであって、
    前記主体金具は、
    主成分である鉄と、
    0.20wt%以上、0.30wt%以下の炭素と、
    0.30wt%以上、0.45wt%以下のマンガンと、
    0.005wt%以上、0.009wt%以下の硫黄と、
    を含み、
    硫黄の含有率(wt%)に対するマンガンの含有率(wt%)の比であるMn/Sが、40以上、65以下である、
    点火プラグ。
  2. 請求項1に記載の点火プラグであって、
    前記主体金具は、自身の外周面に、
    径方向外側に突出する座面と、
    前記座面よりも前記軸線の方向における先端側に設けられたネジ部と、
    を有し、
    前記座面の先端部から前記主体金具の先端までの前記軸線の方向の距離は、26mm以上、40mm以下である、
    点火プラグ。
  3. 請求項2に記載の点火プラグであって、
    前記距離は、34mm以上、40mm以下である、
    点火プラグ。
  4. 請求項2または3のいずれかに記載の点火プラグであって、
    前記ネジ部の呼び径は、M12、M10、M8のいずれかである、
    点火プラグ。
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