JP4889768B2 - スパークプラグとその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、スパークプラグとその製造方法に関するものである。
従来より、内燃機関には、スパークプラグが設けられている。スパークプラグとしては、屈曲した接地電極と、中心電極との間の間隙(火花ギャップ)で火花放電を行うものが知られている。また、接地電極の端部に貴金属チップを設ける技術も知られている。このようなスパークプラグの製造方法としては、柱状の接地電極の端部に貴金属チップを溶接し、次に、接地電極の曲げ加工を行い、曲げられた接地電極をハウジングに接合する方法が知られている。
特開2003−229231号公報 特許第3273215号公報
ところで、スパークプラグの製造では、火花ギャップの製造精度(例えば、距離の精度)を高めることが好ましい。しかし、屈曲した接地電極と、接地電極の端部に設けられたチップと、を有するスパークプラグを、精度よく製造することに関しては、十分な工夫がなされていないのが実情であった。
本発明は、上記の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、スパークプラグを精度よく製造することができる技術を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
本発明の第1の形態は、軸線方向に延びる中心電極と、軸孔を有し前記中心電極が前記軸孔に設けられる絶縁体と、前記絶縁体を保持する筒状の主体金具と、前記主体金具の先端部に一端部が接続される接地電極と、前記接地電極の他端部に接続されて前記中心電極との間で火花ギャップを形成する電極チップと、を備えるスパークプラグの製造方法であって、前記主体金具に前記一端部が接続された状態の前記接地電極を、前記接地電極の前記他端部が前記中心電極に近づくように、屈曲させる屈曲工程と、前記屈曲工程の後に、前記電極チップの一部分が前記接地電極の前記他端部から前記中心電極の側面に向かって突出するように、前記電極チップを、前記他端部の内側の側面に溶接する溶接工程と、前記火花ギャップを調整するギャップ調整工程と、を備え、前記ギャップ調整工程は、前記溶接工程と同時に行われ、前記ギャップ調整工程では、前記電極チップと前記中心電極との間に、所定サイズのスペーサを配置し、前記電極チップと前記中心電極とを前記スペーサに接触させることで前記火花ギャップの調整を行い、前記スペーサは、前記軸線方向と前記電極チップの突出する方向とのいずれとも垂直な方向である制限方向への前記電極チップの移動を、前記電極チップとの接触によって制限する第1制限部と、前記制限方向への前記スペーサの移動を、前記中心電極との接触によって制限する第2制限部とを、有する、スパークプラグの製造方法である。
この方法によれば、接地電極の屈曲の後で、電極チップが接地電極に溶接されるので、中心電極に対する電極チップの位置の調整が容易である。その結果、スパークプラグを精度よく製造することができる。
[適用例1]軸線方向に延びる中心電極と、軸孔を有し前記中心電極が前記軸孔に設けられる絶縁体と、前記絶縁体を保持する筒状の主体金具と、前記主体金具の先端部に一端部が接続される接地電極と、前記接地電極の他端部に接続されて前記中心電極との間で火花ギャップを形成する電極チップと、を備えるスパークプラグの製造方法であって、前記中心電極が前記軸孔に設けられた前記絶縁体を保持する前記主体金具に、前記一端部が接続された状態の前記接地電極を、前記接地電極の前記他端部が前記中心電極に近づくように、屈曲させる屈曲工程と、前記屈曲工程の後に、前記電極チップの一部分が前記接地電極の前記他端部から前記中心電極の側面に向かって突出するように、前記電極チップを、前記他端部の内側の側面に溶接する溶接工程と、を備える、スパークプラグの製造方法。
この方法によれば、接地電極の屈曲の後で、電極チップが接地電極に溶接されるので、中心電極に対する電極チップの位置の調整が容易である。その結果、スパークプラグを精度よく製造することができる。
[適用例2]適用例1に記載の製造方法であって、さらに、前記火花ギャップを調整するギャップ調整工程を含む、製造方法。この方法によれば、中心電極と電極チップとの間の火花ギャップが調整されるので、スパークプラグを精度よく製造することができる。
[適用例3]適用例2に記載の製造方法であって、前記ギャップ調整工程は、前記溶接工程と同時に行われる、製造方法。この方法によれば、ギャップ調整の直後に電極チップが接地電極に固定されるので、スパークプラグを精度よく製造することができる。
[適用例4]適用例2または適用例3に記載の製造方法であって、前記ギャップ調整工程では、前記電極チップと前記中心電極との間に、所定サイズのスペーサを配置し、前記電極チップと前記中心電極とを前記スペーサに接触させることで前記火花ギャップの調整を行う、製造方法。この方法によれば、ギャップの距離を適切に調整することができる。
[適用例5]適用例4に記載の製造方法であって、前記スペーサは、前記軸線方向と前記電極チップの突出する方向とのいずれとも垂直な方向である制限方向への前記電極チップの移動を、前記電極チップとの接触によって制限する第1制限部と、前記制限方向への前記スペーサの移動を、前記中心電極との接触によって制限する第2制限部とを、有する、製造方法。この方法によれば、中心電極と電極チップとの間の相対的な位置を適切に調整することができる。
[適用例6]適用例4または適用例5に記載の製造方法であって、前記溶接工程では、前記接地電極の内側の側面上で前記電極チップを移動させ、該電極チップを、前記スペーサに押しつけながら前記溶接を行う、製造方法。この方法によれば、溶接時に、接地電極と電極チップとが溶融することによって電極チップが接地電極上で滑りやすくなることを利用して、ギャップの距離を適切に調整することができる。
[適用例7]適用例1ないし適用例6のいずれかに記載の製造方法であって、前記溶接工程では、前記電極チップと前記接地電極との溶接を、抵抗溶接によって行い、前記溶接工程は、第1溶接電極を前記電極チップに接触させ、第2溶接電極を前記接地電極に接触させることによって、前記電極チップと前記接地電極とを、前記第1溶接電極と前記第2溶接電極とで挟む工程と、前記電極チップと前記接地電極とが互いに押し合うように荷重をかける工程と、前記荷重がかけられた状態で、前記第1溶接電極と前記第2溶接電極との間に電圧を印加する工程と、を含む、製造方法。この方法によれば、荷重がかけられた状態で電圧が印加されるので、電極チップを適切に溶接することができる。
[適用例8]適用例7に記載の製造方法であって、前記挟む工程では、前記第1溶接電極は、前記電極チップの、前記接地電極と対向する部分と、前記接地電極から突出している部分との両方と接触する、製造方法。この方法によれば、電極チップの、接地電極と対向する部分と、接地電極から突出している部分との両方が接地電極に向かって押しつけられ、そして、突出部分は接地電極によって支持されないので、電極チップが、突出方向に移動しようとする。その結果、火花ギャップの適切な距離を維持することができる。
[適用例9]適用例7または適用例8に記載の製造方法であって、前記荷重をかける工程は、前記第1溶接電極に向かう荷重を前記第2溶接電極にかける工程を含む、製造方法。この方法によれば、接地電極の屈曲の外側から荷重をかけることができるので、容易に荷重をかけつつ、スパークプラグを精度よく製造することができる。
[適用例10]適用例7ないし適用例9のいずれかに記載の製造方法であって、前記荷重をかける工程は、前記第2溶接電極に向かう荷重を前記第1溶接電極にかける工程を含む、製造方法。この方法によれば、電極チップに接触する第1溶接電極に荷重がかかるので、電極チップを適切に接地電極に押しつけることができる。
[適用例11]適用例7ないし適用例10のいずれかに記載の製造方法であって、前記第1溶接電極は棒状の電極であり、前記挟む工程は、前記第1溶接電極の両端の間の部分を前記電極チップに接触させる工程と、前記第1溶接電極の両端を保持する工程と、を含む、製造方法。この方法によれば、第1溶接電極の両端の間の部分が電極チップに接触し、第1溶接電極の両端が保持されるので、第1溶接電極と電極チップとの接触が不安定になることを抑制できる。
[適用例12]適用例7ないし適用例10のいずれかに記載の製造方法であって、前記第1溶接電極は棒状の電極であり、前記挟む工程は、前記第1溶接電極の一端を前記電極チップに接触させる工程と、前記第1溶接電極の他端を保持する工程と、を含む、製造方法。この方法によれば、第1溶接電極の一端が電極チップに接触し、第1溶接電極の他端が保持されるので、接地電極の屈曲の内側に十分なスペースが空いていない場合であっても、第1溶接電極と電極チップとの接触が不安定になることを抑制できる。
[適用例13]適用例7ないし適用例12のいずれかに記載の製造方法であって、前記溶接工程は、さらに、前記第1溶接電極を前記接地電極に対して相対的に移動させることによって、前記接地電極の前記電極チップが溶接されるべき位置と向かい合うように、前記第1溶接電極を配置する工程を含み、前記第1溶接電極を配置する工程は、前記軸線方向と交差する方向から、前記接地電極と向かい合う位置へ、前記第1溶接電極を相対的に移動させる工程を含む、製造方法。この方法によれば、第1溶接電極を、主体金具と接地電極とのそれぞれと接触させずに、接地電極と向かい合う位置に配置することができる。
[適用例14]適用例13に記載の製造方法であって、前記軸線方向と交差する方向は、さらに、前記接地電極の前記他端部の延びる方向と交差する、製造方法。この方法によれば、接地電極の他端の延びる方向に中心電極が配置された状態であっても、第1溶接電極を、中心電極と接触させずに、接地電極と向かい合う位置に配置することができる。
[適用例15]適用例13に記載の製造方法であって、前記軸線方向と交差する方向は、前記接地電極の前記他端部の延びる方向と同じである、製造方法。この方法によれば、容易に、第1溶接電極を、接地電極と向かい合う位置に配置することができる。
[適用例16]適用例13ないし適用例15のいずれかに記載の製造方法であって、前記第1溶接電極を配置する工程は、前記接地電極を固定する工程と、前記軸線方向と交差する方向から、前記接地電極と向かい合う前記位置へ、前記第1溶接電極を移動させる工程と、を含む、製造方法。この方法によれば、接地電極が固定されるので、溶接における接地電極の位置のバラツキを抑制し、スパークプラグを精度よく製造することができる。
[適用例17]適用例13ないし適用例15のいずれかに記載の製造方法であって、前記第1溶接電極を配置する工程は、前記第1溶接電極を固定する工程と、前記軸線方向と交差する方向から前記接地電極と向かい合う前記位置へ前記第1溶接電極が相対的に移動するように、前記接地電極を移動させる工程と、を含む、製造方法。この方法によれば、第1溶接電極が固定されるので、溶接における第1溶接電極の位置ズレを抑制し、スパークプラグを精度よく製造することができる。
[適用例18]適用例1ないし適用例17のいずれかに記載の製造方法であって、さらに、前記軸線方向が鉛直下向きである状態で前記溶接工程が行われるように、前記接地電極の向きを設定する工程を含む、製造方法。この方法によれば、電極チップの鉛直下側に接地電極が配置されるので、接地電極の他端の鉛直上側を向いた側面上に、容易に電極チップを配置することができる。
[適用例19]適用例1ないし適用例17のいずれかに記載の製造方法であって、さらに、前記軸線方向が鉛直上向きである状態で前記溶接工程が行われるように、前記接地電極の向きを設定する工程を含む、製造方法。この方法によれば、接地電極の鉛直下側に電極チップが配置されるので、電極チップを容易に配置することができる。
[適用例20]適用例1ないし適用例6のいずれかに記載の製造方法であって、前記溶接工程では、前記電極チップと前記接地電極との溶接を、レーザ溶接によって行う、製造方法。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、上述した種々のスパークプラグの製造方法によって製造されたスパークプラグや、そのスパークプラグを搭載する内燃機関等の形態で実現することができる。
スパークプラグ100の部分断面図である。 中心電極20の先端部22付近の拡大図である。 スパークプラグ100を軸線Oに沿ってみた説明図である。 スパークプラグ100の組み付け工程を示す説明図である。 スパークプラグ100の組み付け工程を示す説明図である。 電極チップ95が先端部31に接合される様子を示す説明図である。 スパークプラグ100の組み付け工程の別の実施例を示す説明図である。 治具J2を示す概略図である。 荷重印加・電圧印加工程の別の実施例を示す説明図である。 荷重印加・電圧印加工程の別の実施例を示す説明図である。 溶接電極配置工程の別の実施例を示す説明図である。 チップ・治具・溶接電極配置工程と、荷重印加・電圧印加工程との別の実施例を示す説明図である。 レーザ溶接によって電極チップ95と接地電極30とを接合する手順を示す説明図である。 レーザ溶接によって電極チップ95が接地電極30に接合された様子を示す説明図である。 レーザ溶接によって電極チップ95が接地電極30に接合された様子を示す説明図である。 溶接電極配置工程と、チップ・治具配置工程と、荷重印加・電圧印加工程との変形例を示す説明図である。
次に、この発明の実施の形態をいくつかの実施例に基づいて説明する。
A.第1実施例:
以下、本発明を具体化したスパークプラグの製造方法及びスパークプラグの一実施の形態について、図面を参照して説明する。まず、図1,図2、図3を参照して、一例としてのスパークプラグ100の構造について説明する。図1は、スパークプラグ100の部分断面図である。図2は、図1に示す中心電極20の先端部22付近の拡大図である。図3は、スパークプラグ100を軸線Oに沿ってみた説明図である。なお、図1,図2において、スパークプラグ100の軸線Oに沿った方向を図面における上下方向とし、下側をスパークプラグ100の先端側、上側を後端側として説明する。
なお、軸線Oは、スパークプラグ100の軸線を示している。そして、軸線方向ODは、軸線Oと平行な、先端側に向かう方向を示している。図3は、スパークプラグ100の先端側を、軸線方向ODとは逆の方向に沿って見た図を示している。
図1に示すように、スパークプラグ100は、軸線方向ODに沿って延びる絶縁碍子10と、絶縁碍子10の先端側に保持された中心電極20と、絶縁碍子10の後端側に保持された端子金具40と、絶縁碍子10を保持する主体金具50と、主体金具50の先端面57に接続された接地電極30と、を備えている。絶縁碍子10の形状は、軸線方向ODに沿って延びる軸孔12を有する筒形状である。また、主体金具50の形状は、軸線方向ODに沿って延びる筒形状である。
スパークプラグ100は、先端側の軸孔12内に中心電極20を保持し、後端側の軸孔12内に端子金具40を保持した絶縁碍子10を、その絶縁碍子10の径方向周囲(軸線方向ODと垂直な方向の側面)を主体金具50で取り囲んで保持した構造を有する。主体金具50の先端面57には接地電極30の一端が接合されている。接地電極30は、この一端から軸線方向ODに沿って延び、その後、軸線Oに向かって屈曲し、その他端部(先端部31)へ至る。
まず、絶縁碍子10について説明する。図1に示すように、絶縁碍子10は周知のようにアルミナ等を焼成して形成され、軸中心に軸線方向ODへ延びる軸孔12が形成された筒形状を有する。軸線方向ODの略中央には外径が最も大きな鍔部19が形成されている。鍔部19より後端側(図1の上側)には後端側胴部18が形成されている。鍔部19より先端側(図1の下側)には後端側胴部18よりも外径の小さな先端側胴部17が形成されている。先端側胴部17よりも先端側には、先端側胴部17よりも外径の小さな脚長部13が形成されている。脚長部13は先端側ほど縮径され、スパークプラグ100が内燃機関のエンジンヘッド(図示外)に取り付けられた際にはその燃焼室内に曝される。脚長部13と先端側胴部17との間には段部15が形成されている。
次に、中心電極20について説明する。図1,図2に示すように、中心電極20は、インコネル(商標名)600又は601等のニッケル、又はニッケルを主成分とする合金から形成された母材21の内部に、母材21よりも熱伝導性に優れる銅又は銅を主成分とする合金からなる芯材25を埋設した構造を有する棒状の電極である。中心電極20は、絶縁碍子10の軸孔12内の先端側に保持され、中心電極20の先端部22は、絶縁碍子10の先端よりも先端側に突出されている。中心電極20の先端部22は、先端側に向かって径小となるように形成され、その先端面には耐火花消耗性を向上するための貴金属からなる電極チップ90が接合されている。
図1、図2に示すように、電極チップ90は、軸線方向ODに沿って延びている。また、電極チップ90は、接地電極30の端31eと対向する位置まで、延びている。ただし、先端部31と電極チップ90との間には、隙間が空いている。なお、電極チップ90と中心電極20との全体は、特許請求の範囲における「中心電極」に相当する。
また、絶縁碍子10の先端付近の軸孔12の内周面と、その内周面に対向する中心電極20の外周面との間には若干の間隙が設けられている(図2参照)。燻り時に、この間隙にてコロナ放電を発生させることによって、絶縁碍子10の先端付近に付着したカーボンが焼き切られ、絶縁抵抗が回復するようになっている。さらに、中心電極20は、絶縁碍子10の軸孔12内を後端側に向けて延設され、シール体4及びセラミック製の抵抗体3を経由して、後方(図1の上方)の端子金具40に電気的に接続されている。端子金具40には、高圧ケーブル(図示外)がプラグキャップ(図示外)を介して接続され、高電圧が印加されるようになっている。
次に、主体金具50について説明する。図1に示す主体金具50は、内燃機関のエンジンヘッド(図示外)にスパークプラグ100を固定するための円筒状の金具であり、低炭素鋼材によって形成されている。この主体金具50は、絶縁碍子10を、その後端側胴部18の一部から脚長部13にかけての部位を取り囲むようにして内挿保持している。さらに主体金具50は、スパークプラグレンチ(図示外)が嵌合する工具係合部51と、エンジンヘッドの取付孔(図示外)に螺合するねじ山が形成された取付ねじ部52とを備えている。
また、工具係合部51と取付ねじ部52との間には、鍔状のシール部54が形成されている。さらに、取付ねじ部52とシール部54との間のねじ首59には、板体を折り曲げて形成した環状のガスケット5が嵌挿されている。ガスケット5は、スパークプラグ100をエンジンヘッドの取付孔(図示外)に取り付けた際に、シール部54の座面55と取付孔の開口周縁との間で押し潰されて変形する。これにより、座面55と取付孔の開口周縁との間が封止されるので、取付孔を介したエンジン内の気密漏れが防止される。
また、主体金具50の工具係合部51よりも後端側には、薄肉の加締部53が設けられている。シール部54と工具係合部51との間には、加締部53と同様に薄肉の座屈部58が設けられている。さらに、工具係合部51から加締部53にかけての内周面と、絶縁碍子10の後端側胴部18の外周面との間には、円環状のリング部材6,7が介在されている。両リング部材6,7間にはタルク(滑石)9の粉末が充填されている。
このような主体金具50において、加締部53を内側に折り曲げるようにして加締めることにより、リング部材6,7及びタルク9を介し、絶縁碍子10が主体金具50内で先端側に向けて押圧される。これにより、主体金具50の内周で取付ねじ部52の位置に形成された段部56に、環状の板パッキン8を介して、絶縁碍子10の段部15が支持されて、主体金具50と絶縁碍子10とが一体となる。また、主体金具50と絶縁碍子10との間の気密性は板パッキン8によって保持されるので、燃焼ガスの流出が防止される。さらに、座屈部58は、加締めの際に、圧縮力の付加に伴って外向きに撓み変形するように構成されている。また、タルク9の軸線方向ODの圧縮長を長くして主体金具50内の気密性を高めている。
次に、接地電極30について説明する。図2に示す接地電極30は、耐腐食性の高い金属で形成されている。一例として、インコネル(商標名)600又は601などのニッケル系合金が用いられている。接地電極30は、自身の長手方向と直交する横断面が略長方形である角棒を用いて形成されている。また、接地電極30は、屈曲しており、略L字に形成されている。接地電極30は、後述する電極チップ95が接合される先端部31と、主体金具50の先端面57に抵抗溶接される基端部32と、先端部31と基端部32との間で略L字に屈曲する屈曲部35とを備えている。
基端部32は、先端面57から軸線方向ODに沿って延びている。屈曲部35は、基端部32から電極チップ90に向かうように、屈曲している。先端部31は、屈曲部35から電極チップ90に向かって、延びている。ただし、先端部31は、電極チップ90には到達していない(図1〜図3)。すなわち、先端部31と電極チップ90との間には、隙間が空いている。なお、第1方向EDは、先端部31の延びる方向を示している。本実施例では、第1方向EDは、軸線方向ODと垂直である。また、図3に示す第2方向PDは、第1方向EDと軸線方向ODとのいずれとも垂直な方向を示している。
先端部31の内面33には、電極チップ90の側面に向かって先端部31から突出する電極チップ95が抵抗溶接されている。電極チップ95は、電極チップ90の側面に対向して、2つの電極チップ90、95の間の火花放電間隙G(火花ギャップ)を形成する。電極チップ95は、例えばPt、Ir、Rh等の耐火花消耗性の高い貴金属によって形成されている。その形状は、軸線方向ODとは垂直な方向(第1方向ED)に沿って延びる四角棒形状である。そして、電極チップ95の一部は、先端部31の端31eよりも電極チップ90側に突出している。このように、中心電極20から軸線方向ODに向かって電極チップ90を突出させ、さらに、接地電極30から電極チップ90の側面に向かって電極チップ95を突出させたことにより、火花放電間隙Gで火花放電が積極的に行われる。そして、火花放電間隙Gで火炎核が形成されるので、その火炎核の成長過程の初期段階で、火炎核が接地電極30に接触して熱が奪われることが抑制される。なお、図2に示す電極チップ95が特許請求の範囲における「接地電極の他端に接続された電極チップ」に相当する。また、電極チップ95の形状としては、四角棒形状に限らず、種々の形状(例えば、丸棒形状や三角棒形状)を採用可能である。また、電極チップ95の断面形状(電極チップ95の延びる方向と垂直な断面の形状)が、その延びる方向の位置に応じて変化してもよい。
なお、接地電極30の内面33は、屈曲の内側の側面である。本実施例では、接地電極30の断面が矩形であり、その矩形の一辺(一面)が内面33に相当する。そして、先端部31において、内面33は、軸線方向ODとほぼ垂直である。
また、上記構造からなるスパークプラグ100は、主体金具50の取付ねじ部52に形成されたねじ山の呼び径がM12以下である小径のスパークプラグとして作製されるものである。こうしたスパークプラグ100では、径方向における中心電極20と接地電極30との距離がより小さくなっている。そのため、接地電極30の軸線方向ODに沿って延びる部位を確保しつつ、できるだけ先端側で屈曲させているため、屈曲部35における曲率半径は一般的に使用されているねじ山の呼び径がM14であるスパークプラグよりも小さくなっている。
次に、スパークプラグ100の製造工程について説明する。スパークプラグ100の製造工程は、スパークプラグ100の構成部品をそれぞれ作製して準備する「準備工程」と、その準備工程で作製された各構成部品を互いに組み付ける「組み付け工程」とに分けられる。
まず、準備工程について説明する。準備工程は従来の方法と同じであるので概略的に説明する。準備工程では、絶縁碍子10、中心電極20及び接地電極30をそれぞれ作製する。絶縁碍子10の主原料にはアルミナを使用する。そして所定の形状になるように切削等を行い、高温で焼成することによって、絶縁碍子10を作製する。中心電極20及び接地電極30は、上述したニッケル系合金によって棒状に作製する。なお、中心電極20の母材の内部には、その母材よりも熱伝導性に優れる銅又は銅を主成分とする合金からなる芯材25が挿入される。
次いで、作製された絶縁碍子10の内部に、中心電極20、シール体4、抵抗体3、予め塑性加工等によって作製された端子金具40等を順に挿入し、そして、ガラスシールと呼ばれる加熱圧縮工程によってこれらが一体的に形成される。一方、主体金具50には鋼鉄材料を使用する。そして、所定の形状になるように塑性加工、切削及びネジ山形成工程等を行うことによって主体金具50を作製する。この主体金具50には、上述の工具係合部51、シール部54等が各々形成される。
次に、組み付け工程について説明する。図4、図5は、スパークプラグ100の組み付け工程を示す説明図である。図4は、金具接合工程から曲げ工程までを示し、図5は、図4の工程に続く、チップ・治具配置工程から荷重印加・電圧印加工程までを示している。
図4に示すように、最初の金具接合工程では、絶縁碍子10を組み付ける前の主体金具50の先端面57に、接地電極30の基端部32を抵抗溶接により接合する。なお、接地電極30は曲げ加工が施される前の棒状の状態である。即ち、接地電極30は、主体金具50の軸線方向(すなわち、軸線方向OD)に対して平行に延設された状態となる。この後に、めっき工程を行う。めっき工程では、接地電極30が接合された状態で主体金具50がめっきされる。めっきの際には、接地電極30をマスキング等するか、マスキングなしで主体金具50をめっきした後に、接地電極30に付着しためっきを剥離する。これにより、接地電極30の電極チップ95が溶接される位置にめっきが付着して、電極チップ95の溶接強度が低下するのを防止できる。こうして、金具組立体200が形成される。
次の絶縁碍子保持工程では、まず、金具組立体200の内側に、ガラスシールによって中心電極20が一体となった絶縁碍子10を差し込む。次いで、加締部53(図1参照)を内側に折り曲げるようにして加締める。すると、リング部材6,7及びタルク9(図1参照)を介し、絶縁碍子10が主体金具50内で先端側に向けて押圧される。これにより、主体金具50の内周で取付ねじ部52(図1参照)の位置に形成された段部56(図1参照)に、環状の板パッキン8(図1参照)を介して、絶縁碍子10の段部15が支持される。そして、中心電極20の先端が主体金具50の先端側から突出した状態で、絶縁碍子10が主体金具50に一体的に保持される。
次の曲げ工程では、棒状の接地電極30が、所定の曲げられた形状に加工される。接地電極30を曲げる方法としては、周知の種々の方法を採用可能である。例えば、図示しない複数種類の成型用の型を用いて、接地電極30を複数の段階に分けて変形させてもよい。また、1回で接地電極30を変形させてもよい。いずれの場合も、この曲げ工程によって、接地電極30の形状は、所定の最終形状に変形する。
図4の処理が完了した後、図5の処理が実行される。先ず、チップ・治具配置工程が実行される。図5には、この工程を示す斜視図と側面図とが示されている。側面図は、第2方向PDに沿ってみた側面図である。
チップ・治具配置工程では、まず、軸線方向ODが鉛直下向きとなるように、接地電極30の向き(すなわち、主体金具50の向き)が設定される。そして、図示しない保持部材によって主体金具50が固定される。これにより、接地電極30が固定される。なお、この固定は、電極チップ95の溶接が完了するまで維持される。
次に、電極チップ95が先端部31の上に配置され、治具J1が、電極チップ95と電極チップ90との間に配置される。電極チップ95は、図1〜図3に示す完成状態とほぼ同じ位置に配置される。治具J1は、電気的な絶縁体(例えば、セラミック)で構成されている。また、本実施例では、治具J1の形状は、平板形状である。そして、治具J1の第1方向EDの大きさ(厚さT1)は、予め、火花放電間隙Gの所定の望ましい距離と同じに設定されている。なお、治具J1は、電極チップ90に接触した状態に、配置される。
次に、溶接電極配置工程が実行される。図5には、この工程を示す斜視図と側面図とが示されている。側面図は、第2方向PDに沿ってみた側面図である。なお、斜視図では、治具J1の図示が省略されている。
溶接電極配置工程では、第1溶接電極E1と第2溶接電極E2とが、先端部31を挟むように配置される。本実施例では、第1溶接電極E1は、先端部31の上側(後端側)に配置される。すなわち、第1溶接電極E1は、主体金具50(取付ねじ部52)と接地電極30(先端部31)との間の、電極チップ95を挟んで接地電極30(先端部31)と向かい合う位置に配置される。第2溶接電極E2は、先端部31の下側(先端側)に配置される。
第1溶接電極E1は、角棒形状の電極である。まず、第1溶接電極E1の長手方向が第2方向PDに向けられる。そして、第1溶接電極E1は、第2方向PDに沿って先端部31の上部へ移動する。このように、第1溶接電極E1は、第2方向PDとは逆の方向から、先端部31に接近する。すなわち、接近方向は、第2方向PDとは逆の方向である。移動後、第1溶接電極E1の一端部e11は、取付ねじ部52の第2方向PD側に突出し、他端部e12は、第2方向PDとは逆方向側に突出する。
第2溶接電極E2は、平板形状の電極である。第2溶接電極E2は、所定の方向に沿って、先端部31の下部に移動する(例えば、軸線方向ODとは逆の方向)。本実施例では、この第2溶接電極E2が、グランド電極として利用される。
次に、荷重印加・電圧印加工程が実行される。図5には、この工程を示す側面図が示されている。側面図は、第1方向EDとは逆方向に沿って見た側面図である。
荷重印加・電圧印加工程では、抵抗溶接によって、電極チップ95が先端部31に接合される。この工程では、第1溶接電極E1の一端部e11は、保持部材H1、H2によって保持され、第1溶接電極E1の他端部e12は、保持部材H3、H4によって保持される。そして、これらの保持部材H1〜H4によって、第1溶接電極E1に、第2溶接電極E2に向かう方向(本実施例では、軸線方向OD)の所定荷重がかけられる。一方、第2溶接電極E2には、第1溶接電極E1に向かう方向(本実施例では、軸線方向ODとは逆方向)の所定荷重がかけられる。これらの結果、第1溶接電極E1の両端の間の部分が電極チップ95に接触し、第2溶接電極E2は先端部31に接触し、そして、電極チップ95と先端部31とが、溶接電極E1、E2によって挟まれる。また、電極チップ95は、所定の力で、先端部31に向かって押しつけられる。逆に、先端部31は、所定の力で、電極チップ95に向かって押しつけられる。
なお、第1溶接電極E1の電極チップ95と接触する面は、先端部31の内面33と平行である。同様に、第2溶接電極E2の先端部31と接触する面は、先端部31の外面34と平行である。本実施例では、これらの面は、いずれも、軸線方向ODと垂直である。
荷重が印加された状態で、2つの溶接電極E1、E2の間に、抵抗溶接のための電圧が印加される。この電圧印加によって、電流が電極チップ95と先端部31とを流れる。この電流によって、電極チップ95と先端部31とが溶融する。そして、電極チップ95と先端部31とが接合される。具体的には、電極チップ95の先端部31(内面33)と接触する部分と、先端部31の電極チップ95と接触する部分とが、接合される。
図6は、電極チップ95が先端部31に接合される様子を示す説明図である。図6(A)は、第2方向PDに沿って見た図を示し、図6(B)は、軸線方向ODに沿って見た図を示している。図示するように、電極チップ95の、第1方向EDとは逆方向側の端部(「第1端部95e1」と呼ぶ)は、先端部31に載っている。すなわち、第1端部95e1は、先端部31と対向している。一方、電極チップ95の、第1方向ED側の端部(「第2端部95e2」と呼ぶ)は、先端部31には載らず、先端部31から第1方向EDに向かって突出している。
第1溶接電極E1は、電極チップ95の先端部31に載っている部分(第1端部95e1)の全体と接触し、さらに、電極チップ95の先端部31から突出している部分(第2端部95e2)の一部と接触している。すなわち、電極チップ95の、先端部31に載っている部分と、先端部31から突出している部分との両方が、先端部31(接地電極30)に向かって押しつけられる。
ここで、溶接時には、電極チップ95と先端部31とが溶融するので、これらの摩擦抵抗が小さくなり、先端部31(内面33)上で電極チップ95が滑り易い。また、上述のように、電極チップ95は、先端部31(接地電極30)に向かって押しつけられており、そして、電極チップ95の一部分のみが先端部31によって支持されている。この場合、電極チップ95は、溶融によって、先端部31による支えの無い方向(接地電極30からの反力が無い方向)に力が働き、滑る傾向がある。本実施例では、電極チップ95の第1端部95e1は先端部31によって支持されているが、第2端部95e2は先端部31によって支持されていない。従って、溶接時に、電極チップ95は、第1端部95e1から第2端部95e2へ向かう方向、すなわち、第1方向EDに向かって滑る傾向がある。
電極チップ95の第1方向ED側には、治具J1が配置されている。従って、電極チップ95の移動(滑り)は、第2端部95e2が治具J1に接触することによって、止まり、電極チップ95が治具J1に押しつけられた状態となる。治具J1の厚さT1は、火花放電間隙Gの所定の望ましい距離と同じである。そして、治具J1は、電極チップ90に押しつけられた状態で、配置されている。その結果、溶接時に電極チップ95が接地電極30上を滑りやすくなることを利用して、電極チップ95と電極チップ90との間の距離(火花放電間隙Gの距離GD)を、精度良く、所定の望ましい距離に設定することができる。なお、治具J1は、特許請求の範囲における「スペーサ」に相当する。
電極チップ95の溶接が完了した後、溶接電極E1、E2と治具J1とが、スパークプラグ100から取り外される。そして、スパークプラグ100が完成する。なお、取り外しの手順は任意である。例えば、溶接電極E1、E2を、配置の手順とは逆の手順に従って、取り外してもよい。治具J1についても同様である。
以上のように、本実施例では、接地電極30の屈曲の後で、電極チップ95が接地電極30に溶接されるので、中心電極(電極チップ90)に対する電極チップ95の位置の調整が容易である。その結果、スパークプラグ100を精度よく製造することができる。
また、中心電極20を保持する絶縁碍子10が組み込まれた主体金具50に一端が接続された状態の接地電極30が屈曲されるので、接地電極30の他端が中心電極(電極チップ90)に近づく方向に、接地電極30を適切に屈曲させることができる。
また、電極チップ95と中心電極(電極チップ90)との間に、所定サイズの治具J1が配置され、電極チップ95と中心電極(電極チップ90)とが治具J1に接触することによって火花放電間隙Gの距離が調整されるので、火花放電間隙Gの距離を適切に調整することができる。特に、本実施例では、電極チップ95と中心電極(電極チップ90)との間に治具J1が配置された状態で、電極チップ95と接地電極30(先端部31)とが互いに押し合うように荷重がかけられ、荷重がかけられた状態で、第1溶接電極E1と第2溶接電極E2との間に電圧が印加される。その結果、電極チップ95を溶接しつつ、火花放電間隙Gの適切な距離を維持することができる。また、第1溶接電極E1は、電極チップ95の、接地電極30と対向する部分(図6(A):第1端部95e1)と、接地電極30から突出する部分(第2端部95e2)との両方と接触する。その結果、荷重によって電極チップ95は突出方向に移動しようとする。これにより、抵抗溶接における電極チップ95と先端部31とが溶融している状態で、火花放電間隙Gの距離が調整される。そして、ギャップ調整の直後に溶接が完了し、電極チップ95が接地電極30(先端部31)に固定される。このように、ギャップの調整は、溶接と同時に行われる。これらの結果、スパークプラグ100を精度よく製造することができる。
また、本実施例では、第2溶接電極E2に対する荷重を、接地電極30の屈曲の外側から容易にかけることができる。また、電極チップ95に接触する第1溶接電極E1に荷重をかけるので、電極チップ95を適切に接地電極30(先端部31)に押しつけることができる。特に、第1溶接電極E1の両端が保持されるので、第1溶接電極E1と電極チップ95との接触が不安定になることを抑制できる。なお、第1溶接電極E1の長さL1は、取付ねじ部52の呼び径D1と比べて長いことが好ましい。こうすれば、容易に、第1溶接電極E1の両端を保持することができる。
また、本実施例では、軸線方向ODと第1方向EDとの両方と垂直な第2方向PDに沿って第1溶接電極E1が移動することによって、第1溶接電極E1が先端部31と向かい合う位置に配置される(図5:溶接電極配置工程)。その結果、第1溶接電極E1を、主体金具50と接地電極30と絶縁碍子10と中心電極20(電極チップ90)とのそれぞれと接触させずに済む。また、溶接電極配置工程(図5)では、図示しない保持部材によって主体金具50が固定される(これにより、接地電極30が固定される)。その結果、溶接における接地電極30の位置のバラツキを抑制し、スパークプラグを精度よく製造することができる。また、軸線方向ODが鉛直下向きである状態で溶接が行われるので、接地電極30の鉛直上側を向いた内面33上に、容易に電極チップ95を配置することができる。なお、図示しない保持部材によって電極チップ95を保持した状態で、溶接を行っても良い。
B.第2実施例:
図7は、スパークプラグ100の組み付け工程の別の実施例を示す説明図である。図5に示す第1実施例との差違は、第1溶接電極E1よりも長さの短い第1溶接電極E1aが利用される点だけである。図7には、溶接電極配置工程と、荷重印加・電圧印加工程とが示されている。他の工程は、第1実施例と同じである。
図中には、溶接電極配置工程を示す斜視図と側面図とが示されている。なお、斜視図では、治具J1の図示が省略されている。溶接電極配置工程では、第1溶接電極E1aは、第1実施例と同様に、第2方向PDに沿って先端部31の上部へ移動する。ここで、第1溶接電極E1aの一端部e1a1は、電極チップ95を挟んで先端部31と向かい合う位置に配置される。第1溶接電極E1aの他端部e1a2は、図5の他端部e12と同様に、取付ねじ部52の第2方向PDとは逆方向側に突出する。
次に、荷重印加・電圧印加工程が実行される。図中には、この工程を示す側面図が示されている。荷重印加・電圧印加工程では、第1溶接電極E1aの他端部e1a2は、図5の実施例と同様に、保持部材H3、H4によって保持される。そして、これらの保持部材H3、H4によって、第1溶接電極E1aに、第2溶接電極E2に向かう方向(軸線方向OD)の所定荷重がかけられる。第2溶接電極E2にも、図5の実施例と同様に、荷重がかけられる。これらの結果、第1溶接電極E1aの一端部e1a1が電極チップ95に接触し、第2溶接電極E2は先端部31に接触し、そして、電極チップ95と先端部31とが、溶接電極E1a、E2によって挟まれる。そして、図5の実施例と同様に、電極チップ95が先端部31に溶接される。
以上のように、本実施例では、第1溶接電極E1aの一端部e1a1が電極チップ95に接触し、第1溶接電極E1aの他端部e1a2が保持されるので、接地電極30の屈曲の内側に十分なスペースが空いていない場合であっても、第1溶接電極E1aと電極チップ95との接触が不安定になることを抑制できる。
なお、第1溶接電極E1aの長さL1aは、呼び径D1の半分よりも長いことが好ましい。こうすれば、こうすれば、容易に、第1溶接電極E1aの他端部e1a2を保持することができる。また、長さL1aが、取付ねじ部52の呼び径D1よりも短いことが、特に好ましい。こうすれば、溶接設備を小型化できる。
C.第3実施例:
図8は、上述の各実施例において、治具J1の代わりに利用される治具J2を示す概略図である。治具J1との差違は、この治具J2には、電極チップ95と接触する面に第1凹部R1が設けられ、電極チップ90と接触する面に第2凹部R2が設けられている点だけである。
図8(A)は、治具J2を軸線方向ODに沿って見た説明図である。図8(B)は、電極チップ95と電極チップ90との間に挿入された治具J2を示す斜視図である。図8(C)は、電極チップ95と電極チップ90との間に挿入された治具J2を軸線方向ODに沿って見た説明図である。
第1凹部R1は、電極チップ95の先端が入るように形成された軸線方向OD方向に延びる矩形の溝である。電極チップ95の先端が第1凹部R1内に入った状態では、第1凹部R1の壁W1a、W1bが、電極チップ95の側面との接触によって、軸線方向ODと電極チップ95の突出する方向(第1方向ED)とのいずれとも垂直な方向(本実施例では、第2方向PDと平行な方向)への電極チップ95の移動を制限する。このように、第2方向PDと平行な方向は、特許請求の範囲における「制限方向」に相当する。
また、第2凹部R2は、電極チップ90の側面が入るように形成された軸線方向OD方向に延びる溝である。この第1凹部R1の壁面は、電極チップ90の側面に合わせて湾曲している。電極チップ90の側面が第2凹部R2内に入った状態では、第2凹部R2の壁W2a、W2bが、電極チップ90の側面との接触によって、軸線方向ODと電極チップ95の突出する方向(第1方向ED)とのいずれとも垂直な方向(本実施例では、第2方向PDと平行な方向)への治具J2の移動を制限する。
また、電極チップ95の溶接は、電極チップ95が第1凹部R1に入り、電極チップ90が第2凹部R2内に入った状態で、実行される。その結果、電極チップ95と電極チップ90との間の相対的な位置関係が、望ましい位置関係からずれることを抑制できる。また、第1凹部R1の底部と第2凹部R2の底部との間の距離T2は、予め、火花放電間隙Gの所定の望ましい距離と同じに設定されている。その結果、火花放電間隙Gの距離GDを、精度良く、所定の望ましい距離に設定することができる。なお、溶接後は、治具J2を軸線方向ODに沿って移動させることによって、治具J2を取り外せばよい。
D.第4実施例:
図9は、荷重印加・電圧印加工程の別の実施例を示す説明図である。図5に示す第1実施例との差違は、第1溶接電極E1に荷重がかけられる代わりに、第1溶接電極E1が、保持部材H1〜H4によって固定される点だけである。この結果、溶接に利用される設備が過剰に複雑になることを抑制できる。なお、スパークプラグ100の組み付けの他の工程は、第1実施例と同じである。また、図7に示す実施例において、第1溶接電極E1aに荷重をかける代わりに、第1溶接電極E1aを固定してもよい。
E.第5実施例:
図10は、荷重印加・電圧印加工程の別の実施例を示す説明図である。図5に示す第1実施例との差違は、第2溶接電極E2に荷重がかけられる代わりに、第2溶接電極E2が、図示しない保持部材によって固定される点だけである。この結果、溶接に利用される設備が過剰に複雑になることを抑制できる。なお、スパークプラグ100の組み付けの他の工程は、第1実施例と同じである。また、図7に示す実施例において、第2溶接電極E2に荷重をかける代わりに、第2溶接電極E2を固定してもよい。
F.第6実施例:
図11は、溶接電極配置工程の別の実施例を示す説明図である。図5に示す第1実施例との差違は、接地電極30(取付ねじ部52)が固定されて第1溶接電極E1が移動する代わりに、第1溶接電極E1が固定されて接地電極30(取付ねじ部52)が移動する点だけである。本実施例では、取付ねじ部52が第2方向PDとは逆の方向に移動することによって、第1溶接電極E1が、接地電極30(先端部31)と向かい合う位置に配置される。この結果、溶接における第1溶接電極E1の位置ズレを抑制し、スパークプラグを精度よく製造することができる。なお、スパークプラグ100の組み付けの他の工程は、第1実施例と同じである。また、図7に示す実施例において、第1溶接電極E1aが固定されて接地電極30(取付ねじ部52)が移動してもよい。いずれの場合も、電極チップ95と治具(例えば、図5の治具J1や、図8の治具J2)とを、接地電極30(取付ねじ部52)と共に移動させてよい。なお、図11では、治具の図示が省略されている。
G.第7実施例:
図12は、チップ・治具、溶接電極配置工程と、荷重印加・電圧印加工程との別の実施例を示す説明図である。図5に示す第1実施例との差違は、2つある。第1の差違は、軸線方向ODが鉛直上向きとなるように、接地電極30の向き(すなわち、主体金具50の向き)が設定される点である。第2の差違は、電極チップ95が第1溶接電極E1に載せられた状態で、第1溶接電極E1とともに先端部31に近づく点である。図示するように、チップ・治具・溶接電極配置工程では、電極チップ95は、第1溶接電極E1に載せられている。特に、第1溶接電極E1は、電極チップ95の先端部31に載るべき部分(第1端部95e1)の全体と接触し、さらに、電極チップ95の先端部31から突出すべき部分(第2端部95e2)の一部と接触している。このように、本実施例では、第1端部95e1に加えて第2端部95e2を支えることが容易である。その結果、電極チップ95を容易に配置することができる。
次の荷重印加・電圧印加工程では、第1溶接電極E1は、荷重をかけるために上に向かって移動する。これにより、電極チップ95は先端部31に接触する。また、第2溶接電極E2は、荷重をかけるために、下に向かって移動する。そして、電極チップ95と先端部31とが、溶接電極E1a、E2によって挟まれる。そして、図5の実施例と同様に、電極チップ95が先端部31に溶接される。
なお、スパークプラグ100の組み付けの他の工程は、第1実施例と同じである。ここで、図9に示す実施例のように、第1溶接電極E1が固定されてもよく、図10に示す実施例のように、第2溶接電極E2が固定されてもよい。また、図11に示す実施例のように、取付ねじ部52(主体金具50)が移動してもよい。また、図7に示す実施例のように、第1溶接電極E1の代わりに第1溶接電極E1aを利用してもよい。
H.第8実施例:
上述した各実施例では、抵抗溶接によって電極チップ95と接地電極30とを接合している。これに対して、電極チップ95と接地電極30との接合は、レーザ溶接によって行うこととしてもよい。図13は、レーザ溶接によって電極チップ95と接地電極30とを接合する手順を示す説明図である。本実施例では、例えば、第1実施例と同様に、金具接合工程、絶縁碍子保持工程、曲げ工程、および、チップ・治具配置工程を行う。チップ・治具配置工程によって、電極チップ95が先端部31の上に配置され、更に、治具J1が、電極チップ95と電極チップ90との間に配置されると、本実施例では、この状態で、レーザ溶接工程を行う。なお、図13に示したレーザ溶接工程における斜視図では、治具J1の図示が省略されている。このレーザ溶接工程では、接地電極30の上面において、接地電極30と電極チップ95とが接触する境界部分にレーザ溶接を施す。そうすると、図14および図15に示すように、電極チップ95が、接地電極30の先端部31に接合されることになる。図14には、接地電極30をその上面側から見た図であり、図15は、中心電極20側から接地電極30を見た図である。これらの図に示すように、接地電極30の上面において接地電極30と電極チップ95とが接触する境界部分にレーザ溶接を施すと、この境界部分に、接地電極30と電極チップ95とが溶け合った溶融部70が形成される。以上で説明したように、電極チップ95を接地電極30にレーザ溶接することでも、火花放電間隙Gの距離を適切に調整することができる。
I.変形例:
なお、上記各実施例における構成要素の中の、独立クレームでクレームされた要素以外の要素は、付加的な要素であり、適宜省略可能である。また、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
変形例1:
図16は、溶接電極配置工程と、チップ・治具配置工程と、荷重印加・電圧印加工程との変形例を示す説明図である。図5に示す第1実施例との差違は、大きく2つある。第1の差違は、絶縁碍子10を主体金具50に組み付ける前に、電極チップ95の溶接を行っている点である。本変形例では、図4の手順における絶縁碍子保持工程がスキップされる。そして、電極チップ95が接地電極30に溶接された後で、絶縁碍子保持工程が実行される(図示省略)。第2の差違は、溶接電極配置工程の後に、チップ・治具配置工程を実行している点である。
溶接電極配置工程では、図5に示す第1実施例と同様に、溶接電極E1、E2が配置される。ただし、本変形例では、第1溶接電極E1は、第1方向EDから、先端部31と向かい合う位置へ移動する。すなわち、接近方向は、先端部31の延びる方向と同じ第1方向EDである。
次のチップ・治具配置工程では、電極チップ95が配置され、そして、治具J3が取付ねじ部52に取り付けられる。この治具J3は、図5に示す治具J1と同様に、電極チップ95の先端と接触することによって、電極チップ95の突出方向(第1方向ED)の位置を精度よく定める。その結果、火花放電間隙G(図2)の距離を、精度良く、所定の望ましい距離に設定することができる。なお、図16に示す斜視図では、溶接電極E1、E2の図示が省略されている。
次の荷重印加・電圧印加工程では、図5に示す実施例と同様に、電極チップ95が接地電極30に溶接される。この溶接の後に、図4に示す実施例と同様に、絶縁碍子保持工程が実行される。そして、スパークプラグ100が完成する。
以上のように、本変形例では、中心電極20を有する絶縁碍子10が主体金具50に組み付けられる前に、電極チップ95の溶接が行われる。従って、第1溶接電極E1を、種々の方向から、取付ねじ部52(主体金具50)と先端部31(接地電極30)との間に相対的に移動させることができる。すなわち、容易に、第1溶接電極E1を、電極チップ95が溶接されるべき位置を挟んで接地電極30と向かい合う位置に、配置することができる。なお、絶縁碍子10を主体金具50に組み付ける前に電極チップ95の溶接を行う方法は、上述の各実施例に適用可能である。
なお、本変形例では、図4の手順における絶縁碍子保持工程が後回しにされ、そして、曲げ工程では、接地電極30が、所定の最終形状に変形する。これは、接地電極30の先端部31が、最終的に(スパークプラグの完成時に)中心電極(電極チップ90)に近づくように、接地電極30が事前に曲げられることを意味する。なお、特許請求の範囲における「接地電極を、中心電極に接地電極の他端が近づくように、屈曲させる」という表現は、「接地電極の一端に接続された主体金具に予め組み込まれた中心電極に、接地電極の他端がその時点で近づくように、接地電極を屈曲させること」に加えて、「スパークプラグの完成時に接地電極の他端が中心電極に近づくように、接地電極を事前に屈曲させること」を含む広い概念を意味している。
変形例2:
スパークプラグ100の製造の手順としては、上述の各実施例の手順に限らず、種々の手順を採用可能である。例えば、接地電極30の屈曲を、接地電極30を主体金具50に接続する前に行っても良い。また、電極チップ95の溶接前に、治具(例えば、図5の治具J1や、図8の治具J2や、図16の治具J3)を利用して、火花放電間隙Gの距離GDを調整してもよい。また、溶接時に軸線方向ODが鉛直方向と交差するように、接地電極30の向き(すなわち、主体金具50の向き)を設定してもよい。
また、電極チップ95を配置する工程と、溶接電極を配置する工程との順番は、任意に設定可能である。いずれの場合も、第1溶接電極(例えば、図5の第1溶接電極E1)を、電極チップ95が溶接されるべき位置(接地電極30上の位置)を挟んで接地電極30と向かい合う位置に配置することが好ましい。こうすれば、第1溶接電極を利用して電極チップ95を接地電極30に向かって押しつけることが容易である。ただし、第1溶接電極とは異なる支持部材を、電極チップ95が溶接されるべき位置(接地電極30上の位置)を挟んで接地電極30と向かい合う位置に配置してもよい。この場合、支持部材を利用して、電極チップ95を接地電極30に向かって押しつけることができる。また、電極チップ95の支持部材と接触していない部分と、第1溶接電極とを接触させればよい。
また、電極チップ95の溶接中に、電極チップ95に、治具(例えば、図5の治具J1や、図8の治具J2や、図16の治具J3)に向かう力を加えてもよい。こうすれば、火花放電間隙Gの距離GDを、精度良く、所定の望ましい距離に設定することができる。
また、接地電極に対する電極チップの溶接が、中心電極の組み付けよりも前であってもよい。この場合も、最終的に(スパークプラグの完成時に)電極チップの一部分が接地電極の他端から中心電極の側面に向かって突出するように、電極チップが接地電極に事前に溶接される。なお、特許請求の範囲における「電極チップの一部分が接地電極の他端から中心電極の側面に向かって突出するように、電極チップを接地電極に溶接する」という表現は、「接地電極の一端に接続された主体金具に予め組み込まれた中心電極の側面に向かって、電極チップの一部分が接地電極の他端からその時点で突出するように、電極チップを接地電極に溶接すること」に加えて、「スパークプラグの完成時に電極チップの一部分が接地電極の他端から中心電極の側面に向かって突出するように、電極チップを接地電極に事前に溶接すること」を含む広い概念を意味している。
変形例3:
上述の各実施例において、中心電極20に接続された電極チップ90を省略し、中心電極20を、電極チップ95の先端と対向する位置まで延長してもよい。ただし、融点の高い貴金属(例えば、Pt、Ir、Rh)を用いて形成された電極チップ90を利用すれば、耐火花消耗性を高めることができる。
変形例4:
図6に示す実施例において、第1溶接電極E1は、電極チップ95の先端部31から突出している部分(第2端部95e2)と接触しなくてもよい。いずれの場合も、第1溶接電極E1は、電極チップ95が溶接されるべき位置を挟んで接地電極30と向かい合う位置に配置され、そして、溶接のために第1溶接電極E1と接地電極30とが電極チップ95を挟むことが好ましい。こうすれば、第1溶接電極E1を利用して電極チップ95を接地電極30に向かって押しつけることができる。さらに、第1溶接電極E1は、電極チップ95の先端部31に載っている部分(第1端部95e1)の少なくとも一部と、電極チップ95の先端部31から突出している部分(第2端部95e2)の少なくとも一部との、両方と接触することが好ましい。こうすれば、抵抗溶接時に、電極チップ95を突出方向に滑らせることができる。これらは、他の実施例等(例えば、図7、図12に示す実施例や、図16に示す変形例)についても、同様である。
変形例5:
上述の各実施例において、第1溶接電極の接近方向としては、第2方向PDとは逆の方向や第1方向EDに限らず、種々の方向を採用可能である。一般には、軸線方向ODと交差する種々の方向から、第1溶接電極を、接地電極30(先端部31)と向かい合う位置に移動させることができる。ここで、接近方向が、接地電極30の先端部31の延びる方向(上述の各実施例では第1方向ED)と交差すれば、第1溶接電極が中心電極20と接触することを抑制できる。
変形例6:
上述の各実施例において、スパークプラグ100の構成としては、図1〜図3に示す構成に限らず、種々の構成を採用可能である。例えば、接地電極30の先端部31の延びる方向(第1方向ED)が、軸線方向ODと垂直でなくてもよい。この場合も、第1溶接電極E1、E1aと、第2溶接電極E2とで、接地電極30と電極チップ95とを挟むことによって、溶接を行えばよい。また、接地電極30の断面形状が矩形以外の形状(例えば、円や多角形)であってもよい。いずれの場合も、接地電極の一端を主体金具に接続し、他端が中心電極に近づくように接地電極を屈曲させ、そして、電極チップを、接地電極の他端における屈曲の内側の側面に溶接することが好ましい。こうすれば、スパークプラグの完成後に電極チップが他の部材と接触することが、電極チップの外側に配置された接地電極によって避けられるので、電極チップの脱落を抑制できる。なお、接地電極の屈曲の内側の側面は、最も内側の部分に限らず、中心電極から見える部分を含んでいる。すなわち、接地電極の他端よりも上側(軸線方向ODとは逆の方向)の中心電極から見える部分に、電極チップを溶接してもよい。
変形例7:
上述の各実施例において、電極チップ95の移動を制限する第1制限部の構成としては、図8に示す第1凹部R1の壁W1a、W1bに限らず、種々の構成を採用可能である。例えば、壁W1a、W1bと同様に電極チップ95の側面と接触する凸部を、図5に示す治具J1に設けても良い。このような凸部は、電極チップ95の側面との接触によって、軸線方向ODと第1方向EDとのいずれとも垂直な方向(例えば、第2方向PD)への電極チップ95の移動を制限できる。同様に、スペーサの移動を制限する第2制限部の構成としても、図8に示す第2凹部R2の壁W2a、W2bに限らず、種々の構成を採用可能である。例えば、矩形の溝や凸部を第2制限部として採用してもよい。また、電極チップと中心電極との間に配置されるスペーサの材料としては、電気的な絶縁体(例えば、セラミック)に限らず、種々の材料を採用可能である。例えば、カーボン焼結体を採用してもよい。ただし、電気的な絶縁体を採用すれば、抵抗溶接に起因する意図しない電流が中心電極に流れることを抑制できる。
3…抵抗体
4…シール体
5…ガスケット
6…リング部材
8…板パッキン
9…タルク
10…絶縁碍子
12…軸孔
13…脚長部
15…段部
17…先端側胴部
18…後端側胴部
19…鍔部
20…中心電極
21…母材
22…先端部
25…芯材
30…接地電極
31…先端部
31e…端
32…基端部
33…内面
34…外面
35…屈曲部
40…端子金具
50…主体金具
51…工具係合部
52…取付ねじ部
53…加締部
54…シール部
55…座面
56…段部
57…先端面
58…座屈部
59…首
90…電極チップ
95…電極チップ
100…スパークプラグ
200…金具組立体
95e1…第1端部
95e2…第2端部
O…軸線
G…火花放電間隙
e11、e1a1…一端部
e12、e1a2…他端部
OD…軸線方向
J1〜J3…治具
E1、E1a…第1溶接電極
E2…第2溶接電極
H1〜H4…保持部材
R1…第1凹部
R2…第2凹部
W1a、W1b、W2a、W2b…壁

Claims (16)

  1. 軸線方向に延びる中心電極と、軸孔を有し前記中心電極が前記軸孔に設けられる絶縁体と、前記絶縁体を保持する筒状の主体金具と、前記主体金具の先端部に一端部が接続される接地電極と、前記接地電極の他端部に接続されて前記中心電極との間で火花ギャップを形成する電極チップと、を備えるスパークプラグの製造方法であって、
    記主体金具に前記一端部が接続された状態の前記接地電極を、前記接地電極の前記他端部が前記中心電極に近づくように、屈曲させる屈曲工程と、
    前記屈曲工程の後に、前記電極チップの一部分が前記接地電極の前記他端部から前記中心電極の側面に向かって突出するように、前記電極チップを、前記他端部の内側の側面に溶接する溶接工程と、
    前記火花ギャップを調整するギャップ調整工程と、を備え、
    前記ギャップ調整工程は、前記溶接工程と同時に行われ、
    前記ギャップ調整工程では、前記電極チップと前記中心電極との間に、所定サイズのスペーサを配置し、前記電極チップと前記中心電極とを前記スペーサに接触させることで前記火花ギャップの調整を行い、
    前記スペーサは、
    前記軸線方向と前記電極チップの突出する方向とのいずれとも垂直な方向である制限方向への前記電極チップの移動を、前記電極チップとの接触によって制限する第1制限部と、
    前記制限方向への前記スペーサの移動を、前記中心電極との接触によって制限する第2制限部とを、有する、
    スパークプラグの製造方法。
  2. 請求項に記載の製造方法であって、
    前記溶接工程では、前記接地電極の内側の側面上で前記電極チップを移動させ、該電極チップを、前記スペーサに押しつけながら前記溶接を行う、
    製造方法。
  3. 請求項1または請求項に記載の製造方法であって、
    前記溶接工程では、前記電極チップと前記接地電極との溶接を、抵抗溶接によって行い、
    前記溶接工程は、
    第1溶接電極を前記電極チップに接触させ、第2溶接電極を前記接地電極に接触させることによって、前記電極チップと前記接地電極とを、前記第1溶接電極と前記第2溶接電極とで挟む工程と、
    前記電極チップと前記接地電極とが互いに押し合うように荷重をかける工程と、
    前記荷重がかけられた状態で、前記第1溶接電極と前記第2溶接電極との間に電圧を印加する工程と、
    を含む、製造方法。
  4. 請求項に記載の製造方法であって、
    前記挟む工程では、前記第1溶接電極は、前記電極チップの、前記接地電極と対向する部分と、前記接地電極から突出している部分との両方と接触する、
    製造方法。
  5. 請求項または請求項に記載の製造方法であって、
    前記荷重をかける工程は、前記第1溶接電極に向かう荷重を前記第2溶接電極にかける工程を含む、
    製造方法。
  6. 請求項ないし請求項のいずれか一項に記載の製造方法であって、
    前記荷重をかける工程は、前記第2溶接電極に向かう荷重を前記第1溶接電極にかける工程を含む、
    製造方法。
  7. 請求項ないし請求項のいずれか一項に記載の製造方法であって、
    前記第1溶接電極は棒状の電極であり、
    前記挟む工程は、
    前記第1溶接電極の両端の間の部分を前記電極チップに接触させる工程と、
    前記第1溶接電極の両端を保持する工程と、
    を含む、製造方法。
  8. 請求項ないし請求項のいずれか一項に記載の製造方法であって、
    前記第1溶接電極は棒状の電極であり、
    前記挟む工程は、
    前記第1溶接電極の一端を前記電極チップに接触させる工程と、
    前記第1溶接電極の他端を保持する工程と、
    を含む、製造方法。
  9. 請求項ないし請求項のいずれか一項に記載の製造方法であって、
    前記溶接工程は、さらに、
    前記第1溶接電極を前記接地電極に対して相対的に移動させることによって、前記接地電極の前記電極チップが溶接されるべき位置と向かい合うように、前記第1溶接電極を配置する工程を含み、
    前記第1溶接電極を配置する工程は、前記軸線方向と交差する方向から、前記接地電極と向かい合う位置へ、前記第1溶接電極を相対的に移動させる工程を含む、
    製造方法。
  10. 請求項に記載の製造方法であって、
    前記軸線方向と交差する方向は、さらに、前記接地電極の前記他端部の延びる方向と交差する、
    製造方法。
  11. 請求項9または請求項10に記載の製造方法であって、
    前記第1溶接電極を配置する工程は、
    前記接地電極を固定する工程と、
    前記軸線方向と交差する方向から、前記接地電極と向かい合う前記位置へ、前記第1溶接電極を移動させる工程と、
    を含む、製造方法。
  12. 請求項9または請求項10に記載の製造方法であって、
    前記第1溶接電極を配置する工程は、
    前記第1溶接電極を固定する工程と、
    前記軸線方向と交差する方向から前記接地電極と向かい合う前記位置へ前記第1溶接電極が相対的に移動するように、前記接地電極を移動させる工程と、
    を含む、製造方法。
  13. 請求項1ないし請求項12のいずれか一項に記載の製造方法であって、さらに、
    前記軸線方向が鉛直下向きである状態で前記溶接工程が行われるように、前記接地電極の向きを設定する工程を含む、
    製造方法。
  14. 請求項1ないし請求項12のいずれか一項に記載の製造方法であって、さらに、
    前記軸線方向が鉛直上向きである状態で前記溶接工程が行われるように、前記接地電極の向きを設定する工程を含む、
    製造方法。
  15. 請求項1、または、請求項1のみを引用する請求項13に記載の製造方法であって、
    前記溶接工程では、レーザ溶接によって、前記電極チップと前記接地電極との溶接を行う、
    製造方法。
  16. 請求項1ないし請求項15のいずれか一項に記載の製造方法によって製造されたスパークプラグ。
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