JP4885837B2 - スパークプラグの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、中心電極との間で火花放電間隙を形成する針状の発火部を接地電極に設けたスパークプラグの製造方法に関するものである。
中心電極と対向する接地電極の他端部の内面(一面)に針状の発火部を設け、その発火部と中心電極との間で火花放電間隙を形成したスパークプラグが知られている。このような針状の発火部を有するスパークプラグでは、従来のものと比べ接地電極を火花放電間隙から遠ざけることができるため、火花放電間隙で形成される火炎核が、その成長過程の初期の段階において接地電極に接触しにくい。このため、火炎核が接地電極と接触して熱を奪われることによりその成長が阻害される、いわゆる消炎作用が低減されるので、スパークプラグの着火性を向上することができる。
このような発火部(チップ付き中間部材)として、貴金属部材(チップ)と中間部材とから構成し、中間部材側を接地電極に接合したスパークプラグが知られている(例えば特許文献1参照。)。さらに特許文献1では、中間部材の接地電極との接合面である底面(第2面)を貴金属部材との接合面である天面(第1面)よりも広くすることで溶接面積を広げ、接合強度の向上を図っている。これにより、発火部と接地電極との接合を汎用的な抵抗溶接で行えるようにしている。
ところで、貴金属部材と中間部材との接合は一般にレーザ溶接でなされるが、その接合部位に形成される溶融部は、一般的に、貴金属部材や中間部材に比べ強度が低い。このため、発火部を接地電極に抵抗溶接する際に、中間部材と接地電極との接合面同士を密接させるために必要な押圧力を、貴金属部材を介して中間部材に印加すると、溶融部において内部応力が高まり変形を生じたり、スパークプラグの使用に伴う冷熱負荷を受けた際に、残留する内部応力によってクラックや剥離等を生じたりする虞がある。これを防止するためには、特許文献1のように、天面よりも底面を広くする構成により設けられる鍔部(フランジ部)に対し押圧力を印加して、貴金属部材には押圧力がかからないようにしつつ、中間部材の底面と接地電極の内面とを密接させて抵抗溶接を行うとよい。
特開2004−134209号公報
しかしながら、特許文献1のように、抵抗溶接時に筒状の治具等を用いて中間部材の鍔部に押圧力を加えると、底面では、その周縁部において接地電極の内面に対する抗力が大きくなるが、中央部では抗力が小さい状態となる。このため治具を介して溶接電流を流すと、接地電極の内面と密接状態にある底面の周縁部で溶接電流が流れやすく、ここを起点に広がっていく形態で溶融部が形成され、溶接条件(溶接電流の大きさや流す時間など)によっては、周縁部から遠い中央部にて溶融部の形成されない部位が生ずる虞があった。特に、鍔部の剛性が低く押圧時に撓みが生ずるような状態では、底面の中央部において接地電極の内面に対し当接せず間隙を生ずる虞もあり、周縁部から内部に進行した酸化スケールがこうした溶融部の非形成部位に達すると酸化スケールが拡大し、クラックや剥離等を生ずる虞があった。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、貴金属部材と一体となった中間部材を接地電極に抵抗溶接する際の接合強度を高めることができるスパークプラグの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明のスパークプラグの製造方法は、中心電極と、軸線方向に沿って延びる軸孔を有し、その軸孔内で前記中心電極を保持する絶縁碍子と、当該絶縁碍子を周方向に取り囲んで保持する主体金具と、一端部が前記主体金具に接合され、他端部における自身の一面が前記中心電極の先端部に向き合うように屈曲され、前記中心電極との間で火花放電間隙を形成する接地電極と、当該接地電極の前記他端部における前記一面上で前記火花放電間隙の形成される位置に設けられ、前記一面から前記中心電極へ向けて突出する形態をなす発火部であって、自身の突出方向において、前記中心電極側に配置される貴金属部材、および当該貴金属部材と前記接地電極との間に配置される中間部材を互いに接合してなる発火部とを備えたスパークプラグを製造するためのスパークプラグの製造方法であって、前記発火部の前記中間部材は、前記貴金属部材との接合面である天面を含み、前記突出方向に沿って延びる柱状をなす柱部と、前記接地電極との接合面である底面を含み、前記柱部よりも径方向に拡径された鍔状をなす鍔部と、当該鍔部の前記底面の中央部にて前記突出方向に最も突出する頂部を有し、前記底面の一部もしくは全部が前記底面の縁部よりも前記突出方向に突出する形態をなす突部とを有すると共に、前記突出方向において前記頂部が前記縁部から突出する突出長さLが0.05≦L≦0.20[mm]を満たしつつ、前記突部のうち、前記頂部から前記突出方向に沿って0.05mmまでに含まれる部位の体積Vが0.002mm≦V≦0.025mmを満たし、且つ、前記突出方向に沿う自身の中心線を含む断面において、前記頂部を通り前記突出方向に沿う第1仮想線上の複数の位置における前記中間部材のビッカース硬さの平均値をHSとし、前記接地電極の幅方向の中心線を含む断面において、前記接地電極の厚み方向に沿う第2仮想線上の複数の位置における前記接地電極のビッカース硬さの平均値をHBとしたときに、40≦HS−HB≦240[HV]を満たすものであり、前記スパークプラグの製造過程において、この中間部材と、前記貴金属部材とを前記突出方向に重ねてレーザ溶接し、前記発火部を形成するレーザ溶接工程と、前記中間部材の前記突部を前記接地電極の前記一面側へ向けつつ前記鍔部を押圧し、前記発火部を前記一面上に配置する配置工程と、前記鍔部を介して前記中間部材と前記接地電極との間に溶接電流を流し、前記中間部材の前記底面を前記接地電極の前記一面に抵抗溶接する抵抗溶接工程とを有することを特徴とする。
また、請求項2に係る発明のスパークプラグの製造方法は、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記中間部材は、前記突出方向と直交する径方向において、前記鍔部が前記柱部の外周面の位置よりも突出する長さをAとし、前記突出方向における前記鍔部の厚みをBとしたときに、A/B≦3.0を満たすと共に、前記柱部と前記鍔部との境界線を通り前記突出方向に沿う仮想面にて前記鍔部が切り取られる断面上で前記突出方向の中央の位置をPEとし、その位置PEを通り、前記突出方向に直交する仮想平面が前記中間部材の中心線と交差する位置をPCとしたときに、位置PEにおける自身のビッカース硬さHEと、位置PCにおける自身のビッカース硬さHCとが1.0≦HE/HC≦1.3を満たすものであることを特徴とする。
また、請求項3に係る発明のスパークプラグの製造方法は、請求項1または2に記載の発明の構成に加え、前記中間部材は、Niを主成分とするNi合金からなることを特徴とする。
請求項1に係る発明のスパークプラグの製造方法では、貴金属部材と中間部材とを接合してなる発火部を接地電極に抵抗溶接するにあたり、接合面となる中間部材の底面を接地電極の一面に密接させるため、中間部材に設けた鍔部を押圧して、接地電極に対して発火部を押しつけている。これにより、貴金属部材に外部応力がかかることがなく、特に、貴金属部材と中間部材との接合部位に形成された溶融部において内部応力が高まることがないので、貴金属部材と中間部材との接合強度を維持することができる。
また、鍔部の押圧により、中間部材の底面では周縁部において接地電極の一面に対する抗力が大きくなるため、一面と周縁部との間は、一面と中央部との間よりもより密着した状態となる。このため、両者間の接触抵抗が小さくなり、溶接電流は周縁部側にて流れやすくなる一方で、中央部側では流れにくくなり、溶接に必要な発熱量が得られなくなると中央部側にて溶融部が形成されない部位が生ずる虞がある。請求項1に係る発明のスパークプラグでは、底面の中央部に、最も突出する頂部を有する突部が設けられているので、発火部と接地電極との接合の際には、接地電極の一面に対し中間部材の底面全体が当接する前に、まず突部が当接する形態となる。この状態で溶接電流が流れると、底面の周縁部が一面に当接する前に、突部の先端から溶融して溶融部が形成される形態となるので、底面において中央部から周縁部へ向けて溶融部が広がる形態となる。さらに、突部が溶融し、底面全体が接地電極の一面に当接した際には、上記のように、底面と一面とが密接状態となりやすい周縁部において溶融部が形成される。従って、溶融部の非形成部位を少なくすることができるので、発火部と接地電極との間での接合強度を高めることができる。
このように、発火部と接地電極との間での接合強度を高めるには、接合の過程において突部が確実に接地電極の一面と当接し、その突部を介して溶接電流が流れることが肝要である。そのためには突出方向において、底面の縁部を基準に頂部が突出する突出長さLが0.05mm以上となるように突部を突出させるとよい。このようにすれば、発火部と接地電極との接合の初期の段階で確実に突部を介して溶接電流を流すことができ、底面の中央部に確実に溶融部を形成させることができる。
もっとも、ただ突部を突出させるだけでなく、頂部から突出方向に0.05mmまでに含まれる突部の体積Vを0.002mm以上とすることも、上記同様、突部において溶接電流が流れにくくなるのを防止する上で望ましい。体積Vが0.002mm未満であると、発火部と接地電極との接合の初期の段階において突部がすぐに溶融してしまい、底面の中央部において十分な溶融部が形成される前に周縁部が接地電極と接触し、中央部における溶融部の形成が阻害されて、発火部と接地電極との接合強度の低下を招く虞がある。
一方、突部が大きすぎると抵抗溶接の際に突部が溶融しきれなくなり、底面の周縁部と一面との接触が難しくなって、底面全体でみたときの溶融部の形成が不十分となり、接合強度の低下を招く虞がある。これを防止するには、突出方向における突部の突出長さLを0.20mm以下とすることが望ましい。同様に、頂部から突出方向に0.05mmまでに含まれる突部の体積Vについても0.025mm以下とするとよい。このように突部の大きさを規定すれば、突部の溶融による底面の中央部において十分な大きさの溶融部を形成することができると共に、その中央部における溶融部の形成を妨げることなく周縁部においても溶融部を形成することができ、発火部と接地電極との接合強度を高めることができる。
また、中間部材のビッカース硬さの平均値HSと接地電極のビッカース硬さの平均値HBとの硬度差(HS−HB)を40HV以上とすれば、抵抗溶接の際に中間部材を接地電極に押し当てたとき、中間部材の突部側の一方的な変形を抑制することができる。この硬度差(HS−HB)が40HV未満であると、抵抗溶接の際に、底面の中央部において十分な溶融部が形成される前に突部が変形し、底面の周縁部と接地電極の一面が接触する虞がある。すると、底面の周縁部と一面との接触抵抗の低下に伴い、底面の周縁部側で溶接電流が流れやすくなる一方で中央部側では溶接電流が流れにくくなることから発熱量が不十分となり、中央部側での溶融部の形成が阻害されて、発火部と接地電極との間で十分な接合強度を得られなくなる虞がある。
一方、中間部材と接地電極との硬度差(HS−HB)が大きくなりすぎると、抵抗溶接の際に、中間部材の押圧と共に突部が接地電極の一面にめり込み、底面の突部を除く部位と一面とが接触しやすくなる。この状態で溶接電流が流れると、突部を介さずに溶接電流が流れる虞がある。これを防止するには、硬度差(HS−HB)を240HV以下とし、抵抗溶接の際に押圧力が加えられても、突部が接地電極の一面にめり込むことがないようにすればよい。
また、上記のように、配置工程において押圧される中間部材の鍔部の撓みを抑制するには、請求項2に係る発明によれば、鍔部が径方向に突出する径方向長さAと厚みBとの関係A/Bが、A/B≦3.0を満たすことが好ましい。A/Bが3.0より大きくなると鍔部の径方向長さAが長くなり、接合の際の押圧力によって、鍔部において柱部の外周を基準に外方へ突出する部分の根元に相当する部位にかかる応力が大きくなるので、その根元の部位より突出する部分にて鍔部が撓みやすくなる。これにより、発火部と接地電極との接合の初期の段階において底面の周縁部が接地電極の一面と接触し、中央部側での溶融部の形成が阻害され、発火部と接地電極との間で十分な接合強度を得られなくなる虞がある。
そして確実に鍔部の撓みを抑制するには、請求項2に係る発明によれば、上記に加え、鍔部の根元部分に相当する位置PEにおける中間部材の硬さ(ビッカース硬さ)HEと、鍔部の中央部分に相当する位置PCにおける中間部材の硬さ(ビッカース硬さ)HCとの関係HE/HCが、1.0≦HE/HC≦1.3を満たすことが好ましい。位置PEにおける硬さHEが位置PCにおける硬さHCよりも小さい場合、すなわち、HE/HCが1.0未満の場合、鍔部の上記した根元部分よりも径方向に突出する部分が、根元部分を基点に撓りやすくなる。そして発火部と接地電極との接合の初期の段階において底面の周縁部が接地電極の一面と接触すると、中央部側での溶融部の形成が阻害され、発火部と接地電極との間で十分な接合強度を得られなくなる虞がある。
よって硬さHEは硬さHCよりも大きいとよいが、硬度差が大きくなってHE/HCが1.3より大きくなると、底面の中央部において底面の凹みや突部の潰れを生ずる虞がある。するとその中央部において底面と接地電極の一面との間で十分な抗力が生じず、溶接電流が周縁部と比べて流れにくくなるので溶融部の形成されない部位が生じ、発火部と接地電極との接合強度が低下する虞がある。
また、請求項3に係る発明のように、中間部材を、Niを主成分とするNi合金から形成することで、一般にNi合金から形成される接地電極との接合性を高めることができるので、レーザ溶接よりも加工の手間がかからない抵抗溶接であっても十分な接合強度を得ることができる。なお、本発明において「主成分」とは、その成分が、含有される全成分のうち最も含有量(重量%)の高い成分であるものをいう。
以下、本発明を具体化したスパークプラグの製造方法の一実施の形態について、図面を参照して説明する。まず、図1〜図3を参照し、一例として、本製造方法によって製造されるスパークプラグ100の構造について説明する。図1は、スパークプラグ100の部分断面図である。図2は、スパークプラグ100の火花放電間隙GAP付近を拡大してみた断面図である。図3は、発火部70付近の断面図である。なお、図1,図2において、スパークプラグ100の軸線O方向を図面における上下方向とし、下側をスパークプラグ100の先端側、上側を後端側として説明する。
図1に示すように、スパークプラグ100は、概略、絶縁碍子10の軸孔12内の先端側に中心電極20を保持し、後端側に端子金具40を保持し、さらにその絶縁碍子10を主体金具50で周方向に取り囲んで保持した構造を有する。また、主体金具50の先端面57には接地電極30が接合されており、その他端部(先端部31)側が中心電極20の先端部22と向き合うように屈曲されて、中心電極20との間で火花放電間隙GAPを形成している。
まず、このスパークプラグ100の絶縁碍子10について説明する。絶縁碍子10は周知のようにアルミナ等を焼成して形成され、軸中心に軸線O方向へ延びる軸孔12が形成された筒形状を有する。軸線O方向の略中央には外径が最も大きな鍔部19が形成されており、それより後端側(図1における上側)には後端側胴部18が形成されている。鍔部19より先端側(図1における下側)には後端側胴部18よりも外径の小さな先端側胴部17が形成され、更にその先端側胴部17よりも先端側に、先端側胴部17よりも外径の小さな脚長部13が形成されている。脚長部13は先端側ほど縮径されており、スパークプラグ100が内燃機関のエンジンヘッド(図示外)に取り付けられた際には、その燃焼室内に曝される。また、脚長部13と先端側胴部17との間は段部15として段状に形成されている。
次に、中心電極20について説明する。中心電極20は、インコネル(商標名)600または601等のNiまたはNiを主成分とする合金から形成された母材24の内部に、その母材24よりも熱伝導性に優れる銅または銅を主成分とする合金からなる芯材25を埋設した構造を有する棒状の電極である。中心電極20は絶縁碍子10の軸孔12内の先端側に保持されており、図2に示すように、その先端部22が、絶縁碍子10の先端よりも先端側に突出されている。中心電極20の先端部22は先端側に向かって径小となるように形成されており、その先端部22の先端面には、耐火花消耗性を向上するため貴金属からなる電極チップ90が接合されている。
この中心電極20は、図1に示すように、軸孔12内で軸線O方向に沿って延設される導電性のシール体4およびセラミック抵抗3を経由して、後方(図1における上方)の端子金具40と電気的に接続されている。スパークプラグ100の使用時に、この端子金具40には高圧ケーブル(図示外)がプラグキャップ(図示外)を介して接続され、高電圧が印加されるようになっている。
次に、主体金具50について説明する。主体金具50は、内燃機関のエンジンヘッド(図示外)にスパークプラグ100を固定するための円筒状の金具であり、絶縁碍子10を、その後端側胴部18の一部から脚長部13にかけての部位を取り囲むようにして、内部に保持している。主体金具50は低炭素鋼材より形成され、図示外のスパークプラグレンチが嵌合する工具係合部51と、エンジンヘッドの取付孔(図示外)に螺合するねじ山が形成された取付ねじ部52とを備えている。
また、主体金具50の工具係合部51と取付ねじ部52との間には鍔状のシール部54が形成されている。そして、取付ねじ部52とシール部54との間のねじ首59には、板体を折り曲げて形成した環状のガスケット5が嵌挿されている。ガスケット5は、スパークプラグ100をエンジンヘッドの取付孔(図示外)に取り付けた際に、シール部54の座面55と取付孔の開口周縁との間で押し潰されて変形し、両者間を封止することで、取付孔を介したエンジン内の気密漏れを防止するものである。
主体金具50の工具係合部51より後端側には薄肉の加締部53が設けられ、シール部54と工具係合部51との間には、加締部53と同様に薄肉の座屈部58が設けられている。そして、工具係合部51から加締部53にかけての主体金具50の内周面と絶縁碍子10の後端側胴部18の外周面との間には円環状のリング部材6,7が介在されており、更に両リング部材6,7間にタルク(滑石)9の粉末が充填されている。加締部53を内側に折り曲げるようにして加締めることにより、リング部材6,7およびタルク9を介し、絶縁碍子10が主体金具50内で先端側に向け押圧される。これにより、主体金具50の内周で取付ねじ部52の位置に形成された段部56に、環状の板パッキン8を介し、絶縁碍子10の段部15が支持されて、主体金具50と絶縁碍子10とが一体となる。このとき、主体金具50と絶縁碍子10との間の気密性は板パッキン8によって保持され、燃焼ガスの流出が防止される。また、座屈部58は、加締めの際に、圧縮力の付加に伴い外向きに撓み変形するように構成されており、タルク9の軸線O方向の圧縮長を長くして主体金具50内の気密性を高めている。
次に、接地電極30について説明する。接地電極30は、断面矩形の棒状に形成した電極であり、中心電極20と同様に、インコネル(商標名)600または601等のNiまたはNiを主成分とする合金からなる。図2に示すように、一端部(基端部32)を主体金具50の先端面57に接合し、軸線O方向に沿って延びつつ屈曲部34にて折り曲げられ、他端部(先端部31)において、自身の一面(内面33)が中心電極20の先端部22と向き合う形態をなす。この接地電極30の先端部31と、中心電極20の先端部22との間で火花放電間隙GAPを形成している。
この接地電極30の先端部31における内面33で、その火花放電間隙GAPが形成された位置には、その先端部22へ向けて内面33から針状に突出する形態をなす発火部70が設けられている。発火部70は、接地電極30からの突出方向(本実施の形態では軸線O方向)に沿って重ねて接合された中間部材75と貴金属部材71とから構成される。
図3に示す中間部材75は、Niを主成分とするNi合金から形成され、円柱状をなす柱部76と、その柱部76より接地電極30側に、径方向に拡径した鍔状をなす鍔部77とが形成されている。鍔部77は接地電極30との接合面(図中点線で示す底面80)を含み、中間部材75と接地電極30とは抵抗溶接によって接合されている。なお、底面80は、抵抗溶接によって接地電極30の内面33と共に溶けて混ざり溶融部73を形成するため、接合後にその形状を確認することは難しく、図3では点線で示している。また、底面80の中央部83には底面80から円柱状の突部78が突出形成されており、突部78の形成位置付近における確実な溶融部73の形成を担っている。この突部78付近における溶融部73の形成過程については後述する。
次に、貴金属部材71は、耐火花消耗性の高い貴金属を主成分とする部材から円柱状に形成されたものであり、中間部材75の柱部76の鍔部77とは反対側の接合面(天面79)に接合されている。中間部材75と貴金属部材71との接合は、両者の接合面(合わせ面)付近を狙ったレーザ溶接(あるいは電子ビーム溶接)によって行われ、溶接部位には、両者を構成する成分が溶け合い混ざった溶融部72が形成されている。図2に示すように、この発火部70が火花放電間隙GAPに設けられることにより、火花放電時には、中心電極20の電極チップ90と発火部70の貴金属部材71との間で火花放電が行われる。なお、火花放電間隙GAPは、中心電極20と接地電極30との間にて火花放電が行われる部位をいうが、本実施の形態のようにそれぞれに電極チップ90や発火部70を設けた場合、主に両者の間で火花放電が行われる。よって狭義には、電極チップ90と発火部70との間の間隙を指す場合もある。
このような構成のスパークプラグ100では、上記のように、貴金属部材71と中間部材75とをレーザ溶接により接合してなる発火部70が、接地電極30の内面33に、その内面33から針状に突出するように抵抗溶接されている。その抵抗溶接の過程では、発火部70の底面80と接地電極30の内面33との間に確実に溶融部が形成されるようにするため、接地電極30に対し発火部70を押しつけつつ溶接電流が流される。その際に、貴金属部材71を介して中間部材75を押圧すると溶融部72に負荷(外部応力)がかかるので、これを防止するため、本実施の形態では中間部材75に設けた鍔部77に治具150(図7参照)を当て、貴金属部材71には非接触の状態で接地電極30への押圧を行っている。
以下、図3〜図7を参照し、発火部70を接地電極30に接合する過程を中心にスパークプラグ100の製造方法について説明する。図4は、レーザ溶接工程を示す図である。図5は、配置工程を示す図である。図6は、抵抗溶接工程において、溶融部73が形成され始める様子を示す図である。図7は、抵抗溶接工程において、溶融部73の形成が進行する様子を示す図である。なお、スパークプラグ100を製造する過程については公知であるため、ここでは発火部70を接地電極30に接合する過程について詳細に説明し、その他の過程については説明を簡略化あるいは省略する。
スパークプラグ100の製造過程では、主体金具50の原形となる筒状でねじ無しの金具中間体(図示外)が形成され、その先端面57に屈曲部34が形成される前の状態の接地電極30の基端部32が接合される。そして取付ねじ部52にねじ山が転造され、メッキ処理が施される。なお、メッキ処理後に、発火部70の接合が予定されている接地電極30の先端部31における内面33のメッキを除去する処理が施される場合もある。
また、別工程において作製された、中心電極20および端子金具40が組み付けられた状態の絶縁碍子10が、接地電極30と一体の主体金具50の筒孔内に挿通されて、加締め保持される。
一方、発火部70を構成する貴金属部材71は、貴金属を主成分とする部材を細長い棒状に成形し、所定の長さに切断することで形成される。また、中間部材75は、Ni合金にヘッダー加工を施し、柱部76、鍔部77および突部78を形成することにより作製される。
[レーザ溶接工程]
そして図4に示すように、中間部材75の天面79上に貴金属部材71を配置した状態で治具(図示外)により保持し、中間部材75の中心線Qを軸に両者を回転(図中矢印Cで示す。)させつつ、両者の合わせ面を狙ってレーザ光を照射し(図中矢印Dで示す。)、溶融部72を形成する。これにより、貴金属部材71と中間部材75とが一体となった発火部70が形成される。
[配置工程]
次に、図5に示すように、主体金具50と一体となった接地電極30の先端部31における内面33で、スパークプラグ100としての完成時に火花放電間隙GAPが形成される位置(図2参照)に、発火部70が配置される。中間部材75の中心線Qが接地電極30との接合後の突出方向に沿う向きに、底面80が接地電極30の内面33と向かい合わされ、その底面80より突出する突部78が内面33に当接される。さらに円筒状の治具150の先端周縁部が鍔部77に当接され、その治具150によって接地電極30へ向けて押しつけられることで(図中矢印Eで示す。)、発火部70が接地電極30の内面33上に配置される。
[抵抗溶接工程]
そして図6に示すように、治具150による中間部材75の鍔部77を介した発火部70の押圧力が所定の大きさを超えたら治具150から接地電極30へ溶接電流が流される(図中矢印Fで示す。)。接地電極30の内面33と中間部材75の突部78との接触点において発熱が生じ、溶融部73が形成される。溶融部73の形成に伴い突部78が溶けて次第に小さくなり、また治具150による押圧が継続されるため、中間部材75の底面80は接地電極30の内面33に近づいていく。なお、治具150は水冷等により冷却されており、治具150と鍔部77との接触部位では十分な発熱量が得られないので溶融は生じない。そして図7に示すように、底面80が内面33に接触すると、その接触部位、すなわち突部78以外の部位においても溶接電流が流れ(図中矢印Gで示す。)、発熱が生じて溶融部73が形成される。
もっとも、底面80の周縁部84側ほど治具150の押圧に伴う撓みによって内面33との接触がより早く生じ、溶融部73を形成するのに必要な発熱量に達しやすい。よって溶融部73の形成は、底面80において周縁部84側から中央部83側へ向けて広がるように生ずる。その一方で、先に溶融部73が形成された、底面80の中央部83側から周縁部84側へ向けて溶融部73の形成が広がっていく。このため抵抗溶接の終了時には、図3に示したように、底面80の全体に溶融部73が広がって形成され、発火部70と接地電極30との接合は強固になされる。また、底面80の全体に溶融部73が形成されなくとも、少なくとも周縁部84と中央部83において溶融部73が形成されるため、溶融部73の非形成部位の大きさが小さく、発火部70と接地電極30との接合は強固になされる。
そして図2に示すように、接地電極30の先端部31における内面33が中心電極20の先端部22に向き合うように屈曲部34が屈曲され、火花放電間隙GAPが形成されてスパークプラグ100が完成する。
このように、スパークプラグ100の製造過程における抵抗溶接工程では、発火部70の中間部材75の構成成分と接地電極30の構成成分とが溶け合い混ざった溶融部73が形成される。その際に、底面80の周縁部84のみならず中央部83においても確実に溶融部73を形成させ、発火部70と接地電極30との接合がより強固になされるように、本実施の形態では、中間部材75の形状や大きさ、硬さ(ビッカース硬さ)について、各種規定を設けている。以下、図8を参照し、中間部材75等に設けられた各種規定について説明する。図8は、発火部70と接地電極30とを接合する前の状態における各部位の形状について説明するため、それらの断面を見た分解斜視図である。
図8に示すように、貴金属部材71や接地電極30との接合前の中間部材75は、上記のように、鍔部77が底面80を含み、その底面80の中央部83に、突部78が形成されている。本実施の形態では、突部78のうち最も突出方向に突出する部位を頂部81としたとき、底面80の縁部82を基準にその頂部81が突出する突出長さLが、0.05≦L≦0.20[mm]を満たすことを規定している。なお、縁部82は、突出方向に沿って底面80を見たときの縁となる部位であり、この場合、底面80の輪郭線に相当する部位である。
突出長さLが0.05mmより小さいと、治具150によって鍔部77が押圧された際に、その撓り具合によっては突部78と共に周縁部84が接地電極30の内面33に接触する場合がある。さらに、治具150に押圧された周縁部84と内面33との接触抵抗が、突部78と内面33との接触抵抗よりも小さくなりやすい。すると周縁部84側で溶接電流が流れやすくなり、突部78側には十分な大きさの電流が流れず、溶接に必要な発熱量が得られなくなる虞がある。そして溶融部73が主に底面80の周縁部84で形成され、中央部83では溶融部73が非形成となると、発火部70と接地電極30との十分な接合強度が得られなくなる虞がある。また、溶融部73の非形成部位が大きいと、酸化腐食が生じたときその非形成部位を介して広がりやすく、接合強度を低下させる虞がある。
一方、突出長さLが0.20mmより大きいと突部78の大きさが大きくなるため、抵抗溶接工程において突部78が十分に溶融しきれなくなる虞が生ずる。すると、中間部材75の底面80と接地電極30の内面33とが十分に密接することができなくなり、周縁部84などで溶融部73の形成が不十分となって、接合強度が低下する虞がある。
また、突部78の体積も溶融部73の形成具合に影響を与えるため、本実施の形態では、突部78の頂部81から突出方向へ0.05mmまでに含まれる部位の体積Vが、0.002mm≦V≦0.025mmを満たすことを規定している。体積Vが0.002mm未満では、突部78が比較的早い段階で溶融してしまい、底面80の中央部83にて十分な大きさの溶融部73が形成される前に周縁部84にて溶接電流が流れやすくなり、中央部83において十分な接合強度が得られなくなる虞がある。一方、体積Vが0.025mmより大きいと、突部78が十分に溶融しきれず、周縁部84などで底面80と内面33とが密接し難くなって溶融部73の形成が不十分となり、接合強度が低下する虞がある。
また、抵抗溶接の際に、治具150により鍔部77を介して押圧力を与え、突部78を接地電極30の内面33に押し当てることとなるため、突部78の変形を抑制するには、中間部材75の硬さは接地電極30の硬さよりも大きいことが好ましい。具体的に、中間部材75のビッカース硬さの平均値をHSとし、接地電極30のビッカース硬さの平均値をHBとしたとき、硬度差(HS−HB)が、40≦HS−HB≦240[HV]を満たすことが好ましい。
なお、中間部材75の平均の硬さHSは、以下のように求める。図8に示すように、中間部材75の中心線Qを含む断面において、突部78の頂部81を通り突出方向と平行な第1仮想線Xを想定する。この第1仮想線Xを6等分し、5つの等分点S1,S2,S3,S4,S5を定める。そして各等分点S1〜S5においてそれぞれ中間部材75のビッカース硬さを測定し、それらの平均値を算出することで、中間部材75の平均の硬さHSを求める。
また、接地電極30の平均の硬さHBについても同様である。接地電極30の内面33(接地電極30の長手方向における内向きの面)上で、接地電極30の長手方向と直交する方向を幅方向とし、その幅方向の中心線Rを得る。次に、中心線Rを含み、内面33と直交する接地電極30の断面において、中心線Rと直交する方向を、接地電極30の厚み方向とする。そして、接地電極30のその断面上で、厚み方向と平行な第2仮想線Yを想定する。この第2仮想線Yを6等分し、5つの等分点T1,T2,T3,T4,T5を定め、各等分点T1〜T5においてそれぞれ接地電極30のビッカース硬さを測定し、それらの平均値を算出することで、接地電極30の平均の硬さHBを求める。
このようにして求めた平均の硬さHS,HBから、その差分を硬度差として算出する。硬度差(HS−HB)が40HV未満であると、抵抗溶接の際に、底面80の中央部83において十分な溶融部73が形成される前に突部78が変形し、底面80の周縁部84と接地電極30の内面33が接触する虞がある。すると、底面80の周縁部84と内面33との接触抵抗の低下に伴い、底面80の周縁部84側で溶接電流が流れやすくなる。その一方で、中央部83側では溶接電流が流れにくくなることから発熱量が不十分となり、中央部83での溶融部73の形成が阻害されて発火部70と接地電極30との間で十分な接合強度を得られなくなる虞がある。
一方、中間部材75と接地電極30との硬度差(HS−HB)が大きくなりすぎると、抵抗溶接の際に、中間部材75の押圧と共に突部78が接地電極30の内面33にめり込み、底面80の突部78を除く部位と内面33とが接触しやすくなる。この状態で溶接電流が流れると、突部78を介さずに溶接電流が流れる虞がある。治具150による鍔部77の押圧で、底面80の周縁部84と内面33との接触抵抗が小さくなるため、周縁部84側で溶接電流が流れやすくなる。その一方で、中央部83側では溶接電流が流れにくくなることから発熱量が不十分となり、溶融部73の形成が阻害され、上記同様、発火部70と接地電極30との間で十分な接合強度を得られなくなる虞がある。これを防止するには、硬度差(HS−HB)を240HV以下とし、抵抗溶接の際に押圧力が加えられても、突部78が接地電極30の内面33にめり込むことがないようにすればよい。
また、抵抗溶接の際に、突部78が溶融して底面80の中央部83に溶融部73が形成されるが、その過程で治具150によって押圧される鍔部77が撓むと、底面80の周縁部84が接地電極30の内面33に接触しやすくなる。上記のように硬さや突部78の大きさなどが狙いの範囲にあっても、鍔部77の撓みを抑制できないと、発火部70と接地電極30との間で十分な接合強度が得られない。そこで本実施の形態では、鍔部77が柱部76の外周面85の位置よりも径方向に突出する径方向長さAと、その鍔部77の厚みBとの関係A/Bが、A/B≦3.0を満たすことを規定している。
また、図8に示すように、柱部76と鍔部77との境界線を通り突出方向に沿う仮想面によって切り取られる鍔部77の断面において、突出方向の中央の位置を、鍔部77の径方向に突出する部分の根元に相当する位置PEとする。そして位置PEを通り突出方向と直交する仮想平面Zを想定し、その仮想平面Zが中間部材75の中心線Qと交差する位置を、鍔部77の中央に相当する位置PCとする。このとき、上記した鍔部77の径方向長さAと厚みBとの関係に加え、位置PEにおける中間部材75のビッカース硬さHEと、位置PCにおける中間部材75のビッカース硬さHCとの関係HE/HCが、1.0≦HE/HC≦1.3を満たすことを規定している。
鍔部77の厚みBがより薄く、または径方向長さAがより大きくなれば、抵抗溶接時の治具150の押圧により鍔部77の径方向に突出する部分が撓みやすくなる。厚みBに対する径方向長さA(A/B)が3.0より大きくなると、抵抗溶接工程の初期の段階で鍔部77の撓みによって底面80の周縁部84が接地電極30の内面33と接触する虞がある。すると上記同様、中央部83側での溶融部73の形成が阻害され、発火部70と接地電極30との間で十分な接合強度を得られなくなる虞がある。
また、鍔部77の径方向に突出する部分の根元に相当する位置PEの硬さHEが、鍔部77の中央に相当する位置PCの硬さHCよりも小さく、すなわちHE/HCが1.0未満であると、鍔部77の径方向に突出する部分が、根元を起点に撓りやすくなる。抵抗溶接工程の初期の段階で、鍔部77のその撓りによって底面80の周縁部84が接地電極30の内面33と接触すれば、上記同様、中央部83側での溶融部73の形成が阻害され、発火部70と接地電極30との間で十分な接合強度を得られなくなる虞がある。
従って、位置PEの硬さHEが位置PCの硬さHCよりも大きいとよいが、硬度差が大きくなってHE/HCが1.3より大きくなると、抵抗溶接工程において、底面80の中央部83において底面80の凹みや突部78の潰れを生ずる虞がある。するとその中央部83において底面80と接地電極30の内面33との間で十分な抗力が生じず、溶接電流が周縁部84と比べて流れにくくなるので溶融部73の形成されない部位が生じ、発火部70と接地電極30との接合強度の低下を招く虞がある。
このように、中間部材75の形状や大きさ、硬さについて各種規定を設けることで、発火部70と接地電極30とを抵抗溶接により接合するにあたって底面80全体に、あるいは少なくとも周縁部84および中央部83に溶融部73を形成することができる。これにより、発火部70と接地電極30との接合を強固なものとすることができる。
なお、本発明は各種の変形が可能なことはいうまでもない。例えば、中間部材75の突部78は、本実施の形態では円柱状の突起としたが、底面80の中央部83において最も突出する頂部81を有する形態であればよい。例えば図9に示す、中間部材175のように、突部178が頂部181を頂点とし、底面180の縁部182を底辺とする円錐状をなしてもよく、頂部181が底面180の中央部183にあれば足りる。突部178は、この中間部材175のように鍔部177に含まれる底面180全体により構成されてもよいし、あるいは本実施の形態の突部78をそのまま円錐状にしたものであってもよい。また、図10に示す、中間部材275のように、突部278が縁部282を基準に頂部281で最も突出する球状をなしてもよく、この場合も頂部281が底面280の中央部283にあればよい。この中間部材275においても同様に、突部278が鍔部277に含まれる底面280全体により構成され、鍔部277と突部278とがシームレスに形成されてもよい。もちろん、鍔部277が、中間部材175の鍔部177のように、ある程度厚みを確保した上で、突部278が突出する形態であってもよい。
また、中間部材75の柱部76は円柱状をなすとしたが、必ずしもその外径は一定でなくともよく、また、その形状も円柱に限るものではない。例えば図11に示す、中間部材375のように、柱部376の外径が、突出方向に鍔部377から遠ざかるにつれて縮径するものであってもよい。こうした場合に鍔部377の径方向に突出する部分の根元に相当する位置PEを求めるには、柱部376と鍔部377との境界線を通り突出方向に沿う仮想面によって切り取られる鍔部377の断面において、突出方向の中央の位置をPEとすればよい。
また、本実施の形態では、接地電極30の内面33が中心電極20と向き合って火花放電間隙GAPを形成する形態であり、その内面33を、本発明における「一面」に相当するものとして発火部70を設けたが、「一面」は、必ずしも接地電極30の屈曲された内向きの面を指すものではなく、接地電極30の外表面上で、中心電極20との間で火花放電間隙GAPを形成する位置における面であればよい。例えば、図12に示す、スパークプラグ400のように、中心電極20に接合された電極チップ490が軸線O方向に沿って長く延びる形態のものであり、接地電極430の先端部431がその電極チップ490に向かうように屈曲された形態のものであれば、火花放電間隙GAPは、接地電極430の先端側の端面433と電極チップ490との間で形成されることとなる。このような場合、火花放電間隙GAPを構成する接地電極430の端面433を「一面」として捉え、その端面433に発火部470を設ければよい。
また、スパークプラグ100の製造過程では、主体金具50に絶縁碍子10を組み付けた状態で、接地電極30の先端部31における内面33に発火部70を接合したが、主体金具50への絶縁碍子10の組み付け前に配置工程および抵抗溶接工程を行って発火部70を接地電極30に接合してもよい。その後、主体金具50に絶縁碍子10を組み付けて、さらに屈曲部34を屈曲して火花放電間隙GAPを形成し、スパークプラグ100を完成させればよい。
このように、中間部材75の形状や大きさ、硬さについて各種規定を設けたことで、発火部70と接地電極30との接合強度の向上を図れることについて確認するため、以下の評価試験を行った。
[実施例1]
まず、突部の突出長さLの大きさと、発火部および接地電極の接合強度との関係について確認するため、評価試験を行った。この評価試験を行うにあたって、Ni合金を用い、突部の形状の異なる30種の中間部材のサンプルを作製した。サンプル11〜16は、突部の外径をφ0.2mmとし、突出長さLを順に0.02,0.05,0.10,0.15,0.20,0.25[mm]とした。また、サンプル21〜26,31〜36,41〜46,51〜56についても同様に、それぞれ突部の外径をφ0.3mm,φ0.5mm,φ0.8mm,φ0.9mmとし、突出長さLを0.02〜0.25[mm]の範囲で適宜変更した。いずれのサンプルも、鍔部の外径をφ1.4mm、鍔部の厚みBを0.15mm、柱部の外径をφ0.75mmとし、平均の硬さ(ビッカース硬さ)HSが380HVとなるようにヘッダー加工により作製した。
そして前述した製造過程に従って各サンプルと貴金属部材とを接合して発火部を作製し、試験用の接地電極に抵抗溶接で接合した。なお、接地電極には、平均の硬さ(ビッカース硬さ)HBが160HVとなるように形成したものを用いた。本評価試験は発火部と接地電極との接合状態について評価を行うものであり、スパークプラグとして完成させたもので評価試験を行ってもよいが、ここでは単体の接地電極に発火部を接合したものを用いて評価試験を行った。この試験用の接地電極に取り付けた各サンプルをバーナーで1050℃に加熱し、2分間保持した後、常温まで自然冷却を行った。これを1サイクルとして1000サイクルの冷熱試験を行った。
この冷熱試験後に、図13に示すように、各サンプルを、その中心線Qを通る断面で切断し、拡大鏡を用い、発火部570と接地電極530との間の溶融部573の観察を行った。断面における溶融部573を観察し、酸化によるクラックや剥離等が発生しなかった部位(すなわち冷熱試験に耐えることのできた部位)の長さbを、発火部の突出方向と直交する方向において測定した。対象箇所が断続している場合には、各対象箇所の長さ(b1,b2,b3)をそれぞれ測定し、合計した(b=b1+b2+b3)。さらに、発火部570と接地電極530との接合面全体の長さa(中間部材575の鍔部577の外径を、接合面全体の長さaとみなしてもよい。)を測定し、接合面全体の長さaから剥離等が発生しなかった部位の長さbを差し引いたもの(a−b)を酸化スケールが生じた部位の大きさとみなし(発火部570と接地電極530との間で溶融部573を形成できなかった部位も含まれる。)、接合面全体の長さaに対する酸化スケールの大きさの割合{(a−b)/a}×100[%]を求めた。
酸化スケールの大きさの割合が10%未満であるものは、発火部と接地電極との間において溶融部が適切に形成され、剥離やクラック等の発生や拡大を十分に抑制でき、高い接合強度を得られる優良なものとして◎と評価した。酸化スケールの大きさの割合が10%以上50%未満であるものは、溶融部の形成が適切であり、剥離やクラック等が生じたとしても発火部と接地電極との接合状態を維持可能であり、十分な接合強度を得られる良好なものとして○と評価した。酸化スケールの大きさの割合が50%以上のものは、溶融部の形成が不十分であり、あるいは溶融部に生じた剥離やクラック等が拡大し、発火部と接地電極との接合状態を維持するのは難しく、十分な接合強度が得られない、望ましくないものとして×と評価した。この評価試験の結果を表1に示す。また、突部の突出長さLと酸化スケールの大きさの割合との関係に着目し、これをグラフ化したものを図14に示す。さらに、頂部から突出方向に0.05mmの長さに含まれる突部の体積V(0.05mm切取り体積V)と酸化スケールの大きさの割合との関係に着目し、これをグラフ化したものを図15に示す。
Figure 0004885837
表1および図14に示すように、突部の突出長さLに着目すると、突部の外径の違いに関わらず、0.05mm〜0.20mmの範囲にて酸化スケールの大きさの割合が減少し、それらの範囲外では酸化スケールの大きさの割合が増加する傾向がみられた。具体的に、突出長さLが0.02mmのサンプル11,21,31,41,51や突出長さLが0.25mmのサンプル16,26,36,46,56は、いずれも酸化スケールの大きさの割合が50%以上となった。
さらに、表1および図15に示すように、突部の0.05mm切取り体積Vに着目すると、0.025mmを超えると、突部の突出長さLが0.05mm〜0.20mmの範囲にあっても酸化スケールの大きさの割合が50%以上となった。具体的に、0.05mm切取り体積Vが0.025mm以下のサンプル12〜15,22〜25,32〜35,42〜45は、いずれも酸化スケールの大きさの割合が50%未満であった。これに対し、0.05mm切取り体積Vが0.025mmより大きな0.032mmであるサンプル52〜55は、酸化スケールの大きさの割合が50%以上となった。
また、0.05mm切取り体積Vが0.010mm以下で、突出長さLが0.10mm〜0.15mmのサンプル13,14,23,24,33,34では、酸化スケールの大きさの割合が10%未満となり、十分な接合強度を得られることがわかった。
[実施例2]
次に、突部の形状と、発火部および接地電極の接合強度との関係について確認するため、評価試験を行った。この評価試験では、本実施の形態で例示した、突部の形状が円柱状(図8参照)の中間部材のサンプル61〜66,71〜76と、変形例として説明した、突部の形状が球状(図10参照)の中間部材のサンプル81〜85と、突部の形状が円錐状(図9参照)の中間部材のサンプル91〜97とを用意した。サンプル61〜66は突部の突出長さLを0.10mmとし、サンプル71〜76は突部の突出長さLを0.20mmとし、共にその外径をφ0.2〜1.0[mm]の範囲で適宜変更したものである。また、サンプル81〜85は、図10に示すように、球状をなす突部278の頂部281が、底面280の端部282を基準に突出方向に延びる長さを突出長さLとして、0.10〜0.75[mm]の範囲で適宜変更したものである。サンプル91〜97も同様に、図9に示すように、円錐状をなす突部178の頂部181が、底面180の縁部182を基準に突出方向に延びる長さを突出長さLとして、0.05〜0.75[mm]の範囲で適宜変更したものである。
各中間部材のサンプルのその他の部位の大きさについては、実施例1と同様に、鍔部の外径をφ1.4mm、鍔部の厚みBを0.15mm(突部が球状のサンプル81〜85は除く。)、柱部の外径をφ0.75mmとした。また、各サンプルは、平均の硬さ(ビッカース硬さ)HSが380HVとなるようにヘッダー加工により作製した。さらに実施例1と同様に、平均の硬さ(ビッカース硬さ)HBが160HVとなるように形成した試験用の接地電極に、各サンプルと貴金属部材とを接合した発火部を抵抗溶接で接合し、バーナーで1050℃に加熱し、2分間保持した後、常温まで自然冷却を行う1サイクルの冷熱試験を1000サイクル行った。この冷熱試験後に各サンプルの溶融部の観察を行い、酸化スケールの大きさの割合を求め、上記同様、10%未満は優良として◎、10%以上50%未満は良好として○、50%以上は望ましくないとして×と評価した。この評価試験の結果を表2に示す。また、頂部から突出方向に0.05mmの長さに含まれる突部の体積V(0.05mm切取り体積V)と酸化スケールの大きさの割合との関係に着目し、これをグラフ化したものを図16に示す。
Figure 0004885837
表2および図16に示すように、突部が円柱状のサンプル61〜66,71〜76では、突部の外径を大きくし、0.05mm切取り体積Vが大きくするに従って、酸化スケールの大きさの割合が増加する傾向がみられた。具体的に、0.05mm切取り体積Vが0.025mm以下の範囲に含まれるサンプル61〜64,71〜74では、酸化スケールの大きさの割合が50%未満となった。一方、突部が球状のサンプル81〜85は、突部の外周面がそのまま底面全体を構成するため、突部が円柱状のもののように、底面の突部と突部を除く部位との間に段差がなく、また、突部が円柱状のものと比べ、突出長さLの変化に対する0.05mm切取り体積Vの変化が小さい。0.05mm切取り体積Vが0.023mm以下の範囲において、酸化スケールの大きさの割合は50%未満となり、特に、0.05mm切取り体積Vが0.008〜0.023[mm]の範囲を満たすサンプル83〜85では、酸化スケールの大きさの割合が10%未満となった。そして、突部が円錐状のサンプル91〜97は、球状のものと同様に、突部の外周面がそのまま底面全体を構成するため底面との段差がない。しかし頂部が尖った形状となるため、突出長さLの変化に対する0.05mm切取り体積Vの変化が大きい。0.05mm切取り体積Vが0.002〜0.029[mm]以下の範囲において、酸化スケールの大きさの割合は50%未満となったものの、0.002mm未満では酸化スケールの大きさの割合が50%以上となった。
[実施例3]
次に、中間部材の硬さと接地電極の硬さとの関係について確認するため、評価試験を行った。この評価試験で用意した中間部材のサンプル101〜107は、その形状や寸法を、実施例1の評価試験で優良と評価された中間部材のサンプル23と同一にした。そして各サンプル作製時に行うヘッダー加工において、図8で説明した5つの等分点S1〜S5において測定されるビッカース硬さの平均値HSが、175〜415[HV]の範囲で異なる値になるように調整した。
さらに実施例1と同様に、平均の硬さ(ビッカース硬さ)HBが160HVとなるように形成した試験用の接地電極に、各サンプルと貴金属部材とを接合した発火部を抵抗溶接で接合し、バーナーで1050℃に加熱し、2分間保持した後、常温まで自然冷却を行う1サイクルの冷熱試験を1000サイクル行った。この冷熱試験後に各サンプルの溶融部の観察を行い、酸化スケールの大きさの割合を求め、上記同様に優良だったものを◎、良好だったものを○、望ましくなかったものを×と評価した。この評価試験の結果を表3に示す。
Figure 0004885837
表3に示すように、中間部材の平均硬さHSと接地電極の平均硬さHBとの差分(硬度差HS−HB)を求めてみると、硬度差HS−HBが40〜240[HV]の範囲であるサンプル102〜106において、酸化スケールについて優良または良好の評価が得られた。特に硬度差HS−HBが48〜220[HV]のサンプル103〜105では、酸化スケールについて優良の評価が得られた。一方、硬度差HS−HBが40HV未満となったサンプル101や、240HVより大きかったサンプル107では、酸化スケールについて望ましくないとの評価となった。
[実施例4]
次に、中間部材の鍔部について、十分な剛性を得るのに望ましい形状と硬さとの関係について確認するため、評価試験を行った。この評価試験では、本実施の形態で例示した、突部の形状が円柱状の中間部材のサンプル111〜129を用意する上で、柱部の外径と、鍔部の外径および厚みとを適宜調整することで、鍔部の径方向長さAと厚みBとの関係(A/B)を1.1〜3.3の範囲で変更した。さらに、中間部材の加工の際に、切削、鍛造、焼鈍などの加工方法を適宜組み合わせることで、鍔部の根元に相当する位置PEの硬さ(ビッカース硬さ)HEと中央に相当する位置PCの硬さ(ビッカース硬さ)HCとの関係(HE/HC)を、0.9〜1.4の範囲で変更した。
そして実施例1と同様に、各サンプルと貴金属部材とを接合した発火部を試験用の接地電極に抵抗溶接で接合したものに対し、バーナーで1050℃に加熱し、2分間保持した後、常温まで自然冷却を行う1サイクルの冷熱試験を実施例1より試験条件の厳しい2000サイクル行った。この冷熱試験後に各サンプルの溶融部の観察を行い、酸化スケールの大きさの割合を求め、上記同様に優良だったものを◎、良好だったものを○、望ましくなかったものを×と評価した。この評価試験の結果を表4に示す。また、A/BとHE/HCとの関係に着目し、これをグラフ化したものを図17に示す。なお、図17において、◎、○、×で示される評価に添えた数字はサンプル番号を示す。
Figure 0004885837
表4および図17に示すように、A/Bが3.0より大きい値をとるサンプル114,125,128は、酸化スケールについて、いずれも望ましくないとの評価となった。また、HE/HCが1.0〜1.3の範囲から外れるサンプル113,114,117,118についても同様に、酸化スケールについて、いずれも望ましくないとの評価となった。しかし、A/Bが3.0以下であり、且つ、HE/HCが1.0〜1.3の範囲に含まれるサンプル111,112,115,116,119〜124,126,127,129については、酸化スケールについて優良または良好の評価が得られた。
スパークプラグ100の部分断面図である。 スパークプラグ100の火花放電間隙GAP付近を拡大してみた断面図である。 発火部70付近の断面図である。 レーザ溶接工程を示す図である。 配置工程を示す図である。 抵抗溶接工程において、溶融部73が形成され始める様子を示す図である。 抵抗溶接工程において、溶融部73の形成が進行する様子を示す図である。 発火部70と接地電極30とを接合する前の状態における各部位の形状について説明するため、それらの断面を見た分解斜視図である。 変形例としての中間部材175の溶接前の形状を示す断面図である。 変形例としての中間部材275の溶接前の形状を示す断面図である。 変形例としての中間部材375の溶接前の形状を示す断面図である。 変形例としてのスパークプラグ400の火花放電間隙GAP付近を拡大してみた断面図である。 溶融部373に生じた酸化スケールの大きさの割合について説明するための図である。 突部の突出長さLと酸化スケールの大きさの割合との関係を示すグラフである。 0.05mm切取り体積Vと酸化スケールの大きさの割合との関係を示すグラフである。 0.05mm切取り体積Vと酸化スケールの大きさの割合との関係を示すグラフである。 A/BとHE/HCとの関係を示すグラフである。
符号の説明
10 絶縁碍子
12 軸孔
20 中心電極
22 先端部
30 接地電極
31 先端部
32 基端部
33 内面
50 主体金具
57 先端面
70 発火部
71 貴金属部材
75 中間部材
76 柱部
77 鍔部
78 突部
79 天面
80 底面
81 頂部
82 縁部
83 中央部
85 外周面
100 スパークプラグ

Claims (3)

  1. 中心電極と、軸線方向に沿って延びる軸孔を有し、その軸孔内で前記中心電極を保持する絶縁碍子と、当該絶縁碍子を周方向に取り囲んで保持する主体金具と、一端部が前記主体金具に接合され、他端部における自身の一面が前記中心電極の先端部に向き合うように屈曲され、前記中心電極との間で火花放電間隙を形成する接地電極と、当該接地電極の前記他端部における前記一面上で前記火花放電間隙の形成される位置に設けられ、前記一面から前記中心電極へ向けて突出する形態をなす発火部であって、自身の突出方向において、前記中心電極側に配置される貴金属部材、および当該貴金属部材と前記接地電極との間に配置される中間部材を互いに接合してなる発火部と
    を備えたスパークプラグを製造するためのスパークプラグの製造方法であって、
    前記発火部の前記中間部材は、
    前記貴金属部材との接合面である天面を含み、前記突出方向に沿って延びる柱状をなす柱部と、
    前記接地電極との接合面である底面を含み、前記柱部よりも径方向に拡径された鍔状をなす鍔部と、
    当該鍔部の前記底面の中央部にて前記突出方向に最も突出する頂部を有し、前記底面の一部もしくは全部が前記底面の縁部よりも前記突出方向に突出する形態をなす突部と
    を有すると共に、
    前記突出方向において前記頂部が前記縁部から突出する突出長さLが0.05≦L≦0.20[mm]を満たしつつ、
    前記突部のうち、前記頂部から前記突出方向に沿って0.05mmまでに含まれる部位の体積Vが0.002mm≦V≦0.025mmを満たし、且つ、
    前記突出方向に沿う自身の中心線を含む断面において、前記頂部を通り前記突出方向に沿う第1仮想線上の複数の位置における前記中間部材のビッカース硬さの平均値をHSとし、前記接地電極の幅方向の中心線を含む断面において、前記接地電極の厚み方向に沿う第2仮想線上の複数の位置における前記接地電極のビッカース硬さの平均値をHBとしたときに、40≦HS−HB≦240[HV]を満たすものであり、
    前記スパークプラグの製造過程において、
    この中間部材と、前記貴金属部材とを前記突出方向に重ねてレーザ溶接し、前記発火部を形成するレーザ溶接工程と、
    前記中間部材の前記突部を前記接地電極の前記一面側へ向けつつ前記鍔部を押圧し、前記発火部を前記一面上に配置する配置工程と、
    前記鍔部を介して前記中間部材と前記接地電極との間に溶接電流を流し、前記中間部材の前記底面を前記接地電極の前記一面に抵抗溶接する抵抗溶接工程と
    を有することを特徴とするスパークプラグの製造方法。
  2. 前記中間部材は、
    前記突出方向と直交する径方向において、前記鍔部が前記柱部の外周面の位置よりも突出する長さをAとし、前記突出方向における前記鍔部の厚みをBとしたときに、A/B≦3.0を満たすと共に、
    前記柱部と前記鍔部との境界線を通り前記突出方向に沿う仮想面にて前記鍔部が切り取られる断面上で前記突出方向の中央の位置をPEとし、その位置PEを通り、前記突出方向に直交する仮想平面が前記中間部材の中心線と交差する位置をPCとしたときに、位置PEにおける自身のビッカース硬さHEと、位置PCにおける自身のビッカース硬さHCとが1.0≦HE/HC≦1.3を満たすものであることを特徴とする請求項1に記載のスパークプラグの製造方法。
  3. 前記中間部材は、Niを主成分とするNi合金からなることを特徴とする請求項1または2に記載のスパークプラグの製造方法。
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