JP2008204917A - スパークプラグ及びスパークプラグの製造方法 - Google Patents

スパークプラグ及びスパークプラグの製造方法 Download PDF

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友聡 加藤
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明和 泰道
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計良 鳥居
Mamoru Musasa
守 無笹
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Abstract

【課題】 熱サイクル試験において外側電極チップと外側電極母材との溶融合金部にクラックやえぐれ等の不具合が生じにくく、溶融合金部を介した外側電極チップと外側電極母材との接続信頼性を向上させることができるスパークプラグ等を提供すること。
【解決手段】 スパークプラグ100は、中心電極130と、この中心電極130と放電ギャップGを隔てて離間し、貴金属を含む外側電極チップ143を卑金属を含む外側電極母材141に溶接してなる外側電極140とを備える。そして、溶接により外側電極チップ143と外側電極母材141とが互いに溶融混合して固化した溶融合金部145を、この溶融合金部145よりもPtを多く含む金属からなる被覆部147で覆ってなる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、内燃機関用のスパークプラグ及びスパークプラグの製造方法に関し、特に、貴金属を含む外側電極チップを卑金属を含む外側電極母材に溶接した外側電極を有するスパークプラグ及びこのようなスパークプラグの製造方法に関する。
従来より、中心電極と、貴金属を含む外側電極チップを卑金属を含む外側電極母材に溶接した外側電極とを備えるスパークプラグが知られている。図8に、このようなスパークプラグ900のうち、外側電極910の先端付近(外側電極チップ920付近)の部分断面図を示す。このスパークプラグ900では、外側電極チップ920と外側電極母材930とが、これらを構成する金属が互い溶融混合して固化した溶融合金部940を介して接合されている。なお、例えば特許文献1にも、このように貴金属チップ(外側電極チップ)が外側電極(外側電極母材)に溶接された形態のスパークプラグが開示されている(特許文献1の特許請求の範囲等参照)。
特開2002−313524号公報
しかしながら、図8や特許文献1に記載のスパークプラグでは、高温に加熱した後に自然冷却する熱サイクルを多数回繰り返す熱サイクル試験を行うと、高温酸化により、図9に示すように溶融合金部940に多数のクラックKKが生じたり、図10に示すように溶融合金部940にえぐれEEが生じることがある。従って、実使用においても長期間使用し続ければ、溶融合金部940にこのようなクラックKKやえぐれEEが生じるおそれがあるため、溶融合金部940を介した外側電極チップ920と外側電極母材930との接続信頼性を更に向上させることが望まれる。
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、外側電極チップを外側電極母材に溶接してなる外側電極を有するスパークプラグについて、過酷な熱サイクル試験においても溶融合金部にクラックやえぐれ等の不具合が生じにくく、溶融合金部を介した外側電極チップと外側電極母材との接続信頼性を向上させることができるスパークプラグ及びこのようなスパークプラグの製造方法を提供することを目的とする。
その解決手段は、中心電極と、この中心電極と放電ギャップを隔てて離間し、貴金属を含む外側電極チップを卑金属を含む外側電極母材に溶接してなる外側電極と、を備えるスパークプラグであって、前記溶接により前記外側電極チップと前記外側電極母材とが互いに溶融混合して固化した溶融合金部を、この溶融合金部よりもPtを多く含む金属からなる被覆部で覆ってなるスパークプラグである。
本発明のスパークプラグでは、外側電極チップと外側電極母材との溶融合金部を、この溶融合金部よりもPtを多く含む金属からなる被覆部で覆っている。Ptは高温酸化を受けにくく、このため、過酷な熱サイクル試験を行っても、溶融合金部がこれよりも高温酸化を受けにくい被覆部に覆われて保護されているので、溶融合金部に高温酸化に起因するクラックやえぐれ等の不具合が生じにくく、溶融合金部を介した外側電極チップと外側電極母材との接続信頼性を向上させることができる。
なお、「外側電極チップ」は、前記のように貴金属を含むが、この貴金属としては、Pt、Ir、Rh、Pd、Ru、Osなどが挙げられ、これらのうちの1種類のみを含むものでもよいし、複数種類を含むものでもよい。また、「被覆部」は、前記のように溶融合金部よりもPtを多く含む金属からなる。この被覆部には、外側電極チップあるいは外側電極母材をなす金属や化合物が含まれていてもよい。
更に、上記のスパークプラグであって、前記外側電極チップは、前記外側電極母材からの突出長さが0.3mm以上であるスパークプラグとすると良い。
本発明によれば、外側電極チップの突出長さが0.3mm以上と比較的長くされている。このようなものでは、使用時に外側電極チップが高温になりやすく、溶融合金部も高温になって、高温酸化されやすい。
これに対し本発明では、外側電極チップの突出長さを長くして着火性を良好にすると共に、前述のように、溶融合金部を被覆部で覆っているので、溶融合金部に高温酸化に起因する不具合が生じにくく、溶融合金部を介した外側電極チップと外側電極母材との接続信頼性を向上させることができる。
更に、上記のいずれかに記載のスパークプラグであって、前記外側電極チップは、PtまたはPt合金からなり、前記外側電極母材は、Niを主体とした合金からなるスパークプラグとすると良い。
外側電極チップがPtまたはPt合金からなり、外側電極母材がNiを主体とした合金からなる場合であっても、従来形態の被覆部のないスパークプラグでは、熱サイクル試験において溶融合金部にクラックやえぐれ等の不具合が生じることがある。
これに対し本発明では、外側電極チップがPtまたはPt合金からなり、外側電極母材がNiを主体とした合金からなり、しかも、溶融合金部を被覆部で覆っているので、過酷な熱サイクル試験において溶融合金部にクラックやえぐれ等の不具合が生じるのを特に効果的に防止できる。
また、他の解決手段は、中心電極と、この中心電極と放電ギャップを隔てて離間し、貴金属を含む外側電極チップを卑金属を含む外側電極母材に溶接してなる外側電極と、を備えるスパークプラグの製造方法であって、前記溶接により前記外側電極チップと前記外側電極母材とが互いに溶融混合して固化した溶融合金部を、この溶融合金部よりもPtを多く含む金属からなる被覆部で覆う合金部被覆工程を備えるスパークプラグの製造方法である。
本発明の製造方法によれば、外側電極チップと外側電極母材との溶融合金部を、この溶融合金部よりもPtを多く含む金属からなる被覆部で覆う合金部被覆工程を備える。このようにして製造されたスパークプラグは、溶融合金部が被覆部に覆われて保護されているので、高温酸化されにくく、過酷な熱サイクル試験を行っても、溶融合金部に高温酸化に起因するクラックやえぐれ等の不具合が生じにくく、溶融合金部を介した外側電極チップと外側電極母材との接続信頼性を向上させることができる。
更に、上記のスパークプラグの製造方法であって、前記合金部被覆工程では、前記溶融合金部の近傍に、この溶融合金部よりもPtを多く含む金属からなるワイヤまたはリングを配置し、これを溶融させて、前記溶融合金部上に前記被覆部を形成するスパークプラグの製造方法とすると良い。
本発明の製造方法によれば、容易かつ確実に、溶融合金部を被覆部で覆うことができる。
更に、前記のスパークプラグの製造方法であって、前記合金部被覆工程では、前記溶融合金部の上に、この溶融合金部よりもPtを多く含む金属を溶射しまたはメッキ付けして、前記溶融合金部上に前記被覆部を形成するスパークプラグの製造方法とすると良い。
本発明の製造方法によれば、容易かつ確実に、溶融合金部を被覆部で覆うことができる。
(実施形態1)
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。図1に本実施形態1に係るスパークプラグ100を示す。また、図2に中心電極130及び接地電極(外側電極)140付近を示し、更に、図3に接地電極140の先端付近の部分断面を示す。このスパークプラグ100は、エンジンのシリンダヘッドに取り付けられて使用に供される内燃機関用のスパークプラグである。
スパークプラグ100は、図1に示すように、主体金具110と、絶縁体120と、中心電極130と、接地電極140とを備える。
このうち主体金具110は、低炭素鋼などの金属からなり、筒形をなす。主体金具110は、径大なフランジ部110fと、これより基端側(図中、上方)に位置し、スパークプラグ100をシリンダーヘッドに取り付ける際に工具を係合させる断面六角形状の工具係合部110mと、更にその基端側に位置し、絶縁体120を主体金具110に加締め固定するための加締部110nとを有する。また、フランジ部110fの先端側(図中、下方)には、フランジ部110fより細径で、外周にスパークプラグ100をシリンダーヘッドにネジ止めするための取付ねじ部110gが形成された先端部110sを有する。
絶縁体120は、アルミナ系セラミック等からなり、主体金具110によって周囲が取り囲まれ、その先端部120sが主体金具110の先端面110scから先端側(図中、下方)に突出すると共に、基端部120kが主体金具110の加締部110nから基端側(図中、上方)に突出している。絶縁体120には、軸線AX方向に沿った軸孔が穿設され、その先端側(図中、下方)には中心電極130が、一方、基端側(図中、上方)には高電圧を中心電極130に導く端子金具150が挿入、固定されている。
中心電極130は、絶縁体120の先端面120scから先端側(図中、下方)に突出した状態で絶縁体120に保持されている。この中心電極130は、中心電極母材131と、これに接合した中心電極チップ133とからなる。中心電極母材131は、熱伝導性が高いCuを主成分とする銅芯部をNiを主成分とするNi合金で取り囲むことにより構成されている。中心電極チップ133は、円柱形状をなし、中心電極母材131の先端面131sの中央にレーザ溶接で接合され、先端側(図中、下方)に向かって突出している。この中心電極チップ133は、貴金属合金、具体的にはIr−Rhからなる。
接地電極140は、接地電極母材(外側電極母材)141と、これに接合した接地電極チップ(外側電極チップ)143とからなる。接地電極母材141は、卑金属、具体的にはNiを主成分とするNi合金(更に具体的には、インコネル(登録商標)600)からなる。この接地電極母材141は、その基端部141kが主体金具110の先端面110scに接合され、先端部141sが軸線AX側に向けて屈曲されてなり、径方向内側を向く内側側面141mが、中心電極130の中心電極チップ133と対向するように配置されている。
接地電極チップ143は、外径0.7mmの円柱形状をなし、接地電極母材141の先端部141sのうち内側側面141mにレーザ溶接で接合され、基端側(図中、上方)に向かって突出し、中心電極チップ133と対向している。そして、接地電極チップ143と中心電極チップ133との間隙が、火花放電を生じさせる放電ギャップGとなっている。この接地電極チップ143は、貴金属合金、具体的にはPt−Rhからなる。また、この接地電極チップ143の接地電極母材141からの突出長さLは、0.8mmである。
図3に示すように、接地電極チップ143と接地電極母材141とは、溶接により接合しているので、接地電極チップ143と接地電極母材141との間には、接地電極チップ143と接地電極母材141とが互いに溶融混合して固化した溶融合金部145が形成されている。前述したように、接地電極チップ143がPt−Rhからなり、接地電極母材141がNi合金からなるので、この溶融合金部145は、Pt及びRhの他、NiなどのNi合金の成分を含んでいる。
また、この溶融合金部145は、被覆部147により全体が覆われている。この被覆部147は、後述するように、溶融合金部145の上に配置したPtからなるワイヤWRを溶融させて形成しているので、溶融合金部145に含まれるRhやNi等も混ざり合っているが、Ptを主成分としている。従って、溶融合金部145よりもPtが多く含まれている。
以上で説明したように、このスパークプラグ100は、接地電極チップ143と接地電極母材141との溶融合金部145を、この溶融合金部145よりもPtを多く含む被覆部147で覆っている。このため、後述するような過酷な熱サイクル試験を行っても、溶融合金部145が、高温酸化を受けにくい被覆部147に覆われて保護されているので、溶融合金部145に高温酸化に起因するクラックやえぐれ等の不具合が生じにくい。従って、溶融合金部145を介した接地電極チップ143と接地電極母材141との接続信頼性を向上させることができる。特に本実施形態1では、接地電極チップ143をPt合金(具体的にはPt−Rh)からなるものとし、接地電極母材141がNi合金からなるものとした上で、溶融合金部145をPtを主成分とする被覆部147で覆っているので、溶融合金部145にクラックやえぐれ等の不具合が生じるのを特に効果的に防止できる。
また、本実施形態1では、接地電極チップ143の突出長さLを0.3mm以上(具体的には0.8mm)としているので、良好な着火性を確保することもできる。
次いで、本実施形態1に係る上記スパークプラグ100の製造方法について説明する。
まず、公知の手法により、中心電極チップ133を有する中心電極130を作製する。そして、公知の手法により、この中心電極130を、別途形成した絶縁体120内に組み付けると共に、端子金具150等も絶縁体120に組み付け、ガラスシールを行う。また、主体金具110を用意し、公知の手法により、主体金具110に棒状の接地電極母材141(接地電極チップ143が接合されておらず、屈曲加工もされていない状態の接地電極母材141)を接合する。その後、公知の手法により、この接地電極母材141を接合した主体金具110に、中心電極130等を組み付けた絶縁体120を組み付け、加締め等を行う。
次に、公知の手法により、接地電極母材141の内側側面141mに接地電極チップ143をレーザ溶接する。これにより、図4に示すように、接地電極チップ143と接地電極母材141とが互いに溶融混合して固化した溶融合金部145が形成される。なお、レーザ溶接の代わりに抵抗溶接を行って、接地電極母材141と接地電極チップ143とを接合してもよい。
次に、合金部被覆工程として、溶融合金部145を、この溶融合金部145よりもPtを多く含む金属からなる被覆部147で覆う。具体的には、図5に示すように、溶融合金部145の近傍に、具体的にはこれに接するように、Ptからなり予めC字リング状としたワイヤWRを載置する。そして、このワイヤWRに、矢印で示す方向にレーザ光LSを照射し、ワイヤWRを溶解させて、溶融合金部145を覆う被覆部147を形成する。このような方法を採れば、容易かつ確実に、溶融合金部145を、これよりもPtを多く含む被覆部147で覆うことができる。なお、ワイヤWRの代わりに、Ptからなるリングを用いてもよい。
その後は、接地電極140を軸線AX側に所定形状に曲げて、中心電極130との間に放電ギャップGを形成すれば、スパークプラグ100が完成する。
以上で説明したように、本実施形態1では、接地電極チップ143と接地電極母材141との溶融合金部145を、この溶融合金部145よりもPtを多く含む金属からなる被覆部147で覆う合金部被覆工程を備える。このようにして製造されたスパークプラグ100は、溶融合金部145が、高温酸化を受けにくい被覆部147に覆われて保護されているので、後述する過酷な熱サイクル試験を行っても、溶融合金部145に高温酸化に起因するクラックやえぐれ等の不具合が生じにくい。従って、溶融合金部145を介しての接地電極チップ143と接地電極母材141との接続信頼性を向上させることができる。
更に、本実施形態1では、合金部被覆工程において、溶融合金部145の近傍にワイヤWRを載置し、これを溶融させて、溶融合金部145を覆う被覆部147を形成している。このようにすることにより、容易かつ確実に、溶融合金部145を被覆部147で覆うことができる。
(実施例)
本発明の効果を検証するために、本発明に係る実施例として、上記実施形態1のスパークプラグ100を用意した。一方、比較例として、図8に示した従来形態のスパークプラグ900を用意した。
次に、これらのスパークプラグ100,900について次のような熱サイクル試験を行った。即ち、所定温度で2分間加熱し、その後1分間自然冷却するサイクルを1000サイクル行った。そして試験後、接地電極チップ143,920と接地電極母材141,930との溶融合金部145,940を観察した。なお、上記所定温度として、800℃、900℃、1000℃、1050℃、1100℃、1150℃を選択した。その結果を表1に示す。
Figure 2008204917
表1から明らかなように、実施例のスパークプラグ100は、いずれの加熱温度で熱サイクル試験を行っても、溶融合金部145に破損等の不具合は認められなかった。一方、比較例のスパークプラグ900は、加熱温度が1000℃と1050℃の場合に、図9に示したようなクラックKKが認められた。また、加熱温度が1100℃と1150℃の場合に、図10に示したようなえぐれEEが認められた。これらの不具合は溶融金属部930が高温酸化されたことが原因と考えられる。この結果から、溶融合金部145を被覆部147で覆うことにより、過酷な熱サイクル試験に対しも、溶融合金部145にクラックやえぐれ等の不具合が生じにくく、溶融合金部145を介した接地電極チップ143と接地電極母材141との接続信頼性が高くなることが判る。
(実施形態2)
次いで、第2の実施の形態について説明する。なお、上記実施形態1と同様な部分の説明は、省略または簡略化する。図6に本実施形態2のスパークプラグ200のうち、接地電極(外側電極)240の先端付近の断面を示す。本実施形態2のスパークプラグ200は、接地電極母材(外側電極母材)241と接地電極チップ(外側電極チップ)243との接合部分の形態が、上記実施形態1のスパークプラグ100と異なるのみで、それ以外は上記実施形態1と同様である。
本実施形態2の接地電極240も、接地電極母材241と、これに接合した接地電極チップ243とからなる。また、その材質や形状も、上記実施形態1の接地電極母材141及び接地電極チップ143と同様である。接地電極チップ243と接地電極母材241とは、溶接により接合しているので、接地電極チップ243と接地電極母材241との間には、接地電極チップ243と接地電極母材241とが互いに溶融混合して固化した溶融合金部245が形成されている。この溶融合金部245も、Pt及びRhの他、NiなどNi合金の成分を含んでいる。
そして、溶融合金部245は、被覆部247により全体が覆われている。この被覆部247は、Ptからなり、後述するように、溶融合金部245の上に、Ptメッキを施して形成している。従って、この被覆部247は、Ni等が混在している溶融合金部245よりもPtを多く含んでいる。このため、前述したような過酷な熱サイクル試験を行っても、溶融合金部245に、高温酸化に起因するクラックやえぐれ等の不具合が生じにくく、溶融合金部245を介した接地電極チップ243と接地電極母材241との接続信頼性を向上させることができる。その他、上記実施形態1と同様な部分は、同様な作用・効果を奏する。
次いで、本実施形態2に係る上記スパークプラグ200の製造方法について説明する。
接地電極母材241に接地電極チップ243を溶接するまでを、上記実施形態1と同様にして行う。次に、溶融合金部245の上に、Ptメッキを行い、溶融合金部245上にPtからなる被覆部247を形成する。その後、接地電極240を所定形状に曲げれば、上記スパークプラグ200が完成する。
本実施形態2でも、溶融合金部245を、この溶融合金部245よりもPtを多く含む金属からなる被覆部247で覆う合金部被覆工程を備える。このようにして製造されたスパークプラグ200は、溶融合金部245が高温酸化を受けにくい被覆部247に覆われて保護されているので、前述のような過酷な熱サイクル試験を行っても、溶融合金部245に、高温酸化に起因するクラックやえぐれ等の不具合が生じにくく、溶融合金部245を介した接地電極チップ243と接地電極母材241との接続信頼性を向上させることができる。
更に、本実施形態2では、合金部被覆工程において、溶融合金部245の上に、メッキによってPtからなる被覆部247を形成するので、容易かつ確実に、溶融合金部245を被覆部247で覆うことができる。
(実施形態3)
次いで、第3の実施の形態について説明する。なお、上記実施形態1または2と同様な部分の説明は、省略または簡略化する。図7に本実施形態3のスパークプラグ300のうち、接地電極(外側電極)340の先端付近の断面を示す。本実施形態3のスパークプラグ300は、接地電極母材(外側電極母材)341と接地電極チップ(外側電極チップ)343との接合部分が、上記実施形態1,2のスパークプラグ100,200と異なるのみで、それ以外は上記実施形態1等と同様である。
本実施形態3の接地電極340も、接地電極母材341と、これに接合した接地電極チップ343とからなる。また、その材質や形状も、上記実施形態1の接地電極母材141及び接地電極チップ143と同様である。また、接地電極チップ343と接地電極母材341とは、溶接により接合しているので、接地電極チップ343と接地電極母材341との間には、接地電極チップ343と接地電極母材341とが互いに溶融混合して固化した溶融合金部345が形成されている。
そして、溶融合金部345は、被覆部347により全体が覆われている。この被覆部347は、Ptからなり、後述するように、溶融合金部345の上に、Ptを溶射して形成している。従って、この被覆部347は、Ni等が混在している溶融合金部345よりもPtを多く含んでいる。このため、前述のような過酷な熱サイクル試験を行っても、溶融合金部345に、高温酸化に起因するクラックやえぐれ等の不具合が生じにくく、溶融合金部345を介した接地電極チップ343と接地電極母材341との接続信頼性を向上させることができる。その他、上記実施形態1または2と同様な部分は、同様な作用・効果を奏する。
次いで、本実施形態3に係る上記スパークプラグ300の製造方法について説明する。
接地電極母材341に接地電極チップ343を溶接するまでを、上記実施形態1,2と同様にして行う。次に、接地電極母材341と接地電極チップ343との溶融合金部345の上に、Ptを溶射して、溶融合金部345上にPtからなる被覆部347を形成する。その後、接地電極340を所定形状に曲げれば、上記スパークプラグ300が完成する。
本実施形態3でも、溶融合金部345を、この溶融合金部345よりもPtを多く含む金属からなる被覆部347で覆う合金部被覆工程を備える。このようにして製造されたスパークプラグ300は、溶融合金部345が高温酸化を受けにくい被覆部347に覆われて保護されているので、前述のような過酷な熱サイクル試験を行っても、溶融合金部345に、高温酸化に起因するクラックやえぐれ等の不具合が生じにくく、溶融合金部345の接地電極母材341と接地電極チップ343との接続信頼性を向上させることができる。
更に、本実施形態3では、合金部被覆工程において、溶融合金部345の上に、Ptを溶射するので、容易かつ確実に、溶融合金部345を被覆部347で覆うことができる。
以上において、本発明を実施形態に即して説明したが、本発明は上述の実施形態1〜3に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
実施形態1に係るスパークプラグの側面図である。 実施形態1に係るスパークプラグのうち、中心電極及び接地電極付近の部分拡大図である。 実施形態1に係るスパークプラグのうち、接地電極の先端付近の部分拡大断面図である。 実施形態1に係るスパークプラグの製造方法に関し、合金部被覆工程前における接地電極の先端付近の様子を示す説明図である。 実施形態1に係るスパークプラグの製造方法に関し、合金部被覆工程において、溶融合金部の近傍にワイヤを載置し、これにレーザを照射する様子を示す説明図である。 実施形態2に係るスパークプラグのうち、接地電極の先端付近の部分拡大断面図である。 実施形態3に係るスパークプラグのうち、接地電極の先端付近の部分拡大断面図である。 従来形態に係るスパークプラグのうち、接地電極の先端付近の部分断面図である。 従来形態に係るスパークプラグに関し、熱サイクル試験により接地電極の溶融合金部にクラックが生じた様子を示す説明図である。 従来形態に係るスパークプラグに関し、熱サイクル試験により接地電極の溶融合金部にえぐれが生じた様子を示す説明図である。
符号の説明
100,200,300 スパークプラグ
130 中心電極
131 中心電極母材
133 中心電極チップ
140,240,340 接地電極(外側電極)
141,241,341 接地電極母材(外側電極母材)
141s 先端部
141m 内側側面
143,243,343 接地電極チップ(外側電極チップ)
145,245,345 溶融合金部
147,247,347 被覆部
G 放電ギャップ
L 突出長さ
WR ワイヤ

Claims (6)

  1. 中心電極と、この中心電極と放電ギャップを隔てて離間し、貴金属を含む外側電極チップを卑金属を含む外側電極母材に溶接してなる外側電極と、を備えるスパークプラグであって、
    前記溶接により前記外側電極チップと前記外側電極母材とが互いに溶融混合して固化した溶融合金部を、この溶融合金部よりもPtを多く含む金属からなる被覆部で覆ってなる
    スパークプラグ。
  2. 請求項1に記載のスパークプラグであって、
    前記外側電極チップは、前記外側電極母材からの突出長さが0.3mm以上である
    スパークプラグ。
  3. 請求項1または請求項2に記載のスパークプラグであって、
    前記外側電極チップは、PtまたはPt合金からなり、
    前記外側電極母材は、Niを主体とした合金からなる
    スパークプラグ。
  4. 中心電極と、この中心電極と放電ギャップを隔てて離間し、貴金属を含む外側電極チップを卑金属を含む外側電極母材に溶接してなる外側電極と、を備えるスパークプラグの製造方法であって、
    前記溶接により前記外側電極チップと前記外側電極母材とが互いに溶融混合して固化した溶融合金部を、この溶融合金部よりもPtを多く含む金属からなる被覆部で覆う合金部被覆工程を備える
    スパークプラグの製造方法。
  5. 請求項4に記載のスパークプラグの製造方法であって、
    前記合金部被覆工程では、
    前記溶融合金部の近傍に、この溶融合金部よりもPtを多く含む金属からなるワイヤまたはリングを配置し、これを溶融させて、前記溶融合金部上に前記被覆部を形成する
    スパークプラグの製造方法。
  6. 請求項4に記載のスパークプラグの製造方法であって、
    前記合金部被覆工程では、
    前記溶融合金部の上に、この溶融合金部よりもPtを多く含む金属を溶射しまたはメッキ付けして、前記溶融合金部上に前記被覆部を形成する
    スパークプラグの製造方法。
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