JP5938392B2 - スパークプラグ - Google Patents
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Description
本発明の一形態は、第1の電極と;前記第1の電極との間に間隙を形成する電極チップと、前記電極チップが接合された電極母材とを有する第2の電極と;を備えるスパークプラグを提供する。このスパークプラグにおいて、前記電極チップは、前記電極母材から離れた平面を有するとともに、前記電極チップにおける前記平面に対する裏側で前記電極母材に接合され;前記電極チップにおける前記裏側には、前記平面の一端から他端に向かう平面方向に延びた溶接ビードが形成され;前記溶接ビードは、前記平面方向の一端側に露出するとともに、前記平面方向の他端側に露出しておらず;前記平面に直交するとともに前記平面方向に平行な面で切断した前記溶接ビードの断面形状は、前記平面方向の一方から他方に向かう途中にくびれを有する。この形態によれば、溶接ビードのくびれによって、溶接ビードの境界に発生するクラックを抑制できる。また、溶接ビードの断面形状にくびれが形成されていない場合と比較して、電極チップと溶接ビードとの境界の長さ、並びに、電極母材と溶接ビードとの境界の長さを、くびれによってより長く確保できる。そのため、これらの境界に発生するクラックおよび酸化スケールの少なくとも一方が、電極チップの剥離または脱落に至るまで進展することを遅らせることができる。その結果、スパークプラグの寿命を引き延ばすことができる。
図1は、スパークプラグ10の部分断面を示す説明図である。図1には、スパークプラグ10の軸心である軸線CAを境界として、軸線CAより紙面左側にスパークプラグ10の外観形状が図示され、軸線CAより紙面右側にスパークプラグ10の断面形状が図示されている。本実施形態の説明では、スパークプラグ10における図1の紙面下側を「先端側」といい、図1の紙面上側を「後端側」という。
(工程1)電極母材410に凹部418を形成。
(工程2)電極母材410の凹部418に電極チップ450を配置。
(工程3)電極母材410と電極チップ450との境界をレーザ溶接。
・材質:インコネル601
・先端側における断面寸法(X軸方向の長さ):2.7mm(ミリメートル)
・先端側における断面寸法(Z軸方向の長さ):1.3mm
・材質:白金(Pt)を主成分とし10質量%のニッケル(Ni)を含有する合金
・形状:直方体
・X軸方向の長さ:1.3mm
・Y軸方向の長さ:1.3mm
・接合前の厚み:0.4mm
(手順1)電極チップ450の温度が1030℃になるように、2分間、電極母材410に接合された電極チップ450をバーナで加熱。
(手順2)1分間、送風によって電極チップ450を冷却。
図5は、第2実施形態における接地電極401の先端側を切断した断面を示す説明図である。第2実施形態のスパークプラグ10は、第1実施形態の接地電極400とは異なる接地電極401を備える点を除き、第1実施形態と同様である。第2実施形態の接地電極401は、電極母材410の凹部418と電極チップ450のチップ面454との間に隙間が形成されている点を除き、第1実施形態の接地電極400と同様である。第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、スパークプラグ10の寿命を引き延ばすことができる。
図6は、第3実施形態における接地電極402の先端側を切断した断面を示す説明図である。第3実施形態のスパークプラグ10は、第1実施形態の接地電極400とは異なる接地電極402を備える点を除き、第1実施形態と同様である。第3実施形態の接地電極402は、電極チップ450のチップ面453が電極母材410の母材面413と同じ平面上に位置する点を除き、第1実施形態の接地電極400と同様である。第3実施形態によれば、第1実施形態と同様に、スパークプラグ10の寿命を引き延ばすことができる。
図7は、第4実施形態における接地電極403の先端側を切断した断面を示す説明図である。第4実施形態のスパークプラグ10は、第1実施形態の接地電極400とは異なる接地電極403を備える点を除き、第1実施形態と同様である。第4実施形態の接地電極403は、電極チップ450のチップ面453が電極母材410の母材面413より+Y軸方向側に突出している点、および、レーザの入射方向LDに応じて溶融部430の−Y軸方向側が−Z軸方向へと傾斜している点を除き、第1実施形態の接地電極400と同様である。第4実施形態によれば、第1実施形態と同様に、スパークプラグ10の寿命を引き延ばすことができる。
図8は、第5実施形態における接地電極404の先端側を切断した断面を示す説明図である。第5実施形態のスパークプラグ10は、第1実施形態の接地電極400とは異なる接地電極404を備える点を除き、第1実施形態と同様である。第5実施形態の接地電極404は、チップ面451を+Y軸方向に向けた状態で、母材面411ではなく母材面413に接合されている点、および、チップ面451が中心電極100の側面107との間に間隙SGを形成する点を除き、第1実施形態の接地電極400と同様である。第5実施形態によれば、第1実施形態と同様に、スパークプラグ10の寿命を引き延ばすことができる。
図9は、第6実施形態における接地電極405の先端側を示す説明図である。第6実施形態のスパークプラグ10は、第1実施形態の接地電極400とは異なる接地電極405を備える点を除き、第1実施形態と同様である。第6実施形態の接地電極405は、第1実施形態の電極チップ450とは異なる電極チップ450Aを備える点を除き、第1実施形態の接地電極400と同様である。第6実施形態の電極チップ450Aは、電極母材410の母材面411から−Z軸方向に向けて突出した円柱状の突出部である点を除き、第1実施形態の電極チップ450と同様である。接地電極405の断面形状は、図9の矢視F3−F3から見た場合、図3に示す接地電極400の断面形状と同様である。
・材質:インコネル601
・先端側における断面寸法(X軸方向の長さ):2.8mm
・先端側における断面寸法(Z軸方向の長さ):1.5mm
・材質:白金(Pt)を主成分とし10質量%のイリジウム(Ir)を含有する合金
・形状:円柱
・直径:1.5mm
・接合前の厚み:0.4mm
図11は、第7実施形態における接地電極406の先端側を示す説明図である。第7実施形態のスパークプラグ10は、第3実施形態の接地電極402とは異なる接地電極406を備える点を除き、第3実施形態と同様である。第7実施形態の接地電極406は、第3実施形態の電極チップ450とは異なる電極チップ450Bを備える点を除き、第3実施形態の接地電極402と同様である。第7実施形態の電極チップ450Bは、電極母材410の母材面411から−Z軸方向に向けて突出した台形柱状の突出部である点を除き、第3実施形態の電極チップ450と同様である。接地電極406の断面形状は、図11の矢視F6−F6から見た場合、図6に示す接地電極402の断面形状と同様である。第7実施形態によれば、第1実施形態と同様に、スパークプラグ10の寿命を引き延ばすことができる。第7実施形態の変形例として、第7実施形態の接地電極406に第1,2,4,5実施形態のいずれかを適用してもよい。
図12は、第8実施形態における接地電極407の先端側を示す説明図である。第8実施形態のスパークプラグ10は、第1実施形態の接地電極400とは異なる接地電極407を備える点を除き、第1実施形態と同様である。第8実施形態の接地電極407は、第1実施形態の電極チップ450とは異なる電極チップ450Cを備える点を除き、第1実施形態の接地電極400と同様である。第8実施形態の電極チップ450Cは、X軸方向の幅がY軸方向の幅より狭い点を除き、第1実施形態の電極チップ450と同様である。接地電極407の断面形状は、図12の矢視F3−F3から見た場合、図3に示す接地電極400の断面形状と同様である。第8実施形態によれば、第1実施形態と同様に、スパークプラグ10の寿命を引き延ばすことができる。第8実施形態の変形例として、第8実施形態の接地電極407に第2〜5実施形態のいずれかを適用してもよい。
図13は、第9実施形態における接地電極408の先端側を示す説明図である。図14は、第9実施形態における接地電極408の先端側を切断した断面を示す説明図である。図14の断面は、図13の矢視F10−O−F10,F10’−O−F10’,F10’’−O−F10’’から見た接地電極408の断面である。
図15は、第10実施形態における接地電極409の先端側を示す説明図である。第10実施形態のスパークプラグ10は、第1実施形態の接地電極400とは異なる接地電極409を備える点を除き、第1実施形態と同様である。第10実施形態の接地電極409は、溶融部430とは異なる溶融部440が形成されている点を除き、第1実施形態の電極チップ450と同様である。接地電極409の溶融部440は、溶融部430が形成された後に電極チップ450のチップ面454を電極母材410にレーザ溶接することによって形成された溶接ビードである。第10実施形態では、溶融部430の−Y軸方向側は、溶融部440に取り込まれている。溶融部430の端部439は、溶融部440に隣接する。以上説明した第10実施形態によれば、第1実施形態と同様に、スパークプラグ10の寿命を引き延ばすことができる。第10実施形態の変形例として、第10実施形態の溶融部440を第2〜9実施形態のいずれかに適用してもよい。
図16は、第11実施形態における中心電極100の先端側を切断した断面を示す説明図である。第11実施形態のスパークプラグ10は、電極母材110に電極チップ150を接合した中心電極100を備える点を除き、第1実施形態と同様である。
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部または全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部または全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
90…内燃機関
100…中心電極
101…先端面
107…側面
110…電極母材
111…端面
117…側面
130…溶融部
131…露出面
132…くびれ
133,135…境界面
139…端部
150…電極チップ
151…断面
157…側面
190…端子金具
200…絶縁体
290…軸孔
300…主体金具
310…端面
400〜409…接地電極
410…電極母材
411,412,413,415,416…母材面
418…凹部
430,430D…溶融部
431…露出面
432…くびれ
433,435…境界面
439…端部
440…溶融部
450,450A,450B,450C,450D…電極チップ
451,453,454…チップ面
910…内壁
920…燃焼室
Claims (6)
- 第1の電極と、
前記第1の電極との間に間隙を形成する電極チップと、前記電極チップが接合された電極母材とを有する第2の電極と、を備えるスパークプラグであって、
前記電極チップは、前記電極母材から離れた平面を有するとともに、前記電極チップにおける前記平面に対する裏側で前記電極母材に接合され、
前記電極チップにおける前記裏側には、前記平面の一端から他端に向かう平面方向に延びた溶接ビードが形成され、
前記溶接ビードは、前記平面方向の一端側に露出するとともに、前記平面方向の他端側に露出しておらず、
前記平面に直交するとともに前記平面方向に平行な面で切断した前記溶接ビードの断面形状は、前記平面方向の一方から他方に向かう途中にくびれを有することを特徴とするスパークプラグ。 - 請求項1に記載のスパークプラグであって、
前記溶接ビードは、前記平面方向の一端側において前記電極チップおよび前記電極母材から露出する露出面を有し、
前記断面形状における前記平面方向に直交する方向に沿った幅のうち、前記くびれで最も狭い幅Aと、前記幅Aをとる部位より前記露出面から離れる方向において最も広い幅Bとの関係は、A/B≧0.5を満たす、スパークプラグ。 - 請求項1または請求項2に記載のスパークプラグであって、
前記溶接ビードは、前記平面方向の一端側において前記電極チップおよび前記電極母材から露出する露出面を有し、
前記断面形状における前記平面方向に直交する方向に沿った幅のうち少なくとも1つの前記くびれで最も狭い幅をとる部位は、前記断面形状の前記平面方向の長さを二等分する仮想線より前記露出面側に位置する、スパークプラグ。 - 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のスパークプラグであって、
前記溶接ビードは、前記第1の電極との間に前記間隙を形成する対向面を有し、
前記溶融部は、前記対向面を避けて形成されている、スパークプラグ。 - 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のスパークプラグであって、
前記溶接ビードは、前記平面方向の一端側において前記電極チップおよび前記電極母材から露出する露出面を有し、
前記断面形状の重心は、前記断面形状の前記平面方向の長さを二等分する仮想線より前記露出面側に位置する、スパークプラグ。 - 前記第2の電極は、中心電極および接地電極の少なくとも一方である、請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載のスパークプラグ。
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