JP5192611B2 - スパークプラグ - Google Patents

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Description

本発明は、スパークプラグに関するものである。
従来、スパークプラグの接地電極に貴金属チップを接合する方法としては、例えば、以下の特許文献に開示されたものが知られている。
特許文献1に開示された方法では、貴金属チップを全て溶融させて、接地電極に接合させている。しかしこの方法では、接地電極と貴金属チップとの溶接強度を上げることはできるが、貴金属チップの放電面にも接地電極母材の溶融成分が含まれてしまうため、火花耐久性能が低下してしまうといった問題があった。
また、特許文献2に開示された方法では、貴金属チップの外周部を溶融させて、接地電極に接合させている。しかしこの方法では、接地電極と貴金属チップの中心部との溶接強度が弱く、また貴金属チップや溶融部にクラックが発生し、やがては貴金属チップの剥離に繋がるおそれがあるといった問題があった。
また、接地電極に貴金属チップを接合する方法としては、抵抗溶接を用いた方法も知られている。しかしこの方法では、接地電極と貴金属チップの境界面における溶融部の層が薄いため、また、近年のエンジンの高出力化に伴ってシリンダ内がより高温になるなど、スパークプラグの使用環境は以前より厳しい環境となるため、溶接強度が確保できず、やがては貴金属チップの剥離に繋がるおそれがあるといった問題があった。
特表2004−517459号公報 米国特許出願公開第2007/0103046号明細書
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、接地電極と貴金属チップとの溶接強度を向上させることのできる技術を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するために、以下の形態または適用例を取ることが可能である。
[適用例1]
軸線方向に貫通する軸孔を有する絶縁体と、
前記軸孔の先端側に設けられた中心電極と、
前記絶縁体を保持する略筒状の主体金具と、
一端が前記主体金具の先端部に取り付けられ、他端が前記中心電極の先端部と対向する接地電極と、
前記接地電極の前記中心電極の先端面に対向する位置に設けられ、前記中心電極の先端面との間で火花放電間隙を形成する貴金属チップと、
を備えるスパークプラグであって、
前記接地電極と前記貴金属チップとの間の少なくとも一部には、前記接地電極と前記貴金属チップとが溶融した溶融部が形成されており、
前記溶融部は、前記軸線方向に投影した場合に、前記貴金属チップの面積の70%以上と重なっており、
前記貴金属チップの重心を通り、前記接地電極の長手方向に垂直な断面において、
前記溶融部は、前記接地電極の側面から延びた形状を有しており、
前記溶融部の前記軸線方向における厚さは、前記接地電極の前記側面から遠ざかる方向に沿って次第に小さくなっており、
前記溶融部の前記軸線方向における厚さのうち、最も厚い部分の厚さをAとし、
前記溶融部の最も厚い部分から、前記溶融部の先端までの長さをBとした場合に、
1.3≦B/A
の関係を満たすことを特徴とする、スパークプラグ。
このようなスパークプラグによれば、酸化スケールの発生を抑制し、貴金属チップと接地電極との溶接強度を向上させることが可能となる。
[適用例2]
軸線方向に貫通する軸孔を有する絶縁体と、
前記軸孔の先端側に設けられた中心電極と、
前記絶縁体を保持する略筒状の主体金具と、
一端が前記主体金具の先端部に取り付けられ、他端が前記中心電極の先端部と対向する接地電極と、
前記接地電極の前記中心電極の先端面に対向する位置に設けられ、前記中心電極の先端面との間で火花放電間隙を形成する貴金属チップと、
を備えるスパークプラグであって、
前記接地電極と前記貴金属チップとの間の少なくとも一部には、前記接地電極と前記貴金属チップとが溶融した溶融部が形成されており、
前記溶融部は、前記軸線方向に投影した場合に、前記貴金属チップの面積の70%以上と重なっており、
前記貴金属チップの重心を通り、前記接地電極の長手方向に垂直な断面において、
前記溶融部は、前記接地電極の第1の側面から延びた形状の第1の溶融部と、前記接地電極の前記第1の側面とは反対側の第2の側面から延びた形状の第2の溶融部とを含み、
前記第1の溶融部の前記軸線方向における厚さは、前記接地電極の前記第1の側面から遠ざかる方向に沿って次第に小さくなっており、
前記第2の溶融部の前記軸線方向における厚さは、前記接地電極の前記第2の側面から遠ざかる方向に沿って次第に小さくなっており、
前記第1の溶融部の前記軸線方向における厚さのうち、最も厚い部分の厚さをA1とし、
前記第2の溶融部の前記軸線方向における厚さのうち、最も厚い部分の厚さをA2とし、
A1とA2とを足した長さをAとし、
前記第1の溶融部と前記第2の溶融部とが離れている場合には、
前記第1の溶融部の最も厚い部分から、前記第1の溶融部の先端までの長さをB1とし、
前記第2の溶融部の最も厚い部分から、前記第2の溶融部の先端までの長さをB2とし、
B1とB2とを足した長さをBとし、
前記第1の溶融部と前記第2の溶融部とが一体となっている場合には、
前記第1の溶融部の最も厚い部分から、前記第2の溶融部の最も厚い部分までの長さをBとした場合に、
1.3≦B/A
の関係を満たすことを特徴とする、スパークプラグ。
このようなスパークプラグによれば、接地電極にかかる応力を適切に緩和することができるため、酸化スケールの発生を抑制し、貴金属チップと接地電極との溶接強度を向上させることが可能となる。この結果、貴金属チップが接地電極から剥離してしまうことを抑制することができる。
[適用例3]
軸線方向に貫通する軸孔を有する絶縁体と、
前記軸孔の先端側に設けられた中心電極と、
前記絶縁体を保持する略筒状の主体金具と、
一端が前記主体金具の先端部に取り付けられ、他端が前記中心電極の先端部と対向する接地電極と、
前記接地電極の先端面に設けられ、前記中心電極の側面との間で火花放電間隙を形成する貴金属チップと、
を備えるスパークプラグであって、
前記接地電極と前記貴金属チップとの間の少なくとも一部には、前記接地電極と前記貴金属チップとが溶融した溶融部が形成されており、
前記溶融部は、前記接地電極の長手方向に投影した場合に、前記貴金属チップの面積の70%以上と重なっており、
前記貴金属チップの重心を通り、前記軸線方向に垂直な断面において、
前記溶融部は、前記接地電極の側面から延びた形状を有しており、
前記溶融部の前記接地電極の長手方向における厚さは、前記接地電極の前記側面から遠ざかる方向に沿って次第に小さくなっており、
前記溶融部の前記接地電極の長手方向における厚さのうち、最も厚い部分の厚さをAとし、
前記溶融部の最も厚い部分から、前記溶融部の先端までの長さをBとした場合に、
1.3≦B/A
の関係を満たすことを特徴とする、スパークプラグ。
このようなスパークプラグによれば、酸化スケールの発生を抑制し、貴金属チップと接地電極との溶接強度を向上させることが可能となる。
[適用例4]
軸線方向に貫通する軸孔を有する絶縁体と、
前記軸孔の先端側に設けられた中心電極と、
前記絶縁体を保持する略筒状の主体金具と、
一端が前記主体金具の先端部に取り付けられ、他端が前記中心電極の先端部と対向する接地電極と、
前記接地電極の先端面に設けられ、前記中心電極の側面との間で火花放電間隙を形成する貴金属チップと、
を備えるスパークプラグであって、
前記接地電極と前記貴金属チップとの間の少なくとも一部には、前記接地電極と前記貴金属チップとが溶融した溶融部が形成されており、
前記溶融部は、前記接地電極の長手方向に投影した場合に、前記貴金属チップの面積の70%以上と重なっており、
前記貴金属チップの重心を通り、前記軸線方向に垂直な断面において、
前記溶融部は、前記接地電極の第1の側面から延びた形状の第1の溶融部と、前記接地電極の前記第1の側面とは反対側の第2の側面から延びた形状の第2の溶融部とを含み、
前記第1の溶融部の前記接地電極の長手方向における厚さは、前記接地電極の前記第1の側面から遠ざかる方向に沿って次第に小さくなっており、
前記第2の溶融部の前記接地電極の長手方向における厚さは、前記接地電極の前記第2の側面から遠ざかる方向に沿って次第に小さくなっており、
前記第1の溶融部の前記接地電極の長手方向における厚さのうち、最も厚い部分の厚さをA1とし、
前記第2の溶融部の前記接地電極の長手方向における厚さのうち、最も厚い部分の厚さをA2とし、
A1とA2とを足した長さをAとし、
前記第1の溶融部と前記第2の溶融部とが離れている場合には、
前記第1の溶融部の最も厚い部分から、前記第1の溶融部の先端までの長さをB1とし、
前記第2の溶融部の最も厚い部分から、前記第2の溶融部の先端までの長さをB2とし、
B1とB2とを足した長さをBとし、
前記第1の溶融部と前記第2の溶融部とが一体となっている場合には、
前記第1の溶融部の最も厚い部分から、前記第2の溶融部の最も厚い部分までの長さをBとした場合に、
1.3≦B/A
の関係を満たすことを特徴とする、スパークプラグ。
このようなスパークプラグによれば、酸化スケールの発生を抑制し、貴金属チップと接地電極との溶接強度を向上させることが可能となる。
[適用例5]
軸線方向に貫通する軸孔を有する絶縁体と、
前記軸孔の先端側に設けられた中心電極と、
前記絶縁体を保持する略筒状の主体金具と、
一端が前記主体金具の先端部に取り付けられ、他端が前記中心電極の先端部と対向する接地電極と、
前記接地電極の先端面に設けられ、前記中心電極の側面との間で火花放電間隙を形成する貴金属チップと、
を備えるスパークプラグであって、
前記接地電極と前記貴金属チップとの間の少なくとも一部には、前記接地電極と前記貴金属チップとが溶融した溶融部が形成されており、
前記溶融部は、前記接地電極の長手方向に投影した場合に、前記貴金属チップの面積の70%以上と重なっており、
前記貴金属チップの重心を通り、前記接地電極の幅方向に垂直な断面において、
前記溶融部は、前記接地電極の内側面から延びた形状を有しており、
前記溶融部の前記接地電極の長手方向における厚さは、前記接地電極の前記内側面から遠ざかる方向に沿って次第に小さくなっており、
前記溶融部の前記接地電極の長手方向における厚さのうち、最も厚い部分の厚さをAとし、
前記溶融部の最も厚い部分から、前記溶融部の先端までの長さをBとした場合に、
1.3≦B/A
の関係を満たすことを特徴とする、スパークプラグ。
このようなスパークプラグによれば、酸化スケールの発生を抑制し、貴金属チップと接地電極との溶接強度を向上させることが可能となる。
[適用例6]
軸線方向に貫通する軸孔を有する絶縁体と、
前記軸孔の先端側に設けられた中心電極と、
前記絶縁体を保持する略筒状の主体金具と、
一端が前記主体金具の先端部に取り付けられ、他端が前記中心電極の先端部と対向する接地電極と、
前記接地電極の先端面に設けられ、前記中心電極の側面との間で火花放電間隙を形成する貴金属チップと、
を備えるスパークプラグであって、
前記接地電極と前記貴金属チップとの間の少なくとも一部には、前記接地電極と前記貴金属チップとが溶融した溶融部が形成されており、
前記溶融部は、前記接地電極の長手方向に投影した場合に、前記貴金属チップの面積の70%以上と重なっており、
前記貴金属チップの重心を通り、前記接地電極の幅方向に垂直な断面において、
前記溶融部は、前記接地電極の内側面から延びた形状の第1の溶融部と、前記接地電極の前記内側面とは反対側の外側面から延びた形状の第2の溶融部とを含み、
前記第1の溶融部の前記接地電極の長手方向における厚さは、前記接地電極の前記内側面から遠ざかる方向に沿って次第に小さくなっており、
前記第2の溶融部の前記接地電極の長手方向における厚さは、前記接地電極の前記外側面から遠ざかる方向に沿って次第に小さくなっており、
前記第1の溶融部の前記接地電極の長手方向における厚さのうち、最も厚い部分の厚さをA1とし、
前記第2の溶融部の前記接地電極の長手方向における厚さのうち、最も厚い部分の厚さをA2とし、
A1とA2とを足した長さをAとし、
前記第1の溶融部と前記第2の溶融部とが離れている場合には、
前記第1の溶融部の最も厚い部分から、前記第1の溶融部の先端までの長さをB1とし、
前記第2の溶融部の最も厚い部分から、前記第2の溶融部の先端までの長さをB2とし、
B1とB2とを足した長さをBとし、
前記第1の溶融部と前記第2の溶融部とが一体となっている場合には、
前記第1の溶融部の最も厚い部分から、前記第2の溶融部の最も厚い部分までの長さをBとした場合に、
1.3≦B/A
の関係を満たすことを特徴とする、スパークプラグ。 このようなスパークプラグによれば、酸化スケールの発生を抑制し、貴金属チップと接地電極との溶接強度を向上させることが可能となる。
[適用例7]
軸線方向に貫通する軸孔を有する絶縁体と、
前記軸孔の先端側に設けられた中心電極と、
前記絶縁体を保持する略筒状の主体金具と、
一端が前記主体金具の先端部に取り付けられ、他端が前記中心電極の先端部と対向する接地電極と、
前記接地電極の前記軸線方向に垂直な面に設けられ、一部が前記接地電極の先端面から突出しており、前記中心電極の側面との間で火花放電間隙を形成する貴金属チップと、
を備えるスパークプラグであって、
前記接地電極と前記貴金属チップとの間の少なくとも一部には、前記接地電極と前記貴金属チップとが溶融した溶融部が形成されており、
前記溶融部は、前記軸線方向に投影した場合に、前記貴金属チップの面積の70%以上と重なっており、
前記貴金属チップの重心を通り、前記接地電極の長手方向に垂直な断面において、
前記溶融部は、前記接地電極の側面から延びた形状を有しており、
前記溶融部の前記軸線方向における厚さは、前記接地電極の前記側面から遠ざかる方向に沿って次第に小さくなっており、
前記溶融部の前記軸線方向における厚さのうち、最も厚い部分の厚さをAとし、
前記溶融部の最も厚い部分から、前記溶融部の先端までの長さをBとした場合に、
1.3≦B/A
の関係を満たすことを特徴とする、スパークプラグ。
このようなスパークプラグによれば、酸化スケールの発生を抑制し、貴金属チップと接地電極との溶接強度を向上させることが可能となる。
[適用例8]
軸線方向に貫通する軸孔を有する絶縁体と、
前記軸孔の先端側に設けられた中心電極と、
前記絶縁体を保持する略筒状の主体金具と、
一端が前記主体金具の先端部に取り付けられ、他端が前記中心電極の先端部と対向する接地電極と、
前記接地電極の前記軸線方向に垂直な面に設けられ、一部が前記接地電極の先端面から突出しており、前記中心電極の側面との間で火花放電間隙を形成する貴金属チップと、
を備えるスパークプラグであって、
前記接地電極と前記貴金属チップとの間の少なくとも一部には、前記接地電極と前記貴金属チップとが溶融した溶融部が形成されており、
前記溶融部は、前記軸線方向に投影した場合に、前記貴金属チップの面積の70%以上と重なっており、
前記貴金属チップの重心を通り、前記接地電極の長手方向に垂直な断面において、
前記溶融部は、前記接地電極の第1の側面から延びた形状の第1の溶融部と、前記接地電極の前記第1の側面とは反対側の第2の側面から延びた形状の第2の溶融部とを含み、
前記第1の溶融部の前記軸線方向における厚さは、前記接地電極の前記第1の側面から遠ざかる方向に沿って次第に小さくなっており、
前記第2の溶融部の前記軸線方向における厚さは、前記接地電極の前記第2の側面から遠ざかる方向に沿って次第に小さくなっており、
前記第1の溶融部の前記軸線方向における厚さのうち、最も厚い部分の厚さをA1とし、
前記第2の溶融部の前記軸線方向における厚さのうち、最も厚い部分の厚さをA2とし、
A1とA2とを足した長さをAとし、
前記第1の溶融部と前記第2の溶融部とが離れている場合には、
前記第1の溶融部の最も厚い部分から、前記第1の溶融部の先端までの長さをB1とし、
前記第2の溶融部の最も厚い部分から、前記第2の溶融部の先端までの長さをB2とし、
B1とB2とを足した長さをBとし、
前記第1の溶融部と前記第2の溶融部とが一体となっている場合には、
前記第1の溶融部の最も厚い部分から、前記第2の溶融部の最も厚い部分までの長さをBとした場合に、
1.3≦B/A
の関係を満たすことを特徴とする、スパークプラグ。
このようなスパークプラグによれば、酸化スケールの発生を抑制し、貴金属チップと接地電極との溶接強度を向上させることが可能となる。
[適用例9]
適用例1ないし適用例6のいずれか一項に記載のスパークプラグであって、
前記貴金属チップのうち、前記中心電極との間で前記火花放電間隙を形成する放電面には、前記溶融部が形成されていないことを特徴とする、スパークプラグ。
貴金属チップの方が溶融部よりも耐火花消耗性に優れているため、このようなスパークプラグによれば、耐火花消耗性を向上させることができる。
[適用例10]
適用例1ないし適用例6及び適用例9のいずれか一項に記載のスパークプラグであって、
前記貴金属チップの前記中心電極と対向する放電面から、前記溶融部までの長さのうち、最も浅い部分の長さをL1とし、
前記放電面から、前記溶融部までの長さのうち、最も長い部分の長さをL2とした場合に、
L2−L1≦0.3mm
の関係を満たすことを特徴とする、スパークプラグ。
このようなスパークプラグによれば、スパークプラグの使用に伴う放電ギャップの増加量を抑えることができ、貴金属チップの耐久性をさらに向上させることができる。
[適用例11]
適用例1ないし適用例6、適用例9及び適用例10のいずれか一項に記載のスパークプラグであって、
前記断面において、
前記溶融部と前記貴金属チップとの境界面の半分以上は、前記中心電極と対向する前記貴金属チップの放電面との成す角度が0度から10度以内である、スパークプラグ。
このようなスパークプラグによれば、貴金属チップのうち溶融されていない部分の体積が大きくなるので、耐火花消耗性を向上させることが可能となる。
[適用例12]
適用例1ないし適用例11のいずれか一項に記載のスパークプラグであって、
前記貴金属チップの一部は、前記接地電極に形成された溝部に埋設されており、
前記断面において、
前記溝部と前記貴金属チップとの境界面のうち、前記溶融部の長手方向に対して垂直な部分においても、前記溝部と前記貴金属チップとが溶融した溶融部が形成されていることを特徴とする、スパークプラグ。
このようなスパークプラグによれば、貴金属チップと接地電極との境界のうちの広範な部分が溶接されるので、貴金属チップと接地電極との溶接強度を高めることが可能となる。
[適用例13]
適用例1ないし適用例12のいずれか一項に記載のスパークプラグであって、
前記溶融部は、前記接地電極と前記貴金属チップとの境界面に対して平行な方向から高エネルギービームが照射されることによって形成されていることを特徴とする、スパークプラグ。
高エネルギービームは照射対象を奥深くまで溶融させることができるので、このような照射方向によって適切な形状の溶融部を形成することができる。
[適用例14]
適用例1ないし適用例12のいずれか一項に記載のスパークプラグであって、
前記溶融部は、前記接地電極と前記貴金属チップとの境界面に対して斜めの方向から高エネルギービームが照射されることによって形成されていることを特徴とする、スパークプラグ。
このような照射方向によっても、適切な形状の溶融部を形成することができる。
[適用例15]
適用例1ないし適用例14のいずれか一項に記載のスパークプラグであって、
前記溶融部は、前記接地電極と前記貴金属チップとの境界面に対してファイバーレーザまたは電子ビームが照射されることによって形成されていることを特徴とする、スパークプラグ。
高エネルギービームとしてファイバーレーザまたは電子ビームを用いると、接地電極と貴金属チップの境界面を奥深くまで溶融させることができるため、接地電極と貴金属チップとを強固に接合させることができる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能である。例えば、スパークプラグの製造方法および製造装置、製造システム等の形態で実現することができる。
本発明の一実施形態としてのスパークプラグ100の部分断面図である。 スパークプラグ100の中心電極20の先端部22付近の拡大図である。 接地電極30の先端部33付近を拡大して示す説明図である。 第2実施形態のスパークプラグ100bにおける接地電極30の先端部33付近を拡大して示す説明図である。 第2実施形態の変形例のスパークプラグ101bにおける接地電極30の先端部33付近を拡大して示す説明図である。 第3実施形態のスパークプラグ100cの接地電極30の先端部33付近を拡大して示す説明図である。 第4実施形態のスパークプラグ100dの接地電極30先端部33付近を拡大して示す説明図である。 第5実施形態のスパークプラグ100eの接地電極30先端部33付近を拡大して示す説明図である。 第6実施形態のスパークプラグ100fの接地電極30先端部33付近を拡大して示す説明図である。 第7実施形態のスパークプラグ100gの接地電極30先端部33付近を拡大して示す説明図である。 第8実施形態のスパークプラグ100hの接地電極30先端部33付近を拡大して示す説明図である。 第9実施形態のスパークプラグ100iにおける接地電極30の先端部33付近を拡大して示す説明図である。 溶融部比率B/Aと酸化スケール発生割合との関係を示すグラフである。 溶融部高低差LAと試験後のギャップGAの増加量との関係を示すグラフである。 変形例におけるスパークプラグの接地電極30の断面図を示す説明図である。 変形例におけるスパークプラグの接地電極30の断面図を示す説明図である。 溶融部98の形成過程の一例を示す説明図である。 溶融部98の形成過程の一例を示す説明図である。 溶融部98の形成過程の一例を示す説明図である。
次に、本発明の一態様であるスパークプラグの実施の形態を、以下の順序で説明する。
A.第1実施形態:
A1.スパークプラグの構造:
A2.各部の形状及び寸法:
B〜I.第2〜9実施形態:
J.酸化スケールに関する実験例:
K.ギャップGAの増加量に関する実験例:
L.変形例:
M.スパークプラグの製造方法:
A.第1実施形態:
A1.スパークプラグの構造:
図1は、本発明の一実施形態としてのスパークプラグ100の部分断面図である。なお、図1において、スパークプラグ100の軸線方向ODを図面における上下方向とし、下側をスパークプラグ100の先端側、上側を後端側として説明する。
スパークプラグ100は、絶縁碍子10と、主体金具50と、中心電極20と、接地電極30と、端子金具40とを備えている。中心電極20は、絶縁碍子10内に軸線方向ODに延びた状態で保持されている。絶縁碍子10は、絶縁体として機能しており、主体金具50は、この絶縁碍子10を保持している。端子金具40は、絶縁碍子10の後端部に設けられている。なお、中心電極20と接地電極30の構成については、図2において詳述する。
絶縁碍子10は、アルミナ等を焼成して形成され、軸中心に軸線方向ODへ延びる軸孔12が形成された筒形状を有する。軸線方向ODの略中央には外径が最も大きな鍔部19が形成されており、それより後端側(図1における上側)には後端側胴部18が形成されている。鍔部19より先端側(図1における下側)には、後端側胴部18よりも外径の小さな先端側胴部17が形成され、さらにその先端側胴部17よりも先端側に、先端側胴部17よりも外径の小さな脚長部13が形成されている。脚長部13は先端側ほど縮径され、スパークプラグ100が内燃機関のエンジンヘッド200に取り付けられた際には、その燃焼室に曝される。脚長部13と先端側胴部17との間には段部15が形成されている。
主体金具50は、低炭素鋼材より形成された円筒状の金具であり、スパークプラグ100を内燃機関のエンジンヘッド200に固定する。そして、主体金具50は、絶縁碍子10を内部に保持しており、絶縁碍子10は、その後端側胴部18の一部から脚長部13にかけての部位を主体金具50によって取り囲まれている。
また、主体金具50は、工具係合部51と、取付ねじ部52とを備えている。工具係合部51は、スパークプラグレンチ(図示せず)が嵌合する部位である。主体金具50の取付ねじ部52は、ねじ山が形成された部位であり、内燃機関の上部に設けられたエンジンヘッド200の取付ねじ孔201に螺合する。
主体金具50の工具係合部51と取付ねじ部52との間には、鍔状のシール部54が形成されている。取付ねじ部52とシール部54との間のねじ首59には、板体を折り曲げて形成した環状のガスケット5が嵌挿されている。ガスケット5は、スパークプラグ100をエンジンヘッド200に取り付けた際に、シール部54の座面55と取付ねじ孔201の開口周縁部205との間で押し潰されて変形する。このガスケット5の変形により、スパークプラグ100とエンジンヘッド200間が封止され、取付ねじ孔201を介したエンジン内の気密漏れが防止される。
主体金具50の工具係合部51より後端側には、薄肉の加締部53が設けられている。また、シール部54と工具係合部51との間には、加締部53と同様に、薄肉の座屈部58が設けられている。主体金具50の工具係合部51から加締部53にかけての内周面と、絶縁碍子10の後端側胴部18の外周面との間には、円環状のリング部材6,7が介在されている。さらに両リング部材6,7間にタルク(滑石)9の粉末が充填されている。加締部53を内側に折り曲げるようにして加締めると、絶縁碍子10は、リング部材6,7およびタルク9を介して主体金具50内の先端側に向け押圧される。これにより、絶縁碍子10の段部15は、主体金具50の内周に形成された段部56に支持され、主体金具50と絶縁碍子10とは、一体となる。このとき、主体金具50と絶縁碍子10との間の気密性は、絶縁碍子10の段部15と主体金具50の段部56との間に介在された環状の板パッキン8によって保持され、燃焼ガスの流出が防止される。座屈部58は、加締めの際に、圧縮力の付加に伴い外向きに撓み変形するように構成されており、タルク9の圧縮ストロークを稼いで主体金具50内の気密性を高めている。なお、主体金具50の段部56よりも先端側と絶縁碍子10との間には、所定寸法のクリアランスCLが設けられている。
図2は、スパークプラグ100の中心電極20の先端部22付近の拡大図である。中心電極20は、電極母材21の内部に芯材25を埋設した構造を有する棒状の電極である。電極母材21は、インコネル(商標名)600または601等のニッケルまたはニッケルを主成分とする合金から形成されている。芯材25は、電極母材21よりも熱伝導性に優れる銅または銅を主成分とする合金から形成されている。通常、中心電極20は、有底筒状に形成された電極母材21の内部に芯材25を詰め、底側から押出成形を行って引き延ばすことで作製される。芯材25は、胴部分においては略一定の外径をなすものの、先端側においては縮径部が形成される。また、中心電極20は、軸孔12内を後端側に向けて延設され、シール体4およびセラミック抵抗3(図1)を経由して、端子金具40(図1)に電気的に接続されている。端子金具40には、高圧ケーブル(図示せず)がプラグキャップ(図示せず)を介して接続され、高電圧が印加される。
中心電極20の先端部22は、絶縁碍子10の先端部11よりも突出している。中心電極20の先端部22の先端には、中心電極チップ90が接合されている。中心電極チップ90は、軸線方向ODに伸びた略円柱形状を有しており、耐火花消耗性を向上するため、高融点の貴金属によって形成されている。中心電極チップ90は、例えば、イリジウム(Ir)や、Irを主成分として、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、パラジウム(Pd)、レニウム(Re)のうち、1種類あるいは2種類以上を添加したIr合金によって形成される。
接地電極30は、耐腐食性の高い金属から形成され、例えば、インコネル(商標名)600または601等のニッケル合金から形成されている。この接地電極30の基部32は、溶接によって、主体金具50の先端部57に接合されている。また、接地電極30は屈曲しており、接地電極30の先端部33は、中心電極20の先端部22と対向している。さらに具体的には、接地電極30の先端部33は、中心電極チップ90の先端面92と対向している。
接地電極30のうち、中心電極チップ90の先端面92に対向する位置には、接地電極チップ95が溶融部98を介して接合されている。接地電極チップ95の放電面96は、中心電極チップ90の先端面92と対向しており、接地電極チップ95の放電面96と、中心電極チップ90の先端面92との間には、火花放電が行なわれる間隙であるギャップGAが形成されている。中心電極チップ90と同様に、高融点の貴金属によって形成されており、例えば、Ir、Pt、Rh、Ru、Pd、Reのうちの1種類以上の元素を含有している。このようにすれば、接地電極チップ95の耐火花消耗性を向上させることができる。
A2.各部の形状及び寸法:
図3は、接地電極30の先端部33付近を拡大して示す説明図である。図3(A)は、接地電極30を軸線方向ODから示す図である。図3(B)は、図3(A)におけるX1−X1断面を示す図である。図3(C)は,図3(A)におけるX2−X2断面を示す図である。換言すれば、図3(C)は、接地電極チップ95の重心Gを通り、接地電極30の長手方向TDに垂直な断面を示している。
図3(B)に示すように、接地電極30の先端部33には、接地電極チップ95の底面と同じ形状の溝部34が形成されており、接地電極チップ95は、溝部34に埋設されている。接地電極チップ95と接地電極30との間の少なくとも一部には、溶融部98が形成されている。溶融部98は、接地電極チップ95の一部と接地電極30の一部とが溶け合って形成されており、接地電極チップ95と接地電極30の成分の両方が含まれる。すなわち、溶融部98は、接地電極30と接地電極チップ95との中間的な組成を有している。なお、接地電極チップ95と接地電極30との間には破線が描かれているが、実際には、溶融部98が形成されている部分においては接地電極チップ95と接地電極30とが一体となって溶融しており、破線は消滅している。以下で示す図面においても同様である。
溶融部98は、接地電極30と接地電極チップ95との境界(すなわち、接地電極チップ95の底面)に対して略平行な方向LDから高エネルギービームを照射することによって形成することができる(図3(C))。より具体的には、溶融部98は、高エネルギービームを接地電極30の長手方向TDに相対的に移動させながら照射することによって形成することができる(図3(A))。本実施形態では、溶融部98を形成するための高エネルギービームとして、ファイバーレーザを用いている。ただし、ファイバーレーザの代わりに、電子ビームを用いることとしてもよい。ファイバーレーザや電子ビームを用いると、接地電極30と接地電極チップ95の境界を奥深くまで溶融させることができるため、接地電極30と接地電極チップ95とを強固に接合させることができる。なお、溶融部98は、接地電極30と接地電極チップ95との境界に対して斜めの方向から高エネルギービームを照射することによって形成することもできる。また、接地電極チップ95を接地電極30に溶接した後は、接地電極30を湾曲させて、接地電極チップ95と中心電極20とを対向させる。
図3(A)に示すように、溶融部98は、軸線方向ODに投影した場合に、接地電極チップ95の面積の70%以上と重なっていることが好ましい。本実施形態では、溶融部98は、接地電極チップ95の面積の100%と重なっている。このようにすれば、溶融部近傍における酸化スケールの発生を抑制することができるとともに、接地電極チップ95の接地電極30からの剥離を抑制することができる。
さらに、図3(C)に示すように、溶融部98は、接地電極30の側面35から延びた形状を有しており、溶融部98の軸線方向ODにおける厚さは、接地電極30の側面35から遠ざかる方向に沿って次第に小さくなっている。このような形状は、接地電極30と接地電極チップ95との間に生じる応力を適切に分散させることができるので、接地電極チップ95の剥離を抑制することが可能となる。
また、図3(C)に示した断面図において、溶融部98の軸線方向ODにおける厚さのうち、最も厚い部分の厚さをAとする。そして、溶融部98の最も厚い部分から、溶融部の先端99までの長さをBとする。この場合において、スパークプラグ100は、以下の関係式(1)を満たすことが好ましい。
1.3≦B/A …(1)
このようにすれば、溶融部98近傍に酸化スケールが発生するのを抑制することができるので、接地電極30と接地電極チップ95との溶接強度を向上させることができる。なお、上記の数値範囲に限定する理由については後述の実験例において示す。また、B/Aを以下では溶融部比率とも呼ぶ。
さらに、図3(C)に示すように、接地電極チップ95のうち、中心電極20の中心電極チップ90との間で火花放電間隙(ギャップGA)を形成する放電面96には、溶融部98が形成されていないことが好ましい。この理由は、接地電極チップ95の方が溶融部98よりも耐火花消耗性に優れているためである。したがって、接地電極チップ95の放電面96に溶融部98が形成されないようにすれば、耐火花消耗性を向上させることができる。
なお、以下に示す他の実施形態においても同様に、接地電極チップ95のうち、中心電極20の中心電極チップ90との間で火花放電間隙を形成する放電面96には、溶融部が形成されていないことが好ましい。
また、図3(C)に示した断面図において、接地電極チップ95の中心電極20に対向する放電面96から、溶融部98までの長さのうち、最も浅い部分の長さをL1とする。接地電極チップ95の放電面96から、溶融部98までの長さのうち、最も長い部分の深さをL2とする。この場合において、スパークプラグ100は、以下の関係式(2)を満たすことが好ましい。
L2−L1≦0.3mm …(2)
このようにすれば、スパークプラグ100の使用に伴うギャップGAの増加量を抑えることができ、接地電極チップ95の耐久性をさらに向上させることができる。上記関係式(2)のように規定する根拠については、後述の実験例において示す。また、L2−L1を以下では溶融部高低差LA(=L2−L1)とも呼ぶ。
なお、以下に示す他の実施形態においても同様に、溶融部高低差LAは、上記関係式(2)を満たすことが好ましい。
さらに、図3(C)に示すように、溶融部98と接地電極チップ95との境界面97の半分以上は、放電面96との成す角度が0度から10度以内であることが好ましい。このようにすれば、接地電極チップ95のうち高エネルギービームによって溶融されていない部分の体積が大きくなるので、耐火花消耗性を向上させることが可能となる。
なお、以下に示す他の実施形態においても同様に、溶融部と接地電極チップ95との境界面97の半分以上は、放電面96との成す角度が0度から10度以内であることが好ましい。
B.第2実施形態:
図4は、第2実施形態のスパークプラグ100bにおける接地電極30の先端部33付近を拡大して示す説明図である。図4(A),図4(B),図4(C)は、それぞれ図3(A),図3(B),図3(C)に相当する図である。図3に示した第1実施形態との違いは、接地電極30の両方の側面35,36から、溶融部110,120が形成されている点であり、他の構成は第1実施形態と同じである。
第1溶融部110は、接地電極30の側面35に向かう方向LD1から高エネルギービームを照射することによって形成することができる。同様に、第2溶融部120は、接地電極30の側面36に向かう方向LD2から高エネルギービームを照射することによって形成することができる。
図4(A)に示すように、溶融部110,120は、軸線方向ODに投影した場合に、接地電極チップ95の面積の70%以上と重なっていることが好ましい。本実施形態では、溶融部110,120は、接地電極チップ95の面積の70%と重なっている。このようにすれば、溶融部近傍における酸化スケールの発生を抑制することができるとともに、接地電極チップ95の接地電極30からの剥離を抑制することができる。
また、図4(C)に示すように、第1溶融部110は、接地電極30の側面35から延びた形状を有しており、第1溶融部110の軸線方向ODにおける厚さは、側面35から遠ざかる方向に沿って次第に小さくなっている。一方、第2溶融部120は、接地電極30の側面35とは反対側の側面36から延びた形状を有しており、第2溶融部120の軸線方向ODにおける厚さは、接地電極30の側面36から遠ざかる方向に沿って次第に小さくなっている。
このようにすれば、酸化スケールの発生を抑制し、接地電極チップ95が接地電極30から剥離してしまうことを抑制することが可能となる。この理由について説明する。接地電極30の温度は、スパークプラグ100の使用状態において、接地電極30の表面(側面35、36)に向かう方向に沿って次第に高くなる。このため、接地電極30にかかる応力は、表面に近い部位ほど大きくなる。ここで、溶融部110、120は、接地電極30と接地電極チップ95との中間的な熱膨張率を有しているため、接地電極30にかかる応力を緩和することができる。したがって、溶融部110、120の厚さを接地電極30の表面に向かう方向に沿って次第に厚く、換言すれば、溶融部110、120の厚さを接地電極30の側面35、36から遠ざかる方向に沿って次第に小さくすれば、接地電極30にかかる応力を適切に緩和することができるため、酸化スケールの発生を抑制し、接地電極チップ95が接地電極30から剥離してしまうことを抑制することが可能となる。すなわち、溶融部98の厚さは、スパークプラグ100の使用状態において接地電極チップ95の温度が高くなる箇所ほど厚くすることが好ましい。
ここで、図4(C)に示した断面図において、溶融部110の軸線方向ODにおける厚さのうち、最も厚い部分の厚さをA1とし、溶融部120の軸線方向ODにおける厚さのうち、最も厚い部分の厚さをA2とし、A1とA2とを足した長さをAとする。そして、第1溶融部110の最も厚い部分から、第1溶融部110の先端111までの長さをB1とし、第2溶融部120の最も厚い部分から、第2溶融部120の先端121までの長さをB2とし、B1とB2とを足した長さをBとする。この場合において、スパークプラグ100bは、第1実施形態と同様に、関係式(1)を満たすことが好ましい。
1.3≦B/A …(1)
このようにすれば、第1実施形態と同様に、接地電極30と接地電極チップ95との溶接強度を向上させることができる。
なお、本実施形態では、第1溶融部110の先端111と第2溶融部120の先端121とが離れていたが、第1溶融部110と第2溶融部120とが一体となっていてもよい。この場合における長さBの定義については後述する。
このように、接地電極30の両方の側面35,36から高エネルギービームを照射することによって溶融部110,120を形成しても、第1実施形態と同様に、接地電極30と接地電極チップ95との溶接強度を向上させることができる。
図5は、第2実施形態の変形例のスパークプラグ101bにおける接地電極30の先端部33付近を拡大して示す説明図である。図5(A),図5(B),図5(C)は、それぞれ図4(A),図4(B),図4(C)に相当する図である。図4に示した第2実施形態との違いは、第1溶融部110と第2溶融部120とが一体となっている点であり、他の構成は第2実施形態と同じである。
このスパークプラグ101bでは、溶融部110の先端111及び第2溶融部120の先端121が存在しないため、上記の第2実施形態と同様の方法ではBの長さを定義することができない。したがって、第1溶融部110の先端111と、第2溶融部120の先端121とが一体となっている場合には、第1溶融部110の最も厚い部分から、第2溶融部120の最も厚い部分までの長さをBとして定義する。この場合において、スパークプラグ101bは、上記関係式(1)を満たすことが好ましい。このようにしても、接地電極30と接地電極チップ95との溶接強度を向上させることができる。なお、第1溶融部110と第2溶融部120とが一体となっている場合における長さBの定義は、以下に示す実施形態においても同様である。
C.第3実施形態:
図6は、第3実施形態のスパークプラグ100cの接地電極30の先端部33付近を拡大して示す説明図である。図6(A)は、接地電極30を側面方向から示す図である。図6(B)は、接地電極30を先端面方向から示す図である。図6(C)は、図6(A)のX1−X1断面を示す図である。換言すれば、図6(C)は、接地電極チップ95の重心Gを通り、軸線方向ODに垂直な断面を示している。
このスパークプラグ100cでは、接地電極30の先端面31は、中心電極チップ90の側面93と対向している。接地電極チップ95は、接地電極30の先端面31に設けられており、中心電極チップ90の側面93との間で、火花放電間隙を形成している。すなわち、このスパークプラグ100cはいわゆる横放電型プラグであり、放電方向は軸線方向ODに対して垂直である。なお、中心電極チップ90を中心電極20の一部と捉えれば、接地電極チップ95は、中心電極20の側面と対向していると言える。
図6(B)に示すように、溶融部98は、接地電極30の長手方向TDに投影した場合に、接地電極チップ95の面積の70%以上と重なっていることが好ましい。この図6(B)に示した例では、溶融部98は、接地電極チップ95の面積の100%と重なっている。このようにすれば、酸化スケールの発生を抑制することができるとともに、接地電極チップ95の接地電極30からの剥離を抑制することができる。
また、図6(C)に示すように、溶融部98は、接地電極30の側面35から延びた形状を有しており、溶融部98の接地電極30の長手方向TDにおける厚さは、接地電極30の側面35から遠ざかる方向に沿って次第に小さくなっている。このような溶融部98は、接地電極30の側面35に向かう方向LDから高エネルギービームを照射することによって形成することができる。
ここで、図6(C)に示した断面図において、溶融部98の接地電極30の長手方向TDにおける厚さのうち、最も厚い部分の厚さをAとし、溶融部98の最も厚い部分から、溶融部98の先端99までの長さをBとする。この場合において、スパークプラグ100cは、第1実施形態と同様に、関係式(1)を満たすことが好ましい。
1.3≦B/A …(1)
このようにすれば、第1実施形態と同様に、接地電極30と接地電極チップ95との溶接強度を向上させることができる。
D.第4実施形態:
図7は、第4実施形態のスパークプラグ100dの接地電極30先端部33付近を拡大して示す説明図である。図7(A),図7(B),図7(C)は、それぞれ図6(A),図6(B),図6(C)に相当する図である。
図6に示した第3実施形態との違いは、接地電極30の側面35から延びた形状を有する第1溶融部110に加えて、接地電極30の側面36から延びた形状を有する第2溶融部120が形成されている点であり、他の構成は同じである。
第1溶融部110は、接地電極30の側面35に向かう方向LD1から高エネルギービームを照射することによって形成することができる。同様に、第2溶融部120は、接地電極30の側面36に向かう方向LD2から高エネルギービームを照射することによって形成することができる。
図7(B)に示すように、溶融部110,120は、軸線方向ODに投影した場合に、接地電極チップ95の面積の70%以上と重なっていることが好ましい。本実施形態では、溶融部98は、接地電極チップ95の面積の70%と重なっている。このようにすれば、酸化スケールの発生を抑制することができるとともに、接地電極チップ95の接地電極30からの剥離を抑制することができる。
また、図7(C)に示すように、第1溶融部110は、接地電極30の側面35から延びた形状を有しており、第1溶融部110の接地電極30の長手方向TDにおける厚さは、側面35から遠ざかる方向に沿って次第に小さくなっている。一方、第2溶融部120は、接地電極30の側面35とは反対側の側面36から延びた形状を有しており、第2溶融部120の接地電極30の長手方向TDにおける厚さは、接地電極30の側面36から遠ざかる方向に沿って次第に小さくなっている。
ここで、図7(C)に示した断面図において、溶融部110の接地電極30の長手方向TDにおける厚さのうち、最も厚い部分の厚さをA1とし、溶融部120の接地電極30の長手方向TDにおける厚さのうち、最も厚い部分の厚さをA2とし、A1とA2とを足した長さをAとする。そして、第1溶融部110の最も厚い部分から、第1溶融部110の先端111までの長さをB1とし、第2溶融部120の最も厚い部分から、第2溶融部120の先端121までの長さをB2とし、B1とB2とを足した長さをBとする。この場合において、スパークプラグ100bは、第1実施形態と同様に、関係式(1)を満たすことが好ましい。
1.3≦B/A …(1)
このようにすれば、第1実施形態と同様に、接地電極30と接地電極チップ95との溶接強度を向上させることができる。
E.第5実施形態:
図8は、第5実施形態のスパークプラグ100eの接地電極30先端部33付近を拡大して示す説明図である。図8(A)は、接地電極30を側面方向から示す図である。図8(B)は、接地電極30を先端面方向から示す図である。図8(C)は、図8(B)のX1−X1断面を示す図である。換言すれば、図8(C)は、接地電極チップ95の重心Gを通り、接地電極30の幅方向WDに垂直な断面を示している。
図6に示した第3実施形態との違いは、溶融部98が接地電極30の内側面37から延びた形状を有している点であり、他の構成は同じである。なお、接地電極30の内側面37とは、接地電極30の湾曲している径の内側に形成されている面をいう。
図8(B)に示すように、溶融部98は、接地電極30の長手方向TDに投影した場合に、接地電極チップ95の面積の70%以上と重なっていることが好ましい。この図8(B)に示した例では、溶融部98は、接地電極チップ95の面積の100%と重なっている。このようにすれば、溶融部近傍における酸化スケールの発生を抑制することができるとともに、接地電極チップ95の接地電極30からの剥離を抑制することができる。
また、図8(C)に示すように、溶融部98は、接地電極30の内側面37から延びた形状を有しており、溶融部98の接地電極30の長手方向TDにおける厚さは、接地電極30の内側面37から遠ざかる方向に沿って次第に小さくなっている。このような溶融部98は、接地電極30の内側面37に向かう方向LDから高エネルギービームを照射することによって形成することができる。なお、実際には、溶融部98を形成した後に、接地電極30を湾曲させている。
ここで、図8(C)に示した断面図において、溶融部98の接地電極30の長手方向TDにおける厚さのうち、最も厚い部分の厚さをAとし、溶融部98の最も厚い部分から、溶融部98の先端99までの長さをBとする。この場合において、スパークプラグ100eは、第1実施形態と同様に、関係式(1)を満たすことが好ましい。
1.3≦B/A …(1)
このようにすれば、第1実施形態と同様に、接地電極30と接地電極チップ95との溶接強度を向上させることができる。
F.第6実施形態:
図9は、第6実施形態のスパークプラグ100fの接地電極30先端部33付近を拡大して示す説明図である。図9(A),図9(B),図9(C)は、それぞれ図8(A),図8(B),図8(C)に相当する図である。
図8に示した第5実施形態との違いは、接地電極30の内側面37から延びた形状を有する第1溶融部110に加えて、接地電極30の外側面38から延びた形状を有する第2溶融部120が形成されている点であり、他の構成は同じである。なお、接地電極30の外側面38とは、接地電極30の湾曲している径の外側に形成されている面をいい、接地電極30の内側面37と接地電極30の外側面38とは対向している。
第1溶融部110は、接地電極30の内側面37に向かう方向LD1から高エネルギービームを照射することによって形成することができる。同様に、第2溶融部120は、接地電極30の外側面38に向かう方向LD2から高エネルギービームを照射することによって形成することができる。なお、実際には、溶融部110,120を形成した後に、接地電極30を湾曲させている。
図9(B)に示すように、溶融部110,120は、接地電極30の長手方向TDに投影した場合に、接地電極チップ95の面積の70%以上と重なっていることが好ましい。本実施形態では、溶融部98は、接地電極チップ95の面積の70%と重なっている。このようにすれば、酸化スケールの発生を抑制することができるとともに、接地電極チップ95の接地電極30からの剥離を抑制することができる。
また、図9(C)に示すように、第1溶融部110は、接地電極30の内側面37から延びた形状を有しており、第1溶融部110の接地電極30の長手方向TDにおける厚さは、内側面37から遠ざかる方向に沿って次第に小さくなっている。一方、第2溶融部120は、接地電極30の内側面37と対向する外側面38から延びた形状を有しており、第2溶融部120の接地電極30の長手方向TDにおける厚さは、接地電極30の外側面38から遠ざかる方向に沿って次第に小さくなっている。
ここで、図9(C)に示した断面図において、溶融部110の接地電極30の長手方向TDにおける厚さのうち、最も厚い部分の厚さをA1とし、溶融部120の接地電極30の長手方向TDにおける厚さのうち、最も厚い部分の厚さをA2とし、A1とA2とを足した長さをAとする。そして、第1溶融部110の最も厚い部分から、第1溶融部110の先端111までの長さをB1とし、第2溶融部120の最も厚い部分から、第2溶融部120の先端121までの長さをB2とし、B1とB2とを足した長さをBとする。この場合において、スパークプラグ100fは、第1実施形態と同様に、関係式(1)を満たすことが好ましい。
1.3≦B/A …(1)
このようにすれば、第1実施形態と同様に、接地電極30と接地電極チップ95との溶接強度を向上させることができる。
G.第7実施形態:
図10は、第7実施形態のスパークプラグ100gの接地電極30先端部33付近を拡大して示す説明図である。図10(A)は、接地電極30を側面方向から示す図である。図10(B)は、接地電極30を軸線方向ODから示す図である。図10(C)は、図10(A)のX1−X1断面を示す図である。換言すれば、図10(C)は、接地電極チップ95の重心Gを通り、接地電極30の長手方向TDに垂直な断面を示している。
図6に示した第3実施形態との違いは、接地電極チップ95の形状が四角柱状になっている点と、接地電極チップ95が接地電極30の内側面37に設けられている点と、接地電極チップ95の一部が接地電極30の先端面31から突出している点であり、他の構成は同じである。
図10(B)に示すように、溶融部98は、軸線方向ODに投影した場合に、接地電極チップ95の面積の70%以上と重なっていることが好ましい。この図10(B)に示した例では、溶融部98は、接地電極チップ95の面積の75%と重なっている。このようにすれば、溶融部近傍における酸化スケールの発生を抑制することができるとともに、接地電極チップ95の接地電極30からの剥離を抑制することができる。
また、図10(C)に示すように、溶融部98は、接地電極30の側面35から延びた形状を有しており、溶融部98の軸線方向ODにおける厚さは、接地電極30の側面35から遠ざかる方向に沿って次第に小さくなっている。このような溶融部98は、接地電極30の側面35に向かう方向LDから高エネルギービームを照射することによって形成することができる。
ここで、図10(C)に示した断面図において、溶融部98の軸線方向ODにおける厚さのうち、最も厚い部分の厚さをAとし、溶融部98の最も厚い部分から、溶融部98の先端99までの長さをBとする。この場合において、スパークプラグ100gは、第1実施形態と同様に、関係式(1)を満たすことが好ましい。
1.3≦B/A …(1)
このようにすれば、第1実施形態と同様に、接地電極30と接地電極チップ95との溶接強度を向上させることができる。
なお、この図10に示した例では、接地電極チップ95が接地電極30の内側面37に設けられていたが、この代わりに、接地電極チップ95は、接地電極30の外側面38に設けられていてもよい。すなわち、接地電極チップ95は、接地電極30の軸線方向ODに垂直な面に設けられていればよい。以下に示す第8実施形態においても同様である。
H.第8実施形態:
図11は、第8実施形態のスパークプラグ100hの接地電極30先端部33付近を拡大して示す説明図である。図11(A),図11(B),図11(C)は、それぞれ図10(A),図10(B),図10(C)に相当する図である。
図10に示した第7実施形態との違いは、接地電極30の側面35から延びた形状を有する第1溶融部110に加えて、接地電極30の側面36から延びた形状を有する第2溶融部120が形成されている点であり、他の構成は同じである。
第1溶融部110は、接地電極30の側面35に向かう方向LD1から高エネルギービームを照射することによって形成することができる。同様に、第2溶融部120は、接地電極30の側面36に向かう方向LD2から高エネルギービームを照射することによって形成することができる。
図11(B)に示すように、溶融部110,120は、軸線方向ODに投影した場合に、接地電極チップ95の面積の70%以上と重なっていることが好ましい。本実施形態では、溶融部98は、接地電極チップ95の面積の70%と重なっている。このようにすれば、酸化スケールの発生を抑制することができるとともに、接地電極チップ95の接地電極30からの剥離を抑制することができる。
また、図11(C)に示すように、第1溶融部110は、接地電極30の側面35から延びた形状を有しており、第1溶融部110の軸線方向ODにおける厚さは、側面35から遠ざかる方向に沿って次第に小さくなっている。一方、第2溶融部120は、接地電極30の側面35とは反対側の側面36から延びた形状を有しており、第2溶融部120の軸線方向ODにおける厚さは、接地電極30の側面36から遠ざかる方向に沿って次第に小さくなっている。
ここで、図11(C)に示した断面図において、溶融部110の軸線方向ODにおける厚さのうち、最も厚い部分の厚さをA1とし、溶融部120の軸線方向ODにおける厚さのうち、最も厚い部分の厚さをA2とし、A1とA2とを足した長さをAとする。そして、第1溶融部110の最も厚い部分から、第1溶融部110の先端111までの長さをB1とし、第2溶融部120の最も厚い部分から、第2溶融部120の先端121までの長さをB2とし、B1とB2とを足した長さをBとする。この場合において、スパークプラグ100hは、第1実施形態と同様に、関係式(1)を満たすことが好ましい。
1.3≦B/A …(1)
このようにすれば、第1実施形態と同様に、接地電極30と接地電極チップ95との溶接強度を向上させることができる。
I.第9実施形態:
図12は、第9実施形態のスパークプラグ100iにおける接地電極30の先端部33付近を拡大して示す説明図である。図12(A),図12(B),図12(C)は、それぞれ図5(A),図5(B),図5(C)に相当する図である。図5に示した第2実施形態の変形例との違いは、接地電極30の溝部34と接地電極チップ95との境界面のうち、溶融部110,120の長手方向に対して垂直な部分においても、溝部34と接地電極チップ95とが溶融した溶融部130が形成されている点であり、他の構成は第2実施形態と同じである。
溶融部130を形成すれば、接地電極チップ95と接地電極30との境界のうちのより広範な部分を溶接することができるので、接地電極チップ95と接地電極30との溶接強度をさらに高めることが可能となる。
なお、溶融部130は、高エネルギービームの照射時間を、図5に示した溶融部110を形成する場合における照射時間よりも長くすることによって形成することができる。また、高エネルギービームの出力を大きくすることによっても、溶融部130を形成することができる。この溶融部130は、第2実施形態の変形例以外の他の実施形態においても形成されていることが好ましい。
J.酸化スケールに関する実験例:
第1実施形態及び第2実施形態のスパークプラグにおいて、溶融部比率B/Aと、酸化スケールの発生割合との関係を調べるために、机上バーナー試験を行なった。机上バーナー試験を行なうと、溶融部近傍に酸化スケールが発生した。ここで、酸化スケール発生割合[%]とは、溶融部の境界の長さに対する、発生した酸化スケールの長さの割合である。
机上バーナー試験では、まず接地電極30をバーナーで2分間熱し、接地電極30の温度を1100℃まで上昇させた。その後バーナーを切り、接地電極30を1分間徐冷し、再び接地電極30をバーナーで2分間熱して接地電極30の温度を1100℃まで上昇させた。このサイクルを1000回繰り返し、溶融部付近に発生した酸化スケールの長さを、断面(図3(C),図4(C)に相当する断面)から計測した。そして、計測された酸化スケールの長さから、酸化スケール発生割合を求めた。
図13は、溶融部比率B/Aと、酸化スケール発生割合との関係を示すグラフである。図13の横軸は、溶融部比率B/Aを示しており、縦軸は、酸化スケール発生割合を示している。また、図13における白抜きの円は、第1実施形態におけるスパークプラグ100の実験結果を示しており、黒円は、第2実施形態におけるスパークプラグ100bの実験結果を示している。
この図13によれば、溶融部比率B/Aが大きくなるにしたがって、酸化スケール発生割合が小さくなることが理解できる。これは、溶融部比率B/Aが大きくなるほど、接地電極30及び接地電極チップ95の熱応力を分散させやすい形状となり、接地電極チップ95と接地電極30との境界面に酸化スケールが発生しにくくなるためであると考えられる。そして、溶融部比率B/Aが1.3以上となると、酸化スケール発生割合が50%未満となる。したがって、溶融部比率B/Aは、1.3以上が好ましく、酸化スケール発生割合をさらに抑えるには、溶融部比率B/Aは、1.5以上がさらに好ましく、2.0以上が特に好ましく、2.5以上が最も好ましい。第1及び第2実施形態以外のスパークプラグにおいても同様に、溶融部比率B/Aが1.3以上となるように、溶融部を形成することが好ましい。
なお、溶融部を軸線方向ODに投影した場合に、接地電極チップ95の面積のうち、溶融部が重なっている部分の面積が70%未満のサンプルでは、酸化スケール発生割合が全て50%以上となった。したがって、溶融部は、軸線方向ODに投影した場合に、接地電極チップ95の面積の70%以上と重なっていることが好ましい。第1及び第2実施形態以外のスパークプラグにおいても同様である。
K.ギャップGAの増加量に関する実験例:
第1実施形態(図3)のスパークプラグにおいて、溶融部高低差LA(=L2−L1)と試験後のギャップGAの増加量との関係を調べるため、溶融部高低差LAの異なるサンプルを用いて、机上火花耐久試験を行なった。本実験例では、圧力0.4MPaの大気雰囲気中において、周波数60Hzの放電を100時間行なった。
図14は、溶融部高低差LAと試験後のギャップGAの増加量との関係を示すグラフである。図14の横軸は、溶融部高低差LAを示しており、縦軸は、机上火花試験を100時間行なった後のギャップGAの増加量(mm)を示している。この図14によれば、溶融部高低差LAが小さいほど、ギャップGAの増加量は小さくなり、接地電極チップ95の耐久性が向上することが理解できる。また、溶融部高低差LAを0.3よりも小さくすれば、ギャップGAの増加量を0.1mmに抑えることができ、接地電極チップ95の耐久性をさらに向上させることができる。したがって、溶融部高低差LAが0.3mm以下になるように、溶融部98を形成することが好ましい。第1実施形態以外のスパークプラグにおいても同様に、溶融部高低差LAが0.3mm以下になるように、溶融部を形成することが好ましい。
L.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
変形例1:
図15は、変形例におけるスパークプラグの接地電極30の断面図を示す説明図である。この図15は、第2実施形態の変形例を示す図5(C)に相当する図である。この図15に示す例では、第1溶融部110の方が第2溶融部120よりも大きくなっている。このように、第1溶融部110と第2溶融部120の大きさは、異なっていてもよい。第2実施形態以外の上記実施形態においても同様である。
変形例2:
図16は、変形例におけるスパークプラグの接地電極30の断面図を示す説明図である。この図16は、第2実施形態の変形例を示す図5(C)に相当する図である。この図16に示す例では、第1溶融部110の方が第2溶融部120よりも大きくなっており、第1溶融部110のみが境界面97を形成している。このように、必ずしも第1溶融部110と第2溶融部120の両方が境界面97を形成していなくてもよい。第2実施形態以外の他の実施形態においても同様である。
変形例3:
上記第1ないし第6及び第9実施形態では、接地電極チップ95の形状は、略円柱状であったが、四角柱状であってもよい。また、第7、第8実施形態では、接地電極チップ95は四角柱状であったが、略円柱状であってもよい。すなわち、接地電極チップ95の形状は、上記実施形態に限定されることなく、任意の形状を採用することができる。
変形例4:
上記実施形態では、接地電極30に溝部34が形成されていたが、溝部34を省略し、接地電極チップ95を接地電極30の平坦な面に直接溶接することとしてもよい。
M.スパークプラグの製造方法:
図17は、溶融部98の形成過程の一例を示す説明図である。図3(A)で示した溶融部98を形成するには、まず、高エネルギービームを接地電極30と接地電極チップ95との境界に対して相対的に移動させながら照射する(図17(A))。そうすると、図17(A)に示すように、溶融部98のうち、最初に高エネルギービームが照射された部分Fは、溶融深さが足りず、溶融部98は、図3(A)に示すような略対称な形状とはならない。この理由は、溶融部98のうち最初に高エネルギービームが照射された部分は、高エネルギービームによってまだ十分に加熱されておらず、十分な溶融深さが得られるほど温度が高くなっていないためであると考えられる。そこで、図17(B)に示すように、溶融部98のうちの溶融深さが足りない部分に対しては、高エネルギービームを往復移動させ、高エネルギービームを2度照射させる。こうすれば、溶融部98のうちの溶融深さが足りなかった部分の溶融深さが補われ、溶融部98の形状を基準線BLに対して略対称な形状とすることができる。なお、高エネルギービームを2度照射しても溶融部98が略対称な形状とならない場合には、3度以上高エネルギービームを照射することとしてもよい。
なお、図17(A)では、高エネルギービームを移動させているが、接地電極30と接地電極チップ95の境界を、高エネルギービームに対して移動させることとしてもよい。以下の図18(A)、図19(A)に示す製造方法においても、高エネルギービームを移動させているが、同様に、接地電極30と接地電極チップ95の境界を、高エネルギービームに対して移動させることとしてもよい。
また、高エネルギービームは、接地電極30と接地電極チップ95との境界に対して照射される前から放出されていることとしてもよい。こうすれば、高エネルギービームの出力が安定した状態となってから、溶融部の形成を開始することができるため、溶融部の形状を形成する際の精度を向上させることができる。
図18(A)は、溶融部98の形成過程の他の一例を示す説明図である。図18(B)は、溶融部98の形成過程における高エネルギービームの出力の変化の一例を示す説明図である。前述したように、溶融部98のうち、高エネルギービームが最初に照射される部分は、まだ十分に加熱されていないため、溶融深さが足りないことがある。したがって、溶融部98を基準線BLに対して略対称な形状とするためには、高エネルギービームの出力を相対移動に伴って変化させることとしてもよい。具体的には、例えば図18(B)に示すように、照射開始後は高エネルギービームを出力大の一定値として、被照射部分を十分に加熱し、その後徐々に高エネルギービームの出力を小さくすればよい。高エネルギービームの出力を徐々に小さくしても溶融部98を基準線BLに対して略対称な形状とすることができる理由は、高エネルギービームによって与えられた熱は、溶融部98を徐々に伝導し、まだ高エネルギービームが照射されていない部分の温度も高くなるためである。したがって、高エネルギービームの出力を相対移動に伴って変化させれば、溶融部98を基準線BLに対して略対称な形状とすることができる。なお、溶融部98を基準線BLに対して略対称な形状とするための高エネルギービームの出力波形としては、図18(B)に示した出力波形に限られず、接地電極30及び接地電極チップ95の材質や形状に応じて、高エネルギービームの出力を調整することが好ましい。
図19(A)は、溶融部98の形成過程の他の一例を示す説明図である。図19(B)は、溶融部98の形成過程における高エネルギービームの出力の変化の一例を示す説明図である。溶融部98の形状を、基準線BLに対して略対称な形状とするためには、上述したように、高エネルギービームの出力を相対移動に伴って変化させることとしてもよい。具体的には、例えば図19(A)の矢印、及び、図19(B)に示すように、高エネルギービームの出力を基準線BLの手前までは大きくしていき、その後、徐々に小さくすればよい。すなわち、高エネルギービームの出力を相対移動に伴って上げていき、基準線BLの手前でピーク値とし、その後、立ち上がり時よりも緩やかに出力を下げていけばよい。高エネルギービームの出力を基準線BLの手前でピーク値としても、溶融部98cを基準線BLに対して略対称な形状とすることができる理由は、高エネルギービームによって与えられた熱は、溶融部98bを徐々に伝導し、まだ高エネルギービームが照射されていない部分の温度も高くなるためである。したがって、高エネルギービームの出力を、図19(B)に示すような波形で、相対移動に伴って変化させれば、溶融部98を基準線BLに対して略対称な形状とすることができる。
このように、第1実施形態の溶融部98の形成方法を一例として説明したが、他の実施形態の溶融部も、同様に、高エネルギービームの出力や照射時間、照射回数等を適宜調整することによって、形成することができる。
3…セラミック抵抗
4…シール体
5…ガスケット
6…リング部材
8…板パッキン
9…タルク
10…絶縁碍子
11…先端部
12…軸孔
13…脚長部
15…段部
17…先端側胴部
18…後端側胴部
19…鍔部
20…中心電極
21…電極母材
22…先端部
25…芯材
30…接地電極
31…先端面
32…基部
33…先端部
34…溝部
35…側面
36…側面
37…内側面
38…外側面
40…端子金具
50…主体金具
51…工具係合部
52…取付ねじ部
53…加締部
54…シール部
55…座面
56…段部
57…先端部
58…座屈部
59…ねじ首
90…中心電極チップ
92…先端面
93…側面
95…接地電極チップ
96…放電面
97…境界面
98…溶融部
99…先端
100…スパークプラグ
100b…スパークプラグ
100c…スパークプラグ
100d…スパークプラグ
100e…スパークプラグ
100f…スパークプラグ
100g…スパークプラグ
100h…スパークプラグ
100i…スパークプラグ
110…第1溶融部
111…先端
120…第2溶融部
121…先端
130…溶融部
200…エンジンヘッド
201…孔
205…開口周縁部

Claims (15)

  1. 軸線方向に貫通する軸孔を有する絶縁体と、
    前記軸孔の先端側に設けられた中心電極と、
    前記絶縁体を保持する略筒状の主体金具と、
    一端が前記主体金具の先端部に取り付けられ、他端が前記中心電極の先端部と対向する接地電極と、
    前記接地電極の前記中心電極の先端面に対向する位置に設けられ、前記中心電極の先端面との間で間隙を形成する貴金属チップと、
    を備えるスパークプラグであって、
    前記接地電極と前記貴金属チップとの間の少なくとも一部には、前記接地電極と前記貴金属チップとが溶融した溶融部が形成されており、
    前記溶融部は、前記軸線方向に投影した場合に、前記貴金属チップの面積の70%以上と重なっており、
    前記貴金属チップの重心を通り、前記接地電極の長手方向に垂直な断面において、
    前記溶融部は、前記接地電極の側面から延びた形状を有しており、
    前記溶融部の前記軸線方向における厚さは、前記接地電極の前記側面から遠ざかる方向に沿って次第に小さくなっており、
    前記溶融部の前記軸線方向における厚さのうち、最も厚い部分の厚さをAとし、
    前記溶融部の最も厚い部分から、前記溶融部の先端までの長さをBとした場合に、
    1.3≦B/A
    の関係を満たすことを特徴とする、スパークプラグ。
  2. 軸線方向に貫通する軸孔を有する絶縁体と、
    前記軸孔の先端側に設けられた中心電極と、
    前記絶縁体を保持する略筒状の主体金具と、
    一端が前記主体金具の先端部に取り付けられ、他端が前記中心電極の先端部と対向する接地電極と、
    前記接地電極の前記中心電極の先端面に対向する位置に設けられ、前記中心電極の先端面との間で間隙を形成する貴金属チップと、
    を備えるスパークプラグであって、
    前記接地電極と前記貴金属チップとの間の少なくとも一部には、前記接地電極と前記貴金属チップとが溶融した溶融部が形成されており、
    前記溶融部は、前記軸線方向に投影した場合に、前記貴金属チップの面積の70%以上と重なっており、
    前記貴金属チップの重心を通り、前記接地電極の長手方向に垂直な断面において、
    前記溶融部は、前記接地電極の第1の側面から延びた形状の第1の溶融部と、前記接地電極の前記第1の側面とは反対側の第2の側面から延びた形状の第2の溶融部とを含み、
    前記第1の溶融部の前記軸線方向における厚さは、前記接地電極の前記第1の側面から遠ざかる方向に沿って次第に小さくなっており、
    前記第2の溶融部の前記軸線方向における厚さは、前記接地電極の前記第2の側面から遠ざかる方向に沿って次第に小さくなっており、
    前記第1の溶融部の前記軸線方向における厚さのうち、最も厚い部分の厚さをA1とし、
    前記第2の溶融部の前記軸線方向における厚さのうち、最も厚い部分の厚さをA2とし、
    A1とA2とを足した長さをAとし、
    前記第1の溶融部と前記第2の溶融部とが離れている場合には、
    前記第1の溶融部の最も厚い部分から、前記第1の溶融部の先端までの長さをB1とし、
    前記第2の溶融部の最も厚い部分から、前記第2の溶融部の先端までの長さをB2とし、
    B1とB2とを足した長さをBとし、
    前記第1の溶融部と前記第2の溶融部とが一体となっている場合には、
    前記第1の溶融部の最も厚い部分から、前記第2の溶融部の最も厚い部分までの長さをBとした場合に、
    1.3≦B/A
    の関係を満たすことを特徴とする、スパークプラグ。
  3. 軸線方向に貫通する軸孔を有する絶縁体と、
    前記軸孔の先端側に設けられた中心電極と、
    前記絶縁体を保持する略筒状の主体金具と、
    一端が前記主体金具の先端部に取り付けられ、他端が前記中心電極の先端部と対向する接地電極と、
    前記接地電極の先端面に設けられ、前記中心電極の側面との間で間隙を形成する貴金属チップと、
    を備えるスパークプラグであって、
    前記接地電極と前記貴金属チップとの間の少なくとも一部には、前記接地電極と前記貴金属チップとが溶融した溶融部が形成されており、
    前記溶融部は、前記接地電極の長手方向に投影した場合に、前記貴金属チップの面積の70%以上と重なっており、
    前記貴金属チップの重心を通り、前記軸線方向に垂直な断面において、
    前記溶融部は、前記接地電極の側面から延びた形状を有しており、
    前記溶融部の前記接地電極の長手方向における厚さは、前記接地電極の前記側面から遠ざかる方向に沿って次第に小さくなっており、
    前記溶融部の前記接地電極の長手方向における厚さのうち、最も厚い部分の厚さをAとし、
    前記溶融部の最も厚い部分から、前記溶融部の先端までの長さをBとした場合に、
    1.3≦B/A
    の関係を満たすことを特徴とする、スパークプラグ。
  4. 軸線方向に貫通する軸孔を有する絶縁体と、
    前記軸孔の先端側に設けられた中心電極と、
    前記絶縁体を保持する略筒状の主体金具と、
    一端が前記主体金具の先端部に取り付けられ、他端が前記中心電極の先端部と対向する接地電極と、
    前記接地電極の先端面に設けられ、前記中心電極の側面との間で間隙を形成する貴金属チップと、
    を備えるスパークプラグであって、
    前記接地電極と前記貴金属チップとの間の少なくとも一部には、前記接地電極と前記貴金属チップとが溶融した溶融部が形成されており、
    前記溶融部は、前記接地電極の長手方向に投影した場合に、前記貴金属チップの面積の70%以上と重なっており、
    前記貴金属チップの重心を通り、前記軸線方向に垂直な断面において、
    前記溶融部は、前記接地電極の第1の側面から延びた形状の第1の溶融部と、前記接地電極の前記第1の側面とは反対側の第2の側面から延びた形状の第2の溶融部とを含み、
    前記第1の溶融部の前記接地電極の長手方向における厚さは、前記接地電極の前記第1の側面から遠ざかる方向に沿って次第に小さくなっており、
    前記第2の溶融部の前記接地電極の長手方向における厚さは、前記接地電極の前記第2の側面から遠ざかる方向に沿って次第に小さくなっており、
    前記第1の溶融部の前記接地電極の長手方向における厚さのうち、最も厚い部分の厚さをA1とし、
    前記第2の溶融部の前記接地電極の長手方向における厚さのうち、最も厚い部分の厚さをA2とし、
    A1とA2とを足した長さをAとし、
    前記第1の溶融部と前記第2の溶融部とが離れている場合には、
    前記第1の溶融部の最も厚い部分から、前記第1の溶融部の先端までの長さをB1とし、
    前記第2の溶融部の最も厚い部分から、前記第2の溶融部の先端までの長さをB2とし、
    B1とB2とを足した長さをBとし、
    前記第1の溶融部と前記第2の溶融部とが一体となっている場合には、
    前記第1の溶融部の最も厚い部分から、前記第2の溶融部の最も厚い部分までの長さをBとした場合に、
    1.3≦B/A
    の関係を満たすことを特徴とする、スパークプラグ。
  5. 軸線方向に貫通する軸孔を有する絶縁体と、
    前記軸孔の先端側に設けられた中心電極と、
    前記絶縁体を保持する略筒状の主体金具と、
    一端が前記主体金具の先端部に取り付けられ、他端が前記中心電極の先端部と対向する接地電極と、
    前記接地電極の先端面に設けられ、前記中心電極の側面との間で間隙を形成する貴金属チップと、
    を備えるスパークプラグであって、
    前記接地電極と前記貴金属チップとの間の少なくとも一部には、前記接地電極と前記貴金属チップとが溶融した溶融部が形成されており、
    前記溶融部は、前記接地電極の長手方向に投影した場合に、前記貴金属チップの面積の70%以上と重なっており、
    前記貴金属チップの重心を通り、前記接地電極の幅方向に垂直な断面において、
    前記溶融部は、前記接地電極の内側面から延びた形状を有しており、
    前記溶融部の前記接地電極の長手方向における厚さは、前記接地電極の前記内側面から遠ざかる方向に沿って次第に小さくなっており、
    前記溶融部の前記接地電極の長手方向における厚さのうち、最も厚い部分の厚さをAとし、
    前記溶融部の最も厚い部分から、前記溶融部の先端までの長さをBとした場合に、
    1.3≦B/A
    の関係を満たすことを特徴とする、スパークプラグ。
  6. 軸線方向に貫通する軸孔を有する絶縁体と、
    前記軸孔の先端側に設けられた中心電極と、
    前記絶縁体を保持する略筒状の主体金具と、
    一端が前記主体金具の先端部に取り付けられ、他端が前記中心電極の先端部と対向する接地電極と、
    前記接地電極の先端面に設けられ、前記中心電極の側面との間で間隙を形成する貴金属チップと、
    を備えるスパークプラグであって、
    前記接地電極と前記貴金属チップとの間の少なくとも一部には、前記接地電極と前記貴金属チップとが溶融した溶融部が形成されており、
    前記溶融部は、前記接地電極の長手方向に投影した場合に、前記貴金属チップの面積の70%以上と重なっており、
    前記貴金属チップの重心を通り、前記接地電極の幅方向に垂直な断面において、
    前記溶融部は、前記接地電極の内側面から延びた形状の第1の溶融部と、前記接地電極の前記内側面とは反対側の外側面から延びた形状の第2の溶融部とを含み、
    前記第1の溶融部の前記接地電極の長手方向における厚さは、前記接地電極の前記内側面から遠ざかる方向に沿って次第に小さくなっており、
    前記第2の溶融部の前記接地電極の長手方向における厚さは、前記接地電極の前記外側面から遠ざかる方向に沿って次第に小さくなっており、
    前記第1の溶融部の前記接地電極の長手方向における厚さのうち、最も厚い部分の厚さをA1とし、
    前記第2の溶融部の前記接地電極の長手方向における厚さのうち、最も厚い部分の厚さをA2とし、
    A1とA2とを足した長さをAとし、
    前記第1の溶融部と前記第2の溶融部とが離れている場合には、
    前記第1の溶融部の最も厚い部分から、前記第1の溶融部の先端までの長さをB1とし、
    前記第2の溶融部の最も厚い部分から、前記第2の溶融部の先端までの長さをB2とし、
    B1とB2とを足した長さをBとし、
    前記第1の溶融部と前記第2の溶融部とが一体となっている場合には、
    前記第1の溶融部の最も厚い部分から、前記第2の溶融部の最も厚い部分までの長さをBとした場合に、
    1.3≦B/A
    の関係を満たすことを特徴とする、スパークプラグ。
  7. 軸線方向に貫通する軸孔を有する絶縁体と、
    前記軸孔の先端側に設けられた中心電極と、
    前記絶縁体を保持する略筒状の主体金具と、
    一端が前記主体金具の先端部に取り付けられ、他端が前記中心電極の先端部と対向する接地電極と、
    前記接地電極の前記軸線方向に垂直な面に設けられ、一部が前記接地電極の先端面から突出しており、前記中心電極の側面との間で間隙を形成する貴金属チップと、
    を備えるスパークプラグであって、
    前記接地電極と前記貴金属チップとの間の少なくとも一部には、前記接地電極と前記貴金属チップとが溶融した溶融部が形成されており、
    前記溶融部は、前記軸線方向に投影した場合に、前記貴金属チップの面積の70%以上と重なっており、
    前記貴金属チップの重心を通り、前記接地電極の長手方向に垂直な断面において、
    前記溶融部は、前記接地電極の側面から延びた形状を有しており、
    前記溶融部の前記軸線方向における厚さは、前記接地電極の前記側面から遠ざかる方向に沿って次第に小さくなっており、
    前記溶融部の前記軸線方向における厚さのうち、最も厚い部分の厚さをAとし、
    前記溶融部の最も厚い部分から、前記溶融部の先端までの長さをBとした場合に、
    1.3≦B/A
    の関係を満たすことを特徴とする、スパークプラグ。
  8. 軸線方向に貫通する軸孔を有する絶縁体と、
    前記軸孔の先端側に設けられた中心電極と、
    前記絶縁体を保持する略筒状の主体金具と、
    一端が前記主体金具の先端部に取り付けられ、他端が前記中心電極の先端部と対向する接地電極と、
    前記接地電極の前記軸線方向に垂直な面に設けられ、一部が前記接地電極の先端面から突出しており、前記中心電極の側面との間で間隙を形成する貴金属チップと、
    を備えるスパークプラグであって、
    前記接地電極と前記貴金属チップとの間の少なくとも一部には、前記接地電極と前記貴金属チップとが溶融した溶融部が形成されており、
    前記溶融部は、前記軸線方向に投影した場合に、前記貴金属チップの面積の70%以上と重なっており、
    前記貴金属チップの重心を通り、前記接地電極の長手方向に垂直な断面において、
    前記溶融部は、前記接地電極の第1の側面から延びた形状の第1の溶融部と、前記接地電極の前記第1の側面とは反対側の第2の側面から延びた形状の第2の溶融部とを含み、
    前記第1の溶融部の前記軸線方向における厚さは、前記接地電極の前記第1の側面から遠ざかる方向に沿って次第に小さくなっており、
    前記第2の溶融部の前記軸線方向における厚さは、前記接地電極の前記第2の側面から遠ざかる方向に沿って次第に小さくなっており、
    前記第1の溶融部の前記軸線方向における厚さのうち、最も厚い部分の厚さをA1とし、
    前記第2の溶融部の前記軸線方向における厚さのうち、最も厚い部分の厚さをA2とし、
    A1とA2とを足した長さをAとし、
    前記第1の溶融部と前記第2の溶融部とが離れている場合には、
    前記第1の溶融部の最も厚い部分から、前記第1の溶融部の先端までの長さをB1とし、
    前記第2の溶融部の最も厚い部分から、前記第2の溶融部の先端までの長さをB2とし、
    B1とB2とを足した長さをBとし、
    前記第1の溶融部と前記第2の溶融部とが一体となっている場合には、
    前記第1の溶融部の最も厚い部分から、前記第2の溶融部の最も厚い部分までの長さをBとした場合に、
    1.3≦B/A
    の関係を満たすことを特徴とする、スパークプラグ。
  9. 請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載のスパークプラグであって、
    前記貴金属チップのうち、前記中心電極との間で前記間隙を形成する放電面には、前記溶融部が形成されていないことを特徴とする、スパークプラグ。
  10. 請求項1ないし請求項6及び請求項9のいずれか一項に記載のスパークプラグであって、
    前記貴金属チップの前記中心電極と対向する放電面から、前記溶融部までの長さのうち、最も浅い部分の長さをL1とし、
    前記放電面から、前記溶融部までの長さのうち、最も長い部分の長さをL2とした場合に、
    L2−L1≦0.3mm
    の関係を満たすことを特徴とする、スパークプラグ。
  11. 請求項1ないし請求項6、請求項9及び請求項10のいずれか一項に記載のスパークプラグであって、
    前記断面において、
    前記溶融部と前記貴金属チップとの境界面の半分以上は、前記中心電極と対向する前記貴金属チップの放電面との成す角度が0度から10度以内である、スパークプラグ。
  12. 請求項1ないし請求項11のいずれか一項に記載のスパークプラグであって、
    前記貴金属チップの一部は、前記接地電極に形成された溝部に埋設されており、
    前記断面において、
    前記溝部と前記貴金属チップとの境界面のうち、前記溶融部の長手方向に対して垂直な部分においても、前記溝部と前記貴金属チップとが溶融した溶融部が形成されていることを特徴とする、スパークプラグ。
  13. 請求項1ないし請求項12のいずれか一項に記載のスパークプラグであって、
    前記溶融部は、前記接地電極と前記貴金属チップとの境界面に対して平行な方向から高エネルギービームが照射されることによって形成されていることを特徴とする、スパークプラグ。
  14. 請求項1ないし請求項12のいずれか一項に記載のスパークプラグであって、
    前記溶融部は、前記接地電極と前記貴金属チップとの境界面に対して斜めの方向から高エネルギービームが照射されることによって形成されていることを特徴とする、スパークプラグ。
  15. 請求項1ないし請求項14のいずれか一項に記載のスパークプラグであって、
    前記溶融部は、前記接地電極と前記貴金属チップとの境界面に対してファイバーレーザまたは電子ビームが照射されることによって形成されていることを特徴とする、スパークプラグ。
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