JP5564593B2 - スパークプラグ、スパークプラグの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関用のスパークプラグに関する。
内燃機関に用いられるスパークプラグは、主体金具と接地電極とを備える。接地電極は、その基端部が主体金具に溶接される。溶接の方法としては、抵抗溶接が一般的である。
特開2002−222686号公報 特開2005−50746号公報 特開2008−550585号公報
しかしながら、近年、内燃機関におけるスパークプラグの使用環境への要求が厳しくなり、従前以上に、高温条件、高負荷条件に耐えうるスパークプラグが求められる。このため、接地電極と主体金具との接合に係る耐久性を向上することが求められる。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]軸線方向に延びる棒状の中心電極と、前記軸線方向に延びる軸孔を有し、その軸孔内で前記中心電極を保持する絶縁体と、前記絶縁体の一部分を周方向に取り囲んで保持する主体金具と、基端部が前記主体金具に溶接された接地電極とを備え、前記主体金具と前記接地電極とは、該接地電極および前記主体金具の両方が前記溶接によって溶け合って形成された溶融部を介して接合されたスパークプラグにおいて、前記接地電極の前記基端部の端面はすべて溶融しており、前記軸線方向における前記溶融部の厚みのうちの、該厚みが最も小さい部位の厚みをAとし、前記接地電極の中心線および前記軸線を含み、前記軸線と平行な断面において、前記溶融部と、前記接地電極との境界である接地電極側溶融境界の長さをBとし、前記接地電極の厚みをCとしたときに、
A≧0.2mm、かつ、B>C
の条件を満たすことを特徴とするスパークプラグ。
かかる構成のスパークプラグによれば、溶融部の厚みが所定以上に確保され、かつ、接地電極と溶融部との境界の長さが、接地電極の厚みよりも大きいことにより、接地電極と主体金具との溶接強度を向上できる。その結果、接地電極と主体金具との接合に係る耐久性が向上する。
[適用例2]適用例1記載のスパークプラグにおいて、前記断面において、前記接地電極側溶融境界の形状は、曲線、複数の直線、または、曲線と直線との組み合わせのうちのいずれかからなることを特徴とするスパークプラグ。
かかる構成のスパークプラグによれば、スパークプラグの使用時に発生する振動によって接地電極側溶融境界に作用する応力の方向を分散することができる。したがって、スパークプラグの使用時における、接地電極と主体金具との接合に係る耐久性が向上する。
[適用例3]適用例1または適用例2記載のスパークプラグにおいて、前記断面において、前記溶融部と、前記主体金具との境界である主体金具側溶融境界における、前記中心電極と反対の側の端点である第1端点と、前記接地電極側溶融境界における、前記中心電極と反対の側の端点である第2端点との間の前記軸線方向における長さをDとし、前記主体金具側溶融境界における、前記中心電極の側の端点である第3端点と、前記接地電極側溶融境界における、前記中心電極の側の端点である第4端点との間の前記軸線方向における長さをEとしたときに、D>Eの条件を満たすことを特徴とするスパークプラグ。
スパークプラグは、その使用時において、接地電極のうちの中心電極と反対の側が、相対的に高温条件にさらされる。適用例3のスパークプラグによれば、溶融部が、高温条件にさらされる側で相対的に大きく形成される。したがって、スパークプラグの使用時における、接地電極と主体金具との接合に係る耐久性が向上する。
[適用例4]
適用例1ないし適用例3のいずれか記載のスパークプラグにおいて、前記断面において、前記溶融部と、前記主体金具との境界である主体金具側溶融境界の形状は、曲線、複数の直線、または、曲線と直線との組み合わせのうちのいずれかからなることを特徴とするスパークプラグ。
適用例4のスパークプラグによれば、溶融部と、主体金具との境界である主体金具側溶融境界の形状は、曲線、複数の直線、または、曲線と直線との組み合わせのうちのいずれかからなるように構成されていてもよい。こうすることにより、主体金具と溶融部とが平面状に形成されている場合に比して、溶融部と主体金具との境界面の面積、すなわち、溶融部と主体金具との接触面積を広くできる。従って、主体金具と溶融部との間の熱伝導性能を向上することができ、溶融部の温度上昇を抑制できる。よって、溶融部の酸化進行を抑制でき、接地電極と主体金具との接合強度を向上できる。
[適用例5]
適用例4記載のスパークプラグにおいて、前記断面における前記接地電極側溶融境界の形状は、前記主体金具側に凸な形状であることを特徴とするスパークプラグ。
適用例5のスパークプラグによれば、熱伝導率の高い接地電極の母材の体積を大きくすることができることから、接地電極の先端部の温度を低減することができ、接地電極の先端部に酸化膜が形成されることを抑制することができる。
[適用例6]
適用例5記載のスパークプラグにおいて、
前記接地電極の先端部には、貴金属チップが接合されていることを特徴とするスパークプラグ。
適用例6のスパークプラグによれば、熱伝導率の高い接地電極の母材の体積を大きくすることができることから、接地電極の先端部の温度を低減することができ、貴金属チップの接合耐久性の低下を抑制することができる。
[適用例7]
適用例4記載のスパークプラグにおいて、前記断面における前記主体金具側溶融境界の形状は、前記主体金具側に凸な凸部、もしくは、前記接地電極側に凹な凹部との少なくとも一方を、少なくとも2つ以上有することを特徴とするスパークプラグ。
適用例7のスパークプラグによれば、主体金具側溶融境界の形状は、主体金具側に凸な凸部、もしくは、接地電極側に凹な凹部との少なくとも一方を、少なくとも2つ以上有するように構成されていてもよい。こうすることにより、主体金具と溶融部との接触面積を更に増加させることができる。従って、溶融部の温度上昇を更に抑制でき、主体金具と接地電極との接合強度を更に向上できる。
[適用例8]適用例1ないし適用例7のいずれか記載のスパークプラグにおいて、前記接地電極は、貴金属、または、貴金属を含む合金によって形成されることを特徴とするスパークプラグ。
適用例8に記載のスパークプラグは、貴金属、または、貴金属を含む合金によって形成される接地電極を採用することも可能である。このため、スパークプラグのタイプの選択の自由度を広げることができる。
[適用例9]適用例1ないし適用例8のいずれか記載のスパークプラグの製造方法において、前記溶接が行われる前の主体金具である主体金具ワークと、前記溶接が行われる前の接地電極である接地電極ワークとを用意する工程と、前記主体金具ワークと前記接地電極ワークとを溶接する工程とを備え、前記接地電極ワークの材質は、前記主体金具ワークの材質よりも融点が高く、前記断面において、前記接地電極ワークの厚みをFとし、前記主体金具ワークのうちの、前記接地電極ワークと溶接される側の端面の厚みをGとしたとき、F>Gの条件を満たすことを特徴とするスパークプラグの製造方法。
かかる製造方法によって製造されたスパークプラグでは、相対的に融点が高い接地電極ワークの材質が、相対的に融点が低い主体金具ワークの材質よりも多い割合で溶融部が構成される。したがって、スパークプラグの使用時、すなわち、高温時における、接地電極と主体金具との接合に係る耐久性が向上する。
スパークプラグ100の概略構成を示す部分断面図である。 接地電極30と主体金具50との溶接箇所の拡大図である。 比較例としてのスパークプラグ100aにおける接地電極30aと主体金具50aとの溶接箇所の拡大図である。 スパークプラグ100の製造手順を示す工程図である。 接地電極ワークW30と主体金具ワークW50との大きさの関係を示す説明図である。 第1の溶接強度評価試験の結果を示す図表である。 第2の溶接強度評価試験の結果を示す図表である。 第3の溶接強度評価試験の結果を示す図表である。 第4の溶接強度評価試験の結果を示す図表である。 第2実施例における接地電極30と主体金具50との溶接箇所の拡大図である。 溶融部170の溶接強度評価試験の結果を示す図表である。 第3実施例における接地電極30と主体金具50との溶接箇所の拡大図である。 溶融部175の溶接強度評価試験の結果を示す図表である。 溶融部の形状の変形例を示す説明図である。 接地電極530の先端部における酸化膜形成評価試験の概要を示す説明図である。 接地電極530の先端部における酸化膜形成評価試験の結果を示す説明図である。 図14(D)に示したスパークプラグ500において、接地電極530の先端部に貴金属チップ60が接合されている変形例を示す説明図である。 貴金属チップ60の接合耐久性評価試験の概要を示す説明図である。 貴金属チップ60の接合耐久性評価試験の結果を示す説明図である。
A.実施例:
A1.スパークプラグ100の概略構成:
図1は、本発明のスパークプラグの実施例としてのスパークプラグ100の部分断面図である。図1において、一点鎖線で示す軸線OLの右側は、外観正面図を示し、軸線OLの左側は、スパークプラグ100の中心軸を通る断面でスパークプラグ100を切断した断面図を示している。以下では、図1におけるスパークプラグ100の軸線OL方向の下側をスパークプラグ100の先端側、上側を後端側として説明する。スパークプラグ100は、絶縁碍子10と、中心電極20と、接地電極30と、端子電極40と、主体金具50とを備える。
絶縁碍子10は、中心電極20および端子電極40を収容する軸孔12が中心に形成された筒状の絶縁体である。軸孔12は、軸線OL方向に延びて形成される。絶縁碍子10は、アルミナを始めとするセラミックス材料を焼成して形成される。絶縁碍子10の軸線OL方向の中央には、絶縁碍子10のうちで外径が最も大きい中央胴部19が形成されている。絶縁碍子10の中央胴部19よりも後端側には、端子電極40と主体金具50との間を絶縁する後端側胴部18が形成されている。絶縁碍子10の中央胴部19よりも先端側には、後端側胴部18よりも外径が小さい先端側胴部17が形成されている。絶縁碍子10の先端側胴部17の更に先端側には、先端側胴部17よりも小さい外径であって、中心電極20側へ向かうほど外径が小さくなる脚長部13が形成されている。
絶縁碍子10の軸孔12には、中心電極20が挿入される。中心電極20は、有底筒状に形成された電極母材21の内部に、電極母材21よりも熱伝導性に優れる芯材25を埋設した棒状の部材である。本実施例では、電極母材21は、ニッケル(Ni)を主成分とするニッケル合金から成る。また、芯材25は、銅または銅を主成分とする合金から成る。中心電極20は、軸孔12内で絶縁碍子10に保持され、中心電極20の先端側では、中心電極20の先端が軸孔12(絶縁碍子10)から外部に露出している。かかる中心電極20は、軸孔12に挿入された、セラミック抵抗3およびシール体4を介して端子電極40に電気的に接続される。
接地電極30は耐腐食性の高い金属から構成され、一例として、ニッケル合金が用いられる。この接地電極30の基端部は、主体金具50の先端面57に溶接されている。接地電極30と端子電極40とは、本実施例では、レーザ溶接によって溶接される。接地電極30の先端部は、軸線OL上に向かって屈曲されている。この接地電極30の先端部と、中心電極20の先端面との間に、火花放電を生じる火花ギャップSGが形成される。
端子電極40は、軸孔12の後端側に設けられ、その後端側の一部は、絶縁碍子10の後端側から露出している。端子電極40には高圧ケーブル(図示外)がプラグキャップ(図示外)を介して接続され、高電圧が印加される。
主体金具50は、絶縁碍子10の後端側胴部18の一部から脚長部13に亘る部位を周方向に包囲して保持する円筒状の金具である。主体金具50は低炭素鋼材より形成され、全体にニッケルメッキや亜鉛メッキ等のメッキ処理が施されている。主体金具50は、工具係合部51と、取付ネジ部52と、加締部53と、シール部54とを備える。これらは、後端から先端に向かって、加締部53、工具係合部51、シール部54、取付ネジ部52の順に形成されている。工具係合部51は、スパークプラグ100を、内燃機関のエンジンヘッド150に取り付ける工具が嵌合する。取付ネジ部52は、エンジンヘッド150の取付ネジ孔151に螺合するネジ山を有する。
加締部53は、主体金具50の後端側の端部に設けられた薄肉の部材であり、主体金具50が絶縁碍子10を保持するために設けられる。具体的には、スパークプラグ100の製造時において、加締部53を内側に折り曲げて、この加締部53を先端側に押圧することにより、中心電極20の先端が主体金具50の先端側から突出した状態で、絶縁碍子10が主体金具50に一体的に保持される。シール部54は、取付ネジ部52の根元に鍔状に形成されている。シール部54とエンジンヘッドとの間には、板体を折り曲げて形成した環状のガスケット5が嵌挿される。かかるスパークプラグ100は、取付ネジ孔151に主体金具50を介して取り付けられる。
図2は、接地電極30と主体金具50との溶接箇所の拡大図である。図示するように、接地電極30と主体金具50とは、溶融部70を介して接合されている。溶融部70は、接地電極30および主体金具50の両方がレーザ溶接によって溶け合って形成された部位である。図2に示すように、接地電極30の基端部の端面はすべて溶融している。図2では、接地電極30および主体金具50については、外観を示しているが、溶融部70については、接地電極30の中心線を含み、かつ、軸線OLと平行な断面(以下、単に断面ともいう)の形状を示している。
かかる溶融部70の断面において、溶融部70と主体金具50との境界における、中心電極20と反対の側(スパークプラグ100の外方側)の端点を第1端点EP1ともいう。同様に、溶融部70と接地電極30との境界における、中心電極20と反対の側の端点を第2端点EP2ともいう。また、溶融部70と主体金具50との境界における、中心電極20の側(スパークプラグ100の内方側)の端点を第3端点EP3ともいう。溶融部70と接地電極30との境界における、中心電極20の側の端点を第4端点EP4ともいう。
本実施例では、溶融部70と主体金具50との境界は、直線形状に形成されている。つまり、溶融部70と主体金具50との境界は、第1端点EP1と第3端点EP3とを直線的に結んだラインと一致する。また、本実施例では、溶融部70と接地電極30との境界は、2つの直線形状に形成されている。つまり、溶融部70と接地電極30との境界は、第2端点EP2と屈曲点FP1とを直線的に結んだラインと、屈曲点FP1と第4端点EP4とを直線的に結んだラインとに一致する。本実施例では、屈曲点FP1は、第2端点EP2と第4端点EP4とを直線的に結んだラインよりも後端側に位置するが、先端側に位置してもよい。
かかる溶融部70の断面において、軸線OL方向の厚みのうちの、厚みが最も小さい部位の厚みを厚みA(mm)ともいう。本実施例では、図2に示すとおり、溶融部70の軸線OL方向の厚みは、スパークプラグ100の外方から内方に向かって次第に小さくなる。このため、厚みAは、第3端点EP3と第4端点EP4との軸線OL方向の距離として規定される。
また、溶融部70の断面において、溶融部70と接地電極30との境界の長さ、つまり、第2端点EP2と屈曲点FP1とを直線的に結んだラインの長さと、屈曲点FP1と第4端点EP4とを直線的に結んだラインの長さとの合計値を、長さB(mm)ともいう。
接地電極30の断面において、接地電極30の厚みを厚みC(mm)ともいう。本実施例においては、厚みCは、軸線OLに沿った位置に関係なく、同一に形成されている。厚みCは、接地電極30の屈曲していない箇所においては、軸線OLに直交する方向の厚みである。厚みCは、第2端点EP2から軸線OL方向に沿って先端側に向かって1mmの位置(以下、特定位置ともいう)で代表的に測定してもよい。この場合、特定位置における接地電極30の外方の輪郭上の点である特定点における当該輪郭に対する接線と直交する方向の接地電極30の厚みが厚みCとなる。
また、溶融部70の断面において、第1端点EP1と第2端点EP2との間の軸線OL方向の長さを長さD(mm)ともいう。同様に、第3端点EP3と第4端点EP4との間の軸線OL方向の長さを長さE(mm)ともいう。長さEは、本実施例では、上述した長さAと一致する。
上述したスパークプラグ100は、以下に示す式(1)および式(2)の条件を満たす。また、スパークプラグ100は、以下に示す式(3)の条件を満たす。式(3)の条件は、選択的な条件である。かかる条件を満たすことの意義については後述する。
A≧0.2mm・・・(1)
B>C・・・(2)
D>E・・・(3)
図3は、比較例としてのスパークプラグ100aにおける接地電極30aと主体金具50aとの溶接箇所の拡大図である。スパークプラグ100aでは、接地電極30aと主体金具50aとは、抵抗溶接によって接合される。抵抗溶接を採用する場合、スパークプラグ100の溶融部70に相当する部位は形成されない。つまり、図3に示すように、第1端点EP1aと第3端点EP3aとを結んだ直線が、接地電極30aと主体金具50aとの境界として形成される。かかるスパークプラグ100aと、本実施例としてのスパークプラグ100との性能の違いは後述する。
A2.スパークプラグ100の製造方法:
図4は、スパークプラグ100の製造手順を示す工程図である。スパークプラグ100の製造工程は、準備工程(ステップS110)と、溶接工程(ステップS120)と、組み付け工程(ステップS130)とに分類される。準備工程(ステップS110)においては、まず、スパークプラグ100の構成部品をそれぞれ作製する。次に、作製された絶縁碍子10の内部に、中心電極20、セラミック抵抗3、シール体4および端子電極40を所定の順序で挿入し、ガラスシールと呼ばれる加熱圧縮工程によってこれらを一体的に形成する。また、接地電極30のワーク(以下、接地電極ワークW30ともいう)と、主体金具50のワーク(以下、主体金具ワークW50ともいう)とを用意する。接地電極ワークW30は、溶接前の接地電極30であり、屈曲されていない棒状の部材である。主体金具ワークW50は、溶接前の主体金具50である。主体金具ワークW50には、所要の形状になるように所定の加工、例えば、塑性加工、切削が施され、工具係合部51、シール部54等が形成される。
図5は、接地電極ワークW30と主体金具ワークW50との大きさの関係を示す。図5では、図2に対応する断面を示している。図示するように、接地電極ワークW30の厚みを厚みF(mm)ともいう。また、主体金具ワークW50のうちの、接地電極ワークW30と溶接される側の端面、すなわち、先端面W57の厚みを厚みG(mm)ともいう。厚みFおよび厚みGは、軸線OLに直交する方向の厚みである。厚みFと厚みGとは、以下に示す式(4)の条件を満たす。また、接地電極ワークW30の材質には、主体金具ワークW50の材質よりも融点が高い材質が採用される。式(4)の条件と、接地電極ワークW30および主体金具ワークW50の材質条件とは、選択的な条件である。これらの条件を満たすことの意義については後述する。
F>G・・・(4)
溶接工程(ステップS120)では、絶縁碍子10を組み付ける前の主体金具ワークW50の先端面W57に、接地電極ワークW30をレーザ溶接により接合する。具体的には、接地電極ワークW30と主体金具ワークW50とを接合されるべき位置関係に配置した上で、接地電極ワークW30の外方、すなわち、第1端点EP1,第2端点EP2側からレーザを照射する。レーザは、図2に示した形状の溶融部70が形成されるように、照射速度を変えつつ、照射してもよい。同様に、レーザは、斜めから、すなわち、軸線OLに対して90°よりも小さい交差角度で照射してもよい。また、レーザは、照射位置を変えつつ、照射してもよい。
組み付け工程(ステップS130)では、まず、溶接した接地電極30の先端側を、接地電極30が所要の長さとなるように切断する。次に、取付ネジ部52にネジ山を形成し、主体金具50にメッキ処理を施す。次に、主体金具50の内側に、ガラスシールによって中心電極20と一体となった絶縁碍子10を差し込む。次に、主体金具50の加締部53を内側に折り曲げるようにして加締める。これによって、中心電極20の先端が主体金具50の先端側から突出した状態で、絶縁碍子10が主体金具50に一体的に保持される。次に、棒状の接地電極30を中心電極20の側に曲げる曲げ加工を行う。次に、先端側から主体金具50にガスケット5を挿入し、ガスケット5の内径側を軸線OL方向に押しつぶして、主体金具50にガスケット5を装着する。こうして、スパークプラグ100は完成する。
図6は、第1の溶接強度評価試験の結果を示す。第1の溶接強度評価試験では、接地電極と主体金具とを溶接する方法と、溶融部の厚みAと、溶融部の長さBと、接地電極の厚みCとを変えたスパークプラグのサンプル1〜8を用意し、それぞれについて、接地電極と主体金具との溶接強度を評価した。溶融部70の厚みAおよび長さBは、接地電極の中心軸を含む面で接地電極と主体金具との溶接部分の断面を出し、その表面に対してエッチング処理を行なった後、顕微鏡にて50倍で撮像し、測定した。溶接強度の評価手法は、以下の通りである。
(1)スパークプラグのサンプルを用意する。
(2)接地電極を内側(中心電極側)に90°折り曲げた後、元に戻す折り曲げ操作を複数回繰り返す。
(3)繰り返し数が2回以下の折り曲げ操作によって、接地電極と主体金具との接合部に破断が生じた場合は、「△」(普通)と評価する。繰り返し数が3または4回の折り曲げ操作によって、破断が生じた場合は、「○」(良好)と評価する。繰り返し数が4回の折り曲げ操作によって、破断が生じなかった場合には、「◎」(優れている)と評価する。
抵抗溶接によって接地電極と主体金具とが溶接されたサンプル1,2は、図3に示した、比較例としてのスパークプラグ100aの構成を有する。レーザ溶接によって接地電極と主体金具とが溶接されたサンプル3〜8(以下、レーザ溶接サンプルともいう)は、後述する図14(A)に示す、変形例としてのスパークプラグ200の構成を有する。つまり、レーザ溶接サンプルは、図2に示した実施例としてのスパークプラグ100において、屈曲点FP1を有さないスパークプラグ、換言すれば、第2端点EP2と第4端点EP4とを直線的に結ぶライン上に、接地電極30と溶融部70との境界が位置するスパークプラグである。
図6に示すように、抵抗溶接を採用した場合、いずれも評価は、「△」であった。レーザ溶接を採用した場合には、厚みAおよび長さBの値によって、評価が分かれた。具体的には、上述した式(1)、すなわち、A≧0.2mmの条件と、上述した式(2)、すなわち、B>Cの条件とを同時に満たす場合に、「○」の評価が得られた。具体的には、厚みAが0.2mmであり、長さBが厚みCの1.1倍であるサンプル6、厚みAが0.2mmであり、長さBが厚みCの1.3倍であるサンプル7、および、厚みAが0.2mmであり、長さBが厚みCの1.7倍であるサンプル8では、「○」の評価が得られた。
以上のように、本実施例のスパークプラグ100は、溶融部70の厚みAが所定以上確保され、かつ、溶融部70の長さBが抵抗溶接よりも大きくなる、つまり、接地電極30の厚みCよりも大きくなる場合に、接合強度が向上する。溶融部70の長さBが抵抗溶接よりも大きくなる場合とは、溶融部70と接地電極30との境界線が、軸線OLに直交する直線形状以外の形状を有する場合である。かかる場合には、溶融部70の長さBが長くなった分だけ、接地電極30と主体金具50との接合強度を高めることができる。
図7は、第2の溶接強度評価試験の結果を示す。第2の溶接強度評価試験では、溶融部70の長さBと、屈曲点FP1の有無とを変えたスパークプラグ100(または200)のサンプルを用意し、それぞれについて、接地電極30と主体金具50との溶接強度を評価した。サンプルの溶接方法は、レーザ溶接である。溶融部70の厚みAは、0.2mmである。接地電極30の厚みCは、1.5mmである。図7に示すサンプル6,8は、図6に示すサンプル6,8と同一であり、屈曲点FP1を有していない。一方、図7に示すサンプル9,10は、屈曲点FP1を有しており、図2に示した実施例としてのスパークプラグ100の構成を有する。評価手法は、第1の溶接強度評価試験と同じである。
図7に示すように、屈曲点FP1を有するサンプル9,10では、「◎」の評価が得られた。つまり、接地電極30と溶融部70との境界の形状が、屈曲点FP1を有することにより、接地電極30と主体金具50との溶接強度を向上できることが確認された。このことは、スパークプラグ100の使用時における、接地電極30と主体金具50との接合に係る耐久性を向上できることを意味する。接地電極30と溶融部70との境界に屈曲点FP1が形成されているために、スパークプラグ100の使用時に生じる振動に伴い溶融部70と接地電極30との境界に作用する応力の方向を分散することができるからである。かかる効果を奏する、接地電極30と溶融部70との境界の形状は、2つの直線(第2端点EP2と屈曲点FP1とを結ぶ直線、および、屈曲点FP1と第4端点EP4とを結ぶ直線)からなる形状に限定されない。例えば、接地電極30と溶融部70との境界の形状は、曲線であってもよいし、複数の直線からなる形状であってもよい。あるいは、1以上の曲線と、1以上の直線との組み合わせからなる形状であってもよい。これらの場合、曲線は、屈曲点を有さなくてもよいし、屈曲点を有していてもよい。
図8は、第3の溶接強度評価試験の結果を示す。第3の溶接強度評価試験では、溶融部70の長さBと、長さD,Eの大小関係とを変えたスパークプラグ100のサンプルを用意し、それぞれについて、接地電極30と主体金具50との溶接強度を評価した。サンプルの溶接方法は、レーザ溶接である。溶融部70の厚みAは、0.2mmである。接地電極30の厚みCは、1.5mmである。図8に示すサンプル9,10は、図7に示すサンプル9,10と同一であり、図2に示した実施例としてのスパークプラグ100の構成を有する。一方、図8に示すサンプル11,12は、上述した式(3)の条件を満たさない。つまり、サンプル11,12は、後述する図14(F)に示す、変形例としてのスパークプラグ700の構成を有する。第3の溶接強度評価試験では、第1の溶接強度評価試験よりも厳しい試験条件を設定した。具体的には、スパークプラグ100の内燃機関での使用時の条件を考慮し、接地電極30を加熱した後に、上述した第1の溶接強度評価試験と同一の評価方法で、溶接強度を評価した。接地電極30の加熱は、バーナを使用して、接地電極30の外方側(中心電極20と反対の側)を約300℃まで加熱した。外方側を加熱するのは、スパークプラグ100の使用時において、外方側が内方側(中心電極20の側)よりも高温にさらされるからである。
図8に示すように、上記の式(3)の条件を満たすサンプル9,10では、「◎」の評価が得られた。一方、式(3)の条件を満たさないサンプル11,12では、「○」の評価が得られた。つまり、式(3)の条件を満たすことによって、スパークプラグ100の使用条件に即した条件下において、接地電極30と主体金具50との接合に係る耐久性が向上することが確認された。かかる効果は、スパークプラグ100の使用時に接地電極30の内方側よりも高温条件にさらされる接地電極30の外方側において、溶融部70の軸線OL方向の長さが大きいことに起因して得られる。
図9は、第4の溶接強度評価試験の結果を示す。第4の溶接強度評価試験では、接地電極ワークW30の厚みFと主体金具ワークW50の厚みGとの大小関係を変えて製造したスパークプラグ100のサンプルを用意し、それぞれについて、接地電極30と主体金具50との溶接強度を評価した。サンプルの溶接方法は、レーザ溶接である。溶融部70の厚みAは、0.2mmである。溶融部70の長さBは、2.5mmである。接地電極30の厚みCは、1.5mmである。接地電極ワークW30の材質は、ニッケル合金であり、主体金具ワークW50の材質は、低炭素鋼である。つまり、接地電極ワークW30の材質は、主体金具ワークW50の材質よりも融点が高い。第4の溶接強度評価試験では、第3の溶接強度評価試験よりも厳しい試験条件を設定した。具体的には、接地電極30の加熱温度を約500℃まで高めた上で、上述した第1の溶接強度評価試験と同一の評価方法で、溶接強度を評価した。
図9に示すように、上記の式(4)を満たすサンプル13では、「○」の評価が得られた。一方、式(4)の条件を満たさないサンプル14では、「△」の評価が得られた。つまり、式(4)の条件を満たすことによって、スパークプラグ100の使用条件に即した条件下において、接地電極30と主体金具50との接合に係る耐久性が向上することが確認された。かかる効果は、相対的に融点が高い接地電極ワークW30の材質が、相対的に融点が低い主体金具ワークW50の材質よりも多い割合で溶融部70が構成されることに起因して得られる。
B.第2実施例:
第1実施例では、溶融部70の接地電極側の境界面の形状について説明しているが、第2実施例では、溶融部の主体金具側の境界面の形状について説明する。
B1.溶融部の詳細構成:
図10は、第2実施例における接地電極30と主体金具50との溶接箇所の拡大図である。図10(a)は、接地電極30側に凹状に形成されている境界面について示しており、図10(b)は、主体金具50側に凸状に形成されている境界面について示している。まず、図10(a)を参照して、溶融部170の主体金具側溶融境界172について説明する。第1実施例と同様に、接地電極30と主体金具50とは、溶融部170を介して接合されている。溶融部170は、接地電極30および主体金具50の両方がレーザ溶接によって溶け合って形成された部位である。図10は、接地電極30の中心線および軸線OLを含み、かつ、軸線OLと平行な断面を示している。なお、第2実施例の溶融部170において、第1実施例と同一の点については、同一の符号を付して説明する。具体的には、第1端点EP1、第2端点EP2、第3端点EP3、第4端点EP4および屈曲点FP1である。
第2実施例では、主体金具側溶融境界172は、2つの直線形状からなるように形成されている。つまり、主体金具側溶融境界172は、第1端点EP1と屈曲点FP2とを直線的に結んだラインL1と、屈曲点FP2と第3端点EP3とを直線的に結んだラインL2とに一致する。換言すれば、溶融部170は、接地電極30側に凹状に形成され、ラインL1とラインL2とからなる凹部170aを有する。ラインL3は、第1端点EP1と第3端点EP3との間の距離が最短となる直線である。
主体金具側溶融境界172の屈曲点とは、主体金具側溶融境界172の軌跡の移動方向が変化する点である。具体的には、主体金具側溶融境界172の軌跡が、主体金具側溶融境界172の一端を始点として、ラインL3から離れる方向に移動する軌跡を表す第1の直線と、ラインL3に近づく方向に移動する軌跡を表す第2の直線を有し、第1の直線と第2の直線の交点からラインL3に対する垂線の長さが所定以上(第2実施例では0.01mm以上)である交点が屈曲点である。すなわち、第2実施例では、屈曲点FP2は、主体金具側溶融境界172の軌跡が、主体金具側溶融境界172の第1端点EP1を始点として、ラインL3から離れる方向(矢印X1)に伸びるラインL1、および、第1端点EP1とは異なるラインL1の端点からラインL3に近づく方向(矢印X2)に移動するラインL2を有し、ラインL1とラインL2との交点からラインL3に対する垂線Pの長さDdが所定以上であるとき、当該交点が屈曲点FP2となる。
次に、図10(b)を参照して、溶融部の境界が主体金具50側に凸状に形成されている態様について説明する。主体金具側溶融境界172は、2つの直線形状からなるように形成されている。つまり、主体金具側溶融境界172は、第1端点EP1と屈曲点FP2とを直線的に結んだラインL1と、屈曲点FP2と第3端点EP3とを直線的に結んだラインL2とに一致する。換言すれば、溶融部170は、主体金具50側に凸状に形成され、ラインL1とラインL2とからなる凸部170bを有する。
屈曲点FP2は、主体金具側溶融境界172の軌跡が、主体金具側溶融境界172の第1端点EP1を始点として、ラインL3から離れる方向(矢印X1)に伸びるラインL1、および、第1端点EP1とは異なるラインL1の端点からラインL3に近づく方向(矢印X2)に移動するラインL2を有し、ラインL1とラインL2との交点からラインL3に対する垂線Pの長さDdが所定以上であるとき、当該交点が屈曲点FP2となる。
本明細書において、溶融部の境界が接地電極30側に凹状に形成されている、とは、屈曲点が、屈曲点を挟む2直線の、屈曲点とは異なる端点を結ぶ直線よりも、接地電極30側に位置していることを意味しており、溶融部の境界が主体金具50側に凸状に形成されている、とは、屈曲点が、屈曲点を挟む2直線の、屈曲点とは異なる端点を結ぶ直線よりも、主体金具50側に位置していることを意味する。例えば、図10(a)では、屈曲点FP2を挟む2直線(ラインL1およびL2)の、屈曲点FP2とは異なる端点(第1端点EP1、第3端点EP3)を結ぶ直線L3よりも、接地電極30側に位置しているので、図10(a)に示す溶融部170の境界は接地電極30側に凹状に形成されている。図10(b)では、屈曲点FP2を挟む2直線(ラインL1およびL2)の、屈曲点FP2とは異なる端点(第1端点EP1、第3端点EP3)を結ぶ直線L3よりも、主体金具50側に位置しているので、図10(b)に示す溶融部170の境界は主体金具50側に凸状に形成されている。
B2.評価結果:
図11は、溶融部170の溶接強度評価試験の結果を示す。溶接強度評価試験では、溶融部170の主体金具側溶融境界172の長さHと、屈曲点FP2の有無とを変えたスパークプラグ100aのサンプルを用意し、それぞれについて、接地電極30と主体金具50との溶接強度を評価した。サンプルの溶接方法は、レーザ溶接である。溶融部170の厚みAは、0.2mmである。接地電極30の厚みCは、1.5mmである。サンプル15,17は、屈曲点FP2を有していない。サンプル16,18は、屈曲点FP2を有しており、図10(a)に示した実施例としてのスパークプラグ100aの構成を有する。溶接強度の評価手法は、以下の通りである。
(1)スパークプラグのサンプルを用意する。
(2)主体金具の電面(先端面)が300℃となるように接地電極30の先端部(発火部)を1分間加熱し、その後1分間冷却する加熱冷却サイクルを500サイクル繰り返す
(3)接地電極を内側(中心電極側)に90°折り曲げた後、元に戻す折り曲げ操作を複数回繰り返す。
(4)繰り返し数が2回以下の折り曲げ操作によって、接地電極と主体金具との接合部に破断が生じた場合は、「△」(普通)と評価する。繰り返し数が3または4回の折り曲げ操作によって、破断が生じた場合は、「○」(良好)と評価する。繰り返し数が4回の折り曲げ操作によって、破断が生じなかった場合には、「◎」(優れている)と評価する。
図11に示すように、屈曲点FP2を有するサンプル16,18では、「◎」の評価が得られた。つまり、主体金具50と溶融部170との境界の形状が、屈曲点FP2を有することにより、接地電極30と主体金具50との溶接強度を向上できることが確認された。主体金具50と溶融部170との境界に屈曲点FP2が形成されているために、スパークプラグ100の使用時に生じる振動に伴い溶融部170と主体金具50との境界に作用する応力の方向を分散することができるからである。
以上説明した第2実施例のスパークプラグによれば、溶融部170と、主体金具50との境界である主体金具側溶融境界172の形状は、複数の直線からなるように構成されている。こうすることにより、主体金具50と溶融部170とが平面状に形成されている場合に比して、主体金具側溶融境界172の面積、すなわち、溶融部170と主体金具50との接触面積を広くできる。従って、主体金具50と溶融部170との間の熱伝導性能を向上することができ、溶融部170の温度上昇を抑制できる。よって、溶融部170の酸化進行を抑制でき、接地電極30と主体金具50との接合強度を向上できる。
C.第3実施例:
C1.溶融部の詳細構成:
第2実施例において説明した、溶融部170と主体金具50との境界に作用する応力の方向を分散することができる、という効果を奏する主体金具側溶融境界172の形状は、2つの直線(ラインL1、ラインL2)からなる形状に限定されない。例えば、主体金具50と溶融部170との境界の形状は、曲線であってもよいし、複数の直線からなる形状であってもよい。あるいは、1以上の曲線と、1以上の直線との組み合わせからなる形状であってもよい。これらの場合、曲線は、屈曲点を有さなくてもよいし、屈曲点を有していてもよい。第3実施例では、接地電極と主体金具との溶融部の主体金具側溶融境界が、複数の屈曲点を有する態様について説明する。
図12は、第3実施例における接地電極30と主体金具50との溶接箇所の拡大図である。第1,第2実施例と同様に、接地電極30と主体金具50とは、溶融部175を介して接合されている。溶融部175は、接地電極30および主体金具50の両方がレーザ溶接によって溶け合って形成された部位である。図12は、接地電極30の中心線および軸線OLを含み、かつ、軸線OLと平行な断面を示している。なお、第3実施例の溶融部175において、第2実施例と同一の点については、同一の符号を付して説明する。ただし、屈曲点FP2の位置は第2実施例の屈曲点FP2の位置と異なる。
第3実施例では、溶融部175と主体金具50との境界である主体金具側溶融境界177は、3つの直線形状からなるように形成されている。つまり、主体金具側溶融境界177は、第1端点EP1と屈曲点FP2とを直線的に結んだラインL10と、屈曲点FP2と屈曲点FP3とを直線的に結んだラインL11と、屈曲点FP3と第3端点EP3とを直線的に結んだラインL12とに一致する。換言すれば、溶融部175は、接地電極30側に凹状に形成され、ラインL10とラインL11とからなる凹部175aと、主体金具50側に凸状に形成され、ラインL11とラインL12とからなる凸部175bを有する。溶融部175と接地電極30との境界は、第1実施例と同一である。
第3実施例において示されるように、主体金具側溶融境界177に屈曲点が複数ある場合における屈曲点とは、次の通り規定される。すなわち、主体金具側溶融境界177の屈曲点とは、主体金具側溶融境界177の軌跡の移動方向が変化する点であり、具体的には、境界177の軌跡が、主体金具側溶融境界177の一端を始点として、ラインL3から離れる方向に移動する軌跡を表す第1の直線(ラインL10)と、ラインL3に近づく方向に移動する軌跡を表す第2の直線(ラインL11)を有し、第1の直線と第2の直線の交点からラインL3に対する垂線P2の長さが所定以上(第3実施例では0.01mm以上)である交点が第1屈曲点FP2である。続いて、第2屈曲点FP3は、隣接点(図12では第1屈曲点FP1)を通り、隣接点(屈曲点、および、屈曲点でないが軌跡の移動方向が変化する点を含む)を始点として、ラインL3に平行な直線であるラインL4から離れる方向に移動する軌跡を表す第3の直線(ラインL11)と、ラインL4に近づく方向に移動する軌跡を表す第4の直線(ラインL12)を有し、第3の直線と第4の直線の交点からラインL4に対する垂線P3の長さが所定以上である交点である。同様に、第N屈曲点(N≧3)は、隣接点を通り、隣接点を始点としてラインL3に平行な仮想直線から離れる(近づく)方向に移動する軌跡を表す第Mの直線(M≧5)と、仮想直線に近づく(離れる)方向に移動する軌跡を表す第M+1の直線を有し、第Mの直線と第(M+1)の直線の交点であって、当該交点から仮想直線に対する垂線の長さが所定以上である交点である。
C2.評価結果:
図13は、溶融部175の溶接強度評価試験の結果を示す。溶接強度評価試験では、溶融部175の主体金具側溶融境界177の長さHと、屈曲点数とを変えたスパークプラグのサンプルを用意し、それぞれについて、接地電極30と主体金具50との溶接強度を評価した。サンプルの溶接方法は、レーザ溶接である。溶融部175の厚みAは、0.2mmである。接地電極30の厚みCは、1.5mmである。サンプル19は、屈曲点を有しておらず、サンプル20は、屈曲点を1つ有しており、第2実施例において説明した図10のスパークプラグ100aの構成を有する。サンプル21は、屈曲点を2点有しており、図12に示した第3実施例としてのスパークプラグ100cの構成を有する。サンプル22は、屈曲点を3つ有している。溶接強度の評価手法は、第2実施例と同様である。
図13に示すように、屈曲点を2つ以上有するサンプル21,22では、「◎」の評価が得られた。つまり、主体金具50と溶融部175との境界の形状が、屈曲点を複数有することにより、接地電極30と主体金具50との溶接強度を向上できることが確認された。スパークプラグ100の使用時に生じる振動に伴い溶融部175と主体金具50との境界に作用する応力の方向を、更に分散することができるからである。
第3実施例のスパークプラグによれば、主体金具側溶融境界177の形状は、主体金具50側に凸な凸部、もしくは、接地電極側に凹な凹部との少なくとも一方を、2つ以上有するように構成されている。こうすることにより、主体金具50と溶融部175との接触面積を更に増加させることができる。従って、溶融部175の温度上昇を更に抑制でき、主体金具50と接地電極30との接合強度を更に向上できる。
D.変形例:
D1.変形例1:
図14は、溶融部70の形状の変形例を示す。溶融部70の形状は、図2に示した形状に限定されるものではなく、上記の式(1),(2)を満たす任意の形状としてもよい。図14に示す変形例としてのスパークプラグ200〜700の各構成要素には、実施例としてのスパークプラグ100の対応する構成要素に付した符号を末尾2桁に採用して付している。また、図14に示す各端点には、スパークプラグ100の対応する端点に付した符号を末尾1桁に採用して付している。
例えば、図14(A)に示すように、接地電極230と溶融部270との境界(以下、単に境界ともいう)は、1つの直線形状からなるものであってもよい。つまり、境界は、屈曲点を有していなくてもよい。また、図14(B)に示すように、溶融部370の長さDを、スパークプラグ200よりも大きく形成し、長さDが長さEと比べて相当に大きいものとしてもよい。また、図14(C)に示すように、溶融部470の長さEは、長さDよりも僅かに小さいものであってもよい。
また、図14(D)に示すように、境界は、円弧形状からなるものであってもよい。あるいは、図14(E)に示すように、屈曲点を有する曲線形状からなるものであってもよい。また、図14(F)に示すように、溶融部770の長さDは、長さEよりも小さくてもよい。なお、図示は省略するが、溶融部と主体金具との境界の形状についても、任意の形状とすることができる。
なお、溶融部の境界が円弧等の曲線形状からなる場合には、溶融部の境界が接地電極30側に凹状に形成されている、とは、両端点を除く境界上の任意の点が、両端点を結ぶ直線よりも、接地電極30側に位置していることを意味し、溶融部の境界が主体金具50側に凸状に形成されている、とは、両端点を除く境界上の任意の点が、両端点を結ぶ直線よりも、主体金具50側に位置していることを意味する。
図14(D)の例では、スパークプラグ500の断面における溶融部570の接地電極側境界の形状は、主体金具550側に凸な形状である。溶融部570は、接地電極530の母材に比して熱伝導率が低いため、溶融部570の接地電極側境界の形状を主体金具550側に凸な形状とすると、接地電極30側に凹な形状とする場合と比較して、熱伝導率の高い接地電極530の母材の体積を大きくすることができる。そのため、溶融部570の接地電極側境界の形状を主体金具550側に凸な形状とすると、接地電極530の先端部の温度を低減することができ、接地電極530の先端部に酸化膜が形成されることを抑制することができるため、好ましい。
図15は、接地電極530の先端部における酸化膜形成評価試験の概要を示す説明図である。また、図16は、接地電極530の先端部における酸化膜形成評価試験の結果を示す説明図である。酸化膜形成評価試験では、ニッケル合金製の接地電極530(断面寸法1.5mm×2.8mm、長さ10mm)を主体金具550に接合し、接地電極530が接合された主体金具550を水冷治具JIに固定したうえで、水冷治具JIで主体金具550を常に冷却した状態にする。その状態で、溶融部570(接地電極530の基端部)の温度が摂氏300度となるように接地電極530の先端部をバーナーBUで2分間加熱する工程と、バーナーBUを切り1分間徐冷する工程と、のセットを1000回繰り返した後、接地電極530の断面における酸化膜OFの生成状況を観察した。具体的には、試験前の接地電極530の厚さT0と、試験後の接地電極530における未酸化部分の厚さT1とから、酸化膜厚さTof=((T0−T1)/2)を算出した。酸化膜厚さTofが0.1mm以下であれば良好(〇)であると判定し、0.1mmを超えていれば不良(×)と判定した。
図16に示すように、溶融部570の接地電極側境界の形状が主体金具550側に凸な形状である場合には、酸化膜厚さTofは0.06mmであり、良好(〇)と判定された。一方、溶融部570の接地電極側境界の形状がフラットな形状である場合や、接地電極530側に凹な形状である場合には、いずれも酸化膜厚さTofが0.1mmを超え、不良(×)と判定された。このように、溶融部570の接地電極側境界の形状を主体金具550側に凸な形状とすると、接地電極530の先端部に酸化膜が形成されることを抑制することができる。なお、このことは、溶融部の境界が円弧形状からなる場合に限らず、溶融部の境界が直線や円弧以外の曲線からなる場合にも同様である。
上記各実施例または変形例において、接地電極の先端部における中心電極と対向する位置(放電ギャップを形成する位置)に、貴金属チップが接合されているとしてもよい。図17は、図14(D)に示したスパークプラグ500において、接地電極530の先端部に貴金属チップ60が接合されている変形例を示す説明図である。貴金属チップ60は、例えば抵抗溶接によって接地電極530に接合されている。貴金属チップ60の存在により、接地電極530の耐火花消耗性や耐酸化消耗性が向上する。
図17に示すように、溶融部570の接地電極側境界の形状が主体金具550側に凸な形状であると、上述したように、接地電極530の先端部の温度を低減することができるため、貴金属チップ60の接合耐久性の低下を抑制することができる。
図18は、貴金属チップ60の接合耐久性評価試験の概要を示す説明図である。また、図19は、貴金属チップ60の接合耐久性評価試験の結果を示す説明図である。貴金属チップ60の接合耐久性評価試験では、INC600製の接地電極530(断面寸法1.5mm×2.8mm、長さ10mm、先端から1mmの位置に直径1.0mmの貴金属(白金)チップ60が抵抗溶接によって接合されている)を主体金具550に接合し、接地電極530が接合された主体金具550を水冷治具JIに固定したうえで、水冷治具JIで主体金具550を常に冷却した状態にする。その状態で、溶融部570(接地電極530の基端部)の温度が摂氏300度となるように接地電極530の先端部をバーナーBUで2分間加熱する工程と、バーナーBUを切り1分間徐冷する工程と、のセットを1000回繰り返した後、接地電極530の断面における貴金属チップ60の接合状態を観察した。具体的には、接合箇所におけるクラックの有無を調べた。
図19に示すように、溶融部570の接地電極側境界の形状が主体金具550側に凸な形状である場合には、クラック無しと判定された。一方、溶融部570の接地電極側境界の形状がフラットな形状である場合や、接地電極530側に凹な形状である場合には、クラック有りと判定された。このように、溶融部570の接地電極側境界の形状を主体金具550側に凸な形状とすれば、貴金属チップ60の接合耐久性の低下を抑制することができる。なお、このことは、溶融部の境界が円弧形状からなる場合に限らず、溶融部の境界が直線や円弧以外の曲線からなる場合にも同様である。
D2.変形例2:
接地電極30の材質は、特に限定されるものではなく、貴金属、または、貴金属を含む合金を採用することも可能である。かかる貴金属としては、白金(Pt),イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、金(Au)を使用することができる。こうすれば、接地電極30の耐久性が向上する。レーザ溶接を採用することにより、貴金属、または、貴金属合金からなる接地電極30を好適に溶接することができる。また、接地電極30の形状も特に限定されるものではない。例えば、棒状の電極部材が、軸線OLと90°未満で交わる角度に傾斜した状態で主体金具に溶接された、いわゆる斜方電極タイプの接地電極を採用してもよい。かかるタイプの接地電極に対しても、レーザ溶接を採用することにより、好適に溶接することができる。
D3.変形例3:
接地電極30と主体金具50との溶接方法は、レーザ溶接に限定されるものではなく、上述した溶融部70の形状を形成可能な任意の溶接方法を採用することができる。例えば、電子ビーム溶接を採用してもよい。
D4.変形例4:
接地電極30は、単層構造に限らず、2層以上の複層構造であってもよい。例えば、接地電極30は、表層と、その内部に形成される芯材との2層で構成されてもよい。芯材には、表層よりも熱伝導率が大きい材料を使用してもよい。例えば、表層にNi基耐熱合金を採用し、芯材に純銅や銅合金を採用してもよい。あるいは、芯材を2層で構成し、接地電極30を3層で構成してもよい。かかる場合、相対的に外側に形成される第2の芯材には、相対的に内側に形成される第1の芯材よりも熱伝導率が大きく、硬度が小さい材質を使用してもよい。例えば、第1の芯材にはNiを採用し、第2の芯材には銅を採用してもよい。
これらのように、接地電極30を複層構造とする場合には、接地電極ワークW30を構成する各層の材質のいずれもが、主体金具ワークW50の材質と比べて、融点が高くなるように材料を選定してもよい。こうすれば、上記の式(4)を満たすことによって、図9に示した効果と同様の効果を奏する。
D5.変形例5:
第2実施例および第3実施例では、主体金具側溶融境界172は、複数の直線から構成され、各直線同士の交点が全て屈曲点となっているが、主体金具側溶融境界172は、屈曲点とならない点や、ラインL3の一部を含んでもよい。また、主体金具側溶融境界172は、直線のみならず、曲線のみからなる、直線と曲線との組合せからなるなど、種々の態様で実現されてもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の構成を採ることができる。例えば、上述した各適用例の構成要素や、実施形態中の要素は、本願の課題の少なくとも一部を解決可能な態様、または、上述した各効果の少なくとも一部を奏する態様において、適宜、組み合わせ、省略、上位概念化を行うことが可能である。
3…セラミック抵抗
4…シール体
5…ガスケット
10…絶縁碍子
12…軸孔
13…脚長部
17…先端側胴部
18…後端側胴部
19…中央胴部
20…中心電極
21…電極母材
25…芯材
30,30a,230,330,430,530,630,730…接地電極
40…端子電極
50,50a…主体金具
51…工具係合部
52…取付ネジ部
53…加締部
54…シール部
57…先端面
60…貴金属チップ
W30…接地電極ワーク
W50…主体金具ワーク
W57…先端面
70,270,370,470,570,670,770…溶融部
100,100a,200,300,400,500,600,700…スパークプラグ
150…エンジンヘッド
151…取付ネジ孔
EP1,EP1a,EP11,EP21,EP31,EP41,EP51,EP61…第1端点
EP2,EP12,EP22,EP32,EP42,EP52,EP62…第2端点
EP3,EP3a,EP13,EP23,EP33,EP43,EP53,EP63…第3端点
EP4,EP14,EP24,EP34,EP44,EP54,EP64…第4端点
FP1…屈曲点
SG…火花ギャップ
OL…軸線

Claims (9)

  1. 軸線方向に延びる棒状の中心電極と、
    前記軸線方向に延びる軸孔を有し、その軸孔内で前記中心電極を保持する絶縁体と、
    前記絶縁体の一部分を周方向に取り囲んで保持する主体金具と、
    基端部が前記主体金具に溶接された接地電極と
    を備え、
    前記主体金具と前記接地電極とは、該接地電極および前記主体金具の両方が前記溶接によって溶け合って形成された溶融部を介して接合された
    スパークプラグにおいて、
    前記接地電極の前記基端部の端面はすべて溶融しており、
    前記軸線方向における前記溶融部の厚みのうちの、該厚みが最も小さい部位の厚みをAとし、
    前記接地電極の中心線と前記軸線と、を含み、前記軸線と平行な断面において、
    前記溶融部と、前記接地電極との境界である接地電極側溶融境界の長さをBとし、
    前記接地電極の厚みをCとしたときに、
    A≧0.2mm、かつ、B>C
    の条件を満たすことを特徴とするスパークプラグ。
  2. 請求項1記載のスパークプラグにおいて、
    前記断面において、前記接地電極側溶融境界の形状は、曲線、複数の直線、または、曲線と直線との組み合わせのうちのいずれかからなることを特徴とするスパークプラグ。
  3. 請求項1または請求項2記載のスパークプラグにおいて、
    前記断面において、
    前記溶融部と、前記主体金具との境界である主体金具側溶融境界における、前記中心電極と反対の側の端点である第1端点と、前記接地電極側溶融境界における、前記中心電極と反対の側の端点である第2端点との間の前記軸線方向における長さをDとし、
    前記主体金具側溶融境界における、前記中心電極の側の端点である第3端点と、前記接地電極側溶融境界における、前記中心電極の側の端点である第4端点との間の前記軸線方向における長さをEとしたときに、
    D>E
    の条件を満たすことを特徴とするスパークプラグ。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか記載のスパークプラグにおいて、
    前記断面において、前記溶融部と、前記主体金具との境界である主体金具側溶融境界の形状は、曲線、複数の直線、または、曲線と直線との組み合わせのうちのいずれかからなることを特徴とするスパークプラグ。
  5. 請求項4記載のスパークプラグにおいて、
    前記断面における前記接地電極側溶融境界の形状は、前記主体金具側に凸な形状であることを特徴とするスパークプラグ。
  6. 請求項5記載のスパークプラグにおいて、
    前記接地電極の先端部には、貴金属チップが接合されていることを特徴とするスパークプラグ。
  7. 請求項4記載のスパークプラグにおいて、
    前記断面における前記主体金具側溶融境界の形状は、前記主体金具側に凸な凸部、もしくは、前記接地電極側に凹な凹部との少なくとも一方を、少なくとも2つ以上有することを特徴とするスパークプラグ。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか記載のスパークプラグにおいて、
    前記接地電極は、貴金属、または、貴金属を含む合金によって形成されることを特徴とするスパークプラグ。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれか記載のスパークプラグの製造方法において、
    前記溶接が行われる前の主体金具である主体金具ワークと、前記溶接が行われる前の接地電極である接地電極ワークとを用意する工程と、
    前記主体金具ワークと前記接地電極ワークとを溶接する工程と
    を備え、
    前記接地電極ワークの材質は、前記主体金具ワークの材質よりも融点が高く、
    前記断面において、前記接地電極ワークの厚みをFとし、前記主体金具ワークのうちの、前記接地電極ワークと溶接される側の端面の厚みをGとしたとき、
    F>G
    の条件を満たすことを特徴とするスパークプラグの製造方法。
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