JPH1050455A - スパークプラグ - Google Patents

スパークプラグ

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Publication number
JPH1050455A
JPH1050455A JP24984696A JP24984696A JPH1050455A JP H1050455 A JPH1050455 A JP H1050455A JP 24984696 A JP24984696 A JP 24984696A JP 24984696 A JP24984696 A JP 24984696A JP H1050455 A JPH1050455 A JP H1050455A
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JP
Japan
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tip
center electrode
insulator
spark plug
noble metal
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Pending
Application number
JP24984696A
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English (en)
Inventor
Junichi Kagawa
純一 加川
Kozo Amano
孝三 天野
Yoshihiro Matsubara
佳弘 松原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
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Publication date
Application filed by NGK Spark Plug Co Ltd filed Critical NGK Spark Plug Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐汚損性に優れた、セミ沿面放電形のスパー
クプラグの提供。 【解決手段】 筒状の主体金具1と、碍子先端部22が
金具先端面11から突出する様に主体金具1内に固定さ
れる軸孔21付の絶縁碍子2と、軸孔21に固定される
中心電極3と、金具先端面11に突設される外側電極
4、4とを備え、貴金属チップ31と発火面41との間
で、碍子先端面23に沿って火花放電を行うスパークプ
ラグAにおいて、中心電極先端面32を碍子先端面23
から突き出す突き出し長tを0.5mm以下とし、中心
電極先端面32を碍子先端面23から引っ込ませる引っ
込み長t’を1.0mm以下とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関に装着す
るスパークプラグに関する。
【0002】
【従来の技術】図8に示す様に、筒状の主体金具100
と、碍子先端部101が金具先端面102から突出する
様に主体金具100内に固定される軸孔103付の絶縁
碍子104と、碍子先端面108から突き出し長t(t
=1.2〜1.5mm)を設けて軸孔103内に固定さ
れる中心電極105と、金具先端面102に溶接される
略L字状の外側電極106とを備え、中心電極105と
外側電極106の先端部の発火面107との間で、碍子
先端面108に沿って火花放電を行うセミ沿面放電形の
スパークプラグJが知られている。尚、中心電極105
の電極消耗を防止する為、中心電極105の先端部に貴
金属合金部109を形成している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】スパークプラグJ等の
セミ沿面放電形のスパークプラグは、火花放電により絶
縁碍子104の表面に付着した汚損物質を焼き切る構造
の為、気中放電形のスパークプラグに比べて耐汚損性に
強い。
【0004】しかし、突き出し長tが長いので、火花放
電が碍子先端面108を通る割合が少なく、−10℃の
低温シャーシダイナモ室で、寒冷時の渋滞走行を真似た
プレデリパターンで汚損試験(2500cc、6気筒ガ
ソリンエンジン)を行うと、2〜4のサイクル数で絶縁
抵抗が10MΩ以下に低下してしまう。
【0005】本発明の目的は、耐汚損性に優れた、セミ
沿面放電形のスパークプラグの提供にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する為、
本発明は、以下の構成を採用した。 (1)筒状の主体金具と、碍子先端部が金具先端面から
突出する様に前記主体金具内に固定される軸孔付の絶縁
碍子と、前記軸孔に固定される中心電極と、外側電極先
端部を軸方向に屈曲させ、碍子先端面の延長上に前記外
側電極先端部の発火面の何処かが位置する様に前記金具
先端面に突設される外側電極とを備え、中心電極先端部
と前記発火面との間で前記碍子先端面に沿って火花放電
を行うスパークプラグであって、中心電極先端面を前記
碍子先端面から突き出す場合には突き出し長を0.5m
m以下とし、前記中心電極先端面を前記碍子先端面から
引っ込ませる場合には引っ込み長を1.0mm以下にす
る。
【0007】(2)筒状の主体金具と、碍子先端部が金
具先端面から突出する様に前記主体金具内に固定される
軸孔付の絶縁碍子と、前記軸孔に固定される中心電極
と、外側電極先端部を軸方向に屈曲させ、碍子先端面の
延長上に前記外側電極先端部の発火面の何処かが位置す
る様に前記金具先端面に突設される外側電極とを備え、
中心電極先端部と前記発火面との間で前記碍子先端面に
沿って火花放電を行うスパークプラグであって、中心電
極先端面と前記碍子先端面とが面一である。 (3)上記(1) 又は(2) の構成を有し、前記中心電極先
端部の径は1.0mm〜2.5mmである。
【0008】(4)筒状の主体金具と、碍子先端部が金
具先端面から突出する様に前記主体金具内に固定される
軸孔付の絶縁碍子と、前記軸孔に固定される中心電極
と、外側電極先端部を軸方向に屈曲させて前記金具先端
面に突設される外側電極とを備え、中心電極先端部と前
記発火面との間で碍子先端面に沿って火花放電を行うス
パークプラグであって、前記中心電極先端部の径は1.
0mm〜2.5mmであり、中心電極先端面を前記碍子
先端面から突き出す場合には突き出し長を0.5mm以
下とし、前記中心電極先端面を前記碍子先端面から引っ
込ませる場合には引っ込み長を1.0mm以下にする。
【0009】(5)上記(1) 〜(4) の何れかの構成を有
し、前記絶縁碍子の軸孔開口エッジに面取りを施した。 (6)上記(1) 〜(5) の何れかの構成を有し、前記外側
電極の数を3〜4個とした。 (7)上記(1) 〜(6) の何れかの構成を有し、中心電極
母材の先端面に、該中心電極母材と実質的に同径又は小
径の貴金属チップを溶接して前記中心電極先端部を形成
した。
【0010】(8)上記(7) の構成を有し、前記貴金属
チップを、前記中心電極母材と実質的に同径で、外径が
1.0mm〜2.5mm、厚さが0.3mm〜1.0m
mの円柱形状とし、前記中心電極母材と前記貴金属チッ
プとの接合位置を、前記碍子先端面より奥とした。
【0011】(9)上記(1) 〜(6) の何れかの構成を有
し、前記中心電極先端部を、前記中心電極母材の先端外
周に環状に貴金属チップを配する構成とした。 (10)上記(9) の構成を有し、前記中心電極先端部
を、外径が前記中心電極母材と実質的に同径又は小径の
環状貴金属チップを有し、その軸方向の厚みが0.3m
m〜1.5mm、肉厚が0.2mm〜0.5mmとする
構成とした。
【0012】(11)上記(9) 又は(10)の構成を有し、
前記中心電極先端部を、前記中心電極母材の先端外周に
環装した貴金属をレーザーにより溶融接合した貴金属合
金部を有する構成とした。 (12)上記(9) の構成を有し、前記中心電極先端部
を、押し出し成形により前記中心電極母材の先端外周に
貴金属を配する構成とした。 (13)上記(1) 〜(12)の何れかの構成を有し、前記中
心電極に印加される火花放電用の高電圧は、マイナス極
性である。
【0013】
【作用および発明の効果】
〔請求項1について〕外側電極先端部を軸方向に屈曲さ
せ、碍子先端面の延長上に外側電極先端部の発火面の何
処かが位置する様に、外側電極を金具先端面に突設する
構造のスパークプラグにおいて、突き出し長(中心電極
先端面と碍子先端面との距離)を長くする程、中心電極
先端部- 外側電極先端部の発火面間での火花放電は気中
で行われる様になる。又、引っ込み長(碍子先端面と中
心電極先端面との距離)を長くする程、中心電極先端部
- 外側電極先端部の発火面間での火花放電は碍子先端面
に沿って行われる様になる。
【0014】突き出し長が0.5mm以下であれば、適
度に碍子先端面に沿って火花放電がなされ、自己清浄性
が確保されるので汚損が起こり難くなる。しかし、引っ
込み長が1.0mmを越えると、碍子先端面の放電加工
(以下、チャネリング)の進行が早くなり、絶縁碍子の
欠け落ちや損傷を起こし易くなる。請求項1の構成を有
するスパークプラグは、中心電極先端部と碍子先端面と
の位置関係を規定した数値範囲内にしているので、耐汚
損性及び耐久性に優れる。
【0015】〔請求項2について〕外側電極先端部を軸
方向に屈曲させ、碍子先端面の延長上に外側電極先端部
の発火面の何処かが位置する様に、外側電極を金具先端
面に突設する構造のスパークプラグにおいて、中心電極
先端面と碍子先端面とを面一にしている。この為、請求
項2の構成を有するスパークプラグは、耐汚損性及び耐
久性に優れる。
【0016】〔請求項3について〕中心電極先端部の径
を太くすると、火花放電を行う間隔の増加割合が少なく
なり、径を細くすると放電電圧が低下するので着火性が
向上する。従って、中心電極先端部の径を1.0mm〜
2.5mmとするのが好ましい。
【0017】〔請求項4について〕外側電極先端部を軸
方向に屈曲させて金具先端面に突設する構造のスパーク
プラグにおいて、突き出し長(中心電極先端面と絶縁碍
子の先端面との距離)を長くする程、中心電極先端部-
外側電極先端部の発火面間での火花放電は気中で行われ
る様になる。又、引っ込み長(碍子先端面と中心電極先
端面との距離)を長くする程、中心電極先端部- 外側電
極先端部の発火面間での火花放電は碍子先端面に沿って
行われる様になる。
【0018】突き出し長が0.5mm以下であれば、適
度に碍子先端面に沿って火花放電がなされ、自己清浄性
が確保されるので汚損が起こり難くなる。しかし、引っ
込み長が1.0mmを越えると、碍子先端面の放電加工
(以下、チャネリング)の進行が早くなり、絶縁碍子の
欠け落ちや損傷を起こし易くなる。請求項4の構成を有
するスパークプラグは、中心電極先端面と碍子先端面と
の位置関係を規定した数値範囲内にしているので、耐汚
損性及び耐久性に優れる。中心電極先端部の径を太くす
ると、火花放電を行う間隔の増加割合が少なくなり、径
を細くすると放電電圧が低下するので着火性が向上す
る。従って、中心電極先端部の径を1.0mm〜2.5
mmとするのが好ましい。
【0019】〔請求項5について〕絶縁碍子の軸孔開口
エッジに面取りを施すことにより、セミ沿面放電が起き
やすくなるとともに放電路が分散する。特に、面取りを
施した箇所において、火花が碍子表面から離れてジャン
ピングして飛火する為、絶縁碍子のチャネリングが抑制
され、且つ電極消耗も少なくなる。尚、面取りはC0.
2〜0.8が好ましい。
【0020】〔請求項6について〕外側電極の数を3〜
4個としたことにより、放電路が分散されて、電極消耗
及び絶縁碍子のチャネリングが抑制され、且つ自己清浄
性も良く、耐汚損性が向上する。
【0021】〔請求項7について〕中心電極母材の先端
面に、中心電極母材と実質的に同径又は小径の貴金属チ
ップ(Pt、Pt- Ir合金、Pt- Ir- Ni合金、
Au- Pd合金、Ir、Ir- Y2 3 合金等)を溶接
して、中心電極先端部を形成すると、火花放電による中
心電極先端部の消耗が少なくなり、中心電極の耐火花消
耗性を向上させることができる。
【0022】〔請求項8について〕中心電極先端部の径
を太くすると、火花放電を行う間隔の増加割合が少なく
なり、径を細くすると放電電圧が低下するので着火性が
向上する。従って、中心電極先端部の径を1.0mm〜
2.5mmとするのが好ましい。貴金属チップの厚みが
0.3mm未満であると薄すぎて早期に電極消耗してし
まう。又、厚みが厚い程、電極消耗に対して有利である
が、コストの面から1.0mm以下にする。中心電極母
材と貴金属チップとの接合位置は、碍子先端面より奥で
あるので中心電極母材の電極消耗が防止できる。
【0023】〔請求項9について〕中心電極先端部に貴
金属チップ(Pt、Pt- Ir合金、Pt- Ir- Ni
合金、Au- Pd合金等)を環状に配することにより、
火花放電による中心電極先端部の消耗が少なく、中心電
極の耐久性を向上させることができる。
【0024】〔請求項10について〕中心電極先端部の
環状貴金属チップの外径が中心電極母材と実質的に同径
又は小径で、且つ環状貴金属チップの軸方向の厚みを
0.3mm〜1.5mm、肉厚を0.2mm〜0.5m
mとすることにより、コストを低減し、中心電極先端部
の火花消耗を抑え、耐久性を向上させることができる。
【0025】〔請求項11について〕中心電極先端部
は、中心電極母材の先端外周に環装した貴金属(Pt、
Pt-Ir合金、Pt- Ir- Ni合金、Au- Pd合
金等)を、レーザーにより溶融接合した貴金属合金部を
有する。この為、火花放電による中心電極先端部の消耗
が少なく、中心電極の耐火花消耗性に優れる。又、貴金
属や貴金属合金部の剥離が更に生じ難くなる。
【0026】〔請求項12について〕中心電極先端部
は、中心電極母材の先端外周に、押し出し成形により貴
金属を配したことにより、中心電極母材の成形と同時に
成形される為、加工コストを低減することができる。
【0027】〔請求項13について〕尖った方(中心電
極先端部)をマイナス側にした方が衝突電離作用を生じ
易く放電電圧を低下させることができるため着火性が向
上する。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明の第1実施例(請求項1、
3、4、5、6、8に対応)を図1〜図3に基づいて説
明する。二極スパークプラグAは、筒状の主体金具1
と、主体金具1内に嵌め込まれて固定される軸孔21付
の絶縁碍子2と、軸孔21内に固定されるとともに、先
端に貴金属チップ31を溶接した中心電極3と、金具先
端面11に突設され、発火面41が貴金属チップ31と
対向する様に屈曲した外側電極4、4とを備える。
【0029】主体金具1は、低炭素鋼で製造され、外側
電極4、4を金具先端面11に溶接している。又、主体
金具1の先端外周にはネジ12が螺刻され、ガスケット
(図示せず)を介して内燃機関のシリンダヘッド(図示
せず)に装着される。
【0030】絶縁碍子2は、アルミナを主体とするセラ
ミックで製造され、パッキン(図示せず)を介して座面
を主体金具1の段部に係止し、主体金具1の六角頭部
(図示せず)を加締めることにより、金具先端面11の
開口14から碍子先端部22が突出する様に主体金具1
内に固定される。尚、碍子先端面23はセミ沿面放電を
行う為、平坦になっており、軸孔開口エッジにはC0.
3の面取り24が全周に亘って施されている。
【0031】中心電極3(直径w=1.0〜2.5m
m)は、ニッケル合金材(本実施例では例えばインコネ
ル600 )の内部に、良熱伝導性の銅を封入し、先端に貴
金属チップ31をレーザー溶接(後述する)したもので
ある。又、溶接位置312は、碍子先端面23より0.
3mm以上、内方側である。
【0032】中心電極3は、先端面32(貴金属チップ
31の先端面)が、碍子先端面23から0〜0.5mm
突き出る(t=0〜0.5mm)か、碍子先端面23か
ら0〜1.0mm引っ込む(t’=0〜1.0mm)様
に軸孔21内に固定されている。尚、尖っている方をマ
イナス側にした方が衝突電離作用が生じ易い(火花放電
が起き易い。放電要求電圧を低くすることができる)の
で、中心電極3には主体金具1に対してマイナス極性の
高電圧が印加される。
【0033】貴金属チップ31(例えば、Pt- 20I
r)は、直径が中心電極3の直径wと同じ(w=1.0
〜2.0mm)で、厚さpが0.3mm〜1.0mm
(溶接前の寸法)の円板である。
【0034】外側電極4、4は、略L字状を呈し、ニッ
ケル合金材(本実施例では例えばインコネル600 )で形
成されている。この外側電極4の先端部は、中心電極3
方向に屈曲し、貴金属チップ31の外周面311と、外
側電極4の発火面41(先端面)とが対向位置する。
尚、貴金属チップ31の外周面311と、外側電極4の
発火面41(先端面)との間で、碍子先端面23に沿っ
て火花放電(セミ沿面放電)が行われる。
【0035】尚、本実施例では、絶縁碍子先端外径をφ
4、その肉厚を約1.0mm、発火面41と絶縁碍子先
端外径との距離を約0.5mm、軸孔開口エッジの面取
り24をC0.3としている。
【0036】つぎに、中心電極3の製造方法(貴金属チ
ップ31の溶接方法)を、図2に基づいて説明する。 (1) 中心電極母材30の先端面301に貴金属チップ3
1を載置する{図2の(a)に示す}。 (2) この中心電極母材30を一定速度で回転させながら
当接面にレーザービーム33を一定間隔で間欠的に照射
する{図2の(b)}。 (3) 中心電極母材30と貴金属チップ31とが溶融凝固
し、貴金属チップ31が中心電極母材30に溶接され中
心電極3(中軸)が完成する{図2の(c)}。
【0037】つぎに、中心電極3の突き出し長t(引っ
込み長t’)と、耐汚損性(10MΩ低下サイクル数)
との関係を図3に基づいて述べる。中心電極母材30及
び貴金属チップ31の直径wを1.0mm、1.8m
m、2.0mm、2.5mmの四種類とし、夫々につ
き、突き出し長t(引っ込み長t’)を0mm、0.5
mm、1.0mmに設定したスパークプラグを、合計2
0組製造し、試験用自動車に取り付け、低温試験室内の
シャシダイナモメータ上に起き、図7に示すくすぶり汚
損試験運転パターンで試験を行い、10MΩ低下サイク
ル数を測定した。尚、この場合の絶縁碍子先端の肉厚は
約1.0mmとした。
【0038】この汚損試験(JIS−D1606準拠)
により、以下のことが判明した。中心電極母材30(貴
金属チップ31)の直径が細い程、耐汚損性が良好であ
ることが図3から判る。しかし、電極消耗の観点から
1.0mm以上の直径が必要である。
【0039】中心電極母材30の先端の直径が2.5m
m以下であれば、突き出し長t≦0.5mmで耐汚損性
が良好となる。しかし、引っ込み過ぎると、碍子先端面
23のチャネリングの進行が早くなり、絶縁碍子2の欠
け落ちや損傷を起こし易くなるので引っ込み長t’は
1.0mm以下にする必要がある。
【0040】つぎに、本実施例の利点を述べる。 〔ア〕中心電極3の突き出し長tを0.5mm以下(突
き出す場合)、又は引っ込み長t’を1.0mm以下
(引っ込める場合)に設定しているので火花放電が碍子
先端面23に沿って行われ、二極スパークプラグAは従
来のスパークプラグJに比べて汚損性が著しく改善され
る。尚、引っ込み長t’が1.0mm以下であり、軸孔
開口エッジにC0.3の面取り24を施しているので、
面取りを施した箇所において、火花が碍子表面より離れ
て飛火し易く、絶縁碍子2のチャネリングの進行は遅
い。又、中心電極母材30の直径が細い側(直径1.0
〜2.0mm)では着火性が向上する効果も付加され
る。
【0041】〔イ〕貴金属チップ31は、厚さが0.3
mm〜1.0mm(溶接前の寸法)の円板であるので、
低コストで電極消耗を抑える(面取り24も電極消耗の
抑制に寄与する)ことができる。又、貴金属チップ31
の溶接位置312を、碍子先端面23より0.3mm以
上、奥側にしているのでニッケル合金材部分から火花放
電が起こらず、中心電極3の火花消耗を効果的に抑える
ことができる。
【0042】〔ウ〕中心電極母材30の先端面301
に、貴金属チップ31(Pt- 20Ir)をレーザー溶
接して、中心電極先端部を形成しているので火花放電に
よる電極先端部の消耗が少なく、二極スパークプラグA
は中心電極3の耐火花消耗性に優れる。又、貴金属部や
貴金属合金部の剥離が抵抗溶接の場合よりも生じ難くな
る。
【0043】つぎに、本発明の第2実施例(請求項1、
3、4、7、10に対応)を、図4及び図5に基づいて
説明する。二極スパークプラグBは、筒状の主体金具1
と、主体金具1内に嵌め込まれて固定される軸孔21付
の絶縁碍子2と、軸孔21内に固定されるとともに、先
端に貴金属合金部34を形成した中心電極3と、金具先
端面11に突設され、発火面41が貴金属合金部34と
対向する様に屈曲した外側電極4、4とを備え、以下の
構成以外は、二極スパークプラグAに同様である。
【0044】中心電極3は、熱引き(耐熱性)を良くす
る為に大径(例えば2.5mm)とされ、着火性を良好
にする為に先端部の径を細く(w=1.0mm〜2m
m)している。又、本実施例でも、ニッケル合金材35
(インコネル600 )の内部に、良熱伝導性の銅36を封
入している。
【0045】中心電極3は、先端面32が碍子先端面2
3から0〜1.0mm引っ込む(t’=0〜1.0m
m)様に軸孔21内に固定されている。
【0046】つぎに、中心電極3の製造方法(貴金属合
金部34の形成方法)を、図5に基づいて説明する。 (1) 図5の(a)に示す様に、径小部302に台形溝3
03を周設した中心電極母材30の、台形溝303に、
溝底外周と略等しい円周を有する白金ワイヤー340を
嵌め込み加締める。
【0047】(2) 図5の(b)に示す様に、中心電極母
材30を回転(例えば、5/6π・rad/秒)させな
がら、レーザービーム37(例えば、パルス幅2ms、
7J、5ppsのYAGレーザー)を白金ワイヤー34
0に照射する。 (3) レーザービーム37の照射によって、白金ワイヤー
340及び中心電極母材30が溶融して図5の(c)に
示す様に貴金属合金部34が形成される。 (4) 図5の(d)に示す様に、先端面32の縁部に貴金
属合金部34が露出する様に、中心電極母材30の先端
部分304を、切断、研磨、又は切削等により削除し、
中心電極3(中軸)が完成する。
【0048】本実施例の二極スパークプラグBについ
て、第1実施例と同様の汚損試験を行ったところ、以下
に示す様に、同様の結果が得られた。中心電極3の先端
の直径wが細い程、耐汚損性が良好である。しかし、電
極消耗の観点から1.0mm以上の直径wが必要であ
る。中心電極母材30の直径が2.5mm以下であれ
ば、突き出し長t≦0.5mmで耐汚損性が良好とな
る。しかし、引っ込み過ぎると、碍子先端面23のチャ
ネリングの進行が早くなり、絶縁碍子2の欠け落ちや損
傷が著しくなるので引っ込み長t’は1.0mm以下に
する必要がある。
【0049】つぎに、本実施例の利点を述べる。 〔エ〕中心電極3を大径に形成しているので熱引きが良
好である。又、中心電極3の先端(径小部)の直径wを
1.0mm以上2.5mm以下にしており、なおかつ、
主体金具1に対してマイナス極性の高電圧を中心電極3
側に印加しているので二極スパークプラグBは着火性に
優れる。
【0050】更に、中心電極3の突き出し長tを0.5
mm以下(突き出す場合)、又は引っ込み長t’を1.
0mm以下(引っ込める場合)に設定しているので火花
放電が碍子先端面23に沿って行われ、二極スパークプ
ラグBは、従来のスパークプラグJに比べて汚損性が著
しく改善される。尚、引っ込み長t’が1.0mm以下
であることと、面取り24とにより、絶縁碍子2のチャ
ネリングの進行は遅い。
【0051】〔オ〕中心電極3の先端外周に貴金属合金
部34を形成しているので、火花放電による電極先端部
の消耗が少なく、二極スパークプラグBは中心電極3の
耐火花消耗性に優れる。又、貴金属合金部34の軸方向
厚みaは0.3mm〜1.5mm、肉厚bは0.2mm
〜0.5mmが中心電極先端部の火花消耗の抑制から好
ましく、貴金属の使用量も少なく、コストを低減するこ
とができる。
【0052】つぎに、本発明の第3実施例(請求項1、
2、3、4、8に対応)を、図6に基づいて説明する。
二極スパークプラグCは、筒状の主体金具1と、主体金
具1内に嵌め込まれて固定される軸孔21付の絶縁碍子
2と、軸孔21内に固定されるとともに、先端に貴金属
部38を形成した中心電極3と、金具先端面11に突設
され、発火面41が貴金属部38と対向する様に屈曲し
た外側電極4、4とを備え、以下の構成(寸法や構造
等)は、二極スパークプラグBに準じる。
【0053】中心電極3は、台形溝303を周設しない
中心電極母材30(図5参照)の先端面に凹部を形成
し、該凹部内に円盤状の貴金属チップ(Pt- 20I
r)を嵌め込み、レーザー溶接することにより貴金属部
38を形成している。
【0054】中心電極3の先端面32の全周に亘って貴
金属合金部34を設ける構成(図4の状態)であると初
期の放電路の偏りにより貴金属合金部34が片減りした
場合、貴金属合金部34の基部のニッケル合金材35へ
選択的に火花放電が起き、放電路の偏りが進みチャネリ
ングが偏って進行する可能性がある。しかし、本実施例
の構成(貴金属部38)を採用すると、これを避けるこ
とができるとともに、使用する貴金属の量を減らすこと
ができる。
【0055】本発明は、上記実施例以外に、つぎの実施
態様を含む。 a.放電路が分散して電極消耗及び絶縁碍子2のチャネ
リングを抑えることができる金具先端面11に突設され
る外側電極4の数は、三個や四個であることが望まし
い。又、自己清浄性に優れ、耐汚損性を向上させること
ができる。 b.中心電極母材30の先端面32に溶接する貴金属チ
ップ31や、貴金属合金部34となる貴金属(白金ワイ
ヤー340)は、その他、Pt、Pt- Ir- Ni合
金、Au- Pd合金、Ir、Ir- Y2 3 合金等であ
っても良い。
【0056】c.溝に環装する貴金属(白金ワイヤー3
40)は、リング形状のものを嵌め込む以外に、ワイヤ
ー状の白金線の先端を溝に電気溶接により仮止めした後
に巻装し、切断して溝に環装させても良い。
【0057】d.中心電極先端部の外周の貴金属チップ
31は、中心電極母材(素材)30の先端面32にドー
ナツ形状の貴金属板を抵抗溶接した後、中心電極母材3
0の押し出し成形によって先端部外周に環状貴金属チッ
プを配したものでも良く、同様に電極消耗を抑え、加工
コストを低減することができる。
【0058】e.外側電極4は、ニッケル合金材35の
内部に良熱電導性の銅36、銅合金等の芯材を封入した
ものであっても良い。
【0059】f.中心電極3は、中心電極母材30をそ
のまま使用することができる。特に先端の直径が2.0
〜2.5mmのものに有効であり、貴金属チップ31が
無くても耐久性を保持することができる。
【0060】g.各寸法は、以下の範囲が好適である。 発火面41と絶縁体先端外径との距離……0.3〜0.
7 軸孔開口エッジの面取り24……C0.2〜C0.8
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る二極スパークプラグ
の要部斜視図(a)、及び部分断面図(b)である。
【図2】本発明の第1実施例に係る二極スパークプラグ
に用いる中心電極の製造方法を示す工程図である。
【図3】中心電極の突き出し長t(引っ込み長t’)-
10MΩ低下サイクル数の関係を示すグラフである。
【図4】本発明の第2実施例に係る二極スパークプラグ
の要部斜視図(a)、及び部分断面図(b)である。
【図5】本発明の第2実施例に係る二極スパークプラグ
に用いる中心電極の製造方法を示す工程図である。
【図6】本発明の第3実施例に係る二極スパークプラグ
の部分断面図である。
【図7】くすぶり汚損試験運転パターンにおける試験の
説明図である。
【図8】従来技術に係るスパークプラグの断面図であ
る。
【符号の説明】
1 主体金具 2 絶縁碍子 3 中心電極 4 外側電極 11 金具先端面 21 軸孔 22 碍子先端部 23 碍子先端面 24 面取り 30 中心電極母材 31 貴金属チップ 34 貴金属合金部 38 貴金属部 41 発火面 301 先端面 312 溶接位置(接合位置) A、B、C 二極スパークプラグ(スパークプラグ) t 突き出し長 t’ 引っ込み長

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状の主体金具と、碍子先端部が金具先
    端面から突出する様に前記主体金具内に固定される軸孔
    付の絶縁碍子と、 前記軸孔に固定される中心電極と、 外側電極先端部を軸方向に屈曲させ、碍子先端面の延長
    上に前記外側電極先端部の発火面の何処かが位置する様
    に前記金具先端面に突設される外側電極とを備え、 中心電極先端部と前記発火面との間で前記碍子先端面に
    沿って火花放電を行うスパークプラグであって、 中心電極先端面を前記碍子先端面から突き出す場合には
    突き出し長を0.5mm以下とし、前記中心電極先端面
    を前記碍子先端面から引っ込ませる場合には引っ込み長
    を1.0mm以下にすることを特徴とするスパークプラ
    グ。
  2. 【請求項2】 筒状の主体金具と、 碍子先端部が金具先端面から突出する様に前記主体金具
    内に固定される軸孔付の絶縁碍子と、 前記軸孔に固定される中心電極と、 外側電極先端部を軸方向に屈曲させ、碍子先端面の延長
    上に前記外側電極先端部の発火面の何処かが位置する様
    に前記金具先端面に突設される外側電極とを備え、 中心電極先端部と前記発火面との間で前記碍子先端面に
    沿って火花放電を行うスパークプラグであって、 中心電極先端面と前記碍子先端面とが面一であることを
    特徴とするスパークプラグ。
  3. 【請求項3】 前記中心電極先端部の径は1.0mm〜
    2.5mmである、請求項1又は請求項2記載のスパー
    クプラグ。
  4. 【請求項4】 筒状の主体金具と、 碍子先端部が金具先端面から突出する様に前記主体金具
    内に固定される軸孔付の絶縁碍子と、 前記軸孔に固定される中心電極と、 外側電極先端部を軸方向に屈曲させて前記金具先端面に
    突設される外側電極とを備え、 中心電極先端部と前記発火面との間で碍子先端面に沿っ
    て火花放電を行うスパークプラグであって、 前記中心電極先端部の径は1.0mm〜2.5mmであ
    り、 中心電極先端面を前記碍子先端面から突き出す場合には
    突き出し長を0.5mm以下とし、前記中心電極先端面
    を前記碍子先端面から引っ込ませる場合には引っ込み長
    を1.0mm以下にすることを特徴とするスパークプラ
    グ。
  5. 【請求項5】 前記絶縁碍子の軸孔開口エッジに面取り
    を施した請求項1乃至請求項4の何れかに記載のスパー
    クプラグ。
  6. 【請求項6】 前記外側電極の数を3〜4個とした請求
    項1乃至請求項5の何れかに記載のスパークプラグ。
  7. 【請求項7】 中心電極母材の先端面に、該中心電極母
    材と実質的に同径又は小径の貴金属チップを溶接して前
    記中心電極先端部を形成した請求項1乃至請求項6の何
    れかに記載のスパークプラグ。
  8. 【請求項8】 前記貴金属チップを、前記中心電極母材
    と実質的に同径で、外径が1.0mm〜2.5mm、厚
    さが0.3mm〜1.0mmの円柱形状とし、 前記中心電極母材と前記貴金属チップとの接合位置を、
    前記碍子先端面より奥とした請求項7記載のスパークプ
    ラグ。
  9. 【請求項9】 前記中心電極先端部を、前記中心電極母
    材の先端外周に環状に貴金属チップを配する構成とし
    た、請求項1乃至請求項6の何れかに記載のスパークプ
    ラグ。
  10. 【請求項10】 前記中心電極先端部を、外径が前記中
    心電極母材と実質的に同径又は小径の環状貴金属チップ
    を有し、その軸方向の厚みが0.3mm〜1.5mm、
    肉厚が0.2mm〜0.5mmとする構成とした請求項
    9記載のスパークプラグ。
  11. 【請求項11】 前記中心電極先端部を、前記中心電極
    母材の先端外周に環装した貴金属をレーザーにより溶融
    接合した貴金属合金部を有する構成とした請求項9又は
    請求項10記載のスパークプラグ。
  12. 【請求項12】 前記中心電極先端部を、押し出し成形
    により前記中心電極母材の先端外周に貴金属を配する構
    成とした請求項9記載のスパークプラグ。
  13. 【請求項13】 前記中心電極に印加される火花放電用
    の高電圧は、マイナス極性である請求項1乃至請求項1
    2の何れかに記載のスパークプラグ。
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JP24161295 1995-09-20
JP13290396 1996-05-28
JP8-132903 1996-05-28
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6472801B1 (en) 1999-06-25 2002-10-29 Ngk Spark Plug Co., Ltd. Spark plug with a corrosion impeding layer
JP2008204917A (ja) * 2007-02-22 2008-09-04 Ngk Spark Plug Co Ltd スパークプラグ及びスパークプラグの製造方法
US9000658B2 (en) 2008-04-09 2015-04-07 Ngk Spark Plug Co., Ltd. Spark plug for internal combustion engine

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JP2008204917A (ja) * 2007-02-22 2008-09-04 Ngk Spark Plug Co Ltd スパークプラグ及びスパークプラグの製造方法
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