JP2890818B2 - 内燃機関用スパークプラグ - Google Patents

内燃機関用スパークプラグ

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JP2890818B2 JP31009490A JP31009490A JP2890818B2 JP 2890818 B2 JP2890818 B2 JP 2890818B2 JP 31009490 A JP31009490 A JP 31009490A JP 31009490 A JP31009490 A JP 31009490A JP 2890818 B2 JP2890818 B2 JP 2890818B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、自動車等の内燃機関に用いられるスパー
クプラグに関するものである。
〔従来の技術〕
自動車のガソリン内燃機関にはスパークプラグが使用
され、このスパークプラグの長寿命化を狙って、中心電
極と接地電極の少なくともいずれか一方の放電部に白金
合金等の貴金属チップを設けたスパークプラグが従来よ
り数多く提案されている。現在では白金合金チップの使
用により10万Km運転可能という長寿命が達成されてい
る。しかし、近年、エンジンの高性能化に伴うエンジン
装着部品の増加により市場でのプラグ交換に多大の時間
を要するようになり交換インターバルを長くするため、
さらに長寿命のプラグが要求されるようになってきた。
この要求に対しては、白金合金量の増加にて対応するこ
とができ、その増量方法は2通り考えられる。即ち、白
金合金チップの厚さを増す方法と、白金合金チップの径
を大きくする方法である。
ところが、白金合金チップの厚さを増す方法では、寿
命時に(白金合金チップが無くなった時に)火花ギャッ
プが大きくなってしまい、中心電極と接地電極の間での
放電が発生しなくなる虞れがあり、現実的な方法とは言
いがたい。従って、長寿命化を図るためには、白金合金
チップの径を大きくする必要がある。しかし、白金合金
チップの径を大きくすると、白金合金チップと母材の線
膨張係数の差による白金合金チップと母材の接合面の熱
応力が増大してしまい、その結果、白金合金チップと母
材の接合面の酸化が進行し、遂には、白金合金チップが
脱落してしまう。よって、現状の10万km以上の長寿命化
を達成するためには、熱応力を低減しなければならな
い。
この熱応力を低減する手段としては、白金合金チップ
と母材との間に応力緩和層を配置することが有効であ
る。即ち、特開昭58−121583号公報に開示されているよ
うに、熱処理により接合面に合金属を形成したり、特開
昭59−169087号公報に開示されているように、白金合金
チップの線膨張係数と母材の線膨張係数との中間の線膨
張係数の材料を応力緩和層として白金合金チップと母材
との間に配置するものである。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、例えば、現状の2倍の20万km運転可能
なプラグにするためには、放電面の白金合金チップの面
積を2倍にする必要があり、白金合金チップの接合面積
は2倍となり直径で約1.4倍強となり、上記公報に示し
た応力緩和層を配置しただけでは白金合金チップが脱落
してしまい、より以上の熱応力低減が必要である。
この発明の目的は、貴金属チップの径を大きくするこ
とにより長寿命化を図る際に、チップ接合面での熱応力
を低減して貴金属チップの脱落を抑制することができる
スパークプラグを提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、卑金属よりなる一対の電極が対向配置され
るとともに、前記電極の対向する対向面の少なくともど
ちらか一方に熱応力を低減する応力緩和層を介在させて
貴金属チップを接合した内燃機関用スパークプラグにお
いて、前記貴金属チップを有する一方の電極の前記対向
面に、前記貴金属チップを複数の貴金属チップ部に実質
的に分断するような溝を設け、その溝の深さをAmmと
し、前記応力緩和層の厚さをCmmとし、その緩和層の厚
さを含めた貴金属チップの厚さをBmmとした時、溝の深
さを 0<C<0.01mmの場合、 2/3B≦A≦B+0.3mmとし、 0.01mm≦C<0.05mmの場合、 2/3B≦A≦B+0.7mmとし、 0.05mm≦C<0.2mmの場合、 2/3B≦A≦B+0.8mmとし、 0.2mm≦Cの場合、 2/3B≦A≦B+0.9mm とした内燃機関用スパークプラグをその要旨とするもの
である。
〔作用〕
チップ径を大きくしようとすると形状効果、即ち線膨
張係数の影響が大きくなって接合面での熱応力が大きく
なる傾向にある。しかしながら、本発明の如き所定の溝
の深さとすることにより、貴金属チップが実質的に複数
間に分割された態様となり、形状効果による熱応力の増
大を回避することができる。
〔実施例〕
以下、この発明を自動車用ガソリンエンジンに使用さ
れるスパークプラグに具体化した一実施例を図面に従っ
て説明する。
第3図はスパークプラグの全体を示す。中心電極1は
耐熱性、耐食性及び導電性のある卑金属、例えば、Ni系
合金等からなり、絶縁碍子2に保持されている。絶縁碍
子2の軸穴2aの上部には炭素鋼からなる中軸3が挿通さ
れ、中軸3の頭部には黄鋼等からなる端子4がねじ込み
固定されている。円筒状のハウジング5は耐熱性、耐食
性及び導電性のある金属よりなり、ハウジング5の内側
にはリング状の気密パッキン6及びかしめリング7を介
して絶縁端子2が固定されている。尚、ハウジング5は
エンジンブロックに固定するためにねじ部5aを備えてい
る。
ハウジング5の下側面には接地電極8が溶接により固
定され、この接地電極8も耐熱性、耐蝕性及び導電性の
ある金属からなっている。又、絶縁碍子2の軸穴2a内に
は導電性グラスシール層9が封入され、この導電性グラ
スシール層9は銅粉末と低融点ガラスから構成されてお
り、このシール層9で中軸3と中心電極1とが電気的に
接続されるとともに両者が絶縁碍子2の軸穴2aに固定さ
れている。
第1図に示すように、中心電極1の放電部となる先端
部分には応力緩和層10を介在して貴金属チップ11が溶接
され、その貴金属チップ11には溝12が形成されている。
この溝12は第2図に示すように、十字形状となってい
る。
ここで、応力緩和層10は合金層、又は中心電極1と貴
金属チップ11との中間の線膨張係数を有する材料による
層のいずれが使用される。つまり、合金層を使用する場
合には第4図〜第7図に示すように製造される。まず、
インコネル600(ニッケル−クロム系合金)よりなる中
心電極1の先端面にPt−20Irよりなる貴金属チップ11を
抵抗溶接した後、中心電極1の不要部分を除去し、その
後、900℃の炉内に所定の時間入れることにより所定の
厚さの応力緩和層10としての合金層が形成される。
又、応力緩和層10として、中間の線膨張係数を有する
材料による層を使用する場合には第8図〜第11図に示す
ように製造される。まず、インコネル600(線膨張係数;
13.3×10-6)よりなる中心電極1の先端面に所定の厚さ
の応力緩和層10としてのPt−20Ni(線膨張係数;11×10
-6)を抵抗溶接した後、その上面にPt−20Ir(線膨張係
数;8.9×10-6)よりなる貴金属チップ11を抵抗溶接し、
さらに、中心電極1の不要部分を除去することにより形
成される。
ここで、第1図において、溝12の軸方向での深さをAm
m、応力緩和層10の厚さを含めた貴金属チップ11の厚さ
をBmm、応力緩和層10の厚さをCmmとする。
次に、溝12の深さAと貴金属チップ11の接合面の酸化
の特異性について説明する。
第1図において、中心電極1はインコネル600を使用
し貴金属チップ11にはPt−20Irよりなる白金合金チップ
を使用し、中心電極1の径φDは一般的に使用されてい
るφ1.0mmに対しD=φ1.8mmと大きなものを使用すると
ともに、貴金属チップ11の厚さBをB=0.5mmとした。
そして、次のような試験用スパークプラグを用意した。
第12図に示すような、溝12を設けないプラグ 第13図に示すような、溝12の幅E=0.2mmで溝深さA
=0.2mmのプラグ 第14図に示すような、溝12の幅E=0.2mmで溝深さA
=0.4mmのプラグ 第15図に示すような、溝12の幅E=0.2mmで溝深さA
=0.6mmのプラグ 第16図に示すような、溝12の幅E=0.2mmで溝深さA
=1.0mmのプラグ 又、このときの評価は2000cc,4サイクル水冷エンジン
を用い、アイドル1分−W.0.T1分のくり返しサイクルで
100時間試験した。
その結果、第12図〜第16図(断面図)において、図中
黒く塗ってある部分が接合面で酸化された。第12図に示
す上記のプラグでは貴金属チップ11の接合面に大きな
酸化が認められる。第13図に示す上記のプラグでは第
12図と同様貴金属チップ11の接合面に大きな酸化が認め
られる。第14図に示す上記のプラグでは溝12の底部よ
り接合面までクラック13が発生し貴金属チップ11を破断
しているが、接合面の酸化は非常に軽微である。第15図
に示す上記のプラグでは貴金属チップ11の接合面の酸
化は非常に軽微である。第16図に示す上記のプラグで
は貴金属チップ11の接合面に大きな酸化が認めらた。
以上の結果から、貴金属チップ11を放電部に設けたプ
ラグにおいて、ある特定の深さの溝を設けることによ
り、第14図,第15図に見られるように、接合面酸化が非
常に軽微になることが分かる。
そこで、溝12を設けることにより貴金属チップ11の接
合面の酸化を軽微にすることのできる特定の値を、種々
の応力緩和層10の厚さに対して貴金属チップ厚さと溝深
さを要素として評価した。
評価は、2000cc,4サイクル水冷エンジンを用いアイド
ル1分−W.0.T1分のくり返しサイクルで100時間試験し
た。以下、その結果を詳細に述べる。
この試験を行うに際し、接合面酸化の判定基準を第17
図〜第20図にて説明する。第17図〜第20図は上記試験後
の中心電極1の中心部全断面図である。第17図は、溝12
を設けない場合のもので、直径φDmmの接合面に外周よ
りPmmとQmm酸化している状態を示しており、接合面の酸
化進行度は(P+Q)/Dで表される。第18図は溝12を設
けた場合に、第17図のものと同様の接合面が酸化するも
ので、接合面の酸化進行度は(P+Q)/Dで表される。
第19図は、溝12を設けたときに溝12の底部から接合面
までクラック13が発生し接合面が酸化する場合であり、
接合面の酸化進行度は(S+T)/Rで表される。第20図
は貴金属チップ11の厚さより深い溝12を設けたた場合の
もので、接合面の酸化進行度は(S+T)/Rで表され
る。そして、上記酸化進行度〔(P+Q)/D、又は、
(S+T)/R〕が0.25以下において実用上の不具合が発
生しないことが実験的に分かっている。
以下に、評価結果について説明する。
第21図は、貴金属チップ11を抵抗溶接しただけのもの
で、溶接後、熱処理等により応力緩和層としての合金層
を形成させる処理を施さないプラグである。つまり、通
常、溶接により形成される合金層の厚さCは、0〜0.00
5mm程度で、稀に、0.01mm近傍のものもできる。この第2
1図において、縦軸に接合面の酸化進行度を、横軸に溝
深さAをとり、貴金属チップ11の厚さBに対して、B=
0.2mmのものを○印で、B=0.5mmのものを△印で、B=
1.0mmのものを□印で示してある。なお、貴金属チップ1
1の直径D=1.8mmで一定である。この第21図から、接合
面酸化が軽微となる溝深さAは、貴金属チップ11の厚さ
Bにより異なっていることが分かる。各貴金属チップ11
の厚さBに対して、実用上不具合の発生しない溝深さA
を読み取ると 貴金属チップ厚さB=0.2mmにおいて 0.14mm≦A≦0.53mm 貴金属チップ厚さB=0.5mmにおいて 0.33mm≦A≦0.83mm 貴金属チップ厚さB=1.0mmにおいて 0.63mm≦A≦1.30mm となり、貴金属チップ厚さBとほぼ同じ深さの溝12を形
成することが良い。即ち、貴金属チップ11の接合面近傍
に溝12の底がくるようにすることが良いことが分かる。
又、上記値をまとめると貴金属チップ厚さBと溝深さA
は 2/3B≦A≦B+0.3mmにおいて実用上、不具合の発生
しない程度の接合面酸化になる。
第22図は、応力緩和層としての合金層の厚さCを熱応
力低減効果の現れ始めるC=0.01mmとしたプラグの結果
で、第21図と同様縦軸に接合面の酸化進行度を、横軸に
溝深さAをとり、貴金属チップ11の厚さBに対して、B
=0.2mmのものを○印でB=0.5mmのものを△印で、B=
1.0mmのものを□印で示してある。なお、貴金属チップ1
1の直径Dは1.8mmで一定である。
第23図は、合金層の厚さCをC=0.05mmとしたプラグ
での結果で、第21図と同様、縦軸に接合面の酸化進行度
を横軸に溝深さAをとり、貴金属チップ11の厚さBに対
してB=0.2mmのものを○印でB=0.5mmのものを△印で
B=1.0mmのものを□印で示してある。なお、貴金属チ
ップ11の直径Dは1.8mmで一定である。
第24図は、合金層の厚さCをC=0.2mmとしたプラグ
での結果で、縦軸の接合面の酸化進行度を、横軸に溝深
さをとり、白金合金チップ厚さBに対してB=0.5mmの
ものを△印でB=1.0mmのものを□印で示してある。な
お、貴金属チップ11の直径Dは1.8mmで一定である。
第22図,第23図,第24図より、第21図の場合と同様
に、各貴金属チップ厚さBに対して実用上不具合の発生
しない溝深さAを第21図の結果とともに第25図にまとめ
てある。第25図に示すように、合金層の厚さCに対し
て、接合面の酸化による実用上の不具合の全く発生しな
い貴金属チップ厚さBと溝深さAの関係は 0<C<0.01mmの時; 2/3B≦A≦B+0.3mm 0.01mm≦C<0.05mmの時; 2/3B≦A≦B+0.7mm 0.05mm≦C<0.2mmの時; 2/3B≦A≦B+0.8mm 0.2mm≦Cの時; 2/3B≦A≦B+0.9mm の場合である。
なお、貴金属チップの直径Dが1.5mmの場合でも第21
図〜第24図の特性は変わらないことを確認している。
以上述べてきたように貴金属チップ11を放電部に有す
る中心電極において、ある特定の深さの溝12を形成した
場合においてのみ、接合面の酸化進行が大幅に改善され
る理由について考察してみる。
まず、溝深さAに対しては、第12図に見られるよう
に、さらに長寿命を図るべく貴金属チップ11の径を大き
くした場合、接合面積が大きくなったことにより、接合
面の温度を低下させやすくなることによる熱応力の低減
という長所が生まれるとともに、形状効果による熱応力
の増大という欠点が生じる。この場合には、接合面の酸
化が大幅に進行しており接合面の温度を低下させやすく
なることによる熱応力の低減よりも、形状効果による熱
応力の増大の方が大きく寄与する。
第15図に見られるように、貴金属チップ11の厚さBよ
り僅かに深い溝12を形成することにより、さらに長寿命
を図るべく貴金属チップ11の径を大きくしても溝12にて
小さな貴金属チップ11に分割されるため、形状効果によ
る熱応力の増大は起こらず、接合面の温度を低下させ易
くなることによる熱応力の低減を図ることができ、接合
面の酸化が大幅に改善される。
第14図に見られるように、貴金属チップ11の厚さBよ
り僅かに浅い溝12を形成した場合、初期には第12図と同
程度の熱応力が加わるが、その熱応力により接合面が酸
化する前に溝部12に熱応力が集中し貴金属チップ11にク
ラック13が発生し、第15図と同じく貴金属チップ11が分
割された状態となり、形状効果による熱応力の増大は起
こらず、接合面の温度を低下させ易くなることによる熱
応力の低減を図ることができ、接合面の酸化が大幅に改
善されるものと思われる。
第13図に見られるように、溝12を形成しても非常に浅
い溝12の場合は、熱応力により溝12にクラック13を発生
させることができず、第12図の場合と同じく接合面の酸
化が大幅に進行してしまう。
第16図に見られるように、非常に深い溝12を形成した
場合は、熱応力の増大はないが、接合面の温度を低下さ
せ易くなることによる熱応力の低減もなくなり、むし
ろ、中心電極部分が溝12により実質的に細くなり接合面
の温度が上昇してしまい熱応力が増大して接合面の酸化
が大幅に進行する。
又、合金層(応力緩和層)の厚さCが厚くなると溝深
さAが深くできることについては、合金層の厚さが厚く
なると接合面の熱応力が大幅に緩和されるためである。
さらに、貴金属チップ11の厚さBが0.2mm,0.5mm,1.0m
mとも、最適溝深さAが貴金属チップ厚さの2/3以上にな
ることについては、貴金属チップ厚さBが厚くなると接
合面の熱応力が増大して厚いチップでもクラックが発生
しやすくなると考えられる。そして、貴金属チップ厚さ
Bが0.2mm,0.5mm,1.0mmとも一定の溝深さまで接合面の
酸化が軽微になることについては、上記のように、貴金
属チップ厚さが厚くなると接合面の熱応力が増大する
が、接合面はより中心電極1の母材に近づき接合面の温
度が低下する方向となり接合面の熱応力が低減される。
その結果、一定の溝深さまで接合面の酸化が軽微になる
ものと思われる。
このように本実施例は、貴金属チップ11を有する中心
電極1での接地電極8との対向面に、貴金属チップ11と
中心電極1(卑金属)との接合面近傍にまで延設した溝
12を形成した。その結果、チップ径を大きくしようとす
ると形状効果では接合面での熱応力が大きくする傾向に
あり、又、チップ径を大きくしようとすると接合面での
温度は低くなる傾向にあり、その温度に起因する熱応力
は低下する。そして、溝12の形成により、温度による熱
応力低下が支配的となる。よって、貴金属チップ11の径
を大きくすることにより長寿命化を図る際に、チップ接
合面での熱応力を低減して貴金属チップ11の脱落を抑制
することができることとなる。
又、応力緩和層10を介在させて貴金属チップ11を接合
したスパークプラグにおいて、貴金属チップ11を有する
中心電極1での接地電極8との対向面に十字の溝12を設
け、その溝12の深さをAmmとし、応力緩和層10の厚さをC
mmとし、その緩和層10の厚さを含めた貴金属チップ11の
厚さをBmmとした時、溝12の深さを 0<C<0.01mmの場合; 2/3B≦A≦B+0.3mmとし 0.01mm≦C<0.05mmの場合; 2/3B≦A≦B+0.7mmとし 0.05mm≦C<0.2mmの場合; 2/3B≦A≦B+0.8mmとし 0.2mm≦Cの場合; 2/3B≦A≦B+0.9mm とした。その結果、最適化することができる。
第26図および第27図は本発明の他の実施例を示すもの
で、この実施例では、貴金属チップ11および応力緩和層
10を、溝12を介して外方へ拡開し、それら10,11の側面
が接地電極8に接近するほど径大なテーパ状を形成する
ようなされている。
かかる形状は、第28図のごとく、例えば上記貴金属チ
ップ11および応力緩和層10に溝12を形成した後、先端が
クサビ状の割り型をその溝12内に圧入し、溝12を押し広
げることにより、得られる。
また、かかる形状に基づく作用効果としては、第29図
のごとく、貴金属チップ11の端面から軸線方向に飛火す
る経路a、貴金属チップ11の先端エッジ部から斜め方向
に飛火する経路b、および貴金属チップ11の周方向側面
にも飛火経路cが形成されるが、第30図のものに比較し
てその経路cが短くなることが分かった。このため、放
電のための要求電圧(中心電極−接地電極間)を低くす
ることができる。また、火花放電により発生する火炎核
を溝12内で大きく成長させることができるので、着火性
が向上する。
第31図は本発明の更に他の実施例を示すもので、この
実施例においては溝12を一つとしたものである。
なお、本発明においては、溝12は十字状(第2図)、
一条(第31図)の他に例えば三本でもよいし、あるいは
複数個の貴金属チップを、中心電極の端面に互いに間隙
を介して隣接するように接合してもよい。
また、第1図において、溝12は緩和層10と電極1との
境界線上にまでで終わっていても勿論よい。
更に、溝12の形状は断面U字形状でもV字形状でもよ
い。また、貴金属チップ11の材料は、白金合金に限らず
貴金属を主成分にした材料ならばよい。また、上記実施
例では中心電極1に応力緩和層10を介して貴金属チップ
11を設ける場合について述べたが、接地電極8に応力緩
和層を介して貴金属チップを設ける場合に適用してもよ
いし、さらに、中心電極1と接地電極8の両方に応力緩
和層を介して貴金属チップを設ける場合に適用してもよ
い。
〔発明の効果〕
以上詳述したようにこの発明によれば、貴金属チップ
の径を大きくすることにより長寿命化を図る際に、チッ
プ接合面での熱応力を低減して貴金属チップの脱落を抑
制することができる優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例の内燃機関用スパークプラグの中心電極
の先端部を示す図、第2図は中心電極の先端部を示す
図、第3図はスパークプラグの全体図、第4図〜第7図
は応力緩和層の製造工程を示す図、第8図〜第11図は応
力緩和層の製造工程を示す図、第12図は接合面の酸化状
態を示す図、第13図は接合面の酸化状態を示す図、第14
図は接合面の酸化状態を示す図、第15図は接合面の酸化
状態を示す図、第16図は接合面の酸化状態を示す図、第
17図は接合面の酸化状態を示す図、第18図は接合面の酸
化状態を示す図、第19図は接合面の酸化状態を示す図、
第20図は接合面の酸化状態を示す図、第21図は溝深さと
接合面の酸化進行度との関係を示す図、第22図は溝深さ
と接合面の酸化進行度との関係を示す図、第23図は溝深
さと接合面の酸化進行度との関係を示す図、第24図は溝
深さと接合面の酸化進行度との関係を示す図、第25図は
各実験結果をまとめた図、第26図は本発明の他の実施例
の要部を示す断面図、第27図は第26図の中心電極の先端
部を示す斜視図、第28図(a)〜(e)は第27図の中心
電極の製造工程を示す図、第29図および第30図は第26図
の本発明の他の実施例の作用説明に供する図、第31図は
本発明の更に他の実施例の要部を示す断面図である。 1…中心電極,8…接地電極,10…応力緩和層,11…貴金属
チップ,12…溝。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−225784(JP,A) 特開 昭57−145288(JP,A) 特開 平3−225783(JP,A) 特開 昭53−27743(JP,A) 特開 昭51−141935(JP,A) 実開 平2−77894(JP,U) 実開 昭53−77230(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01T 13/20

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】卑金属よりなる一対の電極が対向配置され
    るとともに、前記電極の対向する対向面の少なくともど
    ちらか一方に熱応力を低減する応力緩和層を介在させて
    貴金属チップを接合した内燃機関用スパークプラグにお
    いて、 前記貴金属チップを有する一方の電極の前記対向面に、
    前記貴金属チップを複数の貴金属チップ部に実質的に分
    断するような溝を設け、その溝の深さをAmmとし、前記
    応力緩和層の厚さをCmmとし、その緩和層の厚さを含め
    た貴金属チップの厚さをBmmとした時、溝の深さを 0<C<0.01mmの場合、 2/3B≦A≦B+0.3mmとし、 0.01mm≦C<0.05mmの場合、 2/3B≦A≦B+0.7mmとし、 0.05mm≦C<0.2mmの場合、 2/3B≦A≦B+0.8mmとし、 0.2mm≦Cの場合、 2/3B≦A≦B+0.9mm としたことを特徴とする内燃機関用スパークプラグ。
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