JP2007227188A - 内燃機関用スパークプラグ及びその製造方法 - Google Patents

内燃機関用スパークプラグ及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007227188A
JP2007227188A JP2006047632A JP2006047632A JP2007227188A JP 2007227188 A JP2007227188 A JP 2007227188A JP 2006047632 A JP2006047632 A JP 2006047632A JP 2006047632 A JP2006047632 A JP 2006047632A JP 2007227188 A JP2007227188 A JP 2007227188A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
component
tip
ground electrode
ignition
spark plug
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006047632A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4644139B2 (ja
Inventor
Osamu Yoshimoto
修 吉本
Wataru Matsutani
渉 松谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Spark Plug Co Ltd filed Critical NGK Spark Plug Co Ltd
Priority to JP2006047632A priority Critical patent/JP4644139B2/ja
Publication of JP2007227188A publication Critical patent/JP2007227188A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4644139B2 publication Critical patent/JP4644139B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Spark Plugs (AREA)

Abstract

【課題】主たる第1成分をPtとするとともに第2成分をRhとする発火部等を備えたスパークプラグに関し、発火部の割れ、剥離、脱落等の不具合の発生を起こりにくくする。
【解決手段】スパークプラグの中心電極3先端には発火部31が設けられ、接地電極4先端には発火部31に対向する発火部32が設けられ、両発火部31,32の隙間が火花放電間隙33となっている。発火部31,32は主たる第1成分をPtとするとともに、第2成分をRhとする。これらチップ状の発火部31,32は、塑性加工を経た後、所定の熱処理が施されることで、結晶粒の配向比平均値が0.5以下となっており、かつ、ビッカース硬度250Hv以下となっている。これにより、結晶粒の粒径の増大が抑制され、機械的強度の低下が抑制され、加工歪みに起因する内部割れが解消される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、内燃機関に使用されるスパークプラグ及びその製造方法に関する。
従来、自動車エンジン等の内燃機関用のスパークプラグとして、例えば中心電極や接地電極の先端部に貴金属合金よりなるチップ状の発火部が溶接されたものがある。当該発火部を製造するための代表的手法としては、貴金属合金の圧延板素材を得た後、これをディスク状に打ち抜いて比較的厚みの小さいチップを得る方法と、熱間伸線により棒状素材を得た後、これを切断することで、比較的厚みの大きいチップを得る方法とがある。
いずれの方法で製造するにせよ、得られるチップというのは、種々の加工、特に塑性加工を経ることで加工歪み(「残留応力」と称することもある)が生じ、チップ溶接後においても当該加工歪みが残存することがある。そして、このように加工歪みが存在すると、チップの異常な消耗や内部割れ等を招き、ひいてはスパークプラグとしての耐久性の低下や、火花放電間隙のブリッジ現象等を引き起こしてしまうことが懸念される。
ところで、昨今では、上記発火部を構成する素材として、イリジウム(Ir)を主体とする貴金属素材を採用することが提案されている。中でも、Irを主体とするチップに、900〜1700℃で焼鈍(熱処理)を施すことで、表層部領域を軟化させるという技術がある(例えば、特許文献1参照。)。当該特許文献1に開示された技術では、Irが耐火花消耗の面で優れた材料である反面、酸化・揮発を起こしてしまいやすいことに鑑み、表層部領域の再結晶化を促し、結晶の粒度を大きくすることで、酸化・揮発の抑制が図られている。
特開平11−154583号公報
しかしながら、上記発火部を、白金(Pt)を主たる第1成分とする貴金属材料で構成しようとした場合、例えば、発火部が、主たる第1成分をPtとするとともに、第2成分をロジウム(Rh)とするような場合には、単に上記特許文献1に開示された技術をそのまま適用することはできない。すなわち、発火部が、主たる第1成分をPtとする場合において、揮発等が問題になることはさほどない反面、結晶の粒径を大きくしてしまうと、次の種々の問題を生じ得る。
粒成長して粗大化した結晶粒から構成される発火部は粗大化していない結晶粒から構成される場合のものに比較して、結晶粒の1つ1つが接触している部分が減少し、発火部を構成する結晶粒同士の結合力が低下するため、発火部自体の機械的強度が低下するという問題がある。
また、発火部中に粗大化した粒径の大きい結晶粒が存在する割合が増えると、発火部表面から結晶粒と結晶粒との間(粒界)に沿って進む腐食の生じる経路が単純化されるため、この粒界腐食は発火部の比較的内部まで進行しやすくなる。粒界腐食が進むと結晶粒同士が接触して結合している部分が進行した腐食によって分断される形で減少し、やはり接地電極中における結晶粒同士の結合力が低下して発火部自体の機械的強度が低下する問題を生じてしまう。
これらの結果、粗大化した結晶粒による発火部は部分的に発火部の組織が剥離したり、その結果として発火部が脱落してしまったりする。特に、より高温下に晒されやすい接地電極側の発火部においては、上記不具合がより顕著に現われやすい。
尚、上記不具合は、中心電極、接地電極にPtを主成分とするチップ状の発火部を設ける場合のみならず、例えば接地電極そのものが、Ptを主成分とする素材で構成されている場合においても起こりうるものである。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、主たる第1成分をPtとするとともに、第2成分をRhとする発火部等を備えたスパークプラグに関し、発火部の割れ、剥離、脱落等の不具合の発生を起こりにくくすることのできる内燃機関用スパークプラグ及びその製造方法を提供することにある。
以下、上記課題等を解決するのに適した各構成を項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する構成に特有の作用効果等を付記する。
構成1.本構成のスパークプラグは、中心電極と、前記中心電極の外側に設けられた絶縁体と、前記絶縁体の外側に設けられた主体金具と、前記主体金具に接合され、先端部が前記中心電極の先端部と対向するように配置された接地電極とを備え、前記中心電極の先端部及び前記接地電極の先端部間に火花放電間隙を有する内燃機関用スパークプラグであって、
前記中心電極の先端部及び前記接地電極の先端部のうち少なくとも一方に設けられた発火部は、主たる第1成分をPtとするとともに、第2成分をRhとし、かつ、断面組織を観察したときにその断面上に表れる粒子の外形線に対し、その外形線と接しかつ前記粒子内を横切らないように2本の平行線を、その粒子との位置関係を変えながら各種引いたときの、前記平行線間の距離の最大値をその粒子の最大径dmax、同じく最小値を最小径dminとしたとき、所定の断面における各粒子毎の最大径dmaxに対する最小径dminの比dmin/dmaxの平均値が0.5以下であることを特徴とする。
ここで、「主たる第1成分」とあるのは、材料中、最も質量比の高い成分を指すものであり、「第2成分」とあるのは、材料中2番目に質量比の高い成分を指すものである(以下、各構成において同様)。なお、発火部は、必ずしも第1成分及び第2成分のみからなることを意味するものではなく、上記で特に規定していない成分(例えば第3成分)を含有していても差し支えない。
上記構成1によれば、中心電極の先端部及び接地電極の先端部のうち少なくとも一方に設けられた発火部は、主たる第1成分をPtとするとともに、第2成分をRhとしている。このように比較的融点の高い貴金属合金を発火部とすることで、当該発火部の消耗が抑制され、ひいては長寿命化が図られる。ところで、当該発火部を構成する材料は、塑性加工等を経て形成されるものであり、塑性加工を経た直後の材料というのは、硬度も比較的高い。また、当該材料を構成する結晶の粒も、球形からは程遠く偏った形状をなすとともに所定方向に配向しており、加工歪みが残存しているため、チップの異常な消耗や内部割れ等を招来してしまいかねない。かかる加工歪みを解消するべく、熱処理を施すことが考えられる。しかしながら、本構成1のように、発火部が主たる第1成分をPtとしている場合、高温で長時間の熱処理を施すと、再結晶化が促進され、結晶の粒径が大きくなってしまい、粒界腐食等による機械的強度の低下が懸念される。この点に鑑み、構成1においては、結晶の粒径の増大が抑制された発火部が採用されている。すなわち、熱処理が過度に行われた場合、結晶の粒径が大きくなる傾向にあり、この場合、結晶粒の縦横比率も「1」に近くなってゆく。換言すれば、熱処理を経るにしたがって、前記配向方向に沿った断面組織を観察したときにその断面上に表れる粒子の外形線に対し、その外形線と接しかつ前記粒子内を横切らないように2本の平行線を、その粒子との位置関係を変えながら各種引いたときの、前記平行線間の距離の最大値をその粒子の最大径dmax、同じく最小値を最小径dminとしたとき、所定の断面における各粒子毎の最大径dmaxに対する最小径dminの比dmin/dmaxが「1」に近づいてゆく。この点、本構成1では、前記配向方向に沿った断面組織を観察したときにおける最大径dmaxに対する最小径dminの比dmin/dmaxの平均値(便宜上「配向比平均値」という)が「0.5」以下とされている。そのため、構成1の発火部は、粒の粗大化による機械的強度の低下や粒界腐食による機械的強度の低下が生じにくく、耐久性を向上することが可能となる。なお、この構成1における発火部とは従来のように中心電極や接地電極を構成する母材に接合するチップとして設けてもよく、それら母材自体を上記貴金属合金から構成してもよい。
構成2.本構成のスパークプラグは、上記構成1において、主たる第1成分をPtとするとともに、第2成分をRhとする前記発火部が、前記接地電極側に設けられていることを特徴とする。
スパークプラグの使用に際しては、接地電極側の発火部は、中心電極側の発火部に比べて内燃機関の燃焼室に近く、使用時においてはより高温下に晒されやすい。一方、低温時は中心電極と同程度に冷却されるためより温度差の大きい過酷な環境に晒される状況下にある。このため中心電極側に比べて接地電極側では粒界での剥離や腐食が生じやすく、ひいては異常消耗や内部割れに至るおそれがある。この点、上記構成2のように、前記発火部が接地電極側に設けられているため、たとえより高温下に晒されたとしても、接地電極側の発火部に関し、粒界剥離に起因する不具合を効果的に抑制できる。
構成3.本構成のスパークプラグは、上記構成1又は2のいずれかにおいて、主たる第1成分をPtとするとともに、第2成分をRhとする前記発火部が、ビッカース硬度250Hv以下であることを特徴とする。
既述のとおり、塑性加工を経た直後の材料というのは、硬度も比較的高く、加工歪みが残存していることがある。これに対し、上記構成3では、所定の熱処理が施されることでビッカース硬度250Hv以下とされている。このため、加工歪みが解消され、発火部の異常な消耗や内部割れといった不具合を防止することができる。尚、主たる第1成分をPtとするとともに、第2成分をRhとする材料が、ビッカース硬度250Hvを上回る場合には、加工歪みの解消が十分とはいえない場合があり、発火部において、内部割れ等を起こしてしまうおそれがある。
構成4.本構成のスパークプラグは、上記構成3において、主たる第1成分をPtとするとともに、第2成分をRhとする前記発火部が、Rhを5質量%以上40質量%以下含有することを特徴とする。
Rhの含有量が5質量%未満の場合、元々の(塑性加工を経た直後の)材料の硬度が比較的低いため、上記構成3のビッカース硬度250Hv以下という要件を具備する場合であっても、熱処理が十分とはいえない場合があり、発火部に加工歪みが残存してしまうおそれがある。一方、Rhの含有量が40質量%を上回る場合、元々の(塑性加工を経た直後の)材料の硬度が比較的高いため、上記構成3のビッカース硬度250Hv以下という要件を満たそうとした場合、熱処理が行われすぎてしまう。そのため、再結晶化が促進され、結晶粒の粗大化による機械的強度の低下や粒界腐食による機械的強度低下が懸念される。
この点、本構成4によれば、Rhの含有量が適正の範囲内に設定されることとなり、上記構成3の作用効果がより確実に奏されることとなる。
上述したスパークプラグは、種々の方法により製造することができるが、例えば、次の構成5に示すような方法で製造することも可能である。
構成5.本構成のスパークプラグの製造方法は、中心電極と、前記中心電極の外側に設けられた絶縁体と、前記絶縁体の外側に設けられた主体金具と、前記主体金具に接合され、先端部が前記中心電極の先端部と対向するように配置された接地電極とを備え、前記中心電極の先端部及び前記接地電極の先端部間に火花放電間隙を有し、前記接地電極が主たる第1成分をPtとするとともに、第2成分をRhとする、又は、前記接地電極の先端部に、主たる第1成分をPtとするとともに、第2成分をRhとするチップ状の発火部を備えてなる内燃機関用スパークプラグの製造方法であって、
主たる第1成分をPtとするとともに、第2成分をRhとする接地電極、又は、先端部に、主たる第1成分をPtとするとともに、第2成分をRhとするチップ状の発火部を備えてなる接地電極を、前記主体金具に溶接することで主体金具アッセンブリを得た後、当該主体金具アッセンブリごと熱処理を施す熱処理工程を具備することを特徴とする。
上記構成5によれば、主たる第1成分をPtとするとともに、第2成分をRhとする接地電極が主体金具に溶接されることで主体金具アッセンブリが得られる(尚、当該アッセンブリを備えるスパークプラグは、例えばより過酷な条件下に置かれるガスエンジン等に好適に用いられる)。或いは、先端部に、主たる第1成分をPtとするとともに、第2成分をRhとするチップ状の発火部を備えてなる接地電極が主体金具に溶接されることで主体金具アッセンブリが得られる(尚、当該アッセンブリを備えるスパークプラグは、例えば一般的なガソリンエンジン等に好適に用いられる)。その後、熱処理工程において当該主体金具アッセンブリごと熱処理が施される。当該熱処理により、第1成分をPtとするとともに、第2成分をRhとする発火部の加工歪みの解消が図られ、発火部における内部割れ等の不具合を防止できる。
尚、「主たる第1成分をPtとするとともに、第2成分をRhとする接地電極、又は、先端部に、主たる第1成分をPtとするとともに、第2成分をRhとするチップ状の発火部を備えてなる接地電極が、断面組織を観察したときにその断面上に表れる粒子の外形線に対し、その外形線と接しかつ前記粒子内を横切らないように2本の平行線を、その粒子との位置関係を変えながら各種引いたときの、前記平行線間の距離の最大値をその粒子の最大径dmax、同じく最小値を最小径dminとしたとき、所定の断面における各粒子毎の最大径dmaxに対する最小径dminの比dmin/dmaxの平均値が0.5以下となるよう熱処理を施すこと」としてもよい。このように、熱処理が適正に行われることで、機械的強度低下をより確実に抑制することができる。
ところで、接地電極の態様が前者の場合、つまり、主たる第1成分をPtとするとともに、第2成分をRhとする接地電極が主体金具に溶接されることで主体金具アッセンブリが得られる場合について言及すると、主体金具が卑金属で構成される場合が多く、当該卑金属たる主体金具と、貴金属合金により構成される接地電極との間での溶接が必ずしも十分とはいえない場合がある。この点、構成4のように、溶接後、熱処理が行われるため、主体金具と接地電極との溶接部分のなじみがさらに良好なものとなり、結果として、両者間の接合強度の向上をも図ることができる。
さらに、次の構成6に示すスパークプラグとすることもできる。
構成6.本構成のスパークプラグは、内側発火部を有する中心電極と、前記中心電極との間に火花放電間隙を形成するチップ状の外側発火部が溶接された接地電極とを備え、前記外側発火部は、主たる第1成分を白金とするとともに、第2成分をRhとする内燃機関用スパークプラグであって、
前記外側発火部は、塑性加工を経て形成され、断面組織を観察したときにその断面上に表れる粒子の外形線に対し、その外形線と接しかつ前記粒子内を横切らないように2本の平行線を、その粒子との位置関係を変えながら各種引いたときの、前記平行線間の距離の最大値をその粒子の最大径dmax、同じく最小値を最小径dminとしたとき、所定の断面における各粒子毎の最大径dmaxに対する最小径dminの比dmin/dmaxの平均値が0.5以下であり、かつ、ビッカース硬度250Hv以下となるように、熱処理が施されていることを特徴とする。
構成6によれば、ビッカース硬度250Hv以下となるように熱処理されているため、外側発火部の加工歪みの解消が図られ、内部割れ等の不具合を防止できる。また、断面組織を観察したときにその断面上に表れる粒子の外形線に対し、その外形線と接しかつ前記粒子内を横切らないように2本の平行線を、その粒子との位置関係を変えながら各種引いたときの、前記平行線間の距離の最大値をその粒子の最大径dmax、同じく最小値を最小径dminとしたとき、所定の断面における各粒子毎の最大径dmaxに対する最小径dminの比dmin/dmaxの平均値が0.5以下となるよう熱処理が施されていることから、機械的強度低下の抑制をも図ることができる。
以下、本発明の一実施形態を図面を参照しつつ説明する。図1に示すように、本実施形態のスパークプラグ100は、主体金具1と、絶縁体2と、中心電極3と、接地電極4とを備えている。主体金具1は筒状をなしており、その内側に絶縁体2が保持されている。絶縁体2の先端部は主体金具1から突出している。また、中心電極3は、先端に設けられた発火部(内側発火部)31を突出させた状態で絶縁体2の内側に設けられている。さらに、接地電極4は、前記主体金具1に対しその基端部が溶接されるとともに、先端側が曲げ返されて、その側面が中心電極3の先端部と対向するように配置されている。当該接地電極4には、前記発火部31に対向する発火部(外側発火部)32が設けられている。そして、これら発火部31と発火部32との間の隙間が火花放電間隙33となっている。
前記絶縁体2は、例えばアルミナあるいは窒化アルミニウム等のセラミック焼結体により構成され、その内部には自身の軸方向に沿って中心電極3配置されるための孔部6が形成されている。また、主体金具1は、低炭素鋼等の金属により円筒状に形成されており、スパークプラグ100のハウジングを構成するとともに、その外周面には、スパークプラグ100を図示しないエンジンのシリンダヘッドに取り付けるためのねじ部7が形成されている。
図2に示すように、中心電極3の本体部3a及び接地電極4の本体部4aは、ニッケル(Ni)合金等で構成されている。一方、上記発火部31及び対向する発火部32は、主たる第1成分を白金(Pt)とするとともに、第2成分をロジウム(Rh)とする貴金属合金により構成されている(この点については後述する)。
中心電極3の本体部3aは、その先端側が縮径されるとともに、その先端面が平坦に形成され、ここに上記発火部31を構成する合金組成からなる円板状のチップを重ね合わせ、さらにその接合面外縁部に沿ってレーザ溶接、電子ビーム溶接、抵抗溶接等により溶接部B1を形成してこれを固着することにより発火部31が形成される。また、これに対向する発火部32は、接地電極4の所定位置上にチップを位置合わせし、その接合面外縁部に沿って同様に溶接部B2を形成してこれを固着することにより形成される。なお、発火部31及びこれに対向する発火部32のうちいずれか一方(のチップ部分)を省略する構成としてもよい。この場合には、発火部31と接地電極本体4aとの間、あるいは対向する発火部32と中心電極本体3aとの間で火花放電間隙33が形成される。但し、本願発明の趣旨からすると、より高温下に晒されやすい接地電極4側の発火部32を少なくとも設けることとするのが望ましい。
次に、これらチップ状の発火部31,32の製造方法について説明する。まず、主たる第1成分をPtとするとともに、第2成分をRhとする所定の組成となるように各合金成分を配合・溶解し、当該溶解合金に関しインゴットを形成し、その後、鍛造、溝ロール圧延を施す。その後、第1の手法としては、図3(a)に示すように、圧延板素材201を得た後、これを打ち抜いて比較的厚みの小さいディスク状のチップ202を得る方法がある。また、第2の手法としては、図4(a)に示すように、熱間伸線により棒状素材203を得た後、それを所定長に切断することで、円柱状のチップ204を得る方法がある。
上記いずれかの手法により得られるチップ202,204は、いずれも塑性加工を経るものであり、当該塑性加工等に際し、加工歪み(残留応力)が生じうる。本実施形態では、当該加工歪みを除去するべく、後述するスパークプラグ100の製造過程において、前記チップ202,204に所定の熱処理が施された上で、発火部31,32が構成されている。
但し、あまりにも高温下で、長時間の熱処理を施したのでは、再結晶化が促進され、結晶の粒度が大きくなってしまい、前記チップ202,204の機械的強度低下が生じてしまう。この点に鑑み、本実施形態では、例えば、真空ないし不活性ガス雰囲気下、あるいは水素雰囲気等の還元性雰囲気下にて900℃〜1100℃(望ましくは920〜1000℃)で1時間の熱処理が施される。これにより、結晶の粒度が増大してしまうのが抑制されている。
より詳しく説明すると、図3(a)に示す上記第1の手法のように、圧延板素材201を得た後、これを打ち抜いてディスク状のチップ202を得る場合には、図3(b)に示すように、塑性加工(圧延)によって、同図水平方向に向けて粒子(結晶粒)が配向することとなる。また、図4(a)に示す上記第2の手法のように、棒状素材203を得た後、それを所定長に切断してチップ204を得る場合には、図4(b)に示すように、棒の長手方向(同図上下方向)に向けて結晶粒が配向することとなる。ここで、熱処理が過度に行われた場合、結晶の粒径が大きくなる傾向にあり、この場合、結晶粒の縦横比率も「1」に近くなってゆく。換言すれば、熱処理を経るにしたがって、前記配向方向に沿った断面組織を観察したときにその断面上に表れる粒子の外形線に対し、例えば図5に示すように、その外形線と接しかつ前記粒子内を横切らないように2本の平行線を、その粒子との位置関係を変えながら各種引いたときの、前記平行線間の距離の最大値をその粒子の最大径dmax、同じく最小値を最小径dminとしたとき、所定の断面における各粒子毎の最大径dmaxに対する最小径dminの比dmin/dmaxが「1」に近づいてゆく。この点、本実施形態では、前記配向方向に沿った断面組織を観察したときにおける最大径dmaxに対する最小径dminの比dmin/dmaxの平均値(以下、便宜上「配向比平均値」という)が「0.5」以下になるように比較的マイルドな条件下にて熱処理が施されているのである。
また、本実施形態の発火部31,32は、ビッカース硬度250Hv以下となるように熱処理が施されている。これにより、加工歪みが解消され、発火部の異常な消耗や内部割れといった不具合の防止が図られている。
さらに、本実施形態の発火部31,32は、主たる第1成分をPtとするとともに、第2成分をRhとしているが、中でも、前記Rhは5質量%以上40質量%以下含有されている。Rhが5質量%未満含有されている場合、元々の(塑性加工を経た直後の)材料の硬度が比較的低いため、上記ビッカース硬度250Hv以下という要件を具備する場合であっても、熱処理が十分とはいえない場合があり、発火部に加工歪みが残存してしまうおそれがある。一方、Rhが40質量%を上回って含有されている場合、元々の(塑性加工を経た直後の)材料の硬度が比較的高いため、上記ビッカース硬度250Hv以下という要件を満たそうとすると、熱処理が行われすぎてしまう。そのため、再結晶化が促進され、結晶の粒径が大きくなってしまい、機械的強度の低下の問題が生じてしまうおそれがある。
次に、上記のように構成されてなるスパークプラグ100の製造方法について説明する。まず、主体金具1を予め加工しておく。すなわち、円柱状に形成された金属素材(例えばS15CやS25Cといった鉄系素材やステンレス素材)を冷間鍛造加工により貫通孔を形成し、概形を製造する。その後、切削加工を施すことで外形を整え、主体金具中間体を得る。
続いて、主体金具中間体の先端部位に、ニッケル(Ni)系合金(例えばインコネル系合金等)からなる接地電極4が抵抗溶接される。当該溶接に際してはいわゆる「ダレ」が生じるので、その「ダレ」を除去した後、主体金具中間体の所定部位にねじ部7が転造によって形成される。これにより、接地電極4の溶接された主体金具1が得られる。接地電極4の溶接された主体金具1には、亜鉛メッキ或いはニッケルメッキが施される。尚、耐食性向上を図るべく、その表面に、さらにクロメート処理が施されることとしてもよい。
さらに、接地電極4の先端部には、上述した発火部32を構成するためのチップが、抵抗溶接やレーザ溶接等により接合される。尚、溶接をより確実なものとするべく、当該溶接に先だって溶接部位のメッキ除去が行われたり、或いは、メッキ工程に際し溶接予定部位にマスキングが施されたりする。また、当該チップの溶接を、後述する組付けの後に行うこととしてもよい。
一方、前記主体金具1とは別に、絶縁体2を成形加工しておく。例えば、アルミナ或いは窒化アルミニウムを主体としバインダ等を含む原料粉末を用い、成形用素地造粒物を調整し、これを用いてラバープレス成形を行うことで、筒状の成形体が得られる。得られた成形体に対し、研削加工が施され整形される。そして、整形されたものが焼成炉へ投入され焼成される。焼成後、種々の研磨加工を施すことで、絶縁体2が得られる。
また、前記主体金具1、絶縁体2とは別に、中心電極3を製造しておく。すなわち、Ni系合金が鍛造加工され、その中央部に放熱性向上を図るべく銅芯が設けられる。そして、その先端部には、上述した発火部31を構成するためのチップが、抵抗溶接やレーザ溶接等により接合される。
そして、上記のようにして得られた絶縁体2及び中心電極3と、図示しない端子金具とが、やはり図示しないガラスシールによって封着固定される。ガラスシールとしては、一般的にホウ珪酸ガラスと金属粉末とが混合されて調整されており、当該調整されたものが絶縁体2の内孔に注入された後、後方から前記端子金具が押圧された状態とした上で、焼成炉内にて焼き固められる。尚、このとき、絶縁体2の後端側の胴部表面には釉薬層が同時に焼成されることとしてもよいし、事前に釉薬層が形成されることとしてもよい。
その後、上記のようにそれぞれ作製された中心電極3及び端子金具を備える絶縁体2と、接地電極4を備える主体金具1とが組付けられる。より詳しくは、比較的薄肉に形成された主体金具1の後端部に関し、冷間加締めや熱間加締めが行われることで、周方向から絶縁体2が主体金具1の後端部にて取り囲まれるようにして保持される。
そして、最後に、接地電極4を屈曲させることで、中心電極3(の発火部31)及び接地電極4(の発火部32)間の前記火花放電間隙33を調整する加工が実施される。
このように一連の工程を経ることで、上述した構成を有するスパークプラグ100が製造される。
以上のとおり、本実施形態によれば、発火部31,32に関し、上述した「配向比平均値」が「0.5」以下になるように熱処理が施されている。そのため、粒の粗大化による機械的強度の低下や粒界腐食による機械的強度の低下を生じにくくすることができる。
また、発火部31,32は、熱処理が施されることでビッカース硬度250Hv以下とされている。このため、加工歪みが解消され、異常な消耗や内部割れといった不具合を防止することができる。特に、第2成分たるRhが5質量%以上40質量%以下含有されている。このため、上記ビッカース硬度250Hv以下という要件を満たすことによる上記作用効果がより確実に奏される。
また、スパークプラグ100の使用に際しては、接地電極4側の発火部32は、中心電極3側の発火部31に比べて、より高温下に晒されやすく、粒界剥離の問題がより懸念されるところである。この点、本実施形態では、少なくとも接地電極4側の発火部32に関し、上述した構成を具備していることから、たとえ高温下に晒されたとしても、粒界剥離に起因する不具合をより効果的に抑制することができる。
次に、上述した作用効果を確認するべく、各種条件を変更することで種々のサンプルを作製し、種々の評価を試みた。その実験結果を以下に記す。なお、各評価結果を示す表1〜3はそれぞれの評価試験における相対評価を示すものであり、判定が×であったとしても必ずしも製品として使用できないことを示すものではない。
先ず第1に、主たる第1成分をPtとするとともに、第2成分として、20質量%のRhを含有してなる合金を用意するとともに、熱処理条件を種々異ならせることで、上述した配向比平均値の種々異なったサンプルチップを作製した(サンプル1〜3)。これらサンプルの評価結果を表1に示す。
Figure 2007227188
表1に示すように、Rhの含有量が同じでも、配向比平均値が異なることで、引張強度に相違が生じることが明らかとなった。すなわち、配向比平均値が「0.5」を上回るサンプル1(配向比平均値=「0.7」)については、引張強度が著しく低いものとなってしまったのに対し、配向比平均値が「0.5」以下であるサンプル2,3については、十分な引張強度が得られた。ここで、引張強度とあるのは、機械的強度に準ずるものであり、一般的に引張強度が高ければ機械的強度も高い傾向にある。すなわち、引張強度が著しく低い(表中×印)場合には、チップ内で割れや剥離が発生し易いと判定することができる。
従って、上記実験結果から、結晶の粒径を大きくしてしまうと、機械的強度が低下し、部分的に結晶粒が剥離、脱落し(粒界を起点とする割れが発生しやすくなり)、耐久性が著しく低下してしまうのに対し、結晶の粒径の増大を抑制しつつ熱処理を適度に行うことで、機械的強度の低下を抑制でき、耐久性を確保できることがわかる。
次に、第2成分としてのRhの含有量を種々変更させるとともに、加熱処理時間を種々異ならせ、硬度の異なったサンプルチップを作製した(サンプル4〜12)。これらサンプルの評価結果を表2に示す。
Figure 2007227188
表2に示すように、Rhの含有量が異なると、引張強度や、チップ内剥離の有無に影響が及ぶことが明らかとなった。ここで、チップ内剥離とあるのは、任意の断面を顕微鏡観察した際、チップ内で剥離を起こしていることをいい、当該チップ内剥離は、加工歪み(残留応力)に起因して起こりうるものである。つまり、チップ内剥離あり(表中×印)の場合には、加工歪みが大きいと判定することができる。尚、表中△印は、チップ内剥離が僅かながら発生してしまったことを示す。また、Rhの含有量が同じで、かつ、配向比平均値が「0.5」以下であっても、硬度が異なることで、チップ内剥離の有無に影響が及ぶことが明らかとなった。
すなわち、配向比平均値が「0.4」であっても、Rhの含有量が5質量%を下回るサンプル4(Rhの含有量=3質量%)については、チップ内剥離がやや発生してしまい、また、Rhの含有量が40質量%を上回るサンプル8(Rhの含有量=45質量%)については、配向比平均値が大きくなってしまい引張強度が著しく低いものとなってしまった。これに対し、配向比平均値が「0.4」であり、Rhの含有量が5質量%以上で40質量%以下のサンプル5,6,7(Rhの含有量=5,20,40質量%)については、引張強度も十分であり、チップ内剥離も発生しなかった。
このことから、Rhの含有量が5質量%を下回ると、たとえビッカース硬度(Hv)(以下、単に「硬度」という)が250であったとしても、元来の硬度が比較的低く、十分な熱処理を行うことができず、チップに残留応力が残ってしまうことがわかる。また、Rhの含有量が40質量%を上回ると、たとえ硬度が250であったとしても、元来の硬度が比較的高く、ここまで硬度を低下させる程度に熱処理を行うと、結晶粒の増大を招いて配向比平均値が「0.5」を上回ってしまい、耐久性が著しく低下してしまうことがわかる。これに対し、Rhの含有量を5質量%以上40質量%以下とした上で、結晶の粒径の増大を抑制しつつ熱処理を適度に行うことで、チップに残留応力を残すことなく、かつ、異常な消耗や内部割れ等を防止でき十分な耐久性を確保できることがわかる。
また、Rhの含有量が20質量%と同じで、かつ、配向比平均値が「0.5」以下であっても、硬度が250を超えるサンプル11,12(硬度=300,350)については、チップ内剥離を起こしてしまったのに対し、硬度が250以下のサンプル9,10(硬度=230,240)については、引張強度も十分であり、チップ内剥離も発生しなかった。このことから、Rhの含有量が5質量%以上40質量%以下の範囲内であっても、硬度が250を超えると熱処理が未だ十分とはいえず、チップに残留応力が残ってしまうことがわかる。これに対し、Rhの含有量が5質量%以上40質量%以下の範囲内であって、硬度が250以下となるよう、結晶の粒径の増大を抑制しつつ熱処理を適度に行うことで、チップに残留応力を残すことなく、また、機械的強度の低下を抑制して十分な耐久性を確保できることがわかる。
なお、上記実施例・実験例では、いずれも主たる第1成分をPtとするとともに、第2成分としてRhを含有してなる合金(Pt−Rh系)について説明してきたが、Pt−Rhの2元系に限られることなく、別途第3成分、第4成分等を含有させてもよい。
そこで次に、第3成分、場合によっては第4成分を含有させた種々のサンプルチップを作製した(サンプル13〜17)。これらサンプルの評価結果を表3に示す。
Figure 2007227188
表3に示すように、第3成分として、Niやイリジウム(Ir)やタングステン(W)などを含有させることとしてもよい(サンプル13,14,15)。また、第3成分に加え、第4成分を含有させることとしてもよい(サンプル14)。但し、第3成分等を含有させてもよいが、上述したように、硬度が250以下である必要があるし、もちろん配向比平均値が「0.5」以下である必要がある。硬度が250を超えるサンプル16(硬度=300)については、チップに残留応力が残ってしまい、チップ内剥離が発生してしまった。また、配向比平均値が「0.5」を上回るサンプル17(配向比平均値=0.6)については、引張強度が著しく低いものとなってしまった。これに対し、第3成分等が含有されていたとしても、硬度が250以下であり、配向比平均値が「0.5」以下であるサンプル13〜15については、チップに残留応力を残すことなく十分な耐久性を確保できることがわかる。
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記実施形態では、接地電極4の先端部に、既に熱処理の施された(発火部32を構成するための)チップが溶接される場合が例示されているが、接地電極に対し、熱処理を経る前のチップを予め溶接しておき、当該チップの溶接された接地電極4全体について熱処理を施し、その後、当該接地電極4を主体金具中間体の先端部位に溶接することとしてもよい。また、接地電極に対し、熱処理を経る前のチップを予め溶接しておき、当該チップの溶接された接地電極4を主体金具中間体の先端部位に溶接して主体金具アッセンブリを形成し、その後、当該アッセンブリごと熱処理を施すこととしてもよい。
(b)また、上記実施形態では、チップ状の発火部31,32を溶接する構成としているが、ガスエンジン等に用いられるスパークプラグにあっては、接地電極全体が、第1成分をPtとするとともに、第2成分をRhとするものを採用することもできる。この場合、主たる第1成分をPtとするとともに、第2成分をRhとする接地電極に関し熱処理を施した上で、主体金具に溶接することとしてもよいし、溶接後に熱処理を施すこととしてもよい。
後者の場合、主たる第1成分をPtとするとともに、第2成分をRhとする接地電極が主体金具に溶接されることで主体金具アッセンブリが得られ、その後、熱処理工程において当該主体金具アッセンブリごと熱処理が施されることとなる。当該熱処理により、第1成分をPtとするとともに、第2成分をRhとする発火部の加工歪みの解消が図られ、発火部における内部割れ等の不具合を防止できる。また、熱処理が適正に行われることで、機械的強度の低下に起因する不具合抑制をも図ることができる。
尚、当該後者の変形例の場合、つまり、主たる第1成分をPtとするとともに、第2成分をRhとする接地電極が主体金具に溶接されることで主体金具アッセンブリが得られる場合、主体金具が卑金属で構成される場合が多く、当該卑金属たる主体金具と、貴金属合金により構成される接地電極との間での溶接が必ずしも十分とはいえない場合がある。この点、上記のように、溶接後、熱処理が行われるため、主体金具と接地電極との溶接部分のなじみがさらに良好なものとなり、結果として、両者間の接合強度の向上をも図ることができる。
(c)上記実施形態では、発火部31,32のビッカース硬度(Hv)の下限値について特に言及しなかったが、前記配向比平均値が「0.5」以下であるという条件を満たすものであれば、下限値については、特段数値的な制限を受けるものではない。但し、所定の強度を確保するという観点からは、少なくともビッカース硬度(Hv)150以上、より好適には200以上であることが望ましい。
(d)スパークプラグのタイプについては、上記実施形態のものに特に限定されるものではない。従って、例えば2乃至4本の接地電極を具備するタイプに具現化することもできる。
本実施形態のスパークプラグの構成を示す一部破断正面図である。 発火部を中心として示すスパークプラグの部分拡大断面図である。 (a)は圧延板素材からディスク状のチップを打ち抜いた状態を示す斜視図であり、(b)はチップの結晶粒の配向状態を模式的に示す部分斜視図である。 (a)は棒状素材を所定長に切断することで円柱状のチップを得た状態を示す斜視図であり、(b)はチップの結晶粒の配向状態を模式的に示す部分斜視図である。 チップ中の粒子の最大径及び最小径を模式的に示す説明図である。
符号の説明
1…主体金具、2…絶縁体、3…中心電極、4…接地電極、31…発火部、32…発火部、33…火花放電間隙。

Claims (6)

  1. 中心電極と、
    前記中心電極の外側に設けられた絶縁体と、
    前記絶縁体の外側に設けられた主体金具と、
    前記主体金具に接合され、先端部が前記中心電極の先端部と対向するように配置された接地電極とを備え、
    前記中心電極の先端部及び前記接地電極の先端部間に火花放電間隙を有する内燃機関用スパークプラグであって、
    前記中心電極の先端部及び前記接地電極の先端部のうち少なくとも一方に設けられた発火部は、主たる第1成分を白金とするとともに、第2成分をロジウムとし、かつ、
    断面組織を観察したときにその断面上に表れる粒子の外形線に対し、その外形線と接しかつ前記粒子内を横切らないように2本の平行線を、その粒子との位置関係を変えながら各種引いたときの、前記平行線間の距離の最大値をその粒子の最大径dmax、同じく最小値を最小径dminとしたとき、所定の断面における各粒子毎の最大径dmaxに対する最小径dminの比dmin/dmaxの平均値が0.5以下であることを特徴とする内燃機関用スパークプラグ。
  2. 主たる第1成分を白金とするとともに、第2成分をロジウムとする前記発火部が、前記接地電極側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用スパークプラグ。
  3. 主たる第1成分を白金とするとともに、第2成分をロジウムとする前記発火部が、ビッカース硬度250Hv以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関用スパークプラグ。
  4. 主たる第1成分を白金とするとともに、第2成分をロジウムとする前記発火部が、ロジウムを5質量%以上40質量%以下含有することを特徴とする請求項3に記載の内燃機関用スパークプラグ。
  5. 中心電極と、
    前記中心電極の外側に設けられた絶縁体と、
    前記絶縁体の外側に設けられた主体金具と、
    前記主体金具に接合され、先端部が前記中心電極の先端部と対向するように配置された接地電極とを備え、
    前記中心電極の先端部及び前記接地電極の先端部間に火花放電間隙を有し、
    前記接地電極が主たる第1成分を白金とするとともに、第2成分をロジウムとする、又は、前記接地電極の先端部に、主たる第1成分を白金とするとともに、第2成分をロジウムとするチップ状の発火部を備えてなる内燃機関用スパークプラグの製造方法であって、
    主たる第1成分を白金とするとともに、第2成分をロジウムとする接地電極、又は、先端部に、主たる第1成分を白金とするとともに、第2成分をロジウムとするチップ状の発火部を備えてなる接地電極を、前記主体金具に溶接することで主体金具アッセンブリを得た後、当該主体金具アッセンブリごと熱処理を施す熱処理工程を具備することを特徴とする内燃機関用スパークプラグの製造方法。
  6. 内側発火部を有する中心電極と、
    前記中心電極との間に火花放電間隙を形成するチップ状の外側発火部が溶接された接地電極とを備え、前記外側発火部は、主たる第1成分を白金とするとともに、第2成分をロジウムとする内燃機関用スパークプラグであって、
    前記外側発火部は、塑性加工を経て形成され、断面組織を観察したときにその断面上に表れる粒子の外形線に対し、その外形線と接しかつ前記粒子内を横切らないように2本の平行線を、その粒子との位置関係を変えながら各種引いたときの、前記平行線間の距離の最大値をその粒子の最大径dmax、同じく最小値を最小径dminとしたとき、所定の断面における各粒子毎の最大径dmaxに対する最小径dminの比dmin/dmaxの平均値が0.5以下であり、かつ、
    ビッカース硬度250Hv以下となるように、熱処理が施されていることを特徴とする内燃機関用スパークプラグ。
JP2006047632A 2006-02-24 2006-02-24 内燃機関用スパークプラグ及びその製造方法 Active JP4644139B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006047632A JP4644139B2 (ja) 2006-02-24 2006-02-24 内燃機関用スパークプラグ及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006047632A JP4644139B2 (ja) 2006-02-24 2006-02-24 内燃機関用スパークプラグ及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007227188A true JP2007227188A (ja) 2007-09-06
JP4644139B2 JP4644139B2 (ja) 2011-03-02

Family

ID=38548805

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006047632A Active JP4644139B2 (ja) 2006-02-24 2006-02-24 内燃機関用スパークプラグ及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4644139B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013019033A (ja) * 2011-07-12 2013-01-31 Tokuriki Honten Co Ltd 難加工性Pt合金線材およびその伸線加工方法
JP2017111037A (ja) * 2015-12-17 2017-06-22 株式会社デンソー 粒子状物質検出センサ
WO2022044940A1 (ja) * 2020-08-24 2022-03-03 日本特殊陶業株式会社 スパークプラグ

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58198886A (ja) * 1982-05-17 1983-11-18 日本特殊陶業株式会社 点火プラグ
JP2002520791A (ja) * 1998-07-13 2002-07-09 アライドシグナル・インコーポレイテッド 白金系合金を有する点火プラグの先端
JP2005203349A (ja) * 2003-12-19 2005-07-28 Ngk Spark Plug Co Ltd スパークプラグ
WO2005071809A1 (ja) * 2004-01-27 2005-08-04 Ngk Spark Plug Co., Ltd. スパークプラグ
JP2005294272A (ja) * 2001-02-08 2005-10-20 Denso Corp スパークプラグの製造方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58198886A (ja) * 1982-05-17 1983-11-18 日本特殊陶業株式会社 点火プラグ
JP2002520791A (ja) * 1998-07-13 2002-07-09 アライドシグナル・インコーポレイテッド 白金系合金を有する点火プラグの先端
JP2005294272A (ja) * 2001-02-08 2005-10-20 Denso Corp スパークプラグの製造方法
JP2005203349A (ja) * 2003-12-19 2005-07-28 Ngk Spark Plug Co Ltd スパークプラグ
WO2005071809A1 (ja) * 2004-01-27 2005-08-04 Ngk Spark Plug Co., Ltd. スパークプラグ

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013019033A (ja) * 2011-07-12 2013-01-31 Tokuriki Honten Co Ltd 難加工性Pt合金線材およびその伸線加工方法
JP2017111037A (ja) * 2015-12-17 2017-06-22 株式会社デンソー 粒子状物質検出センサ
WO2022044940A1 (ja) * 2020-08-24 2022-03-03 日本特殊陶業株式会社 スパークプラグ
JP2022036372A (ja) * 2020-08-24 2022-03-08 日本特殊陶業株式会社 スパークプラグ
CN114930659A (zh) * 2020-08-24 2022-08-19 日本特殊陶业株式会社 火花塞
JP7191067B2 (ja) 2020-08-24 2022-12-16 日本特殊陶業株式会社 スパークプラグ
US11616346B2 (en) 2020-08-24 2023-03-28 Ngk Spark Plug Co., Ltd. Spark plug
CN114930659B (zh) * 2020-08-24 2023-05-05 日本特殊陶业株式会社 火花塞

Also Published As

Publication number Publication date
JP4644139B2 (ja) 2011-03-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5341752B2 (ja) 内燃機関用スパークプラグ及びその製造方法
EP1961089B1 (en) Spark plug with multi-layer firing tip
WO2009081562A1 (ja) スパークプラグ及びその製造方法
WO2009081563A1 (ja) スパークプラグ及びその製造方法
JP4644140B2 (ja) 内燃機関用スパークプラグ及びその製造方法
EP3355423B1 (en) Spark plug
US9130358B2 (en) Method of manufacturing spark plug electrode material
KR20170141232A (ko) 스파크 플러그
KR20180096777A (ko) 스파크 플러그
JP2008053017A (ja) 内燃機関用スパークプラグ
JP2008053018A (ja) 内燃機関用スパークプラグ
EP2352212A1 (en) Spark plug and method for manufacturing the same
US20050194878A1 (en) Spark plug
JP4426614B2 (ja) 内燃機関用スパークプラグ
JP4644139B2 (ja) 内燃機関用スパークプラグ及びその製造方法
US8979606B2 (en) Method of manufacturing a ruthenium-based spark plug electrode material into a desired form and a ruthenium-based material for use in a spark plug
JP4954191B2 (ja) 内燃機関用スパークプラグ及びスパークプラグの製造方法
JP4746707B1 (ja) スパークプラグ
JP2015022791A (ja) スパークプラグ及びその製造方法
JP2007227187A (ja) 内燃機関用スパークプラグ及びその製造方法
JP2002359051A (ja) スパークプラグ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080401

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100825

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100831

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101020

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101109

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101203

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4644139

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131210

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131210

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250