JP2004265857A - スパークプラグ - Google Patents
スパークプラグ Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004265857A JP2004265857A JP2004009767A JP2004009767A JP2004265857A JP 2004265857 A JP2004265857 A JP 2004265857A JP 2004009767 A JP2004009767 A JP 2004009767A JP 2004009767 A JP2004009767 A JP 2004009767A JP 2004265857 A JP2004265857 A JP 2004265857A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- spark plug
- electrode
- center electrode
- oxide film
- ground electrode
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Spark Plugs (AREA)
Abstract
【解決手段】 筒状の主体金具1と、該主体金具1の内孔に配置される筒状の絶縁体2と、該絶縁体2の先端側内孔に配置される中心電極3と、一端が前記主体金具1に固着され、他端側が前記中心電極3と火花放電ギャップを形成する接地電極4を備えるスパークプラグ100において、中心電極3及び接地電極4の少なくとも一方は、Cr:13〜19%、Fe:6〜10%、Nb、Re、Rh、Taの中から少なくとも1種類以上でその合計が0.5%を超え2.5%未満、B:0.001〜0.01%含有した、残部Niの電極材料から形成されている。
【選択図】 図1
Description
筒状の主体金具と、該主体金具の内孔に配置される筒状の絶縁体と、該絶縁体の先端側内孔に配置される中心電極と、一端が前記主体金具に固着され、他端側が前記中心電極と火花放電ギャップを形成する接地電極を備えるスパークプラグにおいて、
前記中心電極及び前記接地電極の少なくとも一方が、Cr:13〜19%(以下、%は重量%をいう。)、Fe:6〜10%、Nb、Re、Rh、Taの中から少なくとも1種類以上でその合計が0.5%を超え2.5%未満、B:0.001〜0.01%含有した残部Niからなる電極材料にて構成されることを特徴とする。
本発明のスパークプラグに使用されるスパークプラグ用電極材料は、主成分としてのNi合金であり、Cr:13〜19%を含有することにより、合金材料の表面に、Cr2O3の保護酸化膜を形成し、さらにFe:6〜10%を含有することにより熱間加工性を向上させている。
(2) Niの作用
Niはマトリックス元素として作用し、熱伝導率を高くする。
Crは十分な厚さの保護酸化膜を形成し、かつ熱伝導率を確保するために、13〜19%とする。Crが13%未満であると、上述の効果に乏しく、多孔質酸化膜がスパークプラグ電極内部から形成されるので、酸化膜の膜厚が増大する。一方、19%を越えると、合金の硬度が大きくなって加工性が低下したり、スパークプラグ電極自身の熱伝導率が低くなるので、この範囲であることが好ましく、さらに好ましくは、14〜17%の範囲である。
Feは熱間加工性を確保する作用があり、6〜10%の範囲で添加する。Feが6%未満であると、上述の効果が乏しく、一方、10%を越えると、多孔質酸化膜の膜厚が増大するので、上述の範囲が好ましい。
Nb、Re、Rh、Taは、非保護の多孔質酸化膜を剥離させる作用があり、0.5%を越え、2.5%未満の範囲で添加する。これは、Nbなどが0.5%以下であると、上述の効果が乏しく、多孔質酸化膜をスパークプラグ電極表面に残すこととなり、酸化膜厚が増大する。一方、2.5%以上であると、それ自身の酸化膜厚が増大する。また、冷間加工性も低下させるから、上述の範囲であることが好ましい。
上記Nb、Re、Rh、Taを含有させることで、熱間加工性が低下して、スパークプラグ用電極材料の線材の製造工程時(熱間鍛造時)において粒界割れを生じやすくなる。そこで、Bを0.001〜0.01%の範囲で添加することで、電極材料の粒界強度を高め、熱間加工性を維持する。Bが0.001%未満であると、上述の効果が乏しく、一方、0.01%を越えるとCr、Bの複合化合物が形成されることによって、粒界が酸化に対して鋭敏化され、電極の耐酸化性を低下させるので、上述の範囲が好ましい。
(6) Cの作用
Cは高温における機械的強度を確保する作用があり、0.01〜0.07%の範囲で添加する。Cが0.01%未満であると、上述の効果が乏しく、耐久性が低下する。一方、0.07%を越えると、冷間加工性が低下するので、上述の範囲が好ましい。
(7) Si、Mn、Al、Tiの成分
脱酸剤として作用するSi、Mn、Al、Tiを残渣として含んでもよい。Si、Mn、Al、Tiは、Crよりも酸素との電子親和力が高いので、Cr2O3と合金の界面で酸化物を形成し酸化膨張によってCr2O3の酸化膜を破壊する。したがって、これらの成分の合計は、2%未満とすることが好ましい。
図2において、実施例1ないし実施例5は、Cr:13〜19%、Fe:6〜10%、C:0.01〜0.07%含有し、Nb、Re、Rh、Taの中から少なくとも1種類以上でその合計が0.5%を超え2.5%未満、更にB:0.001〜0.01%添加された、Ni65%以上に調製されている。さらに、実施例3ないし実施例5は、実施例1,2の範囲に、Tiを0.25%まで増加したものである。実施例6は、Cが含まれていないものである。実施例7は、Cが上述の上限値である0.07%を越えた0.10%である。実施例8は、Si、Mn、Al、Tiの合計が2.0%を越えた2.67%である。なお、実施例、及び、後述する比較例の含有量は、Bの含有量分析がGDMS、Cの含有量分析が赤外線吸収分析、その他の元素がWDS分析によるものである。
比較例1ないし比較例6は、上記実施例の上下限を調べるために作成した。すなわち、比較例1は、Cr:5.0%でCrの下限を下回っている。比較例2は、Crが上述の上限値を超える20%含有しているものである。比較例3は、Feが上述の下限値である6%を下回り、添加されていないものである。比較例4は、Feが上述の上限値である10%より多い15%である。比較例5は、Taが上述の下限値である0.5%より少ない0.3%である。比較例6は、Nbが上述の上限値である2.5%を越えた3.0%である。比較例7は、Bが上述の上限値である0.01%を越えた0.015%である。比較例8は、Bが上述の下限値である0.001%未満である。従来品は、従来の技術に相当し、Nbなどが含まれていないものである。
(3)−1 熱間加工試験
熱間加工試験は、中心電極または接地電極の線材製造工程において熱間鍛造時に割れを生じるか否かにより判定した。
本試験は、各試料について、図1に示すスパークプラグ100を作製し、エンジンのシミュレーション試験により、試験後の酸化膜厚を測定することにより行なった。評価に使用したエンジンの態様は、4気筒、2.0リットルである。エンジンを5000rpmで回転させる期間とアイドリングの期間とを1分間隔で250時間繰り返した。このときの最高温度は、接地電極4で900℃であった。試験後における接地電極表面に形成された酸化膜厚を測定した。
評価基準として、120μm以下を良好(○)、120〜180μmを可(△)、180μm以上を不可(×)と判定した。これは、酸化膜が厚くなりすぎると、電極自体の温度が上昇し過ぎるために、保護酸化膜は、薄い方が望ましいからである。
本試験は、図1に示すスパークプラグ100を作製し、エンジンのシミュレーションにより行なった。評価に使用したエンジンの態様は、4気筒、2.0リットルであり、エンジンを、回転数5000rpm、400時間で耐久試験を行ない、耐久試験後の中心電極3および接地電極4に溶接した貴金属チップ3a、4aの状態を観察することにより行なった。このときの、中心電極3の温度は800℃、接地電極4の温度が900℃であった。
評価基準として、貴金属チップ3a、4aに脱落がなく、正常に放電するものを良(○)、脱落には至っていないものの貴金属チップ3a、4aの残存量がスパークプラグ100として余裕のないものを可(△)、貴金属チップが脱落したものを不可(×)と判定した。
冷間加工性は、Cuなどの良熱伝導芯31(図1参照)を、試料としての中心電極3に鍛造などで封入加工し、このときの加工性の良否により判定した。
判定基準は、良好に成形できるものを良(○)、加工割れまたは、中心電極16と芯部材18との間に隙間が生じるものを不良(×)とした。
(4)−1 実施例
実施例1ないし実施例5のいずれも、良好な評価を得ることができた。よって、熱間加工性、酸化膜厚、貴金属チップの耐久性、冷間加工性につきスパークプラグ用の電極材料として優れた特性をもって使用することができた。また、実施例6,7は、Cが0.01〜0.07%の条件を満たしておらず、冷間加工性などが可であった。さらに、実施例8は、Si、Mn、Al、Tiの成分の合計が2.0%以下の条件を満たしておらず、酸化膜厚、及びチップ耐久性が可となった。よって、Cを0.01〜0.07%、さらにSi、Mn、Al、Tiの成分の合計を2.0%以下とすることで、より特性の優れたスパークプラグ用電極材料となる。
比較例1は、Crが5%と少ないので、チップの耐久性が不可であり、酸化膜厚が250μmとなり不可であった。比較例2は、Crが上限値の19%を越えた20%であり、貴金属チップの耐久性および冷間加工性が不可であった。比較例3は、Feが含まれていないので、熱間加工性が不可であった。比較例4は、Feが上限値である10%を越えた15%と多いので、酸化膜厚が厚くなりすぎ、また貴金属チップの耐久性も不可であった。比較例5,6は、Nb,Taなどが0.5%を超え2.5%未満の条件を満たさないので、酸化膜厚が厚くなりすぎて不可であった。比較例7は、Bが上限値を越えた0.015%であり、酸化膜厚が厚くなりすぎて不可であった。比較例8は、Bが下限値の0.001%未満であり、熱間加工性が不可であった。従来品は、Nb,Taなどが0.5%を超え2.5%未満の条件を満たさないので、酸化膜厚が厚くなりすぎて不可であった。よって、Crを13〜19%、Feを6〜10%、Nb、Re、Rh、Taの中から少なくとも1種類以上でその合計が0.5%を超え2.5%未満、Bを0.001〜0.01%含有する条件を満たさない比較例は、実施例のようなスパークプラグ用電極材料として十分な特性をもつことができないことが分かった。
1…主体金具
2…絶縁体
3…中心電極
4…接地電極
5…端子金具
6…抵抗体
7…ガラスシール
Claims (3)
- 筒状の主体金具と、該主体金具の内孔に配置される筒状の絶縁体と、該絶縁体の先端側内孔に配置される中心電極と、一端が前記主体金具に固着され、他端側が前記中心電極と火花放電ギャップを形成する接地電極を備えるスパークプラグにおいて、
前記中心電極及び前記接地電極の少なくとも一方が、Cr:13〜19%(以下、%は重量%をいう。)、Fe:6〜10%、Nb、Re、Rh、Taの中から少なくとも1種類以上でその合計が0.5%を超え2.5%未満、B:0.001〜0.01%含有した残部Niからなる電極材料にて構成されることを特徴とするスパークプラグ。 - 請求項1のスパークプラグにおいて、
前記電極材料が、さらにC:0.01〜0.07%含有することを特徴とするスパークプラグ。 - 請求項1または請求項2に記載のスパークプラグにおいて、
前記電極材料が、さらにSi、Mn、Al、Tiの中から少なくとも1種類以上でその合計が2.0%未満含有することを特徴とするスパークプラグ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004009767A JP2004265857A (ja) | 2003-02-13 | 2004-01-16 | スパークプラグ |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003035773 | 2003-02-13 | ||
JP2004009767A JP2004265857A (ja) | 2003-02-13 | 2004-01-16 | スパークプラグ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004265857A true JP2004265857A (ja) | 2004-09-24 |
Family
ID=33133960
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004009767A Pending JP2004265857A (ja) | 2003-02-13 | 2004-01-16 | スパークプラグ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004265857A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011162819A (ja) * | 2010-02-05 | 2011-08-25 | Mitsubishi Materials Corp | Ni基合金およびNi基合金の製造方法 |
JP5141769B2 (ja) * | 2008-09-09 | 2013-02-13 | 日本特殊陶業株式会社 | スパークプラグ |
-
2004
- 2004-01-16 JP JP2004009767A patent/JP2004265857A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5141769B2 (ja) * | 2008-09-09 | 2013-02-13 | 日本特殊陶業株式会社 | スパークプラグ |
JP2011162819A (ja) * | 2010-02-05 | 2011-08-25 | Mitsubishi Materials Corp | Ni基合金およびNi基合金の製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5990602A (en) | Long life spark plug having minimum noble metal amount | |
JP5341752B2 (ja) | 内燃機関用スパークプラグ及びその製造方法 | |
EP2325960B1 (en) | Spark plug | |
JP4402046B2 (ja) | スパークプラグ | |
US20090051259A1 (en) | Spark plug for internal combustion engine | |
US8810120B2 (en) | Spark plug | |
JP2007173116A (ja) | スパークプラグ | |
US20070194681A1 (en) | Spark plug designed to have enhanced spark resistance and oxidation resistance | |
JP4944433B2 (ja) | スパークプラグ | |
US20050194878A1 (en) | Spark plug | |
JP6328158B2 (ja) | スパークプラグ | |
JP6312723B2 (ja) | スパークプラグ | |
JP4295064B2 (ja) | スパークプラグ | |
JP5439499B2 (ja) | スパークプラグ | |
JP5815649B2 (ja) | スパークプラグ | |
JP5172425B2 (ja) | スパークプラグ | |
JP7350148B2 (ja) | スパークプラグ用貴金属チップ、スパークプラグ用電極及びスパークプラグ | |
JP2004265857A (ja) | スパークプラグ | |
JP4834264B2 (ja) | スパークプラグ | |
JP6061307B2 (ja) | スパークプラグ | |
JP2004247112A (ja) | スパークプラグ用電極材料 | |
JP3196432B2 (ja) | スパークプラグの製造方法 | |
JP2004206892A (ja) | スパークプラグ | |
JP5750490B2 (ja) | スパークプラグ | |
JPS61135082A (ja) | スパ−クプラグ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060327 |
|
A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20081014 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20081021 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20081222 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20090414 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |