JP2002299005A - スパークプラグ及びその製造方法 - Google Patents

スパークプラグ及びその製造方法

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JP2002299005A JP2001093802A JP2001093802A JP2002299005A JP 2002299005 A JP2002299005 A JP 2002299005A JP 2001093802 A JP2001093802 A JP 2001093802A JP 2001093802 A JP2001093802 A JP 2001093802A JP 2002299005 A JP2002299005 A JP 2002299005A
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渉 松谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鉛腐食及び酸化腐食の進行しやすい環境下で
も、貴金属耐消耗部と緩和金属部との界面の剥離耐久性
に優れたスパークプラグを提供する。 【解決手段】 スパークプラグ100において、緩和金
属部33は、側周面33sの少なくとも一部を電極母材
4m中に埋没させる形で接合される。また、貴金属耐消
耗部32は、側周面32sの少なくとも一部を緩和金属
部33中に埋没させる形で接合される。貴金属耐消耗部
32は、Ir及びRhの一方又は双方を合計にて80質
量%以上含有し、かつIrの含有量が97質量%以下で
あって、Pt、Rh、Ru及びReから選ばれる1種又
は2種以上の含有率が3質量%以上である金属にて構成
される。そして、電極母材4mと貴金属耐消耗部32と
の中間の線膨張係数を有する金属からなる緩和金属部3
3を介して電極母材4mに接合される。緩和金属部33
は、Ir及びRhの少なくともいずれかとNiとを必須
とし、IrとRhとの合計が40質量%以上であり、か
つRhとNiとの合計が20質量%以上である金属にて
構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は内燃機関に使用され
るスパークプラグ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】上述のようなスパークプラグにおいて
は、耐火花消耗性向上のために電極の先端にPtやIr
等を主体とする貴金属チップを溶接して耐消耗部を形成
したタイプのものが多数提案されている。特に、火花放
電時に負極性に設定されることの多い中心電極側の耐消
耗部は、火花の強いアタックを受けて消耗しやすいこと
から、貴金属化の効果が特に大きい。このような貴金属
耐消耗部は、Pt系金属で構成されることも多かった
が、高温での耐火花消耗性に優れたIr系のものの使用が
拡大しつつある。
【0003】一方、高出力エンジンあるいはリーンバー
ンエンジンへの適用が進むにつれ、接地電極側の耐消耗
部についても耐消耗性が求められるようになってきてお
り、従来、主にPt系金属がその材質として採用されて
きた。このようなPt系金属による耐消耗部は、Pt系
金属からなるチップを接地電極の母材に抵抗溶接を用い
て接合することにより形成される。
【0004】しかしながら、スパークプラグの適用環境
がますます厳しくなりつつある近年では、接地電極側の
耐消耗部でさえ、Pt系金属では耐久性の不足が指摘さ
れており、Ir系金属への転換が検討されている。しか
し、Ir系金属はPt系金属と比べて融点が相当に高
く、抵抗溶接では接合強度を十分に確保することが困難
になる問題がある。その原因は、一見、Ir系金属の高
融点に起因した溶け不足にあるものと思われるが、本発
明者らが検討したところによると、本質的な原因はこの
ような溶け不足によるものではなく、Ir系金属と接地
電極の母材を構成するNi系金属との、線膨張係数の不
一致に起因したものであることが明らかになってきた。
【0005】すなわち、Niの高温での線膨張係数は、
800K(527℃)で16.8×10−6/℃である
のに対し、Irは8.1×10−6/℃とかなり小さ
い。従って、溶接後に冷却する際に、あるいは、エンジ
ンに取り付けて使用するときの冷熱サイクル付加によ
り、耐消耗部と母材との接合面に収縮差に基づく応力が
集中し、剥離等につながりやすくなるのである。
【0006】そこで、特開2000−277231号公
報には、Ir系金属からなる耐消耗部とNi系金属から
なる電極母材との間に、両者の中間の線膨張係数を有す
る緩和層を挿入し、接合界面への熱的な力集中を緩和し
て耐剥離性を向上させる提案がなされている。緩和層の
材質としては、Pt−20質量%Ir合金、Pt−20
質量%Ir−2質量%Ni合金、あるいはPt−10質
量%Ni合金など、Ptを主成分とした金属が用いられ
ている。また、上記公報中では、耐消耗部となる貴金属
チップを緩和層に食い込ませ、接合界面を曲面状となす
ことで、耐剥離性をさらに向上させる提案もなされてい
る(公報図2、図10等)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報のスパークプラグにおいては、次のような問題が生じ
やすくなる。すなわち、ガソリンエンジンの燃料の無鉛
化が遅れている一部の国や地域では、アンチノック剤と
して四メチル鉛などを添加した有鉛ガソリンが現在でも
使用されている。そして、これらの国や地域でも、高級
車等においては貴金属チップを使用したスパークプラグ
が使用され始めているが、本発明者らの検討によると、
有鉛ガソリンを使用するエンジンにおいては、Pt系の
耐消耗部を使用したスパークプラグを適用すると、ガソ
リン中に含まれるPb(鉛)成分の影響により耐消耗部
が異常腐食することが判明した。従って、上記公報のよ
うに緩和層を使用するタイプのスパークプラグにおいて
も、その緩和層がPt系金属で構成されている場合、特
に、公報図2や図10等のように、緩和層の表面が一部
雰囲気中に露出する形になっている場合は、Pb成分の
アタックにより緩和層が急速に腐食し、耐消耗部の剥離
・脱落等につながる懸念が生ずる。この鉛腐食の問題
は、電極温度の上がりやすい接地電極側にてより生じや
すく、極端な場合、接地電極側の耐消耗部だけが鉛腐食
の影響を大きく受けるといったこともありうる。なお、
本願出願人は、特公平7−11974号公報において、
接地電極側ではなく、中心電極側の貴金属耐消耗部及び
緩和層を、それぞれ耐鉛腐食性に優れたIr−Ni系合
金で構成するスパークプラグを提案している。しかし、
本発明者等の検討によると、貴金属耐消耗部及び緩和層
がいずれもIr−Ni系合金で構成される該公報の構造
を、より温度上昇の激しい接地電極側に適用した場合、
貴金属耐消耗部と緩和層との接合界面でIrの酸化によ
る界面腐食が著しくなり、貴金属耐消耗部の剥離・脱落
が生じやすくなる問題があることがわかった。
【0008】本発明は、貴金属耐消耗部と接地電極母材
との間に緩和金属部を設けるとともに、特に鉛腐食及び
酸化腐食の進行しやすい環境下でも、貴金属耐消耗部と
緩和金属部との界面の剥離耐久性に優れたスパークプラ
グと、その製造方法とを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】本発明に
係るスパークプラグは、接地電極の側面に固着された貴
金属耐消耗部を中心電極の先端面と対向させることによ
り火花放電ギャップを形成したスパークプラグにおい
て、接地電極の少なくとも側面部がニッケル合金からな
る電極母材とされ、貴金属耐消耗部は、Ir及びRhの
一方又は双方を合計にて80質量%以上含有し、かつI
rの含有量が97質量%以下であって、Pt、Rh、R
u及びReから選ばれる1種又は2種以上の含有率が3
質量%以上である金属にて構成されるとともに、電極母
材と貴金属耐消耗部との中間の線膨張係数を有する金属
からなる緩和金属部を介して電極母材に接合され、ま
た、緩和金属部は、IrとRhとの合計が30質量%以
上であり、かつRhとNiとの合計が20質量%以上で
ある金属にて構成され、さらに、貴金属耐消耗部と中心
電極との対向方向を基準として見たときに、緩和金属部
は、側周面の少なくとも一部を電極母材中に埋没させる
形で該電極母材に接合される一方、その緩和金属部の中
心電極との対向側の端面外周縁部を接地電極の側面に露
出させた形態にて、貴金属耐消耗部が、側周面の少なく
とも一部を緩和金属部中に埋没させる形で該緩和金属部
に接合されたことを特徴とする。
【0010】上記本発明のスパークプラグにおいては、
接地電極母材を周知のNi系合金にて構成する場合、該
接地電極側の貴金属耐消耗部を、その側周面の少なくと
も一部を緩和金属部中に埋没させる形で貴金属耐消耗部
に接合した構造となし、かつ、貴金属耐消耗部と緩和金
属部とを各々上記の組成にて構成することにより、鉛腐
食及び酸化腐食の双方を考慮しなければならない過酷な
環境下においても、それら貴金属耐消耗部と緩和金属部
との接合界面の剥離耐久性を大幅に向上させることがで
きる。
【0011】また、上記本発明のスパークプラグは、緩
和金属部を形成するための第一金属チップを接地電極の
側面に重ね合わせて加圧しつつ通電加熱することによ
り、該第一金属チップを電極母材に接合する第一接合工
程と、緩和金属部を形成するための第一金属チップに対
し、貴金属耐消耗部を形成するための、第一金属チップ
よりも径小の第二金属チップを重ね合わせて加圧しつつ
通電加熱することにより、該第一金属チップを第二金属
チップに接合する第二接合工程とを含む本発明のスパー
クプラグの製造方法により製造できる。なお、第一接合
工程と第二接合工程は、この順序で実施してもよいし、
実施順序を逆としてもよい。なお、本明細書でいう貴金
属耐消耗部及び緩和金属部の各組成は、接合されたチッ
プのうち、溶接時に生ずる溶融部あるいは拡散部を除い
た部分の組成を指すものとする。この意味において、第
一金属チップは得るべき緩和金属部と同一組成のもの
が、また、第二金属チップは貴金属耐消耗部と同一組成
のものが、それぞれ使用されることとなる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の、いくつかの実施
の形態を、図面を用いて説明する。図1に示す本発明の
一例たるスパークプラグ100は、筒状の主体金具1、
先端部21が突出するようにその主体金具1の内側に嵌
め込まれた絶縁体2、先端に形成された中心電極側貴金
属耐消耗部31を突出させた状態で絶縁体2の内側に設
けられた中心電極3、及び主体金具1に一端が溶接等に
より結合されるとともに他端側が側方に曲げ返されて、
その側面が中心電極3の先端部(ここでは、先端面)と
対向するように配置された接地電極4等を備えている。
また、接地電極4には上記中心電極側貴金属耐消耗部3
1に接地電極側貴金属耐消耗部32が形成されており、
それら中心電極側貴金属耐消耗部31と、接地電極側貴
金属耐消耗部32との間の隙間が火花放電ギャップgと
されている。
【0013】絶縁体2は、例えばアルミナあるいは窒化
アルミニウム等のセラミック焼結体により構成され、そ
の内部には自身の軸方向に沿って中心電極3を嵌め込む
ための孔部6を有している。また、主体金具1は、低炭
素鋼等の金属により円筒状に形成されており、スパーク
プラグ100のハウジングを構成するとともに、その外
周面には、プラグ100を図示しないエンジンブロック
に取り付けるためのねじ部7が形成されている。
【0014】中心電極3及び接地電極4は、少なくとも
表層部をなす電極母材部分4mがNi合金で構成されて
いる。このうち、図2(a)に示すように、中心電極3
の先端部3aはテーパ状に縮径されるとともにその先端
面が平坦に構成され、ここに中心電極側貴金属耐消耗部
31の上記合金組成が得られるように組成調整された円
板状のチップを重ね合わせ、さらにその接合面外縁部に
沿ってレーザー溶接、電子ビーム溶接、抵抗溶接等によ
り溶接部Bを形成してこれを固着することにより中心電
極側貴金属耐消耗部31が形成される。接地電極側貴金
属耐消耗部(以下、単に貴金属耐消耗部という)32の
形成方法については、後に詳述する。
【0015】接地電極4は、少なくとも側面部、ここで
は全体がニッケル合金からなる電極母材4mとされてい
る。貴金属耐消耗部32は、Ir及びRhの一方又は双
方を合計にて80質量%以上含有し、かつIrの含有量
が97質量%以下であって、Pt、Rh、Ru及びRe
から選ばれる1種又は2種以上の含有率が3質量%以上
である金属にて構成されている。そして、図2(b)に
示すように、電極母材4mと貴金属耐消耗部32との中
間の線膨張係数を有する金属からなる緩和金属部33を
介して電極母材4mに接合されている。緩和金属部33
は、IrとRhとの合計が30質量%以上であり、かつ
RhとNiとの合計が20質量%以上である金属にて構
成されている。なお、緩和金属部33はNiを必須成分
として含有していると、Niを主体に構成する電極母材
4mとの線膨張係数の差をさらに縮めることができるの
で、より望ましい。
【0016】そして、貴金属耐消耗部32と中心電極3
との対向方向(即ち、中心電極3の軸線方向)Oを基準
として見たときに、緩和金属部33は、側周面33sの
少なくとも一部を電極母材4m中に埋没させる形で該電
極母材4mに接合されている。また、貴金属耐消耗部3
2は、緩和金属部33の中心電極3との対向側の端面外
周縁部33pを接地電極4の側面4cに露出させた形態
にて、側周面32sの少なくとも一部を緩和金属部33
中に埋没させる形で該緩和金属部33に接合されてい
る。
【0017】接地電極4側の貴金属耐消耗部32の周辺
構造及び各部の組成を上記のように構成することで、有
鉛ガソリンを使用した高速・高負荷条件下でスパークプ
ラグ100を使用する場合など、鉛腐食及び酸化腐食の
双方を考慮しなければならない過酷な環境下において、
それら貴金属耐消耗部32と緩和金属部33との接合界
面BDの剥離耐久性を大幅に向上させることができる。
以下、その理由について詳細に説明する。
【0018】貴金属耐消耗部32の組成は、高温での耐
火花消耗性及び耐酸化消耗性を抑制することを一つの観
点として設定されたものであるが、RhやIrがリッチ
な組成であるから、高温(例えば800K)での線膨張
係数の値はおおむね9〜10(×10−6/℃:以下、
煩雑であるので、線膨張係数の値を示すとき、「×10
−6/℃」の部分を省略して示す)程度の値となるのに
対し、電極母材4mはNiリッチであり、線膨張係数の
値は15〜16と大きい。そこで、両者の収縮差を緩和
するために両者の間に、それらの中間の線膨張係数を有
する緩和金属部33が配置される。
【0019】しかしながら、図6(a)に示すように、
貴金属耐消耗部32の側周面32sが電極母材4mと直
接接する界面BDDが形成されている場合、この区間に
は緩和金属部33の効果が及ばないので、冷熱サイクル
が加わったとき、貴金属耐消耗部32と電極母材4mと
の膨張差により界面BDDを開く向きの応力が強く作用
する。特に、前記した公報のごとく、接地電極4側にお
いて、鉛腐食及び酸化腐食への耐久性を両立させるため
の各部の組成条件を十分に考慮していない構成を採用し
たときは、図6(b)に示すように、貴金属耐消耗部3
2の側周面32sから緩和金属層33rの周側面を経て
底面33b側に回り込む亀裂Cが急速に進展し、貴金属
耐消耗部32が緩和金属層33rもろとも剥離しやすく
なることがわかった。また、昇温時の膨張差により界面
BDDに亀裂Cが生じたとき、応力集中する亀裂先端部
での腐食が助長されると、いわゆる応力腐食割れと類似
の現象により亀裂進展が促される可能性もありうる。
【0020】そこで、図6(c)に示すように、貴金属
耐消耗部32の側周面32sを緩和金属部33中に埋没
させた構造にすると、側周面32sと電極母材4mとの
間にも緩和金属部33が挟まって応力緩和効果を生ずる
ので、図6(d)に示すように、貴金属耐消耗部32の
側周面32sにおける亀裂Cの進展速度は減少する。ま
た、該亀裂Cは、貴金属耐消耗部32の底面32bには
回り込まず、緩和金属層33を横切って電極母材4mに
到達する形で進展し、結果的に貴金属耐消耗部32の剥
離が生じにくくなることもわかった。なお、この効果を
高めるには、図2(c)に示すように、貴金属耐消耗部
32の側周面32sの全面を緩和金属部33に埋没させ
た構造とすることが望ましい。図6(b)のような構成
では、緩和金属部33の底面外周縁が、比較的大きな曲
率半径を有した形状になりやすく、その丸みを帯びた縁
に沿ってクラックが底面32b側に回り込みやすくなる
なるのに対し、図6(d)の構成では、貴金属耐消耗部
32の底面外縁までクラックが進行しても、該外縁が比
較的先鋭な形状となっているため、クラックが底面32
b側に回り込まず、直進しやすくなると考えられる。
【0021】しかし、接合界面BDDの剥離耐久性を十
分に確保するためには、それだけでは十分でなく、貴金
属耐消耗部32及び緩和金属部33の組成を上記の範囲
に調整することが不可欠である。まず、貴金属耐消耗部
32は、先にも説明した通り、高温での耐火花消耗性を
確保する観点から、Ir及びRhの一方又は双方を合計
にて80質量%以上含有したものとする必要がある。例
えば、高温での火花消耗を抑制する観点では融点のより
高いIrを使用することが有効であるが、Irは高温で
は酸化揮発消耗を生じやすいので、これを抑制するため
に、Irの含有量は97質量%以下とし、かつ、Pt、
Rh、Ru及びReから選ばれる1種又は2種以上の含
有率を3質量%以上とする必要がある。後者の元素群
は、Irが含有される場合には、その酸化揮発を抑制す
る効果を有する。ただし、合計含有量が3質量%未満で
は、十分な効果が得られない。また、酸化揮発消耗抑制
をより優先させたい場合には、80質量%以上確保され
るRh+Irの合計含有量において、Rh含有量を優位
とし、Ir含有量を低減することが有効となる。もちろ
ん、Irを全く含有させない組成を採用することも可能
であり、この場合は、Irの酸化揮発消耗が生じなくな
ることが自明である。なお、Rh含有量を増大させるこ
とは、耐鉛腐食性を向上させる観点においても効果があ
り、特に、Rhの含有量を50質量%以上としたときに
顕著である。他方、鉛腐食抑制を考慮しつつ、高温での
耐火花消耗性抑制効果をより高めたい場合には、Ir含
有量を30〜80質量%とするのがよい。
【0022】次に、緩和金属部33は、IrとRhとの
合計が40質量%以上(100質量%含む)であり、か
つRhとNiとの合計が20質量%以上(100質量%
含む)である金属にて構成する必要がある。緩和金属部
33は、貴金属耐消耗部32が、Ir及び/又はRhを
主体に構成されるので、IrとRhとの合計含有量を4
0質量%以上確保しないと、応力緩和効果が十分に達成
されなくなる。他方、RhとNiとは、耐鉛腐食性を改
善する効果があり、両者の一方又は双方を合計にて20
質量%以上含有させることで、鉛腐食による緩和金属部
33自体の消耗抑制、及び貴金属耐消耗部32との界面
での、鉛腐食に起因した亀裂進展助長を抑制することが
できる。ここでも、鉛腐食の影響を緩和するためには、
Rhの含有量を増加させることがより有効であり、例え
ば、Rhの含有量を50質量%以上(100質量%含
む)とすると、鉛腐食の影響をさらに劇的に改善するこ
とができる。
【0023】そして、重要な点は、前記した貴金属耐消
耗部32の組成と上記の緩和金属部33の組成とを組み
合わせて採用した場合に限り、接地電極4側において、
貴金属耐消耗部32と緩和金属部33との界面におけ
る、酸化腐食に起因した亀裂進展助長を抑制する効果も
同時に達成することが可能になることである。すなわ
ち、貴金属耐消耗部32側では、Irを含有しない場合
も含め、Irの酸化消耗が問題となりにくい組成が採用
されているが、これが、結果としては緩和金属部33と
の界面での亀裂進展をも効果的に抑制することにつなが
る(特に、酸化腐食に起因した応力腐食割れ的な機構が
関与している場合は、亀裂進展抑制はより顕著になるも
のと考えられる)。そして、鉛腐食と酸化腐食の双方が
問題となるスパークプラグの使用環境下では、これらの
いずれの構成が欠けても、結果的に貴金属耐消耗部32
の耐剥離性を十分に確保することができなくなってしま
うのである。
【0024】なお、緩和金属部33の組成は、当然に、
線膨張係数が貴金属耐消耗部32と電極母材4mとの中
間となることも考慮して選択されなければならないが、
これは、採用する電極母材4m及び貴金属耐消耗部32
の具体的な組成に応じて、適宜調整されなければならな
い。しかし、貴金属耐消耗部32は、前述した通り、I
rとRhとの合計含有量が80質量%以上であり、その
800Kでの線膨張係数は8〜11程度の範囲にある。
他方、接地電極4の電極母材4mの材質としては、Ni
含有量が60質量%以上(高温強度及び耐酸化性確保の
関係から、上限は95質量%程度である)であり、かつ
Ni以外の残部が主にCr又はCr及びFeからなるN
i合金とされることが多い。例えば、電極母材4mの材
質として多用されるインコネル600(商標名)は、N
i:76質量%、Cr:15.5質量%、Fe:8質量
%(残部微量添加元素もしくは不純物)であり、インコ
ネル601(商標名)は、Ni:60.5質量%、C
r:23質量%、Fe:14質量%(残部微量添加元素
もしくは不純物)である。Fe及びCrの800Kでの
線膨張係数がそれぞれ16.2及び11.8であること
を考慮すれば、上記の組成の電極母材4mの800Kで
の線膨張係数は、14〜16程度の範囲にあると見積も
られる。
【0025】そこで、緩和金属部33は、前記した緩和
金属部の効果が損なわれない範囲での副成分の含有を考
慮して、Ir、Rh及びNiの合計含有量を90質量%
以上に定めたとき、Ir、Rh及びNiの合計を100
質量%に換算したときの、Ir、Rh及びNiの組成
が、図3に示すIr−Ni−Rh三成分系組成正三角形
上において、 A点:Ir=80質量%、Ni=20質量%、Rh=0
質量% B点:Ir=80質量%、Ni=0質量%、Rh=20
質量% C点:Ir=0質量%、Ni=0質量%、Rh=100
質量% D点:Ir=0質量%、Ni=70質量%、Rh=30
質量% E点:Ir=30質量%、Ni=70質量%、Rh=0
質量% の各点を順次結んで得られる閉組成領域の内部(境界含
む)に設定されていることが、緩和金属部33による応
力緩和効果を十分に確保する上で望ましい。図3には、
各組成にて推定される800Kでの線膨張係数の値を等
高線により示している(括弧内は線膨張係数の数値であ
る)。これからもわかる通り、上記の閉組成領域は、線
膨張係数の値がおおむね略9〜15となる範囲に対応し
ている。
【0026】なお、緩和金属部33の組成は、より望ま
しくは、 A’点:Ir=70質量%、Ni=30質量%、Rh=
0質量% B’点:Ir=0質量%、Ni=10質量%、Rh=9
0質量% D点:Ir=0質量%、Ni=70質量%、Rh=30
質量% E点:Ir=30質量%、Ni=70質量%、Rh=0
質量% の各点を順次結んで得られる閉組成領域の内部(境界含
む:線膨張係数の値が略11〜14に対応)に設定され
ていること、さらには望ましくは、 A”点:Ir=60質量%、Ni=40質量%、Rh=
0質量% B”点:Ir=0質量%、Ni=20質量%、Rh=8
0質量% D’点:Ir=0質量%、Ni=60質量%、Rh=4
0質量% E’点:Ir=40質量%、Ni=60質量%、Rh=
0質量% の各点を順次結んで得られる閉組成領域の内部(境界含
む:線膨張係数の値が略12〜14に対応)に設定され
ているのがよい。緩和金属部33中のNi含有量を増加
させることは、電極母材4mとの線膨張係数差を縮小す
る上でより有効である。
【0027】上記スパークプラグ100の貴金属耐消耗
部32は、図4に示すような、一般的な抵抗溶接を用い
た工程により形成することができる。まず、(a)に示
すように、緩和金属部33を形成するための第一金属チ
ップ33’を接地電極4の側面4cに重ね合わせて加圧
しつつ、電極EL,EL間に挟み付けて通電加熱するこ
とにより、該第一金属チップ33’を電極母材4mに食
い込ませながら接合する(第一接合工程)。次に、
(b)に示すように、緩和金属部33を形成するための
第一金属チップ33’に対し、貴金属耐消耗部32を形
成するための、第一金属チップ33’よりも径小の第二
金属チップ32を重ね合わせて加圧しつつ通電加熱する
ことにより、該第一金属チップ33’を第二金属チップ
32’に食い込ませながら接合する(第二接合工程)。
これらの工程により、(c)に示すように、第一金属チ
ップ33’と第二金属チップ32’とは、それぞれ緩和
金属部33及び貴金属耐消耗部32となる。
【0028】第一金属チップ33’及び第二金属チップ
32’が、厚さ方向に重ね合される円板状とされる場
合、第二金属チップ32’の直径を0.2〜2mmに設
定するとともに、第一金属チップ33’の直径を第二金
属チップ32’の直径の104〜200%に設定するの
がよい。第二金属チップ32’の直径が0.2mm未満
では、形成される貴金属耐消耗部32が、高温ですぐに
火花消耗し、寿命を十分に確保できなくなる。他方、第
二金属チップ32’の直径が2mmを超えると、接合界
面に働く熱応力が大きくなりすぎて、耐剥離性を十分に
確保できなくなる。また、第一金属チップ33’の直径
が第二金属チップ32’の直径の104%未満になる
と、緩和金属部33を、貴金属耐消耗部32の側周面3
2s側に十分回り込ませた構造を実現できなくなる。他
方、200%を超えると、得られる緩和金属部33によ
る応力緩和効果が飽和し、不要なコストアップを招く。
第一金属チップ33’の直径は、これらを考慮して0.
3〜2.5mmとする。
【0029】さらに、第二金属チップ32’の厚さは
0.1〜1.0mmとするのがよく、第一金属チップ3
3’の厚さは第二金属チップ32’の厚さの20〜30
0%とするのがよい。第二金属チップ32’の厚さが
0.1mm未満では、得られる貴金属耐消耗部32の厚
さが不足し、十分な寿命を確保できなくなる。また、機
械的な剛性も不足するので、熱応力による貴金属耐消耗
部32の変形も起こりやすくなる。第二金属チップ3
2’の厚さが1.0mmを超えると、抵抗溶接時におけ
る電極母材4mへの埋没量が大きくなりすぎ、電極母材
4mの変形が甚だしくなる。他方、第一金属チップ3
3’の厚さが第二金属チップ32’の厚さの20%未満
になると、得られる緩和金属部33の厚さが薄くなり過
ぎ、応力緩和機能が不十分となる。また、300%を超
えると、得られる緩和金属部33による応力緩和効果が
飽和し、不要なコストアップを招く。
【0030】さらに、図4(d)に示すように、接地電
極4の側面4cの幅をW、第一チップ33’の直径をd
1としたとき、寸法差L=W−d1が0.1mm以上確
保されていることが望ましい。Lが0.1mm未満にな
ると、抵抗溶接時において、第一チップ33’を電極母
材4m中に十分に埋没させることが困難となる。
【0031】なお、図2(c)に示すように、貴金属耐
消耗部32及び緩和金属部33との双方を、対向方向O
において繊維状に引き延ばされた結晶組織を有するもの
として構成すると、図6(c)に示す、貴金属耐消耗部
32の底面32b側への亀裂の進展が一層進みにくくな
り、耐剥離性をより高めることができる。組織をこのよ
うなものとするには、合金を熱間鍛造、熱間圧延及び熱
間伸線の1種又は2種以上の組合せにより線状あるいは
ロッド状の素材に加工した後、これを長さ方向に所定長
に切断して形成したチップ(後述する第一チップ33’
及び第二チップ32’)を用いて貴金属耐消耗部32及
び緩和金属部33を形成することが有効である。なお、
繊維状に引き延ばされた結晶組織とは、組織延伸方向と
平行な断面に観察される結晶粒子の平均的なアスペクト
比(図2(d):W1/W2)が5以上となっているも
のをいう。
【0032】なお、円板状の第一金属チップ33’及び
第二金属チップ32’を用いたとき、図5に示すよう
に、前記した対向方向Oにおいて、貴金属耐消耗部32
の緩和金属部33への接合端面32bを平坦に形成し、
緩和金属部33の電極母材4mへの接合端面(底面)3
3bが、中央部が外縁部よりも突出する凸曲面状に形成
することができる。このようにすると、接合面積が増大
して貴金属耐消耗部32の接合強度が高められるほか、
接合端面33bの中央部において緩和金属部33の厚み
が増すので、該中央部での応力緩和効果が高められ、接
合端面33bの中央部への亀裂進展を抑制することがで
きる。その結果、貴金属耐消耗部32の耐剥離性をさら
に向上させることができる。なお、上記のような構造を
得るには、用いる第一チップ33’の厚さt1と、第二
チップ32’の厚さt2との比t1/t2を0.5〜
2.0に設定することが有効である。
【0033】さらに、図7(d)に示すように、緩和金
属部33の側周面33sを、対向方向Oにおける中央部
が両端部よりも半径方向に膨出する凸型に形成すること
もできる。このようにすると、緩和金属部33の凸状の
側周面33sが、対応する凹状に形成された電極母材4
m側の孔内側面4sと係合して、緩和金属部33の抜け
落ちが生じにくくなる。このような緩和金属部33を形
成するには、図7(a)に示すように、球状の第一チッ
プ133を用い、これを抵抗溶接時の加熱圧縮によりつ
ぶしながら電極母材4mに食い込ませればよい。なお、
この実施形態では、球状の第一チップ133は、図7
(b)に示すように、抵抗溶接時の電極の先端面に対応
して、上面が平坦化される形で電極母材4mに食い込ん
でおり、図7(c)に示すように、ここに円板状の第二
チップ32’を重ねて、図4と同様に抵抗溶接すること
により、図7(d)に示すように、貴金属耐消耗部32
を形成している。これによると、貴金属耐消耗部32の
緩和金属部33への接合端面32bを平坦に形成できる
一方、緩和金属部33の電極母材4mへの接合端面(底
面)33bは、図5と同様に、中央部が外縁部よりも突
出する凸曲面状に形成することができる。
【0034】なお、図8に示すように、1つの緩和金属
部33に対し、複数の貴金属耐消耗部32を分散させる
形で接合することもできる。
【0035】
【実施例】本発明の効果を確認するために、以下の実験
を行なった。 (実施例1)接地電極側の緩和金属層及び貴金属耐消耗
部を形成するための第一チップ及び第二チップを、以下
のように作製した。まず、貴金属耐消耗部用の第二チッ
プは、所定量のIrとRhとを配合・溶解することによ
り、Ir−40質量%Rhの組成を有する合金を作製し
た。この合金を、1500℃にて熱間鍛造し、次いで1
300℃で熱間圧延及び熱間スエージングし、さらに1
200℃にて熱間伸線することにより、直径1mmの合
金線材を得た。これを長手方向に切断することで直径1
mm、厚さ0.2mmの円板状のチップとした。また、
緩和金属層用の第一チップは、種々の比率にてIrとN
iとを配合・溶解することにより、表1に示す各種Ni
含有量を有するIr−Ni合金を作製した。そして、第
二チップと同様の方法により直径1.2mm、厚さ0.
2mmの円板状のチップとした。これらチップを用い
て、インコネル600製の接地電極母材の側面(幅2.
5mm)に、図4に示す方法により抵抗溶接し、図2に
示す形態の接地電極側の接合構造を完成させた。なお、
抵抗溶接の条件は、通電電流値650A、加圧荷重35
kg/cmに設定した。
【0036】一方、中心電極3側については、組成がI
r−5質量%Ptであり、直径0.6mm厚さ0.8m
mの寸法を有する貴金属チップを、上記第二チップと同
様の方法により作製し、インコネル600製の中心電極
母材の先端面に全周レーザー溶接することにより接合し
た。そして、これら接地電極及び中心電極を用いて図1
に示す形態のスパークプラグ試験品を作成し(ただし、
ギャップ間隔1.1mm)、接地電極側の貴金属耐消耗
部の耐剥離性と耐鉛腐食性とを評価した。
【0037】まず、耐剥離性の評価は以下の通りであ
る。まず、スパークプラグの火花放電ギャップ側の先端
部をガスバーナーにより1000℃に2分間加熱し、次
いで1分空冷するサイクルを1000回繰り返す。次
に、試験品を、接地電極の貴金属耐消耗部の中心軸線を
通る面にて切断・研磨して顕微鏡にて拡大観察するとと
もに、貴金属耐消耗部と緩和金属層部との界面の亀裂も
しくは酸化スケールの進展長を観察視野上にて測定し、
界面の全長で割った値を剥離進展率として算出する。そ
して、その剥離進展率が50%を超えたものを不良
(×)、50%以下のものを良好(○)として評価す
る。
【0038】他方、耐鉛腐食性の評価は以下のようにし
て行なった。すなわち、各スパークプラグを、6気筒ガ
ソリンエンジン(排気量2000cc)に取り付け、4
メチル鉛を0.04質量%含有する有鉛ガソリンを燃料
として、スロットル全開状態、エンジン回転数5000
rpmにて、中心電極側が負となる極性にて100時間
運転を行なった。運転終了後、試験品を、接地電極の貴
金属耐消耗部と緩和金属層との中心軸線を通る面にて切
断・研磨して顕微鏡にて拡大観察するとともに、緩和金
属層の貴金属耐消耗部の周囲を取り囲む部分の残留率が
80%以上のものを優良(◎)、60%以上80%未満
のものを良好(○)、60%未満のものを不良(×)と
して評価する。以上の結果を表1に示す。
【0039】
【表1】 これによると、Ir−Ni合金からなる緩和金属部の場
合、Ni量が20〜70質量%の範囲内において、耐剥
離性及び耐鉛腐食性のいずれも良好となっていることが
わかる。
【0040】(実施例2)貴金属耐消耗部用の第二チッ
プをIr−40質量%Rhの組成とし、緩和金属層用の
第一チップを、種々の比率のRh−Ni合金とした以外
は、実施例1と同様のスパークプラグ試験品を作製し、
同様の評価を行なった。以上の結果を表2に示す。
【0041】
【表2】 これによると、Rh−Ni合金からなる緩和金属部の場
合、Ni量が70質量%以下の範囲(100質量%Rh
を含む)において、耐剥離性及び耐鉛腐食性のいずれも
良好となっていることがわかる。
【0042】(実施例3)貴金属耐消耗部用の第二チッ
プを種々の比率のIr−Pt合金とし、緩和金属層用の
第一チップを、Ir−40質量%Niの組成とした以外
は、実施例1と同様のスパークプラグ試験品を作製し、
同様の評価を行なった。ただし、耐鉛腐食性の評価は、
貴金属耐消耗部の残留率が80%以上のものを優良
(◎)、60%以上80%未満のものを良好(○)、6
0%未満のものを不良(×)として評価する。以上の結
果を表3に示す。
【0043】
【表3】 これによると、Ir−Pt合金からなる貴金属耐消耗部
の場合、Pt量が3〜20質量%の範囲において、耐剥
離性及び耐鉛腐食性のいずれも良好となっていることが
わかる。
【0044】(実施例4)貴金属耐消耗部用の第二チッ
プを種々の比率のIr−Rh合金とし、緩和金属層用の
第一チップを、Ir−40質量%Niの組成とした以外
は、実施例1と同様のスパークプラグ試験品を作製し、
同様の評価を行なった。ただし、耐鉛腐食性の評価は、
貴金属耐消耗部の残留率が80%以上のものを優良
(◎)、60%以上80%未満のものを良好(○)、6
0%未満のものを不良(×)として評価する。以上の結
果を表4に示す。
【0045】
【表4】 これによると、Ir−Rh合金からなる貴金属耐消耗部
の場合、Rh量が10質量%以上の範囲において、耐剥
離性及び耐鉛腐食性のいずれも良好となっていることが
わかる。
【0046】(実施例5)貴金属耐消耗部用の第二チッ
プをIr−40質量%Rh合金とし、緩和金属層用の第
一チップを、Ir−40質量%Niの組成として、実施
例1と同様に作製した。ここで、第一チップの寸法は直
径d1を1.2mm、厚さを0.2mmに固定したが、
第二チップは厚さ0.2mmに固定し、直径d2を0.
9〜1.18mmの種々の寸法に形成した。これらのチ
ップを用いて、実施例1と同様のスパークプラグ試験品
を作製し、耐剥離性の評価を実施例1と同様に行なっ
た。以上の結果を表5に示す。
【0047】
【表5】 これによると、d1/d2が104%以上で耐剥離性が
いずれも良好となっていることがわかる。
【0048】(実施例6)貴金属耐消耗部用の第二チッ
プをIr−40質量%Rh合金とし、緩和金属層用の第
一チップを、Ir−40質量%Niの組成として、実施
例1と同様に作製した。ここで、第一チップの直径d1
と第二チップの直径d2との比d1/d2を120%に
固定し(いずれも厚さ0.2mm)、かつ第二チップの
直径d2を0.2〜1.5mmの種々の寸法に設定し
た。これらのチップを用いて、実施例1と同様のスパー
クプラグ試験品を作製し、耐火花消耗性試験を以下の条
件にて行った。すなわち、プラグを試験用チャンバに取
り付けるとともにフルトランジスタ型イグナイタに接続
し、チャンバ内空気圧0.4MPa(約4気圧)、最大
電圧30kVにて周波数100Hzの交流電圧を100
時間印加するとともに、試験後に同様の断面観察を行
い、貴金属耐消耗部の厚さが70%以上残留していたも
のを良好(○)、70%未満であったものを不良(×)
として評価する。結果を表6に示す。
【0049】
【表6】
【0050】これによると、d2が0.3mm以上で耐
消耗性が良好となっていることがわかる。
【0051】(実施例7)貴金属耐消耗部用の第二チッ
プをIr−40質量%Rh合金とし、緩和金属層用の第
一チップを、Ir−40質量%Niの組成として、実施
例1と同様に作製した。ここで、第一チップの直径d1
を、接地電極の幅W(2.5mm)を基準として、L=
W−d1の値が0〜0.4mmの種々の値となるように
設定した。これらのチップを、実施例1と同様に接地電
極に溶接するとともに、溶接後の同様の断面観察によ
り、チップ厚みの90%以上が埋没していたものを良好
(○)、90%未満であったものを不良(×)として評
価する。結果を表7に示す。
【0052】
【表7】
【0053】これによると、L=W−d1の値が0.1
mm以上で溶接性が良好となっていることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスパークプラグの一実施例を示す正面
部分断面図。
【図2】その要部を示す拡大断面図。
【図3】緩和金属部の望ましい組成範囲を示す図。
【図4】接地電極側の貴金属耐消耗部の形成工程の一例
を説明する図。
【図5】緩和金属部の第一の変形態様を示す断面図。
【図6】本発明のスパークプラグの作用を比較例ととも
に示す図。
【図7】緩和金属部の第二の変形態様を示す断面図。
【図8】貴金属耐消耗部の変形態様を示す斜視図。
【符号の説明】
3 中心電極 4 接地電極 4c 側面 4m 電極母材 31a 先端面 32 貴金属耐消耗部 32b 接合端面 32s 側周面 32’ 第二金属チップ 33 緩和金属部 33p 端面外周縁部 33s 側周面 33’ 第一金属チップ g 火花放電ギャップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01T 21/02 H01T 21/02 (72)発明者 伊藤 聡子 愛知県名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日 本特殊陶業株式会社内 Fターム(参考) 5G059 AA04 CC02 DD02 DD11 EE02 EE04 EE11

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接地電極(4)の側面(4c)に固着さ
    れた貴金属耐消耗部(32)を中心電極(3)の先端面
    (31a)と対向させることにより火花放電ギャップ
    (g)を形成したスパークプラグ(100)において、 前記接地電極(4)の少なくとも側面部がニッケル合金
    からなる電極母材(4m)とされ、 前記貴金属耐消耗部(32)は、Ir及びRhの一方又
    は双方を合計にて80質量%以上含有し、かつIrの含
    有量が97質量%以下であって、Pt、Rh、Ru及び
    Reから選ばれる1種又は2種以上の含有率が3質量%
    以上である金属にて構成されるとともに、前記電極母材
    (4m)と前記貴金属耐消耗部(32)との中間の線膨
    張係数を有する金属からなる緩和金属部(33)を介し
    て前記電極母材(4m)に接合され、 また、前記緩和金属部(33)は、IrとRhとの合計
    が30質量%以上であり、かつRhとNiとの合計が2
    0質量%以上である金属にて構成され、さらに、 前記貴金属耐消耗部と前記中心電極との対向方向(O)
    を基準として見たときに、前記緩和金属部(33)は、
    側周面(33s)の少なくとも一部を前記電極母材(4
    m)中に埋没させる形で該電極母材(4m)に接合され
    る一方、その緩和金属部(33)の前記中心電極(3)
    との対向側の端面外周縁部(33p)を前記接地電極
    (4)の側面(4c)に露出させた形態にて、前記貴金
    属耐消耗部(32)が、側周面(32s)の少なくとも
    一部を前記緩和金属部(33)中に埋没させる形で該緩
    和金属部(33)に接合されたことを特徴とするスパー
    クプラグ(100)。
  2. 【請求項2】 前記電極母材(4m)はNi含有量が6
    0質量%以上であり、かつNi以外の残部が主にCr又
    はCr及びFeからなるNi合金であり、 前記緩和金属部(33)は、Ir、Rh及びNiの合計
    含有量が90質量%以上であって、かつ、Ir、Rh及
    びNiの合計を100質量%に換算したときの、Ir、
    Rh及びNiの組成が、図3に示すIr−Ni−Rh三
    成分系組成正三角形上において、 A点:(Ir=80質量%、Ni=20質量%、Rh=
    0質量%) B点:(Ir=80質量%、Ni=0質量%、Rh=2
    0質量%) C点:(Ir=0質量%、Ni=0質量%、Rh=10
    0質量%) D点:(Ir=0質量%、Ni=70質量%、Rh=3
    0質量%) E点:(Ir=30質量%、Ni=70質量%、Rh=
    0質量%) の各点を順次結んで得られる閉組成領域の内部(境界含
    む)に設定されてなる請求項1記載のスパークプラグ
    (100)。
  3. 【請求項3】 前記貴金属耐消耗部(32)及び前記緩
    和金属部(33)は、前記対向方向(O)において繊維
    状に引き延ばされた結晶組織を有する請求項1又は2に
    記載のスパークプラグ(100)。
  4. 【請求項4】 前記貴金属耐消耗部(32)の前記側周
    面(32s)の全面が前記緩和金属部(33)に埋没し
    ている請求項1ないし3のいずれか1項に記載のスパー
    クプラグ(100)。
  5. 【請求項5】 前記対向方向(O)において、前記貴金
    属耐消耗部(32)の前記緩和金属部(33)への接合
    端面(32b)が平坦に形成される一方、前記緩和金属
    部(33)の前記電極母材(4m)への接合端面(33
    b)が、中央部が外縁部よりも突出する凸曲面状に形成
    されている請求項1ないし4のいずれか1項に記載のス
    パークプラグ(100)。
  6. 【請求項6】 前記緩和金属部(33)の側周面(33
    s)は、前記対向方向(O)における中央部が両端部よ
    りも半径方向に膨出する凸型に形成されている請求項1
    ないし5のいずれか1項に記載のスパークプラグ(10
    0)。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれかに記載のス
    パークプラグ(100)の製造方法であって、 前記緩和金属部(33)を形成するための第一金属チッ
    プ(33’)を前記接地電極(4)の側面(4c)に重
    ね合わせて加圧しつつ通電加熱することにより、該第一
    金属チップ(33’)を前記電極母材(4m)に接合す
    る第一接合工程と、 前記緩和金属部(33)を形成するための第一金属チッ
    プ(33’)に対し、前記貴金属耐消耗部(32)を形
    成するための、前記第一金属チップ(33’)よりも径
    小の第二金属チップ(32’)を重ね合わせて加圧しつ
    つ通電加熱することにより、該第一金属チップ(3
    3’)を前記第二金属チップ(32’)に接合する第二
    接合工程と、 を含むことを特徴とするスパークプラグの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記第一金属チップ(33’)及び前記
    第二金属チップ(32’)は、厚さ方向に重ね合される
    円板状とされ、前記第一金属チップ(33’)の直径が
    0.3〜2.5mmであり、前記第二金属チップ(3
    2’)の直径が0.2〜2mmであり、かつ、前記第一
    金属チップ(33’)の直径が前記第二金属チップ(3
    2’)の直径の104〜200%に設定される請求項7
    記載のスパークプラグの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記第二金属チップ(32’)の厚さが
    0.1〜1.0mmであり、前記第一金属チップ(3
    3’)の厚さが前記第二金属チップ(32’)の厚さの
    20〜300%である請求項8記載のスパークプラグの
    製造方法。
  10. 【請求項10】 前記接地電極(4)の前記側面(4
    c)の幅をW、前記第一チップ(33’)の直径をd1
    として、W−d1が0.1mm以上確保されている請求
    項7ないし9のいずれか1項に記載のスパークプラグの
    製造方法。
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