JP4147152B2 - スパークプラグ及びスパークプラグの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スパークプラグとその製造方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車用ガソリンエンジンを始めとする内燃機関は、高性能化の要求が高まりつつあり、点火用のスパークプラグにも着火性の向上と放電電圧の低減とが求められている。着火性の向上及び放電電圧の低減には、中心電極側の発火部を細径化することが有効であり、縮径した電極の先端に貴金属チップを接合して発火部を形成した構造が多く採用されている。しかし、最近は燃費向上や排ガス規制の強化に対応するため混合気の希薄化(リーンバーン化)が進んでおり、着火条件はさらに厳しさを増している。そこで、燃焼室のより奥側に位置する接地電極側についても、貴金属チップの接合により、接地電極側面から中心電極先端面側に突出した発火部を形成し、かつその先端部を細径化する試みがなされている。
【0003】
本願出願人が行なった先願発明(特開平3−176979号公報)には、接地電極側の貴金属発火部を細径化するための具体的な構造について開示されている。該公報の第2図に示されたスパークプラグにおいては、細径の円柱状のIrないしIr合金からなるチップをNi系電極母材に直接、又はPt系金属中間層を介した状態で電気溶接(抵抗溶接)にて接合する。電気溶接によってチップは通電加熱されて変形加工が可能な状態となり、加圧によりチップの接合側基部が変形して鍔部を生ずる。この鍔部の形成により接合面積が増大し、細径のチップでの十分な強度を持って接合できる、というのが、上記先願発明の主旨である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、その後の調査により、貴金属チップを電極に対して十分な強度で接合するためには、接合先となる接地電極側の構成金属部と貴金属チップとの間に、一定以上の厚さの合金化層を形成しなければならないことがわかった。ここで、先願発明にて貴金属チップの材質として用いられているIrは融点が2400℃以上の高温であり、合金化層を形成するためには相当高温まで抵抗発熱させる必要がある。しかし、接地電極側の構成金属部をなすNi系電極母材やPt系金属中間層は、いずれもIrと比較すれば融点がはるかに低い(Niの融点は1453℃、Ptの融点は1769℃)。従って、Irとの合金化に必要な温度まで抵抗発熱させようとすると、図13に示すように、貴金属チップ32´よりも接地電極4側の構成金属部が過度に軟化して変形が著しくなり、正常な発火部の形成が非常に困難となる。また、接地電極4は軟化が著しいため、貴金属チップ32´の接合側基部への圧縮変形力を十分に受け止めることができなくなるので、鍔部32tは思ったほど大きく拡がらず、また大半の鍔部が接地電極4内に埋没してしまう確率が高い。すなわち、こうして得られる発火部32は、鍔部32tが十分な幅で形成されないか、あるいは電極中に埋没するために、接地電極4から突出したその基端部(突出基端部)の周囲が、融点の低い電極母材4の露出表面により取り囲まれた構造にならざるを得ない。
【0005】
また、図14に示すように、接地電極4側のIr系貴金属チップ32´を、中心電極側と同様にレーザー溶接により接合する方法が考えられる。しかし、レーザー溶接を用いた場合、図14に示すように、接合部をなす溶接ビードWBが、得られる発火部32の突出基端部の周囲に沿って相当の幅(例えば0.2mm以上)で形成される。この溶接ビードWBは、レーザービームLBによる熱集中のため、電極母材と貴金属チップ32´の双方を溶融状態で溶かし込んだあと凝固することにより形成されるものであり、貴金属チップ32´の相当部分をいわば食った形で形成される。当然、該溶接ビードWBは、例えばNi系金属からなる電極母材を多量に溶かし込んでいるため、Ir系金属からなる発火部32よりは融点の低下が著しい。すなわち、得られる発火部32の突出基端部周囲は、融点の低い溶接ビードWBにより取り囲まれた構造になってしまう。
【0006】
ここで、接地電極4側の発火部32を細径化したとき、次のような現象が起こりやすくなることに留意する必要がある。すなわち、近年は、内燃機関の高効率化とリーンバーン化を図るために、燃料の噴射圧力が高められ、また、燃焼室へ燃料を直接噴射する直噴式エンジンの採用も進んでいるため、燃焼室内のガス流は格段に大きく激しいものとなっている。そして、着火性向上等のために発火部32が細径化されると、当然、火花が飛ぶ発火部先端面の面積も小さくなる。そして、図15に示すように、飛火中に上記のような強いガス流を横方向から受けると、火花SPが流されて発火部32の先端面から外れ、その突出基端部を取り囲む周囲電極面との間で飛火が生じやすくなる。このとき、図13あるいは図14に示すように、発火部32より融点の低い電極母材や溶接ビードWBにより周囲電極面が構成されていると、図15に示すように、当該部分が火花消耗によりえぐられて偏消耗を生じ、接地電極4の寿命が早期に尽きてしまう問題を生ずるのである。
【0007】
本発明の課題は、接地電極側に貴金属発火部を突出形成したスパークプラグにおいて、火花がガス流により流されやすい使用環境下においても、接地電極に偏消耗を生じにくい構造のスパークプラグと、その構造を得る上で好都合なスパークプラグの製造方法とを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】
上記の課題を解決するために、本発明のスパークプラグは、
中心電極の先端に固着された貴金属製の中心電極側発火部に、接地電極の側面に固着された貴金属製の接地電極側発火部を対向させることにより、それら中心電極側発火部と接地電極側発火部との間に火花放電ギャップが形成されてなり、
前記接地電極側発火部はPtを主成分とする貴金属からなり、前記接地電極に対し、両部の構成金属成分同士が合金化した厚さ0.5μm以上100μm以下の合金化層を介して接合されており、
また、前記接地電極側発火部は前記火花放電ギャップに臨む先端面が、前記接地電極に固着された底面よりも径小とされ、かつ、前記先端面が前記接地電極の前記側面よりも中心電極先端側に突出するものとされ、さらに、前記先端面側から前記接地電極側発火部を平面視したとき、該先端面の周囲を取り囲むように、前記接地電極側発火部の表面の一部が前記接地電極の側面に露出した周囲露出領域面として視認され、
前記中心電極側発火部の先端面と、前記接地電極側発火部の先端面との間の、前記中心電極の軸線方向における最短距離をGとし、他方、前記中心電極側発火部の前記先端面の外周縁と、前記周囲露出領域面の外周縁とを最短距離にて結ぶ線分の長さをLとしたとき、
1.3G≦L≦3G
を充足し、
かつ、前記中心電極の軸線と直交する平面への正射投影において、前記周囲露出領域面の幅をAとし、前記接地電極の幅をWとし、前記接地電極側発火部の先端面の直径をdとして、
0.15≦A≦{(W−d)/2}−0.4 (単位:mm)
を充足する。
なお、本明細書において「主成分」とは、着目している材料中にて最も含有率の高い成分のことをいう。
【0009】
上記本発明のスパークプラグにおいては、接地電極側発火部は先端面が接地電極の側面よりも中心電極先端面側に突出し、かつ先端面が底面よりも縮径された形状を有するので、着火性向上及び放電電圧低減に寄与する。また、接地電極側発火部の先端面の周囲領域をなす、周囲露出領域面が貴金属面となっているので、火花がガス流により流され、接地電極側発火部の先端面外側に外れて飛火した場合でも、貴金属からなる周囲露出領域面にて火花を受けることで電極の偏消耗を防止することができる。
【0010】
また、接地電極側発火部は、Ptを主成分とする金属からなり、接地電極に対し厚さ0.5μm以上100μm以下の合金化層を介して接合される。それにより合金化層の厚さ範囲が、上記のような値に留められているから、周囲露出領域面をなす貴金属面が、接合に伴う合金化層形成により過度に食われることがない。その結果、接地電極側発火部の先端面周囲に十分に広い貴金属面が確保され、偏消耗の防止に一層有利となる。なお、本明細書における「合金化層の厚さ」は、接地電極側発火部と合金化層との境界面に対して垂直方向の距離のこととする。
【0011】
なお、接地電極側発火部を貴金属チップの接合により形成する場合、接合のための合金化層の上記厚さ範囲は、溶接ビードが比較的広く形成されるレーザー溶接では実現が非常に困難であるが、逆に抵抗溶接法を採用すれば容易に実現できる。本発明のスパークプラグの第一の構成では、前記した特開平3−176979号公報に開示されたスパークプラグのように、接地電極側発火部をIr系金属にて構成するのではなく、それよりも融点の低いPtを主成分とする金属により構成しているので、抵抗溶接により問題なく接合が可能である。
【0012】
合金化層の厚さが0.5μm未満になると、接地電極側発火部の接合強度が不十分となり、発火部の剥離等が生じやすくなる。なお、通常の条件による抵抗溶接を採用した場合、合金化層は、例えば0.1μm〜1μm程度の厚さで形成されるが、抵抗溶接後に熱拡散処理等を行なうことにより、合金化層の厚さを100μm程度まで増加させることが可能である。しかし、100μm以上の厚さとすることは、熱処理時間が長大化して製造能率の低下を招く。
【0013】
なお、接地電極側発火部は、底面側を含む基端部を接地電極中に埋設することができる。接地電極側発火部の基端部を埋設することにより、発火部の接合強度を一層高めることができるこの場合、その埋設された発火部の基端部周側面を取り囲む形態で合金化層が形成されるが、その厚さが100μmを超えると、発火部の周囲露出領域面の周縁部が合金化層によって過度に食われ、周囲露出領域面の実質的な幅が減少して、電極偏消耗の防止効果が不十分となる。
【0014】
なお、本明細書において「合金化層」は、以下のような組成を有する領域として定義する。すなわち、発火部を形成するために溶接接合された貴金属チップのうち、溶接による組成変動の影響を受けていない部分のPt濃度をCPt1とする。また、貴金属チップが溶接される接地電極の、溶接による組成変動の影響を受けていない部分のPt濃度をCPt2とする。そして、接地電極と接地電極側発火部との間にて両者の中間のPt組成を有する領域のうち、そのPt濃度CPt3が、
0.2(CPt1−CPt2)+CPt2≦CPt3≦0.8(CPt1−CPt2)+CPt2
を満たす領域を合金化層とする。なお、各部のPt濃度は公知の分析方法、例えば電子線プローブ微小分析(Electron Probe Micro Analysis:EPMA)により特定することができる。例えば、接地電極側発火部の先端面の幾何学的重心位置を通り、中心電極の軸線と平行な直線を含む平面にて、接地電極側発火部及びその周辺部を切断し、その断面上のPt濃度分布をEPMAによるライン分析あるいは面分析にて測定することにより、合金化層を識別することができる。
また、上記本発明のスパークプラグにおいては、中心電極側発火部の先端面と、接地電極側発火部の先端面との間の、中心電極の軸線方向における最短距離をGとし、他方、中心電極側発火部の先端面の外周縁と、周囲露出領域面の外周縁とを最短距離にて結ぶ線分の長さをLとしたとき、
1.3G≦L≦3G ・・・・(1)
を充足している。また、中心電極の軸線と直交する平面への正射投影において、周囲露出領域面の幅をAとし、接地電極の幅をWとし、接地電極側発火部の先端面の直径をdとして、
0.15≦A≦{(W−d)/2}−0.4 (単位:mm)・・・・(2)
を充足している。
なお、本明細書において「周囲露出領域面の幅」とは、上記の正射投影において、接地電極側発火部の先端面の幾何学的重心位置に関する半径方向の、周囲露出領域面の平均的な寸法を表す。
図2に示すように、中心電極3の軸線Oの方向において、周囲露出領域面32pの外周縁32eを基準位置とすれば、上記寸法Lは、接地電極側発火部32の先端面32tの、該基準位置からの突出高さtと、周囲露出領域面32pの幅Aとによって定まる。従って、たとえAが限りなくゼロに近い値であっても、先端面32tの突出高さtを適当に設定すれば、Lを火花放電ギャップgのギャップ長に相当する寸法Gの1.3倍以上に設定することができる。しかし、これでは火花が流されて先端面32tから外れた途端に周囲露出領域面32pの外に落ちることになり、接地電極4の偏消耗を防止する効果は全く得られない。
そこで、本発明者らが実験により検討した結果、火花がガス流により流されたとき、周囲露出領域面で火花を受けて電極の偏消耗を防止する効果は、周囲露出領域面の幅Aが0.15mm以上であることと、上記定義したGとLとが1.3G≦Lを満たすことの双方を充足したときに、特に顕著となることが判明した。
なお、A<0.15では、本発明の偏消耗を抑制する効果が得られない。また、1.3G>Lの場合でも、偏消耗を抑制する効果が得られない。
さらに、A>{(W−d)/2}−0.4になると、接地電極側発火部を形成するための貴金属チップのサイズが大きくなりすぎ、材料コストがかさむ他、貴金属チップそのものあるいは溶接ダレ部分、が接地電極の幅方向にはみ出したりする不具合につながる。また、L>3Gになると、先端面32tの突出高さtが大きくなりすぎるか、あるいは周囲露出領域面の幅Aが広くなりすぎるかのいずれかの状況となる。前者においては、接地電極側発火部の高さが大きくなりすぎる結果、熱引きが悪化して発火部先端の温度が過度に上昇し、電極消耗が加速されて早期にスパークプラグの寿命が尽きてしまう不具合につながる。他方、後者は、A>{(W−d)/2}−0.4となった場合と同じである。
【0015】
さらに、上記の課題を解決するための、本発明のスパークプラグは、
中心電極の先端に固着された貴金属製の中心電極側発火部に、接地電極の側面に緩和金属部を介して固着された貴金属製の接地電極側発火部を対向させることにより、それら中心電極側発火部と接地電極側発火部との間に火花放電ギャップが形成されてなり、
前記接地電側極発火部はPtを主成分とする貴金属からなり、かつ、前記緩和金属部は、前記接地電極の構成金属と、該接地電極側発火部の構成貴金属との中間の線膨張係数を有する金属からなり、
前記接地電極側発火部と前記緩和金属部との間には、両部の構成金属成分同士が合金化した厚さ0.5μm以上100μm以下の第1合金化層が形成されてなり、
また、前記接地電極側発火部は前記火花放電ギャップに臨む先端面が、前記緩和金属部に固着された底面よりも径小とされ、かつ、前記先端面が前記接地電極の前記側面よりも中心電極先端側に突出するものとされ、さらに、前記先端面側から前記接地電極側発火部を平面視したとき、該先端面の周囲を取り囲むように、前記接地電極側発火部の表面の一部が前記接地電極の側面に露出した周囲露出領域面として視認され、
前記中心電極側発火部の先端面と、前記接地電極側発火部の先端面との間の、前記中心電極の軸線方向における最短距離をGとし、他方、前記中心電極側発火部の前記先端面の外周縁と、前記周囲露出領域面の外周縁とを最短距離にて結ぶ線分の長さをLとしたとき、
1.3G≦L≦3G
を充足し、
かつ、前記中心電極の軸線と直交する平面への正射投影において、前記周囲露出領域面の幅をAとし、前記接地電極の幅をWとし、前記接地電極側発火部の先端面の直径をdとして、
0.15≦A≦{(W−d)/2}−0.4 (単位:mm)
を充足する。
【0016】
上記本発明のスパークプラグにおいては、接地電極側発火部は先端面が接地電極の側面よりも中心電極先端面側に突出し、かつ先端面が底面よりも縮径された形状を有するので、着火性向上及び放電電圧低減に寄与する。また、接地電極側発火部の先端面の周囲領域をなす、周囲露出領域面が貴金属面となっているので、火花がガス流により流され、接地電極側発火部の先端面外側に外れて飛火した場合でも、貴金属からなる周囲露出領域面にて火花を受けることで電極の偏消耗を防止することができる。
【0017】
また、接地電極側発火部は、Ptを主成分とする金属からなり、かつ、緩和金属部は、接地電極の構成金属と、該接地電極側発火部の構成貴金属との中間の線膨張係数を有する金属からなり、接地電極側発火部と緩和金属部との間には、両部の構成金属成分同士が合金化した厚さ0.5μm以上100μm以下の第1合金化層が形成される。それにより第1合金化層の厚さ範囲が、上記のような値に留められているから、周囲露出領域面をなす貴金属面が、接合に伴う第1合金化層形成により過度に食われることがない。その結果、接地電極側発火部の先端面周囲に十分に広い貴金属面が確保され、偏消耗の防止に一層有利となる。なお、本明細書における「第1合金化層の厚さ」は、接地電極側発火部と第1合金化層と境界面に対して垂直方向の距離のこととする。
【0018】
なお、接地電極側発火部を貴金属チップの接合により形成する場合、接合のための第1合金化層の上記厚さ範囲は、溶接ビードが比較的広く形成されるレーザー溶接では実現が非常に困難であるが、逆に抵抗溶接法を採用すれば容易に実現できる。更に、Irと比較して融点の低いPtを主成分とする金属により構成しているので、抵抗溶接により問題なく接合が可能である。
【0019】
第1合金化層の厚さが0.5μm未満になると、接地電極側発火部の接合強度が不十分となり、発火部の剥離等が生じやすくなる。なお、通常の条件による抵抗溶接を採用した場合、第1合金化層は、例えば0.1μm〜1μm程度の厚さで形成されるが、抵抗溶接後に熱拡散処理等を行なうことにより、第1合金化層の厚さを100μm程度まで増加させることが可能である。しかし、100μm以上の厚さとすることは、熱処理時間が長大化して製造能率の低下を招く。
【0020】
なお、接地電極側発火部は、底面側を含む基端部を緩和金属部中に埋設することができる。接地電極側発火部の基端部を埋設することにより、発火部の接合強度を一層高めることができる。この場合、その埋設された発火部の基端部周側面を取り囲む形態で第1合金化層が形成されるが、その厚さが100μmを超えると、発火部の周囲露出領域面の周縁部が第1合金化層によって過度に食われ、周囲露出領域面の実質的な幅が減少して、電極偏消耗の防止効果が不十分となる。
【0021】
なお、本明細書において「第1合金化層」は、以下のような組成を有する領域として定義する。すなわち、発火部を形成するために溶接接合された貴金属チップのうち、溶接による組成変動の影響を受けていない部分のPt濃度をCPt4とする。また、貴金属チップが溶接される緩和金属部の、溶接による組成変動の影響を受けていない部分のPt濃度をCPt5とする。そして、緩和金属部と接地電極側発火部との間にて両者の中間のPt組成を有する領域のうち、そのPt濃度CPt6が、
0.2(CPt4−CPt5)+CPt5≦CPt6≦0.8(CPt4−CPt5)+CPt5
を満たす領域を第1合金化層とする。なお、各部のPt濃度は公知の分析方法、例えば電子線プローブ微小分析(Electron Probe
Micro Analysis:EPMA)により特定することができる。例えば、接地電極側発火部の先端面の幾何学的重心位置を通り、中心電極の軸線と平行な直線を含む平面にて、接地電極側発火部及びその周辺部を切断し、その断面上のPt濃度分布をEPMAによるライン分析あるいは面分析にて測定することにより、第1合金化層を識別することができる。
【0022】
また、上記本発明のスパークプラグにおいては、中心電極側発火部の先端面と、接地電極側発火部の先端面との間の、中心電極の軸線方向における最短距離をGとし、他方、中心電極側発火部の先端面の外周縁と、周囲露出領域面の外周縁とを最短距離にて結ぶ線分の長さをLとしたとき、
1.3G≦L≦3G ・・・・(1)
を充足している。また、中心電極の軸線と直交する平面への正射投影において、周囲露出領域面の幅をAとし、接地電極の幅をWとし、接地電極側発火部の先端面の直径をdとして、
0.15≦A≦{(W−d)/2}−0.4 (単位:mm)・・・・(2)
を充足している。
【0023】
図2に示すように、中心電極3の軸線Oの方向において、周囲露出領域面32pの外周縁32eを基準位置とすれば、上記寸法Lは、接地電極側発火部32の先端面32tの、該基準位置からの突出高さtと、周囲露出領域面32pの幅Aとによって定まる。従って、たとえAが限りなくゼロに近い値であっても、先端面32tの突出高さtを適当に設定すれば、Lを火花放電ギャップgのギャップ長に相当する寸法Gの1.3倍以上に設定することができる。しかし、これでは火花が流されて先端面32tから外れた途端に周囲露出領域面32pの外に落ちることになり、接地電極4の偏消耗を防止する効果は全く得られない。
【0024】
そこで、本発明者らが実験により検討した結果、火花がガス流により流されたとき、周囲露出領域面で火花を受けて電極の偏消耗を防止する効果は、周囲露出領域面の幅Aが0.15mm以上であることと、上記定義したGとLとが1.3G≦Lを満たすことの双方を充足したときに、特に顕著となることが判明した。
【0025】
なお、A<0.15では、本発明の偏消耗を抑制する効果が得られない。また、1.3G>Lの場合でも、偏消耗を抑制する効果が得られない。
【0026】
さらに、A>{(W−d)/2}−0.4になると、接地電極側発火部を形成するための貴金属チップのサイズが大きくなりすぎ、材料コストがかさむ他、貴金属チップそのものあるいは溶接ダレ部分、が接地電極の幅方向にはみ出したりする不具合につながる。また、L>3Gになると、先端面32tの突出高さtが大きくなりすぎるか、あるいは周囲露出領域面の幅Aが広くなりすぎるかのいずれかの状況となる。前者においては、接地電極側発火部の高さが大きくなりすぎる結果、熱引きが悪化して発火部先端の温度が過度に上昇し、電極消耗が加速されて早期にスパークプラグの寿命が尽きてしまう不具合につながる。他方、後者は、A>{(W−d)/2}−0.4となった場合と同じである。
【0027】
また、接地電極側発火部の先端面の、上記基準位置からの突出高さtは、0.3mm以上1.5mm以下であることが望ましい。該突出高さtが1.5mmを越えると、熱引きが悪化して発火部先端の温度が過度に上昇し、電極消耗が加速されて早期にスパークプラグの寿命が尽きてしまう不具合につながる。また、0.3mm未満では、発火部を突出させることによる着火性向上効果が不十分となる。なお、基準位置は、周囲露出領域面の外周縁を含む平面とする。
【0028】
また、着火性を向上させる観点においては、接地電極側発火部の先端面の、接地電極側面からの突出高さHを0.5mm以上に設定するとさらによい。この場合、接地電極側面からの突出高さHは、前記基準位置からの突出高さtが1.5mmを超えない範囲で設定される。なお、突出高さHは、接地電極側面のうち、貴金属チップの接合に伴い接地電極側発火部の周囲に形成される隆起部を除いた、平坦な面領域を基準として測定するものとする。
【0029】
接地電極側発火部の先端面の直径dは、0.3mm以上0.9mm以下であることが望ましい。該直径dが0.3mm未満になると接地電極側発火部の消耗が激しくなりすぎ、早期にスパークプラグの寿命が尽きてしまう不具合につながる。他方、直径dが0.9mmを超えると着火性向上効果が不十分となる。
【0030】
さらに、周囲露出領域面の全てが、接地電極の側面よりも中心電極側にあることが望ましい。これにより、中心電極側発火部の先端面との距離が、接地電極の側面よりも近づき、より接地電極側に飛火することがなくなり、電極の偏消耗を防止することができる。
【0031】
次に、本発明のスパークプラグの製造方法は、
中心電極の先端に固着された貴金属製の中心電極側発火部に、接地電極の側面に固着された貴金属製の接地電極側発火部を対向させることにより、それら中心電極側発火部と接地電極側発火部との間に火花放電ギャップが形成されてなり、かつ、接地電極側発火部は、火花放電ギャップ側に臨む先端面側が、接地電極に接合される底面側よりも径小とされ、かつ、先端面が接地電極の側面よりも中心電極先端面側に突出するものとされ、さらに、先端面側から接地電極側発火部を平面視したとき、該先端面の周囲を取り囲むように、接地電極側発火部の表面の一部が、接地電極の側面に露出した周囲露出領域面として視認されるスパークプラグの製造方法であって、
接地電極への接合に先立って、Ptを主成分とする貴金属素材の加工により、先端面が底面よりも径小とされた接地電極側発火部用の貴金属チップを製造するチップ製造工程と、
製造された貴金属チップを、底面側にて接地電極に重ね合わせ、先端面側から貴金属チップを平面視したときの、先端面の周囲領域をなすチップ表面に、貴金属チップと接地電極とを密着させる付勢力を選択的に付与し、その状態でそれら貴金属チップと接地電極とを抵抗溶接により接合する抵抗溶接工程と、
を含むことを特徴とする。
【0032】
特開平3−176979号公報においては、周囲露出領域面を有する接地電極側発火部を形成するために、Ir系貴金属チップの基端部を抵抗溶接時に圧縮変形させて鍔部を形成する方法を採用していた。しかし、Ir系金属の融点が高いため、接合が不十分となる上、チップを圧縮変形させることが事実上困難であり、結果的に鍔部ひいては周囲露出領域面を十分に形成できない問題があった。そこで、上記本発明の方法では、Ptを主成分とする貴金属素材の加工(例えば、ヘッダ加工等の塑性加工)により、先端面が底面よりも径小とされた接地電極側発火部用の貴金属チップを予め製造しておき、その貴金属チップを接地電極に重ねて抵抗溶接するようにした。すなわち、チップ製造段階で周囲露出領域面を十分確保できるので、抵抗溶接中にチップを変形させる必要がない。また、接地電極側発火部をIr系金属にて構成するのではなく、融点の低いPt系金属で構成するので、抵抗溶接により良好な接合状態を簡単に得ることができる。さらに、先端面の周囲領域(つまり周囲露出領域面となる部分)をなすチップ表面に、貴金属チップと接地電極とを密着させる付勢力を選択的に付与し、その状態でそれら貴金属チップと接地電極とを抵抗溶接するので、溶接時に発火部の先端面を傷つけたり変形させたりする心配がない。
【0033】
さらに、本発明のスパークプラグの製造方法は、中心電極の先端に固着された貴金属製の中心電極側発火部に、接地電極の側面に緩和金属部を介して固着された貴金属製の接地電極側発火部を対向させることにより、それら中心電極側発火部と接地電極側発火部との間に火花放電ギャップが形成されてなり、かつ、前記接地電極側発火部は、前記火花放電ギャップ側に臨む先端面が、前記緩和金属部に接合される底面よりも径小とされ、かつ、前記先端面が前記接地電極の前記側面よりも中心電極先端面側に突出するものとされ、さらに、前記先端面側から前記接地電極側発火部を平面視したとき、該先端面の周囲を取り囲むように、前記接地電極の表面の一部が前記接地電極の側面に露出した周囲露出領域面として視認されるスパークプラグの製造方法であって、
前記接地電極への接合に先立って、Ptを主成分とする貴金属素材の加工により、先端面が底面よりも径小とされた接地電極側発火部用の貴金属チップを製造するチップ製造工程と、
製造された前記貴金属チップの前記底面側に、前記接地電極の構成金属と、該接地電極側発火部の構成貴金属との中間の線膨張係数を有する緩和金属部用の第2貴金属チップを重ね合わせて、両部の構成金属成分同士が合金化した厚さ0.5μm以上100μm以下の第1合金化層を成形するように接合する接合工程と、
を含む。
【0034】
Ptを主成分とする貴金属素材の加工(例えば、ヘッダ加工等の塑性加工)により、先端面が底面よりも径小とされた接地電極側発火部用の貴金属チップを予め製造しておき、その貴金属チップを第2貴金属チップに重ねて抵抗溶接するようにした。すなわち、チップ製造段階で周囲露出領域面を十分確保できるので、抵抗溶接中にチップを変形させる必要がない。また、接地電極側発火部をIr系金属にて構成するのではなく、融点の低いPt系金属で構成するので、抵抗溶接により良好な接合状態を簡単に得ることができる。さらに、前記接地電極の構成金属と、該接地電極側発火部の構成貴金属との中間の線膨張係数を有する第2貴金属チップに接合することで、より容易に接合することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の製造方法の適用対象となるスパークプラグの実施形態1を示すものであり、図2はその要部の拡大図である。スパークプラグ100は、筒状の主体金具1、先端部21が突出するようにその主体金具1の内側に嵌め込まれた絶縁体2、先端を突出させた状態で絶縁体2の内側に設けられた中心電極3、及び主体金具1に一端が溶接等により結合されるとともに他端側が側方に曲げ返されて、その側面が中心電極3の先端部(ここでは、先端面)と対向するように配置された接地電極4等を備えている。接地電極4の側面4sには、Pt系金属からなる貴金属チップを抵抗溶接することにより、接地電極側発火部32が設けられている。また、中心電極3の先端には、Ir系金属よりなる貴金属チップをレーザー溶接することにより、中心電極側発火部31が設けられている。そして、それら接地電極側発火部32と中心電極側発火部31との間に火花放電ギャップgが形成されている。
【0036】
接地電極側発火部32は、純Ptを用いてもよいが、耐火花消耗性を向上させるため、Ptを主成分(最も含有率の高い成分)とし、副成分としてIr及びNiから選ばれる1種又は2種を合計で5〜50質量%含有するPt合金にて構成することができる。他方、中心電極側発火部31は、Irを主成分とし、また、Irの酸化揮発を抑制したり加工性を改善したりするための副成分として、Pt、Rh、Ru及びReから選ばれる1種又は2種以上を合計で3〜50質量%含有するIr合金にて構成することができる。
【0037】
絶縁体2は、例えばアルミナあるいは窒化アルミニウム等のセラミック焼結体により構成され、その内部には自身の軸方向に沿って中心電極3を嵌め込むための孔部6を有している。また、主体金具1は、低炭素鋼等の金属により筒状に形成されており、スパークプラグ100のハウジングを構成するとともに、その外周面には、プラグ100を図示しないエンジンブロックに取り付けるためのねじ部7が形成されている。
【0038】
接地電極4及び中心電極3は、少なくとも表層部をなす部分(以下、電極母材という)4m,3mがNi合金で構成されている。具体的な材質として、インコネル600(商標名)(Ni:76質量%、Cr:15.5質量%、Fe:8質量%(残部微量添加元素もしくは不純物)、インコネル601(商標名)(Ni:60.5質量%、Cr:23質量%、Fe:14質量%(残部微量添加元素もしくは不純物))を例示できる。なお、接地電極4及び中心電極3は、いずれも上記の電極母材4m,3m中に、Cu又はCu合金からなる熱伝導促進部4c,3cが埋設されている。
【0039】
図2に示すように、中心電極3の先端部3aはテーパ状に縮径され、その先端面に、貴金属チップを重ね合わせ、さらにその接合面外縁部に沿ってレーザー溶接により溶接ビードWBを形成することにより、中心電極側発火部31が形成される。
【0040】
他方、接地電極側発火部32は、接地電極4側の電極母材4mに対し、両部(接地電極側発火部32及び電極母材4m)の構成金属成分同士が合金化した合金化層40を介して接合されている。合金化層40の厚さBは0.5μm以上100μm以下である。該接地電極側発火部32は、火花放電ギャップgに臨む先端面32tが、接地電極4に接合される底面32uよりも径小とされ、該先端面32tが接地電極4の側面4sよりも火花放電ギャップg側に突出して位置している。また、図5に示すように、先端面32t側から接地電極側発火部32を平面視したとき、該先端面32tの周囲には、接地電極側発火部32の表面の一部が、接地電極4の側面4sから中心電極先端面側に露出した周囲露出領域面32pとして視認される。
【0041】
実施形態1においては、接地電極側発火部32は、底面32uを有する本体部32bと、その本体部32bの頂面32pと、該頂面32pの中央部から突出する突出部32aとを有する。そして、突出部32aの先端面32tが、中心電極側発火部31の先端面31tと対向して火花放電ギャップgを形成している。図5に示すように、本体部32bと突出部32aとは、同心的に配置された円状の平面形態を有し、頂面32pの外周縁32eと先端面32tの外周縁32kとの間に視認される円環状の領域が周囲露出領域面をなす。また、突出部32a及び本体部32bの外周面は、いずれも円筒状面である。
【0042】
次に、図2に示すように、中心電極側発火部31の先端面31tと、接地電極側発火部32の先端面32tとの間の、中心電極3の軸線O方向における最短距離(ギャップ長)をGとする。また、中心電極側発火部31の先端面31tの外周縁32jと、周囲露出領域面32pの外周縁32eとを最短距離にて結ぶ線分の長さをLとする。そして、それらGとLとの間に、
1.3G≦L≦3G ・・・・(1)
なる関係が成立している。実施形態1では、中心電極側発火部31の先端面31tと、接地電極側発火部32の先端面32tとは、軸線Oと直交する平面への正射投影において中心が略一致し、かつ互いが軸線Oと直交する平面に対して略平行に対向している。そして、距離Gは、軸線O方向に測定した面31t,32tの任意位置の面間距離として測定される。また、距離Lは、中心電極側発火部31の先端面31tと、接地電極側発火部32の本体部32bの頂面32pとをそれぞれ両端面とする円錐台の周側面の母線長さとして測定できる。
【0043】
また、中心電極3の軸線Oと直交する平面への正射投影(図5参照)において、周囲露出領域面32pの幅をAとし、接地電極4の幅をWとし、接地電極側発火部32aの先端面32tの直径をdとして、それらA,W,dの間には、
0.15≦A≦{(W−d)/2}−0.4 (単位:mm) ・・・・(2)
なる関係が成り立っている。なお、実施形態1では、本体部32bの底面32uの直径をDとしたとき、Aは(D−d)/2に等しい。なお、接地電極4の幅Wは、次のように定義する。すなわち、図1において、主体金具1の、接地電極4が接合されている端面から1mm隔たった位置にて、中心電極3の中心軸線Oと直交する平面にて切断したときの接地電極4の断面の幾何学的重心位置を通り、かつ、中心軸線Oと直交する基準方向Fを定め、中心軸線Oに関して接地電極4の接合基端部が位置しているのと反対側において、該基準方向Fと直交する投影面PPを定める。そして、図2に示すように、該投影面PPに対する正射投影において、接地電極4の、中心軸線Oと直交する向きの寸法を接地電極4の幅Wとして定める。
【0044】
なお、接地電極側発火部32の先端面32tの直径dは、0.3mm以上0.9mm以下である。また、中心電極3の軸線Oの方向において、周囲露出領域面32pの外周縁32eを基準位置としたとき、接地電極側発火部32の先端面32tは、基準位置からの突出高さtが0.3mm以上1.5mm以下とされる。また、接地電極4の側面4sからの先端面32tの突出高さHは0.5mm以上であり、また、tが1.5mmを超えることのないように定められる。以上の各数値範囲の臨界的意味に関しては、課題を解決するための手段及び作用・効果の欄にて詳しく説明済みであるから、本稿ではその説明を繰り返さない。
【0045】
また、接地電極側発火部32は、底面32u側をなす基端部が接地電極4(電極母材4m)中に埋設されている。前述の合金化層40は、その埋設された基端部周側面を取り囲む形態で形成されている。また、底面32uと電極母材4mとの間にも合金化層40が形成される。いずれの部分においても、合金化層40の厚みBは0.5μm以上100μm以下である。
【0046】
以下、実施形態1のスパークプラグ100の製造工程について説明する。図3は接地電極側発火部32の形成方法を示すものである。すなわち、工程1に示すように、接地電極側発火部32を形成するための円板状の貴金属チップ32cを、Ptを主成分とする貴金属素材、例えば貴金属線材NWの切断(あるいは板材の打抜)により用意する。そして、接地電極4への接合に先立って、工程2に示すように、上記円板状の貴金属チップ32cに対し、金型Pを用いた周知のヘッダ加工を施し、最終的な接合に用いる貴金属チップ32´(本体部32bと突出部32aとを有するもの)とする。
【0047】
上記のようにして得られた貴金属チップ32´を、工程3に示すように、底面32u側にて接地電極4(電極母材4m)の側面4sに重ね合わせる。そして、工程4に示すように、この状態で電極50,51間に挟み付けて加圧しつつ、通電発熱する。これにより、貴金属チップ32´と電極母材4mとの間で発熱し、該貴金属チップ32´が電極母材4mに食い込みつつ、電極母材4mとの間に、発熱による合金化層40が形成され、接地電極側発火部32となる。
【0048】
この抵抗溶接に際しては、先端面32t側から貴金属チップ32´を平面視したときの、先端面32tの周囲領域をなすチップ表面(周囲露出領域面となるべき部分)32pに対し、貴金属チップ32´と電極母材4mとを密着させる付勢力を選択的に付与する。この実施形態では、押圧部材50(抵抗溶接用の電極を兼ねる)において、貴金属チップ32´の位置に凹部50aを形成し、貴金属チップ32´の本体部32bの頂面32p(突出部32aの周囲領域)に押圧力を選択付加している。そして、接地電極4の反対側の面に別の支持部材(電極として機能する)51を配置して、頂面32pにて接地電極4と貴金属チップ32´とを挟圧しながら通電することにより、合金化層(抵抗溶接部)40を形成することができる。なお、周囲露出領域面32pの幅Aを0.15mm以上に確保することは、上記方法による抵抗溶接を実施する際に、押圧部材50による貴金属チップ32´の押圧代を確保する観点においても好都合であるといえる。
【0049】
次に、本発明の実施形態2について図17説明する。なお、この実施形態2のスパークプラグは、上述した実施形態1のスパークプラグ100と比較して、接地電極側発火部と接地電極との間に、緩和金属部を設けた点が主に異なる。従って、実施形態1のスパークプラグ100と異なる部分を中心に説明し、同様の部分については、説明を省略又は簡略化する。
【0050】
図17は、接地電極側発火部32と接地電極4との間に、緩和金属部41が設けられている。この緩和金属部41は、接地電極4の構成金属と、該接地電極側発火部32の構成貴金属との中間の線膨張係数を有するものであり、例えばPt−Ni合金(ただし、接地電極側発火部32よりもPt含有量が低く、Ni含有量が高いもの)が挙げられる。
【0051】
そして、接地電極側発火部32と緩和金属部41との間には、両部の構成金属成分同士が合金化した厚さBが0.5μm以上100μm以下の第1合金化層42が形成されている。このように緩和金属部41を接地電極側発火部32と接地電極4との間に介在させることで、より接地電極側発火部32の剥離が抑制される。
【0052】
次に、実施形態2のスパークプラグの製造方法について説明する。
図4は接地電極側発火部32の形成方法を示すものである。図4の工程5に示すように、緩和金属部41となるべき第2貴金属チップ41´を接地電極4の側面4sに重ね合わせて加圧しつつ、電極48,49間に挟み付けて通電加熱することにより、該第2貴金属チップ41´を電極母材4mに接合する。実施形態2では、接合強度を高めるために、第2貴金属チップ41´を電極母材4mに食い込ませながら接合を行なっている。次に、工程6に示すように、緩和金属部41を形成するための第2貴金属チップ41´に対し、接地電極側発火部32を形成するための、第2貴金属チップ41´よりも径小の貴金属チップ32´を重ね合わせて加圧しつつ通電加熱することにより、貴金属チップ32´を第2貴金属チップ41´に接合する。ここでも、貴金属チップ32´を第2貴金属チップ41´に食い込ませながら接合を行なっている。これらの工程により、工程7に示すように、第2貴金属チップ41´と貴金属チップ32´とは、それぞれ緩和金属部41及び接地電極側発火部32となる。
【0053】
以下、本発明のスパークプラグの変形例について説明する。
まず、接地電極側発火部32の形状は、図2あるいは図5に示す態様に限定されるものではなく、火花放電ギャップgに臨む先端面32tが、接地電極4に接合される底面32uよりも径小である形状であれば、この他にも種々採用しうる。例えば、図6は、周囲露出領域面をなす本体部32bの頂面32pをテーパ状面に形成した例である。また、図7及び図8は、本体部32bと突出部32aとが特に識別されない形状例であり、図7は全体を円錐台状に、図8は同じく角錐台状に構成した例である。いずれも、錐体の周側面が周囲露出領域面32pを形成する。なお、図8のように、外形線が必ずしも円状でない一般形状の周囲露出領域面32pの幅Aについては、接地電極側発火部32を平面視したときの投影図形において、以下のように定義する。すなわち、先端面32tの外周縁32kと同一の周長を有する第一の円の半径をr1とし、該第一の円と中心が共通する第二の円を、前記第一の円との間の環状領域の面積が、周囲露出領域面32pの投影面積と同一となるように定める。そして、その第二の円の半径をr2としたとき、前記した第一の円の半径r1を用いて、周囲露出領域面32pの幅Aを、
A=r2−r1 ・・・・(3)
として定義する。
【0054】
更に、実施形態2では、第2貴金属チップ41´を接地電極4の電極母材4mに抵抗溶接し、その後、貴金属チップ32´を接地電極4に接合された第2貴金属チップ41´に接合する製造方法であるが、これに限られず、図18のような製造方法でも良い。図18では、工程8にて、貴金属チップ32´に第2貴金属チップ41´を抵抗溶接等の接合方法により接合し、工程9にて、貴金属チップ32´が接合された第2貴金属チップ41´を接地電極4の電極母材4mと重ね合わせて抵抗溶接等により溶接する。そして、工程10のように、第2貴金属チップ41´が緩和金属層41に、貴金属チップ32´が接地電極側発火部32となる。こうすることにより、貴金属チップ32´が第2貴金属チップ41´からずれることなく確実に接合することができる。
【0055】
【実施例】
図1及び図2に示すスパークプラグ100の種々の試験品を以下のようにして準備した。すなわち、Pt−20質量%Ir合金により、図2に示す形状の接地電極側発火部32を、本体部32bの厚さが0.3mm、直径Dが1.5mm、突出部32aの高さtが0.1〜2.0mm、同じく先端面32tの直径dが0.3〜1.5mm、頂面(周囲露出領域面32p)の幅Aが0〜0.7mmとなるように、図3の工程1及び2に示すヘッダ加工により作製した。これを用いてインコネル600よりなる接地電極4に、図3の工程3及び4に従い抵抗溶接した。なお、抵抗溶接の条件は、通電電流値900A、加圧荷重150Nに設定した。溶接により得られた接地電極側発火部32を周辺部分とともに切断し、Pt濃度分布をEPMA面分析により測定したところ、おおむね1μm前後の厚さで合金化層が形成されていることがわかった。他方、中心電極側発火部31は、Ir−20質量%Rh合金からなる直径0.6mm、高さ0.8mmの貴金属チップを、インコネル600よりなる中心電極3の先端面にレーザー溶接することにより形成した。そして、それら接地電極4及び中心電極3を用いて、図1に示すスパークプラグ100を、火花放電ギャップgのギャップ長Gが1.1mmとなるように組立てた。
【0056】
上記スパークプラグの試験品を用いて、以下の試験を行った。
(着火性試験)
スパークプラグ試験品を、6気筒、総排気量2000ccのガソリンエンジンの1気筒に装着した。そして、燃料混合比をリーン側に推移させながら、アイドリング700rpmの条件で運転を行なうとともに、HCスパイクが3分あたり10回発生したときのA/Fの値を着火限界と判断した。
【0057】
(耐火花消耗性試験)
スパークプラグ試験品を、6気筒、総排気量2000ccのガソリンエンジンに装着し、スロットル全開状態、エンジン回転数5000rpmにて100時間連続運転を行ない、試験後の火花放電ギャップのギャップ増加量を測定した。
【0058】
(接地電極飛火率)
スパークプラグを試験用チャンバーに取り付け、チャンバー内に10m/sの流速で空気を流通させながらスパークプラグを200回、放電電圧20KVで火花放電させるとともに、飛火の様子をビデオにて高速撮影し、火花が接地電極側発火部32の周囲露出領域面32pを外れて飛火する割合(接地電極飛火率)を求めた。
【0059】
図12は、L/Gを種々に変更したとき、接地電極飛火率がどのように変化するかを示すグラフである。なお、先端面32tの直径dが0.6mm、周囲露出領域面の幅Aを0.2mmとしている。これによると、L/Gが1.3以上のとき、周囲露出領域面32pを外れて飛火する確率が十分低くなり、接地電極の偏消耗を防止する上で好都合となることがわかる。
【0060】
さらに、図19は、周囲露出領域面32pの幅Aの寸法を種々に変更したとき、接地電極飛火率がどのように変化するかを示すグラフである。なお、先端面32tの直径dが0.6mm、Lを1.9Gとする。これによると、周囲露出領域面32pの幅Aが0.15mm以上のとき、周囲露出領域面32pから外れて飛火する確率が十分低くなり、接地電極の偏消耗を防止する上で好都合となることができる。
【0061】
図9は、接地電極側発火部32の先端面32tの直径dにより、着火限界空燃比がどのように変化するかを示すグラフである。なお、周囲露出領域面の幅Aを0.2mm、先端面32tの突出高さ0.8mm、L≧1.3Gとする。これによると、先端面32tの直径dが0.9mmを超えると限界空燃比がリッチ側に移行し、着火性が低下していることがわかる。また、図10は、先端面32tの突出高さtにより、着火限界空燃比がどのように変化するかを示すグラフである。なお、先端面32tの直径dが0.6mm、周囲露出領域面の幅Aを0.2mm、L≧1.3Gとしている。これによると、先端面32tの突出高さtが1.5mmを越えると、ギャップ増加量が急激に大きくなっており、耐火花消耗性が十分に確保できないことがわかる。さらに、図11は、突出高さtにより、ギャップ増加量がどのように変化するかを示すグラフである。なお、先端面32tの直径dが0.6mm、周囲露出領域面の幅Aを0.2mm、L≧1.3Gとしている。これによると、突出高さt0.3mm未満になると限界空燃比がリッチ側に移行し、着火性が低下していることがわかる。
【0062】
さらに、図16は、耐火花消耗性試験において、接地電極側発火部32の先端面32tの直径dによりギャップ増加量がどのように変化するかを示すグラフである。なお、周囲露出領域面の幅Aを0.2mm、先端面32tの突出高さ0.8mm、L≦1.3Gとしている。これによると、先端面32tの直径dが0.3mm未満になると、ギャップ増加量が急激に大きくなっており、耐火花消耗性が十分確保できていないことがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1のスパークプラグ100のを示す側面断面図。
【図2】図1の要部を示す正面拡大図。
【図3】図1の実施形態1のスパークプラグ100の製造工程を示す説明図。
【図4】本発明の実施形態2のスパークプラグ200の製造工程を示す説明図。。
【図5】図2の要部をさらに拡大して示す平面図及び側面図。
【図6】図5の第一変形例を示す平面図及び側面図。
【図7】図5の第二変形例を示す平面図及び側面図。
【図8】図5の第三変形例を示す平面図及び側面図。
【図9】本発明の効果確認実験の第一の結果を示すグラフ。
【図10】同じく第二の結果を示すグラフ。
【図11】同じく第三の結果を示すグラフ。
【図12】同じく第四の結果を示すグラフ。
【図13】従来のスパークプラグの問題点を示す第一の図。
【図14】同じく第二の図。
【図15】同じく第三の図。
【図16】本発明の効果確認実験の第五の結果を示すグラフ。
【図17】本発明の実施形態2のスパークプラグの要部を示す正面拡大図
【図18】本発明のスパークプラグの変形例の製造工程を示す説明図
【図19】本発明の効果確認実験の第六の結果を示すグラフ。
【符号の説明】
3 中心電極
4 接地電極
4s 側面
4m 電極母材
31 中心電極側発火部
32 接地電極側発火部
32t 先端面
32u 底面
32p 周囲露出領域面
g 火花放電ギャップ
40 合金化層
41 緩和金属部
100 スパークプラグ
Claims (8)
- 中心電極の先端に固着された貴金属製の中心電極側発火部に、接地電極の側面に固着された貴金属製の接地電極側発火部を対向させることにより、それら中心電極側発火部と接地電極側発火部との間に火花放電ギャップが形成されてなり、
前記接地電極側発火部はPtを主成分とする貴金属からなり、前記接地電極に対し、両部の構成金属成分同士が合金化した厚さ0.5μm以上100μm以下の合金化層を介して接合されており、
また、前記接地電極側発火部は前記火花放電ギャップに臨む先端面が、前記接地電極に固着された底面よりも径小とされ、かつ、前記先端面が前記接地電極の前記側面よりも中心電極先端側に突出するものとされ、さらに、前記先端面側から前記接地電極側発火部を平面視したとき、該先端面の周囲を取り囲むように、前記接地電極側発火部の表面の一部が前記接地電極の側面に露出した周囲露出領域面として視認され、
前記中心電極側発火部の先端面と、前記接地電極側発火部の先端面との間の、前記中心電極の軸線方向における最短距離をGとし、他方、前記中心電極側発火部の前記先端面の外周縁と、前記周囲露出領域面の外周縁とを最短距離にて結ぶ線分の長さをLとしたとき、
1.3G≦L≦3G
を充足し、
かつ、前記中心電極の軸線と直交する平面への正射投影において、前記周囲露出領域面の幅をAとし、前記接地電極の幅をWとし、前記接地電極側発火部の先端面の直径をdとして、
0.15≦A≦{(W−d)/2}−0.4 (単位:mm)
を充足することを特徴とするスパークプラグ。 - 中心電極の先端に固着された貴金属製の中心電極側発火部に、接地電極の側面に緩和金属部を介して固着された貴金属製の接地電極側発火部を対向させることにより、それら中心電極側発火部と接地電極側発火部との間に火花放電ギャップが形成されてなり、
前記接地電極側発火部はPtを主成分とする貴金属からなり、かつ、前記緩和金属部は、前記接地電極の構成金属と、該接地電極側発火部の構成貴金属との中間の線膨張係数を有する金属からなり、
前記接地電極側発火部と前記緩和金属部との間には、両部の構成金属成分同士が合金化した厚さ0.5μm以上100μm以下の第1合金化層が形成されてなり、
また、前記接地電極側発火部は前記火花放電ギャップに臨む先端面が、前記緩和金属部に固着された底面よりも径小とされ、かつ、前記先端面が前記接地電極の前記側面よりも中心電極先端側に突出するものとされ、さらに、前記先端面側から前記接地電極側発火部を平面視したとき、該先端面の周囲を取り囲むように、前記接地電極側発火部の表面の一部が前記接地電極の側面に露出した周囲露出領域面として視認され、
前記中心電極側発火部の先端面と、前記接地電極側発火部の先端面との間の、前記中心電極の軸線方向における最短距離をGとし、他方、前記中心電極側発火部の前記先端面の外周縁と、前記周囲露出領域面の外周縁とを最短距離にて結ぶ線分の長さをLとしたとき、
1.3G≦L≦3G
を充足し、
かつ、前記中心電極の軸線と直交する平面への正射投影において、前記周囲露出領域面の幅をAとし、前記接地電極の幅をWとし、前記接地電極側発火部の先端面の直径をdとして、
0.15≦A≦{(W−d)/2}−0.4 (単位:mm)
を充足することを特徴とするスパークプラグ。 - 前記接地電極側発火部の前記先端面の直径dが0.3mm以上0.9mm以下である請求項1又は2に記載のスパークプラグ。
- 前記中心電極の軸線の方向において、前記周囲露出領域面の外周縁を基準位置としたとき、前記接地電極側発火部の前記先端面は、前記基準位置からの中心電極先端面側への突出高さtが0.3mm以上1.5mm以下である請求項1ないし3のいずれか1項に記載のスパークプラグ。
- 前記周囲露出領域面の全てが、前記接地電極の側面よりも前記中心電極側にある請求項1ないし4のいずれか1項に記載のスパークプラグ。
- 中心電極の先端に固着された貴金属製の中心電極側発火部に、接地電極の側面に固着された貴金属製の接地電極側発火部を対向させることにより、それら中心電極側発火部と接地電極側発火部との間に火花放電ギャップが形成されてなり、かつ、前記接地電極側発火部は、前記火花放電ギャップ側に臨む先端面が、前記接地電極に接合される底面よりも径小とされ、かつ、前記先端面が前記接地電極の前記側面よりも中心電極先端面側に突出するものとされ、さらに、前記先端面側から前記接地電極側発火部を平面視したとき、該先端面の周囲を取り囲むように、前記接地電極側発火部の表面の一部が前記接地電極の側面に露出した周囲露出領域面として視認されるスパークプラグの製造方法であって、
前記接地電極への接合に先立って、Ptを主成分とする貴金属素材の加工により、先端面が底面よりも径小とされた接地電極側発火部用の貴金属チップを製造するチップ製造工程と、
製造された前記貴金属チップを、前記底面側にて接地電極に重ね合わせ、前記先端面側から前記貴金属チップを平面視したときの、前記先端面の周囲領域をなすチップ表面に、前記貴金属チップと前記接地電極とを密着させる付勢力を選択的に付与し、その状態でそれら貴金属チップと接地電極とを抵抗溶接により接合する抵抗溶接工程と、
を含むことを特徴とするスパークプラグの製造方法。 - 中心電極の先端に固着された貴金属製の中心電極側発火部に、接地電極の側面に緩和金属部を介して固着された貴金属製の接地電極側発火部を対向させることにより、それら中心電極側発火部と接地電極側発火部との間に火花放電ギャップが形成されてなり、かつ、前記接地電極側発火部は、前記火花放電ギャップ側に臨む先端面が、前記緩和金属部に接合される底面よりも径小とされ、かつ、前記先端面が前記接地電極の前記側面よりも中心電極先端面側に突出するものとされ、さらに、前記先端面側から前記接地電極側発火部を平面視したとき、該先端面の周囲を取り囲むように、前記接地電極側発火部の表面の一部が前記接地電極の側面に露出した周囲露出領域面として視認されるスパークプラグの製造方法であって、
前記接地電極への接合に先立って、Ptを主成分とする貴金属素材の加工により、先端面が底面よりも径小とされた接地電極側発火部用の貴金属チップを製造するチップ製造工程と、
製造された前記貴金属チップの前記底面側に、前記接地電極の構成金属と、該接地電極側発火部の構成貴金属との中間の線膨張係数を有する緩和金属部用の第2貴金属チップを重ね合わせて、両部の構成金属成分同士が合金化した厚さ0.5μm以上100μm以下の第1合金化層を成形するように接合する接合工程と、
を含むことを特徴とするスパークプラグの製造方法。 - 前記第2貴金属チップは、前記貴金属チップとの接合工程の前に、前記接地電極に重ね合わせ、前記第2貴金属チップと前記接地電極とを密着させる付勢力を選択的に付与し、その状態でそれら貴金属チップと接地電極とを抵抗溶接により接合する抵抗溶接工程を更に含むことを特徴とする請求項7に記載のスパークプラグの製造方法。
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