JP4614207B2 - スパークプラグ - Google Patents

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Description

本発明は、中心電極の先端部及び接地電極の先端部のそれぞれに貴金属チップが溶接されて火花放電間隙を形成したスパークプラグに関するものである。
スパークプラグは自動車等のエンジンに取り付けられ、その運転の際に燃料と空気の混合気に着火を行う点火装置として利用されている。このようなスパークプラグは、外周に機関取り付け用の雄ネジが周設された主体金具の内周に、中心電極を保持した絶縁碍子が固定されており、主体金具の先端部には接地電極が接合され、中心電極と接地電極の互いの先端部が火花放電間隙を形成する構造を備えるものが一般的に存在する。
エンジンの燃焼は、スパークプラグの着火性能が多分に起因し、長期間に亘ってその着火性能を維持すべく、中心電極と接地電極のそれぞれの先端部に耐火花消耗性や耐酸化消耗性に優れるイリジウム(Ir)合金や白金(Pt)合金等の貴金属チップが溶接されたものがある。
例えば、特許文献1においては、中心電極及び接地電極のそれぞれの先端部にイリジウム合金製のチップを溶接し、耐消耗性に優れたスパークプラグを実現している。
特開2002−184551号公報(図20、25、26)
しかしながら、貴金属チップ自身が耐消耗性に優れるとしても貴金属チップを備えるスパークプラグが必ずしも耐消耗性に優れ、長寿命化を実現するものとはならないことがある。このように長寿命化を実現できないスパークプラグとしては、火花放電が所期の箇所にて行われないために、中心電極や接地電極(以後、母材と称する。)から貴金属チップが脱落してしまうことが考えられる。この貴金属チップの脱落は、貴金属チップを母材と接合している溶融部に火花放電が集中し、この溶融部の異常消耗によって貴金属チップが脱落してしまう、という一つの要因を本発明者らは見いだした。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであって、貴金属チップと母材を接合する溶融部の異常消耗を回避し、貴金属チップの脱落等の不具合が生じにくいスパークプラグを提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明の請求項1に係るスパークプラグは、
柱状の中心電極と、前記中心電極の後端側を収納する絶縁体と、前記絶縁体を収納する主体金具と、一端側が前記主体金具の先端部に接合された接地電極と、前記中心電極の軸線方向先端部または前記接地電極の他端側のうちの一方に第1溶融部を介して接合された第1貴金属チップと、前記中心電極の先端部または前記接地電極の他端側のうちの他方に第2溶融部を介して接合され、前記第1貴金属チップとの間に火花放電間隙を形成する第2貴金属チップとを備えるスパークプラグであって、
前記第1溶融部を前記第1貴金属チップの軸線方向と直交する仮想平面上に投影したときの投影面積Sは、前記第2溶融部を前記第2貴金属チップの軸線方向と直交する仮想平面上に投影したときの投影面積Sよりも大きく、前記第1貴金属チップの前記第1溶融部からの露出長さLは、前記第2貴金属チップの前記第2溶融部からの露出長さLよりも大きいことを特徴とする。
また、請求項2に係るスパークプラグは、
前記第1貴金属チップは、前記接地電極の他端側に接合されていることを特徴とする。
また、請求項3に係るスパークプラグは、
前記第1及び第2溶融部はレーザ溶接によって形成されていることを特徴とする。
また、請求項4に係るスパークプラグは、
前記中心電極の先端部は軸線方向先端向きに縮径したテーパを形成していることを特徴とする。
本発明のスパークプラグは、中心電極及び接地電極のそれぞれの先端には貴金属チップが溶接されている。貴金属チップはそれぞれの電極の母材にその母材と貴金属とが溶け合った溶融部を介して固着されているので、母材、溶融部、貴金属チップが剥き出しとなった部分、が隣接する構成となっている。このとき、中心電極側及び接地電極側の各貴金属チップの溶融部をそれぞれの貴金属チップの軸線と垂直な仮想平面上に投影したときの面積(以後、単に投影面積と称する。)が大きくなる(S)側の貴金属チップの露出した部分の長さ(以後露出長と称する。)Lが、投影面積が小さくなる(S)側の露出長Lよりも大きくなる構成である。すなわち、中心電極側と接地電極側とを比較して溶融部の投影面積が大きい方を第1貴金属チップの投影面積Sと呼称し、小さい方を第2貴金属チップの投影面積Sと呼称している。この構成とすることによって、溶融部への火花放電の発生頻度を抑制することが可能となる。
また請求項2に規定するように、溶融部の投影面積、及び貴金属チップの露出長が共に大きくなる、すなわち第1貴金属チップが接地電極側であることが特に有効であることを規定している。
以下、この理由を説明する。
本発明のスパークプラグは、図1(a)に示す如く、中心電極3と接地電極4のそれぞれの先端部に貴金属チップ33、43が溶接されている。両電極の母材に溶接された貴金属チップ33、43のそれぞれが自身を火花放電電極として互いの間隙に火花放電間隙Gを形成している。この貴金属チップ33、43はそれぞれの貴金属チップ33、43の軸線Oに垂直な方向からみると、貴金属チップ33、43が露出した部分、貴金属チップ33、43と母材とが溶接の際に溶け込みあった溶融部34、44、及び母材がこの順に隣接した状態となっている。この露出した部分の貴金属チップ33、43のそれぞれの露出長をLとする。なお、この説明図1においては便宜上、接地電極4側の露出長が長い状態を示し、その露出長をLと称し、中心電極3側の露出長が短く、その露出長をLと称している。なお、本図1(a)においては、貴金属チップ33、43の軸線は同軸となっており、軸線Oとして記載している。
また、それぞれの対向した貴金属チップ33、43が溶接された側、換言すれば、中心電極3側にあっては先端側から(図1矢視方向A)、接地電極4側にあっては接地電極から突出する形で貴金属チップ43が溶接され、突出した側から(図1矢視方向B)みると、この溶融部は略環状をなしている(図1(b))。貴金属チップの軸線方向と直交する仮想平面上に投影したときの投影面積とは、矢視方向A、Bからみた状態でのそれぞれの溶融部34、44の面積を意味しており、その面積をSとする。なお、前記露出長Lの場合と同様に、接地電極4側の溶融部44の投影面積が大きい状態を示し、その面積をSと称し、中心電極3側の投影面積を小さく、その面積をSと称している。
さて、この前提の基に、拡大図図2(a)と図2(b)に示したものとの比較を行う。なお、図2(a)を本発明を想定した図面、図2(b)を比較例の図面として記載している。図2(a)、(b)に示した中心電極3は共に同一の形状をしたものであり、その溶融部34の投影面積はS、露出長はLである。図2(a)に示した接地電極4は、共に中心電極3側の溶融部34に比較して接地電極4側の溶融部44の方がその投影面積が大きく(S)なっており、露出長も中心電極3側に比較して長く(L)なっているものである。一方、図2(b)に示した接地電極4´は接地電極母材41´に中心電極3側と同一形状の溶融部44´によって貴金属チップ43´が接合されている。、即ち溶融部44´の投影面積はSであり、その露出長はLとなっている。なお、火花放電間隙Gは(a)、(b)共に同じ間隔である。
ところで、火花放電は間隙の小さいところ、即ち電界の強くなるところにおいて行われることが一般的には知られている。しかしその一方では、火花放電の全てが上記のように間隙の小さいところで発生するわけではなく、貴金属チップと電極の母材との溶融部に優先的に放電する現象を発明者は経験的に確認している。この現象の原理は定かではないが、溶融部はNiを主成分とした母材と貴金属とが互いに溶融して混ざり合っているため、貴金属チップに比較して仕事関数が小さく、この部分には火花放電が起こりやすいと考えられている。
上記の現象を勘案すれば、たとえ同条件下(即ち、各火花放電間隙に印加された電圧、電流、火花放電間隙、及び雰囲気等)にて図2(a)と(b)のスパークプラグを火花放電させたとしても、溶融部44、44´の端部が対向する電極(中心電極3)に近い構成である(b)の方が(a)に比較して溶融部44´における火花放電の発生頻度は高くなり、その結果として溶融部44´の消耗は早くなる。この傾向は露出長が短くなればなるほどより顕著なものとなる。これに対して、(a)は接地電極4側の露出長が中心電極3側の露出長(L)と同じ長さ(L)であった(b)に比較して、溶融部44の端部が対向する電極(中心電極3)から遠ざかるため、溶融部44への火花放電の発生頻度を低減することができ、結果として溶融部44の火花消耗を抑制することが可能となる。したがって、貴金属チップの脱落等の不具合を抑制したスパークプラグが実現できる。
次により望ましい形態である請求項2に係る発明について説明する。
前述の通り、スパークプラグの接地電極では、その貴金属チップの先端部において最も電界が集中し、この耐火花消耗性に優れる部分において火花放電を発生させることによってその寿命の長期化を実現している。ところで、接地電極はその形状のため、エッジ部分(図1(a) E)にも電界が集中する傾向がみられる。したがって、中心電極の先端部から発する火花放電は、その放電間隙の距離が短い接地電極4の貴金属43チップの先端部に向かって行われる一方、上記エッジ部分Eによる電界の集中のため、一部の火花放電はエッジ部分Eに向かって行われようとする。しかしながら、中心電極の先端部と接地電極のエッジ部分Eとの間で火花放電が連続して行われる程、距離が短くはないため、その放電がエッジ部分で持続すること少ない。さらに前述の通り、貴金属チップ43よりも仕事関数が小さく火花放電が発生しやすい溶融部44がエッジ部分Eよりも近くに存在するため、溶融部44にて火花放電が行われてしまうという現象が発生する。
これを回避するために、露出長が長く(L)投影面積が大きい(S)溶融部を接地電極側に備えるようにし、対向する電極(中心電極3)から溶融部44の端部を遠ざけたため、接地電極側にて頻発する溶融部への火花放電を減少できる。したがって、チップ脱落等の諸問題を解決することが可能となり、スパークプラグの長寿命化を実現することが可能となる。このようなスパークプラグは貴金属チップと母材との接合をレーザ溶接で行うとよい。レーザ溶接によって形成された溶融部は略台形形状を形成するため、上記効果をより一層高めることが可能となる。
ところで、この現象は中心電極3側においても同様の考察を行うことが可能である。しかし、接地電極4の母材において電界集中するエッジ部分Eは中心電極3においては図1(a)に示すエッジ部分E´に相当し、エッジ部分E、E´のそれぞれがなす角を考慮すると、中心電極3側は接地電極4側に比較して電界が集中しにくい。したがって、前述の通り、接地電極4側の溶融部44の投影面積が大きいときに、接地電極4側の貴金属チップ43の露出長を大きくするとよい。これはエッジ部分の電界集中を考慮した結果である。逆説的には、両電極のエッジ部分を比較したときに、エッジ部分のなす角の小さい方の投影面積及び露出長を大とするとよく、中心電極の先端部が先細りとなるテーパを形成しているとよい、と言える。
以下、本発明の実施形態について図3〜図5を参照して説明する。
本実施の形態のスパークプラグ100は、その全体図を図3に示したように、アルミナセラミックからなる絶縁体1と、その脚部11の先端がエンジンヘッド(図示外)等に取り付けるためのネジ部21の先端21fから突出するようにして、その周囲を取り囲む筒状の主体金具2とを有する。絶縁体の後端部には外部からの電源が供給される端子電極5が設けられている。
絶縁体1は略筒状の形態であって、その軸線Oに沿って軸孔12が形成されている。中心電極3は自身の先端部3fを絶縁体1の先端面1fより突出させ、後端部3rを絶縁体1の軸孔12の内部に固定保持されるようにしている。この中心電極3の母材31は、インコネル600(登録商標)等のNi系の耐熱合金からなる。さらにこの中心電極母材31の内部には例えば銅合金のような良熱伝導体32が埋設されており、先端部3fからの熱を効率よく後端部3r側へ伝導し、絶縁体1、主体金具2等を介してエンジンヘッドへ放熱して、中心電極3の先端部3fの冷却を促す役目を果たしている。また、中心電極3の先端部3fには例えばPt−Ir合金の貴金属チップ33が溶接されている。この貴金属チップ33は中心電極母材31と当接した部分にレーザや電子ビームが全周から照射され、中心電極母材31と貴金属チップ33の溶け合った溶融部34を形成し固定されている。
主体金具2においては、ネジ部21の先端面に断面略矩形をした柱状の接地電極4が固着されている。この接地電極4は自身の基端側4rが主体金具2の先端面に溶接され、先端側4fは中心電極3に向かって略L字状に屈曲させられている。この接地電極4は接地電極母材41を有し、例えばインコネル600等のNi系耐熱合金からなる。中心電極3同様に、接地電極母材41の内部に銅等の良熱伝導体を埋設した構造であってもよい(図示しない)。この接地電極4の先端側4fはその一側面42が中心電極3の先端部3fに溶接された貴金属チップ33に対向するように屈曲され、その側面42には中心電極3側の貴金属チップ33と軸心を同じくするように貴金属チップ43が溶接されている。この貴金属チップ43は例えばPt−Ni合金からなり、中心電極3側同様、貴金属チップ43と接地電極4の側面42とが当接した部分にレーザや電子ビーム等が全周から照射され、接地電極母材41と貴金属チップ43とが溶け合った溶融部44を形成して固定されている。
この中心電極3と接地電極4との位置関係は、それぞれに溶接された貴金属チップ33、43の互いの対向した間隙を火花放電間隙Gとしている。
ここで各電極(中心電極3、接地電極4)に接合された貴金属チップ33、43の接合状態について詳述する。
中心電極3側の先端部3fを全周から観察し、その一側面の拡大図を図4(a)に示す。中心電極3は先端に向かうにしたがって縮径するテーパが形成され、さらにその先端側は溶接の際に形成された溶融部34がやはり略テーパ状に縮径して形成されている。この溶融部34によって貴金属チップ33は中心電極母材31に接合されている。この図4(a)に示すとおり、貴金属チップ33は溶融部に覆われていない露出部35を有している。この溶融部34と露出部35との界面は溶接跡(例えばレーザ溶接跡)があるため、直線状の界面とはなっていない場合がある。そこで、露出部35のうち、貴金属チップ33の先端面33fからチップ軸線方向に沿った最小の距離をLC−minとする。同様に、先端面33fからの最大の距離をLC−maxとする。この最小距離LC−minと最大距離LC−maxとの和を2で割った値が露出部35の長さ、即ち露出長Lに相当する。このようにして露出部35の露出長Lは決定される。
次に、中心電極3側の先端部3fを軸線O方向先端側から観察した図を図4(b)に示す。この図4(b)に示したように、軸線O方向にみた2次元表示による溶融部34の面積が本発明の投影面積である。この面積の測定は、例えばデジタルカメラ等で撮影した画像を市販されている画像処理ソフト等を用いて、2値化処理等を行えばその溶融部34の投影面積Sは容易に測定可能である。
接地電極4の貴金属チップ43については図4(c)、(d)に示す。上記中心電極3側の説明におけるLC−min、LC−maxを、接地電極4側の説明図図4(c)においてはLE−min、LE−maxと置き換えることにより露出長を、また、中心電極3側の溶融部の投影面積Sと同様の手法により接地電極4側の溶融部の投影面積Sを考えることが可能であるため説明を省略する。このようにして、接地電極4側の貴金属チップ43の露出長L及び溶融部面積Sは決定される。
これら貴金属チップ33、43は公知の手法により形成すればよい。例えば、原料となる貴金属等の粉末を所期の重量比率で配合し、これを溶解して合金インゴットとする。この溶解方法としては、アーク溶解やプラズマビーム溶解、高周波誘導溶解等を採用することができる。また、合金組成内の偏析を低減させるため、合金溶液を水冷鋳造型に鋳込んで急冷インゴットを形成するとよい。また、貴金属等の粉末を圧粉し焼結してもよい。その後、熱間鍛造、熱間圧延、熱間伸線などの処理により合金インゴットを線状に加工し、切断して形成する。このように製造した貴金属チップを本実施の形態ではφ0.55mmのものを使用している。なお本発明は、接地電極側の貴金属チップの外径が中心電極側の貴金属チップの外径をΦとしたときに1.3Φ以下の範囲にあるとき、より効果的に接地電極側の溶融部への火花放電が抑制されることを確認している。具体例を例示すると、中心電極側の溶融部の投影面積は貴金属チップの直径をφ0.4〜0.7mmとしたときに0.12〜0.65mmとするとよく、且つ接地電極側については貴金属チップの直径をφ0.4〜0.91mmとしたときに0.44〜2.85mmとするとよい。また、このときの露出長については中心電極側を0.4〜0.8mmとしたときに接地電極側を0.5〜1.0mmとするとよい。もっとも、後述する理由により露出長を上記範囲内に収めるとともに接地電極側の露出長を中心電極側の露出長に比較して大きくなるようにする方が好ましい。
このように構成されたスパークプラグは、溶融部と露出部からなる中心電極側と接地電極側との各放電電極を比較して、一方を基準とした場合に、他方の形状をその基準よりも投影面積が大きいときに貴金属チップの露出長を長くしたので、その溶融部への火花放電の発生頻度を低減させることが可能である。また、上記形態では、特に接地電極側の溶融部が中心電極側の溶融部に比較して大きい場合に、接地電極側の貴金属チップの露出長を中心電極側の貴金属チップの露出長に比較して大きくした。これにより、エッジ効果による電界集中のため火花放電が発生しやすい箇所が溶融部となる接地電極に対し、その溶融部を対向する中心電極から遠ざけた構成が備わるようにしたので特に有効である。
なお、図5(a)に示すように、接地電極4Aの形状は先端に向かって先細りとなるテーパ形状であってもよい。また、中心電極側に細くなるテーパ形状であってもよい。特にこのようなテーパを備える場合には、貴金属チップ43Aの溶接の際に、エッジ部分までレーザ、ビーム等によって溶融することもあるが(図5(b)参照)、このような場合においてもエッジ効果は発生するため、本発明は有効である。即ち、接地電極側のエッジ効果が発生する箇所(図1(a) E)と中心電極側のエッジ効果が発生する箇所(図1(a) E´)を比較して、そのエッジ効果が大きく発生する方の電極の溶融部が大きいときに、その貴金属チップの露出長を他方に比較して長くすることが本発明の主眼である。簡易的には、エッジ部分のなす角が中心電極側と比較して接地電極側の方が小さければよいが、エッジ部分が例えばR面取りや前述の溶融等によってその角の測定が容易でない場合は、中心電極側と接地電極側のエッジ部分に相当する箇所をシミュレータ等により電界強度を比較すればよい。一般的に、電界強度はエッジ部分のなす角が小さい方が大きい傾向が見られるためである。
また、本実施の形態においては、溶融部は略円環状の形状での説明をしているが、溶融部の形状はこれに限定されるものではなく、周囲からレーザが照射された跡が残った、所謂星型のような形状であってもよい。
また、特に接地電極側の貴金属チップの軸線は必ずしもスパークプラグの軸線と一致している必要は無く、軸線をずらした構成としていてもよいが、上記本実施の形態のように、軸線を同軸状に一致させた方がより好ましいことは言うまでもない。
スパークプラグ100の先端部の拡大図である。 スパークプラグ100の先端部拡大図を示し、本発明の理論説明図である。 スパークプラグ100の部分断面図である。 貴金属チップ33、43の露出長及び投影面積の測定部位を示す図である。 本発明の変形例を示す図である。
符号の説明
1 絶縁体
2 主体金具
3 中心電極
4 接地電極
5 端子電極
33 (中心電極側)貴金属チップ
34 (中心電極側)溶融部
43 (接地電極側)貴金属チップ
44 (接地電極側)溶融部
100 スパークプラグ

Claims (5)

  1. 柱状の中心電極と、
    前記中心電極の後端側を収納する絶縁体と、
    前記絶縁体を収納する主体金具と、
    一端側が前記主体金具の先端部に接合された接地電極と、
    前記中心電極の軸線方向先端部または前記接地電極の他端側のうちの一方に第1溶融部を介して接合された第1貴金属チップと、
    前記中心電極の先端部または前記接地電極の他端側のうちの他方に第2溶融部を介して接合され、前記第1貴金属チップとの間に火花放電間隙を形成する第2貴金属チップと、
    を備えるスパークプラグであって、
    前記第1溶融部を前記第1貴金属チップの軸線方向と直交する仮想平面上に投影したときの投影面積Sは、前記第2溶融部を前記第2貴金属チップの軸線方向と直交する仮想平面上に投影したときの投影面積Sよりも大きく、
    前記第1貴金属チップの前記第1溶融部からの露出長さLは、前記第2貴金属チップの前記第2溶融部からの露出長さLよりも大きいことを特徴とするスパークプラグ。
  2. 前記第1貴金属チップは、前記接地電極の他端側に接合されていることを特徴とする請求項1に記載のスパークプラグ。
  3. 前記第1及び第2溶融部はレーザ溶接によって形成された溶融部であることを特徴とする請求項1又は2に記載のスパークプラグ。
  4. 前記中心電極の先端部は軸線方向先端向きに縮径したテーパを形成していることを特徴とする請求項1乃至3に記載のスパークプラグ。
  5. 前記第2貴金属チップの直径をφ0.4〜0.7mm、その投影面積Sを0.12〜0.65mmとすると共に前記第1貴金属チップの直径をφ0.4〜0.91mm、その投影面積Sを0.44〜2.85mmとすることを特徴とする請求項2記載のスパークプラグ。
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