JP2004207219A - スパークプラグ - Google Patents

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斉 森田
Shinichi Okabe
伸一 岡部
Masamichi Shibata
正道 柴田
Madoka Boriko
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Abstract

【課題】 スパークプラグにおいて、放電電圧を適切に低下させてスパークプラグの小型化に適した構成を提供する。
【解決手段】 筒状の主体金具10と、この主体金具10の内部に収納保持された絶縁碍子20と、先端部が絶縁碍子20から露出した形で絶縁碍子20に収納保持された中心電極30と、主体金具10に取り付けられて中心電極30の先端部と放電ギャップ50を介して対向して配置された接地電極40とを備えるスパークプラグにおいて、中心電極30の先端部は、円錐状の円錐部31の先端に円柱状の円柱部32が形成された形状をなしており、円柱部32の径φ1が0.4mm以上0.8mm以下(断面積にすると0.12mm2以上0.51mm2以下)であり、円錐部31のテーパ角度θ1が20°以上80°未満である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、スパークプラグに関し、特に中心電極の先端部構成に関する。
一般にスパークプラグは、筒状の主体金具と、この主体金具の内部に収納保持された絶縁碍子と、先端部が絶縁碍子から露出した形で絶縁碍子に収納保持された中心電極と、主体金具に取り付けられて中心電極の先端部と放電ギャップを介して対向して配置された接地電極とを備える。
このようなスパークプラグにおいては、中心電極と接地電極との間に電圧を印加することによって、放電ギャップにて火花を飛ばすのであるが、この放電電圧が高電圧であるほど電極の消耗が早くなる。この電極の消耗を抑制するためには、放電電圧の低下が有効である。
また、昨今、エンジンの限られた燃焼空間を有効に活用するために、スパークプラグおよびこれに電圧を供給するための点火コイルの小型化が要望されている。
しかし、スパークプラグを小型化することは、形状的に中心電極を囲む絶縁碍子を薄くすることになり、高い放電電圧に耐えることが困難になってくる。そのため、スパークプラグの小型化に伴い、点火時の放電電圧をより低く抑える必要がある。
従来より、放電電圧を低下させる手法として、中心電極の先端部を構成する円柱チップの径を細くして、この先端部に電界を集中させる方法が知られている。
しかし、あまりチップを細くしても、例えばチップ径を0.4mmよりも細くしても、それに見合っただけの放電電圧低減の効果を得ることはできず、チップの細径化には限界がある。
これに対して、従来では、放電電圧を低減する目的で、中心電極の先端部に径小部を有し、この径小部と中心電極胴部との間に中心電極の軸に向かって凹状となるテーパ面を形成した構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平1−109675号公報
しかしながら、上記した凹状のテーパ面を有する中心電極の先端部構成では、凹状部分の加工が困難であり、寸法のばらつきがある等の問題が生じる。
また、この凹状のテーパ面を有する中心電極の先端部構成において、径小部の先端からテーパ面との連結部までの長さ、すなわち実質的に径小部の長さを、より大きくすれば放電電圧が更に低下することが提案されている。
しかし、当該長さをあまり大きくする(例えば1.3mmよりも大きくする)と、径小部の先端温度が高くなりすぎて電極の消耗が早くなるという問題が生じる。
そこで、本発明は上記問題に鑑み、スパークプラグにおいて、放電電圧を適切に低下させてスパークプラグの小型化に適した構成を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明者らは、中心電極の先端部が、円錐状の円錐部とこの円錐部の先端に円錐部の先端よりも径小である円柱状の円柱部が形成された形状をなすものにおいて、円錐部のテーパ角度および円柱部の長さを種々変えて実験検討を行った。本発明は、この検討結果に基づき、実験的に創出されたものである。
すなわち、請求項1に記載の発明では、筒状の主体金具(10)と、この主体金具の内部に収納保持された絶縁碍子(20)と、先端部が絶縁碍子から露出した形で絶縁碍子に収納保持された中心電極(30)と、主体金具に取り付けられて中心電極の先端部と放電ギャップ(50)を介して対向して配置された接地電極(40)とを備えるスパークプラグにおいて、中心電極の先端部は、円錐状の円錐部(31)の先端に円柱状の円柱部(32)が形成された形状をなしており、円柱部の径(φ1)が0.4mm以上0.8mm以下(断面積にすると0.12mm2以上0.51mm2以下)であり、円錐部のテーパ角度(θ1)が80°未満であることを特徴とする。
それによれば、中心電極の先端部を、円錐状の円錐部の先端に円柱状の円柱部が形成された形状をなすものとしているため、中心電極胴部と径小部である円柱部との間を結ぶテーパ面は、そのテーパ形状が直線状である錐面となる。そのため、そのテーパ面の加工は容易なものになる。
そして、円柱部の径を0.4mm以上0.8mm以下(断面積にすると0.12mm2以上0.51mm2以下)とし、円錐部のテーパ角度を80°未満とすることにより、スパークプラグの放電電圧を低減できるとともに、その低減をカバーするように電界強度を集中させ得ることが実験的に確認された(図3〜図6参照)。
また円柱部の断面積と同じであれば、断面形状が異なっても放電電圧の低減効果は同じであることがわかっている。
よって、本発明によれば、スパークプラグにおいて、放電電圧を適切に低下させてスパークプラグの小型化に適した構成を提供することができる。
ここで、請求項2に記載の発明のように、テーパ角度(θ1)を60°以下とすれば、より大幅な放電電圧の低下を実現することができ、好ましい。
また、中心電極の先端部の強度を鑑みると、請求項3に記載の発明のように、テーパ角度(θ1)が20°以上であることが好ましい。
これは、テーパ角度が20°未満では放電電圧の低下度合が飽和し、それ以上テーパ角度を小さくしても放電電圧低下の効果が小さくなることと、テーパ角度を小さくしすぎると中心電極の先端部の強度が弱くなることのためである。
また、請求項4に記載の発明のように、円柱部(32)の長さ(L1)が0.3mm以上1.0mm以下であることが好ましい。
これは、径小部としての円柱部の長さが0.3mm未満であると、短すぎて円柱部の消耗により寿命が短くなり、円柱部の長さが1.0mmよりも大きいと、長すぎて円柱部の放熱性が悪くなって消耗しやすくなるためである。
また、請求項5に記載の発明のように、主体金具(10)のエンジンへの取付ネジ部(11)のネジ径がM10以下であるスパークプラグにおいて、上記各手段を用いて好適である。
また、請求項6に記載の発明では、接地電極(40)が1極であることを特徴としている。
それによれば、円柱部の径を0.4mm以上0.8mm以下とし、円錐部のテーパ角度を80°未満とすることにより、スパークプラグの放電電圧を低減できるという効果を適切に実現することができる。
また、請求項7に記載の発明のように、円柱部(32)としてはイリジウム合金からなるものにできる。
また、請求項8に記載の発明のように、円錐部(31)の形状は、円柱部(32)の円周面もしくはこの円周面を円錐部側へ延長した面と円錐部の円錐面との交線により形成される円と、円錐部(31)の底面側の円と、これら2つの円を結ぶ円錐面から突出しない面とにより規定されるものにできる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
以下、本発明を図に示す実施形態について説明する。図1は、本発明の実施形態に係るスパークプラグの要部構成を示す図である。
主体金具10は、炭素鋼を用いて冷間鍛造や切削加工等を行うことにより筒状に形成されている。図1には、主体金具10の一端部12側が示されており、主体金具10の外周面にはエンジンに取り付けるための取付ネジ部11が形成されている。この取付ネジ部11のネジ径はM10以下であることが好ましい。
主体金具10の内部には、アルミナ等の電気絶縁材料よりなる絶縁碍子20が収納され、主体金具10に保持されている。
この絶縁碍子20の軸孔には中心電極30が収納されており、この中心電極30は、主体金具10に対して電気的に絶縁されて保持されている。
中心電極30はプラグの軸方向(主体金具10の軸方向)に延びる棒状をなし、その先端部は主体金具10の一端部12および絶縁碍子20の端部21から突出し露出している。
中心電極30の先端部は、円錐状の円錐部31の先端にこの円錐部31の先端の径以下の径を有する円柱状の円柱部32が形成された形状をなしている。
そして、円錐部31は、中心電極30の先端部に向かって一定のテーパ角度θにて細くなっており、円柱部32は、円錐部31からプラグの軸方向に長さL1にて延びる径(直径)φ1の円柱状をなしている。
ここで、中心電極30の先端部において、円錐部31と円柱部32とは別体のものである場合、プレス加工や切削加工等にて形成したニッケル合金等からなる円錐部31の先端部に白金合金やイリジウム合金等からなるチップとしての円柱部32を溶接等により固定した構成とすることができる。本例では、円錐部31と円柱部32とはレーザ溶接されたものとなっている。
なお、円錐部31と円柱部32とは、例えば、プレス加工や切削加工等を行うことにより形成された一体のものであっても良い。
ここで、上述したように、本例では、円錐部31と円柱部32とを別体のものとし、イリジウム合金からなる円柱部32をレーザ溶接によりニッケル合金からなる円錐部31に固定した構成を採用している。図2(a)、(b)は、このような本例の中心電極30の先端部の詳細構成を示す図である。
本例においては、中心電極30の先端部は、図2(a)に示されるように、円錐部31と円柱部32との界面において、これら両部31、32が溶け合った溶融部33が存在し、この溶融部33を介して両部31、32が固定されている。このような溶融部33を有する場合、円柱部32の長さL1は次のように定義される。
図2(b)に示されるように、円柱部32の先端から円柱部32の外周面を溶融部33側へ延長した仮想面と、円錐部31の外周面すなわちテーパ面を溶融部33側へ延長した仮想面との交点をKとする。そして、円柱部32の長さL1は、円柱部32の先端とこの交点Kとの距離として定義される。
また、この円錐部31の形状は、円柱部32の円周面もしくはこの円周面を円錐部31側へ延長した面と円錐部31の円錐面との交線により形成される円と、円錐部31の底面側の円と、これら2つの円を結ぶ円錐面から突出しない面とにより規定される。
ここで、溶融部33のある場合には、上記した2つの円のうちの前者の円は、円柱部32の円周面を円錐部31側へ延長した面と円錐部31の円錐面との交線により形成される円である。
ここにおいて、本実施形態では、円柱部32の径φ1が0.4mm以上0.8mm以下であり、円錐部31のテーパ角度θ1が80°未満であるものにしている。
なお、ここでいう円錐部のテーパ角度とはJIS B0612に規定されるものと同じである。また、好ましくはテーパ角度θ1の上限は60°以下であり、下限は20°以上であることが望ましい。
また、円柱部32の長さL1は0.3mm以上1.0mm以下であることが好ましく、また、絶縁碍子20の端部21から中心電極30の先端(円柱部32の先端)までの長さL2(以下、中心電極先端部長さL2という)は1.0mm〜6.0mm程度にすることができる。
また、中心電極30の先端部と対向するように、すなわち円柱部32の先端部と対向するように、接地電極40が設けられている。
この接地電極40は、一端部が主体金具10の一端部に溶接等にて固定されたものであり、他端部が円柱部32の先端部に対向するように途中部が曲がった形状をなすものである。
そして、互いに対向する接地電極40の他端部と円柱部32の先端部との間が放電ギャップ50として形成されている。そして、中心電極30と接地電極40との間に電圧を印加することによって、この放電ギャップ50にて火花を飛ばし、エンジンの燃焼が行われる。
ところで、本実施形態では、上述したように、中心電極30の先端部を、円錐状の円錐部31の先端に円柱状の円柱部32が形成された形状をなすものとしたことを特徴としている。
そのため、中心電極30の胴部と径小部である円柱部32との間を結ぶテーパ面は、テーパ形状が直線状である錐面となり、上述した従来の凹状のテーパ面を有するものに比べて、そのテーパ面の加工は容易なものになる。
また、本実施形態では、円柱部32の径φ1や長さL1、円錐部31のテーパ角度θ1、さらには上記中心電極先端部長さL2について、好ましい寸法を規定したことを特徴としている。
このような寸法の規定は、本発明者等の実験検討結果を根拠とするものであり、限定するものではないが、その検討結果の一例について図3〜図5を参照して述べる。
まず、図3は、円柱部32の径φ1と放電電圧とテーパ角度θ1との関係を調べた結果を示す図である。ここで、放電電圧とは、中心電極30と接地電極40とに電圧を印加したとき放電ギャップ50にて両電極30、40間に火花が飛び始めるときの電圧、すなわち放電が開始されるときの電圧である。
図3では、テーパ角度θ1を60°、105°、180°と変えたものについて、円柱部32の径φ1を変えて放電電圧を測定した。ここでは、円柱部32の長さL1は0.8mmとした。図3からわかるように、テーパ角度θ1が105°と180°との場合では、円柱部32の径φ1と放電電圧との関係がほぼ同一である。
これらθ1=105°、180°の場合に対し、テーパ角度θ1が60°の場合では、円柱部32の径φ1が0.4mm〜0.8mmの間にて最大で約10%の放電電圧の低下が見られた。つまり、テーパ角度θ1の小角化の効果が現れた。
なお、円柱部32の径φ1が0.4mm〜0.8mmの範囲外では、このテーパ角度θ1の小角化効果は小さいものになる。
この図3に示される、円柱部32の径φ1が0.4mm〜0.8mmの間におけるテーパ角度θ1の小角化効果は、円柱部32の長さL1が0.3mm以上1.0mm以下の間にて普遍的に確認された。この円柱部32の長さL1の範囲は、消耗性を考慮して実用的なレベルである。
これは、径小部としての円柱部32の長さL1が0.3mm未満であると、短すぎて円柱部32の消耗により寿命が短くなり、円柱部32の長さL1が1.0mmよりも大きいと、長すぎて円柱部32の放熱性が悪くなって消耗しやすくなるためである。
次に、図4は、円錐部31のテーパ角度θ1と放電電圧との関係を調べた結果を示す図である。図4では、円柱部32の径φ1は0.6mm、円柱部32の長さL1は0.8mmとした。
図4からわかるように、円錐部31のテーパ角度θ1が80°以上まではこのテーパ角度θ1を小さくしていっても放電電圧の低下はほとんど見られないが、テーパ角度θ1が80°未満に小さくなると、放電電圧の低下が顕著になってくる。
そして、テーパ角度θ1が80°未満の範囲では、テーパ角度が80°以上の場合に比べて最大1kV程度放電電圧が低下している。これは、スパークプラグにおいては、放電電圧の大きな低下を実現しているといえる。また、テーパ角度θ1が20°未満では、放電電圧の低下度合がほぼ飽和し、それ以上低下しないことを確認している。
また、この図4に示される、円錐部31のテーパ角度θ1を80°未満とすることによる放電電圧の低減効果は、円柱部32の径φ1が0.4mm〜0.8mmの間、および円柱部32の長さL1が0.3mm〜1.0mmの間にて普遍的に確認された。
なお、これら図3、図4に示す放電電圧の低減効果は、上記中心電極先端部長さL2が1.0mm以上6.0mm以下の範囲で、特に有効に発揮できることを確認している。しかしながら、これをもって本効果の有効性を、中心電極先端部長さL2が1.0mm〜6.0mmの範囲に限定するものではない。
さらに、放電電圧の低下が、中心電極の先端部での電界強度が高くなることによるものであることを確認するため、円錐部31のテーパ角度θ1と電場解析による電界強度との関係を調べた。電場解析は有限要素法(FEM)を用いた。
図5は、その電場解析の結果の一例を示す図であり、電場解析にて中心電極に30kV(接地電極は0kV)の電圧を印加したときの等電位分布を表すものである。図5中、(a)は、テーパ角度θ1が105°の場合、(b)は、テーパ角度θ1が40°の場合である。
この等電位分布において等電位線の間隔が狭くなれば、それだけ電界強度が集中していることを表している。図5からわかるように、テーパ角度θ1を105°から40°へ小角化することにより、円柱部32の先端部における等電位線の曲がりが急になる。すなわち、局所的に電界強度が高くなっている。
テーパ角度θ1が40°のときは105°のときに比べて、円錐部31のテーパ形状が急であるため、等電位線の間隔が狭くなっており、その影響で中心電極30の先端すなわち円柱部32の先端においても等電位線の間隔が狭くなり、電界強度が大きくなる。
図6は、このような電場解析をテーパ角度θ1を変えていった場合について行い、テーパ角度θ1と電場解析による電界強度との関係を求めた結果を示す図である。この電場解析においては、円柱部32の径φ1は0.6mm、円柱部32の長さL1は0.8mmとした。
図6からわかるように、テーパ角度θ1が80°未満の範囲で、中心電極30の先端すなわち円柱部32の先端に集中する電界強度の大きさが、テーパ角度θ1が80°以上のときに比べて10%程度高くなる。
このことからテーパ角度θ1を80°未満にすれば、放電電圧が低下しても中心電極の先端に電界が集中することによって適切な火花放電が実現できるといえる。
以上、図3〜図6を参照して、本発明者らの検討結果を述べてきた。ここで、この検討結果をまとめると、円柱部32の径φ1を0.4mm以上0.8mm以下とし、円錐部31のテーパ角度θ1を80°未満とすることにより、電界強度をより集中させ得ることで、スパークプラグの放電電圧を低減できることが実験的に確認された。
また、図4や図6からわかるように、テーパ角度θ1の上限を60°以下とすれば、より中心電極30の先端への電界強度の集中を高めることができ、より大幅な放電電圧の低下を実現できるため、好ましい。
また、テーパ角度θ1の下限が20°以上であることが好ましい理由は、テーパ角度θ1が20°未満では放電電圧の低下度合が飽和し、それ以上テーパ角度θ1を小さくしても放電電圧低下の効果が小さくなること(上記図4参照)と、テーパ角度θ1を小さくしすぎると中心電極30の先端部の強度が弱くなることのためである。
また、一般に、中心電極の先端のエッジ部を鋭く尖らせると、電界強度が高くなり放電電圧が低下することが知られている。
しかし、本実施形態では、上記図5、図6に示したように、中心電極30の先端部すなわち円柱部32の先端のエッジ部を鋭く尖らせなくても、放電火花に接しない円錐部31のテーパ角度θ1を鋭くすることで当該エッジ部を鋭く尖らせたのと同様の効果が得られる。
中心電極の先端のエッジ部は、スパークプラグの使用に伴い、次第に丸まってくるが、本実施形態では、そのようなエッジ部が丸まってきたときでも、適切に電界強度を集中させることができる。
そのため、放電電圧の低電圧化を長期に渡って維持でき、特に取付ネジ部11のネジ径がM10以下であるスパークプラグに対し、効果が大きい。
以上述べてきたように、本実施形態によれば、スパークプラグにおいて、放電電圧を適切に低下させてスパークプラグの小型化に適した構成を提供することができる。
[接地電極形状についての検討例]
さらに、円錐部31のテーパ角度θ1と放電電圧との関係が、接地電極形状によって影響するのかどうかを調査した。
ここでは、図7(a)に示されるように、接地電極40が1極のもの、すなわち上記図1に示されるスパークプラグと同様のものと、図7(b)に示されるように、接地電極40、40a、40bが3極のスパークプラグとを比較した。
図7(b)に示される接地電極3極構成のスパークプラグは、メインの接地電極40に加えて、2本のサブ接地電極40aおよび40bが設けられている。
これらサブ接地電極40aおよび40bは、沿面放電用の接地電極であり、いわゆる「くすぶり」防止のためのものである。
そして、これらサブ接地電極40aおよび40bは、一端部が主体金具10の一端部に溶接等にて固定されたものであり、他端部が円柱部32の先端部の側面に対向するように途中部が曲がった形状をなしている。
図8は、これら図7に示される接地電極1極構成のスパークプラグと接地電極3極構成のスパークプラグとについて、円錐部31のテーパ角度θ1と放電電圧との関係が、接地電極形状によって影響するのかどうかを調査した結果を示す図である。
この図8では、円柱部32の径φ1は0.6mm、円柱部32の長さL1は0.8mmとした。図8からわかるように、接地電極1極構成の場合は、上記図4と同様の結果が得られている。
すなわち、接地電極1極構成の場合、円錐部31のテーパ角度θ1が80°以上まではこのテーパ角度θ1を小さくしていっても放電電圧の低下はほとんど見られないが、テーパ角度θ1が80°未満に小さくなると、放電電圧の低下が顕著になってくる。そして、テーパ角度θ1が80°未満の範囲では、テーパ角度が80°以上の場合に比べて最大1kV程度放電電圧が低下している。
一方、図8からわかるように、接地電極3極構成のスパークプラグの場合、テーパ角度θ1が80°未満に小さくなっても、接地電極1極構成の場合ほどには、放電電圧の低下効果がないことが確認された。
その理由としては、次のようなことが考えられる。接地電極3極構成の場合、上記図7(b)に示されるように、中心電極30の先端部の近傍に沿面放電用のサブ接地電極40aおよび40bが存在する。
そのサブ接地電極40aおよび40bと中心電極30との距離が近くなると、これら両者の間の等電位分布の間隔(等電位線の間隔)が狭くなり、中心電極30の先端部の電界強度が大きくなる。
そのため、接地電極3極構成のスパークプラグにおいては、メイン接地電極40へ放電するときの放電電圧が、接地電極1極構成のスパークプラグよりも低いものになってしまう。
このような理由から、テーパ角度θ1を80°以上とした場合であっても、接地電極3極構成のスパークプラグでは、テーパ角度θ1を60°以下にしたときの接地電極1極構成のスパークプラグ並みの低い放電電圧となっている(図8参照)。
したがって、接地電極3極構成のスパークプラグは、テーパ角度θ1を小さくしても、放電電圧の低下効果は飽和すると考えられるため、接地電極1極構成のスパークプラグの方が、上記実施形態による放電電圧低下効果が大きい。
本発明の実施形態に係るスパークプラグの要部構成を示す図である。 レーザ溶接を採用した例における中心電極30の先端部の詳細構成を示す図である。 円柱部の径φ1と放電電圧とテーパ角度θ1との関係を示す図である。 円錐部のテーパ角度θ1と放電電圧との関係を示す図である。 電場解析による等電位分布の様子を示す図である。 テーパ角度θ1と電場解析による電界強度との関係を示す図である。 (a)は接地電極が1極であるスパークプラグの要部構成を示す図、(b)は接地電極が3極であるスパークプラグの要部構成を示す図である。 接地電極1極構成のスパークプラグと接地電極3極構成のスパークプラグとについて、円錐部のテーパ角度θ1と放電電圧との関係を調査した結果を示す図である。
符号の説明
10…主体金具、20…絶縁碍子、30…中心電極、31…円錐部、
32…円柱部、40…接地電極、50…放電ギャップ、
L1…円柱部の長さ、φ1…円柱部の径、θ1…テーパ角度。

Claims (8)

  1. 筒状の主体金具(10)と、
    この主体金具の内部に収納保持された絶縁碍子(20)と、
    先端部が前記絶縁碍子から露出した形で前記絶縁碍子に収納保持された中心電極(30)と、
    前記主体金具に取り付けられて前記中心電極の前記先端部と放電ギャップ(50)を介して対向して配置された接地電極(40)と、を備えるスパークプラグにおいて、
    前記中心電極の前記先端部は、円錐状の円錐部(31)の先端に円柱状の円柱部(32)が形成された形状をなしており、
    前記円柱部の径(φ1)が0.4mm以上0.8mm以下であり、前記円錐部のテーパ角度(θ1)が80°未満であることを特徴とするスパークプラグ。
  2. 前記テーパ角度(θ1)が60°以下であることを特徴とする請求項1に記載のスパークプラグ。
  3. 前記テーパ角度(θ1)が20°以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のスパークプラグ。
  4. 前記円柱部(32)の長さ(L1)が0.3mm以上1.0mm以下であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載のスパークプラグ。
  5. 前記主体金具(10)の外周にはエンジンへ取り付けるための取付ネジ部(11)が形成されており、
    前記取付ネジ部のネジ径がM10以下であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載のスパークプラグ。
  6. 前記接地電極(40)が、1極であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載のスパークプラグ。
  7. 前記円柱部(32)が、イリジウム合金からなることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載のスパークプラグ。
  8. 前記円錐部(31)の形状は、前記円柱部(32)の円周面もしくはこの円周面を前記円錐部側へ延長した面と前記円錐部の円錐面との交線により形成される円と、
    前記円錐部(31)の底面側の円と、
    これら2つの円を結ぶ円錐面から突出しない面とにより規定されるものであることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載のスパークプラグ。
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