JP5302944B2 - スパークプラグ及びその製造方法 - Google Patents

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    • H01T21/02Apparatus or processes specially adapted for the manufacture or maintenance of spark gaps or sparking plugs of sparking plugs

Description

本発明は、内燃機関等に使用されるスパークプラグ、及び、その製造方法に関する。
内燃機関等の燃焼装置に使用されるスパークプラグは、例えば、軸線方向に延びる中心電極と、中心電極の外周に設けられる絶縁体と、絶縁体の外側に組付けられる筒状の主体金具と、基端部が主体金具の先端部に接合される接地電極とを備える。接地電極は、その先端部が中心電極の先端部と対向するように、自身の略中間部分が曲げ返して配置され、これにより中心電極の先端部及び接地電極の先端部の間に火花放電間隙が形成される。
また、接地電極の先端部のうち、火花放電間隙を形成する部位に貴金属チップを設け、耐消耗性や着火性の向上を図る技術が知られている。一般に貴金属チップは、例えば、抵抗溶接等により接地電極に対して自身の端面が接合されることで設けられる。
ところで、接地電極は燃焼室の中心側へと突き出して配置されるため、高温となりやすく、接地電極に接合される貴金属チップは一層高温となりやすい。さらに、近年の高出力、高圧縮エンジンにおいては、燃焼室内がより一層高温となり、また、エンジンの動作に伴い接地電極及び貴金属チップに対して加わる振動もより大きなものとなりやすい。そのため、接地電極と貴金属チップとの接合部分において酸化スケールが急速に進展してしまったり、振動等に伴い大きな衝撃が加わったりすることで接地電極から貴金属チップが脱落してしまうことが懸念される。
そこで、貴金属チップの脱落を防止すべく、貴金属チップの端部を接地電極に対して埋没させるとともに、貴金属チップの埋没部分に、鍔状の突出部や他の埋没部分と比較して小径の括れ部を設けることで、接地電極に対する貴金属チップの接合強度の向上を図る手法が提案されている(例えば、特許文献1,2等参照)。
特開2001−284012号公報 特開2004−79507号公報
しかしながら、上記手法では、貴金属チップを接地電極に埋没させる際に、突出部や括れ部の存在により、貴金属チップの側面と接地電極との間に隙間が形成されてしまいやすい。従って、貴金属チップと接地電極との接触面積を十分に確保することができず、接合強度を十分に向上させることができないおそれがある。また、貴金属チップと接地電極との間に隙間が形成されてしまうと、両者の接合部分に酸素が侵入しやすくなってしまい、接合部分における酸化スケールの急速な進展、ひいては接合強度の急速な低下が懸念される。さらに、隙間内に空気が残存してしまうと、使用時の高温下において、残存した空気が膨張してしまい、接合部分の破損を招いてしまうおそれもある。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、接地電極に対する貴金属チップの接合強度を飛躍的に向上させることができ、貴金属チップの脱落を効果的に防止することができるスパークプラグ、及び、その製造方法を提供することにある。
以下、上記目的を解決するのに適した各構成につき、項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する構成に特有の作用効果を付記する。
構成1.本構成のスパークプラグは、軸線方向に貫通する軸孔を有する絶縁体と、
前記軸孔に挿設された中心電極と、
前記絶縁体の外周に設けられた筒状の主体金具と、
前記主体金具の先端部に配置された接地電極と、
前記接地電極の先端部に抵抗溶接によって接合され、自身の一端部が前記中心電極の先端部との間に間隙を形成する柱体の貴金属チップとを備えるスパークプラグであって、
前記貴金属チップの他端部には、前記接地電極のうち前記貴金属チップが接合される側の面である接合対象面よりも前記接地電極の内部側へと埋没する埋没部が設けられ、
前記接地電極と前記貴金属チップの他端面との接合部分の中心を通り、前記接地電極の中心軸に直交する断面において、
前記埋没部には、前記貴金属チップの一端部よりも幅の広い幅広部が形成されており、
前記貴金属チップのうち前記接合対象面と前記幅広部のうち幅が最大となる部位との間に位置する部位は、前記貴金属チップの一端側から他端側に向けて徐々に拡幅する形状、又は、前記貴金属チップの一端側から他端側に向けて徐々に拡幅する部位と幅が一定の部位とを有する形状とされ、
前記貴金属チップの一端面と他端面とを結ぶ両側面のうち、前記幅広部から前記接合対象面の外形線を前記貴金属チップ側に延長した延長線との交点までの部位は、前記貴金属チップと前記接地電極とが溶け合ってなる溶融部、及び、前記接地電極母材のうち少なくとも一方で覆われており、
前記貴金属チップの中心軸に沿った前記貴金属チップの厚さをt1(mm)とし、前記貴金属チップの中心軸に沿った前記接合対象面からの前記貴金属チップの埋没量をt2(mm)としたとき、
0.25≦t2/t1
を満たし
前記貴金属チップは、自身と前記接地電極とが溶け合ってなる溶融部により前記接地電極に接合されており、
前記断面において、
前記溶融部は、前記貴金属チップの一端面と他端面とを結ぶ両側面のうち少なくとも一方の側面と当該一方の側面側に位置する前記接地電極とに接触するとともに、前記一方の側面側に位置する前記接地電極の接合対象面にも接触することを特徴とする。
尚、「接合対象面」とあるのは、貴金属チップの接合される接地電極の面のうち、貴金属チップの埋没や溶融部の形成に伴う形状変化等が生じていない箇所をいう。また、「接地電極と貴金属チップの他端面との接合部分の中心」とあるのは、両者の接合面の重心を意味する。
上記構成1によれば、貴金属チップのうち接地電極の接合対象面と幅広部のうち幅が最大となる部位との間に位置する部位は、貴金属チップの一端側から他端側に向けて徐々に拡幅する形状、又は、貴金属チップの一端側から他端側に向けて徐々に拡幅する部位と幅が一定の部位とを有する形状とされている。従って、貴金属チップを接地電極に埋没させる際に、貴金属チップの側面と接地電極との間に隙間が形成されてしまうことを抑制でき、両者の接触面積を十分に確保することができる。また、隙間の形成を抑制できることで、貴金属チップと接地電極との接合部分に対する酸素の侵入抑制を図ることができる。
さらに、貴金属チップの接地電極に接合される部位のうち、接地電極の長手方向に沿った少なくとも中心位置において(つまり、接地電極と貴金属チップの他端面との接合部分の中心を通り、接地電極の中心軸に直交する断面において)、貴金属チップの一端部よりも幅の広い幅広部が形成されている。そして、前記断面において、貴金属チップの中心軸に沿った貴金属チップの厚さをt1(mm)とし、貴金属チップの中心軸に沿った接合対象面からの貴金属チップの埋没量をt2(mm)としたとき、0.25≦t2/t1を満たすように構成されている。すなわち、上記構成1によれば、貴金属チップの幅広部が接地電極に係止される形となり、また、0.25≦t2/t1を満たす程度に貴金属チップの埋没量が十分に大きくされることで、接地電極のうち幅広部に係止される部位が十分に厚肉となるように構成されている。そのため、接地電極に対する貴金属チップの係止力をより確実に増大させることができる。
加えて、上記構成1によれば、前記断面において、貴金属チップの両側面のうち、幅広部から、接合対象面の外形線を貴金属チップ側に延長した延長線と前記両側面との交点までの部位は、溶融部や接地電極の母材で覆われている。従って、貴金属チップと接地電極との間における隙間の形成抑制が図られることと相俟って、両者の間への酸素の侵入をより効果的に抑制することができる。
以上のように、上記構成1によれば、貴金属チップと接地電極との接触面積を十分に確保しつつ、接地電極に対する幅広部の係止力の増大を図ることで、接地電極に対する貴金属チップの接合強度を飛躍的に向上させることができる。また、貴金属チップと接地電極との間における隙間の形成抑制を図りつつ、貴金属チップの両側面と接地電極との間を接地電極の母材や溶融部で覆うことで、酸化スケールの進展を抑制でき、ひいては優れた接合強度を長期間に亘って維持することができる。その結果、貴金属チップの脱落を効果的に防止することができる。
また、貴金属チップの少なくとも一方の側面と接地電極(接合対象面)とに接触するようにして溶融部が形成されている。従って、貴金属チップと接地電極との接合部分に対する酸素の侵入をより確実に抑制することができ、接合強度を一層向上できる。
構成2.本構成のスパークプラグは、上記構成1において、前記断面において、
前記貴金属チップの一端面と他端面とを結ぶ両側面のうち一方の側面と、前記接合対象面の外形線を前記貴金属チップ側に延長した延長線との交点を基準とした、前記貴金属チップの一方の側面側に位置する前記幅広部の前記貴金属チップの中心軸と直交する方向に沿った突出長をα(mm)とし、
前記貴金属チップの他方の側面と、前記接合対象面の外形線を前記貴金属チップ側に延長した延長線との交点を基準とした、前記貴金属チップの他方の側面側に位置する前記幅広部の前記貴金属チップの中心軸と直交する方向に沿った突出長をβ(mm)とし、
前記突出長α及び前記突出長βのうち、大きい方の突出長をx(mm)とし、
前記貴金属チップの中心軸と直交する方向に沿った前記幅広部のうち幅が最大となる部位の幅をW1(mm)としたとき、
x≧W1×0.02
を満たすことを特徴とする。
上記構成2によれば、酸素が侵入する箇所(貴金属チップと溶融部や接地電極との境界部分)から、貴金属チップの他端面と接地電極との接合部分(貴金属チップと接地電極とを強固に接合するために特に重要な部分)まで距離を十分に大きく確保することができる。従って、前記接合部分に対する酸素の侵入を効果的に抑制することができ、貴金属チップの接合強度を一層向上させることができる。
構成3.本構成のスパークプラグは、上記構成1又は2において、前記貴金属チップは、自身と前記接地電極とが溶け合ってなる溶融部により前記接地電極に接合されており、
前記断面において、
前記溶融部は、前記接合対象面よりも前記接地電極の内部側へと入り込んで形成され、
前記接合対象面から前記溶融部のうち前記接地電極の内部側へと最も入り込んだ部位までの前記貴金属チップの中心軸に沿った距離をd1(mm)としたとき、
d1≧0.06
を満たすことを特徴とする。
上記構成3によれば、貴金属チップと接地電極との接触部分が十分に厚肉な溶融部で覆われることとなる。従って、貴金属チップと接地電極との接合部分に対する酸素の侵入をより一層抑制することができ、接合強度を一層向上させることができる。
構成4.本構成のスパークプラグは、上記構成3において、前記断面において、
前記溶融部のうち前記接合対象面よりも前記接地電極の内部側へと入り込んだ部位の前記貴金属チップの中心軸と直交する方向に沿った最大幅をY(mm)としたとき、
0.17≦Y≦0.27
を満たすことを特徴とする。
上記構成4によれば、溶融部のうち接地電極の内部側へと入り込んだ部位の最大幅Yが0.17mm以上とされており、貴金属チップと接地電極との接触部分が十分なボリュームを有する溶融部で覆われるように構成されている。従って、貴金属チップと接地電極との接合部分に対する酸素の侵入を一層確実に抑制することができ、接合強度の更なる向上を図ることができる。
一方で、溶融部のボリュームを過度に増大させてしまうと、中心電極と溶融部との間で火花放電が生じやすくなってしまう。従って、飛火位置が安定せず、貴金属チップを設けることによる着火性の向上効果が十分に発揮されないおそれがある。
この点、上記構成4によれば、最大幅Yが0.27mm以下とされており、溶融部のボリュームの過大が防止されている。従って、中心電極と貴金属チップとの間でより確実に火花放電を生じさせることができ、貴金属チップを設けることによる着火性の向上効果をより確実に発揮させることができる。
構成.本構成のスパークプラグは、上記構成1乃至のいずれかにおいて、
記断面において、
前記溶融部は、前記貴金属チップの一方の側面と当該一方の側面側に位置する前記接地電極とに接触するとともに、前記一方の側面側に位置する前記接地電極の接合対象面にも接触し、前記貴金属チップの他方の側面と当該他方の側面側に位置する前記接地電極とに接触するとともに、前記他方の側面側に位置する前記接地電極の接合対象面にも接触することを特徴とする。
上記構成によれば、貴金属チップの両側面と接地電極(接合対象面)とに接触するようにして溶融部が形成されている。そのため、貴金属チップと接地電極との接合部分に対する酸素の侵入をより効果的に抑制することができ、接合強度をより一層向上させることができる。
構成.本構成のスパークプラグは、上記構成において、前記断面において、
前記溶融部のうち前記貴金属チップの一方の側面と接触する部位の前記貴金属チップの中心軸に沿った距離と、前記溶融部のうち前記貴金属チップの他方の側面と接触する部位の前記貴金属チップの中心軸に沿った距離とのうち、長い方の距離をd2(mm)としたとき、
d2≧0.20
を満たすことを特徴とする。
上記構成によれば、貴金属チップの側面と溶融部との接触面積が十分に大きなものとされる。従って、貴金属チップと接地電極との接合部分に対する酸素の侵入抑制をより確実に図ることができる。
構成.本構成のスパークプラグは、上記構成乃至のいずれかにおいて、前記断面において、
前記貴金属チップの中心軸に沿った、前記接合対象面からの前記溶融部の最大突出長をd3(mm)としたとき、
d3≦t1−t2
を満たすことを特徴とする。
上記構成によれば、最大突出長d3が、接地電極の接合対象面からの貴金属チップの突出長(t1−t2)以下とされている。従って、中心電極と溶融部との間における火花放電の発生を一層抑制することができ、火花放電を中心電極と貴金属チップとの間で一層確実に生じさせることができる。その結果、貴金属チップを設けることによる着火性の向上効果を一層確実に発揮させることができる。
構成.本構成のスパークプラグは、上記構成1乃至のいずれかにおいて、前記貴金属チップは、自身と前記接地電極とが溶け合ってなる溶融部により前記接地電極に接合されており、
前記貴金属チップの一端面側から見たとき、
前記接地電極の長手方向に沿った、前記接地電極と前記貴金属チップの他端面との接合部分に対応する範囲内において、前記接地電極の長手方向に沿った前記溶融部の長さが、前記接地電極の長手方向に沿った前記接合部分の長さの半分以上とされることを特徴とする。
上記構成によれば、貴金属チップと接地電極との接触部分を覆うようにして、十分な長さを有する溶融部が形成されている。従って、両者の接合部分に対する酸素の侵入を一層効果的に抑制することができ、接合強度をさらに向上させることができる。
構成.本構成のスパークプラグは、上記構成1乃至のいずれかにおいて、前記断面において、
前記貴金属チップの他端面は、前記接地電極の内部側に向けて凸な湾曲形状とされることを特徴とする。
上記構成によれば、貴金属チップと接地電極とを強固に接合するために特に重要である、貴金属チップの他端面と接地電極との接合部分の面積を増大させることができ、貴金属チップの接合強度を一層高めることができる。また、接合面積の増大が図られることで、接合部分に多少の酸化スケールが生じたとしても、接地電極に対する貴金属チップの接合強度はほとんど低下せず、優れた接合強度を維持することができる。
構成10.本構成のスパークプラグは、上記構成1乃至のいずれかにおいて、前記貴金属チップは、前記接地電極の先端面から突出していることを特徴とする。
上記構成10によれば、接地電極の先端面から突出するようにして貴金属チップが設けられている。従って、中心電極と貴金属チップとの間に形成された間隙から接地電極がより遠ざかることとなり、接地電極の存在による火炎核の成長阻害を抑制することができる。その結果、着火性の更なる向上を図ることができる。
一方で、接地電極から突出するように貴金属チップを設けた場合には、使用時において貴金属チップがより高温となってしまうため、貴金属チップの脱落がより懸念されるが、上記構成1等を採用することで、当該懸念を払拭することができる。換言すれば、上記構成1等は、着火性の向上を図るべく、接地電極の先端面から突出するようにして貴金属チップを設ける場合において、特に有意である。
構成11.本構成のスパークプラグは、上記構成10において、t2/t1≦0.70を満たすことを特徴とする。
上記構成11によれば、貴金属チップの厚さt1に対して、貴金属チップの埋没量t2が過度に大きくならないように構成されており、接地電極の接合対象面に対する貴金属チップの突出量が大きく確保されている。従って、中心電極と貴金属チップとの間に形成された間隙から接地電極を一層遠ざけることができ、接地電極による火炎核の成長阻害をより一層抑制することができる。その結果、着火性の更なる向上を図ることができる。
構成12.本構成のスパークプラグの製造方法は、上記構成1乃至11のいずれかに記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記接地電極に前記貴金属チップを接合する接合工程を含み、
前記接合工程においては、
自身の中心軸を含む断面において断面矩形状をなす貴金属チップを前記接地電極に載置した上で、前記貴金属チップを前記接地電極側へと加圧しつつ前記貴金属チップに通電することにより、前記接地電極に埋没する埋没部と前記貴金属チップの一端部よりも幅の広い幅広部とを前記貴金属チップに形成しつつ、前記接地電極に前記貴金属チップを接合することを特徴とする。
上記構成12によれば、接合工程において、幅広部の形成されていない断面矩形状(例えば、直方体状や円柱状)の貴金属チップが、接地電極に対して押し付けながら、通電により加熱される。従って、比較的変形しやすい貴金属チップ他端部の角部及びその近傍が、接地電極への埋没過程で拡幅されることとなる。すなわち、上記構成12によれば、貴金属チップに対して特段の加工を施すことなく、その他端側に幅広部を容易に形成しつつ、貴金属チップを接地電極に接合することができる。
スパークプラグの構成を示す一部破断正面図である。 スパークプラグの先端部の構成を示す一部破断拡大正面図である。 (a),(b)は、接地電極や貴金属チップ等の拡大断面模式図である。 接合部分、及び、その中心を説明するための接地電極等の模式図である。 溶融部の別例を示す拡大断面模式図である。 接地電極や溶融部等の拡大平面模式図である。 超音波ホーン試験における長さK1,K2を説明するための模式図である。 比較例に相当するサンプルの部分拡大断面図である。 比較例に相当するサンプルの部分拡大断面図である。 別の実施形態における貴金属チップの構成を示す部分拡大断面図である。 別の実施形態における貴金属チップの構成を示す部分拡大断面図である。 別の実施形態におけるスパークプラグ先端部の構成を示す一部破断拡大正面図である。 別の実施形態における接地電極の構成を示す部分拡大断面図である。 別の実施形態における接地電極の構成を示す部分拡大断面図である。 別の実施形態における接地電極の構成を示す部分拡大断面図である。 別の実施形態における接地電極に対する貴金属チップの接合態様を示す拡大平面図である。
以下に、一実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は、スパークプラグ1を示す一部破断正面図である。尚、図1では、スパークプラグ1の軸線CL1方向を図面における上下方向とし、下側をスパークプラグ1の先端側、上側を後端側として説明する。
スパークプラグ1は、筒状をなす絶縁体としての絶縁碍子2、これを保持する筒状の主体金具3などから構成されるものである。
絶縁碍子2は、周知のようにアルミナ等を焼成して形成されており、その外形部において、後端側に形成された後端側胴部10と、当該後端側胴部10よりも先端側において径方向外向きに突出形成された大径部11と、当該大径部11よりも先端側においてこれよりも細径に形成された中胴部12と、当該中胴部12よりも先端側においてこれよりも細径に形成された脚長部13とを備えている。加えて、絶縁碍子2のうち、大径部11、中胴部12、及び、大部分の脚長部13は、主体金具3の内部に収容されている。そして、中胴部12と脚長部13との連接部にはテーパ状の段部14が形成されており、当該段部14にて絶縁碍子2が主体金具3に係止されている。
さらに、絶縁碍子2には、軸線CL1に沿って軸孔4が貫通形成されており、当該軸孔4の先端側には中心電極5が挿入、固定されている。当該中心電極5は、熱伝導性に優れる銅や銅合金等からなる内層5A、及び、ニッケル(Ni)を主成分とするNi合金からなる外層5Bにより構成されている。さらに、中心電極5は、全体として棒状(円柱状)をなし、その先端面が平坦に形成されるとともに、絶縁碍子2の先端から突出している。また、中心電極5の先端部には、所定の貴金属合金(例えば、白金合金やイリジウム合金)からなる円柱状の貴金属部31が設けられている。
また、軸孔4の後端側には、絶縁碍子2の後端から突出した状態で端子電極6が挿入、固定されている。
さらに、軸孔4の中心電極5と端子電極6との間には、円柱状の抵抗体7が配設されている。当該抵抗体7の両端部は、導電性のガラスシール層8,9を介して、中心電極5と端子電極6とにそれぞれ電気的に接続されている。
加えて、前記主体金具3は、低炭素鋼等の金属により筒状に形成されており、その外周面にはスパークプラグ1を燃焼装置(例えば、内燃機関や燃料電池改質器等)の取付孔に取付けるためのねじ部(雄ねじ部)15が形成されている。また、ねじ部15の後端側の外周面には座部16が形成され、ねじ部15後端のねじ首17にはリング状のガスケット18が嵌め込まれている。さらに、主体金具3の後端側には、主体金具3を前記燃焼装置に取付ける際にレンチ等の工具を係合させるための断面六角形状の工具係合部19が設けられるとともに、後端部において絶縁碍子2を保持するための加締め部20が設けられている。
また、主体金具3の内周面には、絶縁碍子2を係止するためのテーパ状の段部21が設けられている。そして、絶縁碍子2は、主体金具3の後端側から先端側に向かって挿入され、自身の段部14が主体金具3の段部21に係止された状態で、主体金具3の後端側の開口部を径方向内側に加締めること、つまり上記加締め部20を形成することによって主体金具3に固定されている。尚、絶縁碍子2及び主体金具3双方の段部14,21間には、円環状の板パッキン22が介在されている。これにより、燃焼室内の気密性を保持し、燃焼室内に晒される絶縁碍子2の脚長部13と主体金具3の内周面との隙間に入り込む燃料ガスが外部に漏れないようになっている。
さらに、加締めによる密閉をより完全なものとするため、主体金具3の後端側においては、主体金具3と絶縁碍子2との間に環状のリング部材23,24が介在され、リング部材23,24間にはタルク(滑石)25の粉末が充填されている。すなわち、主体金具3は、板パッキン22、リング部材23,24及びタルク25を介して絶縁碍子2を保持している。
また、図2に示すように、主体金具3の先端部26には、自身の略中間部分にて中心電極5側へと曲げ返され、断面矩形状をなす接地電極27が接合されている。接地電極27は、Ni合金〔例えば、インコネル600やインコネル601(いずれも登録商標)〕によって形成された外層27Aと、前記Ni合金よりも良熱導電性金属である銅合金や純銅等によって形成された内層27Bとから構成されている。
さらに、接地電極27のうち中心電極5側に位置する面である先端側側面27S(「接合対象面」に相当する)には、所定の貴金属(例えば、イリジウム、白金等)又は貴金属を主成分とする貴金属合金からなる貴金属チップ32が接合されている。貴金属チップ32は、自身の一部が接地電極27の先端面27Fよりも所定の突出量F(例えば、0.55mm以上0.75mm以下)だけ突出している。そして、貴金属チップ32の一端面と中心電極5(貴金属部31)との間には、間隙としての火花放電間隙33が形成されており、当該火花放電間隙33において軸線CL1に沿った方向で火花放電が行われるようになっている。
加えて、本実施形態において、貴金属チップ32の他端部の一部は、接地電極27に埋没しており、図3(a)(尚、図示の便宜上、図3,5においてはハッチングを省略してある)に示すように、貴金属チップ32の他端部には、接地電極27の先端側側面27Sよりも接地電極27の内部側へと埋没する埋没部32Bが設けられている。
そして、接地電極27と貴金属チップ32の他端面との接合部分CSの中心(重心)CP(図4参照)を通り、接地電極27の中心軸CL2に直交する断面において、埋没部32Bには、貴金属チップ32の一端部32Aよりも幅の広い幅広部32Wが形成されている。さらに、貴金属チップ32のうち接地電極27の先端側側面27Sと幅広部32Wのうち幅が最大となる部位との間に位置する部位は、貴金属チップ32の一端側から他端側(幅広部32W側)に向けて徐々に拡幅する形状とされている。すなわち、先端側側面27Sの外形線を貴金属チップ32側に延長した延長線EL1,EL2と貴金属チップ32の一端面と他端面とを結ぶ両側面32S1,32S2との交点P1,P2、及び、幅広部32Wの幅方向端部を通る直線をSL1,SL2とし、直線SL1,SL2と前記先端側側面27Sの外形線とのなす角度のうち貴金属チップ32とは反対側に形成された角の角度をθ1,θ2としたき、θ1,θ2がそれぞれ90°未満となるように構成されている。尚、本実施形態では、貴金属チップ32の一端側から他端側に向けて、貴金属チップ32の拡幅割合が徐々に増大するように構成されている。また、「接地電極27と貴金属チップ32の他端面との接合部分CSの中心CPを通り、接地電極27の中心軸CL2に直交する断面」とあるのは、接地電極27の先端面27Fと、貴金属チップ32のうち前記中心軸CL2に沿って前記先端面27Fから最も離間する面32B(図6参照)との前記中心軸CL2方向に沿った中央位置を通り、前記中心軸CL2と直交する断面ということもできる。
また、貴金属チップ32は、自身を構成する金属と接地電極27を構成する金属(接地電極母材)とが溶け合ってなる溶融部35により接地電極27に接合されており、貴金属チップ32が接地電極27に埋没されることで、当該溶融部35は、貴金属チップ32の一端部側へとはみ出して形成されている。そして、溶融部35は、貴金属チップ32の両側面32S1,32S2のうち、一方の側面32S1と当該一方の側面32S1側に位置する接地電極27とに接触するとともに、他方の側面32S2と当該他方の側面32S2側に位置する接地電極27とに接触している。尚、図5に示すように、前記断面において、溶融部45が、貴金属チップ32の一方の側面32S1側のみに形成されるように構成し、一方の側面32S1と当該側面32S1側に位置する接地電極27とに接触するように構成してもよい(また、溶融部を他方の側面32S2側のみに形成してもよい)。
図3(a)に戻り、貴金属チップ32の前記側面32S1,32S2のうち、少なくとも幅広部32Wから交点P1,P2までの間に位置する部位は、接地電極27の母材及び溶融部35で覆われている。
加えて、貴金属チップ32の中心軸CL3に沿った貴金属チップ32の厚さをt1(mm)とし、貴金属チップ32の中心軸CL3に沿った先端側側面27Sからの貴金属チップ32の埋没量をt2(mm)としたとき、0.25≦t2/t1≦0.70を満たすように、接地電極27に対する貴金属チップ32の埋没量が設定されている。尚、「厚さt1」とあるのは、前記断面において、貴金属チップ32のうち最も厚い部位の中心軸CL3に沿った厚さをいい、「埋没量t2」とあるのは、埋没部32Bのうち先端側側面27Sから最も深く埋まった部位の中心軸CL3に沿った先端側側面27Sからの深さをいう。
さらに、本実施形態では、中心軸CL3と直交する方向に沿った幅広部32Wの幅が、先端側側面27Sにおける貴金属チップ32の幅(中心軸CL3と直交する方向に沿った交点P1,P2間の距離)よりも十分に大きくなるように構成されている。具体的には、前記交点P1を基準とした、前記一方の側面32S側に位置する幅広部32Wの貴金属チップ32の中心軸CL3と直交する方向に沿った突出長をα(mm)とし、前記交点P2を基準とした、貴金属チップ32の他方の側面32S2側に位置する幅広部32Wの中心軸CL3と直交する方向に沿った突出長をβ(mm)とし、両突出長α,βのうち大きい方の突出長をx(mm)とし(尚、本実施形態では、α=β=xとされている)、中心軸CL3と直交する方向に沿った幅広部32Wのうち幅が最大となる部位の幅をW1(mm)としたとき、x≧W1×0.02を満たすように構成されている。
加えて、図3(b)に示すように、溶融部35は、その一部が先端側側面27Sよりも接地電極27の内部側へと入り込んで形成されている〔図3(b)中、散点模様を付した部位〕。本実施形態では、先端側側面27Sから溶融部35のうち接地電極27の内部側へと最も入り込んだ部位までの貴金属チップ32の中心軸CL3に沿った距離をd1(mm)としたとき、d1≧0.06を満たすように構成されている。
併せて、溶融部35のうち先端側側面27Sよりも接地電極27の内部側へと入り込んだ部位の貴金属チップ32の中心軸CL3と直交する方向に沿った最大幅をY(mm)としたとき、0.17≦Y≦0.27とされている。
また、溶融部35のうち一方の側面32S1と接触する部位の貴金属チップ32の中心軸CL3に沿った距離と、溶融部35のうち他方の側面32S2と接触する部位の中心軸CL3に沿った距離とのうち、長い方の距離をd2(mm)としたとき、d2≧0.20を満たすように構成されている。
さらに、貴金属チップ32の中心軸CL3に沿った、先端側側面27Sからの溶融部35の最大突出長をd3(mm)としたとき、d3≦t1−t2を満たすように構成されている。
加えて、貴金属チップ32の他端面は、接地電極27の内部側に向けて凸な湾曲形状とされている。
また、図6に示すように、貴金属チップ32の一端面側から見たとき、接地電極27の長手方向に沿った、接地電極27と貴金属チップ32の他端面との接合部分CSに対応する範囲内において、接地電極27の長手方向に沿った溶融部35の長さL1が、接地電極27の長手方向に沿った接合部分CSの長さL2の半分以上とされている。
次に、上記のように構成されてなるスパークプラグ1の製造方法について説明する。
まず、主体金具3を予め加工しておく。すなわち、円柱状の金属素材(例えば、鉄系素材やステンレス素材)に対して冷間鍛造加工等を施すことで概形を形成するとともに、貫通孔を形成する。その後、切削加工を施すことで外形を整え、主体金具中間体を得る。
続いて、主体金具中間体の先端面に、Ni合金等からなる直棒状の接地電極27が抵抗溶接される。当該溶接に際してはいわゆる「ダレ」が生じるので、その「ダレ」を除去した後、主体金具中間体の所定部位にねじ部15が転造によって形成される。これにより、接地電極27の溶接された主体金具3が得られる。また、接地電極27の溶接された主体金具3には、亜鉛メッキ或いはニッケルメッキが施される。尚、耐食性の向上を図るべく、その表面に、さらにクロメート処理を施すこととしてもよい。
一方、前記主体金具3とは別に、絶縁碍子2を成形加工しておく。すなわち、例えばアルミナを主体としバインダ等を含む原料粉末を用いて、成形用素地造粒物を調製するとともに、当該成形用素地造粒物を用いてラバープレス成形を行うことで、筒状の成形体が得られる。そして、得られた成形体に対し、研削加工が施され整形されるとともに、整形されたものが焼成炉で焼成されることにより、絶縁碍子2が得られる。
また、前記主体金具3、絶縁碍子2とは別に、中心電極5を製造しておく。すなわち、中央部に放熱性向上を図るための銅合金等を配置したNi合金を鍛造加工することで、中心電極5を作製する。次いで、中心電極5の先端部に対して貴金属合金からなる貴金属部31がレーザー溶接等により接合される。
次に、上記のようにして得られた絶縁碍子2及び中心電極5と、抵抗体7と、端子電極6とが、ガラスシール層8,9によって封着固定される。ガラスシール層8,9としては、一般的にホウ珪酸ガラスと金属粉末とが混合されて調製されており、当該調製されたものが抵抗体7を挟むようにして絶縁碍子2の軸孔4内に注入された後、後方から端子電極6で押圧しつつ、焼成炉内にて加熱することにより焼き固められる。尚、このとき、絶縁碍子2の後端側胴部10表面には釉薬層が同時に焼成されることとしてもよいし、事前に釉薬層が形成されることとしてもよい。
その後、上記のようにそれぞれ作製された中心電極5及び端子電極6を備える絶縁碍子2と、接地電極27を備える主体金具3とが固定される。より詳しくは、主体金具3に絶縁碍子2を挿通した上で、比較的薄肉に形成された主体金具3の後端側の開口部を径方向内側に加締めること、つまり上記加締め部20を形成することによって絶縁碍子2と主体金具3とが固定される。
次いで、接地電極27の先端部に貴金属チップ32を接合する。まず、所定の貴金属材料に対して鍛造加工等を施すことで、断面矩形状(直方体状)の貴金属チップ32を製造しておく。そして、接地電極27の先端側側面27Sに貴金属チップ32の一部を載置した上で、所定の溶接電極棒(図示せず)を貴金属チップ32の一端面に接触させる。その上で、前記溶接電極棒を接地電極27側へと移動させ、溶接電極棒により貴金属チップ32を所定圧力で押圧しつつ、溶接電極棒から貴金属チップ32へと所定の電流値で通電する。これにより、貴金属チップ32の一部が接地電極27に埋没するとともに、貴金属チップ32の埋没に伴い、接地電極27からはみ出す形で、接地電極27を構成する金属と貴金属チップ32を構成する金属とが溶け合ってなる溶融部35が形成され、接地電極27に貴金属チップ32が接合される。尚、貴金属チップ32の角部及びその近傍に位置する部位は比較的変形しやすいため、貴金属チップ32が埋没していく過程で徐々に拡幅し、その結果、幅広部32Wが形成される。また、貴金属チップ32のうち接地電極27に接合される面の中心側に位置する部位は、押圧に伴い、貴金属チップ32の角部側よりも深く埋没することとなり、その結果、貴金属チップ32の他端面が湾曲形状に形成される。
尚、前記距離d1,d2,d3は、接地電極27に対する貴金属チップ32の埋没量を調節することで変更することができる(例えば、埋没量を増大させることで、距離d1,d2,d3を増大させることができる)。また、前記突出長xや最大幅Yは、押圧時の圧力や電流を調節することで変更することができる。加えて、溶融部を一方の側面32S1側にのみ形成する場合には、抵抗溶接に際して、一方の側面32S1側に流れる電流を他方の側面32S2側に流れる電流よりも増大させればよい。
貴金属チップ32の接合後、接地電極27を中心電極5側に屈曲させる。そして、貴金属部31及び貴金属チップ32間の火花放電間隙33の大きさを調整することで、上述したスパークプラグ1が得られる。
以上詳述したように、本実施形態によれば、貴金属チップ32のうち接地電極27の先端側側面27Sと幅広部32Wのうち幅が最大となる部位との間に位置する部位が、貴金属チップ32の一端側から他端側に向けて徐々に拡幅する形状とされている。従って、貴金属チップ32を接地電極27に埋没させる際に、貴金属チップ32の側面と接地電極27との間に隙間が形成されてしまうことを抑制でき、両者の接触面積を十分に確保することができる。また、隙間の形成が抑制されることで、貴金属チップ32と接地電極27との接合部分に対する酸素の侵入抑制を図ることができる。
さらに、本実施形態によれば、0.25≦t2/t1を満たす程度に貴金属チップ32の埋没量が十分に大きくされ、接地電極27のうち幅広部32Wに係止される部位が十分に厚肉とされている。その結果、接地電極27に対する貴金属チップ32の係止力をより確実に増大させることができる。
加えて、前記断面において、貴金属チップ32の両側面32S1,32S2のうち、幅広部32Wから交点P1,P2までの部位は、接地電極27の母材や溶融部35で覆われている。従って、貴金属チップ32と接地電極27との間における隙間の形成抑制が図られることと相俟って、両者の間への酸素の侵入をより効果的に抑制することができる。
以上のように、本実施形態によれば、貴金属チップ32と接地電極27との接触面積を十分に確保しつつ、接地電極27に対する幅広部32Wの係止力の増大を図ることで、接地電極27に対する貴金属チップ32の接合強度を飛躍的に向上させることができる。また、貴金属チップ32と接地電極27との間における隙間の形成抑制を図りつつ、貴金属チップ32の両側面32S1,32S2と接地電極27との間を接地電極27の母材や溶融部35で覆うことで、酸化スケールの進展を抑制でき、ひいては優れた接合強度を長期間に亘って維持することができる。その結果、貴金属チップ32の脱落を効果的に防止することができる。
さらに、本実施形態では、前記突出長xや距離d1,d2が上記のように設定されるとともに、貴金属チップ32の両側面32S1,32S2と接地電極27との間の広範囲に亘って溶融部35が形成され、さらには、貴金属チップ32の他端面が湾曲形状とされている。そのため、接地電極27に対する貴金属チップ32の接合強度を極めて効果的に向上させることができる。
加えて、最大幅Yが0.27mm以下、最大突出長d3がt1−t2以下とされているため、飛火位置の安定化を図ることができる。併せて、貴金属チップ32を接地電極27の先端面27Fよりも突出させるとともに、t2/t1≦0.70を満たすように構成されており、接地電極27による火炎核の成長阻害を効果的に抑制することができる。すなわち、本実施形態によれば、飛火位置の安定化、及び、火炎核の成長促進の双方を実現することができ、着火性を十分に向上させることができる。
次いで、上記実施形態によって奏される作用効果を確認すべく、前記角度θ1,θ2をそれぞれ100°、90°、80°、又は、70°とした上で、貴金属チップの中心軸に沿った貴金属チップの厚さt1(mm)と、貴金属チップの中心軸に沿った接地電極の先端側側面(接合対象面)からの貴金属チップの埋没量t2(mm)とをそれぞれ変更することで、t2/t1を種々変更したスパークプラグのサンプルを作製し、各サンプルについて、超音波ホーン試験を行った。超音波ホーン試験の概要は次の通りである。すなわち、貴金属チップが破断して、その破断した貴金属チップの一部が接地電極から脱落するまで、超音波ホーンを用いて各サンプルの接地電極に対して周波数27.3kHzの振動を加えた。そして、図7に示すように、接地電極から脱落せずに残った貴金属チップ(残存チップ)の接地電極の長手方向に沿った長さK1を測定するとともに、試験前における貴金属チップと接地電極との接合部分の接地電極の長手方向に沿った長さK2に対する長さK1の割合(K1/K2;チップ残存割合)を算出した。ここで、チップ残存割合が50%以上のサンプルは、接地電極に対する貴金属チップの接合強度に優れるとして「○」の評価を下し、チップ残存割合が50%未満のサンプルは、接合強度に劣るとして「×」の評価を下すこととした。表1に、当該試験の試験結果を示す。尚、各サンプルともに、接地電極の先端面から突出するようにして貴金属チップを設け、接地電極の先端面に対する貴金属チップの突出長を0.65mmとした。また、θ1を70°、又は、80°にしたサンプルにおいては、貴金属チップのうち先端側側面と幅広部のうち幅が最大となる部位との間に位置する部位を、貴金属チップの一端側から他端側に向けて徐々に拡幅する形状とした。
Figure 0005302944
表1に示すように、角度θ1,θ2を100°、又は、90°としたサンプル(つまり、貴金属チップに幅広部が形成されていなかったサンプル)は、貴金属チップの大部分が脱落してしまい、接合強度に劣ることが分かった。また、角度θ1,θ2を90°未満としたサンプルのうち、t2/t1を0.25未満としたものも、接合強度に劣ることが確認された。
これに対して、角度θ1,θ2を80°、又は、70°としたサンプル(つまり、貴金属チップに幅広部を形成したサンプル)であって、t2/t1を0.25以上としたものは、チップ残存割合が50%以上となり、優れた接合強度を有することが分かった。これは、貴金属チップの埋没量を十分に大きくし、接地電極のうち幅広部が係止される部位を十分に厚肉としたことで、接地電極に対する貴金属チップの係止力が増大したことに起因すると考えられる。
尚、表1には示していないが、貴金属チップのうち接地電極に埋没する部位に径方向外側に膨出する鍔状の突出部を設け、貴金属チップの埋没部の外径を急激に増大させたサンプル(図8参照)や、貴金属チップの埋没部に括れ部を設けたサンプル(図9参照)についても、上記試験を行ったところ、チップ残存割合が50%未満となり、接合強度に劣ることが分かった。これは、接地電極に対して貴金属チップを埋没させる際に、突出部や括れ部の影響により接地電極と貴金属チップとの間に隙間があいてしまったためであると考えられる。
以上の試験結果より、接地電極に対する貴金属チップの接合強度を向上させるべく、貴金属チップを接地電極に埋没させるとともに、貴金属チップの埋没部に幅広部を設け、かつ、0.25≦t2/t1を満たすように構成することが好ましいといえる。
次いで、前記角度θ1,θ2をそれぞれ100°、90°、又は、80°とした上で、t2/t1を種々変更したスパークプラグのサンプルを作製し、各サンプルについて着火性評価試験を行った。着火性評価試験の概要は次の通りである。すなわち、各サンプルを所定のエンジンに取付けた上で、t1を0.7mmとしたサンプルは空燃比を23.0とし、t1を0.3mmとしたサンプルは空燃比を22.0として(すなわち、空燃比を着火限界の空燃比に極めて近いものとして)、各サンプルに対して1000回ずつ電圧を印加し、失火の発生した回数(失火回数)を測定した。ここで、失火回数が10回未満となったサンプルは、着火性に優れるとして「○」の評価を下し、一方で、失火回数が10回以上となったサンプルは、着火性にやや劣るとして「△」の評価を下すこととした。表2に、当該試験の試験結果を示す。尚、各サンプルともに、接地電極の先端面から突出するようにして貴金属チップを設け、接地電極の先端面に対する貴金属チップの突出長を0.65mmとした。また、火花放電間隙の大きさをそれぞれ同一のものとした。
Figure 0005302944
表2に示すように、t2/t1を0.70よりも大きくしたサンプルは、着火性にやや劣ることが確認された。これは、埋没量t2を過度に増大させ、接地電極に対する貴金属チップ一端部の突出量が減少してしまったことで、接地電極が火花放電間隙に近づくこととなってしまい、その結果、接地電極により火炎核の成長が阻害されやすくなってしまったためであると考えられる。
これに対して、t2/t1を0.70以下としたサンプルは、優れた着火性を有することが分かった。
上記試験の結果より、着火性の向上を図るべく、t2/t1≦0.70を満たすように構成することが好ましいといえる。
次に、幅広部の幅W1を1.0mm、又は、0.7mmとした上で、前記突出長x(mm)を種々変更したスパークプラグのサンプルを作製し、各サンプルについて高周波冷熱試験を行った。高周波冷熱試験の概要は次の通りである。すなわち、サンプルに対して、大気雰囲気下にて貴金属チップの温度が1000℃となるように高周波加熱装置により2分間加熱した後、1分間徐冷することを1サイクルとして1000サイクル実施した。そして、1000サイクル終了後にサンプル断面を観察することで、貴金属チップの他端面と接地電極との接合部分の長さに対する、当該接合部分に形成された酸化スケールの長さの割合(酸化スケール割合)を計測した。ここで、酸化スケール割合が30%以下となったサンプルは、貴金属チップの耐剥離性(接合強度)に極めて優れるとして「◎」の評価を下し、酸化スケール割合が50%以下となったサンプルは、耐剥離性に優れるとして「○」の評価を下すこととした。一方で、酸化スケール割合が50%を超えたサンプルは、耐剥離性にやや劣るとして「△」の評価を下すこととした。表3に、当該試験の試験結果を示す。尚、各サンプルともに、接地電極の先端面から突出するようにして貴金属チップを設け、接地電極の先端面に対する貴金属チップの突出長を0.65mmとした。また、貴金属チップの厚さt1を0.7mmとし、貴金属チップの埋没量t2を0.3mmとし、角度θ1,θ2をそれぞれ80°とした。
Figure 0005302944
表3に示すように、各サンプルともに優れた耐剥離性を有していたが、特に突出長xを幅広部の幅W1の0.02倍以上としたサンプルは、酸化スケール割合が30%以下となり、非常に優れた耐剥離性を有することが分かった。これは、突出長xを大きくしたことで、酸素が侵入する箇所(貴金属チップの側面と溶融部や接地電極との境界部分)から接合部分まで距離を十分に大きく確保できたためであると考えられる。
上記試験の結果より、酸化スケールの進展を抑制し、貴金属チップの耐剥離性を向上させるためには、突出長x及び幅広部の幅W1について、x≧W1×0.02を満たすように構成することが好ましいといえる。
次いで、接地電極の長手方向に沿った溶融部の長さを種々変更したサンプル1〜3を作製し、各サンプルについて上述の高周波冷熱試験を行った。表4に、当該試験の試験結果を示す。尚、サンプル1は、接地電極と貴金属チップの他端面との接合部分の中心を通り、接地電極の中心軸に直交する断面において、接地電極の両側面と接地電極との間に溶融部が形成されていないもの(すなわち、接地電極の長手方向に沿った溶融部の長さを、接地電極の長手方向に沿った前記接合部分の長さL2の半分未満としたもの)である。また、サンプル2は、前記断面において、貴金属チップの一方の側面側にのみ溶融部が存在するもの(すなわち、貴金属チップの一方の側面側に形成された溶融部の長さを前記長さL2の半分以上とした一方で、貴金属チップの他方の側面側に形成された溶融部の長さを前記長さL2の半分未満としたもの)である。さらに、サンプル3は、前記断面において、貴金属チップの両側面側に溶融部が存在するもの(すなわち、貴金属チップの両側面側に形成された溶融部の長さをそれぞれ前記長さL2の半分以上としたもの)である。尚、サンプル1〜3ともに、接地電極の先端面に対する貴金属チップの突出長を0.65mmとし、貴金属チップの厚さt1を0.7mmとし、貴金属チップの埋没量t2を0.3mmとし、角度θ1,θ2をそれぞれ80°とした。
Figure 0005302944
表4に示すように、前記断面において、貴金属チップの少なくとも一方の側面側に溶融部が存在するように構成したサンプル2,3は、貴金属チップの耐剥離性に優れることが分かった。これは、貴金属チップの側面と接地電極との間を覆うようにして十分な長さの溶融部を設けたことで、接合部分に対する酸素の侵入をより確実に抑制できたことに起因すると考えられる。また特に、前記断面において、貴金属チップの両側面側に溶融部が存在するように構成したサンプル3は、極めて優れた耐剥離性を有することが分かった。
上記試験の結果より、耐剥離性の向上を図るべく、前記断面において、溶融部を、貴金属チップの両側面のうち少なくとも一方の側面と当該一方の側面側に位置する接地電極とに接触させるように構成すること(換言すれば、貴金属チップの一端部側から見たとき、接地電極と貴金属チップの他端面との接合部分に対応する範囲内において、溶融部のうち、少なくとも貴金属チップの一方の側面側に形成された部位の接地電極の長手方向に沿った長さを、接地電極の長手方向に沿った接合部分の長さの半分以上とすること)が好ましいといえる。また、耐剥離性の更なる向上を図るという観点からは、前記断面において、溶融部を、貴金属チップの一方の側面と当該一方の側面側に位置する接地電極とに接触させるともに、貴金属チップの他方の側面と当該他方の側面側に位置する接地電極とに接触するように構成すること(換言すれば、貴金属チップの一端部側から見たとき、接地電極と貴金属チップの他端面との接合部分に対応する範囲内において、溶融部のうち、貴金属チップの各側面側に形成された2つの部位の接地電極の長手方向に沿ったそれぞれの長さを、接地電極の長手方向に沿った接合部分の長さの半分以上とすること)がより好ましいといえる。
次に、接地電極の先端側側面から溶融部のうち接地電極の内部側へと最も入り込んだ部位までの貴金属チップの中心軸に沿った距離d1(mm)を種々変更したスパークプラグのサンプルを作製し、各サンプルについて上述の高周波冷熱試験を行った。表5に、当該試験の試験結果を示す。尚、各サンプルともに、貴金属チップの厚さt1を0.7mmとし、貴金属チップの埋没量t2を0.3mmとし、角度θ1,θ2をそれぞれ75°とし、幅広部の幅W1を0.7mmとし、突出長xを0.01mmとした(以下の試験では、各サンプルともに、t1やt2等の値をこれらと同一の値とした)。
Figure 0005302944
表5に示すように、距離d1を0.06mm以上としたサンプルは、非常に優れた耐剥離性を有することが分かった。これは、貴金属チップと接地電極との接触部分が厚肉の溶融部で覆われたことにより、貴金属チップと接地電極との接合部分に対する酸素の侵入が効果的に抑制されたためであると考えられる。
上記試験の結果より、耐剥離性の向上を図るべく、d1≧0.06を満たすように構成することが好ましいといえる。
次いで、溶融部のうち接地電極の先端側側面よりも接地電極の内部側へと入り込んだ部位の貴金属チップの中心軸と直交する方向に沿った最大幅Y(mm)を種々変更したスパークプラグのサンプルを作製し、各サンプルについて上述の高周波冷熱試験、及び、飛火位置確認試験を行った。
尚、飛火位置確認試験の概要は次の通りである。すなわち、各サンプルを所定のチャンバーに取付けた上で、100回ずつ火花放電させ、中心電極と貴金属チップとの間で火花放電が生じた回数(チップ飛火数)を測定した。ここで、チップ飛火数が50回以上のサンプルは、正規位置において安定的に火花放電を生じさせることができ、着火性に優れるとして「○」の評価を下し、一方で、チップ飛火数が50回未満となったサンプルは、飛火位置が安定せず、着火性にやや劣るとして「△」の評価を下すこととした。表6に、高周波冷熱試験の試験結果を示し、表7に、飛火位置確認試験の試験結果を示す。
Figure 0005302944
Figure 0005302944
表6に示すように、最大幅Yを0.17mm以上としたサンプルは、酸化スケール割合が30%以下となり、耐剥離性に極めて優れることが明らかとなった。これは、接地電極と貴金属チップとの接合部分を塞ぐようにして十分なボリュームの溶融部が形成されたことで、前記接合部分への酸素の侵入がより確実に抑制されたためであると考えられる。
一方で、表7に示すように、最大幅を0.27mmよりも大きくしたサンプルは、飛火位置が安定せず、着火性に若干劣ることが確認された。これは、溶融部のボリュームが過度に増大し、火花放電間隙に対して溶融部がより接近してしまったことによると考えられる。
上記試験の結果より、耐剥離性及び着火性の双方を向上させるためには、溶融部のうち接地電極の内部側に入り込んだ部位の最大幅Y(mm)について、0.17≦Y≦0.27を満たすように構成することが好ましいといえる。
次いで、前記距離d2(mm)を種々変更したスパークプラグのサンプルを作製し、各サンプルについて上述の高周波冷熱試験を行った。表8に、当該試験の試験結果を示す。
Figure 0005302944
表8に示すように、距離d2を0.20mm以上としたサンプルは、耐剥離性に非常に優れることが確認された。これは、溶融部と貴金属チップの側面との接触面積を十分に大きくしたことで、接合部分に対する酸素の侵入抑制がより確実に図られたためであると考えられる。
上記試験の結果より、耐剥離性の向上を図るべく、距離d2(mm)について、d2≧0.20を満たすように構成することが好ましいといえる。
次に、貴金属チップの中心軸に沿った、接地電極の先端側側面からの溶融部の最大突出長d3(mm)を種々変更したスパークプラグのサンプルを作製し、各サンプルについて、上述の飛火位置測定試験を行った。表9に、当該試験の試験結果を示す。尚、上述したことではあるが、各サンプルともに、貴金属チップの厚さt1を0.7mmとし、貴金属チップの埋没量t2を0.3mmとした(つまり、t1−t2を0.4mmとした)。
Figure 0005302944
表9に示すように、最大突出長d3を0.4mmよりも大きくしたサンプル、つまり、最大突出長d3を先端側側面からの貴金属チップの突出長(t1−t2)よりも大きくしたサンプルは、飛火位置が安定せず、着火性にやや劣ることが明らかとなった。これは、溶融部が貴金属チップの一端面よりも火花放電間隙側へと突き出した状態で形成されてしまったことに起因すると考えられる。
これに対して、最大突出長d3を0.4mm以下としたサンプル、つまり、最大突出長d3を貴金属チップの突出長(t1−t2)以下としたサンプルは、飛火位置が安定し、優れた着火性を有することが確認された。
上記試験の結果より、着火性の更なる向上を図るべく、最大突出長d3(mm)について、d3≧t1−t2を満たすように構成することが好ましいといえる。
次いで、貴金属チップの他端面を平坦状に形成したスパークプラグのサンプルAと、貴金属チップの他端面を接地電極の内部側に向けて凸の湾曲形状にしたスパークプラグのサンプルBとを作製し、両サンプルについて上述の高周波冷熱試験を行った。表10に、当該試験の試験結果を示す。
Figure 0005302944
表10に示すように、貴金属チップの他端面を湾曲形状にしたサンプルBは、耐剥離性に極めて優れることが明らかとなった。これは、接合面積の増大が図られたことで、接合部分に多少の酸化スケールが生じたとしても、接合部分全体に対する酸化スケールの割合を十分に小さくできたためであると考えられる。
上記試験の結果より、耐剥離性の更なる向上を図るために、貴金属チップの他端面を接地電極の内部側に向けて凸の湾曲形状とすることが好ましいといえる。
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
(a)上記実施形態では、貴金属チップ32の一端側から他端側に向けて、埋没部32Bが徐々に拡幅する形状とされている。これに対して、図10に示すように、貴金属チップ32の一端側から他端側に向けて、一定の幅を有する部位と徐々に拡幅する部位とを有するように埋没部52Bを構成することとしてもよい。この場合であっても、接地電極27と貴金属チップ52との間に隙間が形成されてしまうことをより確実に防止でき、貴金属チップ52の接合強度を向上させることができる。
(b)上記実施形態では、断面矩形状の貴金属チップ32の接合時に幅広部32Wが形成されるように構成されているが、例えば、図11に示すように、貴金属チップ62を予め断面台形状に形成しておき、当該貴金属チップ62を接地電極27に対して埋没状態で接合することとしてもよい。また、上記実施形態では、貴金属チップ32の他端面が湾曲形状とされているが、貴金属チップ62の他端面を平坦状に形成することとしてもよい。
(c)上記実施形態では、接地電極27の先端側側面27Sに貴金属チップ32が接合されているが、接地電極27のうち貴金属チップ32が接合される面は、これに限定されるものではない(つまり、接合対象面は先端側側面27Sに限定されるものではない)。従って、図12に示すように、接地電極27の先端面27Fに対して、貴金属チップ72を接合することとしてもよい。また、貴金属チップの一端面を中心電極5(貴金属部31)の先端面に対向させることなく、貴金属チップの一端面を中心電極5(貴金属部31)の側面に対向させることとしてもよい。
(d)上記実施形態において、接地電極27は断面矩形状とされているが、接地電極の断面形状はこれに限定されるものではない。従って、例えば、図13に示すように、先端側側面57Sを平坦状に形成する一方で、その他の面が外側に凸の湾曲形状をなすように接地電極57を構成することとしてもよい。また、図14に示すように、先端側側面67Sに隣接する両側面67L,67Rが外側に凸の湾曲形状をなすように接地電極67を構成することとしてもよい。さらに、図15に示すように、接地電極77の側面同士の間を面取りすることとしてもよい。この場合には、接地電極を回り込む形で火花放電間隙33に対して燃料ガスが入り込みやすくなり、着火性の更なる向上を図ることができる。
(e)上記実施形態では、接地電極27の先端面から突出するようにして貴金属チップ32が接合されているが、図16に示すように、接地電極27の先端面から突出させることなく、貴金属チップ82を接合することとしてもよい。尚、この場合において、「接地電極と貴金属チップの他端面との接合部分の中心を通り、接地電極の中心軸に直交する断面」とあるのは、貴金属チップ82のうち接地電極27の中心軸CL2に沿って接地電極27の先端面27Fに最も近接する面82Fと、先端面27Fから最も離間する面82Bとの前記中心軸CL2方向に沿った中央位置を通り、前記中心軸CL2と直交する断面ということもできる。
(f)上記実施形態では、中心電極5が貴金属部31を備えているが、貴金属部31を設けなくてもよい。
(g)上記実施形態において、接地電極27は、外層27A及び内層27Bとからなる多層構造とされているが、接地電極を単一の合金により構成することとしてもよいし、3層以上の多層構造としてもよい。
(h)上記実施形態では、主体金具3の先端部26に、接地電極27が接合される場合について具体化しているが、主体金具の一部(又は、主体金具に予め溶接してある先端金具の一部)を削り出すようにして接地電極を形成する場合についても適用可能である(例えば、特開2006−236906号公報等)。
(i)上記実施形態では、工具係合部19は断面六角形状とされているが、工具係合部19の形状に関しては、このような形状に限定されるものではない。例えば、Bi−HEX(変形12角)形状〔ISO22977:2005(E)〕等とされていてもよい。
1…スパークプラグ
2…絶縁碍子(絶縁体)
3…主体金具
4…軸孔
5…中心電極
27…接地電極
27S…先端側側面(接合対象面)
32…貴金属チップ
32B…埋没部
32W…幅広部
33…火花放電間隙(間隙)
35…溶融部
CL1…軸線
CL2…(接地電極の)中心軸
CL3…(貴金属チップの)中心軸
CS…接合部分
CP…(接合部分の)中心

Claims (12)

  1. 軸線方向に貫通する軸孔を有する絶縁体と、
    前記軸孔に挿設された中心電極と、
    前記絶縁体の外周に設けられた筒状の主体金具と、
    前記主体金具の先端部に配置された接地電極と、
    前記接地電極の先端部に抵抗溶接によって接合され、自身の一端部が前記中心電極の先端部との間に間隙を形成する柱体の貴金属チップとを備えるスパークプラグであって、
    前記貴金属チップの他端部には、前記接地電極のうち前記貴金属チップが接合される側の面である接合対象面よりも前記接地電極の内部側へと埋没する埋没部が設けられ、
    前記接地電極と前記貴金属チップの他端面との接合部分の中心を通り、前記接地電極の中心軸に直交する断面において、
    前記埋没部には、前記貴金属チップの一端部よりも幅の広い幅広部が形成されており、
    前記貴金属チップのうち前記接合対象面と前記幅広部のうち幅が最大となる部位との間に位置する部位は、前記貴金属チップの一端側から他端側に向けて徐々に拡幅する形状、又は、前記貴金属チップの一端側から他端側に向けて徐々に拡幅する部位と幅が一定の部位とを有する形状とされ、
    前記貴金属チップの一端面と他端面とを結ぶ両側面のうち、前記幅広部から前記接合対象面の外形線を前記貴金属チップ側に延長した延長線との交点までの部位は、前記貴金属チップと前記接地電極とが溶け合ってなる溶融部、及び、前記接地電極母材のうち少なくとも一方で覆われており、
    前記貴金属チップの中心軸に沿った前記貴金属チップの厚さをt1(mm)とし、前記貴金属チップの中心軸に沿った前記接合対象面からの前記貴金属チップの埋没量をt2(mm)としたとき、
    0.25≦t2/t1
    を満たし
    前記貴金属チップは、自身と前記接地電極とが溶け合ってなる溶融部により前記接地電極に接合されており、
    前記断面において、
    前記溶融部は、前記貴金属チップの一端面と他端面とを結ぶ両側面のうち少なくとも一方の側面と当該一方の側面側に位置する前記接地電極とに接触するとともに、前記一方の側面側に位置する前記接地電極の接合対象面にも接触することを特徴とするスパークプラグ。
  2. 前記断面において、
    前記貴金属チップの一端面と他端面とを結ぶ両側面のうち一方の側面と、前記接合対象面の外形線を前記貴金属チップ側に延長した延長線との交点を基準とした、前記貴金属チップの一方の側面側に位置する前記幅広部の前記貴金属チップの中心軸と直交する方向に沿った突出長をα(mm)とし、
    前記貴金属チップの他方の側面と、前記接合対象面の外形線を前記貴金属チップ側に延長した延長線との交点を基準とした、前記貴金属チップの他方の側面側に位置する前記幅広部の前記貴金属チップの中心軸と直交する方向に沿った突出長をβ(mm)とし、
    前記突出長α及び前記突出長βのうち、大きい方の突出長をx(mm)とし、
    前記貴金属チップの中心軸と直交する方向に沿った前記幅広部のうち幅が最大となる部位の幅をW1(mm)としたとき、
    x≧W1×0.02
    を満たすことを特徴とする請求項1に記載のスパークプラグ。
  3. 記断面において、
    前記溶融部は、前記接合対象面よりも前記接地電極の内部側へと入り込んで形成され、
    前記接合対象面から前記溶融部のうち前記接地電極の内部側へと最も入り込んだ部位までの前記貴金属チップの中心軸に沿った距離をd1(mm)としたとき、
    d1≧0.06
    を満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載のスパークプラグ。
  4. 前記断面において、
    前記溶融部のうち前記接合対象面よりも前記接地電極の内部側へと入り込んだ部位の前記貴金属チップの中心軸と直交する方向に沿った最大幅をY(mm)としたとき、
    0.17≦Y≦0.27
    を満たすことを特徴とする請求項3に記載のスパークプラグ。
  5. 記断面において、
    前記溶融部は、前記貴金属チップの一方の側面と当該一方の側面側に位置する前記接地電極とに接触するとともに、前記一方の側面側に位置する前記接地電極の接合対象面にも接触し、前記貴金属チップの他方の側面と当該他方の側面側に位置する前記接地電極とに接触するとともに、前記他方の側面側に位置する前記接地電極の接合対象面にも接触することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のスパークプラグ。
  6. 前記断面において、
    前記溶融部のうち前記貴金属チップの一方の側面と接触する部位の前記貴金属チップの中心軸に沿った距離と、前記溶融部のうち前記貴金属チップの他方の側面と接触する部位の前記貴金属チップの中心軸に沿った距離とのうち、長い方の距離をd2(mm)としたとき、
    d2≧0.20
    を満たすことを特徴とする請求項に記載のスパークプラグ。
  7. 前記断面において、
    前記貴金属チップの中心軸に沿った、前記接合対象面からの前記溶融部の最大突出長をd3(mm)としたとき、
    d3≦t1−t2
    を満たすことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のスパークプラグ。
  8. 前記貴金属チップは、自身と前記接地電極とが溶け合ってなる溶融部により前記接地電極に接合されており、
    前記貴金属チップの一端面側から見たとき、
    前記接地電極の長手方向に沿った、前記接地電極と前記貴金属チップの他端面との接合部分に対応する範囲内において、前記接地電極の長手方向に沿った前記溶融部の長さが、前記接地電極の長手方向に沿った前記接合部分の長さの半分以上とされることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のスパークプラグ。
  9. 前記断面において、
    前記貴金属チップの他端面は、前記接地電極の内部側に向けて凸な湾曲形状とされることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のスパークプラグ。
  10. 前記貴金属チップは、前記接地電極の先端面から突出していることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のスパークプラグ。
  11. t2/t1≦0.70
    を満たすことを特徴とする請求項10に記載のスパークプラグ。
  12. 請求項1乃至11のいずれか1項に記載のスパークプラグの製造方法であって、
    前記接地電極に前記貴金属チップを接合する接合工程を含み、
    前記接合工程においては、
    自身の中心軸を含む断面において断面矩形状をなす貴金属チップを前記接地電極に載置した上で、前記貴金属チップを前記接地電極側へと加圧しつつ前記貴金属チップに通電することにより、前記接地電極に埋没する埋没部と前記貴金属チップの一端部よりも幅の広い幅広部とを前記貴金属チップに形成しつつ、前記接地電極に前記貴金属チップを接合することを特徴とするスパークプラグの製造方法。
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