JP2019102367A - 点火プラグ - Google Patents

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Hirotaka Tokumaru
裕貴 徳丸
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Abstract

【課題】火花の吹き流れを利用して点火プラグの着火性能を向上する。【解決手段】軸線に沿って延びる軸孔を有する筒状の絶縁体と、後端側が軸孔内に配置され、先端側が絶縁体より先端側に突出した棒状の中心電極と、絶縁体の外周に配置される主体金具と、主体金具の先端部に接続された接続端部と、接続端部とは反対側で中心電極との間に間隙を形成して対向する自由端部と、を備える接地電極と、を備える点火プラグは、主体金具の先端部のうち、軸線と接続端部の中心とを通る平面で分割される2つの部分のうちの一方の部分の先端側に、先端側に向かって延出する複数個の延出部を有する整流部を備える。整流部は、内燃機関に取り付けられた状態で、先端部の2つの部分のうちの一方の側から他方の側に向かうガスの流れを間隙に向かって整流する部材である。【選択図】 図4

Description

本明細書は、内燃機関等において燃料ガスに点火するための点火プラグに関する。
従来から、内燃機関に用いられる点火プラグとして、中心電極と接地電極との間の間隙(火花放電ギャップ)において火花放電を行う点火プラグが用いられている。このような点火プラグの主体金具の形状として、様々な工夫がなされたものが知られている。例えば、特許文献1には、主体金具の先端部の外径面に、燃焼室内の混合ガスのタンブル渦気流を燃焼室の中央部方向へ制御するテーパー面部を設ける構成が開示されている。
特開2008−108479号公報 特開2012−248389号公報 特開2013−536558号公報
ここで、内燃機関の燃費向上や排気ガスの浄化のために、混合気の希薄化や再循環されるガス(EGRガス)の増加が図られており、これに伴い混合気への着火が難しくなる傾向にあるために点火プラグの着火性能の向上が求められている。また、内燃機関の燃焼室内のガス流の流速が速くなる傾向にあるため、点火プラグの間隙に発生した火花が、ガス流に吹き流される現象(以下、吹き流れとも呼ぶ)を考慮する必要性が増している。
本明細書は、点火プラグにおいて、火花の吹き流れを利用して点火プラグの着火性能を向上する技術を開示する。
本明細書に開示される技術は、以下の適用例として実現することが可能である。
[適用例1]軸線に沿って延びる軸孔を有する筒状の絶縁体と、
前記軸線に沿って延び、後端側が前記軸孔内に配置され、先端側が前記絶縁体より先端側に突出した棒状の中心電極と、
前記絶縁体の外周に配置され、先端部が前記中心電極の先端よりも後端側に位置する主体金具と、
前記主体金具の前記先端部に接続された接続端部と、前記接続端部とは反対側で前記中心電極との間に間隙を形成して対向する自由端部と、を備える接地電極と、
を備える点火プラグであって、
前記主体金具の前記先端部のうち、前記軸線と前記接続端部の中心とを通る平面で分割される2つの部分のうちの一方の部分の先端側に、先端側に向かって延出する複数個の延出部を有する整流部を備え、
前記複数個の延出部は、内燃機関に取り付けられた状態で、前記先端部の前記2つの部分のうちの一方の側から他方の側に向かうガスの流れを前記軸線と垂直な方向について前記間隙に向かって整流する部材である、点火プラグ。
上記構成によれば、複数個の延出部によって、軸線と垂直な方向について、中心電極と接地電極との間の間隙に向かうようにガスを整流して、当該間隙を通過するガスの流速および流量を大きくすることができる。この結果、間隙に発生した火花の吹き流れを促進して火花を拡大させることができる。この結果、火花の吹き流れを利用して点火プラグの着火性能を向上することができる。
[適用例2]適用例1に記載の点火プラグであって、さらに、
前記整流部は、前記複数個の延出部のうちの第1の延出部と第2の延出部との間に配置された第1の傾斜面を備え、
前記第1の傾斜面は、内周側が外周側よりも先端側にあり、かつ、先端側を向いており、
前記第1の傾斜面の前記内周側の端は、前記複数個の延出部の先端よりも後端側にあり、
前記第1の傾斜面は、前記中心電極の先端よりも後端側に位置している、点火プラグ。
上記構成によれば、第1の傾斜面によって、軸線の方向について、中心電極と接地電極との間の間隙に向かうようにガスを整流して、当該間隙を通過するガスの流速および流量をさらに大きくすることができる。また、火花を燃焼室の中心に向かって吹き流すことができる。
[適用例3]適用例1または2に記載の点火プラグであって、さらに、
前記整流部は、前記複数個の延出部のうちの第1の延出部と第2の延出部との間に配置された第2の傾斜面を備え、
前記第2の傾斜面は、内周側が外周側よりも後端側にあり、かつ、後端側を向いており、
前記第2の傾斜面は、前記中心電極の先端よりも先端側に位置している、点火プラグ。
上記構成によれば、第2の傾斜面によって、軸線方向について、中心電極と接地電極との間の間隙に向かうようにガスを整流して、当該間隙を通過するガスの流速および流量をさらに大きくすることができる。
[適用例4]適用例2に記載の点火プラグであって、
前記軸線を含み、前記第1の傾斜面の周方向の中心を通る断面において、前記第1の傾斜面を示す線を延長した仮想線は、前記間隙を通る、点火プラグ。
上記構成によれば、第1の傾斜面によって、ガスが、中心電極と接地電極との間の間隙に向かう方向に適切に整流されるので、当該間隙を通過するガスの流速および流量をさらに大きくすることができる。
[適用例5]適用例3に記載の点火プラグであって、
前記軸線を含み、前記第2の傾斜面の周方向の中心を通る断面において、前記第2の傾斜面を示す線を延長した仮想線は、前記間隙を通る、点火プラグ。
上記構成によれば、第2の傾斜面によって、ガスが、中心電極と接地電極との間の間隙に向かう方向に適切に整流されるので、当該間隙を通過するガスの流速および流量をさらに大きくすることができる。
なお、本明細書に開示される技術は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、点火プラグや点火プラグを用いた点火装置、その点火プラグを搭載する内燃機関や、その点火プラグを用いた点火装置を搭載する内燃機関、点火プラグの電極等の態様で実現することができる。
本実施形態の点火プラグ100が取り付けられる内燃機関の一例を示す図。 点火プラグ100と吸気バルブ730と排気バルブ740との配置例を示す投影図。 本実施形態の点火プラグ100の断面図。 点火プラグ100の先端近傍の斜視図。 点火プラグ100の先端近傍の拡大図。 点火プラグ100を軸線AXに沿って先端側から後端方向BDに向かって見た図。 軸線を含み傾斜部の周方向の中心を通る平面で点火プラグ100の先端近傍を切断した断面図。 第2実施形態の点火プラグの先端部近傍の外観図である。 軸線を含み傾斜部の周方向の中心を通る平面で点火プラグの先端近傍を切断した断面図。 変形例の点火プラグを軸線に沿って先端側から後端方向に向かって見た図。
A.第1実施形態:
A−1.点火プラグ100の使用の態様
図1は、本実施形態の点火プラグ100が取り付けられる内燃機関の一例を示す図である。図中には、内燃機関700の複数(例えば、4個)の燃焼室(シリンダとも呼ばれる)のうちの1個の燃焼室790の概略断面図が示されている。内燃機関700は、エンジンヘッド710と、シリンダブロック720と、ピストン750と、点火プラグ100と、を含んでいる。ピストン750は、図示しないコネクティングロッドに連結され、コネクティングロッドは、図示しないクランクシャフトに連結されている。
シリンダブロック720は、燃焼室790のうちの一部(略円筒状の空間)を形成するシリンダ壁729を有している。シリンダブロック720の一方向側(図1の上側)には、エンジンヘッド710が固定されている。エンジンヘッド710は、燃焼室790の端部を形成する内壁719と、燃焼室790に連通する吸気ポート712を形成する第1壁711と、吸気ポート712を開閉可能な吸気バルブ730と、燃焼室790に連通する排気ポート714を形成する第2壁713と、排気ポート714を開閉可能な排気バルブ740と、点火プラグ100を取り付けるための取付孔718と、を有している。ピストン750は、シリンダ壁729によって形成される空間内を、往復動する。ピストン750のエンジンヘッド710側の面759と、シリンダブロック720のシリンダ壁729と、エンジンヘッド710の内壁719と、に囲まれる空間が、燃焼室790に相当する。点火プラグ100の中心電極20と接地電極30(後述)とは、燃焼室790に露出している。図中の軸線AXは、点火プラグ100の軸線AXである。
図2は、点火プラグ100と吸気バルブ730と排気バルブ740との配置例を示す投影図である。この投影図は、点火プラグ100の中心電極20の軸線AXに垂直な投影面上に要素100、730、740を投影することによって得られる投影図である。図示された要素100、730、740は、1個の燃焼室790(図1)の要素である。図中では、バルブ730、740を表す領域のそれぞれに、ハッチングが付されている。
図2に示すように、本実施形態の内燃機関700の1個の燃焼室790には、1個の点火プラグ100と、2個の吸気バルブ730と、2個の排気バルブ740と、が設けられている。投影図中のバルブ730、740は、いずれも、閉じた状態のバルブ730、740を示している。また、投影図中のバルブ730、740は、いずれも、燃焼室790内から見える部分を示している。以下、2個の吸気バルブ730を区別する場合には、符号「730」の末尾に識別子(ここでは、「a」または「b」)を付加する。2個の排気バルブ740についても、同様である。
図中には、バルブ730a、730b、740a、740bのそれぞれの中心位置C3a、C3b、C4a、C4bが、示されている。これらの中心位置C3a、C3b、C4a、C4bは、それぞれ、図2に示す投影面上におけるバルブ730a、730b、740a、740bを表す領域の重心位置を示している。例えば、第1中心位置C3aは、第1吸気バルブ730aを表す領域の重心位置である。なお、領域の重心は、領域内に質量が均等に分布していると仮定した場合の重心の位置である。
図中には、2個の重心位置C3、C4が示されている。吸気重心位置C3は、2個の吸気バルブ730a、730bのそれぞれの中心位置C3a、C3bの重心位置である。排気重心位置C4は、2個の排気バルブ740a、740bのそれぞれの中心位置C4a、C4bの重心位置である。なお、複数の中心位置の重心位置は、各中心位置に同じ質量が配置されていると仮定した場合の重心の位置である。
図2の矢印で示す流動方向Dgは、軸線AXと略垂直な方向であり、吸気重心位置C3から排気重心位置C4からに向かう方向である(バルブ配置方向とも呼ぶ。)。点火プラグ100の点火時には、燃焼室790内における点火プラグ100の先端近傍を流動方向Dgに燃料ガス(空気と燃料の混合気)が流動する。図2の流動方向Dgを示す矢印は、点火プラグ100の先端近傍における混合気の流動経路を示していると、言うこともできる。
A−2.点火プラグの構成:
図3は本実施形態の点火プラグ100の断面図である。軸線AXと平行な方向(図3の上下方向)を軸線方向とも呼ぶ。軸線AXを中心とし、軸線AXと垂直な面上の円の径方向を、単に「径方向」とも呼び、当該円の周方向を、単に「周方向」とも呼ぶ。図3における下方向を先端方向FDと呼び、上方向を後端方向BDとも呼ぶ。図3における下側を、点火プラグ100の先端側と呼び、図3における上側を点火プラグ100の後端側と呼ぶ。
点火プラグ100は、上述したように内燃機関700に取り付けられ、内燃機関700の燃焼室790内の燃焼ガスに着火するために用いられる。点火プラグ100は、絶縁体10と、中心電極20と、接地電極30と、端子電極40と、主体金具50と、抵抗体70と、導電性のシール部材60、80と、を備える。
絶縁体10は、軸線AXに沿って延び、絶縁体10を貫通する貫通孔である軸孔12を有する略円筒状の部材である。絶縁体10は、例えば、アルミナ等のセラミックスを用いて形成されている。絶縁体10は、鍔部19と、後端側胴部18と、先端側胴部17と、縮外径部15と、脚長部13と、を備えている。
鍔部19は、絶縁体10における軸線方向の略中央に位置する部分である。後端側胴部18は、鍔部19よりも後端側に位置し、鍔部19の外径よりも小さな外径を有している。先端側胴部17は、鍔部19よりも先端側に位置し、後端側胴部18の外径よりも小さな外径を有している。脚長部13は、先端側胴部17よりも先端側に位置し、先端側胴部17の外径よりも小さな外径を有している。脚長部13の外径は、先端側ほど縮径され、点火プラグ100が内燃機関(図示せず)に取り付けられた際には、その燃焼室に曝される。縮外径部15は、脚長部13と先端側胴部17との間に形成され、後端側から先端側に向かって外径が縮径した部分である。
絶縁体10は、内周側の構成の観点でみると、後端側に位置する大内径部12Lと、大内径部12Lよりも先端側に位置し、大内径部12Lよりも内径が小さな小内径部12Sと、縮内径部16と、を備えている。縮内径部16は、大内径部12Lと小内径部12Sとの間に形成され、後端側から先端側に向かって内径が縮径した部分である。縮内径部16の軸線方向の位置は、本実施形態では、先端側胴部17の先端側の部分の位置である。
主体金具50は、導電性の金属材料(例えば、低炭素鋼材)で形成され、内燃機関のエンジンヘッド(図示省略)に点火プラグ100を固定するための円筒状の金具である。主体金具50には、軸線AXに沿って貫通する貫通孔59が形成されている。主体金具50は、絶縁体10の径方向の周囲(すなわち、外周)に配置されている。すなわち、主体金具50の貫通孔59内に、絶縁体10が挿入・保持されている。絶縁体10の先端は、主体金具50の先端よりも先端側に突出している。絶縁体10の後端は、主体金具50の後端よりも後端側に突出している。
主体金具50は、プラグレンチが係合する六角柱形状の工具係合部51と、内燃機関に取り付けるための取付ネジ部52と、工具係合部51と取付ネジ部52との間に形成された鍔状の座部54と、を備えている。取付ネジ部52の呼び径は、例えば、M8〜M14である。
主体金具50の取付ネジ部52と座部54との間には、金属製の環状のガスケット5が嵌挿されている。ガスケット5は、点火プラグ100が内燃機関に取り付けられた際に、点火プラグ100と内燃機関(エンジンヘッド)との隙間を封止する。
主体金具50は、さらに、工具係合部51の後端側に設けられた薄肉の加締部53と、座部54と工具係合部51との間に設けられた薄肉の圧縮変形部58と、を備えている。主体金具50における工具係合部51から加締部53に至る部位の内周面と、絶縁体10の後端側胴部18の外周面と、の間に形成される環状の領域には、環状の線パッキン6、7が配置されている。当該領域における2つの線パッキン6、7の間には、タルク(滑石)9の粉末が充填されている。加締部53の後端は、径方向内側に折り曲げられて、絶縁体10の外周面に固定されている。主体金具50の圧縮変形部58は、製造時において、絶縁体10の外周面に固定された加締部53が先端側に押圧されることにより、圧縮変形する。圧縮変形部58の圧縮変形によって、線パッキン6、7およびタルク9を介し、絶縁体10が主体金具50内で先端側に向け押圧される。環状の板パッキン8を介して、主体金具50の内周で取付ネジ部52の位置に形成された段部56(金具側段部)によって、絶縁体10の縮外径部15(絶縁体側段部)が押圧される。この結果、内燃機関の燃焼室内のガスが、主体金具50と絶縁体10との隙間から外部に漏れることが、板パッキン8によって防止される。
中心電極20は、軸線AXに沿って延びる棒状の中心電極本体21と、中心電極チップ29と、を備えている。中心電極本体21は、絶縁体10の軸孔12の内部の先端側の部分に保持されている。すなわち、中心電極20の後端側(中心電極本体21の後端側)は、軸孔12内に配置されている。中心電極本体21は、耐腐食性と耐熱性が高い金属、例えば、ニッケル(Ni)またはNiを主成分とする合金(例えば、NCF600、NCF601)を用いて形成されている。中心電極本体21は、NiまたはNi合金で形成された母材と、該母の内部に埋設された芯部と、を含む2層構造を有しても良い。この場合には、芯部は、例えば、母材よりも熱伝導性に優れる銅または銅を主成分とする合金で形成される。
中心電極本体21は、図3に示すように、軸線方向の所定の位置に設けられた鍔部24と、鍔部24よりも後端側の部分である頭部23(電極頭部)と、鍔部24よりも先端側の部分である脚部25(電極脚部)と、を備えている。鍔部24は、絶縁体10の縮内径部16によって、先端側から支持されている。すなわち、中心電極本体21は、縮内径部16に係止されている。このように、中心電極本体21の後端側は、軸孔12(小内径部12S)内に配置されている。脚部25の先端側、すなわち、中心電極本体21の先端側は、絶縁体10の先端10Aよりも先端側に突出している。
中心電極チップ29は、例えば、略円柱形状を有する部材であり、中心電極本体21の先端(脚部25の先端)に、例えば、レーザ溶接を用いて、接合されている。中心電極チップ29の先端面は、後述する接地電極チップ39との間で火花ギャップを形成する第1放電面295である。中心電極チップ29は、例えば、イリジウム(Ir)や白金(Pt)などの高融点の貴金属や、当該貴金属を主成分とする合金が用いて、形成されている。
端子電極40は、軸線方向に延びる棒状の部材である。端子電極40は、絶縁体10の軸孔12に後端側から挿通され、軸孔12内において、中心電極20よりも後端側に位置している。端子電極40は、導電性の金属材料(例えば、低炭素鋼)で形成され、端子電極40の表面には、例えば、防食のために、Niなどのめっきが形成されている。
端子電極40は、軸線方向の所定位置に形成された鍔部42(端子顎部)と、鍔部42よりも後端側に位置するキャップ装着部41と、鍔部42よりも先端側の脚部43(端子脚部)と、を備えている。端子電極40のキャップ装着部41は、絶縁体10よりも後端側に露出している。端子電極40の脚部43は、絶縁体10の軸孔12に挿入されている。キャップ装着部41には、高圧ケーブル(図示外)が接続されたプラグキャップが装着され、放電を発生するための高電圧が印加される。
抵抗体70は、絶縁体10の軸孔12内において、端子電極40の先端と中心電極20の後端との間に、配置されている。抵抗体70は、例えば、1KΩ以上の抵抗値(例えば、5KΩ)を有し、火花発生時の電波ノイズを低減する機能を有する。抵抗体70は、例えば、主成分であるガラス粒子と、ガラス以外のセラミック粒子と、導電性材料と、を含む組成物で形成されている。
軸孔12内における、抵抗体70と中心電極20との隙間は、導電性のシール部材60によって埋められている。抵抗体70と端子電極40との隙間は、シール部材80によって埋められている。すなわち、シール部材60は、中心電極20と抵抗体70とにそれぞれ接触し、中心電極20と抵抗体70とを離間している。シール部材80は、抵抗体70と端子電極40にそれぞれ接触し、抵抗体70と端子電極40とを離間している。このように、シール部材60、80は、中心電極20と端子電極40とを、抵抗体70を介して、電気的、かつ、物理的に、接続している。シール部材60、80は、導電性を有する材料、例えば、例えば、B23−SiO2系等のガラス粒子と金属粒子(Cu、Feなど)とを含む組成物で形成されている。
接地電極30(接地電極本体31)は、図3に示すように、断面が四角形の棒状体である。接地電極本体31は、両端部として、接続端部312と、接続端部312の反対側に位置する自由端部311と、を有している。接続端部312は、主体金具50の先端部50sに、例えば、抵抗溶接によって、接合されている。これによって、主体金具50と接地電極本体31とは、電気的および物理的に接続される。接地電極本体31の接続端部312の近傍は、軸線AXの方向に延びており、自由端部311の近傍は、軸線AXと垂直な方向に延びている。棒状の接地電極本体31は、中央部分において、約90度だけ湾曲している。
接地電極本体31は、耐腐食性と耐熱性が高い金属、NiまたはNiを主成分とする合金(例えば、NCF600、NCF601)を用いて形成されている。接地電極本体31は、中心電極本体21と同様に、母材と、母材よりも熱伝導性が高い金属(例えば、銅)を用いて形成され、母材に埋設された芯部と、を含む2層構造を有しても良い。
自由端部311には、中心電極20の第1放電面295との間に間隙Gを形成して対向する第2放電面395を有する接地電極チップ39が接合されている。接地電極チップ39は、例えば、円柱形状や四角柱形状を有している。第1放電面295と第2放電面395との間の間隙Gは、放電が発生するいわゆる火花ギャップである。接地電極チップ39は、中心電極チップ29と同様に、例えば、貴金属、または、貴金属を主成分とする合金を用いて形成される。
図4は、点火プラグ100の先端近傍の斜視図である。図5は、点火プラグ100の先端近傍の拡大図である。図6は、点火プラグ100を軸線AXに沿って先端側から後端方向BDに向かって見た図である。図4では、図の煩雑を避けるために、取付ネジ部52の外周面に形成されたネジ山の図示は省略されている。同様に図6では、絶縁体10の図示、および、主体金具50のうちの先端部50sよりも後端側の図示は省略されている。
図6において、軸線AXと、接続端部312の中心COと、を通る平面をS1とする。ここで、点火プラグ100の軸線AXから接地電極30の接続端部312の中心COに向かう方向(図6の右方向)を、第1方向D1とする。図6において、第1方向D1と垂直な方向(図6の上方向)を第2方向D2とする。平面S1は、第1方向D1と平行であり、第2方向D2と垂直である。
点火プラグ100は、主体金具50よりも先端側に配置された整流部90を備えている。整流部90は、先端部50sを平面S1で分割した2つの部分50sa、50sbのうちの一方の部分50sa(図6の平面S1よりも第2方向D2側の部分)に配置されている。整流部90は、基部92と、複数個(図4〜6の例では、5個)の延出部91と、傾斜部93と、を備えている。整流部90は、例えば、主体金具50と同じ材料を用いて、主体金具50と一体に形成されている。これに代えて、整流部90は、例えば、主体金具50とは異なる材料(例えば、接地電極本体31と同じ材料)で形成されて、主体金具50の先端部50sに、例えば、溶接によって接合されていても良い。
基部92は、主体金具50の先端部50sの先端側に配置されている。延出部91は、基部92よりも先端側(先端方向FD)に向かって延出する板状の部分である。図6において、長方形の各延出部91は、長手方向が径方向に沿っている。すなわち、延出部91の長手方向は、延出部91が配置された位置から軸線AXに向かう方向に沿っている。各延出部91の短手方向は、周方向に沿っている。
図6において、軸線AXから、整流部90に対して引かれた2本の接線を、接線LT1、LT2とする。2本の接線LT1、LT2に挟まれた周方向の範囲であり、整流部90が位置する範囲を、整流部配置範囲ERとする。ここで、軸線AXを通り、かつ、平面S1と垂直な平面をS2とする。図6において、整流部配置範囲ERの周方向の中心は、図6に示すように、平面S2が通る位置である。複数個の延出部91は、周方向に略等間隔に並んでいる。すなわち、複数個の延出部91は、整流部配置範囲ER内において周方向に分散して配置されている。整流部配置範囲ERは、例えば、30〜60度の範囲であることが好ましい。整流部配置範囲ERは、本実施形態では、約45度の範囲である。
なお、点火プラグ100は、点火プラグ100の先端近傍での混合気の流動方向Dg(図2)の上流側が、点火プラグ100の軸線AXからみて、図6の整流部配置範囲ER内に位置するように、内燃機関700に取り付けられることが好ましい。理想的には、流動方向Dg(図2)の上流側が、点火プラグ100の軸線AXからみて、整流部配置範囲ERの周方向の中心(平面S2が通る位置)に位置することが、特に好ましい。こうすれば、詳細は後述するように、混合気の流動方向Dgの流れを、間隙Gに向かうように適切に整流できる。
図5(A)には、図6の第2方向D2の下流側から、第2方向D2の上流側に向かって、点火プラグ100の先端部近傍を見た外観図が示されている。図5(B)には、図6の第1方向D1の上流側から、第1方向D1の下流側に向かって、点火プラグ100の先端部近傍を見た外観図が示されている。図5に示すように、延出部91の先端(整流部90の先端)の軸線方向の位置は、本実施形態では、中心電極20の先端(第1放電面295)の軸線方向の位置と、ほぼ一致している。
図5(A)、(B)に示すように、複数個の延出部91のうちの互いに隣接する2個の延出部の間には、傾斜部93が形成されている。傾斜部93は、第1傾斜面931と第2傾斜面932とを有している。第1傾斜面931、第2傾斜面932は、ともに、先端側を向いており、かつ、内周側が外周側よりも先端側に位置するように傾斜している。このために、傾斜部93の先端は、傾斜部93の内周側の端(第2傾斜面932の内周側の端)である。傾斜部93の内周側の端は、間隙Gよりも後端側、すなわち、第1放電面295よりも後端側に位置している。傾斜部93の内周側の端は、複数個の延出部91の先端よりも後端側に位置している。
図7は、軸線AXを含み、傾斜部93の周方向の中心Ps(図5(A)、図6参照)を通る平面で、点火プラグ100の先端近傍を切断した断面図である。図6には、軸線AXを含み、傾斜部93の周方向の中心を通る平面FSが、二点破線で示されている。図7の断面において、第2傾斜面932を示す線を延長した仮想線IL1は、第1放電面295と第2放電面395との間の間隙Gを通る。
ここで、中心電極20の突出長、すなわち、主体金具50の先端部50sの先端から、中心電極20の先端(第1放電面295)までの軸線方向の長さを、突出長H1とする。整流部90の高さ、すなわち、主体金具50の先端部50sの先端から、整流部90の先端(本実施形態では延出部91の先端)までの軸線方向の長さを、整流部高さH2とする。本実施形態では、突出長H1と、整流部高さH2と、はほぼ等しい(H1≒H2)。
点火プラグ100の動作時には、図6において矢印で示すように、複数個の延出部91は、軸線AXと垂直な方向について、内燃機関の燃焼室において流動方向Dgに流れるガスの流れを間隙Gに向かって整流する。流動方向Dgに流れるガスは、先端部50sを平面S1(図6)で分割した2つの部分50sa、50sbのうちの整流部90が配置される側(図6の上側)から、整流部90が配置されない側(図6の下側)に向かって流れていると言うことができる。
以上説明した本実施形態によれば、主体金具50の先端部50sのうち、平面S1(図6)で分割される2つの部分50sa、50sbのうちの一方(図6の上側)の部分50saの先端側に、先端側に向かって延出する複数個の延出部91を有する整流部90を備える。この結果、複数個の延出部91によって、上述の図6の矢印で示すように、軸線AXと垂直な方向について流動方向Dgに流れるガスが間隙Gに向かって整流される。したがって、中心電極20と接地電極30との間の間隙Gに向かうガスの流量を大きくすることができる。この結果、間隙Gを通過するガスの流量および流速が大きくなり、間隙Gに発生した火花の吹き流れを促進して火花を拡大させることができる。したがって、火花の吹き流れを利用して点火プラグ100の着火性能を向上することができる。なお、1個の延出部では、ガスが流れる方向を変えることはできても、ガスを間隙Gに集めて、間隙Gにおけるガスの流速を早くすることはできない。流動方向Dgに流れるガスが間隙Gに向かうように整流するためには、少なくとも2個の延出部91が必要である。本実施形態では、複数個の延出部91を備えるので、複数個の延出部91の間に流れ込むガスを間隙Gに向かわせることができる。
さらに、本実施形態によれば、整流部90は、複数個の延出部91のうちの2個の間に配置された第1傾斜面931および第2傾斜面932(例えば、図5)を備えている。これによって、図7に矢印で示すように、軸線方向についても、ガスが間隙Gに向かって整流される。すなわち、間隙Gよりも後端側を流動方向Dgに流れるガスは、間隙Gに向かうように整流される。この結果、傾斜部93によって、中心電極20と接地電極30との間の間隙Gに向かうようにガスを整流して、間隙Gを通過するガスの流量および流速をさらに大きくすることができる。また、火花を点火プラグ100から先端側に向かう方向に吹き流すことができるので、火花を燃焼室の中心に向かって吹き流すことができる。この結果、着火性能がより向上する。
さらに、本実施形態によれば、軸線AXを含み、傾斜部93の周方向の中心を通る平面FSで傾斜部93を切断した断面(図7)において、第2傾斜面932を示す線を延長した仮想線IL1は、間隙Gを通る。この結果、傾斜部93によって、燃焼室内のガスが、間隙Gに向かう方向に適切に整流されるので、間隙Gを通過するガスの流量および流速をさらに大きくすることができる。
B.第2実施形態
第2実施形態の点火プラグは、主体金具50の先端部50sよりも先端側に、第1実施形態の点火プラグ100が備える整流部90に代えて、整流部90bを備えている。第2実施形態の点火プラグの整流部90bを除いた構成は、第1実施形態の点火プラグ100と同一である。なお、先端方向FD、後端方向BD、第1方向D1、第2方向D2は、第2実施形態の点火プラグについても、第1実施形態の点火プラグ100と同様に定義される。
図8は、第2実施形態の点火プラグの先端部近傍の外観図である。この外観図は、第2方向D2の下流側から、第2方向D2の上流側に向かって見た図である。ここで、第2実施形態の点火プラグにおいても、第1実施形態の点火プラグ100と同様に、軸線AXと、接地電極本体31の接続端部312の中心COと、を通る平面S1を定義することができる(図6参照)。図8は、該平面S1と垂直な方向に沿って、先端部50sを平面S1で分割した2つの部分のうち、整流部90bが配置された側から点火プラグを見た図である、と言うことができる。
第2実施形態の整流部90bは、第1実施形態の整流部90と同一の基部92と、第1傾斜面931および第2傾斜面932を有する傾斜部93と、を備えている。第2実施形態の整流部90bは、整流部90の複数個の延出部91に代えて、各延出部91と同一の位置に、複数個の延出部91bを備えている。各延出部91bは、延出部91よりも軸線方向の長さが長い。各延出部91bの先端は、第2放電面395よりも先端側まで延出している。より具体的には、延出部91bの先端は、接地電極30の先端(接地電極本体31の自由端部311の先端)の近傍まで延出している。
整流部90bは、さらに、各延出部91の先端部分に接続された傾斜部95bを備えている。傾斜部95bは、複数個の延出部91のうちの互いに隣接する2個の延出部の間に形成されている。傾斜部95bは、内周側が外周側よりも後端側に位置するように傾斜し、かつ、後端側を向いている傾斜面951を有する薄板である。
図9は、軸線AXを含み、傾斜部93、95bの周方向の中心Ps、Psb(図8参照)を通る平面で、点火プラグの先端近傍を切断した断面図である。図8、図9に示すように、傾斜部95b(傾斜面951)は、間隙Gよりも先端側、すなわち、第1放電面295および第2放電面395よりも先端側に位置している。
また、図8において、接地電極30の第2放電面395が位置する第1方向D1の範囲(軸線AXと垂直な方向の範囲)を、放電範囲CRとする。図8において、傾斜部95bの一部は、放電範囲CRに位置にしている。
図9の断面において、図7と同様に、第2傾斜面932を示す線を延長した仮想線IL1は、第1放電面295と第2放電面395との間の間隙Gを通る。さらに、図9の断面では、傾斜面951を示す線を延長した仮想線IL2は、第1放電面295と第2放電面395との間の間隙Gを通る。
以上説明した第2実施形態の点火プラグによれば、第1実施形態の点火プラグ100と同様の作用・効果を奏する。第2実施形態の点火プラグは、さらに、複数個の延出部91bのうちの互いに隣接する2個の延出部の間に配置された傾斜面951を備えている。この結果、傾斜面951によって、図9に矢印で示すように、流動方向Dgに流れる混合ガスが間隙Gに向かってより効果的に整流される。すなわち、間隙Gよりも先端側を流動方向Dgに流れるガスは、間隙Gに向かうように整流される。したがって、間隙Gを通過するガスの流量および流速をさらに大きくすることができるので、間隙Gに発生した火花の吹き流れを促進して火花を拡大させることができる。
さらに、本実施形態によれば、さらに、軸線AXを含み、傾斜部95bの周方向の中心Psbを通る平面と垂直な方向から見た場合に、傾斜面951を示す線を延長した仮想線IL2は、間隙Gを通る(図9)。この結果、傾斜部95bによって、燃焼室内のガスが、間隙Gに向かう方向に適切に整流されるので、間隙Gを通過するガスの流量および流速をさらに早くすることができる。
さらに、本実施形態によれば、傾斜部95bは、平面S1(図6参照)と垂直な方向に沿って、先端部50sを平面S1で分割した2つの部分50sa、50sbのうち、整流部90bが配置された側から点火プラグを見た場合に、図8に示すように、傾斜部95bの一部は、放電範囲CRに位置にし、かつ、第2放電面395よりも先端側に位置している。この結果、傾斜部95bは、間隙Gよりも先端側において、流動方向Dgに流動するガスを遮蔽する遮蔽部として機能する。この結果、傾斜部95bよりも流動方向Dgの下流側に周囲よりも圧力が低い負圧領域MZが形成される。より具体的には、図9に示すように、負圧領域MZは、間隙Gよりも流動方向Dgの下流側で、かつ、間隙Gよりも先端側に形成される。この結果、図9に破線の矢印で示すように、間隙Gから負圧領域MZに向かうガスの流れが形成される。したがって、間隙Gを通過するガスの流速をさらに早くすることができるとともに、間隙Gから先端側にガスを流動させることができる。この結果、間隙Gに発生した火花が吹き流される長さをより長くできるとともに、燃焼室の中心に向かって火花を吹き流すことができる。したがって、点火プラグの着火性能をさらに向上することができる。
さらに、図8において、傾斜部95bの一部は、自由端部311の先端面のうちの放電範囲CRに位置する部分CA(図8)に位置している。すなわち、整流部90bの先端は、放電範囲CRにおいて、自由端部311よりも先端側に位置している。この結果、上述した負圧領域MZを、間隙Gよりも先端側の広い領域に形成できるので、間隙Gを通過するガスの流速をさらに早くすることができるとともに、間隙Gから先端側により多くのガスを流動させることができる。したがって、点火プラグの着火性能をさらに向上することができる。
C.変形例
(1)上記実施形態に示す延出部91、91bの形状は、一例であり、これに限られない。延出部91、91bは、流動方向Dgに流動するガスを間隙Gに向かうように整流できる様々な形状を有し得る。図10は、変形例の点火プラグを軸線AXに沿って先端側から後端方向BDに向かって見た図である。図10の点火プラグは、第1実施形態の整流部90に代えて、変形例の整流部90cを備えている。変形例の点火プラグの他の構成は、第1実施形態の点火プラグ100の構成と同一である。
この整流部90cは、第1実施形態の複数個の延出部91に代えて、延出部91とは形状が異なる複数個の延出部91cを備えている。整流部90cの延出部91cを除いた構成は、第1実施形態の延出部91と同一である。延出部91cの軸線AXに沿って見た形状は、矩形ではなく、長手方向の辺が外側に凸である曲線、具体的には、外側に凸である円弧形状である。また、延出部91cの軸線AXに沿って見た形状は、長手方向の両端が尖った形状を有している。このような形状であっても、図10に矢印で示すように、複数個の延出部91cは、軸線AXと垂直な方向について、内燃機関の燃焼室内を流動方向Dgに流れるガスの流れを間隙Gに向かって整流することができる。
(2)上記第1実施形態の整流部90は、傾斜部93を備えているが、傾斜部93は、省略されていても良い。例えば、先端側の面が軸線AXと垂直である基部92から、複数個の延出部91が先端側に向かって延出していても良い。
(3)上記第1実施形態および第2実施形態の傾斜部93の表面(例えば、第2傾斜面932)を延長した仮想線IL1は、図7、図9の断面において、間隙Gを通らなくても良い。例えば、軸線AXと垂直な方向に対する第2傾斜面932の傾斜は、図7の例よりも緩やか、または、急であり、その結果、仮想線IL1が間隙Gよりも後端側あるいは先端側を通っても良い。
(4)上記第2実施形態の傾斜部95bの表面(傾斜面951)を延長した仮想線IL2は、図9の断面において、間隙Gを通らなくても良い。例えば、軸線AXと垂直な方向に対する傾斜面951の傾斜は、図9の例よりも緩やか、または、急であり、その結果、仮想線IL2が間隙Gよりも先端側あるいは後端側を通っても良い。
(5)上記第1実施例では、複数個の延出部91の先端(整流部90の先端)は、第1放電面295とほぼ一致している。これに代えて、複数個の延出部91の先端は、第1放電面295よりも先端側に延出していても良い。この場合には、軸線AXと垂直な方向について、ガスをより効率的に整流することができる。
(6)上記各実施形態において、延出部91、91bは、5個であるが、延出部91、91bの個数は、これに限られない。延出部91、91bの個数は、少なくとも2個あれば良く、例えば、3個、4個、7個などであっても良い。また、延出部91、91bが配置される周方向の位置も変更可能であり、例えば、平面S1の位置に延出部91が無くても良い。また、複数個の91、91bは、均等な間隔を置いて配置される必要もなく、適宜な間隔を置いて配置されていれば良い。
(7)上記各実施形態において、傾斜部93は、傾斜の角度が異なる第1傾斜面931と第2傾斜面932とを備えているが、傾斜面は、一の平面であっても良い。また、傾斜面を備える傾斜部93、傾斜部95bは、複数個備えられていても良く、例えば、薄板状の傾斜部95b(図9等)は、軸線方向に所定の間隔を置いて2枚備えられていても良い。
(8)上記各実施形態において、整流部90、90b、90cの構成を中心に説明してきたが、他の要素、例えば、中心電極20、端子電極40、接地電極30などの材質、形状、寸法などは、様々に変更可能である。例えば、中心電極20や接地電極30は、貴金属製のチップを備えない構成であっても良い。また、主体金具50の構成についても、例えば、先端部50sの構成、材質について、公知様々な構成を採用可能である。例えば、主体金具50の材質は、亜鉛やニッケルなどでめっきされた低炭素鋼でも良いし、これらのめっきがなされていない低炭素鋼でも良い。
以上、実施形態、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。
5…ガスケット、6…線パッキン、8…板パッキン、9…タルク、10…絶縁体、10A…先端、12…軸孔、12L…大内径部、12S…小内径部、13…脚長部、15…縮外径部、16…縮内径部、17…先端側胴部、18…後端側胴部、19…鍔部、20…中心電極、21…中心電極本体、23…頭部、24…鍔部、25…脚部、29…中心電極チップ、30…接地電極、31…接地電極本体、39…接地電極チップ、40…端子電極、41…キャップ装着部、42…鍔部、43…脚部、50…主体金具、50s…先端部、51…工具係合部、52…取付ネジ部、53…加締部、54…座部、56…段部、58…圧縮変形部、59…貫通孔、60…シール部材、70…抵抗体、80…シール部材、90、90b、90c…整流部、91、91b、91c…延出部、92…基部、93…傾斜部、95b…傾斜部、100…点火プラグ、295…第1放電面、311…自由端部、312…接続端部、395…第2放電面、700…内燃機関、710…エンジンヘッド、711…第1壁、712…吸気ポート、713…第2壁、714…排気ポート、718…取付孔、719…内壁、720…シリンダブロック、729…シリンダ壁、730…吸気バルブ、730…バルブ、730a…第1吸気バルブ、740、740a…排気バルブ、750…ピストン、790…燃焼室、931…第1傾斜面、932…第2傾斜面、951…傾斜面、G…間隙、ER…整流部配置範囲、CR…放電範囲、AX…軸線、MZ…負圧領域、Dg…流動方向、IL1、IL2…仮想線

Claims (5)

  1. 軸線に沿って延びる軸孔を有する筒状の絶縁体と、
    前記軸線に沿って延び、後端側が前記軸孔内に配置され、先端側が前記絶縁体より先端側に突出した棒状の中心電極と、
    前記絶縁体の外周に配置され、先端部が前記中心電極の先端よりも後端側に位置する主体金具と、
    前記主体金具の前記先端部に接続された接続端部と、前記接続端部とは反対側で前記中心電極との間に間隙を形成して対向する自由端部と、を備える接地電極と、
    を備える点火プラグであって、
    前記主体金具の前記先端部のうち、前記軸線と前記接続端部の中心とを通る平面で分割される2つの部分のうちの一方の部分の先端側に、先端側に向かって延出する複数個の延出部を有する整流部を備え、
    前記複数個の延出部は、内燃機関に取り付けられた状態で、前記先端部の前記2つの部分のうちの一方の側から他方の側に向かうガスの流れを前記軸線と垂直な方向について前記間隙に向かって整流する部材である、点火プラグ。
  2. 請求項1に記載の点火プラグであって、さらに、
    前記整流部は、前記複数個の延出部のうちの第1の延出部と第2の延出部との間に配置された第1の傾斜面を備え、
    前記第1の傾斜面は、内周側が外周側よりも先端側にあり、かつ、先端側を向いており、
    前記第1の傾斜面の前記内周側の端は、前記複数個の延出部の先端よりも後端側にあり、
    前記第1の傾斜面は、前記中心電極の先端よりも後端側に位置している、点火プラグ。
  3. 請求項1または2に記載の点火プラグであって、さらに、
    前記整流部は、前記複数個の延出部のうちの第1の延出部と第2の延出部との間に配置された第2の傾斜面を備え、
    前記第2の傾斜面は、内周側が外周側よりも後端側にあり、かつ、後端側を向いており、
    前記第2の傾斜面は、前記中心電極の先端よりも先端側に位置している、点火プラグ。
  4. 請求項2に記載の点火プラグであって、
    前記軸線を含み、前記第1の傾斜面の周方向の中心を通る断面において、前記第1の傾斜面を示す線を延長した仮想線は、前記間隙を通る、点火プラグ。
  5. 請求項3に記載の点火プラグであって、
    前記軸線を含み、前記第2の傾斜面の周方向の中心を通る断面において、前記第2の傾斜面を示す線を延長した仮想線は、前記間隙を通る、点火プラグ。
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