JP6980617B2 - 点火プラグ - Google Patents

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Description

本発明は、点火プラグに関するものである。
従来から、ガソリンエンジンやガスエンジン等の内燃機関に、点火プラグが用いられている。点火プラグとして、例えば、副燃焼室を有する点火プラグが提案されている(例えば、特許文献1)。この点火プラグでは、主体金具の先端部に固定されたキャップ内に副燃焼室が形成されている。キャップには、副燃焼室と外部とを連通する貫通孔が設けられている。副燃焼室内には、キャップの貫通孔を通じて、燃料ガスが導入される。また、副燃焼室内に中心電極と接地電極が配置されている。中心電極と接地電極とによって形成される間隙で発生した火花は、副燃焼室内に導入された燃料ガスに着火する。そして、火炎が、キャップの孔を通じて外部、すなわち、内燃機関の燃焼室に噴出することによって、燃焼室内の燃料ガスが燃焼する。
特許文献1の点火プラグでは、貫通孔は、キャップの側壁と、先端側の壁と、にそれぞれ形成されている。
独国特許出願公開第102014217619A1号明細書
しかしながら、上記技術では、貫通孔の位置について十分に工夫されているとは言えなかった。このために、例えば、貫通孔から噴出する火炎がピストンに当たり、ピストンの熱引きによる熱損失が大きくなる可能性があった。熱損失が大きくなるほどエンジンの熱効率が低下する。
本発明の主な利点は、内燃機関の熱損失を低減させて内燃機関の熱効率を向上できる点火プラグを提供することである。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様および適用例として実現することが可能である。
[態様]軸線の方向に延び、第1放電面を有する中心電極と、
前記軸線の方向に延びる軸孔を有し前記軸孔の先端側に前記中心電極が配置される絶縁体と、
前記絶縁体の外周に配置される筒状の主体金具と、
前記第1放電面と前記軸線の方向に重なって前記第1放電面との間に間隙を形成する第2放電面を有する接地電極と、
前記主体金具の先端部に接続され、前記主体金具の先端側の開口を覆うことで、前記間隙が配置される副燃焼空間を区画するキャップと、
を備え、
前記キャップには、前記副燃焼空間と外部とを連通する少なくとも1個の貫通孔が形成される点火プラグであって、
前記第1放電面の後端を通り、前記軸線と垂直な平面を第1平面とし、
前記第2放電面の先端を通り、前記軸線と垂直な平面を第2平面とするとき、
前記貫通孔のそれぞれについて、前記副燃焼空間側の開口である第1開口の少なくとも一部と、前記外部側の開口である第2開口の少なくとも一部とは、前記第1平面と前記第2平面との間に配置され、
前記貫通孔のそれぞれについて、前記第1開口の重心である第1点と、前記第2開口の重心である第2点と、を結ぶ直線は、前記軸線と垂直な平面と平行である、もしくは、前記第2点が前記第1点よりも後端側に位置するように前記軸線と垂直な平面に対して傾斜していることを特徴とする点火プラグ。
[適用例1]軸線の方向に延び、第1放電面を有する中心電極と、
前記軸線の方向に延びる軸孔を有し前記軸孔の先端側に前記中心電極が配置される絶縁体と、
前記絶縁体の外周に配置される筒状の主体金具と、
前記第1放電面と前記軸線の方向に重なって前記第1放電面との間に間隙を形成する第2放電面を有する接地電極と、
前記主体金具の先端部に接続され、前記主体金具の先端側の開口を覆うことで、前記間隙が配置される副燃焼空間を区画するキャップと、
を備え、
前記キャップには、前記副燃焼空間と外部とを連通する少なくとも1個の貫通孔が形成される点火プラグであって、
前記第1放電面の後端を通り、前記軸線と垂直な平面を第1平面とし、
前記第2放電面の先端を通り、前記軸線と垂直な平面を第2平面とするとき、
前記貫通孔のそれぞれについて、前記副燃焼空間側の開口である第1開口の少なくとも一部と、前記外部側の開口である第2開口の少なくとも一部とは、前記第1平面と前記第2平面との間に配置されていることを特徴とする、点火プラグ。
上記構成によれば、第1放電面の後端を通り軸線と垂直な第1平面と、第2放電面の先端を通り軸線と垂直な第2平面との間に、第1開口と第2開口の少なくとも一部が配置されている。この結果、第1放電面と第2放電面との間隙で発生した火炎が軸線と垂直に近い方向に噴出される。この結果、噴出される火炎が、点火プラグの先端側にあるピストンに当たることを抑制して、ピストンによる熱引きを低減できる。したがって、内燃機関の熱損失を低減させて内燃機関の熱効率を向上できる
[適用例2]適用例1に記載の点火プラグであって、
前記貫通孔のそれぞれについて、前記第1開口の重心である第1点と、前記第2開口の重心である第2点と、を結ぶ直線は、前記軸線と垂直な平面と平行である、もしくは、前記第2点が前記第1点よりも後端側に位置するように前記軸線と垂直な平面に対して傾斜していることを特徴とする点火プラグ。
上記構成によれば、火炎が軸線と垂直、あるいは、垂直より若干後端側に向かって噴出される。この結果、噴出される火炎が、ピストンに当たることをより効果的に抑制できる。
[適用例3]適用例1または2に記載の点火プラグであって、
前記貫通孔のそれぞれについて、前記第1点と前記第2点とを結ぶ直線は、前記第2点が前記第1点よりも後端側に位置するように前記軸線と垂直な平面に対して傾斜していることを特徴とする点火プラグ。
上記構成によれば、火炎が垂直より若干後端側に向かって噴出される。この結果、噴出される火炎が、ピストンに当たることをさらに効果的に抑制できる。
[適用例4]適用例1〜3のいずれかに記載の点火プラグであって、
前記第1開口の後端と前記第2開口の後端は、前記第1平面よりも後端側に位置し、
前記第1開口の先端と前記第2開口の先端は、前記第2平面よりも先端側に位置することを特徴とする点火プラグ。
上記構成によれば、火炎がキャップに遮られることを抑制できるので、火炎が効率良く貫通孔から噴出できる。この結果、燃料ガスの燃焼速度を向上することができる。
[適用例5]適用例1〜4のいずれかに記載の点火プラグであって、
前記貫通孔は、複数個形成されており、
前記点火プラグを前記軸線に沿って見た場合に、
前記軸線を中心とする仮想的な円上の複数個の仮想的な点であり、周方向に等間隔で並ぶ前記複数個の仮想的な点を、複数個の特定点とするとき、
前記複数個の貫通孔は、それぞれ、前記複数個の特定点を1個ずつ含む領域に形成されていることを特徴とする点火プラグ。
上記構成によれば、燃焼室の全体に拡がるように、火炎が噴出される。この結果、燃料ガスの燃焼速度を向上することができる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、点火プラグや点火プラグを用いた点火装置、その点火プラグを搭載する内燃機関等の態様で実現することができる。
本実施形態の点火プラグ100の断面図である。 点火プラグ100の先端近傍を軸線AXに沿って先端側から後端方向BDに向かって見た図である。 図2に破線A−Aで示す面で点火プラグ100の先端の近傍を切断した断面CF1を示す図である。 図3に示す矩形範囲SAaSAbを拡大して示す図である。 本実施形態の点火プラグ100が取り付けられる内燃機関の一例を示す図である。 点火プラグ100と吸気バルブ730と排気バルブ740との配置例を示す投影図である。 比較形態の100Xの説明図である。 変形例の説明図である。
A.第1実施形態:
A−1.点火プラグの構成:
図1は本実施形態の点火プラグ100の断面図である。軸線AXと平行な方向(図1の上下方向)を軸線方向とも呼ぶ。軸線AXを中心とし、軸線AXと垂直な面上の円の径方向を、単に「径方向」とも呼び、当該円の周方向を、単に「周方向」とも呼ぶ。図1における下方向を先端方向FDと呼び、上方向を後端方向BDとも呼ぶ。図1における下側を点火プラグ100の先端側と呼び、図1における上側を点火プラグ100の後端側と呼ぶ。
点火プラグ100は、上述したように内燃機関に取り付けられ、内燃機関の燃焼室内の燃料ガスに着火するために用いられる。点火プラグ100は、絶縁体10と、中心電極20と、接地電極30と、端子電極40と、内側主体金具50と外側主体金具60とからなる主体金具2と、抵抗体70と、導電性のシール部材80A、80Bと、キャップ90と、を備える。
絶縁体10は、軸線AXに沿って延び、絶縁体10を貫通する貫通孔である軸孔12を有する略円筒状の部材である。絶縁体10は、例えば、アルミナ等のセラミックスを用いて形成されている。絶縁体10は、鍔部19と、後端側胴部18と、先端側胴部17と、縮外径部15と、脚長部13と、を備えている。
鍔部19は、絶縁体10における軸線方向の略中央に位置する部分である。後端側胴部18は、鍔部19よりも後端側に位置し、鍔部19の外径よりも小さな外径を有している。先端側胴部17は、鍔部19よりも先端側に位置し、後端側胴部18の外径よりも小さな外径を有している。脚長部13は、先端側胴部17よりも先端側に位置し、先端側胴部17の外径よりも小さな外径を有している。脚長部13の外径は、先端側ほど縮径されている。脚長部13の先端側の部分は、内側主体金具50の先端面よりも先端側に突出している。縮外径部15は、脚長部13と先端側胴部17との間に形成され、後端側から先端側に向かって外径が縮径した部分である。
絶縁体10は、内周側の構成の観点でみると、後端側に位置する大内径部12Lと、大内径部12Lよりも先端側に位置し、大内径部12Lよりも内径が小さな小内径部12Sと、縮内径部16と、を備えている。縮内径部16は、大内径部12Lと小内径部12Sとの間に形成され、後端側から先端側に向かって内径が縮径した部分である。縮内径部16の軸線方向の位置は、本実施形態では、先端側胴部17の先端側の部分の位置である。
内側主体金具50は、導電性の金属材料(例えば、低炭素鋼材)で形成される円筒状の金具である。内側主体金具50には、軸線AXに沿って貫通する貫通孔59が形成されている。内側主体金具50は、絶縁体10の径方向の周囲(すなわち、外周)に配置されている。すなわち、内側主体金具50の貫通孔59内に、絶縁体10が挿入・保持されている。絶縁体10の先端は、内側主体金具50の先端よりも先端側に突出している。絶縁体10の後端は、内側主体金具50の後端よりも後端側に突出している。
内側主体金具50は、プラグレンチが係合する六角柱形状の工具係合部51と、外側主体金具60に取り付けるための雄ネジが形成された取付ネジ部52と、工具係合部51と取付ネジ部52との間に形成された鍔状の座部54と、を備えている。取付ネジ部52の呼び径は、例えば、M8〜M14である。
内側主体金具50の取付ネジ部52と座部54との間には、金属製の環状の内側ガスケット5Aが嵌挿されている。内側ガスケット5Aは、外側主体金具60の座部64(後述)と、内側主体金具50の座部54と、の隙間を封止する。
内側主体金具50は、さらに、工具係合部51の後端側に設けられた薄肉の加締部53と、座部54と工具係合部51との間に設けられた薄肉の圧縮変形部58と、を備えている。内側主体金具50における工具係合部51から加締部53に至る部位の内周面と、絶縁体10の後端側胴部18の外周面と、の間に形成される環状の領域には、環状の線パッキン6、7が配置されている。当該領域における2つの線パッキン6、7の間には、タルク(滑石)9の粉末が充填されている。加締部53の後端は、径方向内側に折り曲げられて、絶縁体10の外周面に固定されている。内側主体金具50の圧縮変形部58は、製造時において、絶縁体10の外周面に固定された加締部53が先端側に押圧されることにより、圧縮変形する。圧縮変形部58の圧縮変形によって、線パッキン6、7およびタルク9を介し、絶縁体10が内側主体金具50内で先端側に向け押圧される。環状の板パッキン8を介して、内側主体金具50の内周で取付ネジ部52の位置に形成された段部56(金具側段部)によって、絶縁体10の縮外径部15(絶縁体側段部)が押圧される。この結果、内燃機関の燃焼室内のガスが、内側主体金具50と絶縁体10との隙間から外部に漏れることが、板パッキン8によって防止される。
外側主体金具60は、内側主体金具50と同様の導電性の金属材料で形成された円筒状の金具である。外側主体金具60には、軸線AXに沿って貫通する貫通孔69が形成されている。外側主体金具60は、内側主体金具50の座部54よりも先端側において、内側主体金具50の周囲(すなわち、外周)に配置されている。外側主体金具60の内周面には、雌ネジ66が形成されている。内側主体金具50の取付ネジ部52に形成された雄ネジは、雌ネジ66と係合している。これによって、外側主体金具60の貫通孔69内に、内側主体金具50の座部54より先端側の部分が挿入・保持されている。
外側主体金具60は、取付ネジ部62と、取付ネジ部62よりも後端側の座部64と、を備えている。取付ネジ部62の呼び径は、例えば、M10〜M18である。取付ネジ部62の外周面には、内燃機関のエンジンヘッド(図示省略)に点火プラグ100を固定するための雄ネジが形成されている。
外側主体金具60の取付ネジ部62と座部64との間には、金属製の環状の外側ガスケット5Bが嵌挿されている。外側ガスケット5Bは、点火プラグ100が内燃機関に取り付けられた際に、点火プラグ100と内燃機関(エンジンヘッド)との隙間を封止する。
外側主体金具60の先端部61には、外側主体金具60および内側主体金具50の先端側の開口60o、50oを覆うキャップ90が形成されている。キャップ90の構成については後述する。キャップ90によって、後述する間隙Gが配置される副燃焼空間BSが区画・形成されている。
キャップ90は、耐腐食性と耐熱性が高い金属、例えば、ニッケル(Ni)またはNiを主成分とする合金(例えば、NCF600、NCF601)、タングステンで形成されている。本実施形態では、外側主体金具60がNi合金で形成され、キャップ90は、外側主体金具60と一体に形成されている。これに代えて、キャップ90は、外側主体金具60とは別部材で形成され、外側主体金具60の先端に溶接によって接合されていても良い。
中心電極20は、軸線AXに沿って延びる棒状の部材である。中心電極20は、耐腐食性と耐熱性が高い金属、例えば、ニッケル(Ni)またはNiを主成分とする合金(例えば、NCF600、NCF601)を用いて形成されている。中心電極20は、中心電極20は、NiまたはNi合金で形成された母材と、該母の内部に埋設された芯部と、を含む2層構造を有しても良い。この場合には、芯部は、例えば、母材よりも熱伝導性に優れる銅または銅を主成分とする合金で形成される。中心電極20は、絶縁体10の軸孔12の内部の先端側の部分に保持されている。すなわち、中心電極20の後端側は、軸孔12内に配置されている。脚部25の先端側の面は、後述する接地電極30の第2放電面30Sとの間に間隙Gを形成する第1放電面20Sである。点火プラグ100は、いわゆる縦放電の点火プラグであり、第1放電面20Sと第2放電面30Sとは、軸線方向に重なっており、軸線方向に対向している。
中心電極20は、図1に示すように、軸線方向の所定の位置に設けられた鍔部24と、鍔部24よりも後端側の部分である頭部23(電極頭部)と、鍔部24よりも先端側の部分である脚部25(電極脚部)と、を備えている。鍔部24は、絶縁体10の縮内径部16によって、先端側から支持されている。すなわち、中心電極20は、縮内径部16に係止されている。このように、中心電極20の後端側は、軸孔12(小内径部12S)内に配置されている。脚部25の先端側は、絶縁体10の先端よりも先端側に突出している。
端子電極40は、軸線方向に延びる棒状の部材である。端子電極40は、絶縁体10の軸孔12に後端側から挿通され、軸孔12内において、中心電極20よりも後端側に位置している。端子電極40は、導電性の金属材料(例えば、低炭素鋼)で形成され、端子電極40の表面には、例えば、防食のために、Niなどのめっきが形成されている。
端子電極40は、軸線方向の所定位置に形成された鍔部42(端子顎部)と、鍔部42よりも後端側に位置するキャップ装着部41と、鍔部42よりも先端側の脚部43(端子脚部)と、を備えている。端子電極40のキャップ装着部41は、絶縁体10よりも後端側に露出している。端子電極40の脚部43は、絶縁体10の軸孔12に挿入されている。キャップ装着部41には、高圧ケーブル(図示外)が接続されたプラグキャップが装着され、放電を発生するための高電圧が印加される。
抵抗体70は、絶縁体10の軸孔12内において、端子電極40の先端と中心電極20の後端との間に、配置されている。抵抗体70は、例えば、1KΩ以上の抵抗値(例えば、5KΩ)を有し、火花発生時の電波ノイズを低減する機能を有する。抵抗体70は、例えば、主成分であるガラス粒子と、ガラス以外のセラミック粒子と、導電性材料と、を含む組成物で形成されている。
軸孔12内における、抵抗体70と中心電極20との隙間は、導電性のシール部材80Aによって埋められている。抵抗体70と端子電極40との隙間は、シール部材80Bによって埋められている。すなわち、シール部材80Aは、中心電極20と抵抗体70とにそれぞれ接触し、中心電極20と抵抗体70とを離間している。シール部材80Bは、抵抗体70と端子電極40にそれぞれ接触し、抵抗体70と端子電極40とを離間している。このように、シール部材80A、80Bは、中心電極20と端子電極40とを、抵抗体70を介して、電気的、かつ、物理的に、接続している。シール部材80A、80Bは、導電性を有する材料、例えば、例えば、B23−SiO2系等のガラス粒子と金属粒子(Cu、Feなど)とを含む組成物で形成されている。
接地電極30は、図1に示すように、断面が四角形の棒状体である。接地電極30は、両端部として、接続端部32と、接続端部32の反対側に位置する自由端部31と、を有している。接続端部32は、内側主体金具50の先端部50sに、例えば、抵抗溶接によって、接合されている。これによって、主体金具2(内側主体金具50および外側主体金具60)と接地電極30とは、電気的および物理的に接続される。接地電極30の接続端部32の近傍は、軸線AXの方向に延びており、自由端部31の近傍は、軸線AXと垂直な方向に延びている。棒状の接地電極30は、中央部分において、約90度だけ湾曲している。
接地電極30は、耐腐食性と耐熱性が高い金属、NiまたはNiを主成分とする合金(例えば、NCF600、NCF601)を用いて形成されている。接地電極30は、中心電極20と同様に、母材と、母材よりも熱伝導性が高い金属(例えば、銅)を用いて形成され、母材に埋設された芯部と、を含む2層構造を有しても良い。自由端部31の後端側を向いた側面は、中心電極20の第1放電面20Sとの間に間隙Gを形成する第2放電面30Sである。第1放電面20Sと第2放電面30Sとは、軸線AXの方向に対向している。間隙Gは、放電が発生するいわゆる火花ギャップである。
図2は、点火プラグ100の先端近傍を軸線AXに沿って先端側から後端方向BDに向かって見た図である。キャップ90には、副燃焼空間BSと外部とを連通する複数個(図2の例では4個)の貫通孔95a〜95dが形成されている。4個の貫通孔95a〜95dは、周方向に分散されて配置されている。図2には、4個の貫通孔95a〜95dの副燃焼空間BS側の開口(内側開口とも呼ぶ)95ai〜95diの重心(中心)Pai〜Pdiが図示されている。
ここで、図2において、軸線AXを通り、接地電極30の自由端部31が延びる方向を第1方向D1とする。また、第1方向D1と垂直な方向(図2の上方向)を第2方向D2とする。4個の貫通孔95a〜95dは、第1方向D1および第2方向D2と45度の角度を成す周方向の位置に配置されている。このために、図1には、4個の貫通孔95a〜95dは、現れていない。
図2には、仮想的な円VCが図示されている。この円VCは、軸線AXを中心とし、筒部92の外径よりも小さく、筒部92の内径よりも大きな直径を有する円である。円VC上には、複数個の仮想的な4個の特定点SPが図示されている。4個の特定点SPは、周方向に等間隔で並んでいる。特定点SPの個数が4個であるので、特定点SPの周方向の間隔は90度である。図2において、4個の貫通孔95a〜95dは、それぞれ、特定点SPを1個ずつ含む領域に形成されていることが解る。
図3は、図2に破線A−Aで示す面で、点火プラグ100の先端の近傍を切断した断面CF1を示す図である。図2の破線A−Aで示す面は、軸線AXと、貫通孔95aの内側開口95aiの重心Paiと、貫通孔95bの内側開口95biの重心Pbiと、を含む面である。
図3に示すように、キャップ90は、略円筒状の筒部92と、筒部92の先端側に設けられ、筒部92の先端側の開口を覆う円形の板状部91と、を備えている。このために、副燃焼空間BSは、略円柱形状を有している。副燃焼空間BS内には、脚長部13の先端側の部分と、接地電極30と、中心電極20の先端側の部分と、が配置されている。副燃焼空間BSには、間隙Gが配置されている。
本実施形態では、上述した4個の貫通孔95a〜95dは、筒部92に形成されており、板状部91には、形成されていない。したがって、例えば、キャップ90において、軸線AXと交差する位置には、貫通孔は形成されていない。4個の貫通孔95a〜95dの軸線方向の位置は、接地電極30の間隙Gが位置する軸線方向の位置と、概ね等しい。
ここで、第1放電面20Sの後端を通り、軸線AXと垂直な平面を、第1平面S1とする。本実施形態では、第1放電面20Sは、軸線AXと垂直であるので、第1平面S1は、第1放電面20Sの全体を含む面となる。第1放電面20Sが軸線AXと垂直な方向に対して傾斜している場合には、第1平面S1は、第1放電面20Sの後端の一部のみを通る面となる。
第2放電面30Sの先端を通り、軸線AXと垂直な平面を、第2平面S2とする。本実施形態では、第2放電面30Sは、軸線AXと垂直であるので、第2平面S2は、第2放電面30Sの全体を含む面となる。第2放電面30Sが軸線AXと垂直な方向に対して傾斜している場合には、第2平面S2は、第2放電面30Sの後端の一部のみを通る面となる。
図3に示すように、貫通孔95aの内側開口95aiの軸線方向の中央部は、第1平面S1と第2平面S2との間に配置されている。また、貫通孔95aの外部側の開口(外側開口とも呼ぶ)95aoの軸線方向の中央部は、第1平面S1と第2平面S2との間に配置されている。
図4は、図3に示す矩形範囲SAa、SAbを拡大して示す図である。内側開口95aiと外側開口95aoとの軸線方向の位置は同じではなく、外側開口95aoの軸線方向の位置は、内側開口95aiの軸線方向の位置よりも後端側にずれている。図4(A)に示すように、貫通孔95aの内側開口95aiの重心Paiと、外側開口95aoの重心Paoと、を結ぶ直線を、直線Laとする。直線Laは、外側開口95aoの重心Paoが内側開口95aiの重心Paiよりも後端側に位置するように、軸線AXと垂直な平面(例えば、第1平面S1)に対して傾斜している。
貫通孔95aの内側開口95aiの後端Baiと外側開口95aoの後端Baoとは、第1平面S1よりも後端側に位置している。貫通孔95aの内側開口95aiの先端Faiと外側開口95aoの先端Faoとは、第2平面S2よりも先端側に位置している。
貫通孔95bについても、上述した貫通孔95aと同様の位置関係を満たしている。具体的には、図3に示すように、貫通孔95bの内側開口95biおよび外側開口95boの軸線方向の中央部は、第1平面S1と第2平面S2との間に配置されている。
図4(B)に示すように、貫通孔95bの内側開口95biの重心Pbiと、外側開口95boの重心Pboと、を結ぶ直線Lbは、外側開口95boの重心Pboが内側開口95biの重心Pbiよりも後端側に位置するように、軸線AXと垂直な平面に対して傾斜している。
図4(B)に示すように、貫通孔95bの内側開口95biの後端Bbiと外側開口95boの後端Bboとは、第1平面S1よりも後端側に位置している。貫通孔95bの内側開口95biの先端Fbiと外側開口95boの先端Fboとは、第2平面S2よりも先端側に位置している。
なお、図示は省略するが、図2に破線B−Bで示す面で、点火プラグ100の先端の近傍を切断した断面は、図3の断面CF1と同様の断面となる。このことから解るように、貫通孔95c、95dも、上述した貫通孔95a、95bと同様の位置関係を満たしている。具体的には、貫通孔95c、95dの内側開口95ci、95diおよび外側開口95co、95doの軸線方向の中央部は、第1平面S1と第2平面S2との間に配置されている。そして、貫通孔95c、95dの内側開口95ci、95diの重心と、外側開口95co、95doの重心と、を結ぶ直線は、外側開口の重心が内側開口の重心よりも後端側に位置するように、軸線AXと垂直な平面に対して傾斜している。さらには、貫通孔95c、95dの内側開口95ci、95diの後端と外側開口95co、95doの後端とは、第1平面S1よりも後端側に位置している。貫通孔95c、95dの内側開口95ci、95diの先端と外側開口95co、95doの先端とは、第2平面S2よりも先端側に位置している。
A−2.点火プラグ100の使用の態様
以上説明した本実施形態の点火プラグ100は、以下のように動作する。点火プラグ100は、ガスエンジンなどの内燃機関に取り付けられて使用される。所定の電源を含む点火装置(例えば、フルトランジスタ点火装置)によって、点火プラグ100の接地電極30と中心電極20との間に電圧が印加される。この結果、接地電極30と中心電極20との間隙Gに、火花放電が生じる。すなわち、キャップ90内の副燃焼空間BSで火花放電が生じる。内燃機関の燃焼室内の燃料ガスが、キャップ90の貫通孔95a〜95dを通って、副燃焼空間BS内に導入される。副燃焼空間BSで生じた火花によって、副燃焼空間BS内の燃料ガスが点火される。点火された燃料ガスの燃焼によって生じた火炎は、キャップ90の貫通孔95a〜95dを通って、外部(内燃機関の燃焼室)へと噴出される。噴出された火炎によって、内燃機関の燃焼室内の燃料ガスが点火される。この結果、特に、燃焼室の容積が比較的大きな内燃機関であっても、速やかに燃焼室内の燃料ガスの全体を燃焼させることができる。
図5は、本実施形態の点火プラグ100が取り付けられる内燃機関の一例を示す図である。図中には、内燃機関700の複数(例えば、4個)の燃焼室(シリンダとも呼ばれる)のうちの1個の燃焼室790の概略断面図が示されている。内燃機関700は、エンジンヘッド710と、シリンダブロック720と、ピストン750と、点火プラグ100と、を含んでいる。ピストン750は、図示しないコネクティングロッドに連結され、コネクティングロッドは、図示しないクランクシャフトに連結されている。
シリンダブロック720は、燃焼室790のうちの一部(略円筒状の空間)を形成するシリンダ壁729を有している。シリンダブロック720の一方向側(図5の上側)には、エンジンヘッド710が固定されている。エンジンヘッド710は、燃焼室790の端部を形成する内壁719と、燃焼室790に連通する吸気ポート712を形成する第1壁711と、吸気ポート712を開閉可能な吸気バルブ730と、燃焼室790に連通する排気ポート714を形成する第2壁713と、排気ポート714を開閉可能な排気バルブ740と、点火プラグ100を取り付けるための取付孔718と、を有している。ピストン750は、シリンダ壁729によって形成される空間内を、往復動する。ピストン750のエンジンヘッド710側の面759と、シリンダブロック720のシリンダ壁729と、エンジンヘッド710の内壁719と、に囲まれる空間が、燃焼室790に相当する。点火プラグ100の中心電極20と接地電極30(後述)とは、燃焼室790に露出している。図中の軸線AXは、点火プラグ100の軸線AXである。
図6は、点火プラグ100と吸気バルブ730と排気バルブ740との配置例を示す投影図である。この投影図は、点火プラグ100の中心電極20の軸線AXに垂直な投影面上に要素100、730、740を投影することによって得られる投影図である。図示された要素100、730、740は、1個の燃焼室790(図5)の要素である。図中では、バルブ730、740を表す領域のそれぞれに、ハッチングが付されている。
図6に示すように、本実施形態の内燃機関700の1個の燃焼室790には、1個の点火プラグ100と、2個の吸気バルブ730と、2個の排気バルブ740と、が設けられている。投影図中のバルブ730、740は、いずれも、閉じた状態のバルブ730、740を示している。また、投影図中のバルブ730、740は、いずれも、燃焼室790内から見える部分を示している。以下、2個の吸気バルブ730を区別する場合には、符号「730」の末尾に識別子(ここでは、「a」または「b」)を付加する。2個の排気バルブ740についても、同様である。
図中には、バルブ730a、730b、740a、740bのそれぞれの中心位置C3a、C3b、C4a、C4bが、示されている。これらの中心位置C3a、C3b、C4a、C4bは、それぞれ、図6に示す投影面上におけるバルブ730a、730b、740a、740bを表す領域の重心位置を示している。例えば、第1中心位置C3aは、第1吸気バルブ730aを表す領域の重心位置である。なお、領域の重心は、領域内に質量が均等に分布していると仮定した場合の重心の位置である。
図中には、2個の重心位置C3、C4が示されている。吸気重心位置C3は、2個の吸気バルブ730a、730bのそれぞれの中心位置C3a、C3bの重心位置である。排気重心位置C4は、2個の排気バルブ740a、740bのそれぞれの中心位置C4a、C4bの重心位置である。なお、複数の中心位置の重心位置は、各中心位置に同じ質量が配置されていると仮定した場合の重心の位置である。
図6の矢印で示す流動方向Dgは、軸線AXと略垂直な方向であり、吸気重心位置C3から排気重心位置C4からに向かう方向である(バルブ配置方向とも呼ぶ。)。点火プラグ100の点火時には、燃焼室790内における点火プラグ100の先端近傍を流動方向Dgに燃料ガス(空気と燃料の混合気)が流動する。図6の流動方向Dgを示す矢印は、点火プラグ100の先端近傍におけるガスの流動経路を示していると、言うこともできる。
ここで、燃焼室790にタンブルと呼ばれる縦方向(ピストン750の軸方向)の渦を発生させる場合に、バルブ730、バルブ740近傍において流動方向Dgに流れるガスの流速は、燃焼室790の天井に近い位置(図5の上側、点火プラグ100の後端側)において、天井から離れた位置(図5の下側、要素100の先端側)よりも速くなる。例えば、図5の矢印ARaが位置する部分におけるガスの流速は、矢印ARbが位置する部分におけるガスの流速よりも速くなる。
本実施形態の点火プラグ100は、ガスの流速が比較的遅い位置(矢印ARbの位置)に先端が位置するように、内燃機関700に取り付けられる。そして、点火プラグ100は、ガスの流速が比較的遅い位置で、図5に矢印ARfで示すように、軸線AXと垂直な方向に火炎を噴出する。この結果、吸気バルブ730の近傍に火炎を速やかに到達させることができ、燃料ガスを効率良く燃焼させることができ、燃焼速度を向上することができる。
図7は、比較形態の100Xの説明図である。図7は、内燃機関700に取り付けられている点火プラグが、比較形態の点火プラグ100Xである点を除いて、図5と同じである。比較形態の点火プラグ100Xは、図5の点火プラグ100と比較して、先端が燃焼室790の天井の近くに位置するように、内燃機関700に取り付けられる。そして、点火プラグ100Xは、図7に矢印ARxで示すように、軸線AXと垂直な方向に対して先端側に傾斜した方向に、火炎を噴出する。この場合には、噴出された火炎が比較的速い速度で流動するガスに巻き込まれる。このために、噴出された火炎が吸気バルブ730の近傍に到達することができず、吸気バルブ730の近傍で燃料ガスを燃焼させることができない可能性がある。本実施形態の点火プラグ100は、このような不都合を解消して、燃焼速度を向上することができる。
以上説明した本実施形態の点火プラグ100によれば、上述したように、貫通孔95a〜95dのそれぞれについて、内側開口95ai〜95diの少なくとも一部と、外側開口95ao〜95doの少なくとも一部とは、第1平面S1と第2平面S2との間に配置されている(図3)。この結果、間隙Gで発生した火炎が軸線AXと垂直に近い方向に噴出される。この結果、噴出される火炎が、点火プラグ100の先端側にあるピストン750に当たることが抑制され、ピストンによる熱引きが低減される。したがって、内燃機関700の熱損失を低減させて内燃機関700の熱効率を向上できる。特に、図5のように、点火プラグ100の先端が、ピストン750に比較的近い位置に配置される場合には、仮に、図7の点火プラグ100Xのように、火炎がピストン750側に噴出されると、噴出される火炎がピストン750に強く吹き付けられ得るのでピストン750よる熱引きが過大になり得る。本実施形態の点火プラグ100によれば、このような不具合を抑制することができる。
さらには、内燃機関によっては、燃料ガスの燃焼速度を向上することができる。例えば、図5を参照して説明したように、燃焼室790にタンブルを発生させる内燃機関700において、燃焼室790の天井から比較的離れた位置において、火炎を軸線AXと垂直に近い方向に噴出でき、燃焼速度を向上できる。
さらに、本実施形態の点火プラグ100によれば、貫通孔95a〜95dのそれぞれについて、内側開口95ai〜95diの重心と、外側開口95ao〜95doの重心と、を結ぶ線(例えば、図4の直線La、Lb)は、外側開口95ao〜95doの重心が内側開口95ai〜95diの重心よりも後端側に位置するように、軸線AXと垂直な平面(例えば、第1平面S1)に対して傾斜している。この結果、貫通孔95a〜95dから噴出される火炎が、ピストン750に当たることをより効果的に抑制できる。
さらには、火炎が軸線AXに垂直な面よりも後端側に向かって噴出されるので、例えば、図5に示す例では、吸気バルブ730により近い部分に火炎が到達しやすい。このために、吸気バルブ730により近い部分で、燃料ガスに着火でき、燃焼速度を向上することができる。
さらに、本実施形態の点火プラグ100によれば、内側開口95ai〜95diの後端と外側開口95ao〜95doの後端は、第1平面S1よりも後端側に位置し、内側開口95ai〜95diの先端と外側開口95ao〜95doの先端は、第2平面S2よりも先端側に位置する。この結果、間隙Gにて発生して、軸線AXと垂直な方向に向かう火炎がキャップ90に遮られることを抑制できるので、火炎を効率良く貫通孔95a〜59dから噴出できる。この結果、燃料ガスの燃焼速度を向上することができる。
さらに、本実施形態の点火プラグ100によれば、図2を参照して説明したように、点火プラグ100を軸線AXに沿って見た場合に、仮想的な円VC上の複数個の仮想的な点であり、周方向に等間隔で並ぶ複数個の仮想的な点を、複数個の特定点SPとするとき、複数個の貫通孔95a〜95dは、それぞれ、複数個の特定点SPを1個ずつ含む領域に形成されている。この結果、燃焼室790の全体に拡がるように火炎が噴出される。この結果、燃料ガスの燃焼速度を向上することができる。
B.変形例
(1)上記実施形態では、内側開口95ai〜95diの軸線方向の中央部分が、第1平面S1と第2平面S2との間に配置されている。これに代えて、内側開口95ai〜95diの全体が、第1平面S1と第2平面S2との間に配置されていても良い。また、内側開口95ai〜95diの後端側の一部分、または、先端側の一部分が、第1平面S1と第2平面S2との間に配置されていても良い。
(2)上記実施形態では、外側開口95ao〜95doの軸線方向の中央部分が、第1平面S1と第2平面S2との間に配置されている。これに代えて、外側開口95ao〜95doの全体が、第1平面S1と第2平面S2との間に配置されていても良い。また、外側開口95ao〜95doの後端側の一部分、または、先端側の一部分が、第1平面S1と第2平面S2との間に配置されていても良い。
(3)上記実施形態では、内側開口95aiの重心と、外側開口95aoの重心と、を結ぶ直線La(図4)は、外側開口95aoの重心が内側開口95aiの重心よりも後端側に位置するように、第1平面S1に対して傾斜している。これに代えて、例えば、直線Laは、第1平面S1と平行であっても良い。また、直線Laは、外側開口95aoの重心が内側開口95aiの重心よりも先端側に位置するように、第1平面S1に対して傾斜していても良い。ただし、図5の内燃機関700において、ピストン750による熱引きを低減して内燃機関700の熱効率を向上する観点、および、燃焼速度を向上する観点からは、直線Laは、外側開口95aoの重心が内側開口95aiの重心よりも後端側に位置するように、第1平面S1に対して傾斜しているか、第1平面S1と平行であることが好ましい。
(4)また、内側開口95ai〜95diの先端の全部または一部は、第2平面S2よりも後端側に位置していても良い。外側開口95ao〜95oの先端の全部または一部は、第2平面S2よりも後端側に位置していても良い。また、内側開口95ai〜95diの先端の全部または一部は、第2平面S2よりも後端側に位置していても良い。外側開口95ao〜95oの先端の全部または一部は、第2平面S2よりも後端側に位置していても良い。
(5)上記実施形態のキャップ90において、複数個の貫通孔95a〜95dは、周方向の位置が互いに異なり、軸線方向の位置、径方向の位置、形状、および、大きさが、互いに等しい。これに代えて、複数個の貫通孔95a〜95dの全部または一部は、軸線方向の位置、径方向の位置、形状、および、大きさのうちの全部または一部が、互いに異なっていても良い。また、貫通孔95a〜95dは、周方向に等間隔に並んでいるが、貫通孔95a〜95dのうちの2個の貫通孔の周方向の間隔は、互いに異なっていても良い。また、図2において、貫通孔95a〜95dのうちの一部は、特定点SPを含まない領域に形成されていても良い。さらには、貫通孔95a〜95dの個数は、4個に限られず、他の個数、例えば、2個、3個、5個であっても良い。
(6)上記実施形態の点火プラグ100の具体的な構成は、一例であり、これに限られない。図8は、変形例の説明図である。図8には、図3の第1実施形態の断面CF1に対応する部分が図示されている。
この変形例では、主体金具2Bは、2個の部材には分かれておらず、1個の部材で形成されている。また、本変形例では、キャップ90Bの筒部92の後端は、主体金具2Bの先端面に溶接によって固定されている。また、本変形例では、接地電極30Bは、軸線AXに沿って延びる丸棒状の部材である。接地電極30Bの後端側の面は、第2放電面30Sである。接地電極30Bの先端側の面は、キャップ90Bの板状部91Bの後端側の面に溶接によって接合されている。これによって、接地電極30Bは、キャップ90Bを介して、主体金具2Bに電気的に接続されている。図8の点火プラグの他の構成は、第1実施例の点火プラグ100の構成と同じである。
(5)記実施形態において、例えば、中心電極20、端子電極40、接地電極30、主体金具2などの材質、形状、寸法などは、様々に変更可能である。例えば、上記実施形態では、中心電極20や接地電極30は1個の材料で形成されている。これに代えて、中心電極は、中心電極本体と、中心電極本体の先端に溶接され、放電面を有する中心電極チップと、を備える構成であっても良い。また、接地電極30は、接地電極本体と、接地電極本体の自由端部に溶接され、放電面を有する接地電極チップと、を備える構成であっても良い。中心電極チップや接地電極チップとは、例えば、電極本体(例えば、Ni合金)よりも放電に対する耐久性に優れる材料(例えば、イリジウム(Ir)、白金(Pt)等の貴金属、タングステン(W)、それらの金属から選択された少なくとも1種を含む合金)を用いて形成される。
以上、実施形態、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。
2…主体金具、2B…主体金具、5A…内側ガスケット、5B…外側ガスケット、6…線パッキン、8…板パッキン、9…タルク、10…絶縁体、12…軸孔、12L…大内径部、12S…小内径部、13…脚長部、15…縮外径部、16…縮内径部、17…先端側胴部、18…後端側胴部、19…鍔部、20…中心電極、20S…第1放電面、23…頭部、24…鍔部、25…脚部、30…接地電極、30B…接地電極、30S…第2放電面、31…自由端部、32…接続端部、40…端子電極、41…キャップ装着部、42…鍔部、43…脚部、50…内側主体金具、50s…先端部、51…工具係合部、52…取付ネジ部、53…加締部、54…座部、56…段部、58…圧縮変形部、59…貫通孔、60…外側主体金具、60o…開口、61…先端部、62…取付ネジ部、64…座部、66…雌ネジ、69…貫通孔、70…抵抗体、80A、80B…シール部材、90、90B…キャップ、91…板状部、92…筒部、95a〜95d…貫通孔、95ai〜95di…内側開口、95ao〜95do…外側開口、100…点火プラグ、700…内燃機関、710…エンジンヘッド、711…第1壁、712…吸気ポート、713…第2壁、714…排気ポート、718…取付孔、719…内壁、720…シリンダブロック、729…シリンダ壁、730…吸気バルブ、740…排気バルブ、750…ピストン、790…燃焼室

Claims (4)

  1. 軸線の方向に延び、第1放電面を有する中心電極と、
    前記軸線の方向に延びる軸孔を有し前記軸孔の先端側に前記中心電極が配置される絶縁体と、
    前記絶縁体の外周に配置される筒状の主体金具と、
    前記第1放電面と前記軸線の方向に重なって前記第1放電面との間に間隙を形成する第2放電面を有する接地電極と、
    前記主体金具の先端部に接続され、前記主体金具の先端側の開口を覆うことで、前記間隙が配置される副燃焼空間を区画するキャップと、
    を備え、
    前記キャップには、前記副燃焼空間と外部とを連通する少なくとも1個の貫通孔が形成される点火プラグであって、
    前記第1放電面の後端を通り、前記軸線と垂直な平面を第1平面とし、
    前記第2放電面の先端を通り、前記軸線と垂直な平面を第2平面とするとき、
    前記貫通孔のそれぞれについて、前記副燃焼空間側の開口である第1開口の少なくとも一部と、前記外部側の開口である第2開口の少なくとも一部とは、前記第1平面と前記第2平面との間に配置され、
    前記貫通孔のそれぞれについて、前記第1開口の重心である第1点と、前記第2開口の重心である第2点と、を結ぶ直線は、前記軸線と垂直な平面と平行である、もしくは、前記第2点が前記第1点よりも後端側に位置するように前記軸線と垂直な平面に対して傾斜していることを特徴とする点火プラグ。
  2. 請求項に記載の点火プラグであって、
    前記貫通孔のそれぞれについて、前記第1点と前記第2点とを結ぶ直線は、前記第2点が前記第1点よりも後端側に位置するように前記軸線と垂直な平面に対して傾斜していることを特徴とする点火プラグ。
  3. 請求項1または2に記載の点火プラグであって、
    前記第1開口の後端と前記第2開口の後端は、前記第1平面よりも後端側に位置し、
    前記第1開口の先端と前記第2開口の先端は、前記第2平面よりも先端側に位置することを特徴とする点火プラグ。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載の点火プラグであって、
    前記貫通孔は、複数個形成されており、
    前記点火プラグを前記軸線に沿って見た場合に、
    前記軸線を中心とする仮想的な円上の複数個の仮想的な点であり、周方向に等間隔で並ぶ前記複数個の仮想的な点を、複数個の特定点とするとき、
    前記複数個の貫通孔は、それぞれ、前記複数個の特定点を1個ずつ含む領域に形成されていることを特徴とする点火プラグ。
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