JP5727546B2 - スパークプラグ - Google Patents

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Description

本発明は、スパークプラグに関するものである。
従来、スパークプラグとしては、接地電極の先端に貴金属チップを備え、貴金属チップと中心電極先端との間に火花ギャップが形成されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−56786号公報 特開2002−324650号公報
このようなスパークプラグでは、点火の動作を繰り返すことによって、接地電極の先端に設けた貴金属チップにおいて、火花消耗が起こる。貴金属チップにおいて火花消耗が進行すると、火花ギャップが広がって失火が起こるようになり、着火性が低下する可能性がある。そして、貴金属チップにおいてさらに火花消耗が進行して貴金属チップの消耗の程度が高まると、スパークプラグを交換する必要が生じる。このような火花消耗に起因するスパークプラグの耐久性の低下を抑える方策としては、例えば、接地電極の貴金属チップをより大きく形成する方策が考えられる。しかしながら、接地電極の貴金属チップをより大きく形成しても、貴金属チップにおいて火花消耗が偏って進行すると、偏って消耗する部位で火花ギャップが広がると共に、他の部位は利用されずに残ってしまう。このような場合には、貴金属チップを無駄なく利用することができず、スパークプラグの耐久性を充分に向上できない可能性があった。また、スパークプラグでは、効率のよい火花形成だけでなく、火花形成により火種が生じたときに、良好に火炎が広がることが望まれていた。すなわち、スパークプラグにおいては、耐久性と着火性を両立させ、さらに性能を向上させることが望まれていた。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、軸線方向に延びる中心電極と、前記中心電極の先端部が露出するように前記中心電極の外周に配置された絶縁体と、前記絶縁体の外周に配置された主体金具と、一端部が前記主体金具に接合され、他端部に貴金属チップを有する接地電極と、を備え、前記中心電極の先端部と前記貴金属チップの放電面との間に間隙が形成されるスパークプラグが提供される。このスパークプラグは、前記放電面の中心を通り、前記軸線を含む断面にて、前記中心電極の先端面と前記貴金属チップの放電面とが成す角のうち鋭角のものをθ1とし、前記中心電極の先端面のうち、前記貴金属チップに最も近い点を点Aとし、前記放電面の両端点を、点B1および点B2とし、前記点Aと前記点B1とを結んだ線分を第1の線分とし、前記点Aと前記点B2とを結んだ線分を第2の線分とし、前記第1の線分と前記第2の線分とが成す角をθ2としたときに、35°≦θ1≦55°、85°≦θ2≦90°、且つ、前記第1の線分の長さと前記第2の線分の長さの差は、前記第1の線分と前記第2の線分のうちの長い方の線分の長さの10%以下であることを特徴とする。この形態のスパークプラグによれば、θ1、θ2、および第1の線分の長さと第2の線分の長さとの関係に係る上記3つの要件を満たすことで、貴金属チップにおいて進行する火花消耗の偏りを抑え、貴金属チップの一部が無駄となることを抑えることにより、スパークプラグの耐久性を向上させる(長寿命化させる)ことができる。また、貴金属チップが火炎の広がりを妨げることを抑えて、着火性を向上させることができる。
(2)上記形態のスパークプラグにおいて、前記接地電極は、前記中心電極に向けて屈曲された屈曲部を有することとしてもよい。この形態のスパークプラグによれば、接地電極における貴金属チップ以外の箇所と中心電極との距離を、より長く確保することが可能になる。そのため、接地電極における貴金属チップ以外の箇所と中心電極との間の飛火(放電)を抑制し、このような飛火に起因する失火を抑えることができる。
(3)上記形態のスパークプラグにおいて、前記貴金属チップは、前記他端部の先端面に配置されていることとしてもよい。この形態のスパークプラグによれば、接地電極における貴金属チップ以外の箇所と中心電極との距離を、さらに容易に確保することが可能になる。そのため、接地電極における貴金属チップ以外の箇所と中心電極との間の飛火(放電)を抑制する効果を高めることができる。
(4)上記形態のスパークプラグにおいて、前記放電面に垂直な方向から該放電面を見たときに、該放電面の外周の少なくとも一部に前記接地電極の前記先端面が存在することとしてもよい。この形態のスパークプラグによれば、火花が吹き流されたときに、吹き流された火花を上記先端面によって受け止めることができるため、貴金属チップに火花が集中することを抑えることにより、貴金属チップの火花消耗およびギャップ増加を抑制することができる。
(5)上記形態のスパークプラグにおいて、前記放電面に垂直な方向から該放電面を見たときに、前記接地電極の幅方向における前記放電面の両側の少なくとも一部に前記接地電極の前記先端面が存在することとしてもよい。この形態のスパークプラグによれば、火花が吹き流されたときに、吹き流された火花を上記先端面によって受け止めて、貴金属チップの火花消耗およびギャップ増加を抑える効果を高めることができる。
(6)上記形態のスパークプラグにおいて、前記放電面に垂直な方向から該放電面を見たときに、前記接地電極の幅方向における前記放電面の両側全てに前記接地電極の前記先端面が存在することとしてもよい。この形態のスパークプラグによれば、火花が吹き流されたときに、吹き流された火花を上記先端面によって受け止めて、貴金属チップの火花消耗およびギャップ増加を抑える効果をさらに高めることができる。
本発明は、上記以外の種々の形態で実現可能であり、例えば、スパークプラグの製造方法などの形態で実現することが可能である。
スパークプラグの部分断面図である。 スパークプラグの先端部の構造を拡大して示す説明図である。 接地電極チップと中心電極チップの位置関係を拡大して示す説明図である。 接地電極の先端部を表わす斜視図である。 接地電極チップの放電面を、垂直方向から見た様子を表わす平面図である。 スパークプラグの先端部の構造を拡大して示す説明図である。 接地電極チップの放電面を、垂直方向から見た様子を表わす平面図である。 スパークプラグの先端部の構造を拡大して示す説明図である。 接地電極チップの放電面を、垂直方向から見た様子を表わす平面図である。 スパークプラグの先端部の構造を拡大して示す説明図である。 スパークプラグの先端部の構造を拡大して示す説明図である。 スパークプラグについて火花消耗の程度を調べた結果を示す説明図である。 サンプル1のスパークプラグの先端部の構造を拡大して示す説明図である。 スパークプラグについて火花消耗の程度を調べた結果を示す説明図である。 スパークプラグについて着火性を調べた結果を示す説明図である。 スパークプラグについて、火花消耗の程度を調べた結果を示す説明図である。
A.第1の実施形態:
図1は、本発明の第1実施例としてのスパークプラグ100の部分断面図であり、スパークプラグ100の軸線である軸線Oを境界として、紙面右側にスパークプラグ100の外観形状を図示し、紙面左側にスパークプラグ100の断面形状を図示した。以下の説明では、軸線Oに平行であって図1の下方側を先端側と呼び、図1の上方側を後端側と呼ぶ。
スパークプラグ100は、絶縁碍子10と、中心電極20と、接地電極30と、端子金具40と、主体金具50とを備える。絶縁碍子10の一端から突出する棒状の中心電極20は、絶縁碍子10の内部を通じて、絶縁碍子10の他端に設けられた端子金具40に電気的に接続されている。中心電極20の外周は、絶縁碍子10によって保持され、絶縁碍子10の外周は、端子金具40から離れた位置で主体金具50によって保持されている。主体金具50に電気的に接続された接地電極30は、火花を発生させる間隙である火花ギャップを中心電極20の先端との間に形成する。スパークプラグ100は、内燃機関のエンジンヘッド200に設けられた取付ネジ孔201に主体金具50を介して取り付けられる。端子金具40に2万〜3万ボルトの高電圧が印加されると、中心電極20と接地電極30との間に形成された火花ギャップに火花が発生する。
絶縁碍子10は、セラミックス材料(例えばアルミナ等)を焼成して形成された絶縁体である。絶縁碍子10は、中心電極20および端子金具40を収容する軸孔12が中心に形成された筒状の部材である。絶縁碍子10の軸方向中央には外径を大きくした中央胴部19が形成されている。中央胴部19よりも後端側には、端子金具40と主体金具50との間を絶縁する後端側胴部18が形成されている。中央胴部19よりも先端側には、後端側胴部18よりも外径が小さい先端側胴部17が形成され、先端側胴部17の更に先端側には、先端側胴部17よりも小さい外径であって先端側へ向かうほど外径が小さくなる脚長部13が形成されている。
主体金具50は、絶縁碍子10の後端側胴部18の一部から脚長部13に亘る部位を包囲して保持する円筒状の金具であり、本実施例では、低炭素鋼から成る。主体金具50は、工具係合部51と、取付ネジ部52と、シール部54とを備える。主体金具50の工具係合部51は、スパークプラグ100をエンジンヘッド200に取り付ける工具(図示せず)が嵌合する。主体金具50の取付ネジ部52は、エンジンヘッド200の取付ネジ孔201に螺合するネジ山を有する。主体金具50のシール部54は、取付ネジ部52の根元に鍔状に形成され、シール部54とエンジンヘッド200との間には、環状のガスケット5が嵌挿される。主体金具50の先端面57は、中空の円状であり、その中央には、絶縁碍子10の脚長部13から中心電極20が突出する。
主体金具50の工具係合部51より後端側には薄肉の加締部53が設けられている。また、シール部54と工具係合部51との間には、加締部53と同様に薄肉の圧縮変形部58が設けられている。工具係合部51から加締部53にかけての主体金具50の内周面と絶縁碍子10の後端側胴部18の外周面との間には、円環状のリング部材6,7が介在されており、さらに両リング部材6,7間にタルク(滑石)9の粉末が充填されている。スパークプラグ100の製造時には、加締部53を内側に折り曲げるようにして先端側に押圧することにより圧縮変形部58を圧縮変形させる加締加工を行なう。加締加工を行なうことで、リング部材6,7およびタルク9を介し、絶縁碍子10が主体金具50内で先端側に向け押圧される。この押圧により、タルク9が軸線O方向に圧縮されて主体金具50内の気密性が高められる。
また、主体金具50の内周においては、取付ネジ部52の位置に形成された金具内段部56に、環状の板パッキン8を介し、絶縁碍子10の脚長部13の基端に位置する碍子段部15が押圧されている。この板パッキン8は、主体金具50と絶縁碍子10との間の気密性を保持する部材であり、燃焼ガスの流出が防止される。
中心電極20は、有底筒状に形成された電極母材21の内部に、電極母材21よりも熱伝導性に優れる芯材25を埋設した棒状の部材である。本実施例では、電極母材21は、ニッケルを主成分とするニッケル合金から成り、芯材25は、銅または銅を主成分とする合金から成る。中心電極20は、電極母材21の先端が絶縁碍子10の軸孔12から突出した状態で絶縁碍子10の軸孔12に挿入され、セラミック抵抗3およびシール体4を介して端子金具40に電気的に接続されている。
接地電極30は、耐腐食性の高い金属から構成され、一例として、ニッケル合金が用いられる。この接地電極30の基端は、主体金具50の先端面57に溶接されている。接地電極30の先端側は、中心電極20の先端に向かって屈曲されている。
図2は、スパークプラグ100の先端部の構造を拡大して示す説明図である。図2では、図1とは逆に、上方側が先端側であり下方側が後端側である。図2に示すように、接地電極30は、基部31と接地電極チップ32とを備えている。基部31は、横断面が略矩形形状の棒状部材であって、中心電極20側に湾曲されると共に、一端が主体金具50に接続されている。すなわち、接地電極30の基部31は、屈曲部31bを有しており、この屈曲部31bにおいて中心電極20側へと屈曲している(曲線状に曲げられている)。特に本実施形態では、基部31は、主体金具50との接続部から軸線Oに沿って先端側に延びた後に、屈曲部31bにおいて屈曲している。接地電極チップ32は、例えばレーザ溶接によって、基部31の他端に固着されている。基部31において、接地電極チップ32が固着される他端は、先端面34を形成している。先端面34は、先端面34が中心電極チップ27の先端面28と平行に対向する状態に近づく方向へと、基部31の伸長方向に垂直な面に対して傾斜している。
接地電極チップ32は、接地電極30の耐火花消耗性を向上するために設けられた部材であり、高融点の貴金属を主成分として形成されている貴金属チップである。この接地電極チップ32は、例えば、白金(Pt)、Pt−Ni合金によって形成することができ、本実施形態ではPt−Ni合金によって形成されている。接地電極チップ32において、基部31に固着された面の裏側の面(中心電極20と対向する面)は、放電面33を形成する。本実施形態では、接地電極チップ32は略直方体形状に形成されているため、放電面33は、基部31の先端面34と略平行となっている。なお、接地電極チップ32は、特許請求の範囲における「貴金属チップ」に相当する。
また、図2に示すように、中心電極20は、その先端に中心電極チップ27を有している。中心電極チップ27は、軸線O方向に伸びた略円柱形状を有しており、耐火花消耗性を向上するため、高融点の貴金属を主成分として形成されている。中心電極チップ27は、例えば、イリジウム(Ir)、あるいは、Irを主成分として、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、パラジウム(Pd)、レニウム(Re)のうちの1種類以上を添加したIr合金によって形成することができる。中心電極チップ27の先端面28は、軸線O方向に垂直となっている。なお、中心電極チップ27は、本願発明において必須の構成要件ではなく、中心電極チップ27の有無に関わらず、中心電極20の先端面を先端面28と呼ぶものとする。
ここで、図2は、略長方形形状の放電面33の中心を通り、軸線Oを含む断面の様子を表わしている。図2では、上記断面における放電面33と重なる直線を直線X1として示しており、上記断面における先端面28と重なる直線を直線X2として示している。図2に示すように、上記断面において、接地電極チップ32の放電面33と中心電極チップ27の先端面28とが成す角のうち鋭角のものをθ1と呼ぶ。
図3は、図2と同様の断面において、接地電極チップ32と中心電極チップ27との位置関係のみを拡大して示す説明図である。図3の断面において、中心電極チップ27の先端面28のうち、接地電極チップ32に最も近い点を点Aとしている。また、図3に示す断面において、接地電極チップ32の放電面33の両端点を、点B1および点B2としている。そして、点Aと点B1とを結んだ線分を第1の線分AB1とし、点Aと点B2とを結んだ線分を第2の線分AB2としたときに、第1の線分AB1と第2の線分AB2とが成す角をθ2と呼ぶ。
このとき、本実施形態では、35°≦θ1≦55°が成り立ち、且つ、85°≦θ2≦90°が成り立つ。さらに、本実施形態では、第1の線分AB1の長さと第2の線分AB2の長さの差が、第1の線分AB1と第2の線分AB2のうちの長い方の線分の長さの10%以下となる。
以上のように構成された本実施形態のスパークプラグ100によれば、θ1、θ2、および第1の線分AB1の長さと第2の線分AB2の長さとの関係に係る上記3つのパラメータを満たすことで、接地電極チップ32において進行する火花消耗の偏りを抑え、接地電極チップ32の一部を消費できずに残してしまう無駄を抑えることにより、スパークプラグ100の耐久性を向上させる(長寿命化させる)ことができる。
ここで、本実施形態では、35°≦θ1≦55°であり、85°≦θ2≦90°であり、第1の線分AB1の長さと第2の線分AB2の長さの差は、長い方の線分の長さの10%以下であるため、図3の三角形AB1B2は、点Aを頂点として線分B1B2を底辺とする直角二等辺三角形、あるいはこれに近い形状になる。また、本実施形態では、既述した3つのパラメータを満たすことにより、三角形AB1B2の点B1は、点Aから軸線O方向に延長した線上あるいはその近傍に存在し、点B2は、点Aから軸線Oに垂直な方向(以下、水平方向とも呼ぶ)に延長した面上あるいはその近傍に存在する。中心電極チップ27と接地電極チップ32との間の放電は、中心電極チップ27と接地電極チップ32との距離がより短くなる部位で起こりやすいため、三角形AB1B2が上記形状となることにより、中心電極チップ27では、点Aに相当する角部において主として放電が起こる。そして接地電極チップ32においては、放電面33全体において点Aとの距離が充分に短くなるため、放電面33全体が放電の際に利用され得る。したがって、放電面33では、放電時に特に利用され難い領域の形成が抑えられ、接地電極チップ32における火花消耗の偏りを抑えることができる。このように火花消耗の偏りを抑えることで、火花ギャップの拡大の速度を抑制することができるため、失火を抑えつつ無駄なく接地電極チップ32を利用して、スパークプラグ100の耐久性を向上させることができる。
さらに、本実施形態によれば、接地電極チップ32側の点B1が、点Aから軸線O方向に延長した線上あるいはその近傍に存在するため、中心電極チップ27の先端面28の上方(軸線O方向の先端側)が接地電極30によって覆われない、あるいはほとんど覆われない状態にすることができる。そのため、スパークプラグ100において火花形成後に火炎が広がり易くなり、スパークプラグ100の着火性を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、中心電極チップ27の先端面28に対して接地電極チップ32を傾けて配置しても、点Aから水平方向に伸ばした面よりも後端側に接地電極チップ32が存在することを抑制し、放電面33において放電に利用できない部分が生じることを抑えることができる。そのため、接地電極チップ32全体を効率よく利用できる効果を高めることができる。
上記のように、点B1は、点Aから軸線O方向に延長した線上よりも中心電極20の中心寄りに張り出す程度が小さいほど、火炎の成長を妨げ難くなり、着火性が向上する。また、点B2は、点Aから水平方向に伸ばした面よりも後端側に張り出して存在する程度が小さいほど、接地電極チップ32全体が利用され易くなり、火花消耗の偏りを抑えることができる。本実施形態では、θ1およびθ2に加えて、第1の線分AB1の長さと第2の線分AB2の長さとの関係を規定することにより、上記した点Aと点B1、および点Aと点B2の位置関係を確保している。
図4は、本実施形態の接地電極30の先端部を表わす斜視図である。また、図5は、接地電極チップ32の放電面33を、放電面33に垂直な方向(図4に示す矢印Cの方向)から見た様子を表わす平面図である。図5では、上方が先端側であり、下方が後端側である。
図4および図5に示すように、本実施形態では、接地電極チップ32は、接地電極30の基部31の先端面34の中ほどの位置に取り付けられている。そして、放電面33に垂直な方向から放電面33を見ると、接地電極30の幅方向(放電面33の短手方向)における放電面33の両側全てに、先端面34が存在している。すなわち、放電面33の先端(図5における上端)から後端(図5における下端)にわたって(放電面33の長手方向の全体にわたって)、接地電極30の幅方向の両側に、先端面34が張り出している。
このような構成とすることで、本実施形態では、接地電極チップ32の火花消耗を抑えることができる。すなわち、スパークプラグが動作する際には、火花ギャップで発生した火花が内燃機関内の気流によって吹き流されたときに、吹き流された火花を、接地電極チップ32に代えて、接地電極30の基部31(図5に示す先端面34の張り出している部位等)で受け止めることが可能になる。これにより、接地電極チップ32に火花が集中することを抑制して、接地電極チップ32の火花消耗を抑え、火花ギャップの増加を抑制できる。その結果、スパークプラグ100の耐久性を向上させることができる。特に、本実施形態では、放電面33の上端から下端にわたって先端面34が張り出しているため、吹き流された火花を基部31で広く受け止めることが可能となり、接地電極チップ32の火花消耗を抑える効果を高めることができる。
なお、先端面34は、垂直方向から放電面33を見たときに、接地電極30の幅方向の両側の内、火花が吹き流されやすい一方の側のみに張り出す構成とすることも可能であるが、図5に示すように、接地電極30の幅方向の両側に張り出していることが望ましい。内燃機関内において、スパークプラグに対してどの方向に気流が流れるか(どの方向に火花が吹き流されるか)は、内燃機関内における接地電極30の向きにより定まるが、スパークプラグの取り付け時にスパークプラグの向きを調節することは困難だからである。
なお、火花ギャップとは、中心電極チップ27と接地電極チップ32との距離(最短距離)であり、本実施形態では、点Aと放電面33との距離である。望ましい火花ギャップは印加電圧によっても異なるが、上記した火花消耗も考慮して、火花ギャップは、例えば0.4〜1.2mmに設定すればよい。また、接地電極チップ32の厚み(高さ)は、例えば、0.5〜1.0mmとすることができる。したがって、中心電極チップ27の点Aと、接地電極30の先端面34との距離は、例えば、0.9〜2.2mmに設定することができる。点Aと先端面34との距離を上記範囲とすることで、吹き流された火花が基部31に受け止められ易くなり、接地電極チップ32の火花消耗を抑える効果を高めることができる。
B.第2の実施形態:
図6は、第2の実施形態のスパークプラグの先端部における図2と同様の断面の様子を示す説明図である。第2の実施形態において、第1の実施形態と共通する部分には同じ参照番号を付して詳しい説明を省略する。
図7は、第2の実施形態のスパークプラグが備える接地電極チップ32の放電面33を、図5と同様にして、放電面33に垂直な方向から見た様子を表わす平面図である。第2の実施形態の接地電極チップ32は、第1の実施形態と同様に、接地電極30の基部31の先端面34の中ほどの位置に取り付けられている。ただし、放電面33に垂直な方向から放電面33を見ると、接地電極30の幅方向(放電面33の短手方向)における放電面33の両側の一部だけに、先端面34が存在している。具体的には、放電面33の後端側(図7における下端側)の部分のみにおいて、接地電極30の幅方向の両側に、先端面34が張り出している。なお、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、35°≦θ1≦55°が成り立ち、且つ、85°≦θ2≦90°が成り立つ。さらに、第1の線分AB1の長さと第2の線分AB2の長さの差が、長い方の線分の長さの10%以下となっている。
上記のように、θ1、θ2、および第1の線分AB1の長さと第2の線分AB2の長さの関係に係る要件を満たすことで、第2の実施形態のスパークプラグは、第1の実施形態と同様に、着火性及び耐久性を向上させることができる。また、接地電極チップ32の火花消耗を抑える効果を高めることができる。すなわち、火花ギャップで発生した火花が内燃機関内の気流によって吹き流されたときに、吹き流された火花を、接地電極チップ32に代えて、接地電極30の基部31(図7に示す先端面34の張り出している部位等)で受け止めることが可能になる。これにより、接地電極チップ32に火花が集中することを抑制して、接地電極チップ32の火花消耗を抑え、火花ギャップの増加を抑制することができる。
図8および図9は、第2の実施形態の変形例のスパークプラグの先端部の様子を表わす説明図である。図8は、図6と同様の断面の様子を示している。また、図9は、図7と同様に、スパークプラグが備える接地電極チップ32の放電面33を、放電面33に垂直な方向から見た様子を表わす平面図である。第2の実施形態の本変形例において、第1の実施形態と共通する部分には同じ参照番号を付して詳しい説明を省略する。
第2の実施形態の変形例の接地電極チップ32は、第2の実施形態と同様に、接地電極30の基部31の先端面34の中ほどの位置に取り付けられており、放電面33に垂直な方向から放電面33を見ると、接地電極30の幅方向(放電面33の短手方向)における放電面33の両側の一部だけに、先端面34が存在している。ただし、第2の実施形態の変形例では、放電面33の先端側(図9における上端側)の部分のみにおいて、接地電極30の幅方向の両側に、先端面34が張り出している。このような構成としても、第2の実施形態と同様に、内燃機関内の気流によって吹き流された火花を、接地電極チップ32に代えて、接地電極30の基部31(図9に示す先端面34の張り出している部位等)で受け止めることが可能になる。これにより、接地電極チップ32に火花が集中することを抑制して、接地電極チップ32の火花消耗を抑え、火花ギャップの増加を抑制することができる。
なお、第2の実施形態、および第2の実施形態の変形例のいずれにおいても、第1の実施形態と同様に、先端面34は、垂直方向から放電面33を見たときに、接地電極30の幅方向の両側に張り出していることが望ましい。
なお、図7,9に示すように、第2の実施形態およびその変形例は、接地電極30の幅方向における放電面33の両側の一部だけに先端面34が存在しているが、吹き流された火花に起因する火花消耗を抑える観点からは、第1の実施形態のように、放電面33の両側のより広い範囲に先端面34が存在することが望ましい。また、着火性の観点からは、中心電極20(点A)から軸線O方向に延長した線上を越えて接地電極30の先端が存在する程度が小さい方が、火炎の広がりが邪魔され難くなるため、図6,7と図8,9の構成を比較すると、図6,7の構成の方が望ましい。
C.第3の実施形態:
図10は、第3の実施形態のスパークプラグの先端部における図2と同様の断面の様子を示す説明図である。第3の実施形態において、第1の実施形態と共通する部分には同じ参照番号を付して詳しい説明を省略する。
第3の実施形態では、接地電極30における基部31と接地電極チップ32との位置関係が、第1および第2の実施形態とは異なっている。第3の実施形態においても、接地電極30の基部31の先端面34に接地電極チップ32が取り付けられており、接地電極チップ32は、略直方体形状に形成されている。ただし、第3の実施形態では、略四角柱状の接地電極チップ32において、基部31の先端面34に垂直な面が放電面33となっている。そして、接地電極チップ32の放電面33と中心電極チップ27の先端面28とが成す角のうち鋭角のものをθ1、第1の線分AB1と第2の線分AB2とが成す角をθ2とすると、35°≦θ1≦55°および85°≦θ2≦90°が成り立つ。さらに、第1の線分AB1の長さと第2の線分AB2の長さの差が、長い方の線分の長さの10%以下となっている。
このように構成された第3の実施形態のスパークプラグにおいても、第1の実施形態と同様に、接地電極チップ32の火花消耗の偏りを抑えて耐久性が向上すると共に、着火性が向上する効果が得られる。ただし、第3の実施形態では、放電面33に垂直な方向から放電面33を見ると、接地電極30の幅方向(放電面33の短手方向)における放電面33の両側のいずれにも先端面34が存在しない。そのため、吹き流された火花を基部31で受け止める効果は、第1および第2の実施形態に及ばない。なお、第3の実施形態において、接地電極30の基部31の形状を、中心電極20側へと曲線状に曲げられた屈曲部を有する形状としてもよい。
D.第4の実施形態:
図11は、第4の実施形態のスパークプラグの先端部における図2と同様の断面の様子を示す説明図である。第4の実施形態において、第1の実施形態と共通する部分には同じ参照番号を付して詳しい説明を省略する。
第4の実施形態では、接地電極30における基部31と接地電極チップ32との位置関係が、第1ないし第3の実施形態とは異なっている。第4の実施形態では、接地電極30の基部31の先端面34ではなく、基部31の側面であって、中心電極チップ27に対向する側面35の先端部に、接地電極チップ32が取り付けられている。そして、接地電極チップ32において、中心電極チップ27に対向する面が、放電面33となっている。また、第4の実施形態においても、接地電極チップ32の放電面33と中心電極チップ27の先端面28とが成す角のうち鋭角のものをθ1、第1の線分AB1と第2の線分AB2とが成す角をθ2とすると、35°≦θ1≦55°および85°≦θ2≦90°が成り立つ。さらに、第1の線分AB1の長さと第2の線分AB2の長さの差が、長い方の線分の長さの10%以下となっている。
このように構成された第4の実施形態のスパークプラグにおいても、第1の実施形態と同様に、接地電極チップ32の火花消耗の偏りを抑えて耐久性が向上すると共に、着火性が向上する効果が得られる。なお、第4の実施形態では、放電面33の幅が基部31の幅よりも小さく形成されている。そのため、放電面33に垂直な方向から放電面33を見ると、接地電極30の幅方向(放電面33の短手方向)における放電面33の両側に側面35が存在する。したがって、第1および第2の実施形態と同様に、吹き流された火花を基部31によって受け止めることにより、接地電極チップ32の火花消耗を抑える同様の効果が得られる。また、第4の実施形態において、接地電極30の基部31の形状を、中心電極20側へと曲線状に曲げられた屈曲部を有する形状としてもよい。
既述したように、第3の実施形態では、基部31の先端面34に接地電極チップ32を設けつつ、接地電極チップ32において、基部31の先端面34に垂直な面を放電面33としている。また、第4の実施形態では、基部31の側面35に接地電極チップ32を設けている。そして、35°≦θ1≦55°および85°≦θ2≦90°を成り立たせ、さらに、第1の線分AB1の長さと第2の線分AB2の長さの差を、長い方の線分の長さの10%以下にしている。このような場合には、基部31の先端面34と接地電極チップ32の放電面33とが略平行である第1および第2の実施形態に比べて、接地電極30の基部31全体を、中心電極20寄りに、より大きく傾ける必要がある。すなわち、接地電極30の基部31に屈曲部を設ける場合であっても、基部31を、軸線O方向に沿って伸ばすことができる距離がより短くなり、また、中心電極20寄りに折り曲げる程度がより大きくなる。そのため、第3および第4の実施形態では、第1および第2の実施形態に比べて、接地電極30の基部31と中心電極チップ27(点A)との距離を基部31全体で十分に確保することが、より困難となる。そのため、接地電極30の基部31と中心電極チップ27との間の飛火を抑える観点からは、第1および第2の実施形態の方が、第3および第4の実施形態よりも望ましい。
E.変形例:
・変形例1:
上記各実施形態では、接地電極チップ32は、略直方体形状としているが、異なる形状としてもよい。接地電極チップ32が、放電面33となる平坦面を有しており、θ1、θ2、および第1の線分AB1の長さと第2の線分AB2の長さの関係が既述した要件を満たすならば、各実施形態と同様の効果を得ることができる。
・変形例2:
第1および第2の実施形態では、接地電極チップ32の放電面33に垂直な方向から放電面33を見たときに、接地電極30の幅方向における放電面33の両側の少なくとも一部に、接地電極30の先端面34が存在することとしたが、異なる構成としてもよい。放電面33に垂直な方向から放電面33を見たときに、放電面33の外周の少なくとも一部からはみ出して(いずれかの方向にはみ出して)、接地電極30の先端面34が存在するならば、吹き流された火花を基部31で受け止めることによる同様の効果を得ることが可能になる。
ただし、第1および第2の実施形態のように、放電面33に垂直な方向から放電面33を見たときに、接地電極30の幅方向における放電面33の両側に、先端面34が存在することがより望ましい。放電面33の先端側に張り出して先端面34が存在する場合には、接地電極30の基部31が、中心電極チップ27の先端面28の上方を覆い易くなるため、火炎の広がりを抑制する可能性があるためである。また、放電面33の後端側に張り出して先端面34が存在する場合には、張り出した部分が点Aを水平方向に伸ばした面よりも後端側となる可能性が高まる。このような場合には、吹き流された火花が、先端面34の張り出した部分に受け止める可能性が低くなり、接地電極チップ32の火花集中を抑制する効果を充分に得ることが困難になるためである。
[サンプル1〜6]
図12は、接地電極チップ32の放電面33と中心電極チップ27の先端面28とが成す角のうちの鋭角のものであるθ1の値を異ならせたサンプル1〜6のスパークプラグについて、火花消耗の程度を調べた結果を示す説明図である。θ1の値は、サンプル1は0°、サンプル2は25°、サンプル3は35°、サンプル4は45°、サンプル5は55°、サンプル6は65°とした。
ここで、サンプル2〜6は、第1および第2の実施形態と同様に、接地電極30の基部31の先端面34に接地電極チップ32を取り付けたスパークプラグである。そして、図2と同様の断面において、中心電極20の先端面28のうち、接地電極チップ32に最も近い点を点Aとし、接地電極チップ32の放電面33の両端点を、点B1および点B2とし、第1の線分AB1と第2の線分AB2とが成す角をθ2としたときに、θ2の値を90°に固定しつつ、θ1の値を上記値とした。また、サンプル2〜6は、図5に示す第1の実施形態と同様に、放電面33に垂直な方向から放電面33を見ると、接地電極30の幅方向(放電面33の短手方向)における放電面33の両側全てに、先端面34が存在する形状となっている。
図13は、サンプル1のスパークプラグの先端部の構造を拡大して示す説明図である。図13において、第1の実施形態と共通する部分には同じ参照番号を付して詳しい説明を省略する。サンプル1では、接地電極30の基部31において、先端面34と、中心電極チップ27に対向する側面35とが成す角部を含む部分に接地電極チップ32が取り付けられている。また、サンプル1では、θ1=0°、すなわち、接地電極チップ32の放電面33は、中心電極チップ27の先端面28と平行である。
なお、いずれのサンプルにおいても、接地電極チップ32は、幅W=0.7mm、高さH=0.7mm、長さL=1.4mmとした(図4参照)。また、火花ギャップ(製造時における放電面33と中心電極チップ27との最短距離)は0.8mmとした。また、中心電極チップ27の直径は、0.55mmとした。
このようなサンプル1〜6のスパークプラグの各々を用いて点火の動作を行ない、点火動作後の火花ギャップの大きさをピンゲージを用いて測定した。点火の動作を行なう際の条件は、以下の通りである。
雰囲気:窒素、
圧力:1.65MPa、
ガス流量:0.15L/min、
周波数:100Hz、
時間:25時間。
図12に示すように、θ1を35°〜55°とすることで、火花ギャップの増加を抑制できることが確認された。同様の条件で点火の動作を行なったときに火花ギャップがより大きくなるということは、火花消耗が、より限られた部位で進行したと考えられる。したがって、θ1を35°〜55°とすることで、火花消耗の偏りを抑制できると考えられる。
[サンプル7〜10]
図14は、サンプル7〜10のスパークプラグについて、火花消耗の程度を調べた結果を示す説明図である。ここで、サンプル7〜10は、図2および図3と同様の断面において、中心電極20の先端面28のうち、接地電極チップ32に最も近い点を点Aとし、接地電極チップ32の放電面33の両端点を、点B1および点B2とし、第1の線分AB1と第2の線分AB2とが成す角をθ2としたときに、θ2の値を異ならせている。θ2の値は、サンプル7は70°、サンプル8は85°、サンプル9は90°、サンプル10は100°とした。
ここで、サンプル7〜10は、第1および第2の実施形態と同様に、接地電極30の基部31の先端面34に接地電極チップ32を取り付けたスパークプラグである。そして、第1の線分AB1の長さと第2の線分AB2の長さを等しくしつつ、θ2の値を上記値とした。また、サンプル7〜10は、図5に示す第1の実施形態と同様に、放電面33に垂直な方向から放電面33を見ると、接地電極30の幅方向(放電面33の短手方向)における放電面33の両側全てに、先端面34が存在する形状となっている。なお、接地電極チップ32および中心電極チップ27の大きさ(形状)は、サンプル1〜6と同様とした。また、サンプル7〜10のいずれも、火花ギャップ(製造時における放電面33と中心電極チップ27との最短距離)は0.8mmとした。
このようなサンプル7〜10のスパークプラグの各々を用いて点火の動作を行ない、点火動作後の火花ギャップの大きさをピンゲージを用いて測定した。点火の動作を行なう際の条件は、サンプル1〜6で記載した条件と同じである。
図14に示すように、θ2が大きいほど、火花ギャップの増加が抑えられた。これは、θ2が大きいほど接地電極チップ32の放電面33が大きくなるため、より広い範囲で分散して火花消耗が進行し得るため、火花ギャップの増加が抑えられたと考えられる。
図15は、上記サンプル7〜10のスパークプラグについて、混合気の着火性を調べた結果を示す説明図である。着火性は、リーンリミット法による計測値を求めることにより調べた。「リーンリミット法による計測値」とは、混合気における空気に対する燃料の希釈の度合いを増大させたときに、混合気の点火が不可能となる空燃比の限界値として求められる値である。以後、この値を「限界空燃比」と呼ぶ。なお、「空燃比」とは、混合気における空気の質量を燃料の質量で除した値(A/F)である。限界空燃比は、その値が高いほど、スパークプラグによる混合気の着火性が向上していることを示している。図15は、各々のサンプルの限界空燃比を示している。
具体的には、限界空燃比は、サンプル7〜10のスパークプラグの各々をエンジンに取り付けて点火の動作を行ないつつ空燃比(A/F)を変化させ、エンジンのトルクに基づいて失火の有無を判断し、失火率が10%以上になるときの空燃比の値を求めた。なお、この試験では、排気量が1500ccの自動車用の内燃機関に適用される燃焼室を設定した。限界空燃比を求めた際の条件は、以下の通りである。
エンジン:1.5L DOHC 4Valve、
エンジン回転数:1600rpm、
正味平均有効圧力(NMEP):340kPa、
点火時期:Igt60°BTDC。
図15に示すように、θ2が大きいほど失火が起こりやすい傾向が認められた。これは、θ2が大きいほど、中心電極チップ27の先端面28の上方(軸線O方向の先端側)が接地電極30によって覆われる程度が大きくなり、火炎の成長が抑えられるためと考えられる。
上記した図14および図15の結果より、火花消耗(火花ギャップの増加の程度)および着火性のバランスの観点から、θ2は、85°〜90°とすることが望ましいといえる。
[サンプル11〜13]
図16は、サンプル11〜13のスパークプラグについて、火花消耗の程度を調べた結果を示す説明図である。ここで、サンプル11は、図2〜図5に示した第1の実施形態と同様の形状を有するスパークプラグである。サンプル12は、図6および図7に示した第2の実施形態と同様の形状を有するスパークプラグである。サンプル13は、図10に示した第3の実施形態と同様の形状を有するスパークプラグである。なお、接地電極チップ32および中心電極チップ27の大きさ(形状)は、サンプル1〜6と同様とした。また、サンプル11〜13のいずれも、火花ギャップ(製造時における放電面33と中心電極チップ27との最短距離)は0.8mmとした。
このようなサンプル11〜13のスパークプラグの各々を用いて点火の動作を行ない、点火動作後の火花ギャップの大きさをピンゲージを用いて測定した。点火の動作を行なう際の条件は、サンプル1〜6で記載した条件と同じである。
図16に示すように、サンプル11が最も火花ギャップの増加が抑えられた。また、サンプル13が、最も火花ギャップが増加した。すなわち、接地電極チップ32の放電面33に垂直な方向から放電面33を見たときに、接地電極30の幅方向における放電面33の両側において先端面34が存在する程度が大きいほど、火花ギャップの増加が抑えられることが確認された。
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
3…セラミック抵抗
4…シール体
5…ガスケット
6…リング部材
8…板パッキン
9…タルク
10…絶縁碍子
12…軸孔
13…脚長部
15…碍子段部
17…先端側胴部
18…後端側胴部
19…中央胴部
20…中心電極
21…電極母材
25…芯材
27…中心電極チップ
28…先端面
30…接地電極
31…基部
31b…屈曲部
32…接地電極チップ
33…放電面
34…先端面
35…側面
40…端子金具
50…主体金具
51…工具係合部
52…取付ネジ部
53…加締部
54…シール部
56…金具内段部
57…先端面
58…圧縮変形部
100…スパークプラグ
200…エンジンヘッド
201…取付ネジ孔

Claims (6)

  1. 軸線方向に延びる中心電極と、
    前記中心電極の先端部が露出するように前記中心電極の外周に配置された絶縁体と、
    前記絶縁体の外周に配置された主体金具と、
    一端部が前記主体金具に接合され、他端部に貴金属チップを有する接地電極と、を備え、
    前記中心電極の先端部と前記貴金属チップの放電面との間に間隙が形成されるスパークプラグにおいて、
    前記放電面の中心を通り、前記軸線を含む断面にて、
    前記中心電極の先端面と前記貴金属チップの放電面とが成す角のうち鋭角のものをθ1とし、
    前記中心電極の先端面のうち、前記貴金属チップに最も近い点を点Aとし、
    前記放電面の両端点を、点B1および点B2とし、
    前記点Aと前記点B1とを結んだ線分を第1の線分とし、
    前記点Aと前記点B2とを結んだ線分を第2の線分とし、
    前記第1の線分と前記第2の線分とが成す角をθ2としたときに、
    35°≦θ1≦55°、
    85°≦θ2≦90°、且つ、
    前記第1の線分の長さと前記第2の線分の長さの差は、前記第1の線分と前記第2の線分のうちの長い方の線分の長さの10%以下であることを特徴とする
    スパークプラグ。
  2. 請求項1記載のスパークプラグであって、
    前記接地電極は、前記中心電極に向けて屈曲された屈曲部を有することを特徴とする
    スパークプラグ。
  3. 請求項2に記載のスパークプラグであって、
    前記貴金属チップは、前記他端部の先端面に配置されていることを特徴とする
    スパークプラグ。
  4. 請求項3に記載のスパークプラグであって、
    前記放電面に垂直な方向から該放電面を見たときに、該放電面の外周の少なくとも一部に前記接地電極の前記先端面が存在することを特徴とする
    スパークプラグ。
  5. 請求項4に記載のスパークプラグであって、
    前記放電面に垂直な方向から該放電面を見たときに、前記接地電極の幅方向における前記放電面の両側の少なくとも一部に前記接地電極の前記先端面が存在することを特徴とする
    スパークプラグ。
  6. 請求項5に記載のスパークプラグであって、
    前記放電面に垂直な方向から該放電面を見たときに、前記接地電極の幅方向における前記放電面の両側全てに前記接地電極の前記先端面が存在することを特徴とする
    スパークプラグ。
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