JP5868357B2 - スパークプラグ - Google Patents

スパークプラグ Download PDF

Info

Publication number
JP5868357B2
JP5868357B2 JP2013164028A JP2013164028A JP5868357B2 JP 5868357 B2 JP5868357 B2 JP 5868357B2 JP 2013164028 A JP2013164028 A JP 2013164028A JP 2013164028 A JP2013164028 A JP 2013164028A JP 5868357 B2 JP5868357 B2 JP 5868357B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
ground electrode
tip
base material
spark plug
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013164028A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015032573A (ja
Inventor
直史 山村
直史 山村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NGK Spark Plug Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Spark Plug Co Ltd filed Critical NGK Spark Plug Co Ltd
Priority to JP2013164028A priority Critical patent/JP5868357B2/ja
Priority to CN201420444679.9U priority patent/CN204205283U/zh
Publication of JP2015032573A publication Critical patent/JP2015032573A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5868357B2 publication Critical patent/JP5868357B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Spark Plugs (AREA)

Description

本発明は、スパークプラグに関する。
スパークプラグは、エンジンなどの内燃機関の燃焼室に取り付けられ、燃焼室に供給された混合気の点火に使用される。スパークプラグは、火花ギャップを形成するように対向して配置された中心電極と接地電極とを備え、これらの2つの電極の間に印加された高電圧によって、火花ギャップに火花放電を発生させる。燃焼室では、スパークプラグの火花放電をきっかけとして、火花ギャップの近傍の領域において、火炎核と呼ばれる火種が生じ、その火炎核が成長することにより混合気が燃焼する。特許文献1には、主体金具の先端外径を所定の値以内とし、中心電極と接地電極の位置関係を所望の範囲に規定することで、正常な火花放電を発生し、着火性を向上させることが記載されている。
特開2004−87464号公報
近年、内燃機関においては、火花ギャップ間の混合気の流速を大きくすることで、広い範囲で初期火炎を形成させる技術がある。このような内燃機関においては、例えば接地電極を中心電極よりも混合気の流れに対して上流側に位置するようにしてスパークプラグを内燃機関に取り付けることで短絡を防ぎつつ、着火性の向上を図ることができる。しかし、接地電極を中心電極よりも混合気の流れに対して上流側に位置するように、スパークプラグを内燃機関に取り付けることが困難な場合があった。そのため、スパークプラグが内燃機関に取り付けられる向きにかかわらず、着火性を向上させる技術が求められていた。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
本発明の第1の形態は、
軸線方向に延びる中心電極と、
軸孔を有し前記中心電極が前記軸孔に設けられる絶縁体と、
前記絶縁体を保持する筒状の主体金具と、
前記主体金具の先端に一端が接続される電極母材と、前記電極母材から0.5mm以上突出して前記電極母材の他端部の内側面に接続され、前記中心電極との間で火花ギャップを形成する電極チップと、を有する接地電極と、
を備えるスパークプラグであって、
前記電極チップの先端面の少なくとも一部は、前記軸線上に存在し、
前記中心電極と前記電極チップとを最短で結ぶ仮想線分の長さをG(mm)とし、
前記仮想線分の前記軸線方向における中間点Mを含み前記主体金具の先端面と平行な面である仮想平面と前記電極母材との交点のうち、前記中間点Mと最短距離を形成する交点をBとし、
前記中心電極の先端面に存在し、前記交点Bと最短距離を形成する点をCとし、前記交点Bと前記点Cとの最短距離をL(mm)とした場合において、
前記仮想線分の長さGと前記最短距離Lとは、
0.3×G+2.1≦L≦0.3×G+2.5
を満たすことを特徴とするスパークプラグである。また、本発明は以下の形態として実現することもできる。
(1)本発明の一形態によれば、軸線方向に延びる中心電極と;軸孔を有し前記中心電極が前記軸孔に設けられる絶縁体と;前記絶縁体を保持する筒状の主体金具と;前記主体金具の先端に一端が接続される電極母材と、前記電極母材から0.5mm以上突出して前記電極母材の他端部の内側面に接続され、前記中心電極との間で火花ギャップを形成する電極チップと、を有する接地電極と;を備えるスパークプラグが提供される。前記電極チップの先端面の少なくとも一部は、前記軸線上に存在し;前記中心電極と前記電極チップとを最短で結ぶ仮想線分の長さをG(mm)とし;前記仮想線分の前記軸線方向における中間点Mを含み前記主体金具の先端面と平行な面である仮想平面と前記電極母材との交点のうち、前記中間点Mと最短距離を形成する交点をBとし;前記中心電極の先端面に存在し、前記交点Bと最短距離を形成する点をCとし、前記交点Bと前記点Cとの最短距離をL(mm)とした場合において;前記仮想線分の長さGと前記最短距離Lとは;0.3×G+2.1≦L;を満たすことを特徴とする。この形態のスパークプラグによれば、内燃機関の燃焼室内の混合気の流れに対して、接地電極が中心電極よりも下流側に位置した場合であっても、混合気に吹き流された火花が、接地電極へ短絡することを抑制することができる。そのため、スパークプラグが内燃機関に取り付けられる向きにかかわらず、良好な着火性を得ることができる。
(2)上記スパークプラグにおいて、前記仮想線分の長さGと前記最短距離Lとは;L≦0.3×G+2.5;を満たしてもよい。このような形態のスパークプラグであれば、最短距離Lが長くなることによる接地電極の酸化膜厚の増加を抑制することができるので、接地電極の耐久性を充分に確保できる。
本発明は、上述したスパークプラグ以外の種々の形態で実現することも可能である。例えばスパークプラグの製造方法やスパークプラグを備える車両等の形態で実現することができる。
スパークプラグ100の部分断面図である。 スパークプラグ100の先端近傍を拡大して示す説明図である。 火花ギャップ間に発生する火花spが内燃機関の混合気FLによって吹き流される様子を説明するための図である。 長さGと最短距離Lとを異ならせた試料の火花放電試験の結果を示す図である。 耐久試験を行った試料の接地電極の断面を示す模式図である。 長さGと最短距離Lとを異ならせた試料の耐久試験の結果を示す図である。
A.実施形態:
A1.スパークプラグの構成:
図1は、スパークプラグ100の部分断面図である。スパークプラグ100は、図1に示すように、軸線Oに沿った細長形状を有している。図1において、一点鎖線で示す軸線Oの右側は、外観正面図を示し、軸線Oの左側は、スパークプラグ100の中心軸を通る断面でスパークプラグ100を切断した断面図を示している。以下の説明では、軸線Oに平行であって図1の上方側を先端側と呼び、図1の下方側を後端側と呼ぶ。
スパークプラグ100は、絶縁碍子10と、中心電極20と、接地電極30と、端子金具40と、主体金具50とを備える。絶縁碍子10の先端から突出する棒状の中心電極20は、絶縁碍子10の内部を通じて、絶縁碍子10の後端に設けられた端子金具40に電気的に接続されている。中心電極20の外周は、絶縁碍子10によって保持され、絶縁碍子10の外周は、端子金具40から離れた位置で主体金具50によって保持されている。主体金具50に電気的に接続された接地電極30は、火花を発生させる隙間である火花ギャップを中心電極20の先端との間に形成する。
絶縁碍子10は、アルミナを始めとするセラミックス材料を焼成して形成された絶縁体である。絶縁碍子10は、中心電極20および端子金具40を収容する軸孔12が中心に形成された筒状の部材である。絶縁碍子10の軸方向中央には、外径を大きくした中央胴部19が形成されている。中央胴部19よりも端子金具40側には、端子金具40と主体金具50との間を絶縁する後端側胴部18が形成されている。中央胴部19よりも中心電極20側には、中央胴部19よりも外径が小さい先端側胴部17が形成されている。先端側胴部17のさらに先には、先端側胴部17よりも小さい外径であって中心電極20側へ向かうほど外径が小さくなる脚長部13が形成されている。
主体金具50は、絶縁碍子10の後端側胴部18の一部から脚長部13に亘る部位を包囲して保持する円筒状の金具である。本実施形態では、主体金具50は、低炭素鋼により形成されている。主体金具50は、工具係合部51と、取付ネジ部52と、シール部54とを備える。工具係合部51は、スパークプラグ100を内燃機関(エンジンヘッド)に取り付けるための工具が嵌合される。取付ネジ部52は、エンジンヘッドの取付ネジ孔に螺合するネジ山を有する。シール部54は、取付ネジ部52の根元に鍔状に形成される。シール部54とエンジンヘッドとの間には、板体を折り曲げて形成した環状のガスケット5が嵌挿される。主体金具50の先端面57は、中空の円状である。主体金具50の先端面57の中央から、絶縁碍子10の脚長部13と中心電極20とが突出する。
主体金具50の工具係合部51より後端側には薄肉の加締部53が設けられている。また、シール部54と工具係合部51との間には、加締部53と同様に薄肉の圧縮変形部58が設けられている。工具係合部51から加締部53にかけての主体金具50の内周面と絶縁碍子10の後端側胴部18の外周面との間には、円環状のリング部材6,7が介在されており、さらに両リング部材6,7間にタルク(滑石)9の粉末が充填されている。スパークプラグ100の製造時には、加締部53を内側に折り曲げるようにして先端側に押圧することにより、圧縮変形部58が圧縮変形し、この圧縮変形部58の圧縮変形により、リング部材6,7およびタルク9を介し、絶縁碍子10が主体金具50内で先端側に向け押圧される。この押圧により、タルク9が軸線O方向に圧縮されて主体金具50内の気密性が高められる。
主体金具50の内周においては、取付ネジ部52の位置に形成された金具内段部56に、環状の板パッキン8を介し、絶縁碍子10の脚長部13の基端に位置する碍子段部15が押圧されている。この板パッキン8は、主体金具50と絶縁碍子10との間の気密性を保持する部材であり、燃焼ガスの流出を防止する機能を有する。
中心電極20は、棒状の電極母材21と略円柱状の電極チップ26とを備える。以下、中心電極20の電極母材を「中心電極母材21」ともいい、中心電極20の電極チップ26を「中心電極チップ26」ともいう。中心電極母材21の内部には、中心電極母材21よりも熱伝導性に優れる芯材22が埋設されている。中心電極母材21は、ニッケルを主成分とするニッケル合金から成り、芯材22は、銅または銅を主成分とする合金から成る。中心電極チップ26は、中心電極母材21の先端に溶接されている。中心電極チップ26は、例えば、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)あるいはこれらの合金によって形成されている。本実施形態では、中心電極チップ26はイリジウム(Ir)合金によって形成されている。
中心電極20の後端部近傍には、外周側に張り出した形状の鍔部23が形成されている。鍔部23は、軸孔12に形成された軸孔内段部14に後端側から当接され、中心電極20を絶縁碍子10内で位置決めされる。中心電極20の後端部は、セラミック抵抗3およびシール体4を介して端子金具40に電気的に接続される。
接地電極30は、電極母材31と略円柱状の電極チップ36とを備える。以下、接地電極30の電極母材を「接地電極母材31」ともいい、接地電極30の電極チップを「接地電極チップ36」ともいう。接地電極母材31は、耐腐食性の高い金属から構成され、一例として、ニッケル合金が用いられる。接地電極チップ36は、例えば、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)あるいはこれらの合金によって形成されている。本実施形態では、接地電極チップ36はPt合金によって形成されている。
図2は、スパークプラグ100の先端近傍を拡大して示す説明図である。図2には、中心電極20および接地電極30の詳細な構成が示されている。接地電極母材31の基端38は、主体金具50の先端面57に溶接されている。接地電極母材31の基端38は、本願の「電極母材の一端」に相当する。接地電極母材31の他端部32の内側面35には、接地電極チップ36が溶接されている。接地電極チップ36は、接地電極母材31から0.5mm以上突出している。接地電極母材31の他端部32は、接地電極チップ36の先端面37の少なくとも一部が、軸線O上に存在するように軸線Oと交差する方向に屈曲されている。本実施形態では、接地電極チップ36の先端面37は、中心電極チップ26の先端面27と軸線O上で対向している。また、本実施形態では、接地電極チップ36の先端面37を含む面と、中心電極チップ26の先端面27を含む面とは、略平行である。接地電極チップ36の先端面37と中心電極チップ26の先端面27との間には、火花ギャップが形成される。
次に、中心電極20と接地電極30との位置関係について説明する。まず、位置関係を規定するために、図2に示す各値を以下のように定義する。
(a)中心電極20と接地電極チップ36とを最短で結ぶ仮想線分gの長さをG(mm)(以下、単に「長さG」)とする。
(b)仮想線分gの軸線O方向における中間点Mを含み主体金具50の先端面57と平行な面である仮想平面fと接地電極母材31との交点のうち、中間点Mと最短距離を形成する交点をBとする。
(c)中心電極20の先端面27に存在し、交点Bと最短距離を形成する点をCとし、交点Bと点Cとの最短距離をL(mm)(以下、単に「最短距離L」)とする。
(a)〜(c)のように定義すると、本実施形態では、中心電極20と接地電極30とは、長さGと最短距離Lとが以下の式(1)を満たすような位置関係にある。
0.3×G+2.1≦L・・・(1)
また、接地電極30の耐久性を向上させるために、中心電極20と接地電極30とは、長さGと最短距離Lとが以下の式(2)を満たすような位置関係にあることが好ましい。
L≦0.3×G+2.5・・・(2)
内燃機関においては、スパークプラグの着火性を向上させるために、火花ギャップ間の混合気の流速を大きくする場合がある。スパークプラグの火花ギャップ間に発生した火花を、混合気によって吹き流すことにより大きく湾曲させ、初期火炎をより広い範囲で形成するためである。
図3は、火花ギャップ間に発生する火花spが、内燃機関の混合気FLによって吹き流される様子を説明するための図である。図3(a)(b)は、従来のスパークプラグ100sを示しており、図3(c)(d)は、本実施形態のスパークプラグ100を示している。従来のスパークプラグ100sの中心電極20sと接地電極30sとは、長さGと最短距離L(長さGおよび最短距離Lは図示しない)とが上記式(1)を満たす位置関係にない点において、本実施形態のスパークプラグ100(図3(c)(d))と異なっている。
図3に示す矢印の向きは、混合気FLの流れ(向き)を示している。図3(a)(c)では、接地電極30s、30(接地電極母材31s、31)が、混合気FLの流れに対して中心電極20s、20よりも上流側に位置している。一方、図3(b)(d)では、接地電極30s、30(接地電極母材31s、31)が、混合気FLの流れに対して中心電極20s、20よりも下流側に位置している。
内燃機関において、スパークプラグ100s、100の火花ギャップ間に発生した火花spは、混合気FLの流れる方向に吹き流される。そのため、混合気FLの流速が大きく、接地電極30s、30が混合気FLの流れに対して中心電極20s、20よりも上流側に位置している場合には、火花spは、図3(a)(c)に示すように、接地電極母材31s、31の位置しない方向に大きく湾曲する。このように火花spが湾曲すると、初期火炎がより広い範囲で形成されるため、良好な着火性を得ることができる。
しかし、従来のスパークプラグ100sにおいては、図3(b)に示すように接地電極30s(接地電極母材31s)が、混合気FLの流れに対して中心電極20sよりも下流側に位置すると、混合気FLに吹き流された火花spが、接地電極30sへ短絡するおそれがある。ここで、短絡とは、接地電極の所望の位置とは異なる位置に火花spが飛火することをいい、図3に示すスパークプラグ100s、100において所望の位置とは、接地電極チップ36s、36である。所望の位置と異なる位置とは、例えば接地電極母材31s、31の交点B付近である。このような短絡がおきると、スパークプラグの着火性が低下するおそれがある。
しかし、本実施形態のスパークプラグ100によれば、中心電極20と接地電極30とは、長さGと最短距離Lとが、上記式(1)を満たすような位置関係にある。最短距離Lは、図3(d)に示すように、接地電極30が混合気の流れに対して中心電極20よりも下流側に位置した場合であっても、混合気に吹き流された火花spが、接地電極30へ短絡することを抑制することができる距離である。そのため、内燃機関にスパークプラグ100が取り付けられる向きにかかわらず、良好な着火性を得ることができる。よって、スパークプラグ100の取り付け位置の形状を変更したり、接地電極30が中心電極20よりも混合気の流れに対して上流側に位置するように調整してスパークプラグを取り付けたりすることによるコストや、手間を省くことができる。
また、図1および図2に示すように、接地電極チップ36は接地電極母材31に対して0.5mm以上突出している。そのため、接地電極母材31に対して0.5mm以上突出していないスパークプラグと比較して、接地電極母材31の消炎作用が抑制されるとともに、初期に形成された火炎核の成長がより促進される。また、吹き流された火花が接地電極30へ短絡することがより抑制される。
さらに、本実施形態のスパークプラグ100によれば、中心電極20と接地電極30とは、長さGと最短距離Lとが、上記式(2)を満たすような位置関係にすることで、最短距離Lが長くなることによって接地電極母材31が長くなりすぎることを抑制することができる。そのため、接地電極30の受熱が抑制されるので、接地電極30の耐久性を高めることができる。
以下、長さGと最短距離Lとが、上記式(1)を満たすように中心電極20および接地電極30の位置を構成する根拠と、上記式(2)を満たすように中心電極20および接地電極30の位置を構成することが好ましい根拠とについて、実験結果に基づいて説明する。
B.実施形態の実施例1:
本実施例では、長さGと最短距離Lとを異ならせた複数のスパークプラグを試料として用意して、火花放電を発生させる試験を行った。具体的には、長さGが同じであり最短距離Lを異ならせた試料s1〜s3と、長さGが同じであり最短距離Lを異ならせた試料s4〜s6と、長さGが同じであり最短距離Lを異ならせた試料s7〜s9とを用意した。次に、試料をチャンバ内に設置して、中心電極20に対して接地電極母材31の基端38が下流側に位置するように、仮想平面fに沿って中間点Mから交点B側へと流れる一様流れの状況で、火花放電を発生させた。チャンバ内の混合気の流速は、3(m/s)とした。火花放電を100回発生させた場合に、接地電極30への短絡が発生しなかった試料を合格(○)とし、短絡が発生した試料を不合格(×)とした。
図4は、長さGと最短距離Lとを異ならせた試料の火花放電試験の結果を示す図である。図4のグラフは、縦軸は最短距離Lを示し、横軸は長さGを示す。図4の「○」は、接地電極30への短絡が発生しなかった試料を示し、「×」は接地電極30への短絡が発生した試料を示す。試料s1、s4、s7では、接地電極30への短絡が発生した。それ以外の試料では、接地電極30への短絡が発生しなかった。この結果に基づいて、接地電極30への短絡が充分に抑制できる長さGと最短距離Lとの関係を求めたところ、最短距離Lの値が図4のグラフの直線(L=0.3×G+2.1)以上の値である場合に、接地電極30への短絡が充分に抑制されることがわかった。すなわち、長さGと最短距離Lとが、式(1)を満たすように中心電極20および接地電極30の位置を構成すれば、燃焼室の混合気の流速が大きい場合であっても、スパークプラグの取り付け向きにかかわらず短絡が抑制されることが示された。
C.実施形態の実施例2:
本実施例では、長さGと最短距離Lとを異ならせた複数のスパークプラグを試料として用意して、接地電極の耐久性を評価する試験を行った。具体的には、長さGが同じであり最短距離Lを異ならせた試料s2a、s11〜s13と、長さGが同じであり最短距離Lを異ならせた試料s5a、s14〜s16と、長さGが同じであり最短距離Lを異ならせた試料s8a、s17〜s19とを用意した。試料s2aは、上述の実施例1で用意した試料s2と、試料s5aは上述の実施例1で用意した試料s5と、試料s8aは上述の実施例1で用意した試料s8と、それぞれ同じ長さGおよび最短距離Lを有する試料である。
次に、1.6L(リットル)、L4(直列4気筒)のエンジンに試料を設置して、3000rpm、WOT(Wide-Open Throttle)の条件で200時間の耐久試験を行った。耐久試験を行った試料の接地電極30の断面を走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope、SEM)で観察して、酸化膜厚を測定した。
図5は、耐久試験を行った試料の接地電極30の断面を示す模式図である。本実施形態では、図5に示すように接地電極30の他端部32の酸化膜厚Sを測定したが、酸化膜厚Sは、それぞれの試料において同じ部位で測定されるのであれば、接地電極30の他の部位で測定されてもよい。
ここで、実施例1で用意した試料s2は、長さGが同じであって接地電極30への短絡が発生しない試料のうち、最短距離Lが最も短い試料である。そのため、本実施例で用意した試料s2aは、長さGが同じであって接地電極30への短絡が発生しない試料のうち、接地電極30の受熱が最も少なく接地電極の耐久性が高い試料であると考えられる。そこで、試料s2aと同じ長さGを有する試料s11〜s13のうち、試料s2aと比較して、酸化膜厚が1.5倍以内である試料を合格(○)とし、酸化膜厚が1.5倍を超えた試料を不合格(×)とした。なお、酸化膜圧が1.5倍以内である試料を合格(○)としたのは、実際にスパークプラグ100が使用される環境化において、酸化膜圧が試料s2aの1.5倍以内であれば、耐久性が充分に確保できるためである。同様に、試料s5aと同じ長さGを有する試料s14〜s16のうち、試料s5aと比較して、酸化膜厚が1.5倍以内である試料を合格(○)とし、酸化膜厚が1.5倍を超えた試料を不合格(×)とした。また、試料s8aと同じ長さGを有する試料s17〜s19のうち、試料s8aと比較して、酸化膜厚が1.5倍以内である試料を合格(○)とし、酸化膜厚が1.5倍を超えた試料を不合格(×)とした。
図6は、長さGと最短距離Lとを異ならせた試料の耐久試験の結果を示す図である。図6のグラフは、縦軸は最短距離Lを示し、横軸は長さGを示す。図6の黒い四角で示したプロットは、試料s2a、s5a、s8aを示す。図6の「○」は、酸化膜厚が1.5倍以内である試料を示し、「×」は酸化膜厚が1.5倍を超えた試料を示す。試料s13、S16、s19では、酸化膜厚が1.5倍を超えていた。この結果に基づいて、接地電極の耐久性が充分である長さGと最短距離Lとの関係を求めたところ、最短距離Lの値が図6のグラフの直線(L=0.3×G+2.5)以内の値である場合に、接地電極母材31の酸化膜厚が厚くなりすぎないことがわかった。すなわち、長さGと最短距離Lとが、式(2)を満たすように中心電極20および接地電極30の位置を構成すれば、接地電極30の耐久性を充分に確保できることが示された。
実施例1および実施例2の結果より、長さGと最短距離Lとの関係が、式(1)および式(2)を満たすように中心電極および接地電極の位置を構成したスパークプラグであれば、燃焼室の混合気の流速が大きい場合であっても、取り付け向きにかかわらず短絡が充分に抑制され、かつ、接地電極の耐久性を充分に確保できることが示された。
D.変形例:
上述の実施形態では、接地電極チップ36は、接地電極母材31に直接的に溶接されている。これに対し、接地電極チップ36は、例えばニッケル合金からなる中間電極チップを介して、接地電極母材31に溶接されてもよい。この場合、接地電極母材31からの接地電極チップ36の突出量は、中間電極チップと接地電極チップ36とをあわせて0.5mm以上であればよい。また、接地電極母材31の内部には、銅または銅を主成分とする合金から成る芯材が埋設されていてもよい。このような構成であっても、上述の実施形態と同様の効果を奏する。
上述の実施形態では、接地電極チップ36の先端面37を含む面と、中心電極チップ26の先端面27を含む面とは、略平行である。これに対し、接地電極チップ36の先端面37を含む面と、中心電極チップ26の先端面27を含む面とのなす角度αは、−4≦α≦4の範囲内の値を有していてもよい。このような構成であっても、上述の実施形態と同様の効果を奏する。
本発明は、上述の実施形態や変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部または全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部または全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
3…セラミック抵抗
4…シール体
5…ガスケット
6…リング部材
8…板パッキン
9…タルク
10…絶縁碍子
12…軸孔
13…脚長部
14…軸孔内段部
15…碍子段部
17…先端側胴部
18…後端側胴部
19…中央胴部
20、20s…中心電極
21…中心電極母材
22…芯材
23…鍔部
26…中心電極チップ
27…中心電極チップの先端面
30、30s…接地電極
31、31s…接地電極母材
32…他端部
35…内側面
36、36s…接地電極チップ
37…接地電極チップの先端面
38…基端
40…端子金具
50…主体金具
51…工具係合部
52…取付ネジ部
53…加締部
54…シール部
56…金具内段部
57…主体金具の先端面
58…圧縮変形部
100、100s…スパークプラグ
O…軸線
g…仮想線分
G…仮想線分の長さ
M…中間点
f…仮想平面
B、C…交点
L…最短距離
S…酸化膜厚

Claims (1)

  1. 軸線方向に延びる中心電極と、
    軸孔を有し前記中心電極が前記軸孔に設けられる絶縁体と、
    前記絶縁体を保持する筒状の主体金具と、
    前記主体金具の先端に一端が接続される電極母材と、前記電極母材から0.5mm以上突出して前記電極母材の他端部の内側面に接続され、前記中心電極との間で火花ギャップを形成する電極チップと、を有する接地電極と、
    を備えるスパークプラグであって、
    前記電極チップの先端面の少なくとも一部は、前記軸線上に存在し、
    前記中心電極と前記電極チップとを最短で結ぶ仮想線分の長さをG(mm)とし、
    前記仮想線分の前記軸線方向における中間点Mを含み前記主体金具の先端面と平行な面である仮想平面と前記電極母材との交点のうち、前記中間点Mと最短距離を形成する交点をBとし、
    前記中心電極の先端面に存在し、前記交点Bと最短距離を形成する点をCとし、前記交点Bと前記点Cとの最短距離をL(mm)とした場合において、
    前記仮想線分の長さGと前記最短距離Lとは、
    0.3×G+2.1≦L≦0.3×G+2.5
    を満たすことを特徴とする、スパークプラグ。
JP2013164028A 2013-08-07 2013-08-07 スパークプラグ Active JP5868357B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013164028A JP5868357B2 (ja) 2013-08-07 2013-08-07 スパークプラグ
CN201420444679.9U CN204205283U (zh) 2013-08-07 2014-08-07 火花塞

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013164028A JP5868357B2 (ja) 2013-08-07 2013-08-07 スパークプラグ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015032573A JP2015032573A (ja) 2015-02-16
JP5868357B2 true JP5868357B2 (ja) 2016-02-24

Family

ID=52517711

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013164028A Active JP5868357B2 (ja) 2013-08-07 2013-08-07 スパークプラグ

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP5868357B2 (ja)
CN (1) CN204205283U (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6729206B2 (ja) 2016-09-06 2020-07-22 株式会社デンソー スパークプラグ

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3702838B2 (ja) * 2001-02-08 2005-10-05 株式会社デンソー スパークプラグおよびその製造方法
JP4718345B2 (ja) * 2006-03-01 2011-07-06 日本特殊陶業株式会社 スパークプラグ

Also Published As

Publication number Publication date
CN204205283U (zh) 2015-03-11
JP2015032573A (ja) 2015-02-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5167257B2 (ja) スパークプラグ
JP6205006B2 (ja) スパークプラグ
WO2009066797A1 (ja) スパークプラグ
JP6254969B2 (ja) スパークプラグ
US8952602B2 (en) Spark plug
US9318878B2 (en) Spark plug with noble metal tip
JP6041824B2 (ja) スパークプラグ、および、点火システム
JP6840574B2 (ja) 内燃機関の点火装置
JP2014120309A (ja) 点火プラグ
JP5090898B2 (ja) スパークプラグ
JP5868357B2 (ja) スパークプラグ
US9837796B2 (en) Spark plug
JP5809664B2 (ja) スパークプラグ
US20160218486A1 (en) Spark plug
JP4699918B2 (ja) スパークプラグ
JP7060550B2 (ja) スパークプラグ
JP7060551B2 (ja) スパークプラグ
JP6875301B2 (ja) スパークプラグ
JP6559855B2 (ja) スパークプラグ
JP2019102368A (ja) 点火プラグ
US10320158B2 (en) Spark plug
CN110137806B (zh) 火花塞
JP6559193B2 (ja) 点火プラグ
JP2017157511A (ja) スパークプラグ
WO2019069640A1 (ja) 点火プラグ

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150518

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150526

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150717

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151215

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160105

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5868357

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250