JP2015124674A - 内燃機関 - Google Patents

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    • H01T13/00Sparking plugs
    • H01T13/20Sparking plugs characterised by features of the electrodes or insulation
    • H01T13/32Sparking plugs characterised by features of the electrodes or insulation characterised by features of the earthed electrode

Abstract

【課題】点火プラグを有する内燃機関に関し、火花が燃焼室の壁面に接触することを抑制し、初期火炎の生成を促進して着火性を向上させる。【解決手段】内燃機関の少なくとも一部の運転領域において点火時に中心電極3及び接地電極5の周りに生じる気流の方向Aと、中心電極3から見た接地電極5の接続部7の方向とが交わるように、プラグ本体1,2をシリンダヘッド11に取り付ける。接地電極5の対向部81には、中心電極3と反対の側に、気流の方向Aに向かってプラグ本体1,2からの距離が次第に大きくなるように形成した傾斜面811を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、点火プラグを有する内燃機関に関し、特に、中心電極に対してプラグ本体の軸方向から接地電極が対向する点火プラグを有する内燃機関に関する。
以下に列挙した特許文献に開示されているように、従来、点火プラグの接地電極の形状に関して様々な工夫が提案されている。特許文献1の図3に描かれた接地電極は、中心電極に対向する突起部を有し、その対向面は気流の方向の下流に向かって中心電極から離れる方向に傾斜している。特許文献2の図1に描かれた接地電極は、先端にいくにつれて幅が狭くなるテーパ状に形成されている。特許文献3の図3に描かれた接地電極は、先端にいくにつれて厚みが薄くなるテーパ状に形成されている。特許文献4の図10に描かれた接地電極は、中心電極と反対の側をプラグ本体の軸方向に向かって細くなる楔形に形成されている。そして、特許文献5の図11及び図12に描かれた接地電極は、プラグ本体の軸に垂直な面に対して中心電極に対向する部位が傾斜するように形成されている。
特開2013−098042号公報 特開平5−159856号公報 特開2010−102864号公報 特開2005−050612号公報 特開2011−187437号公報
上記の特許文献でも述べられているように、従来の火花点火式内燃機関には、着火性、特に、希薄燃焼による運転時の着火性において改善の余地がある。そこで、本発明に係る発明者は、放電直後において放電火花と初期火炎がどのように変化するか観察を行った。その観察の結果から分かったことは、中心電極と接地電極との間で形成される放電火花が筒内の気流によって燃焼室内を径方向に流れ、放電火花から発生した初期火炎が燃焼室の天井面(シリンダヘッドの燃焼室を構成する面)に触れることにより、初期火炎の熱が天井面に奪われて消炎していることである。
初期火炎の消炎による着火性の悪化を防ぐためには、初期火炎が燃焼室の天井面に触れることを抑える必要がある。しかし、上記の特許文献に開示されている点火プラグも含め、従来実用或いは提案されている点火プラグは、初期火炎が燃焼室の天井面に触れることを抑えるようには工夫されていない。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、点火プラグを有する内燃機関において、点火プラグの放電火花から発生する初期火炎が燃焼室の天井面に触れることを抑えることを課題とする。
上記の課題を達成するため、本発明に係る内燃機関は、次のように構成される。
本発明に係る内燃機関が有する点火プラグは、シリンダヘッドに取り付けられるプラグ本体と、プラグ本体に設けられる中心電極と、中心電極との間で放電ギャップを形成する接地電極を備える。接地電極は、中心電極にプラグ本体の軸方向から対向する対向部と、対向部をプラグ本体のハウジングに接続する接続部を有している。プラグ本体は、内燃機関の少なくとも一部の運転領域において点火時に中心電極及び接地電極の周りに生じる気流の方向(第1の方向)と、中心電極から見た接続部の方向(第2の方向)とが交わるように、シリンダヘッドに取り付けられている。第1の方向と第2の方向とが交わるとは、両者が互いに平行でないことを意味する。第1の方向と第2の方向とが適当な角度で交わっていれば、気流は接続部によって遮られることなく放電ギャップを通過することができる。接地電極の対向部は、中心電極と向き合う面とは反対側の面の少なくとも一部が、気流の方向の下流に向かってプラグ本体からの距離が次第に大きくなるように形成されている。より具体的には、接地電極の対向部の中心電極とは反対の側には、気流の方向の下流に向かってプラグ本体の軸に垂直な面に対しプラグ本体とは反対側(燃焼室の天井面とは反対の側、すなわち、燃焼室の中心の側)に傾くように形成された傾斜面が備えられる。
点火時に中心電極及び接地電極の周りに生じる気流は、接地電極の対向部において中心電極の側と中心電極と反対の側とに分離される。対向部の中心電極の側を流れる混合気は、中心電極と接地電極との間で形成される放電火花を気流の方向の下流へと流れさせる。一方、対向部の中心電極と反対の側を流れる混合気は、対向部に形成された傾斜面によってガイドされ、傾斜面の下流側の端部付近において対向部から剥離する。対向部の中心電極と反対の側を流れた混合気は、傾斜面に沿って流れることで加速されている上に、対向部の中心電極の側を流れる混合気から遠ざかる方向にガイドされているので、剥離により発生する負圧は非常に強いものとなる。そして、この強い負圧は、気流の方向から見た対向部の裏側の領域、すなわち、放電火花が発生する位置よりも燃焼室の中心よりの領域に発生する。これにより、放電火花は、対向部の中心電極の側を通過した混合気とともに、燃焼室の中心よりにできた負圧領域に引き込まれ、燃焼室の天井面からは遠ざかる。その結果、放電火花から発生した初期火炎が燃焼室の天井面に触れることは抑えられる。
接地電極の対向部は、好ましくは、気流の方向の上流に向かって楔状に形成される。対向部を楔状に形成することにより、対向部によって上下に分離される気流の乱れを少なくし、剥離により発生する負圧を大きくすることができる。
また、接地電極の対向部は、傾斜面の気流の方向の下流側の端部からプラグ本体の方へ向けて立ち下がる壁面を備えることができる。この壁面と傾斜面とがなす角度が混合気の剥離を促す角度になっているのであれば、壁面はプラグ本体の軸に平行な面でもよいし、プラグ本体の軸に対して傾いた面でもよい。
接地電極の対向部の中心電極と反対の側に形成する面は、必ずしも平面でなくてもよい。例えば、気流の方向の下流に向かってプラグ本体の軸に垂直な面に対する傾斜角が次第に大きくなるように形成された凹面とすることができる。このような凹面を形成することで、対向部の下流側の端部における傾斜角は平面の場合よりも大きくなり、対向部から混合気が剥離しやすくなる。また、気流の方向の下流に向かってプラグ本体の軸に垂直な面に対する傾斜角が次第に小さくなるように形成された凸面とすることもできる。このような凸面を形成することで、対向部の中心電極と反対の側の面に沿って流れる混合気の流速が高まり、混合気の剥離により生じる負圧領域は拡大する。
接地電極の対向部は、より好ましくは、中心電極と向き合う面の気流の方向の下流側の端部を、気流の方向の下流に向かってプラグ本体との距離が次第に大きくなるように形成される。より具体的には、気流の方向の下流に向かってプラグ本体の軸に垂直な面に対しプラグ本体とは反対側に傾く内側傾斜面が対向部に形成される。このような内側傾斜面が対向部に形成されることで、内側傾斜面に沿った混合気の流れが形成され、放電火花が負圧領域に引き込まれやすくなる。
本発明に係る内燃機関の構成によれば、上述のような作用により、点火プラグの放電火花から発生した初期火炎が燃焼室の天井面に触れることは抑えられるので、初期火炎の生成を促進して着火性を向上させることができる。
本発明の実施の形態1に係る点火プラグの構成を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る点火プラグの取り付け角度を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る点火プラグの取り付け方向の1つの例を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る点火プラグの取り付け方向の別の例を示す図である。 従来の点火プラグの周囲に生じる気流の分布を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る点火プラグの周囲に生じる気流の分布を示す図である。 従来の点火プラグにより生成される放電火花及び初期火炎の状態を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る点火プラグにより生成される放電火花及び初期火炎の状態を示す図である。 本発明の実施の形態2に係る点火プラグの構成を示す図である。 本発明の実施の形態3に係る点火プラグの構成を示す図である。 本発明の実施の形態4に係る点火プラグの構成を示す図である。 本発明の実施の形態5に係る点火プラグの構成を示す図である。 本発明の実施の形態6に係る点火プラグの構成を示す図である。 本発明の実施の形態7に係る点火プラグの構成を示す図である。 本発明の実施の形態8に係る点火プラグの構成を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。各実施の形態では、本発明を点火プラグを有する自動車用の内燃機関、より詳しくは、均質希薄燃焼による運転が可能な希薄燃焼内燃機関に適用する。希薄燃焼内燃機関には、希薄燃焼限界の拡大のために着火性の向上が求められている。このため、希薄燃焼内燃機関に本発明を適用することには意義がある。ただし、理論空燃比による運転を行う内燃機関に本発明を適用することは勿論可能であり、そのような内燃機関においても着火性の向上という共通の効果を得ることができる。
なお、各図面において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。以下に示す実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、構成部品の構造、配置等を下記のものに限定する意図はない。本発明は以下に示す実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
実施の形態1.
図1は、本実施の形態に係る点火プラグの構成を示す図である。本実施の形態に係る点火プラグ101は、シリンダヘッド11に取り付けられた筒状の金具ハウジング1と、金具ハウジング1の内側に保持されたセラミック碍子2を備える。金具ハウジング1とセラミック碍子2により、点火プラグ101のプラグ本体が構成される。
セラミック碍子2の先端は、シリンダヘッド11の燃焼室を構成する面、すなわち、燃焼室の天井面12から燃焼室内に突き出している。その突き出したセラミック碍子2の先端に中心電極3が設けられている。さらに、中心電極3の先端には、プラグ本体の軸、すなわち、セラミック碍子2の軸CLと同心に、中心電極チップ4が配置されている。
金具ハウジング1からは接地電極5が燃焼室内に延びている。接地電極5は、軸CLの方向から中心電極3に対向する対向部81と、対向部81を金具ハウジング1に接続する接続部7によって構成されている。対向部81の中心電極3に対向する側には、セラミック碍子2の軸CLと同心に、接地電極チップ6が配置されている。接地電極チップ6と中心電極チップ4の間に形成された隙間が、火花放電が生じる放電ギャップとなる。
点火プラグ101は、対向部81の構成に特徴を有している。その特徴は、点火時に中心電極3及び接地電極5の周りに生じている気流の方向Aと関係する。このため、点火プラグ101は、シリンダヘッド11に対して常に一定の角度に取り付けられる。金具ハウジング1には、点火プラグ101の取り付け角度が所定の角度になるように、或いは、所定の角度範囲に収まるようにシリンダヘッド11に取り付けるための螺子が形成されている。
ここで、図2を参照して、点火プラグ101の取り付け角度の詳細について説明する。図2は、点火プラグ101を軸CLの方向から見た図である。図2には、前述の気流の方向Aと、中心電極3から見た接続部7の方向Bとが示されている。方向Bが方向Aに対して直交するように、中心電極3に対して接続部7が配置されている。接続部7がこのような位置関係で配置されるならば、気流が放電ギャップを通過する上での妨げにはならない。ただし、図2に二点鎖線で示すように、方向Bは方向Aに対して傾いていてもよい。さらに言えば、方向Bと方向Aとが平行ではなく適当な角度で交わってさえすれば、気流は接続部7によって遮られることなく放電ギャップを通過することができる。接続部7の幅を考慮した場合、方向Bは、方向Aに直交する方向からプラスマイナス45度の範囲内であることが好ましい。
再び図1に戻り、対向部81の構成について説明する。対向部81は、中心電極3を挟んで接続部7を臨む方向から見て、楔状に形成されている。対向部81は、中心電極3に対向する側に対向面812を備え、中心電極3と反対の側に傾斜面811を備えている。対向面812は、軸CLに垂直に形成されている。傾斜面811は、気流の方向Aの下流に向かってプラグ本体からの距離が次第に大きくなるように形成されている。別の表現を用いれば、傾斜面811は、軸CLに垂直な面に対し、気流の方向Aの下流に向かって燃焼室の中心の側、つまり、燃焼室の天井面12とは反対の側に傾くように形成されている。傾斜面811の対向面812に対する傾斜角は、後述する効果を得られる角度であればよく、これは内燃機関の仕様や運転条件によって決まる。一例として20度から50度の角度範囲を挙げることができる。傾斜面811の気流の方向Aの下流側の端部からは、壁面813がプラグ本体の方へ向けて立ち下がっている。壁面813は、傾斜面811に対して鋭角をなし、対向面812の端部に垂直に接続されている。
ところで、燃焼室内に形成される気流には様々な形態がある。図3に示す例では、吸気弁INから燃焼室の天井面に沿って排気弁EXの方向に流れる時計回りのタンブル流が発生している。この例での点火時の気流の方向Aは、吸気弁INから排気弁EXに向かう方向となる。よって、この例では、点火プラグ101は、傾斜面811が吸気弁INの方を向くように取り付けられる。一方、図4に示す例では、吸気弁INから燃焼室の底面(ピストンの上面)を回って排気弁EXの方向に流れる反時計回りのタンブル流が発生している。この例での点火時の気流の方向Aは、排気弁EXから吸気弁INに向かう方向となる。よって、この例では、点火プラグ101は、傾斜面811が排気弁EXの方を向くように取り付けられる。
なお、内燃機関の構造から生じる効果として、或いは、燃焼室内の気流を制御するデバイスの作用により、燃焼室内に形成される気流の方向や形状が運転領域によって変化する内燃機関がある。そのような内燃機関では、点火時の気流の方向Aは運転領域によって変化する。このような内燃機関に点火プラグ101を取り付ける場合には、ある特定の運転領域を対象にして取り付け方向を決定すればよい。対象とする運転領域は、特に高い着火性が求められる運転領域であることが好ましい。したがって、理論空燃比による運転と希薄燃焼による運転とが運転領域により切り換えられる希薄燃焼内燃機関の場合は、希薄燃焼による運転が行われる運転領域での気流の方向Aに合わせて点火プラグ101の取り付け方向を決定すればよい。
次に、上述のように構成された対向部81の作用と効果について従来の点火プラグとの比較に基づいて説明する。
図5は、従来の点火プラグ201の周囲に生じる気流の分布のシミュレーション結果を示す図である。図中の矢印は、その場所における気流の方向と大きさを示している。従来の一般的な点火プラグ201では、接地電極の対向部210の断面形状は矩形であり、対向部210の中心電極と反対の側の面211はプラグ本体の軸に対して垂直になっている。従来の点火プラグ201においても、気流の方向における対向部210の下流には、混合気の剥離によって負圧領域C1が発生する。しかし、この負圧領域C1は小さく、発生している負圧は大きくない。
一方、本実施の形態に係る点火プラグ101によれば、点火プラグ101の周囲に生じる気流の分布について図6に示すシミュレーション結果が得られた。本実施の形態に係る点火プラグ101では、対向部81の中心電極と反対の側を流れた混合気は、傾斜面811に沿って流れることで加速される上に、対向部81の中心電極の側を流れる混合気から遠ざかる方向にガイドされる。この結果、混合気が対向部81から剥離することで発生する負圧は非常に強いものとなる。図6に示すシミュレーション結果からは、従来のものよりも明らかに大きな負圧領域C2が、気流の方向Aから見た対向部81の裏側の領域、すなわち、放電火花が発生する位置よりも燃焼室の中心よりの領域に発生していることが分かる。
図7は、従来の点火プラグ201により生成される放電火花及び初期火炎の状態を示す図である。従来の点火プラグ201では、中心電極チップ4と接地電極チップ6との間で形成される放電火花D1は、対向部210の中心電極3の側を流れる混合気によって気流の方向Aの下流へと流される。前述の通り、従来の点火プラグ201でも対向部210の下流には負圧領域C1(図5参照)が発生している。しかし、ここで発生している負圧は小さく、放電火花D1を混合気とともに引き寄せるだけの力はない。このため、放電火花D1は、そのまま気流の方向Aの下流へと伸び、放電火花D1から発生した初期火炎E1が燃焼室の天井面12に触れてしまう。温度の低い燃焼室の天井面12に初期火炎E1が触れることで、初期火炎E1の消炎による着火不良が起きるおそれがある。
本実施の形態に係る点火プラグ101の場合、点火プラグ101により生成される放電火花及び初期火炎の状態は図8に示す通りとなる。すなわち、中心電極チップ4と接地電極チップ6の間で形成される放電火花D2は、対向部81の中心電極の側を通過した混合気とともに、対向部81の下流に発生する強い負圧領域C2(図6参照)に引き寄せられる。これにより、放電火花D2は燃焼室の天井面12からは遠ざかり、放電火花D2から発生した初期火炎E2が燃焼室の天井面12に触れることは回避されるか、少なくとも抑えられる。初期火炎E2の天井面12への接触が回避或いは抑制されることにより、初期火炎E2の生成が促進されて着火性が向上する。よって、本実施の形態に係る点火プラグ101によれば、希薄燃焼内燃機関の希薄燃焼限界を拡大し、より希薄な空燃比による運転を達成することができる。
実施の形態2.
図9は、本発明の実施の形態2に係る点火プラグ102の構成、特に、その特徴部分である対向部82の構成を示す図である。対向部82は、実施の形態1と同様に、対向面822と傾斜面821と壁面823を備えている。実施の形態1とは壁面の角度に違いがある。本実施の形態の壁面823は、対向面822に対して鈍角をなし、傾斜面821に対して鋭角をなしている。これにより、傾斜面821と壁面823がなす角度は、実施の形態1よりもより鋭角になっている。このような対向部82の構成によれば、傾斜面821の下流側の端部において混合気の剥離が促進される。
実施の形態3.
図10は、本発明の実施の形態3に係る点火プラグ103の構成、特に、その特徴部分である対向部83の構成を示す図である。対向部83は、実施の形態1と同様に、対向面832と傾斜面831と壁面833を備えている。実施の形態1とは傾斜面の形状に違いがある。実施の形態1の傾斜面811が平面であるのに対し、本実施の形態の傾斜面831は、気流の方向Aの下流に向かって軸CLに垂直な面に対する傾斜角が次第に大きくなるように形成された凹面である。傾斜面831がこのような凹面であることにより、傾斜面831の下流側の端部において傾斜面831と壁面833がなす角度は、実施の形態1よりもより鋭角になっている。このような対向部83の構成によれば、傾斜面831の下流側の端部において混合気の剥離が促進される。
実施の形態4.
図11は、本発明の実施の形態4に係る点火プラグ104の構成、特に、その特徴部分である対向部84の構成を示す図である。対向部84は、対向面842と傾斜面841と壁面843に加え、内側傾斜面844を備えている。内側傾斜面844は、対向部84の中心電極3に対向する側に形成された、対向面842よりも気流の方向Aの下流に位置し、対向面842と壁面843を接続する傾斜面である。内側傾斜面844は、対向面842に対し、気流の方向Aの下流に向かって燃焼室の中心の側、つまり、燃焼室の天井面12とは反対の側に傾くように形成されている。このような内側傾斜面844を中心電極3に対向する側に形成することにより、内側傾斜面844に沿って放電ギャップから負圧領域へ向かう混合気の流れが形成され、放電火花が負圧領域に引き込まれやすくなる。
実施の形態5.
図12は、本発明の実施の形態5に係る点火プラグ105の構成、特に、その特徴部分である対向部85の構成を示す図である。対向部85は、中心電極3と反対の側に傾斜面851を備え、中心電極3に対向する側に対向面852と内側傾斜面854を備えている。傾斜面851の端部と内側傾斜面854の端部は、壁面853によって接続されている。傾斜面851は、実施の形態3の傾斜面831と同じく、気流の方向Aの下流に向かって軸CLに垂直な面に対する傾斜角が次第に大きくなるように形成された凹面である。内側傾斜面854は、対向面852に対し、気流の方向Aの下流に向かって燃焼室の中心の側に傾くように形成されている。実施の形態4の内側傾斜面844は平面であるのに対し、本実施の形態の内側傾斜面854は湾曲した凸面になっているが、その作用に差異は無い。本実施の形態の対向部85は、実施の形態3の対向部83の特徴と実施の形態4の対向部84の特徴の両方を兼ね備えており、各特徴による効果の両方を得ることができる。
実施の形態6.
図13は、本発明の実施の形態6に係る点火プラグ106の構成、特に、その特徴部分である対向部86の構成を示す図である。対向部86は、中心電極3と反対の側に平坦面865と傾斜面861を備え、中心電極3に対向する側に対向面862を備えている。平坦面865は傾斜面861に対して気流の方向Aの上流に位置し、平坦面865の端部から傾斜面861が伸びている。傾斜面861の端部は、壁面863によって対向面862の端部に接続されている。本実施の形態では、傾斜面861は、対向部86の中心電極3と反対の側の全部ではなく、その一部に限定して形成されている。しかし、混合気の剥離を促進して強い負圧を発生させる効果は、このように気流の方向Aの幅が短い傾斜面861によっても得ることができる。
実施の形態7.
図14は、本発明の実施の形態7に係る点火プラグ107の構成、特に、その特徴部分である対向部87の構成を示す図である。対向部87は、実施の形態1と同様に、対向面872と傾斜面871と壁面873を備えている。実施の形態1とは傾斜面の形状に違いがある。本実施の形態の傾斜面871は、気流の方向Aの下流に向かって軸CLに垂直な面に対する傾斜角が次第に小さくなるように形成された凸面である。傾斜面871がこのような凸面であることにより、傾斜面871に沿って流れる混合気の流路長は実施の形態1のものに比べて長くなる。このため、中心電極3と反対の側に流れた混合気は、傾斜面871に沿って流れるうちに加速され、傾斜面831の下流側の端部に到達したときには高い流速を得ている。このため、混合気の剥離が促進されるとともに、混合気の剥離により生じる負圧領域が拡大する。
実施の形態8.
図15は、本発明の実施の形態8に係る点火プラグ108の構成、特に、その特徴部分である対向部88の構成を示す図である。対向部88は、中心電極3と対向する側に対向面882と内側傾斜面884を備え、中心電極3と反対の側に傾斜面881と壁面883と第2傾斜面885を備えている。第2傾斜面885は、傾斜面881に対して気流の方向Aの下流に位置する、傾斜面881よりも一段低い傾斜面881とは不連続な面である。傾斜面881と第2傾斜面885の間の段差は、壁面883によってつながれている。また、第2傾斜面885の端部は、第2壁面886によって内側傾斜面884の端部に接続されている。さらに、対向部88には、内側傾斜面884から第2傾斜面885まで貫通する貫通孔887が形成されている。このような構成によれば、傾斜面881の下流側の端部から混合気が剥離することにより、傾斜面881の下流にある第2傾斜面885の上の空間に負圧領域が形成される。この負圧領域は、貫通孔887を介して中心電極3に対向する側に作用し、放電ギャップを通過した混合気とともに放電火花を燃焼室の中心の方向へ引き寄せる。対向部88の中心電極3と対向する側には内側傾斜面884が形成されているので、引き寄せられた放電火花が対向部88に干渉することは避けられる。
その他.
以上述べた実施の形態は、適宜組み合わせることができる。例えば、実施の形態3の凹面は、実施の形態2,6及び8に適用することができる。また、実施の形態7の凸面は、実施の形態2,4,6及び8に適用することができる。さらに、実施の形態4の内側傾斜面は、実施の形態2及び6に適用することができる。
1 金具ハウジング
2 セラミック碍子
3 中心電極
4 中心電極チップ
5 接地電極
6 接地電極チップ
7 接続部
11 シリンダヘッド
12 天井面
81,82,83,84,85,86,87,88 対向部
101,102,103,104,105,106,107,108 点火プラグ
811,821,841,861,881 傾斜面(平面)
831,851 傾斜面(凹面)
871 傾斜面(凸面)
812,822,832,842,852,862,872,882 対向面
813,823,833,843,853,863,873,883 壁面
844,854,884 内側傾斜面
865 平坦面
885 第2傾斜面
886 第2壁面
887 貫通孔
CL 軸
A 気流の方向
B 中心電極から見た接続部の方向
C1,C2 負圧領域
D1,D2 放電火花
E1,E2 初期火炎
EX 排気弁
IN 吸気弁

Claims (5)

  1. シリンダヘッドに取り付けられるプラグ本体と、前記プラグ本体に設けられる中心電極と、前記中心電極に前記プラグ本体の軸方向から対向する対向部と、前記対向部を前記プラグ本体のハウジングに接続する接続部とを有する接地電極と、を備える点火プラグを有する内燃機関において、
    前記プラグ本体は、前記内燃機関の少なくとも一部の運転領域において点火時に前記中心電極及び接地電極の周りに生じる気流の方向と、前記中心電極から見た前記接続部の方向とが交わるように前記シリンダヘッドに取り付けられ、
    前記対向部は、前記中心電極と向き合う面とは反対側の面の少なくとも一部が、前記気流の方向の下流に向かって前記プラグ本体からの距離が次第に大きくなるように形成されていることを特徴とする内燃機関。
  2. 前記対向部の前記中心電極と向き合う面とは反対側の面の少なくとも一部は、前記気流の方向の下流に向かって前記プラグ本体の軸に垂直な面に対し前記プラグ本体とは反対側に傾くように形成された傾斜面であることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
  3. 前記対向部の前記中心電極と向き合う面とは反対側の面の少なくとも一部は、前記気流の方向の下流に向かって前記プラグ本体の軸に垂直な面に対する傾斜角が次第に大きくなるように形成された凹面であることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
  4. 前記対向部の前記中心電極と向き合う面とは反対側の面の少なくとも一部は、前記気流の方向の下流に向かって前記プラグ本体の軸に垂直な面に対する傾斜角が次第に小さくなるように形成された凸面であることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
  5. 前記対向部は、前記中心電極と向き合う面の前記気流の方向の下流側の端部が、前記気流の方向の下流に向かって前記プラグ本体との距離が次第に大きくなるように形成されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の内燃機関。
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