JP2013143267A - スパークプラグ - Google Patents
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Abstract
【課題】接地電極の冷却効果を高め、接地電極が熱源となって発生するプレイグニッションを防止する。
【解決手段】スパークプラグにおいて、絶縁体6の先端部をハウジング4よりも軸方向先端側に突出させ、ハウジング4に、中心電極5との間の火花ギャップを形成すべく接地電極8を突出させて設ける。絶縁体6がハウジング4よりも突出している軸方向位置において、絶縁体6の半径方向外側に接地電極8の一部8Aを配置する。前記軸方向位置における断面視において、第1の方向+Xにおける基準位置Oから絶縁体の外周端6+Xまでの長さL+Xが、第1の方向と90°異なる第2の方向+Yにおける基準位置Oから絶縁体の外周端6+Yまでの長さL+Yより大きくなるよう、絶縁体6の断面形状を設定した。
【選択図】図2
【解決手段】スパークプラグにおいて、絶縁体6の先端部をハウジング4よりも軸方向先端側に突出させ、ハウジング4に、中心電極5との間の火花ギャップを形成すべく接地電極8を突出させて設ける。絶縁体6がハウジング4よりも突出している軸方向位置において、絶縁体6の半径方向外側に接地電極8の一部8Aを配置する。前記軸方向位置における断面視において、第1の方向+Xにおける基準位置Oから絶縁体の外周端6+Xまでの長さL+Xが、第1の方向と90°異なる第2の方向+Yにおける基準位置Oから絶縁体の外周端6+Yまでの長さL+Yより大きくなるよう、絶縁体6の断面形状を設定した。
【選択図】図2
Description
本発明は、主に火花点火式内燃機関に用いられるスパークプラグに関する。
一般に、スパークプラグは、中心電極、絶縁体、ハウジングおよび接地電極を備え、中心電極と接地電極の間に形成された火花ギャップに火花放電を行い、燃焼室内の混合気に点火するようになっている。
この種のスパークプラグを備える内燃機関において、スパークプラグが熱源となって発生するプレイグニッションを防止する必要がある。ここでプレイグニッションとは、燃焼室内で局所的に高温となったスパークプラグの一部の部位が熱源となり、火花放電が行われる本来の点火時期より前に、混合気が点火してしまうことをいう。
かかる高温部位として接地電極が挙げられる。すなわち、例えば自然吸気式エンジンに比べ熱負荷の高い過給式エンジンにおいて、接地電極が高温となり、これが熱源となってプレイグニッションが起きる可能性がある。
通常、接地電極は、燃焼室内に導入された混合気または新気の気流によって冷却されるため、高温となり難い。しかし、スパークプラグの向きによっては、接地電極に向かう気流が絶縁体によって遮られてしまい、その冷却効果が減少され、その結果、接地電極がプレイグニッションを生起させるほどの高温になる可能性がある。
そこで本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、接地電極の冷却効果を高め、接地電極が熱源となって発生するプレイグニッションを防止することができるスパークプラグを提供することにある。
本発明の一態様によれば、
軸方向に延びるハウジングの中心部に絶縁体を介在させて中心電極を設け、絶縁体の先端部をハウジングよりも軸方向先端側に突出させ、中心電極の先端部を絶縁体よりも軸方向先端側に突出させ、ハウジングに、中心電極との間の火花ギャップを形成すべく接地電極を突出させて設けたスパークプラグであって、
絶縁体がハウジングよりも突出している軸方向位置において、絶縁体の半径方向外側に接地電極の一部を配置し、
前記軸方向位置における断面視において、中心電極の中心を基準位置、基準位置から前記接地電極の一部に向かう方向を第1の方向、基準位置から第1の方向と90°異なる方向に向かう方向を第2の方向とし、第1の方向における基準位置から絶縁体の外周端までの長さが、第2の方向における基準位置から絶縁体の外周端までの長さより大きくなるよう、絶縁体の断面形状を設定した
ことを特徴とするスパークプラグが提供される。
軸方向に延びるハウジングの中心部に絶縁体を介在させて中心電極を設け、絶縁体の先端部をハウジングよりも軸方向先端側に突出させ、中心電極の先端部を絶縁体よりも軸方向先端側に突出させ、ハウジングに、中心電極との間の火花ギャップを形成すべく接地電極を突出させて設けたスパークプラグであって、
絶縁体がハウジングよりも突出している軸方向位置において、絶縁体の半径方向外側に接地電極の一部を配置し、
前記軸方向位置における断面視において、中心電極の中心を基準位置、基準位置から前記接地電極の一部に向かう方向を第1の方向、基準位置から第1の方向と90°異なる方向に向かう方向を第2の方向とし、第1の方向における基準位置から絶縁体の外周端までの長さが、第2の方向における基準位置から絶縁体の外周端までの長さより大きくなるよう、絶縁体の断面形状を設定した
ことを特徴とするスパークプラグが提供される。
好ましくは、絶縁体の断面形状を、長軸が第1の方向に平行な略卵形に設定する。
好ましくは、前記軸方向位置における断面視において、基準位置から前記接地電極の一部の反対側に向かう方向を第3の方向とし、
絶縁体の断面形状を、卵形の短軸が基準位置に対し第3の方向にオフセットされるよう設定する。
絶縁体の断面形状を、卵形の短軸が基準位置に対し第3の方向にオフセットされるよう設定する。
好ましくは、絶縁体の断面形状を、長軸が第1の方向に平行な楕円形に設定する。
本発明によれば、接地電極の冷却効果を高め、接地電極が熱源となって発生するプレイグニッションを防止することができるという、優れた作用効果が発揮される。
以下、図面を参照して本発明の好適実施形態を説明する。
図1に本実施形態に係るスパークプラグ1を示す。Oはプラグ中心軸であり、これに沿った図の上下方向を軸方向という。図の下側が先端側、上側が基端側である。理解容易のため、先端側および基端側を単に下および上ということもある。
図示するスパークプラグ1は、火花点火式内燃機関であるエンジンのシリンダヘッド2に取り付けられている。プラグ中心軸Oの位置を境に、左側が吸気側IN、右側が排気側EXである。周知のように、吸気側INには吸気弁、吸気ポート等の吸気系要素(図示せず)が配設され、排気側EXには排気弁、排気ポート等の排気系要素(図示せず)が配設される。スパークプラグ1の先端部は、混合気(ポート噴射式の場合)または新気(直噴式の場合)が導入され且つ燃焼が行われる燃焼室3内に臨まされている。
スパークプラグ1は、軸方向に延びる概ね円筒状の金属製ハウジング4と、ハウジング4の中心部に配設された円軸状の中心電極5と、ハウジング4および中心電極5の間に介設された碍子からなる絶縁体6と、中心電極5との間の火花ギャップ7を形成すべくハウジング4に突出して設けられた接地電極8とを備える。
ハウジング4は、プラグレンチが嵌合される工具係合部9と、シリンダヘッド2のねじ孔10に螺合される雄ネジ部11とを備える。雄ネジ部11の基端部にガスケット12が嵌合され、スパークプラグ1が締め付け固定されたとき、燃焼室3からのガス漏れがガスケット12によって防止される。ハウジング4は熱可締め等により絶縁体6を外周側から保持する。
絶縁体6は、ハウジング4に内挿される概ね円筒状の部材である。絶縁体6の内側に中心電極5が挿入され、中心電極5が絶縁体6によって保持される。
中心電極5よりも上方の位置において、絶縁体6の内側に内部抵抗13と端子金具14が挿入されている。端子金具14の上端部は絶縁体6より突出され、プラグコード(図示せず)に接続される。プラグコードから供給された高電圧が端子金具14、内部抵抗13を通じて中心電極5に印加され、火花ギャップ7に火花を生じさせる。
ハウジング4と中心電極5と絶縁体6は全てプラグ中心軸Oと同軸に配置される。他方、接地電極8は、ハウジング4の先端面4Aの周方向所定位置に溶接等により接続される細長い金属製部材からなり、ハウジング4の先端面4Aから下方に延び、途中で中心電極5の先端面の真下に向けて湾曲して折れ曲がるL字状とされる。接地電極8の断面形状は任意であるが、本実施形態では長方形とされている。
ここで、スパークプラグ1の先端部について詳述する。図示する取付状態において、ハウジング4の先端面4Aは、燃焼室3の頂面3Aとほぼ同一の軸方向位置ないし高さに位置される。
そして絶縁体6の先端部は、ハウジング4よりも軸方向先端側に突出されている。この突出部を6Aで示す。これにより突出部6Aは燃焼室3内に露出されることとなる。
さらに中心電極5の先端部は、絶縁体6よりも軸方向先端側に突出されている。この中心電極5の真下に、火花ギャップ7を隔てて接地電極8が対向されている。これら中心電極5の突出部と接地電極8も当然に燃焼室3内に露出されることとなる。なお、中心電極5と接地電極8の対向面にそれぞれ電極チップを設けてもよい。
絶縁体6における突出部6Aの直上部は、上方に向かうにつれ徐々に拡径され、ハウジング4の可締め部4Bに可締められる。この可締め部4Bの下方にて、絶縁体6の直上部とハウジング4との間に筒状の隙間であるポケット13が形成される。
図2には、絶縁体6がハウジング4よりも突出している軸方向位置、言い換えれば絶縁体6の突出部6Aがある軸方向位置における、軸方向に垂直な断面を示す。図示するように、絶縁体6の突出部6Aの半径方向外側には接地電極8の一部が配置されている。この接地電極8の一部は、接地電極8のうち、ハウジング4への取付部分をなす付け根部8Aに相当する。よって以下、当該接地電極8の一部を付け根部8Aと称す。図示するように付け根部8Aの断面は長方形である。
図2に示す断面視において、中心電極5の中心を基準位置とする。本実施形態において中心電極5はプラグ中心軸Oに同軸であるので、基準位置はプラグ中心軸Oの位置に等しい。よって基準位置をOで示す。
また、基準位置Oから接地電極8の付け根部8Aに向かう方向を+X方向とする。より詳細には、基準位置Oから、接地電極8の付け根部8Aの幅Wの中心に向かう方向を+X方向とする。基準位置Oから+X方向に延びる軸を+X軸とする。
また、基準位置Oから、+X方向に対し反時計回り(図中矢示)に90°異なる方向に向かう方向を+Y方向とし、基準位置Oから+Y方向に延びる軸を+Y軸とする。
同様に、基準位置Oから、接地電極8の付け根部8Aの反対側に向かう方向を−X方向とし、基準位置Oから−X方向に延びる軸を−X軸とする。そして基準位置Oから、+X方向に対し反時計回りに270°異なる方向に向かう方向を−Y方向とし、基準位置Oから−Y方向に延びる軸を−Y軸とする。
基準位置Oを中心とする回転方向の角度については、−Y軸の位置を0°および360°の基準角度位置とし、+X軸の位置を90°、+Y軸の位置を180°、−X軸の位置を270°とする。図示例では90°の位置に接地電極8の付け根部8Aが位置されている。
なお、図示例の場合、互いに一直線上にある+Y軸および−Y軸(これらを総称してY軸という)に対し左側(−X側)が吸気側IN、右側(+X側)が排気側EXである。また、互いに一直線上にある+X軸および−X軸(これらを総称してX軸という)に対し下側(−Y側)がエンジンのフロント側Fr、上側(+Y側)がリヤ側Rrである。Y軸はクランクシャフトの中心軸に平行である。
図示例では、中心電極5の断面形状が基準位置Oを中心とする円形であり、ハウジング4の下端面4Aにおける内周縁4Cおよび外周縁4Dも基準位置Oを中心とする円形である。
一方、本実施形態は、図示するような絶縁体6の突出部6Aの断面形状に特徴がある。すなわち、+X方向あるいは+X軸上における基準位置Oから絶縁体6の外周端6+Xまでの長さL+Xが、+Y方向あるいは+Y軸上における基準位置Oから絶縁体6の外周端6+Yまでの長さL+Yより大きくなるよう、絶縁体6の突出部6Aの断面形状が設定されている。
より具体的に述べると、突出部6Aの断面形状は凹みのない凸図形である。そして図示例の場合、突出部6Aの断面形状は、卵形またはこれに近い形状(すなわち略卵形)である。
断面形状における卵形には、卵形自身の最大直径を規定する長軸と、長軸に直角な方向における最大直径を規定する短軸とが存在する。これら長軸と短軸は互いに直交し、その交差位置が卵形の中心となる。
図示例の場合、卵形の中心は基準位置Oにあり、卵形の長軸はX軸に平行、特にX軸上にあり、卵形の短軸はY軸に平行、特にY軸上にある。結局、突出部6Aの断面形状は、X軸に対し対称であり、Y軸に対し非対称である。
+X方向における基準位置Oから絶縁体6の外周端6+Xまでの長さL+Xは、−X方向における基準位置Oから絶縁体6の外周端6-Xまでの長さL-Xより大きい。また+Y方向における基準位置Oから絶縁体6の外周端6+Yまでの長さL+Yは、−Y方向における基準位置Oから絶縁体6の外周端6-Yまでの長さL-Yに等しい。外周端6-Yから外周端6+Yまでの長さ(つまり卵形の短軸の長さ)は接地電極8の付け根部8Aの幅Wより大きい。
次に、本実施形態の作用効果を説明する。
一般に、スパークプラグはネジ止めされるため、その取付状態における取付角度にはばらつきがある。本実施形態も同様である。図示例では接地電極8の付け根部8Aが90°の角度位置に位置されているが、付け根部8Aの角度位置は任意に変わり得る。
図3は、付け根部8Aの角度位置(以下、プラグ角度という)と、エンジン運転時における絶縁体6の温度との関係を参考的に示す。図中#1〜#4は気筒番号を表す。
図示するように、90°のプラグ角度のときに絶縁体6の温度が最低となっている。その理由は次の通りである。吸気弁の開弁により燃焼室3内に入ってきた混合気または新気(以下、吸気という)は、図1および図2に矢印Gで示される如く、吸気側INから排気側EXに向かう傾向にある。そして90°のプラグ角度のとき、吸気の流れは付け根部8Aに阻害されず、直接的に且つ最高の効率で絶縁体6の突出部6Aに当たる。よって突出部6Aが最も冷却され、絶縁体6の温度が最も低下する。
他方、図3に示すように、絶縁体6の温度は、プラグ角度が正反対の270°のときに最高となる。その理由は次の通りである。吸気は、吸気側INから排気側EXに向かう途中で、絶縁体6の突出部6Aに当たる前に、接地電極8の付け根部8Aに当たる。よって突出部6Aに当たる手前で付け根部8Aにより吸気の流れが遮られ、絶縁体6の温度が最も上昇する。
これは逆に言えば、付け根部8Aに吸気が直接当たることとなり、接地電極8の冷却という点では好ましい。しかしながら前者の90°のプラグ角度のときには、吸気の流れに対し付け根部8Aが突出部6Aの陰に隠れてしまい、吸気が当たりづらい。よって付け根部8Aひいては接地電極8の温度上昇が懸念される。
このように、90°のプラグ角度のときに接地電極8が最も高温となる傾向にある。そしてこれに対し何等かの対策を施さないと、接地電極を熱源とするプレイグニッションが生じる可能性がある。
図4は、一般的なスパークプラグの場合の吸気Fの流れを示す。ここで絶縁体6’の突出部6A’の断面形状は、中心電極5’の中心を中心とする半径一定の円形である。
この場合、吸気Fは、突出部6A’の前面に当たった後、突出部6A’の表面から剥離してしまって、その後方にある接地電極8’を避けるように接地電極8’を通過してしまう。よって接地電極8’に吸気が当たらず、吸気による接地電極8’の冷却効果は乏しい。
これに対し、図5は、本実施形態のスパークプラグの場合の吸気Fの流れを示す。この場合、吸気Fは、Y軸より左側の絶縁体6の突出部6Aの前面に当たった後、Y軸より右側の絶縁体6の突出部6Aの後面にできるだけ沿うように、剥離が抑制された状態で流れる。よって、突出部6Aの後方あるいは陰に隠れた接地電極8の付け根部8Aに、吸気をより積極的に多く当てることができ、吸気による接地電極8の冷却効果を格段と向上することが出来る。
これにより、接地電極8の冷却効果を高め、接地電極8が熱源となって発生するプレイグニッションを未然に防止することが可能である。
なお、図2に示す断面形状において、Y軸より左側の断面形状を、基準位置Oに対し一定の半径を有する半円形としてもよい。この場合半径は当然に長さL+Xより短い。またY軸より右側の断面形状を、長軸が+X方向に平行な半楕円形としてもよい。これらも上述の略卵形に含まれる。
次に、他の実施形態を説明する。なお前記実施形態(基本実施形態という)と同様の部分については説明を省略し、以下相違点を中心に説明する。
図6に第1の他の実施形態を示す。この実施形態では、絶縁体6の突出部6Aの断面形状が基本実施形態と同じ卵形である。しかしながらその位置が異なり、当該断面形状は、卵形の短軸が基準位置Oに対し所定のオフセット長ΔXだけ−X方向にオフセットされるよう設定されている。つまり中心電極5に対する絶縁体6の突出部6Aの相対位置が−X方向にオフセットされている。
オフセット長ΔXは、+X方向における基準位置Oから絶縁体6の外周端6+Xまでの長さL+Xが、−X方向における基準位置Oから絶縁体6の外周端6-Xまでの長さL-Xと等しくなるように設定されている。これにより、絶縁体6の突出部6Aは、X軸方向に関して内周縁4Cの直径範囲内の中央に配されるようになる。
こうすると、基本実施形態よりも絶縁体6の突出部6Aの位置を−X方向すなわち吸気Fの流れ方向上流側にずらすことができる。そして絶縁体6の突出部6Aと接地電極8の付け根部8Aとの間隔あるいは隙間を拡大することができる。よって、絶縁体6の突出部6Aの後面に沿うように流れてきた吸気Fをより多く接地電極8の付け根部8Aに当てることができ、接地電極8の冷却効果をさらに向上することが可能である。
なお、代替的にまたは追加的に、絶縁体6の突出部6Aの断面形状を、卵形の長軸が基準位置Oに対し+Y方向または−Y方向にオフセットされるよう設定してもよい。こうすると、オフセット側の吸気流は接地電極8の付け根部8Aに対し当たり難くなるが、非オフセット側の吸気流は接地電極8の付け根部8Aに対し当たり易くなり、トータルで同等量の吸気流を当てることができると考えられる。
また、基本実施形態における中心電極5と絶縁体6の突出部6Aとの相対位置を保ったまま、両者を一緒にプラグ中心軸Oから−X方向にオフセットしても、同様の作用効果を発揮することができる。
図7に第2の他の実施形態を示す。この実施形態では、絶縁体6の突出部6Aの断面形状が、よりシンプルな楕円形に設定されている。
図示例の場合、楕円形の中心は基準位置Oにあり、楕円形の長軸ないし長径はX軸に平行、特にX軸上にあり、楕円形の短軸ないし短径もY軸に平行、特にY軸上にある。絶縁体6の断面形状はX軸に対してもY軸に対しても対称である。
+X方向における基準位置Oから絶縁体6の外周端6+Xまでの長さL+Xは、−X方向における基準位置Oから絶縁体6の外周端6-Xまでの長さL-Xに等しい。また+Y方向における基準位置Oから絶縁体6の外周端6+Yまでの長さL+Yは、−Y方向における基準位置Oから絶縁体6の外周端6-Yまでの長さL-Yに等しい。
この絶縁体6の突出部6Aの断面形状によっても、基本実施形態と同様の作用効果を発揮することができる。また、第1の他の実施形態と同様の作用効果を発揮すべく、楕円形の短軸が基準位置Oに対し−X方向にオフセットされるよう突出部6Aの断面形状を設定してもよい。また楕円形の長軸が基準位置Oに対し+Y方向または−Y方向にオフセットされるよう突出部6Aの断面形状を設定してもよい。さらに図示する中心電極5と絶縁体6の突出部6Aとの相対位置を保ったまま、両者を一緒にプラグ中心軸Oから−X方向にオフセットしてもよい。
ところで、突出部6Aの後方に隠れた付け根部8Aに吸気をより多く当てるために、突出部6Aを小径化することが考えられる。しかし、突出部6Aを小径化すると機械的強度が低下するという問題がある。また、付け根部8Aないし接地電極8の幅Wを拡大することも考えられるが、こうすると点火によって出来た火炎が接地電極8で冷却されてしまって成長し難くなるという問題がある。このように突出部6Aおよび付け根部8Aの寸法変更には一定の制約がある。
本実施形態は、このような寸法変更ではなく形状変更によって対応するものである。従ってこれらの問題を回避しつつプレイグニッションを効果的に防止することが可能である。なお、凸図形の断面形状は、凹部を形成することによる局所的な出っ張りがなく、本実施形態ではほぼ全体が滑らかなR面で形成されるので、機械的強度の点で好ましい。
次に、上記実施形態の効果を確認するためのシミュレーション試験の結果を示す。
図8に、試験に用いた絶縁体6の突出部6Aと接地電極8の付け根部8Aとの断面形状および配置を示す。突出部6Aについては、その断面形状を円または楕円とし、その中心ないし基準位置Oを一定とし、X軸方向の長半径(長径の1/2)R2とY軸方向の短半径(短径の1/2)R1とを変化させて試験を行った。
基準位置Oから付け根部8Aまでの距離Lは、スパークプラグ1の雄ネジ部11のネジ径によって定まる。一般にネジ径がM12〜M14の場合、距離Lは3.5〜5mmである。試験は、付け根部8Aの冷却効果に関して最も厳しいL=3.5mmで行った。これより距離Lが長いと突出部6Aと付け根部8Aの隙間が大きくなり、付け根部8Aに吸気が当たり易くなるからである。逆に言えば、L=3.5mmで十分な効果が出ればL>3.5mmでも同等以上の効果が発揮できる。
試験では、R1を1.5mm、2mm、2.5mmと変化させた。これらの寸法は突出部6Aの一般的な寸法である。またR2をR1、1.05R1、1.2R1、1.6R1、2.0R1と変化させた。但し、R2<Lであることを条件とした。R2≧Lだと突出部6Aが付け根部8Aに当たってしまうからである。
R1とR2の組み合わせは図9に示す通りである。○は試験が行われた組み合わせ、×はR2<Lを満たさず試験が行われなかった組み合わせを示す。R2=R1のとき断面形状は真円となり、他は全て楕円となる。
かかる条件の下、図5に示したのと同様に、突出部6Aにその左側から所定流速の吸気を当てるものとして試験を行った。流速はここでは30m/sであり、この値はプレイグニッションが起こり得る範囲内の最も遅い流速に該当する。
そして図8に示すように、付け根部8Aの前面の位置において、剥離点a+、a-からの主流b+、b-がなす間隔hを調べた。
図10(A)にはR1=2.5mmで且つR2=R1のときのシミュレーション結果を示す。また図10(B)にはR1=2mmで且つR2=1.2R1のときのシミュレーション結果を示す。こうして図9に示した各組み合わせに対応する間隔hが得られる。
図11に、得られた間隔hと短半径R1との関係を示す。この関係から、短半径R1、長半径R2および付け根部8Aの幅Wを以下に示すような関係とすれば、間隔hが幅W以下となり、主流b+、b-を付け根部8Aに当てて冷却できることが判明した。
(1)1.05R1≦R2<1.2R1のとき、W≧2.15R1+0.24
(2)1.2R1≦R2<1.6R1のとき、W≧2.12R1+0.32
(3)1.6R1≦R2<2.0R1のとき、2.12R1+0.32>W≧2.10R1+0.65
つまり(1)のときにはW=2.15R1+0.24、(2)のときにはW=2.12R1+0.32、(3)のときにはW=2.10R1+0.65が、それぞれ付け根部8Aの幅Wの最小幅ということになる。
(1)1.05R1≦R2<1.2R1のとき、W≧2.15R1+0.24
(2)1.2R1≦R2<1.6R1のとき、W≧2.12R1+0.32
(3)1.6R1≦R2<2.0R1のとき、2.12R1+0.32>W≧2.10R1+0.65
つまり(1)のときにはW=2.15R1+0.24、(2)のときにはW=2.12R1+0.32、(3)のときにはW=2.10R1+0.65が、それぞれ付け根部8Aの幅Wの最小幅ということになる。
以上、本発明の好適な実施形態を詳細に述べたが、本発明の実施形態は他にも様々なものが考えられる。上記実施形態における数値はあくまで例示であり、様々な変更が可能である。
本発明の実施形態は前述の実施形態のみに限らず、特許請求の範囲によって規定される本発明の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が本発明に含まれる。従って本発明は、限定的に解釈されるべきではなく、本発明の思想の範囲内に帰属する他の任意の技術にも適用することが可能である。上述の各実施形態および各構成要素は可能な限りにおいて組み合わせ可能である。
1 スパークプラグ
4 ハウジング
5 中心電極
6 絶縁体
6A 突出部
6+X、6+Y、6-X、6-Y 絶縁体の外周端
7 火花ギャップ
8 接地電極
8A 付け根部
O プラグ中心軸、基準位置
L+X、L+Y、L-X、L-Y 基準位置から絶縁体の外周端までの長さ
ΔX オフセット長
4 ハウジング
5 中心電極
6 絶縁体
6A 突出部
6+X、6+Y、6-X、6-Y 絶縁体の外周端
7 火花ギャップ
8 接地電極
8A 付け根部
O プラグ中心軸、基準位置
L+X、L+Y、L-X、L-Y 基準位置から絶縁体の外周端までの長さ
ΔX オフセット長
Claims (4)
- 軸方向に延びるハウジングの中心部に絶縁体を介在させて中心電極を設け、絶縁体の先端部をハウジングよりも軸方向先端側に突出させ、中心電極の先端部を絶縁体よりも軸方向先端側に突出させ、ハウジングに、中心電極との間の火花ギャップを形成すべく接地電極を突出させて設けたスパークプラグであって、
絶縁体がハウジングよりも突出している軸方向位置において、絶縁体の半径方向外側に接地電極の一部を配置し、
前記軸方向位置における断面視において、中心電極の中心を基準位置、基準位置から前記接地電極の一部に向かう方向を第1の方向、基準位置から第1の方向と90°異なる方向に向かう方向を第2の方向とし、第1の方向における基準位置から絶縁体の外周端までの長さが、第2の方向における基準位置から絶縁体の外周端までの長さより大きくなるよう、絶縁体の断面形状を設定した
ことを特徴とするスパークプラグ。 - 絶縁体の断面形状を、長軸が第1の方向に平行な略卵形に設定した
ことを特徴とする請求項1に記載のスパークプラグ。 - 前記軸方向位置における断面視において、基準位置から前記接地電極の一部の反対側に向かう方向を第3の方向とし、
絶縁体の断面形状を、卵形の短軸が基準位置に対し第3の方向にオフセットされるよう設定した
ことを特徴とする請求項2に記載のスパークプラグ。 - 絶縁体の断面形状を、長軸が第1の方向に平行な楕円形に設定した
ことを特徴とする請求項1に記載のスパークプラグ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012003063A JP2013143267A (ja) | 2012-01-11 | 2012-01-11 | スパークプラグ |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019012677A (ja) * | 2017-07-03 | 2019-01-24 | 日本特殊陶業株式会社 | スパークプラグ |
JP2021018872A (ja) * | 2019-07-18 | 2021-02-15 | 株式会社Soken | スパークプラグ |
-
2012
- 2012-01-11 JP JP2012003063A patent/JP2013143267A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019012677A (ja) * | 2017-07-03 | 2019-01-24 | 日本特殊陶業株式会社 | スパークプラグ |
JP2021018872A (ja) * | 2019-07-18 | 2021-02-15 | 株式会社Soken | スパークプラグ |
US10938184B2 (en) | 2019-07-18 | 2021-03-02 | Denso Corporation | Spark plug |
JP7274375B2 (ja) | 2019-07-18 | 2023-05-16 | 株式会社Soken | スパークプラグ |
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