JP2005050612A - スパークプラグ及びエンジン - Google Patents

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Mamoru Kodera
守 小寺
Yoshihiro Matsubara
佳弘 松原
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Niterra Co Ltd
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NGK Spark Plug Co Ltd
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Abstract

【課題】中心電極と接地電極との間で液滴燃料によるブリッジができるのを効果的に抑制できるスパークプラグ及びエンジンを提供すること。
【解決手段】スパークプラグ101は、筒状の主体金具111と、これに取り囲まれた筒状の絶縁体131と、さらに、絶縁体131に保持され、その先端部に配設された中心電極151と、一端161Pが主体金具111に接合され、他端部161Qが中心電極151の先端部153と火花放電間隙を隔てて配置された接地電極161とを備える。加えて、スパークプラグ101は、主体金具111に接合され、その使用時にスパークプラグ101に付着した液滴燃料を誘導する液滴燃料第1誘導部171を備える。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等のエンジンに取り付け、混合気への着火を行うスパークプラグ及びエンジンに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車等のエンジンでは、混合気へ着火を行うためにスパークプラグが使用されている。一般的に、スパークプラグは、主体金具と絶縁体と中心電極と接地電極とを有する。主体金具は筒状をなす。絶縁体は、主体金具によってその周囲が取り囲まれ、軸線方向に軸孔が設けられている。中心電極は、絶縁体の軸孔に保持され、絶縁体の先端部に配設されている。また、接地電極は、その一端が主体金具の先端面に接合され、他端部が中心電極と火花放電間隙を隔てて配置されている。このようなスパークプラグは、火花放電間隙において火花放電し、エンジン燃焼室内の混合気を点火させる。
【0003】
ところで、エンジンを低温で始動させると、霧化されない液滴燃料が、燃焼室の内壁面や、スパークプラグのうち燃焼室内に露出する部分(例えば、絶縁体、中心電極及び接地電極など)に付着する。このような液滴燃料は、中心電極及び接地電極を伝わり、これらの火花放電間隙にブリッジを形成することがある。また、そのような液滴燃料に起因してカーボンブリッジが形成されることもある。その結果、スパークプラグが失火したり、エンジンにラフアイドルが発生する。
【0004】
このような問題に対し、従来は、主体金具を燃焼室内まで突出させて絶縁体を取り囲み、液滴燃料が絶縁体に付着しにくくして、火花放電間隙に液滴燃料によるブリッジが形成されるのを抑制していた。
また、特許文献1に開示された直噴内燃エンジン用点火プラグでは、外シェル(主体金具)から延設され、絶縁コアノーズ部(絶縁体)の一部を遮蔽する保護遮蔽体を設けている(特許文献1の図15〜図17及びその関連箇所を参照)。このようなものも、液滴燃料が絶縁体に付着するのを抑制する効果がある。
【特許文献1】
特開2000−27653号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、主体金具を燃焼室内まで突出させて絶縁体を取り囲んだ改良型スパークプラグにおいても、また、特許文献1で開示されたスパークプラグにおいても、依然、火花放電間隙に液滴燃料によるブリッジが形成されたり、カーボンブリッジが形成されることがあり、スパークプラグの失火やエンジンのラフアイドルを招いていた。殊に、近年においては、直噴型のエンジンの出現により、プラグ発火部が燃焼室内に長く突き出たタイプのスパークプラグが増加している。このようなものでは、燃焼室内に長く突き出た接地電極及び主体金具に液滴燃料が多く付着し、それが接地電極を伝って中心電極との間にブリッジを形成し、失火やラフアイドルを誘発する。
【0006】
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、エンジン始動時、特に低温始動時において、中心電極と接地電極との間で液滴燃料によるブリッジが形成されるのを効果的に抑制し、スパークプラグの失火やエンジンのラフアイドルを効果的に抑制できるスパークプラグ及びこれを取り付けたエンジンを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
その解決手段は、筒状の主体金具と、前記主体金具によって周囲が取り囲まれ、軸線方向に軸孔を有する筒状の絶縁体と、前記絶縁体の軸孔に保持され、前記絶縁体の先端部に配設された中心電極と、一端が前記主体金具の先端面に接合され、他端部が前記中心電極と火花放電間隙を隔てて配置された接地電極と、前記接地電極の少なくとも片側に隣接して設けられ、一端が前記主体金具の先端面に接合され、前記軸線方向の先端側に向かって突出する液滴燃料第1誘導部と、を備えるスパークプラグである。
【0008】
前述したように、従来のスパークプラグでは、エンジンを低温で始動させると、霧化されない液滴燃料が、燃焼室の内壁面やスパークプラグのうち燃焼室内に露出する部分に付着し、さらに、それが中心電極や接地電極を伝わって、これらの火花放電間隙にブリッジを形成することがある。
これに対し、本発明のスパークプラグは、主体金具の先端面から軸線方向の先端側に向かって突出し、その使用時にスパークプラグに付着した液滴燃料を誘導する液滴燃料第1誘導部を有する。その上、この液滴燃料第1誘導部は、接地電極の少なくとも片側に隣接して設けられている。このような液滴燃料第1誘導部を設けることにより、エンジンを低温始動させた際に、霧化されない液滴燃料がスパークプラグに付着して接地電極を伝わろうとしても、液滴燃料第1誘導部によって効果的に誘導される。よって、液滴燃料が接地電極を伝わりにくくなり、火花放電間隙にブリッジが形成されにくくなる。また、カーボンブリッジの形成も抑制される。その結果、従来に比して、スパークプラグの失火やエンジンのラフアイドルを効果的に抑制できる。
【0009】
なお、従来技術で述べた、主体金具を燃焼室内まで突出させて絶縁体を取り囲んだ改良型スパークプラグや特許文献1で開示されたスパークプラグは、液滴燃料のスパークプラグへの付着防止を主たる目的としている。従って、一旦スパークプラグに付着した液滴燃料を誘導する効果は小さい。
これに対し、本発明のスパークプラグは、一旦スパークプラグに付着した液滴燃料を誘導するのを主たる目的とする。即ち、液滴燃料第1誘導部によって、液滴燃料が接地電極を伝わるのを抑制し、火花放電間隙に液滴燃料のブリッジが形成されるのを抑制する。特に、本発明では、接地電極の少なくとも片側に隣接して液滴燃料第1誘導部を設けているため、接地電極を伝わろうとする液滴燃料を特に効果的に誘導できる。
【0010】
さらに、上記のスパークプラグであって、前記液滴燃料第1誘導部は、前記接地電極の両側に隣接して設けられてなるスパークプラグとすると良い。
【0011】
本発明によれば、液滴燃料第1誘導部は、接地電極の両側に隣接して設けられている。従って、接地電極を伝わろうとする液滴燃料は、その両隣に設置された液滴燃料第1誘導部によって、より効果的に誘導されるので、液滴燃料は接地電極をより伝わりにくくなる。このため、火花放電間隙に液滴燃料によるブリッジがより形成されにくくなり、スパークプラグの失火やエンジンのラフアイドルをさらに効果的に抑制できる。
【0012】
さらに、上記のいずれかに記載のスパークプラグであって、前記液滴燃料第1誘導部は、前記軸線方向の先端側に向かって先細りの形状とされてなるスパークプラグとすると良い。
【0013】
本発明によれば、液滴燃料第1誘導部は、軸線方向の先端側に向かって先細りの形状とされている。従って、燃焼室の内壁面やスパークプラグに付着した液滴燃料は、液滴燃料第1誘導部の基端から先端に向かって効率よく誘導される。このため、火花放電間隙に液滴燃料によるブリッジがより形成されにくくなり、スパークプラグの失火やエンジンのラフアイドルをさらに効果的に抑制できる。
【0014】
さらに、上記のいずれかに記載のスパークプラグであって、前記中心電極の先端部は、前記絶縁体の先端面から突出し、前記液滴燃料第1誘導部の先端は、前記軸線方向に見て、前記絶縁体の先端面と前記中心電極の先端面との間に位置するスパークプラグとすると良い。
【0015】
液滴燃料第1誘導部の高さが低すぎると、具体的には、スパークプラグを軸線方向に見て、液滴燃料第1誘導部の先端が、絶縁体の先端面より基端側に位置すると、液滴燃料が十分に誘導されにくくなり、液滴燃料によるブリッジの形成を抑制する効果が小さくなる。一方、液滴燃料第1誘導部の高さが高すぎると、具体的には、スパークプラグを軸線方向に見て、液滴燃料第1誘導部の先端が、中心電極の先端面より先端側に位置すると、スパークプラグの着火性に劣ることがある。
これに対し、本発明では、液滴燃料第1誘導部の先端は、絶縁体の先端面と中心電極の先端面との間に位置する。このため、液滴燃料を効率よく誘導し、液滴燃料によるブリッジの形成を効果的に抑制できると共に、スパークプラグの着火性も十分に確保できる。
【0016】
また、他の解決手段は、筒状の主体金具と、前記主体金具によって周囲が取り囲まれ、軸線方向に軸孔を有する筒状の絶縁体と、前記絶縁体の軸孔に保持され、前記絶縁体の先端部に配設された中心電極と、一端が前記主体金具の先端面に接合され、他端部が前記中心電極と火花放電間隙を隔てて配置された接地電極と、一端が前記接地電極の他端部に接合され、前記軸線方向の先端側に向かって突出する液滴燃料第2誘導部と、を備えるスパークプラグである。
【0017】
従来のスパークプラグでは、液滴燃料が燃焼室の内壁面やスパークプラグに付着すると、液滴燃料は接地電極を主体金具に固設された一端から火花放電間隙を構成する他端部に向けて伝わり、さらには、火花放電間隙にブリッジを形成することがある。
これに対し、本発明のスパークプラグは、接地電極の他端部に接合され、軸線方向の先端側に向かって突出し、その使用時にスパークプラグに付着した液滴燃料を誘導する液滴燃料第2誘導部を有する。このため、エンジンを低温始動させた際に、霧化されない液滴燃料が燃焼室の内壁面やスパークプラグに付着し、接地電極をその一端から他端部まで伝わっても、その後、液滴燃料第2誘導部によって効率よく誘導されるので、火花放電間隙に液滴燃料によるブリッジが形成されにくくなる。また、カーボンブリッジの形成も抑制される。その結果、従来に比して、スパークプラグの失火やエンジンのラフアイドルを効果的に抑制できる。
【0018】
さらに、上記のスパークプラグであって、前記液滴燃料第2誘導部は、前記軸線方向の先端側に向かって先細りの形状とされてなるスパークプラグとすると良い。
【0019】
本発明によれば、液滴燃料第2誘導部は、軸線方向の先端側に向かって先細りの形状とされている。従って、液滴燃料は、液滴燃料第2誘導部の基端から先端に向かって効率よく誘導される。このため、火花放電間隙に液滴燃料によるブリッジがより形成されにくくなり、スパークプラグの失火やエンジンのラフアイドルをさらに効果的に抑制できる。
【0020】
また、他の解決手段は、筒状の主体金具と、前記主体金具によって周囲が取り囲まれ、軸線方向に軸孔を有する筒状の絶縁体と、前記絶縁体の軸孔に保持され、前記絶縁体の先端部に配設された中心電極と、一端が前記主体金具の先端面に接合され、前記軸線方向の先端側に向かって突出する液滴燃料第3誘導部と、一端が前記液滴燃料第3誘導部の他端と間隔をおいて前記液滴燃料第3誘導部に接合され、他端部が前記中心電極と火花放電間隙を隔てて配置された接地電極と、を備えるスパークプラグである。
【0021】
本発明のスパークプラグは、一端が主体金具の先端面に接合され、軸線方向の先端側に向かって突出し、その使用時にスパークプラグに付着した液滴燃料を誘導する液滴燃料第3誘導部を有する。このような液滴燃料第3誘導部を設けることにより、エンジンを低温始動させた際に、霧化されない液滴燃料がスパークプラグに付着して接地電極を伝わろうとしても、液滴燃料第3誘導部によって効果的に誘導される。よって、液滴燃料が接地電極を伝わりにくくなり、火花放電間隙にブリッジが形成されにくくなる。また、カーボンブリッジの形成も抑制される。その結果、従来に比して、スパークプラグの失火やエンジンのラフアイドルを効果的に抑制できる。
【0022】
さらに、上記のスパークプラグであって、前記液滴燃料第3誘導部は、前記軸線方向の先端側に向かって先細りの形状とされてなるスパークプラグとすると良い。
【0023】
本発明によれば、液滴燃料第3誘導部は、軸線方向の先端側に向かって先細りの形状とされている。従って、液滴燃料は、液滴燃料第3誘導部の基端から先端に向かって効率よく誘導される。このため、火花放電間隙に液滴燃料によるブリッジがより形成されにくくなり、スパークプラグの失火やエンジンのラフアイドルをさらに効果的に抑制できる。
【0024】
また、他の解決手段は、筒状の主体金具と、前記主体金具によって周囲が取り囲まれ、軸線方向に軸孔を有する筒状の絶縁体と、前記絶縁体の軸孔に保持され、前記絶縁体の先端部に配設された中心電極と、一端が前記主体金具の先端面に接合され、他端部が前記中心電極と火花放電間隙を隔てて配置された接地電極と、前記接地電極の少なくとも片側に隣接して設けられ、一端が前記主体金具の先端面に接合され、前記軸線方向の先端側に向かって突出する液滴燃料第1誘導部と、を備えるスパークプラグが、使用時に前記液滴燃料第1誘導部の先端部が下方または斜め下方に向くように、自身のシリンダーヘッドに取り付けられてなるエンジンである。
【0025】
本発明によれば、シリンダーヘッドに取り付けられたスパークプラグの主体金具には、主体金具から軸線方向の先端側に向かって突出し、液滴燃料を下方または斜め下方に誘導する液滴燃料第1誘導部が形成されている。その上、液滴燃料第1誘導部は、接地電極の少なくとも片側に隣接して固設されている。このため、エンジンを低温始動させた際に、霧化されない液滴燃料が燃焼室の内壁面やスパークプラグに付着して接地電極を伝わろうとしても、液滴燃料第1誘導部によって効率よく誘導されるので、火花放電間隙に液滴燃料によるブリッジが形成されにくくなる。また、カーボンブリッジの形成も抑制される。その結果、従来に比して、スパークプラグの失火やエンジンのラフアイドルを効果的に抑制できる。
【0026】
また、他の解決手段は、筒状の主体金具と、前記主体金具によって周囲が取り囲まれ、軸線方向に軸孔を有する筒状の絶縁体と、前記絶縁体の軸孔に保持され、前記絶縁体の先端部に配設された中心電極と、一端が前記主体金具の先端面に接合され、他端部が前記中心電極と火花放電間隙を隔てて配置された接地電極と、一端が前記接地電極の他端部に接合され、前記軸線方向の先端側に向かって突出する液滴燃料第2誘導部と、を備えるスパークプラグが、使用時に前記液滴燃料第2誘導部の先端部が下方または斜め下方に向くように、自身のシリンダーヘッドに取り付けられてなるエンジンである。
【0027】
本発明によれば、シリンダーヘッドに取り付けられたスパークプラグの接地電極には、この他端部から軸線方向の先端側に向かって突出し、液滴燃料を下方または斜め下方に誘導する液滴燃料第2誘導部が形成されている。このため、エンジンを低温始動させた際に、霧化されない液滴燃料が燃焼室の内壁面やスパークプラグに付着して接地電極を伝わっても、その後、液滴燃料第2誘導部によって効率よく誘導されるので、火花放電間隙に液滴燃料によるブリッジが形成されにくくなる。また、カーボンブリッジの形成も抑制される。その結果、従来に比して、スパークプラグの失火やエンジンのラフアイドルを効果的に抑制できる。
【0028】
また、他の解決手段は、筒状の主体金具と、前記主体金具によって周囲が取り囲まれ、軸線方向に軸孔を有する筒状の絶縁体と、前記絶縁体の軸孔に保持され、前記絶縁体の先端部に配設された中心電極と、一端が前記主体金具の先端面に接合され、前記軸線方向の先端側に向かって突出する液滴燃料第3誘導部と、一端が前記液滴燃料第3誘導部の他端と間隔をおいて前記液滴燃料第3誘導部に接合され、他端部が前記中心電極と火花放電間隙を隔てて配置された接地電極と、を備えるスパークプラグが、使用時に前記液滴燃料第3誘導部の先端部が下方または斜め下方に向くように、自身のシリンダーヘッドに取り付けられてなるエンジンである。
【0029】
本発明によれば、シリンダーヘッドに取り付けられたスパークプラグの主体金具には、主体金具から軸線方向の先端側に向かって突出し、液滴燃料を下方または斜め下方に誘導する液滴燃料第3誘導部が形成されている。このため、エンジンを低温始動させた際に、霧化されない液滴燃料が燃焼室の内壁面やスパークプラグに付着して接地電極を伝わろうとしても、液滴燃料第3誘導部によって効率よく誘導されるので、火花放電間隙に液滴燃料によるブリッジが形成されにくくなる。また、カーボンブリッジの形成も抑制される。その結果、従来に比して、スパークプラグの失火やエンジンのラフアイドルを効果的に抑制できる。
【0030】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
本実施形態に係るスパークプラグ101の断面図を図1に示す。また、スパークプラグ101の先端付近の部分拡大図を図2及び図3に示す。このスパークプラグ101は、エンジンのシリンダヘッドに取り付けて、混合気への着火を行うものである(図4参照)。スパークプラグ101は、筒状の主体金具111と、主体金具111によって周囲が取り囲まれた筒状の絶縁体131と、絶縁体131の軸孔に保持され絶縁体131の先端部に配設された中心電極151と、主体金具111に固設された接地電極161とを備える。さらに、本実施形態のスパークプラグ101には、主体金具111に液滴燃料誘導部(液滴燃料第1誘導部)171が形成されている(図2及び図3参照)。
【0031】
このうち、主体金具111は、炭素鋼からできている。主体金具111の外周の先端側には、スパークプラグ101をエンジンのシリンダヘッドにねじ込むための取付ねじ部113が形成され、また、外周の基端側には、スパークプラグ101をシリンダヘッドに取り付ける際に利用される六角フランジ部(工具係合部)115が形成されている。また、主体金具111の外周のうち、取付ねじ部113の基端側には、燃焼ガスの漏洩を防止するためのガスケット117が取り付けられている。一方、主体金具111の内周の先端側には、絶縁体131と係合し、絶縁体131を軸方向に位置決め固定するため、内側に突出する内側突出部119が周方向に形成されている。また、主体金具111の基端部121は、絶縁体131を主体金具111に固定するため、内側に加締められている。
【0032】
絶縁体131は、アルミナからできている。絶縁体131は、その基端側が主体金具111の基端から大きく突出すると共に、先端側も主体金具111の先端から僅かに突出するように固定されている。絶縁体131の先端側には、段付部133が形成され、主体金具111の内側突出部119と板パッキン135を介して係合している。また、絶縁体131の中央付近には、外側に突出する外側突出部137が形成されている。そして、この外側突出部137の基端側には、絶縁体131の外周面と主体金具111の内周面との隙間を塞ぐために、第1線パッキン139が挿入されている。また、第1線パッキン139の基端側には、粉末が充填されてなる充填封止層141が形成されている。さらに、その基端側には、第2線パッキン143が挿入され、上述したように、主体金具111の基端部121によって加締められている。
【0033】
中心電極151は、Ni合金からできている。中心電極151の先端部153は、円柱形状をなし、絶縁体131の先端面132から軸線方向の先端側に向かって突出している。また、中心電極151には、軸線方向に有底孔が形成され、この有底孔には、発火部の熱伝導性を高めるために銅芯157が挿入されている。
また、スパークプラグ101の基端側には、端子159が挿入・固定されている。そして、端子159と中心電極151との間には、抵抗体149が配置されている。さらに、この抵抗体149の先端側及び基端側には、導電性ガラスシール層147がそれぞれ形成されており、これら導電性ガラスシール層147及び抵抗体149を介して、中心電極151と端子159とが電気的に接続されている。
【0034】
接地電極161は、Ni合金からできている。接地電極161は、略L字状をなし、その軸方向に垂直な断面は矩形状である。接地電極161の一端161Pは、主体金具111の先端(先端面)に固設(接合)され、他端部161Qは、中心電極151の先端部153と火花放電間隙を隔てた位置に配置されている。
【0035】
液滴燃料誘導部171は、Ni合金からできている。液滴燃料誘導部171は、四角柱をなす。液滴燃料誘導部171の一端171Pは、主体金具111の先端(先端面)のうち、接地電極161の一端161Pが固設された位置の片方の隣に接地電極161と隣接して固設(接合)され、他端部171Qは、軸線方向の先端側に向かって突出している。液滴燃料誘導部171の高さ(軸線方向の長さ)は約2.5mmである。絶縁体131のうち、主体金具111の先端から突出する部分の長さは約1.5mmであり、また、中心電極151のうち、絶縁体131の先端面132から突出する部分の長さは約1.5mmであるので、液滴燃料誘導部171の先端(他端部171Q)は、軸線方向に見て、絶縁体131の先端面132と中心電極151の先端面との間に位置する。
なお、この液滴燃料誘導部171は、液滴燃料誘導部171を単体で製造した後、主体金具111の所定位置に、抵抗溶接やレーザ溶接によって溶接すればよい。後述する各実施形態の液滴燃料誘導部271等も、同様に、液滴燃料誘導部271等を単体で製造した後、主体金具111あるいは接地電極161等に、抵抗溶接やレーザ溶接によって溶接すればよい。
【0036】
このようなスパークプラグ101は、主体金具111の先端面から軸線方向の先端側に向かって突出し、その使用時にスパークプラグ101に付着した液滴燃料を誘導する液滴燃料誘導部171を有する。その上、この液滴燃料誘導部171は、接地電極161の片側に隣接して設けられている。このため、エンジンを低温始動させた際に、霧化されない液滴燃料が燃焼室の内壁面やスパークプラグ101に付着して接地電極161を伝わろうとしても、液滴燃料誘導部171によって効率よく誘導されるので、液滴燃料が接地電極161を伝わりにくくなり、火花放電間隙に液滴燃料によるブリッジが形成されにくくなる。また、カーボンブリッジの形成も抑制される。その結果、従来に比して、スパークプラグ101の失火やエンジンのラフアイドルを効果的に抑制できる。
また、液滴燃料誘導部171の先端(他端部171Q)は、絶縁体131の先端面132と中心電極151の先端面との間に位置する。このため、液滴燃料を効率よく誘導し、液滴燃料によるブリッジの形成を効果的に抑制できると共に、スパークプラグ101の着火性も十分に確保できる。
【0037】
なお、本実施形態では、液滴燃料誘導部171の形状を四角柱としているが、これに限らず、液滴燃料誘導部171の形状を、例えば、円柱、三角柱等の多角柱などとすることもできる。このようにしても、火花放電間隙に液滴燃料によるブリッジが形成されるのを効果的に抑制し、スパークプラグ101の失火やエンジンのラフアイドルを効果的に抑制できる。
【0038】
次いで、上記スパークプラグ101を取り付けたエンジン191の一例について、図4の部分断面図を参照しつつ説明する。
このエンジン191は、直列型のガソリンエンジンである。エンジン191は、ピストン192が挿入されたシリンダ193と、このシリンダ193の上部に固定されたシリンダヘッド194を備える。シリンダヘッド194には、吸気口194Bと排気口194Cが形成されている。そして、シリンダヘッド194には、吸気口194B及び排気口194Cと燃焼室195との間を開閉するバルブ196がそれぞれ配置されている。また、シリンダヘッド194には、鉛直方向にプラグ孔が形成され、このプラグ孔には、上記のスパークプラグ101が、先端部を下向きにした状態で固定されている。このスパークプラグ101の先端部分(主体金具111の一部、絶縁体131の一部、中心電極151の一部、接地電極161全体、及び、液滴燃料誘導部171全体)は、燃焼室195内に露出している。
【0039】
このようなエンジン191は、シリンダーヘッド194に取り付けられたスパークプラグ101の主体金具111に、主体金具111の先端面から軸線方向の先端側に向かって突出し、液滴燃料を下方に誘導する液滴燃料誘導部171が形成されている。しかも、液滴燃料誘導部171は、接地電極161の片側に隣接して固設されている。このため、エンジン191を低温始動させた際に、霧化されない液滴燃料が燃焼室195の内壁面やスパークプラグ101に付着して接地電極161を伝わろうとしても、液滴燃料誘導部171によって効率よく下方に誘導されるので、中心電極151と接地電極161の火花放電間隙に液滴燃料によるブリッジが形成されにくくなる。また、カーボンブリッジの形成も抑制される。その結果、従来に比して、スパークプラグ101の失火やエンジン191のラフアイドルを効果的に抑制できる。
【0040】
(実施形態2)
次いで、第2の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、上記実施形態1と同様な部分の説明は、省略または簡略化する。
本実施形態に係るスパークプラグ201の先端付近の部分拡大図を図5及び図6に示す。このスパークプラグ201は、液滴燃料誘導部(液滴燃料第1誘導部)271の形状が、上記実施形態1の液滴燃料誘導部171の形状と異なる。それ以外の部分は、上記実施形態1と同様であるので、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0041】
本実施形態の液滴燃料誘導部271は、その形状がくさび形であり、軸線方向の先端側に向かって先細りの形状とされている。液滴燃料誘導部271の一端271Pは、上記実施形態1と同様に、主体金具111の先端(先端面)のうち、接地電極161の一端161Pが固設された位置の片方の隣に接地電極161と隣接して固設され、他端部271Qは、軸線方向の先端側に向かって突出している。液滴燃料誘導部271の高さは、上記実施形態1と同様に、約2.5mmである。従って、本実施形態においても、液滴燃料誘導部271の先端(他端部271Q)は、軸線方向に見て、絶縁体131の先端面132と中心電極151の先端面との間に位置する。
【0042】
このようなスパークプラグ201及びこれを取り付けた図4に示したようなエンジン191も、主体金具111の先端面から軸線方向の先端側に向かって突出する液滴燃料誘導部271を有し、しかも、液滴燃料誘導部271は、接地電極161の片側に隣接して固設されているので、上記実施形態1と同様に、液滴燃料は、液滴燃料誘導部271によって効率よく先端方向に誘導される。このため、中心電極151と接地電極161の火花放電間隙に液滴燃料によるブリッジが形成されにくくなる。また、カーボンブリッジの形成も抑制される。その結果、従来に比して、スパークプラグ201の失火やエンジン191のラフアイドルを効果的に抑制できる。また、液滴燃料誘導部271の先端(他端部271Q)が、絶縁体131の先端面132と中心電極151の先端面との間に位置するため、液滴燃料を効率的に誘導し、ブリッジの形成を抑制できると共に、スパークプラグ201の着火性も十分に確保できる。
さらに、本実施形態では、液滴燃料誘導部271が、軸線方向の先端側に向かって先細りの形状とされているため、液滴燃料が、上記実施形態1のスパークプラグ101よりも、さらに効率よく、液滴燃料誘導部271によって誘導される。従って、液滴燃料によるブリッジがより形成されにくくなり、スパークプラグ201の失火やエンジン191のラフアイドルをさらに効果的に抑制できる。
【0043】
なお、本実施形態では、先端先細りの液滴燃料誘導部271の形状をくさび形としているが、これに限らず、先端先細りの液滴燃料誘導部271の形状を、例えば、円錐、三角錐や四角錐等の多角錐などとすることもできる。このようにしても、火花放電間隙に液滴燃料によるブリッジが形成されるのを効果的に抑制し、スパークプラグ201の失火やエンジン191のラフアイドルを効果的に抑制できる。
【0044】
(実施形態3)
次いで、第3の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、上記実施形態1または2と同様な部分の説明は、省略または簡略化する。
本実施形態に係るスパークプラグ701の先端付近の部分拡大図を図7及び図8に示す。このスパークプラグ701は、液滴燃料誘導部(液滴燃料第1誘導部)771が、主体金具111の先端(先端面)の2カ所に形成されている点が、上記実施形態1,2と異なる。また、中心電極751の先端部分の形状が、上記実施形態1,2の中心電極151と異なる。それ以外の部分は、上記実施形態1と同様であるので、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0045】
本実施形態の中心電極751の先端部分(絶縁体131の先端面132から突出した部分)は、先端部753をなす小径な円柱部と、これよりも径大な円柱部と、これらの間に位置するテーパ部とからなる。この中心電極751も、上記実施形態1,2と同様に、絶縁体131の先端面132から約1.5mm突出している。
【0046】
また、本実施形態の液滴燃料誘導部771は、主体金具111の先端(先端面)の2カ所に形成されている。具体的には、液滴燃料誘導部771は、接地電極171の両隣に接地電極171に隣接してそれぞれ形成されている。これらの液滴燃料誘導部771は、その一端771Pが、主体金具111の先端(先端面)のうち、接地電極161の一端161Pが固設された位置に隣接して固設(接合)され、他端部771Qは、軸線方向の先端側に向かって突出している。液滴燃料誘導部771の形状は、それぞれくさび形であり、軸線方向の先端側に向かって先細りの形状とされている。これら液滴燃料誘導部771の高さは、上記実施形態1,2と同様に、約2.5mmである。従って、本実施形態においても、液滴燃料誘導部771の先端(他端部771Q)は、いずれも、軸線方向に見て、絶縁体131の先端面132と中心電極751の先端面との間に位置している。
【0047】
このようなスパークプラグ701及びこれを取り付けた図4に示したようなエンジン191も、主体金具111から軸線方向の先端側に向かって突出する液滴燃料誘導部771を有し、しかも、液滴燃料誘導部771は、軸線方向の先端側に向かって先細りの形状とされているので、上記実施形態2と同様に、液滴燃料は、液滴燃料誘導部771によって効率よく先端方向に誘導される。このため、中心電極751と接地電極161の火花放電間隙に液滴燃料によるブリッジが形成されにくくなる。また、カーボンブリッジの形成も抑制される。その結果、従来に比して、スパークプラグ701の失火やエンジン191のラフアイドルを効果的に抑制できる。また、液滴燃料誘導部771の先端(他端部771Q)が、絶縁体131の先端面132と中心電極751の先端面との間に位置するため、液滴燃料を効率よく誘導し、ブリッジの形成を抑制できると共に、スパークプラグ701の着火性も十分に確保できる。
加えて、本実施形態では、液滴燃料誘導部771が、接地電極161の両隣に隣接して固設されているため、接地電極161を伝わろうとする液滴燃料が、2つの液滴燃料誘導部771によってより効果的に誘導される。従って、火花放電間隙に液滴燃料によるブリッジがより形成されにくくなり、その結果、スパークプラグ701の失火やエンジン191のラフアイドルをより効果的に抑制できる。
【0048】
なお、本実施形態では、液滴燃料誘導部771の形状をくさび形としているが、これに限らず、液滴燃料誘導部771の形状を、例えば、円錐、三角錐や四角錐等の多角錐、円柱、三角柱や四角柱等の多角柱などとすることもできる。このようにしても、火花放電間隙に液滴燃料によるブリッジが形成されるのを効果的に抑制し、スパークプラグ701の失火やエンジン191のラフアイドルを効果的に抑制できる。
【0049】
(実施形態4)
次いで、第4の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、上記実施形態1〜3のいずれかと同様な部分の説明は、省略または簡略化する。
本実施形態に係るスパークプラグ1101の先端付近の部分拡大図を図9及び図10に示す。このスパークプラグ1101は、接地電極161に液滴燃料誘導部(液滴燃料第2誘導部)1171を有する点が、上記実施形態1〜3と異なる。それ以外の部分は、上記実施形態1と同様(中心電極751については実施形態3と同様)であるので、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0050】
本実施形態の液滴燃料誘導部1171は、その一端1171Pが接地電極161に固設(接合)され、他端部1171Qが軸線方向の先端側に向かって突出している。具体的には、液滴燃料誘導部1171は、接地電極161の他端部161Qに固設され、中心電極751の軸線上に位置する。液滴燃料誘導部1171の形状は、くさび形であり、軸線方向の先端側に向かって先細りの形状とされている。液滴燃料誘導部1171の高さは約1.0mmである。
【0051】
このようなスパークプラグ1101及びこれを取り付けた図4に示したようなエンジン191は、接地電極161の他端部161Qから軸線方向の先端側に向かって突出する液滴燃料誘導部1171を有する。このため、エンジン191を低温始動させた際に、霧化されない液滴燃料が燃焼室の内壁面やスパークプラグ1101に付着し、接地電極161をその一端161Pから他端部161Qまで伝わっても、その後、液滴燃料誘導部1171によって効率よく誘導される。従って、火花放電間隙に液滴燃料によるブリッジが形成されにくくなる。また、カーボンブリッジの形成も抑制される。その結果、従来に比して、スパークプラグ1101の失火やエンジン191のラフアイドルを効果的に抑制できる。
しかも、液滴燃料誘導部1171は、軸線方向の先端側に向かって先細りの形状とされている。従って、液滴燃料は、液滴燃料誘導部1171によって、より効率よく先端方向に誘導されるため、火花放電間隙に液滴燃料によるブリッジがより形成されにくくなる。また、カーボンブリッジの形成もより抑制される。その結果、従来に比して、スパークプラグ1101の失火やエンジン191のラフアイドルをさらに効果的に抑制できる。
【0052】
なお、本実施形態では、液滴燃料誘導部1171の形状をくさび形としているが、これに限らず、液滴燃料誘導部1171の形状を、例えば、円錐、三角錐や四角錐等の多角錐、円柱、三角柱や四角柱等の多角柱などとすることもできる。このようにしても、火花放電間隙に液滴燃料によるブリッジが形成されるのを効果的に抑制し、スパークプラグ1101の失火やエンジン191のラフアイドルを効果的に抑制できる。
【0053】
(実施形態5)
次いで、第5の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、上記実施形態1〜4のいずれかと同様な部分の説明は、省略または簡略化する。
本実施形態に係るスパークプラグ901の先端付近の部分拡大図を図11及び図12に示す。このスパークプラグ901は、主体金具111に液滴燃料誘導部(液滴燃料第3誘導部)971が接合され、さらに、その液滴燃料誘導部971に接地電極961を有する点が、上記実施形態1〜4と異なる。それ以外の部分は、上記実施形態1と同様(中心電極751については実施形態3と同様)であるので、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0054】
本実施形態の液滴燃料誘導部971は、その一端971Pが、主体金具111の先端(先端面)に固設(接合)され、他端部971Qは、軸線方向の先端側に向かって突出している。液滴燃料誘導部971は、四角柱をなす。
また、本実施形態の接地電極961は、その一端961Pが液滴燃料誘導部971の他端971Sと間隔をおいて液滴燃料誘導部971に固設(接合)され、具体的には、液滴燃料誘導部971の軸線方向中央よりもやや先端側の部分に接合され、他端部961Qは、中心電極771の先端部753と火花放電間隙を隔てた位置に配置されている。
【0055】
このようなスパークプラグ901及びこれを取り付けた図4に示したようなエンジンは、主体金具111の先端に接合され、主体金具111から軸線方向の先端側に向かって突出する液滴燃料誘導部971を有する。従って、液滴燃料が燃焼室の内壁面やスパークプラグ901に付着して接地電極961を伝わろうとしても、液滴燃料誘導部971によって効率よく誘導されるので、液滴燃料が接地電極961を伝わりにくくなり、火花放電間隙に液滴燃料によるブリッジが形成されにくくなる。また、カーボンブリッジの形成も抑制される。その結果、従来に比して、スパークプラグ901の失火やエンジン191のラフアイドルを効果的に抑制できる。
【0056】
なお、本実施形態では、液滴燃料誘導部971の形状を四角柱としているが、これに限らず、液滴燃料誘導部971の形状を、例えば、くさび形、円錐、三角錐や四角錐等の多角錐、円柱、三角柱や四角柱等の多角柱などとすることもできる。このようにしても、火花放電間隙に液滴燃料によるブリッジが形成されるのを効果的に抑制し、スパークプラグ901の失火やエンジン191のラフアイドルを効果的に抑制できる。
【0057】
(実施形態6)
次いで、第6の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、上記実施形態1〜5のいずれかと同様な部分の説明は、省略または簡略化する。
本実施形態に係るスパークプラグ1201の先端付近の部分拡大図を図13及び図14に示す。このスパークプラグ1201は、接地電極1261が主体金具111の先端の2カ所に形成されている多極型スパークプラグである。また、中心電極1251の先端部分の形状が、上記実施形態1〜5の中心電極151,751と異なる。また、このスパークプラグ1201は、上記実施形態5と同様に、主体金具111に液滴燃料誘導部(液滴燃料第3誘導部)1271が接合され、さらに、その液滴燃料誘導部1271に接地電極1261を有する。それ以外の部分は、上記実施形態1と同様であるので、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0058】
本実施形態の中心電極1251の先端部(絶縁体131の先端面132から突出した部分)は、円柱状をなす。
また、本実施形態の液滴燃料誘導部1271は、主体金具111の先端の2カ所に形成されている。これらの液滴燃料誘導部1271は、その一端1271Pが主体金具111の先端(先端面)に固設(接合)され、他端部1271Qが軸線方向の先端側に向かって突出している。液滴燃料誘導部1271は、四角柱をなす。
また、本実施形態の接地電極1261は、その一端1261Pが液滴燃料誘導部1271の他端1271Sと間隔をおいて液滴燃料誘導部1271に固設(接合)され、具体的には、液滴燃料誘導部1271の軸線方向中央よりもやや先端側の部分に接合され、他端部1261Qは、中心電極1251の先端部1253と火花放電間隙を隔てた位置に配置されている。
【0059】
このようなスパークプラグ1201及びこれを取り付けた図4に示したようなエンジン191は、主体金具111の先端に接合され、主体金具111から軸線方向の先端側に向かって突出する液滴燃料誘導部1271を有する。従って、上記実施形態5と同様に、液滴燃料は、液滴燃料誘導部1271によって効率よく先端方向に誘導されるため、中心電極1251と接地電極1261の火花放電間隙に液滴燃料によるブリッジが形成されにくくなる。また、カーボンブリッジの形成も抑制される。その結果、従来に比して、スパークプラグ1201の失火やエンジン191のラフアイドルを効果的に抑制できる。
【0060】
なお、本実施形態では、液滴燃料誘導部1271の形状を四角柱としているが、これに限らず、液滴燃料誘導部1271の形状を、例えば、くさび形、円錐、三角錐や四角錐等の多角錐、円柱、三角柱や四角柱等の多角柱などとすることもできる。このようにしても、火花放電間隙に液滴燃料によるブリッジが形成されるのを効果的に抑制し、スパークプラグ1201の失火やエンジン191のラフアイドルを効果的に抑制できる。
【0061】
以上において、本発明を実施形態に即して説明したが、本発明は上記実施形態1〜6に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、本発明は、上記実施形態1〜6で例示したスパークプラグ101等の他、いわゆるシェル(主体金具)突き出しタイプのスパークプラグや、いわゆるセミ沿面タイプのスパークプラグにも適用可能である。スパークプラグのタイプが異なっても、上述したような液滴燃料誘導部171等を設けることによって、液滴燃料をこれらで誘導し、中心電極151等と接地電極161等との間で液滴燃料によるブリッジの形成を効果的に抑制できるようになる。
【0062】
また、上記実施形態1〜6では、液滴燃料誘導部として、液滴燃料第1誘導部171等、液滴燃料第2誘導部1171及び液滴燃料第3誘導部971等のうち、いずれか1種のみを設けているが、これらのうち2種以上を組み合わせて設けることもできる。このようにすれば、より効果的に液滴燃料を誘導することが可能となる。
また、上記実施形態1〜6では、中心電極151等の先端部153等が絶縁体131の先端面132から突出するスパークプラグを例示したが、中心電極151等の先端部153等が絶縁体131の先端面132に位置するグロープラグについても、本発明を適用できる。
【0063】
また、上記実施形態1〜6では、スパークプラグ101等をその先端部を下向きにして取り付けた直列型エンジンについて説明したが、例えば、V型エンジンの場合のように、スパークプラグ101等の先端部を斜め下向きにして取り付けたエンジンについても、上記実施形態1〜6と同様な効果を得ることができる。
また、上記実施形態1〜3では、単極型のスパークプラグに液滴燃料第1誘導部171等を設けた例を示したが、多極型のスパークプラグに液滴燃料第1誘導部171等を設けることもできる。このようなものでも、液滴燃料第1誘導部171等によって液滴燃料を効果的に誘導できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1に係るスパークプラグの断面図である。
【図2】実施形態1に係るスパークプラグの先端付近の部分拡大図である。
【図3】実施形態1に係るスパークプラグの先端付近の部分拡大図である。
【図4】実施形態1に係るエンジンの部分断面図である。
【図5】実施形態2に係るスパークプラグの先端付近の部分拡大図である。
【図6】実施形態2に係るスパークプラグの先端付近の部分拡大図である。
【図7】実施形態3に係るスパークプラグの先端付近の部分拡大図である。
【図8】実施形態3に係るスパークプラグの先端付近の部分拡大図である。
【図9】実施形態4に係るスパークプラグの先端付近の部分拡大図である。
【図10】実施形態4に係るスパークプラグの先端付近の部分拡大図である。
【図11】実施形態5に係るスパークプラグの先端付近の部分拡大図である。
【図12】実施形態5に係るスパークプラグの先端付近の部分拡大図である。
【図13】実施形態6に係るスパークプラグの先端付近の部分拡大図である。
【図14】実施形態6に係るスパークプラグの先端付近の部分拡大図である。
【符号の説明】
101,201,701,901,1101,1201 スパークプラグ
111 主体金具
131 絶縁体
132 (絶縁体の)先端面
151,751,1251 中心電極
153,753,1253 (中心電極の)先端部
161,961,1261 接地電極
161P,961P,1261P (接地電極の)一端
161Q,961Q,1261Q (接地電極の)他端部
171,271,771 液滴燃料誘導部(液滴燃料第1誘導部)
971 液滴燃料誘導部(液滴燃料第2誘導部)
1171,1271 液滴燃料誘導部(液滴燃料第3誘導部)
171P,271P,771P,971P,1171P,1271P (液滴燃料誘導部の)一端
171Q,271Q,771Q,971Q,1171Q,1271Q (液滴燃料誘導部の)他端部
191 エンジン
194 シリンダーヘッド

Claims (11)

  1. 筒状の主体金具と、
    前記主体金具によって周囲が取り囲まれ、軸線方向に軸孔を有する筒状の絶縁体と、
    前記絶縁体の軸孔に保持され、前記絶縁体の先端部に配設された中心電極と、
    一端が前記主体金具の先端面に接合され、他端部が前記中心電極と火花放電間隙を隔てて配置された接地電極と、
    前記接地電極の少なくとも片側に隣接して設けられ、一端が前記主体金具の先端面に接合され、前記軸線方向の先端側に向かって突出する液滴燃料第1誘導部と、
    を備えるスパークプラグ。
  2. 請求項2に記載のスパークプラグであって、
    前記液滴燃料第1誘導部は、前記接地電極の両側に隣接して設けられてなるスパークプラグ。
  3. 請求項1または請求項2に記載のスパークプラグであって、
    前記液滴燃料第1誘導部は、前記軸線方向の先端側に向かって先細りの形状とされてなる
    スパークプラグ。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のスパークプラグであって、
    前記中心電極の先端部は、前記絶縁体の先端面から突出し、
    前記液滴燃料第1誘導部の先端は、前記軸線方向に見て、前記絶縁体の先端面と前記中心電極の先端面との間に位置する
    スパークプラグ。
  5. 筒状の主体金具と、
    前記主体金具によって周囲が取り囲まれ、軸線方向に軸孔を有する筒状の絶縁体と、
    前記絶縁体の軸孔に保持され、前記絶縁体の先端部に配設された中心電極と、
    一端が前記主体金具の先端面に接合され、他端部が前記中心電極と火花放電間隙を隔てて配置された接地電極と、
    一端が前記接地電極の他端部に接合され、前記軸線方向の先端側に向かって突出する液滴燃料第2誘導部と、
    を備えるスパークプラグ。
  6. 請求項5に記載のスパークプラグであって、
    前記液滴燃料第2誘導部は、前記軸線方向の先端側に向かって先細りの形状とされてなる
    スパークプラグ。
  7. 筒状の主体金具と、
    前記主体金具によって周囲が取り囲まれ、軸線方向に軸孔を有する筒状の絶縁体と、
    前記絶縁体の軸孔に保持され、前記絶縁体の先端部に配設された中心電極と、
    一端が前記主体金具の先端面に接合され、前記軸線方向の先端側に向かって突出する液滴燃料第3誘導部と、
    一端が前記液滴燃料第3誘導部の他端と間隔をおいて前記液滴燃料第3誘導部に接合され、他端部が前記中心電極と火花放電間隙を隔てて配置された接地電極と、
    を備えるスパークプラグ。
  8. 請求項7に記載のスパークプラグであって、
    前記液滴燃料第3誘導部は、前記軸線方向の先端側に向かって先細りの形状とされてなる
    スパークプラグ。
  9. 筒状の主体金具と、
    前記主体金具によって周囲が取り囲まれ、軸線方向に軸孔を有する筒状の絶縁体と、
    前記絶縁体の軸孔に保持され、前記絶縁体の先端部に配設された中心電極と、
    一端が前記主体金具の先端面に接合され、他端部が前記中心電極と火花放電間隙を隔てて配置された接地電極と、
    前記接地電極の少なくとも片側に隣接して設けられ、一端が前記主体金具の先端面に接合され、前記軸線方向の先端側に向かって突出する液滴燃料第1誘導部と、
    を備えるスパークプラグが、使用時に前記液滴燃料第1誘導部の先端部が下方または斜め下方に向くように、自身のシリンダーヘッドに取り付けられてなる
    エンジン。
  10. 筒状の主体金具と、
    前記主体金具によって周囲が取り囲まれ、軸線方向に軸孔を有する筒状の絶縁体と、
    前記絶縁体の軸孔に保持され、前記絶縁体の先端部に配設された中心電極と、
    一端が前記主体金具の先端面に接合され、他端部が前記中心電極と火花放電間隙を隔てて配置された接地電極と、
    一端が前記接地電極の他端部に接合され、前記軸線方向の先端側に向かって突出する液滴燃料第2誘導部と、
    を備えるスパークプラグが、使用時に前記液滴燃料第2誘導部の先端部が下方または斜め下方に向くように、自身のシリンダーヘッドに取り付けられてなる
    エンジン。
  11. 筒状の主体金具と、
    前記主体金具によって周囲が取り囲まれ、軸線方向に軸孔を有する筒状の絶縁体と、
    前記絶縁体の軸孔に保持され、前記絶縁体の先端部に配設された中心電極と、
    一端が前記主体金具の先端面に接合され、前記軸線方向の先端側に向かって突出する液滴燃料第3誘導部と、
    一端が前記液滴燃料第3誘導部の他端と間隔をおいて前記液滴燃料第3誘導部に接合され、他端部が前記中心電極と火花放電間隙を隔てて配置された接地電極と、
    を備えるスパークプラグが、使用時に前記液滴燃料第3誘導部の先端部が下方または斜め下方に向くように、自身のシリンダーヘッドに取り付けられてなる
    エンジン。
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