JP2017174758A - 内燃機関用のスパークプラグ - Google Patents

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文明 青木
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Abstract

【課題】着火性を向上させやすい内燃機関用のスパークプラグを提供すること。【解決手段】内燃機関用のスパークプラグ1は、筒状のハウジング2と筒状の絶縁碍子3と中心電極4と接地電極7とを有する。絶縁碍子3は、ハウジング2の内側に保持されている。中心電極4は、先端部が突出するように絶縁碍子3の内側に保持されている。接地電極7は、中心電極4との間に火花放電ギャップGを形成する。中心電極4は、電極母材5と電極母材5の先端に接合された貴金属チップ6とを有する。貴金属チップ6は、基端側に向かうほど外径が大きくなる形状を有する。貴金属チップ6の中心軸を含む断面において、貴金属チップ6の外周面61は、滑らかな形状を有する。貴金属チップ6は、プラグ軸方向Zに直交する断面形状が多角形である。【選択図】図2

Description

本発明は、貴金属チップを有する中心電極を備えた内燃機関用のスパークプラグに関する。
自動車のエンジン等の内燃機関における着火手段として用いられるスパークプラグとして、プラグ軸方向に中心電極と接地電極とを対向させた火花放電ギャップを形成したものがある。かかるスパークプラグは、火花放電ギャップに火花放電を生じさせることにより、燃焼室内の混合気に着火することができる。
そして、特許文献1には、スパークプラグとして、電極母材とその先端に接合された貴金属チップとを有する中心電極を備えたものが開示されている。そして、特許文献1に記載のスパークプラグは、貴金属チップを起点として放電を発生させることにより、電極消耗の抑制を図ろうとしている。
上記のようなスパークプラグにおける混合気への着火の機構は以下の通りである。
まず、中心電極と接地電極との間にパルス電圧を印加し、火花放電ギャップに初期の火花放電を発生させる。この火花放電によって生じた放電火花は、燃焼室内の混合気の気流により、放電火花の両起点間の部位が下流側に引き伸ばされる。このように、放電火花が引き伸ばされることにより、放電火花と混合気との接触領域を稼ぎ、混合気への着火性を向上させることができる。
特開2009−129908号公報
しかしながら、特許文献1に記載のスパークプラグは、貴金属チップが円柱形状を有し、プラグ軸方向と平行に形成されている。そのため、貴金属チップの先端面の端縁付近に電界が集中しやすい。それゆえ、火花放電ギャップに生じた放電火花が混合気の気流によって流されても、放電火花の中心電極側の起点は、貴金属チップの先端面の端縁にとどまりやすい。それゆえ、放電火花が混合気の気流によって流されても、放電火花の一対の起点間の距離が増加し難い。そのため、放電火花の中間部を下流側に大きく引き伸ばし難くなる。すなわち、放電火花の中間部が、急角度で折れ曲がることは困難であるため、プラグ軸方向における放電火花の両起点間の距離が短いと、放電火花は早期に短絡しやすくなってしまう。それゆえ、上記スパークプラグにおいては、着火性を向上させ難い。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、着火性を向上させやすい内燃機関用のスパークプラグを提供しようとするものである。
本発明の一態様は、筒状のハウジング(2)と、
該ハウジングの内側に保持された筒状の絶縁碍子(3)と、
先端部が突出するように上記絶縁碍子の内側に保持された中心電極(4)と、
該中心電極との間に火花放電ギャップ(G)を形成する接地電極(7)と、を有し、
上記中心電極は、電極母材(5)と、該電極母材の先端に接合された貴金属チップ(6)と、を有し、
該貴金属チップは、基端側に向かうほど外径が大きくなる形状を有し、
上記貴金属チップの中心軸を含む断面において、上記貴金属チップの外周面(61)は、滑らかな形状を有し、
上記貴金属チップは、プラグ軸方向に直交する断面形状が多角形である、内燃機関用のスパークプラグ(1)にある。
上記内燃機関用のスパークプラグは、貴金属チップが、基端側に向かうほど外径が大きくなる形状を有する。それゆえ、貴金属チップの先端面の端縁付近の電界強度を抑制しやすい。それゆえ、貴金属チップの先端面の端縁付近の電界強度が、貴金属チップの基端部周辺の電界強度と比べ、相対的に高くなりすぎることを抑制することができる。これにより、放電火花における中心電極側の起点が、貴金属チップの先端面から外周面に移動しやすくなる。そして、貴金属チップの中心軸を含む断面において、貴金属チップの外周面は、滑らかな形状を有する。それゆえ、放電火花における中心電極側の起点が、貴金属チップの外周面上を基端側に向って移動しやすい。これにより、プラグ軸方向における放電火花の両起点間の距離を増やすことができる。そのため、放電火花を、燃焼室内の混合気の下流側に大きく引き伸ばしやすい。その結果、放電火花から混合気への着火性を向上させることができる。
さらに、貴金属チップは、プラグ軸方向に直交する断面が多角形である。それゆえ、貴金属チップにおける周方向の一部に、角部を形成することができる。これにより、貴金属チップの周囲の電界強度を、角部付近において高くすることができる。そのため、角部が混合気の気流の下流側を向くように、スパークプラグを燃焼室内に設置すると、火花放電ギャップに生じた放電火花の中心電極側の起点は、上記角部上を這うように基端側に移動しやすくなる。このように、放電火花の中心電極側の起点が、周囲の電界強度が高い角部上を移動しやすいため、混合気の気流によって放電火花が吹き消えることを抑制しやすい。
以上のごとく、本態様によれば、着火性を向上させやすい内燃機関用のスパークプラグを提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
実施形態1における、内燃機関用のスパークプラグの全体断面図。 実施形態1における、スパークプラグの火花放電ギャップ周辺の拡大正面図。 図2の、III−III線矢視断面図。 図2の、IV−IV線矢視断面図。 実施形態1における、中心電極を先端側から見た図。 実施形態1における、点火装置のスパークプラグ先端部周辺の拡大正面図であって、初期の放電火花を表した図。 実施形態1における、点火装置のスパークプラグ先端部周辺の拡大正面図であって、放電火花の中心電極側起点が、貴金属チップの外周面に移動したときの様子を示す図。 実施形態1における、点火装置のスパークプラグ先端部周辺の拡大正面図であって、放電火花の中心電極側起点が、母材先端部の外周面に移動したときの様子を示す図。 実施形態2における、スパークプラグの火花放電ギャップ周辺の拡大正面図。 図9の、A−A線矢視断面図。 図9の、XI−XI線矢視断面図。 図9の、XII−XII線矢視断面図。 実施形態3における、スパークプラグの火花放電ギャップ周辺の拡大正面図。 図10の、XIV−XIV線矢視断面図。 従来のスパークプラグにおける、火花放電ギャップ周辺の拡大正面図。 実験例における、起点移動距離と放電長さLとの関係を示した線図。 実験例における、放電長さLとA/F限界値との関係を示した線図。
(実施形態1)
内燃機関用のスパークプラグに係る実施形態について、図1〜図8を参照して説明する。
本実施形態の内燃機関用のスパークプラグ1は、図1に示すごとく、筒状のハウジング2と筒状の絶縁碍子3と中心電極4と接地電極7とを有する。絶縁碍子3は、ハウジング2の内側に保持されている。図1〜図3に示すごとく、中心電極4は、先端部が突出するように絶縁碍子3の内側に保持されている。接地電極7は、中心電極4との間に火花放電ギャップGを形成する。
中心電極4は、電極母材5と電極母材5の先端に接合された貴金属チップ6とを有する。貴金属チップ6は、基端側に向かうほど外径が大きくなる形状を有する。貴金属チップ6の中心軸を含む断面において、貴金属チップ6の外周面61は、滑らかな形状を有する。図4に示すごとく、貴金属チップ6は、プラグ軸方向Zに直交する断面形状が多角形である。なお、以下において、貴金属チップ6の中心軸を含む断面を、中心軸断面ということもある。図3において、中心軸断面の一例を示している。
スパークプラグ1は、例えば、自動車、コージェネレーション等の内燃機関における着火手段として用いることができる。プラグ軸方向Zにおいて、スパークプラグ1の一端は、図示しない点火コイルと接続され、他端は、内燃機関の燃焼室内に配される。なお、本明細書においては、スパークプラグ1の中心軸が延びる方向をプラグ軸方向Zという。また、プラグ軸方向Zの一方であり、スパークプラグ1における点火コイルと接続される側を基端側といい、その反対側であり、スパークプラグ1における燃焼室内に配される側を先端側という。スパークプラグ1の径方向を、プラグ径方向という。
図1に示すごとく、ハウジング2には、スパークプラグ1をエンジンヘッドに設けられた雌ネジ孔に取り付けるための取付ネジ部21が形成されている。絶縁碍子3は、先端部と基端部とをハウジング2から突出させつつ、ハウジング2に保持されている。
絶縁碍子3は、略円筒形状を有する。絶縁碍子3は、基端側に形成された碍子大径部31と、その先端側に形成され、碍子大径部31よりも内径が小さい碍子小径部33とを有する。また、碍子大径部31と碍子小径部33との間には、双方をつなぐように段差部32が形成されている。
絶縁碍子3の内側に、中心電極4が挿通配置されている。中心電極4の電極母材5は、全体として略円柱形状を呈している。電極母材5は、基端部に、その先端側の部位よりもプラグ径方向に突出した鍔部52が形成されている。鍔部52は、絶縁碍子3の段差部32にプラグ軸方向Zに支承されている。これにより、中心電極4は、絶縁碍子3の内側において、プラグ軸方向Zに位置決めされている。なお、図5は、中心電極4を先端側から見た正面図であるが、鍔部52の図示は省略している。
図1〜図3に示すごとく、電極母材5の先端であり、貴金属チップ6が接合された母材先端部51は、基端側に向かうにつれて外径が大きくなる形状を有する。図3に示すごとく、本実施形態において、中心軸断面における、母材先端部51の外周面511は、基端側に向かうにつれて、プラグ径方向の外側に向かうように傾斜した直線状に形成されている。このように、母材先端部51の外周面511は、中心軸断面において、角を有さない滑らかな形状となっている。また、図5に示すごとく、母材先端部51は、プラグ軸方向Zに直交する断面形状が円形である。図2、図3に示すごとく、母材先端部51の先端に、貴金属チップ6が溶接されている。
上述のごとく、貴金属チップ6は、基端側に向うほど外径が大きくなる形状を有する。本実施形態において、貴金属チップ6は、角錐台形状を有する。すなわち、図3に示すごとく、貴金属チップ6は、中心軸断面において、基端側の辺が先端側の辺よりも長い等脚台形形状を有すると共に、図5に示すごとく、プラグ軸方向Zに直交する断面形状が多角形である。また、図3に示すごとく、中心軸断面において、貴金属チップ6の先端面63と外周面61とが、中心電極4の内側になす角は、鈍角である。
図4に示すごとく、本実施形態において、上記断面形状は正多角形である。また、上記断面形状は、偶数角形である。すなわち、貴金属チップ6は、プラグ軸方向Zに直交する断面形状が、正偶数角形である。
具体的には、貴金属チップ6におけるプラグ軸方向Zに直交する断面形状を正方形としている。貴金属チップ6は、プラグ軸方向Zに直交する断面形状において、4つの角部62を有する。なお、図4において、接地チップの図示は、省略している。
図3に示すごとく、貴金属チップ6は、中心軸断面において、外周面61の形状が直線状である。つまり、貴金属チップ6の角部62を含む外周面61は、中心軸断面において、基端側に向かうにつれて、プラグ径方向の外側に向かうように傾斜した直線状に形成されている。このように、貴金属チップ6の外周面61は、中心軸断面において、角を有さない滑らかな形状となっている。
図2、図3、図5に示すごとく、母材先端部51の先端面と貴金属チップ6の基端面64とは、最大外径の大きさが同じである。そして、貴金属チップ6は、基端面64の4つの角部62を、母材先端部51の先端面の端縁に合わせるように、母材先端部51に接合されている。
図2、図4に示すごとく、貴金属チップ6は、対向部72の延設方向Xとプラグ軸方向Zとの双方に直交する直交方向Yに、プラグ軸方向Zに直交する断面形状の多角形の角部62を向けて配されている。本実施形態において、貴金属チップ6は、直交方向Yの両側を向く一対の角部62を有する。
図2に示すごとく、中心電極4の先端部は、絶縁碍子3から先端側に突出している。本実施形態においては、中心電極4における貴金属チップ6の全体と母材先端部51の一部とが、絶縁碍子3から先端側に突出している。
電極母材5と貴金属チップ6とは、互いに異なる金属材料からなる。貴金属チップ6は、例えばIr合金やPt合金等の貴金属からなる。また、電極母材5は、例えばCu等からなる芯材と、その外周及び先端を覆うNi基合金等の被覆材とからなる。
図1〜図3に示すごとく、ハウジング2の先端面に、接地電極7が配されている。接地電極7は、ハウジング2の先端から先端側へ立設した立設部71と、立設部71からプラグ径方向の内側へ屈曲して延設され、中心電極4とプラグ軸方向Zに対向する対向部72とを有する。対向部72の基端側の面には、接地チップ73が接合されている。接地チップ73は、中心電極4の貴金属チップ6の先端面63とプラグ軸方向Zに対向している。接地チップ73は、例えばIr合金やPt合金等の貴金属からなる。
図1に示すごとく、絶縁碍子3の内側において、中心電極4の基端側には、ガラスシール12を介して抵抗体13が配置されている。ガラスシール12は、例えばガラスに銅粉を混入させてなる銅ガラスからなる。抵抗体13は、例えばカーボン又はセラミック粉末等の抵抗材及びガラス粉末を含むレジスタ組成物を加熱封着することにより形成することができる。そして、抵抗体13の基端側には、銅ガラスからなるガラスシール12を介して、ステム14が配されている。ステム14はその基端部を絶縁碍子3の基端側に突出させている。また、ステム14は、例えば鉄合金からなる。
次に、本実施形態のスパークプラグ1を取り付けた内燃機関の一例について説明する。
図6に示すごとく、スパークプラグ1は、取付ネジ部21において、エンジンヘッド11に設けられた雌ネジ孔に螺合される。これにより、スパークプラグ1がエンジンヘッド11に締結固定される。さらに、スパークプラグ1の先端部が燃焼室10内に配される。このとき、プラグ軸方向Zから見たときの火花放電ギャップGと接地電極7の立設部71との並び方向が、スパークプラグ1の先端部付近を通過する混合気の気流Fの向きと直交する方向となるようにする。これにより、接地電極7の立設部71が火花放電ギャップGの上流側にも下流側にも位置しない。また、対向部72の延設方向Xとプラグ軸方向Zとの双方に直交する直交方向Yを向いた一対の角部62のうち、一方の角部62が、下流側を向く。本明細書において、単に下流側といったときは、特に断らない限りスパークプラグ1の先端部付近の気流Fの下流側を意味し、単に上流側といったときは、特に断らない限りスパークプラグ1の先端部付近の上流側を意味しているものとする。
次に、図6〜図8を用いて、放電火花Sの起点が移動する様子の一例について説明する。
図6に示すごとく、中心電極4と接地電極7との間に所定の電圧を印加することにより、火花放電ギャップGに火花放電が生じる。そして、図6〜図8に示すごとく、火花放電によって生じた放電火花Sは、気流Fによって経時的に下流側に引き伸ばされながら、経時的に放電火花Sの中心電極4側の起点が移動する。なお、以下において、放電火花Sの中心電極4側の起点を中心電極側起点S1ということもある。
図6に示すごとく、まず、火花放電Sは、貴金属チップ6と接地チップ73とにおける、互いの対向面を起点として生じる。つまり、初期の中心電極側起点S1は、貴金属チップ6の先端面63となる。なお、図6に示すごとく、角となってその周囲に電界が集中しやすい先端面63の端縁が、初期の中心電極側起点S1となりやすい。
次に、中心電極側起点S1は、図7に示すごとく、気流Fに押されて、先端面63から、先端面63の下流側に形成された外周面61の角部62に移動する。そして、中心電極側起点S1は、外周面61の角部62を這うように、下流側に移動する。これに伴い、中心電極側起点S1は、基端側にも移動する。次に、図8に示すごとく、中心電極側起点S1は、気流Fに押されて、貴金属チップ6の外周面61の角部62から、外周面61の下流側に形成された母材先端部51の外周面511に移動する。そして、母材先端部51の外周面511を這うように、下流側に移動する。これに伴い、中心電極側起点S1は、さらに基端側にも移動する。以上のように、中心電極側起点S1は、下流側、及び基端側に移動する。そして、図6〜図8に示すごとく、中心電極側起点S1の移動に伴い、放電火花Sは、両起点間の部位が下流側に大きく引き伸ばされる。
次に、本実施形態の作用効果につき説明する。
内燃機関用のスパークプラグ1は、貴金属チップ6が、基端側に向かうほど外径が大きくなる形状を有する。それゆえ、貴金属チップ6の先端面63の端縁付近の電界強度を抑制しやすい。本実施形態において、中心軸断面における貴金属チップ6の先端面63と外周面61とが中心電極4の内側になす角は、鈍角である。それゆえ、中心軸断面において、貴金属チップの先端面と外周面とが、中心電極の内側になす角が直角となる形状(例えば、円柱形状や多角柱形状)を有する貴金属チップと比べ、貴金属チップ6の先端面63の端縁付近の電界強度と、貴金属チップ6の基端部周辺の電界強度との差を小さくすることができる。それゆえ、火花放電ギャップGに生じた初期の放電火花Sの中心電極側起点S1は、先端面63の端縁から外周面61に移動しやすい。
そして、中心軸断面において、貴金属チップ6の外周面61は、滑らかな形状を有する。それゆえ、中心電極側起点S1が、貴金属チップ6の外周面61上を基端側に向って移動しやすい。それゆえ、プラグ軸方向Zにおける放電火花Sの両起点間の距離を増やすことができる。そのため、放電火花Sを、燃焼室10内の混合気の下流側に大きく引き伸ばしやすい。その結果、放電火花Sから混合気への着火性を向上させることができる。
さらに、貴金属チップ6は、プラグ軸方向Zに直交する断面が多角形である。それゆえ、貴金属チップ6における周方向の一部に、角部62を形成することができる。これにより、貴金属チップ6の周囲の電界強度を、角部62付近において高くすることができる。そのため、角部62が混合気の気流の下流側を向くように、スパークプラグ1を燃焼室10内に設置すると、火花放電ギャップGに生じた放電火花Sの中心電極側起点S1は、角部62上を這うように基端側に移動しやすくなる。このように、本実施形態においては、放電火花Sの中心電極側起点S1が、周囲の電界強度が高い角部62上を移動しやすいため、混合気の気流Fによって放電火花Sが吹き消えることを抑制しやすい。
また、貴金属チップ6は、プラグ軸方向Zに直交する断面が偶数角形である。これにより、一対の角部62がプラグ軸方向Zに直交する方向の両側を向いた貴金属チップ6を得やすい。一対の角部62をプラグ軸方向Zに直交する方向の両側に向けることにより、一対の角部62を気流Fの向きと一致させれば、一方の角部62は必ず下流側を向くこととなる。そのため、角部62を下流側に向けて設置しやすいスパークプラグ1を得ることができる。
また、貴金属チップ6は、中心軸断面において、外周面の形状が直線状である。それゆえ、貴金属チップ6を、切削加工等により、容易に形成することができる。それゆえ、貴金属チップ6の生産性を向上することができる。
また、貴金属チップ6は、直交方向Yに角部62を向けて配されている。それゆえ、スパークプラグ1を燃焼室10内に取り付けた状態において、接地電極7の立設部71が火花放電ギャップGの上流側にも下流側にも位置することなく、角部62が下流側を向いた状態を得ることができる。それゆえ、火花放電ギャップGに流れる混合気の流れが立設部71によって阻害されることを防止しながら、上述の吹き消え抑制の効果を得ることができるため、一層放電火花Sを引き伸ばしやすい。その結果、一層混合気への着火性を向上させることができる。
以上のごとく、本実施形態によれば、着火性を向上させやすい内燃機関用のスパークプラグを提供することができる。
(実施形態2)
本実施形態は、図9〜図12に示すごとく、貴金属チップ6及び母材先端部51のそれぞれにおける、プラグ軸方向Zに直交する断面形状が多角形となる実施形態である。
図11に示すごとく、貴金属チップ61は、プラグ軸方向Zに直交する断面形状が正方形であると共に、図12に示すごとく、母材先端部51も、プラグ軸方向Zに直交する断面形状が正方形である。つまり、本実施形態においては、母材先端部51も、プラグ軸方向Zに直交する断面形状において、4つの角部512を有する。
図9、図10に示すごとく、中心電極4は、貴金属チップ6の外周面61と電極母材5の外周面511とが滑らかにつながっている。本実施形態において、図10に示すごとく、中心軸断面において、貴金属チップ6の角部62を含む外周面61及び母材先端部51の角部512を含む外周面511は、基端側に向かうにつれて、プラグ径方向の外側に向かうように傾斜した直線状に形成されている。すなわち、中心軸断面において、貴金属チップ6の外周面61と、母材先端部51の外周面511とは、プラグ軸方向Zに対する傾きの程度が同程度である。また、母材先端部51の先端面と貴金属チップ6の基端面64とは、同等の形状、大きさを有し、互いの角部512、62を合わせるように接合されている。
その他は、実施形態1と同様である。
なお、実施形態2以降において用いた符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
本実施形態において、中心電極4は、貴金属チップ6の外周面61と電極母材5の外周面511とが滑らかにつながっている。それゆえ、貴金属チップ6の外周面61を這う放電火花Sの中心電極側起点S1を、電極母材5の外周面511に移動させやすい。それゆえ、中心電極側起点S1を一層基端側に移動させることができる結果、プラグ軸方向Zにおける放電火花Sの両起点間の距離を一層増やすことができる。そのため、放電火花Sを一層下流側に大きく引き伸ばしやすく、放電火花Sから混合気への着火性を一層向上させることができる。
また、中心軸断面において、貴金属チップ6の角部62を含む外周面61及び母材先端部51の角部512を含む外周面511が、基端側に向かうにつれてプラグ径方向の外側に向かうように傾斜した直線状を呈している。そのため、放電火花Sの中心電極側起点S1を、一層基端側に移動させやすい。それゆえ、本実施形態においては、混合気への着火性を一層向上させることができる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。
(実施形態3)
本実施形態は、図13、図14に示すごとく、実施形態2に対して、中心軸断面における貴金属チップ6の外周面61及び母材先端部51の外周面511の形状を変更した実施形態である。すなわち、図14に示すごとく、中心軸断面において、貴金属チップ6の外周面61及び母材先端部51の外周面511の形状は、曲線形状となっている。具体的には、中心軸断面において、貴金属チップ6の角部62を含む外周面61及び母材先端部51の角部512を含む外周面511を、基端側に向かうにつれて、プラグ径方向の外側に向って屈曲するような曲線形状としている。
その他、実施形態2と同様であり、実施形態2と同様の作用効果を有する。
(実験例)
本例は、図16に示すごとく、放電火花Sの中心電極側起点S1の移動距離(以下において、適宜、起点移動距離という。)と放電長さLとの関係、及び、図17に示すごとく、放電長さLと着火性との関係を評価した例である。そして、この2つの関係から、起点移動距離と着火性との関係を間接的に評価した。
ここで、起点移動距離は、各サイクルにおける、火花放電発生時の放電火花Sの中心電極側起点S1と、放電火花Sが気流Fによって吹き消される直前の中心電極側起点S1との間の直線距離である。また、放電長さLは、図15に示すごとく、プラグ軸方向Zに直交する方向における放電火花Sの長さである。また、着火性は、A/F限界の値の測定によって調べた。A/F限界とは、正常な燃焼が行われるための限界の空燃比をいい、A/F限界の値が大きいほど、燃焼性能に優れていると言える。なお、本例において、正常な燃焼とは、燃焼変動率が5%以下であることを意味する。燃焼変動率とは、図示平均有効圧Pmiの(標準偏差/平均)×100%で示されるものである。
本例においては、図15に示すごとく、基本構成を実施形態1のスパークプラグ1と同様としつつ、貴金属チップを従来のものに変更したスパークプラグ9を用いて、試験を行った。つまり、このスパークプラグ9は、貴金属チップ96が、プラグ軸方向Zに沿って形成された円柱形状を有する。また、本例においては、このスパークプラグ9を用いて、起点移動距離と放電長さLとの関係を求める試験、及び、放電長さLと着火性との関係を求める試験の2つの試験を行った。
まず、起点移動距離と放電長さLとの関係を評価する試験につき、説明する。
本試験は、スパークプラグ9を実機のエンジンに取り付け、混合気の気流Fの流速を20m/s程度とし、火花放電ギャップGに生じた放電火花Sの起点移動距離及び放電長さLを観測した。これを20サイクル繰り返し、各サイクルにおける起点移動距離及び放電長さLを観測した。その結果を図16に示す。なお、図16において、各サイクルの観測結果を、三角記号でプロットし、各プロットの回帰直線を直線R1で示している。また、図16においては、近似するデータのプロットが重なり合っているため、プロットが20個よりも少なく見える。
図16から、起点移動距離が長くなるほど、放電長さLが長くなる傾向にあることが分かる。つまり、放電火花Sの中心電極側起点S1が移動するほど、放電火花Sが引き伸ばされやすくなることが分かる。
次に、放電長さLと着火性との関係を評価する試験につき、説明する。
本試験においては、上述の起点移動距離と放電長さLとの関係を評価する試験で用いたスパークプラグ9と基本構成を同じくした3つの試料1、試料2、試料3を用意した。
試験条件は、上述の起点移動距離と放電長さLとの関係を評価する試験と同じとした。そして、放電長さLは、各試料において、放電長さを20サイクル繰り返し測定し、その平均値を算出することにより求めた。また、A/F限界の値の測定は、A/Fの値を変化させながら燃焼圧センサーの出力により、燃焼変動率を測定し、A/F限界の値を調べた。結果を図17に示す。なお、図17において、各試料の測定結果を丸記号でプロットし、各プロットの回帰直線を直線R2で示している。
図17から分かるように、放電長さLが長いほど、A/F限界の値が向上していることが分かる。すなわち、放電長さLが長いほど、混合気への着火性が向上することが確認できる。
そして、本例で行った2つの試験から、放電火花Sの中心電極側起点S1が移動するほど、混合気への着火性が向上することが分かる。
なお、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。例えば、実施形態3においては、中心軸断面における貴金属チップの外周面の形状が、基端側に向かうにつれて、プラグ径方向の外側に向かって屈曲するような曲線形状となるものを示したが、これに限られない。すなわち、実施形態3において、中心軸断面おける貴金属チップの外周面61の形状は、プラグ径方向の外側に向かうにつれて、基端側に屈曲するような曲線形状となるものであってもよい。
また、角部は、プラグ軸方向に直交する断面において、直角となっていなくてもよい。また、角部は、プラグ軸方向に直交する断面において、例えばアール状に形成されていてもよい。この場合、例えば、角部を、軸方向の先端側ほど、曲率半径が大きくなるような形状とすることが考えられる。これにより、貴金属チップの先端面の端縁周辺の電界強度が、貴金属チップの基端部の周辺の電界強度よりも高くなることを一層抑制しやすい。その結果、火花放電における中心電極側の起点を、一層基端側に移動しやすくすることができる。
また、貴金属チップの先端面、外周面、母材先端部の外周面、及び、貴金属チップと母材先端部との接合部は、表面加工を施して平面度を向上させることが好ましいが、これに限られない。すなわち、貴金属チップの先端面、外周面、母材先端部の外周面、及び、貴金属チップと母材先端部との接合部は、例えば鋳造、切削等によって滑らかに形成されていれば、表面加工を施しても施さなくてもよい。
1 内燃機関用のスパークプラグ
2 ハウジング
3 絶縁碍子
4 中心電極
5 電極母材
6 貴金属チップ
61 外周面
7 接地電極
G 火花放電ギャップ
Z プラグ軸方向

Claims (5)

  1. 筒状のハウジング(2)と、
    該ハウジングの内側に保持された筒状の絶縁碍子(3)と、
    先端部が突出するように上記絶縁碍子の内側に保持された中心電極(4)と、
    該中心電極との間に火花放電ギャップ(G)を形成する接地電極(7)と、を有し、
    上記中心電極は、電極母材(5)と、該電極母材の先端に接合された貴金属チップ(6)と、を有し、
    該貴金属チップは、基端側に向かうほど外径が大きくなる形状を有し、
    上記貴金属チップの中心軸を含む断面において、上記貴金属チップの外周面(61)は、滑らかな形状を有し、
    上記貴金属チップは、プラグ軸方向に直交する断面形状が多角形である、内燃機関用のスパークプラグ(1)。
  2. 上記貴金属チップは、プラグ軸方向に直交する断面形状が偶数角形である、請求項1に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
  3. 上記中心電極は、上記貴金属チップの外周面(61)と上記電極母材の外周面(511)とが滑らかにつながっている、請求項1又は2に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
  4. 上記貴金属チップは、該貴金属チップの中心軸を含む断面において、上記外周面の形状が直線状である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
  5. 上記接地電極は、上記ハウジングの先端から先端側へ立設した立設部(71)と、該立設部からプラグ径方向の内側へ屈曲して延設され、上記中心電極とプラグ軸方向に対向する対向部(72)とを有し、上記貴金属チップは、上記対向部の延設方向(X)とプラグ軸方向との双方に直交する直交方向(Y)に、上記断面形状の多角形の角部(62)を向けて配されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
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