JP2014238999A - 内燃機関用のスパークプラグ - Google Patents
内燃機関用のスパークプラグ Download PDFInfo
- Publication number
- JP2014238999A JP2014238999A JP2013121711A JP2013121711A JP2014238999A JP 2014238999 A JP2014238999 A JP 2014238999A JP 2013121711 A JP2013121711 A JP 2013121711A JP 2013121711 A JP2013121711 A JP 2013121711A JP 2014238999 A JP2014238999 A JP 2014238999A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ground
- base material
- protrusion
- spark
- electrode
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01T—SPARK GAPS; OVERVOLTAGE ARRESTERS USING SPARK GAPS; SPARKING PLUGS; CORONA DEVICES; GENERATING IONS TO BE INTRODUCED INTO NON-ENCLOSED GASES
- H01T13/00—Sparking plugs
- H01T13/20—Sparking plugs characterised by features of the electrodes or insulation
- H01T13/32—Sparking plugs characterised by features of the electrodes or insulation characterised by features of the earthed electrode
Landscapes
- Spark Plugs (AREA)
Abstract
【課題】母材飛び火を抑制することで、電極の消耗を抑制できるスパークプラグを提供すること。
【解決手段】中心電極2と、中心電極2を内側に保持する絶縁碍子3と、絶縁碍子3を内側に保持するハウジングと、中心電極2との間に火花放電ギャップ11を形成する接地電極5と、を備える内燃機関用のスパークプラグ。接地電極5は、ハウジングに接続された接地母材50と、接地母材50における中心電極2に対向する対向面501から突出した接地突起部51とを有する。接地突起部51は、直径Dが0.9〜1.4mmである。接地突起部51における中心電極2に対向する放電面511の端縁である突起角部512と、接地母材50の対向面501の幅方向の端縁である母材角部502とを最短で結ぶ直線Lが、接地突起部51の軸方向に直交する平面Mとなす角度をθ[°]とする。母材角部502の曲率半径をR[mm]とする。このとき、 θ≧−53R+49 を満たす。
【選択図】図3
【解決手段】中心電極2と、中心電極2を内側に保持する絶縁碍子3と、絶縁碍子3を内側に保持するハウジングと、中心電極2との間に火花放電ギャップ11を形成する接地電極5と、を備える内燃機関用のスパークプラグ。接地電極5は、ハウジングに接続された接地母材50と、接地母材50における中心電極2に対向する対向面501から突出した接地突起部51とを有する。接地突起部51は、直径Dが0.9〜1.4mmである。接地突起部51における中心電極2に対向する放電面511の端縁である突起角部512と、接地母材50の対向面501の幅方向の端縁である母材角部502とを最短で結ぶ直線Lが、接地突起部51の軸方向に直交する平面Mとなす角度をθ[°]とする。母材角部502の曲率半径をR[mm]とする。このとき、 θ≧−53R+49 を満たす。
【選択図】図3
Description
本発明は、内燃機関用のスパークプラグに関する。
自動車のエンジン等の内燃機関における着火手段として用いられるスパークプラグは、中心電極と接地電極とを対向させて火花放電ギャップを形成している。この中心電極と接地電極との間にパルス電圧をかけることにより放電を発生させている。
また、中心電極及び接地電極に貴金属チップが接合されているものがある。この貴金属チップの外径は、小さくすれば着火性が向上するが、一方で耐消耗性が低下する。また、接地電極側の貴金属チップの突出量を大きくすれば、着火性が向上するが、一方で貴金属チップの先端が高温になってしまい耐消耗性が低くなるという問題がある。
そこで、着火性を確保しつつ貴金属チップの耐消耗性を向上させるために、接地電極側の貴金属チップの直径を小さくしつつ、貴金属チップの材料を所定の条件を満たす耐高温酸化性に優れた材料とすることが開示されている(特許文献1)。
しかしながら、上記特許文献1に記載の発明では貴金属チップの材料選択の幅が限られる結果、スパークプラグが高価になってしまう。
また、近年、内燃機関の高出力化や希薄燃焼化に伴い、燃焼室内におけるタンブル流等の気流の流速が大きくなる傾向にある。それにより、中心電極と接地電極との間に生じた放電火花が吹き消されやすくなり、再放電の頻度が増えやすくなる。その結果、中心電極及び接地電極(以下、これらを単に「電極」ということもある。)の消耗が増加してしまうという問題がある。
放電火花が吹き消える要因として、中心電極と接地電極との間に生じた放電火花における接地電極側の起点が、燃焼室の気流により接地母材の角部に移ってしまうことが考えられる。すなわち、放電火花は、燃料室内における混合気の気流により引き伸ばされると共に、電界強度の高い接地母材の角部により、電気的に引き付けられる。その結果、接地電極側の放電火花の起点が接地突起部から接地母材の角部へ移動することがある。また、この燃焼室の気流により放電火花が引き伸ばされる方向は、接地電極が気流の流れを妨げない方向である。すなわち、接地母材のうち、中心電極に対向する対向面の幅方向に、放電火花が引き伸ばされる。
このように、放電火花の起点が接地母材へ移ること(以下、これを「母材飛び火」という。)により、再放電の頻度が高くなり、電極の消耗が増加することが考えられる。
このように、放電火花の起点が接地母材へ移ること(以下、これを「母材飛び火」という。)により、再放電の頻度が高くなり、電極の消耗が増加することが考えられる。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、母材飛び火を抑制することで、電極の消耗を抑制できるスパークプラグを提供しようとするものである。
本発明の一態様は、中心電極と、
該中心電極を内側に保持する絶縁碍子と、
該絶縁碍子を内側に保持するハウジングと、
上記中心電極との間に火花放電ギャップを形成する接地電極と、を備え、
上記接地電極は、上記ハウジングに接続された接地母材と、該接地母材における上記中心電極に対向する対向面から突出した接地突起部とを有し、
該接地突起部は、直径が0.9〜1.4mmであり、
上記接地突起部における上記中心電極に対向する放電面の端縁である突起角部と、上記接地母材の上記対向面の幅方向の端縁である母材角部とを最短で結ぶ直線が、上記接地突起部の軸方向に直交する平面となす角度をθ[°]とし、上記母材角部の曲率半径をR[mm]としたとき、
θ≧−53R+49 ・・・(1)
を満たすことを特徴とする内燃機関用のスパークプラグにある。
該中心電極を内側に保持する絶縁碍子と、
該絶縁碍子を内側に保持するハウジングと、
上記中心電極との間に火花放電ギャップを形成する接地電極と、を備え、
上記接地電極は、上記ハウジングに接続された接地母材と、該接地母材における上記中心電極に対向する対向面から突出した接地突起部とを有し、
該接地突起部は、直径が0.9〜1.4mmであり、
上記接地突起部における上記中心電極に対向する放電面の端縁である突起角部と、上記接地母材の上記対向面の幅方向の端縁である母材角部とを最短で結ぶ直線が、上記接地突起部の軸方向に直交する平面となす角度をθ[°]とし、上記母材角部の曲率半径をR[mm]としたとき、
θ≧−53R+49 ・・・(1)
を満たすことを特徴とする内燃機関用のスパークプラグにある。
上記スパークプラグは、上記角度θと上記曲率半径Rとをθ≧−53R+49としている。これにより、内燃機関に上記スパークプラグを取り付けた状態において、燃焼室内の気流の流速が大きくなっても、母材飛び火を抑制することができる。
つまり、上記角度θを大きく設定することにより、燃焼室内の気流により引き伸ばされる放電火花が上記母材角部に近付きすぎることを防ぐことができる。そのため、放電火花が母材角部に引き付けられ難くなり、母材飛び火を抑制しやすくなる。
また、曲率半径Rを大きくすることにより、母材角部の周囲の電界強度を低減することができる。これにより、放電火花が母材角部に引き付けられる電気的な力を小さくすることができ、母材飛び火を抑制しやすくなる。
また、接地突起部の直径を0.9〜1.4mmとしていることにより、接地突起部の耐消耗性を確保すると共に母材飛び火を充分に抑制できる。
すなわち、接地突起部の直径を0.9mm以上とすることにより、接地突起部の耐消耗性を確保することができる。また、接地突起部の直径を1.4mm以下とすることにより、母材飛び火を抑制できる。
すなわち、接地突起部の直径を0.9mm以上とすることにより、接地突起部の耐消耗性を確保することができる。また、接地突起部の直径を1.4mm以下とすることにより、母材飛び火を抑制できる。
また、接地電極の形状を上記のように特定することで接地電極の消耗を抑制できるため、必ずしも接地突起部の材料を特定の材料に限る必要性もなく、材料選択の幅を確保しやすく、高コスト化を防ぐことができる。
以上のごとく、本発明によれば、母材飛び火を抑制することで、電極の消耗を抑制できるスパークプラグを提供することができる。
上記内燃機関用のスパークプラグにおいて、上記接地突起部は、例えば、接地母材に接合した金属チップによって構成することができる。
また、上記内燃機関用のスパークプラグにおいて、上記角度θと上記曲率半径Rとが、
θ≧−59R+62 ・・・(2)
を満たすことが好ましい。この場合には、より効果的に母材飛び火を抑制することができる。
また、上記内燃機関用のスパークプラグにおいて、上記角度θと上記曲率半径Rとが、
θ≧−59R+62 ・・・(2)
を満たすことが好ましい。この場合には、より効果的に母材飛び火を抑制することができる。
なお、上記式(1)、式(2)におけるθは、上記角度を単位[°]にて表したときの値であり、上記式(1)、式(2)におけるRは、母材角部の曲率半径を単位[mm]にて表したときの値である。すなわち、式(1)、式(2)において、θ、Rは、無次元の値である。ただし、本明細書において、式(1)、式(2)以外の箇所に述べるθ、Rは、それぞれ、単位[°]、[mm]による角度、半径を表す。
(実施例1)
上記内燃機関用のスパークプラグの実施例につき、図1〜図3を用いて説明する。
本例のスパークプラグ1は、図1、図2に示すごとく、中心電極2と、中心電極2を内側に保持する絶縁碍子3と、絶縁碍子3を内側に保持するハウジング4と、中心電極2との間に火花放電ギャップ11を形成する接地電極5とを備える。
接地電極5は、ハウジング4に接続された接地母材50と、接地母材50における中心電極2に対向する対向面501から突出した接地突起部51とを有する。
上記内燃機関用のスパークプラグの実施例につき、図1〜図3を用いて説明する。
本例のスパークプラグ1は、図1、図2に示すごとく、中心電極2と、中心電極2を内側に保持する絶縁碍子3と、絶縁碍子3を内側に保持するハウジング4と、中心電極2との間に火花放電ギャップ11を形成する接地電極5とを備える。
接地電極5は、ハウジング4に接続された接地母材50と、接地母材50における中心電極2に対向する対向面501から突出した接地突起部51とを有する。
スパークプラグ1における火花放電ギャップ11付近の構成を、図3に示す。
接地突起部51の直径Dは0.9〜1.4mmである。
そして、本例のスパークプラグ1は、以下のように定義される角度θと母材角部502の曲率半径Rとの間に、下記の式(1)の関係を有する。
θ≧−53R+49 ・・・(1)
すなわち、角度θは、接地突起部51における中心電極2に対向する放電面511の端縁である突起角部512と、接地母材50の対向面501の幅方向の端縁である母材角部502とを最短で結ぶ直線Lが、接地突起部51の軸方向に直交する平面Mとなす角度である。
なお、角度θと曲率半径Rとは下記の式(2)を満たすことが好ましい。
θ≧−59R+62 ・・・(2)
接地突起部51の直径Dは0.9〜1.4mmである。
そして、本例のスパークプラグ1は、以下のように定義される角度θと母材角部502の曲率半径Rとの間に、下記の式(1)の関係を有する。
θ≧−53R+49 ・・・(1)
すなわち、角度θは、接地突起部51における中心電極2に対向する放電面511の端縁である突起角部512と、接地母材50の対向面501の幅方向の端縁である母材角部502とを最短で結ぶ直線Lが、接地突起部51の軸方向に直交する平面Mとなす角度である。
なお、角度θと曲率半径Rとは下記の式(2)を満たすことが好ましい。
θ≧−59R+62 ・・・(2)
また、接地突起部51は接地母材50からの突出高さHが0.6〜1.2mmである。また、接地母材50は長手方向に直交すると共に接地突起部51の軸方向に直交する幅方向の寸法Wが、2.4〜3.0mm、母材角部502の曲率半径Rは、0.1〜0.4mmを満たす。
本例において、図1、図3に示すごとく、接地母材50は、断面略長方形状を有し、接地角部502を含めた4つの角部が曲面状に面取りされている。なお、接地角部502以外の角部については、必ずしも面取りされている必要はない。また、図2に示すごとく、接地母材50は、ニッケル合金からなる棒状体の一方の端部をハウジング4の先端面に接合してあり、他方の端部側をスパークプラグ1の中心軸側に屈曲させている。そして、接地母材50の一つの主面を中心電極2に対向した対向面501としている。この対向面501の幅方向の端縁が母材角部502であるが、ここでいう幅方向とは、接地母材50の長手方向と接地突起部51の軸方向との双方に直交する方向をいう。
また、接地突起部51は、接地母材50の対向面501に接合した貴金属チップによって構成されている。接地突起部51(貴金属チップ)は、白金合金、イリジウム合金等の貴金属を円柱状に形成してなる。そして、貴金属チップは、円柱形状の一方の底面において、接地母材50における対向面501に溶接等によって接合されて、接地突起部51を構成している。また、円柱形状の貴金属チップにおける他方の底面が、接地突起部51の放電面511となる。接地突起部51は、接地母材50における幅方向の中央に接合されている。
一方、中心電極2も、その先端部を白金合金、イリジウム合金等の貴金属チップ21によって構成してある。この中心電極2の貴金属チップ21も、円柱形状となっている。また、中心電極2の貴金属チップ21と接地突起部51とは、互いの中心軸を一致させている。そして、中心電極2の貴金属チップ21と接地電極5の接地突起部51との間に、火花放電ギャップ11が形成されている。
次に、本例の作用効果につき説明する。
スパークプラグ1は、角度θと曲率半径Rとの関係を、θ≧−53R+49としている。これにより、内燃機関にスパークプラグ1を取り付けた状態において、燃焼室内の気流の流速が大きくなっても、母材飛び火を抑制することができる(後述の実験例1参照)。さらに、θ≧−59R+62が満たされることによって、より効果的に母材飛び火を抑制することができる。
スパークプラグ1は、角度θと曲率半径Rとの関係を、θ≧−53R+49としている。これにより、内燃機関にスパークプラグ1を取り付けた状態において、燃焼室内の気流の流速が大きくなっても、母材飛び火を抑制することができる(後述の実験例1参照)。さらに、θ≧−59R+62が満たされることによって、より効果的に母材飛び火を抑制することができる。
つまり、図3に示すごとく、角度θを大きく設定することにより、燃焼室内の気流により引き伸ばされる放電火花Sが母材角部502に近付きすぎることを防ぐことができる。そのため、放電火花Sが母材角部502に引き付けられ難くなり、母材飛び火を抑制しやすくなる。また、曲率半径Rを大きくすることにより、母材角部502の周囲の電界強度を低減することができる。これにより、放電火花Sが母材角部502に引き付けられる電気的な力を小さくすることができ、母材飛び火を抑制しやすくなる。
また、接地突起部51の直径Dを0.9〜1.4mmとしていることにより、接地突起部51の耐消耗性を確保すると共に母材飛び火を充分に抑制できる。すなわち、直径Dを0.9mm以上とすることにより、接地突起部51の耐消耗性を確保することができる。また、直径Dを1.4mm以下とすることにより、母材飛び火を抑制できる。
また、接地突起部51の突出高さHが0.6〜1.2mmであるため、母材飛び火を効果的に抑制しつつ耐消耗性を確保することができる。すなわち、突出高さHを0.6mm以上とすることにより、角度θを大きくしやすく、放電火花Sが母材角部に近付きすぎることを防ぐことができる。また、突出高さHを1.2mm以下とすることにより、接地突起部51の消耗を抑制することができる。
また、接地母材50の幅方向の寸法Wが、2.4〜3.0mmであるため、接地母材50の強度を確保しつつ母材飛び火をより確実に抑制することができる。すなわち、寸法Wを2.4mm以上とすることにより、接地母材50の強度を充分に確保することができる。また、寸法Wを3.0mm以下とすることにより、角度θを大きくしやすく、放電火花が母材角部に近付きすぎることを防ぐことができる。
また、母材角部502の曲率半径Rが、0.1〜0.4mmであるため、接地電極5の耐消耗性を確保しつつ母材飛び火を効果的に抑制することができる。すなわち、曲率半径Rを0.1mm以上とすることにより、母材角部502の周囲の電界強度が高くなりすぎることを防ぎ、母材飛び火を抑制しやすくなる。また、曲率半径Rを0.4mm以下とすることにより、接地母材50の軸方向に直交する断面の断面積を確保しやすい。その結果、接地電極5の温度上昇を抑制して、耐消耗性を確保することができる。
また、接地電極5の形状を上記のように特定することで接地電極5の消耗を抑制できるため、必ずしも接地突起部51の材料を特定の材料に限る必要性もなく、材料選択の幅を確保しやすく、高コスト化を防ぐことができる。
以上のごとく、本例によれば、母材飛び火を抑制することで、電極の消耗を抑制できるスパークプラグを提供することができる。
(実験例1)
本例は、図4に示すごとく、実施例1のスパークプラグ1を基本構造とし、接地突起部51の突出高さH、幅方向の寸法W、及び、母材角部502の曲率半径Rをそれぞれ種々変更して、それらの母材飛び火の発生率を、高流動火花放電ベンチを用いて評価した例である。なお、本例において用いた符号のうち、実施例1において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、実施例1と同様の構成要素等を表す。
本例は、図4に示すごとく、実施例1のスパークプラグ1を基本構造とし、接地突起部51の突出高さH、幅方向の寸法W、及び、母材角部502の曲率半径Rをそれぞれ種々変更して、それらの母材飛び火の発生率を、高流動火花放電ベンチを用いて評価した例である。なお、本例において用いた符号のうち、実施例1において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、実施例1と同様の構成要素等を表す。
具体的には、接地突起部51の突出高さHを0.6mm、0.8mm、1.0mm、1.2mm、幅方向の寸法Wを2.4mm、2.6mm、2.8mm、3.0mm、及び、母材角部502の曲率半径Rを0.1mm、0.25mm、0.4mmと、それぞれ種々変更して、これらのH、W、Rのすべての組合せである48種類のスパークプラグを用意した。ここで、接地突起部51の直径Dは、1.0mmで固定している。また、中心電極2の貴金属チップ21の直径は0.7mm、軸方向高さは0.6mmとした。また、火花放電ギャップ11の大きさは、1.1mmとした。なお、角度θは、上記のH、W、Dの値から必然的に定まる。また、接地突起部51はPt−20wt%Rhからなり、中心電極2の貴金属チップ21はIr−10wt%Rhからなる。
上記48種類のスパークプラグをそれぞれ高流動火花放電ベンチ内に設置し、放電試験を行った。試験条件は、高流速エンジンを想定して、高流動火花放電ベンチ内における気流の流速を35m/s、圧力を0.9MPaとした。また、高流動火花放電ベンチ内の雰囲気は窒素とした。そして、スパークプラグに対して、点火コイルによって高電圧を印加した。その際に生じる放電火花を高速度カメラにて撮影して、母材飛び火の発生率を測定した。なお、点火コイルのコイルエネルギは、95mAとした。また、母材飛び火の発生率は、100回の火花放電を観察した中での母材飛び火の発生確率である。
観察結果を図4に示す。同図において、横軸が母材角部502の曲率半径R[mm]、縦軸が角度θ[°]を表す。そして、このグラフ中に、各スパークプラグにおけるRとθとの関係をそれぞれプロットした。各プロットは、母材飛び火の発生率が、0%のものを円形記号、40%未満のものを三角形記号、40%以上のものをX字記号にて表した。なお、上述のように本実験例では48種類のスパークプラグを用いたが、データが重なっているものが3つあるので、図4におけるプロットは45箇所となっている。
また、図4において、直線S1がθ=−53R+49、直線S2がθ=−59R+62をそれぞれ表す。すなわち、上記直線S1とS2を表す等式は、式(1)、式(2)の不等号をそれぞれ等号に変えたものである。
図4において、直線S1以上の領域、すなわち式(1)を満たす領域には、円形記号及び三角形記号のみがプロットされ、X字記号は存在していない。その一方で直線S1よりも下の領域に、X字記号が存在する。すなわち、式(1)を満たす領域にあることによって、母材飛び火の発生率40%未満が確保されている。この結果から、式(1)を満たすことにより、充分に母材飛び火を抑制することができることが分かる。
また、図4において、直線S1以上の領域の中でも、直線S2以上、すなわち式(2)を満たす領域においては、円形記号のみがプロットされている。すなわち、母材飛び火をより確実に抑制できる領域として、直線S1以上の領域の中でも、直線S2以上の領域が考えられる。この結果から、式(2)を満たすことにより、母材飛び火を確実に防ぐことができることが確認できる。
また、直径Dを0.9mm、1.1mm、1.4mmとしたものについても、寸法Wが3.0mmであり突出高さHが0.6mmであるものと、寸法Wが2.6mmであり突出高さHが1.0mmであるものとについて、上記と同様の試験を行った。その結果については、図4におけるプロットを省略するが、直線S2よりも下にプロットされるべきスパークプラグについては、母材飛び火の発生率が40%以上であり、直線S1以上にプロットされるべきスパークプラグについては、母材飛び火の発生率が0%であった。
この結果から、直径Dが変化しても、式(1)を満たすことにより、充分に母材飛び火を抑制することができ、式(2)を満たすことにより、母材飛び火を確実に防ぐことができることが分かる。
この結果から、直径Dが変化しても、式(1)を満たすことにより、充分に母材飛び火を抑制することができ、式(2)を満たすことにより、母材飛び火を確実に防ぐことができることが分かる。
(実験例2)
本例は、図5に示すごとく、接地電極の消耗体積、及び、再放電の生じやすさを評価した例である。
評価に用いたスパークプラグは、実施例1のスパークプラグ1と基本構造は同様ある。また、接地突起部51の直径Dを1.0mm、中心電極2の貴金属チップ21の直径は0.7mm、軸方向高さを0.6mm、火花放電ギャップ11の大きさを1.1mmとした。なお、本例において用いた符号のうち、実施例1において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、実施例1と同様の構成要素等を表す。
本例は、図5に示すごとく、接地電極の消耗体積、及び、再放電の生じやすさを評価した例である。
評価に用いたスパークプラグは、実施例1のスパークプラグ1と基本構造は同様ある。また、接地突起部51の直径Dを1.0mm、中心電極2の貴金属チップ21の直径は0.7mm、軸方向高さを0.6mm、火花放電ギャップ11の大きさを1.1mmとした。なお、本例において用いた符号のうち、実施例1において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、実施例1と同様の構成要素等を表す。
そして、接地突起部51の突出高さH、幅方向の寸法W、母材角部502の曲率半径Rを、それぞれ以下のように設定したスパークプラグを試料1、試料2、試料3として用意した。すなわち、試料1は、H=1.2mm、W=2.4mm、R=0.4mmとし、試料2は、H=0.8mm、W=2.6mm、R=0.25mmとし、試料3は、H=0.6mm、W=3.0mm、R=0.1mmとした。試料1は式(1)及び式(2)を満たすものであり、試料2は式(1)を満たすが式(2)は満たさないものである。また、試料3は、式(1)を満たさないものである。また、接地突起部51はPt−20wt%Rhからなり、中心電極2の貴金属チップ21はIr−10wt%Rhからなる。
そして、上記の3つの試料を、それぞれ実験例1に記載の高流動火花放電ベンチに設置し、以下のような耐久試験を行った。すなわち、中心電極2と接地電極5との間に周波数60Hzにて高電圧(約20〜25kV)をかけ、300時間継続して放電を繰り返した。
そして、耐久後の接地突起部51の消耗体積を測定した。また、耐久試験中において、火花放電を高速度カメラで撮影し、1放電中において放電火花が吹き消えて再び放電する回数を、再放電回数として計測した。この計測を、放電100回分について行い、その平均の再放電回数を評価した。なお、1放電とは、スパークプラグに印加されるパルス電圧の1パルス分を意味する。また、再放電回数の計測は、耐久試験開始直後において計測したものである。
図5に、試料1、試料2、試料3についての接地突起部の消耗体積及び再放電回数を、それぞれプロットP1、P2、P3にて表す。同図において、横軸が再放電回数、縦軸が接地突起部の消耗体積[mm3]を表す。
同図から分かるように、式(1)を満たさない試料3における接地突起部の消耗体積が大きいのに対し、式(1)及び式(2)をいずれも満たす試料1における接地突起部の消耗体積を小さく抑制することができる。また、再放電回数が多くなるほど接地突起部の消耗体積が大きくなるという傾向もはっきりと表れている。
同図から分かるように、式(1)を満たさない試料3における接地突起部の消耗体積が大きいのに対し、式(1)及び式(2)をいずれも満たす試料1における接地突起部の消耗体積を小さく抑制することができる。また、再放電回数が多くなるほど接地突起部の消耗体積が大きくなるという傾向もはっきりと表れている。
(実施例2)
本例は、図6〜図8に示すごとく、接地母材50の断面形状を種々変更した例である。
すなわち、接地母材50の断面形状としては、実施例1に示したような略長方形状に限らず、種々の形状を採用することができる。なお、図6〜図8に示す形状は、概略形状である。
本例は、図6〜図8に示すごとく、接地母材50の断面形状を種々変更した例である。
すなわち、接地母材50の断面形状としては、実施例1に示したような略長方形状に限らず、種々の形状を採用することができる。なお、図6〜図8に示す形状は、概略形状である。
例えば、図6に示す接地母材50の断面形状は、対向面501の端縁から斜めに傾斜したテーパ面503を有する。テーパ面503は、幅方向の端面である側面504と対向面501とをつなぐように形成されている。この場合、母材角部502は、対向面501とテーパ面503との間の角部となる。すなわち、この角部を母材角部502として定義される角度θ及び曲率半径Rが、上記式(1)を満たす。また、これらが上記式(2)を満たすことがより好ましい。
また、図7に示す接地母材50断面形状は、対向面501の幅方向の寸法Wが、その反対側の背面505よりも短い台形状となっている。すなわち、側面504が傾斜している。
また、図8に示す接地母材50の断面形状は、側面504を円弧状にしたオーバル形状としている。この場合においては、対向面501の平坦面から側面504における断面円弧状の部分に移行する部分が母材角部502として定義される。
その他は、実施例1と同様である。なお、本例又は本例に関する図面において用いた符号のうち、実施例1において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、実施例1と同様の構成要素等を表す。
本例の場合にも、実施例1と同様の作用効果を有する。
なお、図6〜図8に示したものは一例であり、接地母材50の断面形状は、さらに他の形状とすることもできる。
また、図8に示す接地母材50の断面形状は、側面504を円弧状にしたオーバル形状としている。この場合においては、対向面501の平坦面から側面504における断面円弧状の部分に移行する部分が母材角部502として定義される。
その他は、実施例1と同様である。なお、本例又は本例に関する図面において用いた符号のうち、実施例1において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、実施例1と同様の構成要素等を表す。
本例の場合にも、実施例1と同様の作用効果を有する。
なお、図6〜図8に示したものは一例であり、接地母材50の断面形状は、さらに他の形状とすることもできる。
1 スパークプラグ
11 火花放電ギャップ
2 中心電極
3 絶縁碍子
4 ハウジング
5 接地電極
50 接地母材
501 対向面
502 接地角部
51 接地突起部
511 放電面
512 突起角部
11 火花放電ギャップ
2 中心電極
3 絶縁碍子
4 ハウジング
5 接地電極
50 接地母材
501 対向面
502 接地角部
51 接地突起部
511 放電面
512 突起角部
Claims (5)
- 中心電極(2)と、
該中心電極(2)を内側に保持する絶縁碍子(3)と、
該絶縁碍子(3)を内側に保持するハウジング(4)と、
上記中心電極(2)との間に火花放電ギャップ(11)を形成する接地電極(5)と、を備え、
上記接地電極(5)は、上記ハウジング(4)に接続された接地母材(50)と、該接地母材(50)における上記中心電極(2)に対向する対向面(501)から突出した接地突起部(51)とを有し、
該接地突起部(51)は、直径(D)が0.9〜1.4mmであり、
上記接地突起部(51)における上記中心電極(2)に対向する放電面(511)の端縁である突起角部(512)と、上記接地母材(50)の上記対向面(501)の幅方向の端縁である母材角部(502)とを最短で結ぶ直線(L)が、上記接地突起部(51)の軸方向に直交する平面(M)となす角度をθ[°]とし、上記母材角部(502)の曲率半径をR[mm]としたとき、
θ≧−53R+49 ・・・(1)
を満たすことを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ(1)。 - 上記角度θと上記曲率半径Rとが、
θ≧−59R+62 ・・・(2)
を満たすことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用のスパークプラグ(1)。 - 上記接地突起部(51)は、上記接地母材(50)からの突出高さ(H)が0.6〜1.2mmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関用のスパークプラグ(1)。
- 上記接地母材(50)は、長手方向に直交すると共に上記接地突起部(51)の軸方向に直交する幅方向の寸法(W)が、2.4〜3.0mmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関用のスパークプラグ(1)。
- 上記母材角部(502)の上記曲率半径Rは、0.1〜0.4mmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の内燃機関用のスパークプラグ(1)。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013121711A JP2014238999A (ja) | 2013-06-10 | 2013-06-10 | 内燃機関用のスパークプラグ |
US14/300,624 US8928213B2 (en) | 2013-06-10 | 2014-06-10 | Spark plug for internal-combustion engine |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013121711A JP2014238999A (ja) | 2013-06-10 | 2013-06-10 | 内燃機関用のスパークプラグ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014238999A true JP2014238999A (ja) | 2014-12-18 |
Family
ID=52004900
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013121711A Pending JP2014238999A (ja) | 2013-06-10 | 2013-06-10 | 内燃機関用のスパークプラグ |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US8928213B2 (ja) |
JP (1) | JP2014238999A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019140005A (ja) * | 2018-02-13 | 2019-08-22 | 学校法人慶應義塾 | 点火プラグ |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9929540B1 (en) * | 2017-08-01 | 2018-03-27 | Denso International America, Inc. | Spark plug ground electrode |
JP2020061261A (ja) * | 2018-10-09 | 2020-04-16 | 株式会社デンソー | スパークプラグ |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005203353A (ja) * | 2003-12-19 | 2005-07-28 | Ngk Spark Plug Co Ltd | スパークプラグ |
JP2009094047A (ja) * | 2007-09-18 | 2009-04-30 | Ngk Spark Plug Co Ltd | 内燃機関用スパークプラグ |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4339219B2 (ja) | 2003-09-27 | 2009-10-07 | 日本特殊陶業株式会社 | スパークプラグ |
EP1519459B1 (en) | 2003-09-27 | 2010-12-08 | NGK Spark Plug Company Limited | Spark plug |
JP4762110B2 (ja) * | 2006-10-24 | 2011-08-31 | 株式会社デンソー | 内燃機関用スパークプラグ |
JP4762109B2 (ja) * | 2006-10-24 | 2011-08-31 | 株式会社日本自動車部品総合研究所 | 内燃機関用スパークプラグ |
KR101395376B1 (ko) * | 2007-08-08 | 2014-05-14 | 니혼도꾸슈도교 가부시키가이샤 | 스파크 플러그 및 그 제조방법 |
-
2013
- 2013-06-10 JP JP2013121711A patent/JP2014238999A/ja active Pending
-
2014
- 2014-06-10 US US14/300,624 patent/US8928213B2/en not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005203353A (ja) * | 2003-12-19 | 2005-07-28 | Ngk Spark Plug Co Ltd | スパークプラグ |
JP2009094047A (ja) * | 2007-09-18 | 2009-04-30 | Ngk Spark Plug Co Ltd | 内燃機関用スパークプラグ |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019140005A (ja) * | 2018-02-13 | 2019-08-22 | 学校法人慶應義塾 | 点火プラグ |
JP7018601B2 (ja) | 2018-02-13 | 2022-02-14 | 学校法人慶應義塾 | 点火プラグ |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US20140361678A1 (en) | 2014-12-11 |
US8928213B2 (en) | 2015-01-06 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6015678B2 (ja) | 内燃機関用のスパークプラグ | |
EP3089289B1 (en) | Spark plug | |
JP2008077838A (ja) | 内燃機関用のスパークプラグ及びその製造方法 | |
JP5826156B2 (ja) | 内燃機関用のスパークプラグ | |
JP2014238999A (ja) | 内燃機関用のスパークプラグ | |
JP5870629B2 (ja) | 内燃機関用のスパークプラグ及びその取付構造 | |
US8952602B2 (en) | Spark plug | |
JP5906670B2 (ja) | 内燃機関用のスパークプラグ及びその取付構造 | |
JP5600641B2 (ja) | 内燃機関用のスパークプラグ | |
JP5751137B2 (ja) | 内燃機関用のスパークプラグ及びその取付構造 | |
JP6840574B2 (ja) | 内燃機関の点火装置 | |
JP5953894B2 (ja) | 内燃機関用のスパークプラグ | |
JP2008171646A (ja) | 内燃機関用のスパークプラグ | |
JP5809664B2 (ja) | スパークプラグ | |
JP2017174681A (ja) | 内燃機関用のスパークプラグ | |
JP6731298B2 (ja) | 内燃機関用のスパークプラグ | |
JP4965422B2 (ja) | スパークプラグ | |
US9742157B2 (en) | Spark plug | |
JP4414457B2 (ja) | スパークプラグ | |
JP2018190615A (ja) | スパークプラグ | |
US9234491B2 (en) | Spark plug for internal combustion engine | |
JP2005108795A (ja) | スパークプラグの製造方法 | |
JP6836907B2 (ja) | 内燃機関用のスパークプラグ | |
JP2017183109A (ja) | 内燃機関用のスパークプラグ | |
JP4840839B2 (ja) | スパークプラグ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20150225 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20150522 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150609 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20151020 |