JP2002231414A - 内燃機関用スパークプラグ - Google Patents

内燃機関用スパークプラグ

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JP2002231414A
JP2002231414A JP2001027847A JP2001027847A JP2002231414A JP 2002231414 A JP2002231414 A JP 2002231414A JP 2001027847 A JP2001027847 A JP 2001027847A JP 2001027847 A JP2001027847 A JP 2001027847A JP 2002231414 A JP2002231414 A JP 2002231414A
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discharge
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distance
mounting bracket
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Tatsushi Nakajima
樹志 中島
Kimitaka Saito
公孝 斎藤
Takehiko Kato
毅彦 加藤
Shizuo Abe
静生 安部
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Toyota Motor Corp
Soken Inc
Original Assignee
Nippon Soken Inc
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 通常時、カーボン汚損時用の第1、第2接地
電極を有するスパークプラグにおいて、いずれの接地電
極への放電時にも良好な着火性を維持し、ガス流動によ
り放電火花が吹き流されることなく、第1接地電極へ気
中放電させて、着火性と耐久性とを両立させる。 【解決手段】 中心電極4の外周を保持する絶縁碍子3
を、先端部が露出する状態で筒状の取付金具2内に支持
し、取付金具2に中心電極4先端面との間に第1放電ギ
ャップAを形成する第1接地電極5と、絶縁碍子3の小
径部3cとの間に第2放電ギャップBを形成する第2接
地電極6、7を設ける。絶縁碍子3の下端面と取付金具
2の下端面との軸方向距離をC、絶縁碍子3の下端面と
第2接地電極6、7の下端縁との軸方向距離をD、第2
接地電極6、7の下端縁と取付金具2の下端面との軸方
向距離をEとし、距離C、D、Eが、1mm≦C、0m
m≦D、1mm≦Eを満足するように設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関用スパー
クプラグに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、低燃費化技術として成層燃焼が注
目されているが、燃焼室内で成層燃焼を形成する場合、
過濃混合気がスパークプラグ近傍に集まり、カーボン汚
損しやすい状態となる問題がある。カーボン汚損が生じ
ると、プラグの中心電極を保持する絶縁碍子表面の絶縁
低下が生じ、正規放電ギャップ間においての火花放電が
生じず、絶縁碍子表面からその後方に位置する取付金具
へ向けて火花放電(奥飛び)が生じるために、正常な着
火が困難になる。
【0003】上記不具合を解消する手段として、複数の
接地電極を持つスパークプラグが提案されている。例え
ば、実開昭52−94530号公報には、絶縁碍子を囲
う取付金具に接続され、中心電極の先端面との間に第1
放電ギャップを形成する第1接地電極と、取付金具端縁
の複数箇所から半径方向内方に突出し、絶縁碍子の周壁
との間に第2放電ギャップを形成する突起状の第2接地
電極とを有するスパークプラグが開示されている。この
ようにすると、通常時には、中心電極と第1接地電極と
の間で放電火花を生じさせ、カーボン汚損により絶縁碍
子の絶縁抵抗が低下した場合においても、碍子表面より
第2接地電極に気中放電させることにより、放電の奥飛
びを抑制し、着火を維持することができる。
【0004】また、特開昭47−19236号公報に
は、通常時用の気中放電路と、絶縁碍子の汚損時用の沿
面放電路とを有するスパークプラグが記載されている。
このスパークプラグにおいては、沿面放電路と気中放電
路が燃焼室内のできるだけ等価な場所に位置するよう
に、沿面放電のための第2接地電極を中心電極の先端面
と同じ高さまで延出するとともに、中心電極の先端面と
絶縁碍子の先端面とがほぼ同一面内にあるように配置し
たことを特徴としている。このようにすると、沿面放電
と気中放電がほぼ同一高さで生じることから、着火性の
変化を小さくすることができる。
【0005】さらに、特開昭58−204484号公報
においては、第1接地電極を固定する取付金具の内周端
縁を先端方向に突出させ、絶縁碍子を囲う円環状の第2
接地電極を設けている。絶縁碍子のカーボン汚損時に
は、中心電極と第2接地電極との間の第2放電ギャップ
に火花放電させることで絶縁碍子を汚損しているカーボ
ンを消失させて、第1接地電極との間の第1放電ギャッ
プでの火花放電に復元することにより、着火性の低下を
抑制する。また、円筒状の第2接地電極により、カーボ
ンが絶縁碍子と取付金具との間隙に入り込むのを防止し
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実開昭
52−94530号公報の構成では、第2接地電極が取
付金具端面と同じ高さに設けた突起からなり、第2放電
ギャップでの放電時に取付金具への熱引け大(取付金具
への熱伝達大)となるために、第2接地電極温度が低く
なり、消炎作用が増大して着火性を悪化させることにな
る。また、第2放電ギャップが取付金具端面と同じ高さ
に設置され、第1放電ギャップと離れているため、第1
放電ギャップと第2放電ギャップに飛火した場合で着火
性が大きく異なる。特に成層燃焼においては、ドライバ
ビリティの不良が発生するおそれがあり、さらに、飛火
位置が絶縁碍子先端面でなく付根側となるため、チャネ
リングが発生しやすい問題もある。
【0007】特開昭47−19236号公報のスパーク
プラグにおいては、放電火花位置つまり着火位置の変化
による燃焼悪化を防止する目的で、正規の放電火花位置
となる中心電極先端面に近い位置に第2接地電極を配置
している。しかしながら、この場合には、中心電極先端
面と絶縁碍子先端面がほぼ同じ高さとなるために、絶縁
碍子先端面の消炎作用により、通常の気中放電における
着火性が低下するという問題が生じる。
【0008】さらに、この構成では、筒内のガス流動に
より放電火花が吹き流された場合に、カーボン汚損がな
くとも容易に第2接地電極側へ放電火花が移動する不具
合がある。通常、中心電極は、耐久性の面から先端部を
貴金属製としているが、放電火花の移動により第2接地
電極との間にて放電する場合には、耐久性の低い金属
(ニッケル等)からなる基部が溶損して中心電極そのも
のが破損するおそれがある。
【0009】また、特開昭58−204484号公報の
構成でも、第1接地電極を固定する取付金具の内周端縁
に円環突起状の第2接地電極を設けていることから、取
付金具の消炎作用を受けやすい。このため、中心電極と
第2接地電極との間での着火性が悪化する問題がある。
【0010】本発明は、上記問題点を解決するもので、
その目的は、通常時には第1接地電極へ火花放電させ、
カーボン汚損時には第2接地電極へ火花放電させてカー
ボンを消失させる、自己清浄機能を備えた内燃機関用ス
パークプラグにおいて、通常時、カーボン汚損時のいず
れにおいても良好な着火性を維持し、しかも筒内のガス
流動が強い状態においても、放電火花が吹き流されるこ
となく、第1接地電極への気中放電を可能とすること
で、高い着火性と耐久性とを両立させることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明請求項1の内燃機
関用スパークプラグは、中心電極の外周を保持する絶縁
碍子を、先端部が露出する状態で筒状の取付金具内に支
持し、この取付金具の下端面に一端が固定され、他端
が、上記絶縁碍子の下端から突出する上記中心電極の先
端面との間に第1放電ギャップを形成する第1接地電極
を設けるとともに、上記取付金具の下端面に一端が固定
され、他端が、上記取付金具の下端から突出する上記絶
縁碍子の上記先端部外周面との間に第2放電ギャップを
形成する第2接地電極を設けてなる。ここで、上記絶縁
碍子の下端面と上記取付金具の下端面との軸方向距離を
C、上記絶縁碍子の下端面と第2接地電極の下端縁との
軸方向距離をD、上記第2接地電極の下端縁と上記取付
金具の下端面との軸方向距離をEとした時、距離C、
D、E(C、Dは上記絶縁碍子の下端面を、Eは上記第
2接地電極の下端縁を基準として上方向を正方向とす
る)は、1mm≦C、0mm≦D、1mm≦Eを満足す
るように設定される。
【0012】距離C、Eが小さいと、カーボン汚損時の
第2放電ギャップでの火花放電の際に、上記取付金具表
面による消炎作用を受けやすい。これを回避するには、
距離C、Eが1mm以上であればよく、十分な着火性を
確保することができる。また、距離Dを0mm以上、す
なわち、上記絶縁碍子の下端面より第2接地電極の下端
縁が下方に突出しないようにすることで、通常時に放電
火花が第2放電ギャップへ移動するのを抑制して、上記
中心電極の溶損を防止することができる。よって、距離
C、D、Eを上記のように規定することにより、通常
時、カーボン汚損時ともに着火を良好に行い、着火性と
耐久性とを両立させることができる。
【0013】より具体的には、請求項2のように、距離
C、D、Eが、C=D+Eの関係となるように、上記取
付金具、上記絶縁碍子および上記第2接地電極を配置す
る。そして、上記請求項1の各式が成立するように、こ
れら距離C、D、Eをそれぞれ選択することで、上記効
果が得られる。
【0014】請求項3のように、好適には、距離Cを、
1mm≦C≦5mmの範囲とする。距離Cが大きくなり
すぎると、第1放電ギャップが燃焼室内に必要以上に突
出することになる。これによる耐熱性の低下を防止する
には、距離Cを5mm以下とするのがよい。
【0015】請求項4のように、好適には、距離Eを、
1mm≦E≦5mmの範囲とする。距離Cと同様、距離
Eが大きくなりすぎると、第1放電ギャップが燃焼室内
に必要以上に突出することになるので、これによる耐熱
性の低下を防止するには、距離Eを5mm以下とするの
がよい。
【0016】請求項5では、上記第2接地電極の上記他
端側端面の軸方向高さをFとした時に、0mm<E−F
を満足するように、高さFを設定する。第2放電ギャッ
プを構成する上記第2接地電極が上記取付金具の下端面
に接近するとその消炎作用を受けやすくなる。これを防
止するには、上記第2接地電極の上記他端側端面が上記
取付金具の下端面から離れるように、すなわち、距離E
−高さFの値を0mmより大きくするのがよい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図1、2により、本発明の
第1の実施の形態について説明する。図2は本発明を適
用した内燃機関のスパークプラグ1の全体構成を示す図
で、スパークプラグ1は、略円筒状の取付金具2内に絶
縁碍子3を保持してなる。取付金具2は下端部外周に取
付ねじ部2aを備えており、これを図示しないエンジン
ブロックに設けた取付穴に螺挿することにより、スパー
クプラグ1を固定する。絶縁碍子3は略円筒状で、例え
ばアルミナ等のセラミックスよりなる。絶縁碍子3の下
半部は取付金具2内に保持され、上半部は取付金具2の
上端より突出して図略の給電部に接続される。絶縁碍子
3の先端部3bは、取付金具2の下端から突出して図略
の燃焼室内に露出しており、露出端をさらに径の小さい
小径部3c(略一定径)としている(図1(a)参
照)。
【0018】図2において、絶縁碍子3の軸孔3a下端
部内には、中心電極4が固定されている。中心電極4
は、内材が銅等の熱伝導性に優れた金属材料、外材がニ
ッケル基合金等の耐熱性および耐食性に優れた金属材料
により構成された円柱体で、図1(a)に示すように、
先端側を基部4aに対し段付きに縮径するとともに、さ
らにその先端部を下方へ向けて縮径するテーパ部4bと
して、絶縁碍子3の小径部3c端縁より下方に突出させ
ている。この中心電極4のテーパ部4bの先端面には、
細径の円柱状貴金属部材8が固定されている。
【0019】図1、2のように、取付金具2の下端面に
は、第1接地電極5の基端が溶接により固定されてお
り、その先端は軸心方向に大きく湾曲して、中心電極4
先端の貴金属部材8に対向している。また、第1接地電
極5を挟んで左右対称位置に、第2接地電極6、7が設
けられ(図1(b)参照)、同様に、その基端を取付金
具2の下端面に溶接固定している。第2接地電極6、7
は、第1接地電極5より短く形成され、その先端は内方
へ湾曲して、絶縁碍子3先端の小径部3c外周面に対向
している。これら第1接地電極5と、第2接地電極6、
7は、ニッケル基合金等の金属材料から構成されてい
る。
【0020】第1接地電極5は、中心電極4先端の貴金
属部材8の対向位置に埋設される貴金属チップ9を有
し、この貴金属チップ9と貴金属部材8の間に第1放電
ギャップAを形成している。第2接地電極6、7と、こ
れに対向する絶縁碍子3の小径部3c外周面との間に
は、第2放電ギャップBが形成される。なお、中心電極
4の貴金属部材8には、例えば、10重量%のロジウム
を含み残部がイリジウムよりなるイリジウム合金材料が
好適に用いられる。また、第1接地電極5の貴金属チッ
プ9には、例えば、10重量%のニッケルを含み残部が
プラチナよりなるプラチナ合金材料が好適に用いられ
る。
【0021】ここで、本発明においては、図1(a)に
示すように、絶縁碍子3の下端面、すなわち小径部3c
の先端面から取付金具2の下端面までの軸方向距離をC
とした時に、距離Cを、1mm≦Cとなるように設定す
る。また、第2接地電極6、7の下端縁が小径部3cの
先端面と同一面内か上方に位置するように、すなわち、
小径部3cの先端面から第2接地電極6、7の下端縁ま
での軸方向距離Dを、0mm≦Dに設定するとともに、
第2接地電極6、7の下端縁から取付金具2の下端面ま
での軸方向距離Eを、1mm≦Eとなるように設定する
ものとする。ここで、距離C、Dは小径部3cの先端面
を、距離Eは第2接地電極6、7の下端縁縁を基準とし
て上方向を正方向とし、距離C、D、Eは、C=D+E
の関係にあるものとする。この範囲で距離C、D、Eを
適宜選択することで、着火性、自己清浄性、耐久性のい
ずれも優れた内燃機関用スパークプラグとすることがで
きる。この詳細について、以下に説明する。
【0022】(距離C≧1mmの規定について)絶縁碍
子3の小径部3c先端面と取付金具2の下端面の軸方向
距離Cが小さすぎると、第2放電ギャップBでの放電時
に取付金具2表面による消炎作用を受けやすくなる。そ
こで、距離Cを変化させた時のアイドル不安定率から、
カーボン汚損時の着火性を確保するために必要な距離C
の最適範囲を調べた。なお、距離D=0mm(すなわ
ち、距離E=C)、第2放電ギャップB=0.8mmと
した。この結果を図3(a)に示す。ここで、アイドル
不安定率とは、3分間0.2秒間隔で瞬時回転数を計測
し、下記式 アイドル不安定率(%)=(瞬時回転数の標準偏差/瞬
時回転数の平均)×100 に基づいて求めたものである(アイドリング650rp
m:900サンプル)。このアイドル不安定率が大きい
ほど、内燃機関の回転変動が大きく、着火性が劣ること
を意味している。
【0023】図3(a)の結果から、距離Cが大きくな
るに従い、アイドル不安定率が低下しており、距離C=
1mmにてアイドル不安定率0.5%と、回転変動をほ
とんどなくすことができる。よって、距離Cは1mm以
上とするのがよく、距離Cが1mmより小さいと、カー
ボン汚損時の放電経路(貴金属部材8の側面および絶縁
碍子3の小径部3cから第2放電ギャップBを介して第
2接地電極6、7へ至る経路)が、取付金具2に近接す
ることになり、放電時の火炎核の成長が取付金具2表面
による消炎作用を受けるために、十分な着火性が得られ
ない。ただし、距離Cを大きくしすぎると、第1放電ギ
ャップAの位置が、燃焼室内に必要以上に突出すること
となり、第1接地電極5の耐熱性が悪化して、耐酸化消
耗性が低下するおそれがある。これを防止するには、距
離Cを5mm以下とするのがよい。
【0024】ここで、第2放電ギャップBは、絶縁碍子
3および第2接地電極6、7からの火炎核成長の阻害
(消炎作用)を受けない程度に大きく、かつ、第2放電
ギャップでの気中放電を確保できる範囲の大きさとなる
ように、適宜設定させる。通常、0.3mm≦B≦1m
mの範囲とし、例えば、第2放電ギャップBでの気中放
電を確保しつつ消炎作用を最大限抑え得る、0.8mm
±0.1mm前後が最適値と考えられる。なお、上記図
3(a)は、B=0.8mmでの値であり、第2放電ギ
ャップBがこれより小さくなると、取付金具2下端面に
よる消炎作用を受けやすくなるため、アイドル不安定率
曲線が図の右方にシフトする。このため、第2放電ギャ
ップBを比較的大きく設定した場合には、距離Cを1m
mより大きく、好適には、1.5mm以上とするとよ
い。従って、距離Cの範囲は、好適には、1mm≦C≦
5mm、より好ましくは、1.5mm≦C≦5mmとす
る。
【0025】(距離D≧0mmの規定について)絶縁碍
子3小径部3cの先端面を基準とする第2接地電極6、
7の位置は、通常時の第1放電ギャップAでの着火性に
影響し、空気流動の影響を小さくするには、絶縁碍子3
小径部3cの先端面と第2接地電極6、7の下端縁の軸
方向距離Dを0mm以上とするとよい。そこで、この知
見を確認するために、可視化試験を行って、内燃機関燃
焼室内における火花放電状態を観察した。この時、距離
D≧0mmである本発明の構成(上記図1、2の構成)
と、図4のように、距離D<0mm、すなわち、第2接
地電極6、7の下端縁が絶縁碍子3小径部3cの先端面
より下方にある場合について、それぞれ通常時、カーボ
ン汚損時の着火性を調べた。なお、可視化試験は、第2
接地電極6、7の位置を変化させた以外は、同じ条件で
行い、スパークプラグ1の第1放電ギャップAを1m
m、第1放電ギャップBを0.8mm、取付金具2の下
端面と絶縁碍子3の小径部3cの先端面の軸方向距離C
を3mm、第2接地電極6、7の先端面の軸方向高さF
を1mmとした。
【0026】観察結果のイメージを図5(距離D≧0m
m)、図6(距離D<0mm)にそれぞれ示す。距離D
により、スパークプラグ1がカーボン汚損されていない
通常時の放電火花の挙動が変化し、図5(a)のよう
に、Dが0mm以上、つまり、第2接地電極6、7下端
縁が絶縁碍子3先端面と同一面かこれ上方に位置する場
合には、第1放電ギャップA間にて正常に放電が行われ
るのに対し、図6(a)のように、Dが0mmより小さ
く、第2接地電極6、7下端縁が絶縁碍子3先端面より
下方に突出する場合には、初期火花放電は第1放電ギャ
ップ間にて行われるものの、第2放電ギャップBに火花
が移動するサイクルが生じることが判明した。この現象
は、内燃機関燃焼室内に存在する空気流動によるもので
あり、第1放電ギャップA間にて形成された放電火花
が、空気流動により吹き流されて、第2接地電極6、7
側に放電経路が移動するために生じる。図5(b)、図
6(b)のように、カーボン汚損時の第2放電ギャップ
Bでの放電状態に変化はなく、いずれも、貴金属部材8
の側面から絶縁碍子3の小径部3cを介して第2接地電
極6、7への放電時花が観察された。
【0027】図3(b)は、距離Dと第2放電ギャップ
Bへの放電火花飛火確率の関係を示すもので(回転数1
200rpm)、この第2放電ギャップBへの放電火花
の移動の確率は、第2接地電極6、7下端縁が絶縁碍子
3先端面より下方へ突出することで急激に増大すること
が分かる。また、内燃機関の運転回転数が上昇して空気
流動が強まるのに伴い増大する。このように、第2放電
ギャップBへ火花放電が移動すると、図5(a)に示す
ように、中心電極4先端の貴金属部材8でなく、ニッケ
ル基合金からなる中心電極4基部側のテーパ部4bを起
点とした火花放電となる。従って、貴金属部材8に比べ
て耐熱性、耐食性に劣るテーパ部4bでの火花放電が長
時間発生することによる溶損を防止するためには、距離
D≧0mmとすることが必要である。
【0028】(距離E≧1mmの規定について)図3
(b)から距離D≧0mmであれば、第2放電ギャップ
Bへの放電火花の移動は回避できるが、距離Dが大きい
と、第2接地電極6、7下端縁と取付金具2の下端面の
軸方向距離Eが小さくなり、第2放電ギャップBでの放
電時に取付金具2表面による消炎作用を受けやすくな
る。そこで、距離Eを変化させた時のアイドル不安定率
から、カーボン汚損時の着火性を確保するために必要な
距離Eの最適範囲を調べて、結果を図3(c)に示し
た。なお、アイドル不安定率の測定条件は、上記図3
(a)の場合と同様とした。
【0029】その結果、第2接地電極6、7下端縁が上
方に移動して距離Eが小さくなり、取付金具2に近づく
ほど、アイドル不安定率、すなわち回転変動が増大し、
着火性が悪化する傾向が見られた。これは放電ギャップ
B間に形成される火炎核の成長が、取付金具2表面によ
る消炎作用を受けるためである。図3(c)より、回転
変動を少なくし、良好な結果を得るためには、Eを1m
m以上とするのがよい。また、距離C同様、距離Eが大
きくなりすぎると、第1放電ギャップAの位置が、燃焼
室内に必要以上に突出することとなり、第1接地電極5
の耐熱性が悪化して、耐酸化消耗性が低下するおそれが
ある。これを防止するには、距離Cを5mm以下とする
のがよい。よって、距離Eの好適範囲は、1mm≦C≦
5mm、より好ましくは、1.5mm≦C≦5mmとす
る。
【0030】なお、距離D、Eの上記規定を満たして
も、第2接地電極6、7の先端面の軸方向高さFが大き
く、その上端縁が取付金具2に接近すると、取付金具2
表面による消炎作用を受けやすくなる。そこで、通常
は、第2接地電極6、7の先端面が取付金具2の下端面
より下方に離れて位置するように、距離E−F>0mm
となるように、より好ましくは、距離E−F>1mmと
するのがよい。
【0031】以上のように、距離C、D、Eおよび高さ
Fをそれぞれ上記数値範囲内で適宜設定し、例えば、C
=3mm、D=0.5mm、E=2.5mm、F=1m
mとすることにより、通常時およびカーボン汚損時のい
ずれも良好な着火性を示し、自己清浄性と耐久性を兼ね
備えた内燃機関用スパークプラグを得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の第1の実施の形態における内
燃機関用スパークプラグの主要部の拡大図で一部断面
図、(b)は(a)の下方視図である。
【図2】第1の実施の形態における内燃機関用スパーク
プラグの全体構成を示す一部断面図である。
【図3】本発明の作用効果を説明するための図で、
(a)は距離Cとアイドル不安定率の関係を示す図、
(b)は距離Dと第2接地電極への飛火確率の関係を示
す図、(c)は距離Eとアイドル不安定率の関係を示す
図である。
【図4】(a)は距離D<0mmとした内燃機関用スパ
ークプラグの主要部の拡大図で一部断面図、(b)は
(a)の下方視図である。
【図5】第1の実施の形態の構成における放電火花の挙
動を示す図で、(a)は通常時、(b)はカーボン汚損
時の内燃機関用スパークプラグの主要部拡大断面図であ
る。
【図6】距離D<0mmとした場合の放電火花の挙動を
示す図で、(a)は通常時、(b)はカーボン汚損時の
内燃機関用スパークプラグの主要部拡大断面図である。
【符号の説明】
A 第1放電ギャップ B 第2放電ギャップ 1 内燃機関用スパークプラグ 2 取付部材 2a 取付ねじ部 3 絶縁碍子 3b 先端部 3c 小径部(先端部) 4 中心電極 4a 基部 4b テーパ部 5 第1接地電極 6、7 第2接地電極 8 貴金属部材 9 貴金属チップ
フロントページの続き (72)発明者 斎藤 公孝 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 (72)発明者 加藤 毅彦 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 (72)発明者 安部 静生 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3G019 CA00 CA07 KA03 5G059 AA01 AA04 CC05 EE19 FF08

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中心電極の外周を保持する絶縁碍子を、
    先端部が露出する状態で筒状の取付金具内に支持し、こ
    の取付金具の下端面に一端が固定され、他端が、上記絶
    縁碍子の下端から突出する上記中心電極の先端面との間
    に第1放電ギャップを形成する第1接地電極を設けると
    ともに、上記取付金具の下端面に一端が固定され、他端
    が、上記取付金具の下端から突出する上記絶縁碍子の上
    記先端部外周面との間に第2放電ギャップを形成する第
    2接地電極を設けてなり、上記絶縁碍子の下端面と上記
    取付金具の下端面との軸方向距離をC、上記絶縁碍子の
    下端面と第2接地電極の下端縁との軸方向距離をD、上
    記第2接地電極の下端縁と上記取付金具の下端面との軸
    方向距離をEとした時に、距離C、D、E(C、Dは上
    記絶縁碍子の下端面を、Eは上記第2接地電極の下端縁
    を基準として上方向を正方向とする)が、1mm≦C、
    0mm≦D、1mm≦Eを満足することを特徴とする内
    燃機関用スパークプラグ。
  2. 【請求項2】 距離C、D、Eが、C=D+Eの関係に
    ある請求項1記載の内燃機関用スパークプラグ。
  3. 【請求項3】 距離Cが、1mm≦C≦5mmの範囲に
    ある請求項1または2記載の内燃機関用スパークプラ
    グ。
  4. 【請求項4】 距離Eが、1mm≦E≦5mmの範囲に
    ある請求項1ないし3のいずれか記載の内燃機関用スパ
    ークプラグ。
  5. 【請求項5】 上記第2接地電極の上記他端側端面の軸
    方向高さをFとした時に、0mm<E−Fを満足する請
    求項1ないし4のいずれか記載の内燃機関用スパークプ
    ラグ。
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