JP5880032B2 - レーザー溶接方法 - Google Patents

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Description

本発明は、数の鋼板を接合するレーザー溶接についての溶接方法(レーザー溶接方法)の技術に関する。
従来から、例えば、重ね合わせた複数の鋼板を接合する溶接方法の一つとして、加工歪みが少なく、高速溶接が可能であり、残留熱影響部も少ないなどの利点から、レーザー溶接による溶接方法(レーザー溶接方法)が広く利用されている。
前記レーザー溶接方法においては、一般的に、一直線状に走査させたレーザー光によって、溶接部が形成されることが多い。
ここで、一直線状に形成された溶接部は、両端部に応力集中が発生して欠損しやすく、該溶接部の品質が安定し難いなどの問題点が指摘されていた。よって、このような問題点を改善するために、従来から、様々な形状からなる溶接部を形成するレーザー溶接方法が提案されてきた。
例えば、その一つとして、「C字」状の溶接部(以下、「C型溶接部」と記載する)を形成するレーザー溶接方法が挙げられる。
このようなレーザー溶接方法であれば、例えば、応力集中の発生しやすい溶接範囲の両側端部に溶接部の曲線部が配置され、且つ外力の影響を受け難い(溶接強度の向上にあまり寄与しない)両側端部の中間部に該溶接部の終始端部が配置されるようにして、C型溶接部を形成することによって、応力集中は緩和される。
但し、このようにして形成されるC型溶接部は、従来のレーザー溶接方法によって形成された、前記C型溶接部と同程度の直径寸法からなる円周形状、或いは円形状の溶接部に比べて、同程度の強度特性を備えるに過ぎなかった。
また、別従来例として、「ループ」状の溶接部(以下、「ループ型溶接部」と記載する)、或いは、「スパイラル」状の溶接部(以下、「スパイラル型溶接部」と記載する)を形成するレーザー溶接方法が挙げられる(例えば、「特許文献1」及び「特許文献2」を参照。)。
このようなレーザー溶接方法であっても、形成されたループ型溶接部、或いはスパイラル型溶接部においては、前述したC型溶接部と同様に、各溶接部の応力集中は緩和される。
但し、このようなループ型溶接部、及びスパイラル型溶接部であっても、前述したC型溶接部と同様に、従来のレーザー溶接方法によって形成された、前記ループ型溶接部、或いはスパイラル型溶接部と同程度の直径寸法からなる円周形状、或いは円形状の溶接部に比べて、同程度の強度特性を備えるに過ぎなかった。
また、別従来例として、対向配置される二個の「C字」からなる溶接部(以下、「ダブルC型溶接部」と記載する)を形成するレーザー溶接方法が挙げられる(例えば、「特許文献3」を参照。)。
このようなレーザー溶接方法であっても、形成されたダブルC型溶接部においては、前述したC型溶接部と同様に、各溶接部の応力集中は緩和される。また、本従来例におけるレーザー溶接方法は、対向配置される二個の「C字」によって溶接部を形成することから、結果的には、外力の影響を受け難い(溶接強度の向上にあまり寄与しない)中間部の溶接を省略することとなり、生産性も高い。
但し、このようなダブルC型溶接部であっても、前述したC型溶接部と同様に、従来のレーザー溶接方法によって形成された、前記ダブルC型溶接部と同程度の直径寸法からなる円周形状、或いは円形状の溶接部に比べて、同程度の強度特性を備えるに過ぎなかった。
さらに、別従来例として、例えば円周からなる仮想の閉曲線上において、一定のピッチ寸法をもって配設される複数のナゲットからなる溶接部(以下、「ナゲット溶接部」と記載する)を形成するレーザー溶接方法が挙げられる(例えば、「特許文献4」を参照。)。
このようなレーザー溶接方法により形成された溶接部では、各ナゲットが外力の影響を受けて一部のナゲットに応力が集中することがない。よって、前記ナゲット溶接部の品質は安定する。
ここで、前記「特許文献4」によるレーザー溶接方法においては、各ナゲットの直径寸法とピッチ寸法との比の値が規定されているが、それ以外の前記直径寸法やピッチ寸法などの具体的な数値までは規定されておらず、従来のレーザー溶接方法によって形成された、前記ナゲット溶接部の閉曲線と同程度の直径寸法からなる円周形状、或いは円形状の溶接部と比べて、場合によっては同程度以上の強度特性を有するものの、常に同程度以上の強度特性を有するまでには至らなかった。
特開2000−145450号公報 特開2004−98122号公報 特開2009−233712号公報 特開2001−62575号公報
本発明は、以上に示した現状の問題点を鑑みてなされたものであり、数の鋼板を接合するレーザー溶接についての溶接方法(レーザー溶接方法)であって、仮想の閉曲線上において、一定のピッチ寸法をもって配設される複数のナゲットからなる溶接部を形成し、該溶接部が、従来のレーザー溶接方法によって形成される前記閉曲線と同程度の直径寸法からなる円周形状、或いは円形状の溶接部と比べて、常に同程度以上の強度特性を有することとなるレーザー溶接方法を提供することを課題とする。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
請求項1においては、重ね合わせた複数の鋼板を接合するレーザー溶接方法であって、前記複数の鋼板間の接合部に形成される溶接部は、仮想の閉曲線に沿って配設される、複数のナゲットによって構成され、前記複数のナゲットは、それぞれレーザ光を走査することによって形成され、前記複数のナゲットの打点数は3点以上であ前記閉曲線の内周側、及び外周側において、前記閉曲線に沿って形成される、仮想の内側曲線、及び外側曲線によって囲まれ、且つ溶接部を構成する全てのナゲットを含む領域に対して溶融加工を行うものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
即ち、本発明におけるレーザー溶接方法によれば、仮想の閉曲線上において、一定のピッチ寸法をもって配設される複数のナゲットからなる溶接部であって、従来のレーザー溶接方法によって形成される前記閉曲線と同程度の直径寸法からなる円周形状、或いは円形状の溶接部と比べて、常に同程度以上の強度特性を有する溶接部を形成することができる。
本発明の一実施形態に係るレーザー溶接方法によって形成された、円形のナゲット群を示した図であって、(a)は当該ナゲット群の平面図、(b)は(a)中の矢印A1の方向から見た当該ナゲット群の断面図。 各ナゲットの形成方法を示した図であって、(a)は定点式形成法によってナゲットを形成する際の状態を示した斜視図、(b)は走査式形成法によってナゲットを形成する際の状態を示した斜視図、(c)は塗潰し式形成法によってナゲットを形成する際の状態を示した斜視図、(d)はスクリュー式形成法によってナゲットを形成する際の状態を示した斜視図。 第一実施形態によるレーザー溶接方法によって形成された各ナゲットにおいて、当該ナゲットの半径と硬度との関係を、ドット及び連続線によって示したグラフ。 同じく、第一実施形態によるレーザー溶接方法によって形成された円形のナゲット群において、当該ナゲット群に関する溶接ピッチと、当該ナゲット群が形成された箇所における電着塗装の不良率との関係を、ドット及び連続線によって示したグラフ。 同じく、第一実施形態によるレーザー溶接方法によって形成された円形のナゲット群において、当該ナゲット群に関する溶接ピッチと、当該ナゲット群と同程度の直径を有する、従来のレーザー溶接方法による一個の円形ナゲットの剥離強度における比較値との関係を、ドット及び連続線によって示したグラフ。 同じく、第一実施形態によるレーザー溶接方法によって形成された円形のナゲット群において、当該ナゲット群の直径と強度との関係を、ドット及び連続線によって示したグラフ。 同じく、第一実施形態によるレーザー溶接方法によって形成された円形のナゲット群において、当該ナゲット群に加えられる衝撃荷重、或いはその際の衝撃荷重の加速度と、経過時間との関係を、ドット及び連続線によって示した図であって、(a)は剪断方向への衝撃荷重が加えられる場合を示したグラフ、(b)は剥離方向への衝撃荷重が加えられる場合を示したグラフ。 図7におけるナゲット群と略同程度の直径からなる、レーザー溶接方法によって形成された一個の円形ナゲットにおいて、当該円形ナゲットに加えられる衝撃荷重、或いはその際の衝撃荷重の加速度と、経過時間との関係を、ドット及び連続線によって示した図であって、(a)は剪断方向への衝撃荷重が加えられる場合を示したグラフ、(b)は剥離方向への衝撃荷重が加えられる場合を示したグラフ。 図7におけるナゲット群と略同程度の直径からなる、従来のスポット溶接方法によって形成された一個の円形ナゲットにおいて、当該円形ナゲットに加えられる衝撃荷重、或いはその際の衝撃荷重の加速度と、経過時間との関係を、ドット及び連続線によって示した図であって、(a)は剪断方向への衝撃荷重が加えられる場合を示したグラフ、(b)は剥離方向への衝撃荷重が加えられる場合を示したグラフ。 第二実施形態によるレーザー溶接方法によって形成された円形のナゲット群において、当該ナゲット群の打点数と強度との関係を、当該ナゲット群の配置方向別にドット及び連続線によって示した図であって、(a)は剪断方向の荷重に対する強度を示したグラフ、(b)は剥離方向の荷重に対する強度を示したグラフ。 同じく、第二実施形態によるレーザー溶接方法によって形成された円形のナゲット群において、当該ナゲット群の直径と強度との関係を、当該ナゲット群の配置方向別にドット及び連続線によって示した図であって、(a)は剪断方向の荷重に対する強度を示したグラフ、(b)は剥離方向の荷重に対する強度を示したグラフ。 同じく、第二実施形態によるレーザー溶接方法によって形成された円形のナゲット群において、当該ナゲット群に加えられる荷重と、当該ナゲット群によって溶接された複数の金属板の移動距離との関係を、ドット及び連続線によって示した図であって、(a)は剪断方向への荷重が加えられる場合を示したグラフ、(b)は剥離方向への荷重が加えられる場合を示したグラフ。 第三実施形態によるレーザー溶接方法によって形成されたナゲット群を示した図であって、(a)は当該ナゲット群の平面図、(b)は(a)に対して各ナゲットの形態が異なる当該ナゲット群の平面図。 第四実施形態によるレーザー溶接方法の手順を示した図であって、(a)は座繰り加工の実施直前における当該ナゲット群の平面図、(b)は(a)中の矢印A2の方向から見た当該ナゲット群の断面図。 同じく、第四実施形態によるレーザー溶接方法の手順を示した図であって、(a)は座繰り加工の実施中における当該ナゲット群の平面図、(b)は(a)中の矢印A3の方向から見た当該ナゲット群の断面図。 同じく、第四実施形態によるレーザー溶接方法の手順を示した図であって、(a)は座繰り加工後における当該ナゲット群の平面図、(b)は(a)中の矢印A4の方向から見た当該ナゲット群の断面図。 第四実施形態によるレーザー溶接方法によって形成された円形のナゲット群において、当該ナゲット群の直径と強度との関係を、座繰り加工の実施の有無別にドット及び連続線によって示した図であって、(a)は剪断方向の荷重に対する強度を示したグラフ、(b)は剥離方向の荷重に対する強度を示したグラフ。 第一乃至第四実施形態によるレーザー溶接方法によって形成されたナゲット群を示した図であって、(a)は第一の別実施形態における当該ナゲット群の平面図、(b)は第二の別実施形態における当該ナゲット群の平面図。 第五実施形態によるレーザー溶接方法によって形成された、円形のナゲット群を示した平面図。 第五実施形態によるレーザー溶接方法によって形成された、円形のナゲット群を用いた具体例を示した図であって、(a)は構造物のフランジ部において用いた場合を示した斜視図、(b)は当該ナゲット群の配置例を示した平面図。
次に、発明の実施の形態を説明する。
[第一実施形態によるレーザー溶接方法]
先ず始めに、本発明に係るレーザー溶接方法の第一実施形態について、図1乃至図9を用いて説明する。
第一実施形態によるレーザー溶接方法は、重ね合わせた複数の鋼板を接合するレーザー溶接方法であって、従来のレーザー溶接方法やスポット溶接方法などによって形成された溶接部(接合部)の強度を上回る強度特性を、前記複数の鋼板間の接合部に与えることを目的として実現された溶接方法である。
ここで、第一実施形態によるレーザー溶接方法により形成された溶接部(接合部)の前記「強度特性」とは、主に静的強度と動的(衝撃)強度とによって評価されるものである(後述する第二乃至第五実施形態においても同じ)。
そして、前記「静的強度」は、接合された複数の鋼板に対して、剥離方向(より具体的には、鋼板の厚み方向。以下同じ。)に向かって徐々に増加するように加えられる引張荷重であって、前記鋼板が剥離せずに耐え得る該引張荷重の最大値によって示される「静的剥離強度」を意味するものである。
また、前記「動的(衝撃)強度」は、接合された複数の鋼板に対して、剪断方向(より具体的には、鋼板の厚み方向に対する直交方向。以下同じ。)、或いは剥離方向に向かって瞬間的に加えられる引張荷重の最大値とエネルギー量であって、前記鋼板の接合部の最大強度と吸収し得る該エネルギー量(エネルギー吸収量)によって示される「衝撃剪断強度」、或いは「衝撃剥離強度」を意味するものである。
図1(a)に示すように、第一実施形態によるレーザー溶接方法において、重ね合わせた複数(例えば、本実施形態においては二枚)の鋼板10・10を接合するために形成される溶接部1は、主に仮想の閉曲線12の線上に配設される、平面視円形状の複数のナゲット11・11・・・(以下、必要に応じて「複数のナゲット11・11・・・」を総じて「ナゲット群11A」と記載する)によって構成される。
なお、前記閉曲線12の形状については、本実施形態における円周に限定されるものではなく、例えば、楕円や任意の曲線や多角形であってもよい。
また、本実施形態によるレーザー溶接方法は、表面処理の施工の有無に関わらず、あらゆる鋼板10に対して用いることが可能である。
また、本実施形態によるレーザー溶接方法によって接合される鋼板10の枚数は、本実施形態における二枚に限定されるものでなく、三枚以上であってもよい。
そして、各ナゲット11の形成方法については、以下に示されるような、様々な方法が存在するが、本実施形態におけるレーザー溶接方法を行う上では、何れの形成方法を採用しても構わない。
即ち、図2(a)に示すように、各ナゲット11は、例えば、鋼板10の平面部における予め定められたポイントに、レーザー光16を一定時間照射することで、円形のナゲット11aを形成する「定点式形成法」によって形成される。
また、図2(b)に示されるように、各ナゲット11は、例えば、鋼板10の平面部において、円周の軌跡(例えば、図1(a)におけるナゲット11の外周と同形状の軌跡)に沿ってレーザー光16を走査することで、環状のナゲット11bを形成する「走査式形成法」によって形成される。
また、図2(c)に示されるように、各ナゲット11は、例えば、鋼板10の平面部において、先ず始めに、円周の軌跡に沿ってレーザー光16Aを走査して環状のナゲット11bを形成し、続いて、レーザー光16Bを照射して、当該ナゲット11bの内周部を塗りつぶすことで円形のナゲット11cを形成する「塗潰し式形成法」によって形成される。
そしてさらに、図2(d)に示されるように、各ナゲット11は、例えば、鋼板10の平面部において、渦巻状の軌跡に沿ってレーザー光16を走査し、円形のナゲット11dを形成する「スクリュー式形成法」によって形成される。
これらの形成方法からなる複数のナゲット11・11・・・によって構成された溶接部1に対して、本発明者らは、様々な検証実験を行った上で鋭意検討を重ねた結果、各ナゲット11の直径寸法(図1(b)における寸法d)や、ナゲット11・11間のピッチ寸法(図1(b)における寸法p)などの数値の規定範囲を導き出し、本発明に係るレーザー溶接方法を具現化する第一実施形態を完成させるに至ったのである。
具体的には、第一の検証実験として、本発明者らは、ナゲット11の直径寸法dが増加すると、該ナゲット11の内部に脆弱箇所が発生しやすい傾向にあることに着目し、様々な直径寸法dからなるナゲット11に対して、該ナゲット11の内部の硬度を各々測定した。
ここで、第一の検証実験の結果について、図3を用いて説明する。
図3は、縦軸にナゲット11の硬度(単位[Hv])を表し、横軸にナゲット11の中心からの距離(単位[mm])を表すこととして、ナゲット11の硬度を、ナゲット11の中心から半径方向外側へ向けて測定した場合の結果を示している。図3においては、直径寸法dの値が各々異なる三種類のナゲット11(d=2√t、3√t、4√t)についての測定結果を示している。
なお、本図中に示される「t」は、重ね合わせた複数の鋼板10・10の内、最も薄い鋼板10の厚み寸法を表すものである。
本図に示すように、直径寸法がd=2√tであるナゲット11の硬度(図3における直線L1)は、該ナゲット11の外部より中心側に向かうにつれて(即ち、図3において、紙面向かって右側に向かうにつれて。以下同じ。)徐々に増加することとなり、該ナゲット11の外周面近傍(即ち、図3における領域X1)にて最大値となる。
そして、ナゲット11の外周面近傍において最大値となった硬度は、該ナゲット11の内部の全領域にて略変化することなく維持されることとなる。
また、直径寸法d=3√tであるナゲット11の硬度(図3における直線L2)も同様に、該ナゲット11の外部より中心に向かうにつれて徐々に増加することとなり、該ナゲット11の外周面近傍(即ち、図3における領域X2)にて最大値となる。
そして、ナゲット11の外周面近傍において最大値となった硬度は、該ナゲット11の内部の全領域にて略変化することなく維持されることとなる。
一方、直径寸法d=4√tであるナゲット11の硬度(図3における直線L3)は、該ナゲット11の外部より中心に向かうにつれて徐々に増加することとなり、該ナゲット11の外周面近傍(即ち、図3における領域X3)にて最大値となるものの、該ナゲット11の内部に至ると急激に減少することとなる。
そして、ナゲット11内の外周面近傍にて減少した硬度は、該ナゲット11の内部の全領域にて低い値のまま略維持されることとなる。
以上に示した、第一の検証実験に関する結果に基づいて、本発明者らは、ナゲット11の直径寸法dに関する数値の規定範囲として、直径寸法dを3√t以下(d≦3√t)とすることを導き出した。
次に、第二の検証実験として、本発明者らは、溶接部1によって接合された複数の鋼板10・10に対して電着塗装(ED:Electro Deposition Coating)を行う場合、前記溶接部1を形成するナゲット11・11間のピッチ寸法pが狭くなりすぎると、ナゲット群11Aの内部にエアポケットが発生しやすくなり、前記鋼板10・10の電着塗装に関する不良率が増加する傾向にあることに着目し、様々なピッチ寸法pからなる溶接部1によって接合された鋼板10・10に対して、電着塗装の不良率を各々測定した。
ここで、第二の検証実験の結果について、図4を用いて説明する。
図4は、縦軸に鋼板10・10に対する電着塗装の不良率(単位[%])を表し、横軸にナゲット11・11間のピッチ寸法p(単位[mm])を表すこととして、両者の関係を示したグラフである。
なお、本図中に示される「d」は、ナゲット11の直径寸法dを表すものである。
本図に示すように、ナゲット11・11間のピッチ寸法pがd[mm]を超えると、鋼板10・10の電着塗装に関する不良率は、前記ピッチ寸法pの増加に伴って、100[
%]より徐々に減少する。
そして、ナゲット11・11間のピッチ寸法pが2d[mm]にまで到達すると、鋼板10・10の電着塗装に関する不良率は、0[%]となり、これより前記ピッチ寸法pの値がいくら増加しても、前記不良率は0[%]を維持することとなる。
以上に示した、第二の検証実験に関する結果に基づいて、本発明者らは、ナゲット11・11間のピッチ寸法pに関する数値の規定範囲として、ピッチ寸法pを2d以上(p≧2d)とすることを導き出した。
次に、第三の検証実験として、本発明者らは、ナゲット11・11間のピッチ寸法pが広くなりすぎると、前述した静的剥離強度が低くなる傾向にあることに着目し、様々なピッチ寸法pからなる溶接部1によって接合された鋼板10・10に対して、前記溶接部1に関する静的剥離強度を各々測定した。
ここで、第三の検証実験に関する結果について、図5を用いて説明する。
図5は、縦軸に静的剥離強度比を表し、横軸にナゲット11・11間のピッチ寸法p(単位[mm])を表すこととして、両者の関係を示したグラフである。
なお、前記「静的剥離強度比」は、従来のレーザー溶接方法によって形成されたナゲットであって、測定対象である溶接部1の閉曲線12(図1(a)を参照)と同程度の直径からなる円形のナゲットの静的剥離強度を1とした場合の、第一実施形態によるレーザー溶接方法により形成された接合部の静的剥離強度の比率によって表すものである。
また、本図中に示される「d」は、ナゲット11の直径寸法dを表すものである。
本図に示すように、静的剥離強度比は、ナゲット11・11間のピッチ寸法pが3d(p=3d)である時の「2」を最大値として、該ピッチ寸法pの増加に伴い徐々に減少する。
そして、ナゲット11・11間のピッチ寸法pが5d[mm]を超えると、静的剥離強度比は、「1」を下回ることとなる。
以上に示した、第三の検証実験に関する結果に基づいて、本発明者らは、ナゲット11・11間のピッチ寸法pに関する数値の規定範囲として、ピッチ寸法pを5d以下(p≦5d)とすることを導き出した。
こうして、本発明者らは、第一乃至第三の検証実験の結果に基づき、複数のナゲット11・11・・・からなる溶接部1に対して(1)各ナゲット11の直径寸法dが3√t以下(d≦3√t)であること、且つ(2)隣り合うナゲット11・11間のピッチ寸法pが2d以上5d以下(2d≦p≦5d)であること、且つ(3)ナゲット11・11・・・の打点数が3点以上であり、これらナゲット11・11・・・を結ぶ仮想線は、一直線となることはなく、つねに多角形であること、との構成を導き出し、本発明に係るレーザー溶接方法を具現化する第一実施形態を完成させるに至ったのである。
但し、前記「t」は、重ね合わせた複数の鋼板10・10の内、最も薄い鋼板10の厚み寸法を表すものである。
なお、ここで、第一実施形態によるレーザー溶接方法の効果を確認するために、本発明者らが行った確認実験について説明する。
先ず始めに、静的強度に関する効果を確認するために、本発明者らが行った確認実験について説明する。
本発明者らは、第一実施形態によるレーザー溶接方法によって形成されるとともに、溶接部1の閉曲線12(図1(a)を参照)が円周によって形成され、且つその直径寸法Dが4[mm]、6[mm]、8[mm]である三種類の溶接部1(以下、「本件静的サンプル」と記載する)を用意した。
また、本発明者らは、前記本件静的サンプルの比較対象として、従来のレーザー溶接方法によって形成されるとともに、各本件静的サンプルの閉曲線12と同程度の直径寸法を有する三種類の円形のナゲット、及び円周のナゲットからなる溶接部(以下、「第一静的比較サンプル」と記載する)を用意した。
さらに、本発明者らは、前記本件静的サンプルの比較対象として、従来のスポット溶接方法によって形成されるとともに、そのナゲットの直径寸法が6.5[mm]からなる溶接部(以下、「第二静的比較サンプル」と記載する)を用意した。
そして、前記複数の本件静的サンプル、第一静的比較サンプル、及び第二静的比較サンプルについて、静的剥離強度をそれぞれ測定した上で、比較検討を行った。
このようにして行われた、静的強度に関する効果を確認するための確認実験の結果について、図6を用いて説明する。
図6は、縦軸に静的剥離強度(単位[kN])を表し、横軸に前述した複数の本件静的サンプル、第一・第二静的比較サンプルを配置することとして、各サンプルの静的剥離強度を示したグラフである。
本図に示すように、第一実施形態によるレーザー溶接方法によって形成された本件静的サンプルは、閉曲線12の直径寸法Dが4[mm]、6[mm]、8[mm]となる全ての場合において、同程度の直径寸法を有する第一静的比較サンプルよりも高い静的剥離強度を示すことが確認された。
また、閉曲線12の直径寸法Dが6[mm]である本件静的サンプルと、ナゲットの直径寸法が6.5[mm]である第二静的比較サンプルとを比較してみても、前記本件静的サンプルの方が高い静的剥離強度を示すことが確認された。
さらに、従来のレーザー溶接方法による第一静的比較サンプルにおいては、ナゲットの直径寸法が変化しても、静的剥離強度は略一定であるが、本件静的サンプルにおいては、閉曲線12の直径寸法Dが増加するのに伴い、静的剥離強度も増加することが確認された。つまり、第一実施形態によるレーザー溶接方法においては、閉曲線12の直径寸法Dの値を変化させることによって、形成される溶接部1に所望の静的剥離強度を与えられることが確認できた。
次に、動的(衝撃)強度に関する効果を確認するために、本発明者らが行った確認実験について説明する。
本発明者らは、第一実施形態によるレーザー溶接方法によって形成されるとともに、溶接部1の閉曲線12(図1(a)を参照)が直径寸法Dを6[mm]とする円周によって形成され、且つナゲット11の直径寸法dが1.4[mm]である溶接部1(以下、「本件動的サンプル」と記載する)を用意した。
また、本発明者らは、本件動的サンプルの比較対象として、従来のレーザー溶接方法によって形成されるとともに、本件動的サンプルの閉曲線12と同程度の直径寸法(6[mm])を有する円形のナゲットからなる溶接部(以下、「第一動的比較サンプル」と記載する)を用意した。
さらに、本発明者らは、本件動的サンプルの比較対象として、従来のスポット溶接方法によって形成されるとともに、そのナゲットの直径寸法が5[mm]からなる溶接部(以下、「第二動的比較サンプル」と記載する)を用意した。
そして、これらの本件動的サンプル、第一動的比較サンプル、及び第二動的比較サンプルについて、衝撃剪断強度、及び衝撃剥離強度をそれぞれ測定した上で、比較検討を行った。
このようにして行われた、動的強度に関する効果を確認するための確認実験の結果について、図7乃至図9を用いて説明する。
図7乃至図9は、縦軸に衝撃荷重(単位[kN])、及び該衝撃荷重の加速度(単位[G])を表し、横軸に経過時間(単位[msec])を表すこととして、各サンプルにおける衝撃荷重及び衝撃荷重の加速度の経時変化を示したグラフである。
なお、図7、図8、図9は、各々順に、本件動的サンプル、第一動的比較サンプル、及び第二動的比較サンプルに関する測定結果を表したものである。
また、図7乃至図9において、各図中の(a)は剪断方向への衝撃荷重についての測定結果を表し、(b)は剥離方向への衝撃荷重についての測定結果を表したものである。
さらに、図7乃至図9において、衝撃荷重の変化については、実線からなる連続線によって示すこととしており、該衝撃荷重の加速度の変化については、一点鎖線からなる連続線によって示すこととしている。
図7乃至図9において、前述したように、「衝撃剪断強度」、或いは「衝撃剥離強度」を意味することとなるエネルギー吸収量は、衝撃荷重の変化の度合いを表す連続線と、縦軸及び横軸とによって囲まれた領域の面積によって表されることとなる。
そして、図7(a)によって示される、本件動的サンプルのエネルギー吸収量を表す領域Sa1の面積は、図8(a)によって示される、第一動的比較サンプルのエネルギー吸収量を表す領域Sa2に比べて広いことから、第一実施形態によるレーザー溶接方法によって形成された本件動的サンプルは、従来のレーザー溶接方法によって形成された第一動的比較サンプルに比べて、衝撃剪断強度が優位的に高いことが確認された。
また、図7(b)によって示される、本件動的サンプルのエネルギー吸収量を表す領域Sb1の面積は、図8(b)によって示される、第一動的比較サンプルのエネルギー吸収量を表す領域Sb2に比べて広いことから、第一実施形態によるレーザー溶接方法によって形成された本件動的サンプルは、従来のレーザー溶接方法によって形成された第一動的比較サンプルに比べて、衝撃剥離強度が優位的に高いことが確認された。
一方、図7(a)によって示される、本件動的サンプルのエネルギー吸収量を表す領域Sa1の面積は、図9(a)によって示される、第二動的比較サンプルのエネルギー吸収量を表す領域Sa3に比べて略同程度であることから、第一実施形態によるレーザー溶接方法によって形成された本件動的サンプルは、従来のスポット溶接方法によって形成された第二動的比較サンプルに比べて、衝撃剪断強度が略同程度であることが確認された。
また図7(b)によって示される、本件動的サンプルのエネルギー吸収量を表す領域Sb1の面積は、図9(b)によって示される、第二動的比較サンプルのエネルギー吸収量を表す領域Sb3に比べて略同程度であることから、第一実施形態によるレーザー溶接方法によって形成された本件動的サンプルは、従来のスポット溶接方法によって形成された第二動的比較サンプルに比べて、衝撃剥離強度が略同程度であることが確認された。
以上の確認実験の結果より、第一実施形態によるレーザー溶接方法によれば、従来のレーザー溶接方法やスポット溶接方法と同程度、或いは同程度以上の静的強度、及び動的(衝撃)強度が得られることが確認できた。
[第二実施形態によるレーザー溶接方法]
次に、本発明に係るレーザー溶接方法の第二実施形態について、図10乃至図12を用いて説明する。
第二実施形態によるレーザー溶接方法は、重ね合わせた複数の鋼板を接合するレーザー溶接方法であって、従来のスポット溶接方法によって形成された溶接部(接合部)と略同程度の強度特性を、前記複数の鋼板間の接合部に与えることを目的として実現された溶接方法である。
なお、本実施形態によるレーザー溶接方法によって形成される溶接部は、前述した第一実施形態によるレーザー溶接方法によって形成される溶接部1と略同等な構成からなるため、以下の説明については、主に相異点について記載する。
第二実施形態によるレーザー溶接方法を検討するにあたり、本発明者らは、溶接部1(図1を参照)のナゲット群11Aの方向性に着目し、以下に示す様々な検証実験を行った。
具体的には、第四の検証実験として、本発明者らは、ナゲット11・11・・・の打点数によって、ナゲット群11Aの方向性の影響度合いが異なる点に着目し、様々な打点数のナゲット群11Aからなる溶接部1の剪断強度、及び剥離強度を、該ナゲット群11Aの方向性別に各々測定した。
なお、前記「剥離強度」とは、前述した静的剥離強度と同等の意味を表す。また、前記「剪断強度」とは剪断方向に向かって徐々に増加するように加えられる引張荷重であって、溶接部1が破壊されずに耐え得る該引張荷重の最大値によって示される静的剪断強度を表す。
ここで、第四の検証実験に関する結果について、図10を用いて説明する。
図10(a)は、縦軸に剪断強度(単位[kN])を表し、上下両側の横軸にナゲット群11Aの構成をナゲット11・11・・・の打点数別に表すこととして、各ナゲット群Aの剪断強度を示したグラフである。なお、前記ナゲット群11Aの構成については、上側の横軸、及び下側の横軸によって、ナゲット群11Aの方向性が異なるものを表すこととしている。
また、図10(b)は、縦軸に剥離強度(単位[kN])を表し、上下両側の横軸にナゲット群11Aの構成をナゲット11・11・・・の打点数別に表すこととして、各ナゲット群Aの剥離強度を示したグラフである。なお、前記ナゲット群11Aの構成については、上側の横軸、及び下側の横軸によって、ナゲット群11Aの方向性が異なるものを表すこととしている。
図10(a)に示すように、剪断強度に関しては、それぞれの打点数のナゲット群11Aにおいて、ナゲット群11Aの方向性により剪断強度はさほど変化せず、ナゲット群11Aの方向性の影響度合いは小さかった。また、ナゲット11・11・・・の打点数によって、ナゲット群11Aの方向性の影響度合いが大きく異なることはなかった。また、ナゲット11・11・・・の打点数が3点以上、且つ概ね6点以下となる範囲においては、ナゲット群11Aの方向性に関わらず、ナゲット11・11・・・の打点数が増加するに従って、剪断強度も増加することとなった。
一方、図10(b)に示すように、剥離強度に関しては、ナゲット11・11・・・の打点数が3点となる場合、ナゲット群11Aの方向性により剥離強度が大きく変化し、ナゲット群11Aの方向性の影響度合いが大きい結果となった。なお、ナゲット11・11・・・の打点数が4点となる場合には、ナゲット群11Aの方向性により剪断強度はさほど変化せず、ナゲット群11Aの方向性の影響度合いは小さかった。
以上に示した、第四の検証実験に関する結果に基づいて、本発明者らは、ナゲット群11Aの方向性の影響度合いを極力無くすために、ナゲット11・11・・・の打点数として、少なくとも4点以上とすることを導き出した。
次に、第五の検証実験として、本発明者らは、仮想の閉曲線12(図1(a)を参照)の直径寸法Dと、ナゲット群11Aの方向性との関係について着目し、前記直径寸法Dの値が各々異なる溶接部1のサンプルを作成し(D=6[mm]、8[mm]、10[mm])、各サンプルの剪断強度、及び剥離強度を、該ナゲット群11Aの方向性別に各々測定した。
また、比較対象として、従来のスポット溶接方法によって形成されるとともに、そのナゲットの直径寸法が6.5[mm]からなる溶接部を比較サンプルとして作成し、前記比較サンプルの剪断強度、及び剥離強度についても、同時に測定した。
なお、この際のナゲット11・11・・・の打点数は6点のものを採用した。
ここで、第五の検証実験に関する結果について、図11を用いて説明する。
図11(a)は、縦軸に剪断強度(単位[kN])を表し、横軸に閉曲線12(図1(a)を参照)の各直径寸法D、及び従来のスポット溶接方法によるナゲットの直径寸法を表すこととして、各サンプル及び比較サンプルの方向性毎の剪断強度を示したグラフである。
また、図11(b)は、縦軸に剥離強度(単位[kN])を表し、横軸に閉曲線12(図1(a)を参照)の各直径寸法D、及び従来のスポット溶接方法によるナゲットの直径寸法を表すこととして、各サンプル及び比較サンプルの方向性毎の剥離強度を示したグラフである。
図11(a)に示すように、閉曲線12の直径寸法Dの値が増加するに従って、剪断強度は徐々に増加するとともに、各直径寸法D(D=6[mm]、8[mm]、10[mm])におけるそれぞれの剪断強度は、ナゲット群11Aの方向性の影響を殆ど受けることなく、略同程度な値となった。
また、従来のスポット溶接方法によるナゲット(直径寸法6.5[mm])の剪断強度に対して、閉曲線12の直径寸法Dが6[mm]であるナゲット群11Aの剪断強度は、十分高いことが確認された。
また、図11(b)に示すように、閉曲線12の直径寸法Dの値が増加するに従って、剥離強度は徐々に増加するとともに、各直径寸法D(D=6[mm]、8[mm]、10[mm])におけるそれぞれの剥離強度は、ナゲット群11Aの方向性の影響を殆ど受けることなく、略同程度な値となった。
また、従来のスポット溶接方法によるナゲット(直径寸法6.5[mm])の剥離強度に対して、閉曲線12の直径寸法Dが6[mm]であるナゲット群11Aの剥離強度は、十分高いことが確認された。
以上に示した、第五の検証実験に関する結果に基づいて、本発明者らは、ナゲット11・11・・・の打点数として、少なくとも6点以上であれば、ナゲット群11Aの方向性に関わらず、閉曲線12の直径寸法Dを変化させることで、所望の剪断強度、或いは剥離強度を得ることができることを導き出した。
また、この際、閉曲線12の直径寸法Dの値が、少なくとも6[mm]以上であれば、従来のスポット溶接方法によって形成された略同程度の直径寸法からなるナゲットと比べて、同程度以上の剪断強度、及び剥離強度を有することを導き出した。
こうして、本発明者らは、第四、及び第五の検証実験の結果や、その他、様々な検討結果に基づき、複数のナゲット11・11・・・からなる溶接部1に対して(1)各ナゲット11の直径寸法dが√t以上3√t以下(√t≦d≦3√t)であること、且つ(2)隣り合うナゲット11・11間のピッチ寸法pが0.8d以上3d以下(0.8d≦p≦3d)であること、且つ(3)ナゲット11・11・・・の打点数が4点以上12点以下であること、との構成を導き出し、第二実施形態によるレーザー溶接方法を完成させるに至ったのである。
但し、前記「t」は、重ね合わせた複数の鋼板10・10の内、最も薄い鋼板10の厚み寸法を表すものである。また、この際の閉曲線12の直径寸法Dは、3√t以上10√t以下(3√t≦D≦10√t)とする。
なお、ここで、第二実施形態によるレーザー溶接方法の効果を確認するために、本発明者らが行った確認実験について説明する。
先ず始めに、本発明者らは、SCGA590を材料とし、1.4[mm]、及び1.2[mm]の厚みからなる二枚の鋼板10・10(図1(a)を参照)を用意し、第二実施形態によるレーザー溶接方法を用いて、これらの鋼板10・10を接合した。
この際、本発明者らは、鋼板10・10間に形成される溶接部1において、各ナゲット11の直径寸法dが1.4[mm]程度(d=1.4[mm])となり、且つナゲット群11Aにおけるナゲット11・11・・・の打点数が6点となり、且つ隣り合うナゲット11・11間のピッチ寸法pが3[mm](p=3[mm])となるようにしてレーザー溶接を行った。
また、使用するレーザーは、直径寸法0.6[mm]の集光径のものを採用し、直径寸法Dが6[mm](D=6[mm])の円周からなる閉曲線12を形成するようにして、前記溶接部1を形成することとした。
次に、本発明者らは、比較対象として、前述した鋼板10・10と同等の二枚の鋼板を、従来のスポット溶接方法を用いて接合した。この際、形成されるナゲットの直径寸法は、前記閉曲線12の直径寸法Dと同程度とした。
そして、第二実施形態によるレーザー溶接方法を用いて接合された二枚の鋼板10・10(以下、「本件サンプル鋼板」と記載する)と、従来のスポット溶接方法を用いて接合された二枚の鋼板(以下、「比較サンプル鋼板」と記載する)との各々に対して、静的剪断強度を求める際に加えられる剪断方向への引張荷重、及び静的剥離強度を求める際に加えられる剥離方向の引張荷重をそれぞれ測定した。
このようにして行われた、第二実施形態によるレーザー溶接方法の効果を確認するための確認実験の結果について、図12を用いて説明する。
図12(a)、及び(b)は、縦軸に引張荷重(単位[kN])を表し、横軸に二枚の鋼板の相対的な移動距離(移動ストローク)(単位[mm])を表すこととして、両者の関係を、本件サンプル鋼板及び比較サンプル鋼板について示したグラフである。
なお、図12(a)は、静的剪断強度を求める際における両者の関係を示したグラフであり、図12(b)は、動的剪断強度を求める際における両者の関係を示したグラフである。
図12(a)に示すように、静的剪断強度を求める際の、本件サンプル鋼板に加えられる引張荷重と、比較サンプル鋼板に加えられる引張荷重とは、全ての移動距離(移動ストローク)の範囲において、略同程度な値となることが確認された。
また、図12(b)に示すように、静的剥離強度を求める際の、本件サンプル鋼板に加えられる引張荷重と、比較サンプル鋼板に加えられる引張荷重とは、初期の段階における移動距離(移動ストローク)の範囲(移動距離が小さい範囲)において、略同程度な値となる一方、移動距離(移動ストローク)がある値を超えると、本件サンプル鋼板に加えられる引張荷重が、比較サンプル鋼板に加えられる引張荷重より大きくなることが確認された。
以上の確認実験の結果より、第二実施形態によるレーザー溶接方法によれば、従来のスポット溶接方法と同程度以上の静的強度が得られることが確認できた。
[第三実施形態によるレーザー溶接方法]
次に、本発明に係るレーザー溶接方法の第三実施形態について、図13を用いて説明する。
第三実施形態によるレーザー溶接方法は、重ね合わせた複数の鋼板を接合するレーザー溶接方法であって、例えば、従来のレーザー溶接方法によって形成された一直線状の溶接部(接合部)に比べてより高い剥離強度を、前記複数の鋼板間の接合部に与えることを目的として実現された溶接方法である。
第三実施形態におけるレーザー溶接方法によって形成される溶接部3Aは、例えば、図13(a)に示すように、円周からなる仮想の閉曲線32Aの線上に、一定のピッチをもって配置される複数のナゲット31A・31A・・・によって構成される。
ここで、各ナゲット31Aは、前述した走査式形成法によって形成されるとともに、その形状は完全な環状ではなく、一部断絶部31aを設けている。
そして、複数のナゲット31A・31A・・・は、各々の前記断絶部31a・31a・・・を閉曲線32Aの中心に向けて配設される。また、閉曲線32Aの直径寸法は、隣り合うナゲット31A・31Aが、互いに交差するような寸法に定められている。
また、別実施形態として、第三実施形態におけるレーザー溶接方法によって形成される溶接部3Bは、例えば、図13(b)に示すように、円周からなる仮想の閉曲線32Bの線上に、一定のピッチをもって配置される複数のナゲット群31B・31B・・・によって構成される。
ここで、各ナゲット群31Bは、更に小径の円形からなる複数のナゲット31b・31b・・・からなり、これらのナゲット31b・31b・・・は、ナゲット群31Bを形成する仮想の閉曲線32bの線上に、一定のピッチをもって配置される。
なお、各ナゲット群31Bには、閉曲線32bの線上において数点(本実施形態においては1点)のナゲット31bが欠落している欠落部31cが設けられている。そして、複数のナゲット群31B・31B・・・は、各々の前記欠落部31cを閉曲線32Bの中心に向けて配設される。また、閉曲線32Bの直径寸法は、隣り合うナゲット群31B・31B(より具体的には、各々のナゲット群31Bの閉曲線32b)が、互いに交差するような寸法に定められている。
以上のような構成からなる溶接部3A、或いは溶接部3Bに対して、本発明者らは、(1)各ナゲット31A、或いはナゲット群31Bの直径寸法dが√t以上(d≧√t)であること、且つ(2)閉曲線32A、或いは閉曲線32Bの形状が円周、或いは楕円であること、且つ(3)隣り合うナゲット31A・31A、或いはナゲット群31B・31Bの各中心軸のなす角度θが120°以下(θ≦120°)であること、との構成を導き出し、レーザー溶接方法の第三実施形態を完成させるに至ったのである。
なお、ここで「t」は、重ね合わせた複数の鋼板の内、最も薄い鋼板の厚み寸法を表すものである。
このように、第三実施形態によるレーザー溶接方法によって形成される、これらの溶接部3A、或いは溶接部3Bにおいては、何れも溶接箇所の端部(より具体的には、ナゲット31Aの断絶部31a、或いはナゲット郡31Bの欠落部31c)が閉曲線32A、或いは閉曲線32Bの内周部に位置するようになっている。
従って、第三実施形態によるレーザー溶接方法によれば、例えば、従来のレーザー溶接方法によって形成された一直線状の溶接部(接合部)のように、両端部へ外力が集中し、剥離が進行することもなく、安定した品質を確保することができるのである。
[第四実施形態によるレーザー溶接方法]
次に、本発明に係るレーザー溶接方法の第四実施形態について、図14乃至図17を用いて説明する。
第四実施形態によるレーザー溶接方法は、重ね合わせた複数の鋼板を接合するレーザー溶接方法であって、前述した第一乃至第三実施形態によるレーザー溶接方法によって形成された溶接部(接合部)の、防錆性の向上を図ることを目的として実現された溶接方法である。
第四実施形態によるレーザー溶接方法は、以下に示す手順に従って行われる。
即ち、図14(a)に示すように、先ず始めに、重ね合わせた複数(本実施形態においては二枚)の鋼板40・40に対して、例えば、前述した第一実施形態によるレーザー溶接方法によって、溶接部4を形成する。
なお、前記溶接部4は、円周からなる仮想の閉曲線42の線上に、一定のピッチをもって配設される複数のナゲット41・41・・・によって構成される。
また、図14(b)に示すように、断面視において、各ナゲット41の両端面(それぞれの鋼板40・40の、接合面と対向する側の平面部に面する箇所。以下同じ。)は、中央部がやや窪んだ椀形状に形成される。
従って、このような形状からなる複数のナゲット41・41・・・によって構成された溶接部4を有する鋼板40・40に対して、各ナゲット41の窪んだ椀形状部に水分が溜まりやすく、溶接部4は錆びなどが発生し易い状態となっている。
次に、図15(a)に示すように、閉曲線42の内側(内周側)、及び外側(外周側)において、該閉曲線42に沿って形成される内側曲線42a、及び外側曲線42bによって囲まれ、且つ溶接部4を構成する全てのナゲット41・41・・・を含む領域Zに対して、溶融加工を行う。
即ち、図15(b)に示すように、断面視において、前記領域Z(図15(b)中の二点鎖線によって囲まれた領域)の範囲内であって、ナゲット41の端面の周囲に対して溶融加工を行うのである。
そして、図16(a)に示すように、前記溶融加工が完了すると、複数のナゲット41・41・・・は、全て領域Zの底面に配置されることとなる。
即ち、図16(b)に示すように、前記溶融加工によって溶かされた、ナゲット41の端面の周囲は、該ナゲット41の端面の窪みに流入されることとなり、該ナゲット41の両端面と、領域Z・Zの底面とは、それぞれ同一平面上に位置することとなる。
従って、前述したようにこのような形状からなる複数のナゲット41・41・・・によって構成された溶接部4を有する鋼板40・40に対して、水分が各ナゲット41の椀形状部に溜まって停滞することはなく、溶接部4の防錆性の向上を図ることができるのである。
なお、ここで、前述した領域Zに対する溶融加工を行うことで、溶接部4が受け得る強度上の影響を確認するために、本発明者らが行った確認実験について説明する。
本発明者らは、第一実施形態によるレーザー溶接方法によって形成されるとともに、溶接部4の閉曲線42(図16(a)を参照)が円周によって形成され、且つその直径寸法Dが4[mm]、6[mm]、8[mm]である三種類の溶接部4を用意し、これら全ての溶接部4に対して、第四実施形態のレーザー溶接方法による溶融加工を行った(以下、「本件強度サンプル」と記載する)。
また、本発明者らは、これら本件強度サンプルの比較対象として、前記溶融加工を行うことなく、第一実施形態によるレーザー溶接方法によって形成されるとともに、溶接部1の閉曲線12(図1(a)を参照)が円周によって形成され、且つその直径寸法Dが4[mm]、6[mm]、8[mm]である三種類の溶接部1(以下、「比較強度サンプル」と記載する)を用意した。
なお、溶接部4を構成するナゲット41・41・・・、或いは、溶接部1を構成するナゲット11・11・・・の打点数は、ともに6点のものを採用した。
そして、これら複数の本件強度サンプル、及び比較強度サンプルについて、剪断強度、及び剥離強度をそれぞれ測定した上で、比較検討を行った。
このようにして行われた確認実験の結果について、図17を用いて説明する。
図17(a)は、縦軸に剪断強度(単位[kN])を表し、横軸に本件強度サンプル及び比較強度サンプルの閉曲線12・42の直径寸法Dを表すこととして、各本件強度サンプル及び各比較強度サンプルの剪断強度を示したグラフである。
また、図17(b)は、縦軸に剥離強度(単位[kN])を表し、横軸に本件強度サンプル及び比較強度サンプルの閉曲線12・42の直径寸法Dを表すこととして、各本件強度サンプル及び各比較強度サンプルの剥離強度を示したグラフである。
図17(a)、及び図17(b)に示すように、閉曲線12・42の直径寸法Dの値が、6[mm]、8[mm]、10[mm]の何れの場合であっても、第四実施形態のレーザー溶接方法による溶融加工の有無に関わらず、溶接部1、及び溶接部4の剪断強度、及び剥離強度は、ともに略同程度の値になることが確認された。
以上の確認実験の結果より、第四実施形態によるレーザー溶接方法によれば、前述した第一乃至第三実施形態によるレーザー溶接方法によって形成された溶接部(接合部)に対して、強度低下をともなうことなく防錆性の向上を図れることが確認できた。
ところで、以上に示した第一乃至第四実施形態によるレーザー溶接方法においては、形成される溶接部の構成として、以下に示すような様々なパターンのものを採用することも可能である。
即ち、図18(a)に示すように、例えば、円周からなる仮想の閉曲線112の線上に、一定のピッチをもって配置された複数のナゲット111・111・・・からなる溶接部101に対して、前記閉曲線112の内周部に、更に1点のナゲット111を配設することによって構成された溶接部101Aを採用することができる。
また、図18(b)に示すように、例えば、円周からなる仮想の閉曲線212の線上に、一定のピッチをもって配置された複数のナゲット211・211・・・からなる溶接部201に対して、これらのナゲット211・211・・・の一部が共通して用いられるようにして、前記溶接部201と同等の構成からなる複数の溶接部201・201・・・をさらに組み合わせることによって構成された溶接部201Aを採用することができる。
[第五実施形態によるレーザー溶接方法]
次に、本発明に係るレーザー溶接方法の第五実施形態について、図10、図19、及び図20を用いて説明する。
第五実施形態によるレーザー溶接方法は、重ね合わせた複数の鋼板を接合するレーザー溶接方法であって、剪断強度を殆ど変化させることなく、剥離強度のみを変化させる方向性を、前記複数の鋼板間の接合部に持たせることを目的として実現された溶接方法である。
第五実施形態によるレーザー溶接方法を検討するにあたり、本発明者らは、前述した第四の検証実験の結果について着目した。
ここで、第四の検証実験の結果について説明する。
図10(a)に示すように、ナゲット11・11・・・(図1を参照)の打点数が3点である場合、ナゲット群11Aの方向性によって、剪断強度が大きく変化することはない。
一方、図10(b)に示すように、ナゲット11・11・・・の打点数が3点である場合、ナゲット群11Aの方向性によって、剥離強度が大きく変化することとなる。
具体的には、ナゲット11・11・・・の打点数が3点である場合、1点のナゲット11、2点のナゲット11・11と順に、外力の方向に沿って配置する(つまり、1点のナゲット11が、先ず始めに外力より影響を受けることとなる。)場合に比べて、2点のナゲット11・11、1点のナゲット11・11と順に、外力の方向に沿って配置する(つまり、2点のナゲット11が、先ず始めに外力より影響を受けることとなる。)場合の方が、剥離強度は高くなる。
このような第四の検証実験に関する結果に基づいて、本発明者らは、ナゲット11・11・・・の打点数を3点に限定することによって、剪断強度を殆ど変化させることなく、剥離強度のみを変化させる方向性を、ナゲット群11Aに持たせることができることを導き出した。
つまり、図19に示すように、第五実施形態におけるレーザー溶接方法によって形成される溶接部5は、例えば円周からなる仮想の閉曲線52の線上に、ピッチ寸法p・Pをもって配置される3点のナゲット51・51・51によって構成されることとしている。
そして、本発明者らは、さらなる様々な検討結果に基づき、複数のナゲット51・51・51からなる溶接部5に対して(1)各ナゲット51の直径寸法dが√t以上3√t以下(√t≦d≦3√t)であること、且つ(2)隣り合うナゲット51・51間において、ピッチ寸法pが1.5d以上5d以下(1.5d≦p≦5d)であって、ピッチ寸法Pが0.5p以上2p以下(0.5p≦P≦2p)であること、且つ(3)ナゲット51・51・51の打点数が「3点」であること、との構成を導き出し、本発明に係るレーザー溶接方法を具現化する第五実施形態を完成させるに至ったのである。
但し、前記「t」は、重ね合わせた複数の鋼板10・10の内、最も薄い鋼板10の厚み寸法を表すものである。また、この際の閉曲線12の直径寸法Dは、3√t以上10√t以下(3√t≦D≦10√t)とする。
なお、前述したように、第五実施形態によるレーザー溶接方法によれば、僅か3点のナゲット51・51・51からなる溶接部5の方向性を変更するだけで、該溶接部5の剪断強度を殆ど変化させることなく、該溶接部5の剥離強度を変化させることができる。
よって、例えば、図20(a)に示すように、外部より加えられる外力Fの方向が、予め定められているような構造物55であれば、前記外力F1の方向に基づいて各溶接部5・5・・・の方向性を規定することによって、これら溶接部5・5・・・の個数を抑えることが可能となり、これら溶接部5・5・・・を構成するナゲット51・51・・・の打点数も抑制され経済的である。
また、図20(b)に示すように、例えば、外力F2の方向に沿って、2点のナゲット51・51、1点のナゲット51と、順に配設される溶接部5に対して、さらに1点のナゲット51を配設したり、或いは外力F3の方向に沿って、2点のナゲット51・51、1点のナゲット51と、順に配設される溶接部5Aに対して、前記2点のナゲット51・51の内の1点のナゲット51を共通に用いつつ、さらに外力F3の方向に沿って、2点のナゲット51・51、1点のナゲット51と、順に配設される溶接部5Bを組み合わせることによって、これらの溶接部5、5A、5Bの剥離強度を、容易に向上させることができるのである。
以上のように、第一実施形態によるレーザー溶接方法は、重ね合わせた複数の鋼板10・10を接合するレーザー溶接方法であって、前記複数の鋼板10・10間の接合部に形成される溶接部1は、仮想の閉曲線12に沿って配設される、複数のナゲット11・11・・・によって構成され、前記複数の鋼板10・10の内、最も外側の何れか薄い方の鋼板10の厚み寸法tに対して、前記各ナゲット11の直径寸法dは3√t以下(d≦3√t)であり、且つ隣り合うナゲット11・11間のピッチ寸法pは2d以上5d以下(2d≦p≦5d)であり、且つ前記複数のナゲット11・11・・・の打点数は3点以上であることを特徴とする。
また、第一実施形態によるレーザー溶接方法によって接合された複数の鋼板10・10を備える溶接構造体において、前記複数の鋼板10・10間の接合部に形成される溶接部1は、仮想の閉曲線12に沿って配設される、複数のナゲット11・11・・・によって構成され、前記複数の鋼板10・10の内、最も外側の何れか薄い方の鋼板10の厚み寸法tに対して、前記各ナゲット11の直径寸法dは3√t以下(d≦3√t)であり、且つ隣り合うナゲット11・11間のピッチ寸法pは2d以上5d以下(2d≦p≦5d)であり、且つ前記複数のナゲット11・11・・・の打点数は3点以上であることを特徴とする。
このような構成を有することで、第一実施形態におけるレーザー溶接方法、及び溶接構造体によれば、仮想の閉曲線12上において、一定のピッチ寸法pをもって配設される複数のナゲット12・12・・・からなる溶接部1であって、従来のレーザー溶接方法によって形成される前記閉曲線12と同程度の直径寸法からなる円周形状、或いは円形状の溶接部と比べて、常に同程度以上の強度特性を有する溶接部を形成することができる。
具体的には、強度特性とは、主に静的強度と動的(衝撃)強度とによって評価されるところ、前述したように、静的強度については、図6によって示される、本発明者らが行った確認実験の結果によって、また動的(衝撃)強度については、図7乃至図9によって示される、本発明者らが行った確認実験の結果によって、本実施形態(第一実施形態)におけるレーザー溶接方法によって形成される溶接部1が、該溶接部1の閉曲線12と同程度の直径寸法からなる円周形状、或いは円形状の溶接部と比べて、常に同程度以上の強度特性を有することが確認されている。
また、第四実施形態によるレーザー溶接方法は、閉曲線42の内周側、及び外周側において、前記閉曲線42に沿って形成される、仮想の内側曲線42a、及び外側曲線42bによって囲まれ、且つ溶接部4を構成する全てのナゲット41・41・・・を含む領域Zに対して溶融加工を行うこととしている。
また、第四実施形態によるレーザー溶接方法によって接合された複数の鋼板40・40を備える溶接構造体において、前記閉曲線42の内周側、及び外周側にて、前記閉曲線に沿って形成される、仮想の内側曲線42a、及び外側曲線42bによって囲まれ、且つ溶接部4を構成する全てのナゲット41・41・・・を含む領域Zに対して溶融加工を行うこととしている。
このような構成を有することで、水分が各ナゲット41の椀形状部に溜まって停滞することもなく、溶接部4の防錆性の向上を図ることができるのである。
1 溶接部
4 溶接部
10 鋼板
11 ナゲット
12 閉曲線
41 ナゲット
42 閉曲線
42a 内側曲線
42b 外側曲線
d 直径寸法
p ピッチ寸法
t 厚み寸法
Z 領域

Claims (1)

  1. 重ね合わせた複数の鋼板を接合するレーザー溶接方法であって、
    前記複数の鋼板間の接合部に形成される溶接部は、
    仮想の閉曲線に沿って配設される、複数のナゲットによって構成され、
    前記複数のナゲットは、それぞれレーザ光を走査することによって形成され
    記複数のナゲットの打点数は3点以上であ
    前記閉曲線の内周側、及び外周側において、
    前記閉曲線に沿って形成される、仮想の内側曲線、及び外側曲線によって囲まれ、且つ
    溶接部を構成する全てのナゲットを含む領域に対して溶融加工を行う、
    ことを特徴とするレーザー溶接方法。
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