JP6044579B2 - 溶接方法及び溶接構造体 - Google Patents

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Description

本発明は溶接方法及び溶接構造体に関し、特に、レーザ溶接についての溶接方法及び溶接構造体に関する。
従来から、重ね合わせた複数の溶接対象物(例えば金属板等)を接合する溶接方法の一つとして、加工歪みが少なく、高速溶接が可能であり、残留熱影響部も少ないなどの利点から、レーザ溶接による溶接方法が広く利用されている。レーザ溶接方法においては、一般的に、レーザ光を一直線状に走査させることによって、一直線状に溶接部が形成されることが多い。
ここで、一直線状に形成された溶接部においては、両端部に応力集中が発生する。したがって、このような溶接部は欠損しやすく、溶接部の品質が安定し難いなどの問題点が指摘されていた。よって、このような問題点を改善するために、様々な形状からなる溶接部を形成するレーザ溶接方法が提案されてきた。
例えば、特許文献1には、対向配置される2個の「C字」形状からなる溶接部を形成するレーザ溶接方法が開示されている。このようなレーザ溶接方法によって、応力集中の発生しやすい溶接範囲の両側端部には、C字形状における円弧である、溶接部の曲線部が配置される。一方、溶接部の始端(レーザ照射の始点)及び終端(レーザ照射の終点)は、外力の影響を受け難い(溶接強度の向上にあまり寄与しない)両側端部の中間部に配置される。これによって、応力集中の発生しやすい両側端部に溶接部の始端及び終端が配置されないので、溶接部における応力集中が緩和される。また、特許文献1におけるレーザ溶接方法は、対向配置される2個の「C字」によって溶接部を形成することから、外力の影響を受け難い中間部の溶接を省略している。つまり、溶接強度の向上にあまり寄与しない位置を溶接しないことによって、生産効率が向上している。
特開2009−233712号公報
ここで、レーザ溶接によって形成された溶接構造体においては、溶接部と母材との境界で応力集中が発生しやすいという傾向がある。そのため、溶接部と母材との境界で亀裂が生じるおそれがある。さらに、亀裂の進展方向に同様の境界が存在すると、その亀裂が進展しやすくなる。これにより、接合された溶接対象物が破断するという問題が生じるおそれがある。
一方、上述した特許文献1にかかるレーザ溶接方法で形成された溶接部は、この2個のC字形状からなる溶接部と同程度の大きさの円形状又は円周形状で形成された溶接部と比較して、同程度の強度特性を有するに過ぎない。したがって、特許文献1にかかるレーザ溶接方法で形成された溶接部は、同程度の大きさの円形状又は円周形状で形成された溶接部と比較して、上述した問題に対して有効な効果を奏するわけではない。
本発明の目的は、このような課題を解決するためになされたものであり、溶接強度を向上させることが可能な溶接方法及び溶接構造体を提供することにある。
本発明にかかる溶接方法は、複数の溶接対象物を重ね合わせてレーザ溶接を行って前記複数の溶接対象物を接合する溶接方法であって、レーザ溶接によって、前記溶接対象物上の仮想閉曲線に沿って複数のナゲットを形成することによって、溶接部を形成し、互いに隣り合う前記ナゲット間のピッチ寸法pに対する、前記ナゲットの径dの比d/pが、1/2より大きく、かつ、1以下である。
また、本発明にかかる溶接構造体は、レーザ溶接によって形成された溶接部により接合された複数の溶接対象物を有する溶接構造体であって、前記溶接部は、前記溶接対象物上の仮想閉曲線に沿って形成された複数のナゲットを有し、互いに隣り合う前記ナゲット間のピッチ寸法pに対する、前記ナゲットの径dの比d/pが、1/2より大きく、かつ、1以下である。
互いに隣り合うナゲット間のピッチ寸法pに対する、ナゲットの径dの比d/pが、1/2より大きく、かつ、1以下となるように、複数のナゲットを形成することによって、隣り合うナゲットが、間に母材を挟んで断続的に配置される。したがって、亀裂の進展方向に母材(溶接対象物)が設けられる。したがって、亀裂の進展を抑制することが可能となる。したがって、溶接強度を向上させることが可能となる。
また、好ましくは、重ね合わされた前記複数の溶接対象物の厚さTに対する、前記ナゲットの径dの比d/Tが、3以下である。
このように構成されていることによって、溶接対象物を垂直に設置した姿勢で溶接を行った場合であっても、ナゲットの自重垂れを抑制することが可能となる。したがって、打点姿勢によらないで、ナゲットの自重垂れを抑制することが可能となり、溶接対象物を水平に設置した姿勢で溶接を行った場合と同等の溶接強度を保つことが可能となる。
また、好ましくは、前記複数の溶接対象物のうち、レーザ光を照射しない側の前記溶接対象物の厚さtに対する、前記ナゲットの径dの比d/tが、1.5以下である。
このように構成されていることによって、溶接対象物がダイキャスト材や鋳物等で形成された場合であっても、レーザ光を照射しない側に突起が形成されることを抑制することが可能となる。したがって、溶接対象物がダイキャスト材や鋳物等で形成された場合であっても、適切に溶接を行うことが可能となる。
本発明によれば、溶接強度を向上させることが可能な溶接方法及び溶接構造体を提供できる。
実施の形態1にかかる溶接方法によって形成された溶接構造体を示す図である。 実施の形態1にかかる溶接方法を示す図である。 実施の形態1にかかる、様々な数のナゲットから構成される溶接部の例を示す図である。 実施の形態1にかかる、ピッチ寸法pに対するナゲット径dの比d/pと、溶接強度との関係を示すグラフである。 比較例にかかる溶接方法によって形成された溶接構造体を示す図である。 実施の形態1にかかる溶接部の破断のメカニズムについて説明するための図である。 実施の形態1にかかる溶接方法によって形成された溶接構造体の強度試験の結果と、比較例にかかる溶接方法によって形成された溶接構造体の強度試験の結果とを比較する図である。 実施の形態2に関連し、溶接対象物2,4を垂直に設置した姿勢で溶接を行う状態を示した図である。 総厚Tに対するナゲット径dの比d/Tと、上側凹量及び下側凸量との関係を測定した結果を示すグラフである。 実施の形態2にかかる溶接方法によって形成された溶接構造体の強度試験の結果と、比較例にかる溶接方法によって形成された溶接構造体の強度試験の結果とを比較する図である。 実施の形態3にかかる溶接方法によって形成された溶接部の溶接形状と、比較例にかかる溶接方法によって形成された溶接部の溶接形状とを比較する図である。 厚さtに対するナゲット径dの比d/tと、突起量との関係を測定した結果を示すグラフである。 変形例にかかる溶接部を例示する図である。
(実施の形態1)
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、実施の形態1にかかる溶接方法によって形成された溶接構造体1を示す図であり、(a)は溶接構造体1の平面図を示し、(b)は溶接構造体1のA−A線断面図を示す。
溶接構造体1は、複数の溶接対象物(例えば金属板等)を有する。本実施の形態では、溶接構造体1は、互いに重ね合わされた2つの溶接対象物2,4を有する。溶接対象物2,4は、溶接部10によって、重ね合わされた状態で接合されている。溶接部10は、後述するように、レーザ溶接によって形成される。レーザ溶接の際、レーザ光は、溶接対象物2に照射される。言い換えると、溶接対象物4は、レーザ光を照射しない側の溶接対象物である。
溶接部10は、複数のナゲット12によって構成されている。図1の例では、溶接部10は、6個のナゲット12a,12b,12c,12d,12e,12fを有する。溶接部10におけるナゲット12の数は、任意である。また、各ナゲット12は、図1(a)に示すように、例えば略円形に形成されている。なお、ナゲット12の形状は、円形に限られず、例えば楕円形状であってもよいし、多角形形状であってもよい。
ナゲット12a,12b,12c,12d,12e,12fは、一点鎖線で示された仮想閉曲線14に沿って配置されるように形成されている。なお、本実施の形態においては、仮想閉曲線14が円形である例を示しているが、仮想閉曲線14は、円形に限られない。仮想閉曲線14は、楕円であってもよく、任意の曲線又は多角形であってもよい。本実施の形態においては、仮想閉曲線14は、直径Dの円形である。
図1(b)に示すように、ナゲット12の径(例えば直径)をdとする。また、互いに隣り合うナゲット12間(例えばナゲット12a及びナゲット12b)のピッチ寸法をpとする。この場合、ナゲット12は、1/2<d/p≦1となるように配置されるように形成されている。言い換えると、ナゲット12は、ピッチ寸法pに対するナゲット径dの比d/pが、1/2より大きく、かつ、1以下となるように、配置されている。
なお、ピッチ寸法pは、隣り合うナゲット12間の距離(間隔)を示す値である。例えば、ナゲット12が円形形状である場合、ピッチ寸法pは、隣り合うナゲット12の中心間の距離を示してもよい。例えば、ナゲット12aとナゲット12bとの間のピッチ寸法pは、ナゲット12aの中心近傍の位置と、ナゲット12bの中心近傍の位置との距離であってもよい。
また、ナゲット径dは、ナゲット12が円形形状である場合は、ナゲット12の直径であってもよい。一方、ナゲット12が楕円形状である場合、ナゲット径dは、長軸長さであってもよいし、長軸長さと短軸長さの平均値であってもよい。つまり、ナゲット径とは、ナゲット12の大きさ(外径寸法)を示す値である。
また、ピッチ寸法pは、溶接部10において厳密に一定でなくてもよい。つまり、例えば、ナゲット12aとナゲット12bの間のピッチ寸法pと、ナゲット12bとナゲット12cとの間のピッチ寸法pとは、互いに同じでなくてもよい。また、各ナゲット12の径dは、厳密に同じでなくてもよい。例えば、ナゲット12aの径とナゲット12bの径とは、互いに同じでなくてもよい。
また、図1(b)に示すように、溶接対象物2,4の間隙を含む溶接対象物2,4の厚さ(総厚)をTとする。また、レーザ光を照射しない側の溶接対象物である溶接対象物4の厚さをtとする。これらの総厚T及び溶接対象物4の厚さtについては、後述する他の実施の形態において述べる。
図2は、実施の形態1にかかる溶接方法を示す図である。実施の形態1にかかる溶接方法は、溶接装置100によって実施される。溶接装置100は、照射部102と、制御部104とを少なくとも有する。照射部102は、例えばガルバノスキャナ等のレーザスキャナであって、内蔵されたガルバノミラーの向きを制御することによって、溶接対象物2の予め定められた位置に、レーザ光LAを照射する。これにより、レーザ光LAが照射された位置に、ナゲット12が形成される。制御部104は、複数のナゲット12が1/2<d/p≦1の条件で形成されるように、照射部102(特にガルバノミラーの向き)を制御する。
そして、各ナゲット12の形成方法については、以下に示されるような、様々な方法が存在する。しかしながら、本実施の形態にかかる溶接方法を行う上では、何れの形成方法を採用しても構わない。
図2(a)は、「定点式形成法」を示す。この定点式形成法においては、例えば、溶接対象物2における予め定められたポイントに、レーザ光LAを一定時間照射することで、円形のナゲット12が形成される。具体的には、制御部104は、溶接対象物2におけるナゲット12aが形成されるべき位置にレーザ光LAが照射されるように、照射部102を制御する。これにより、照射部102は、制御部104の制御によって設定された位置に、レーザ光LAを一定時間照射して、ナゲット12aを形成する。ナゲット12aが形成されると、制御部104は、ナゲット12bが形成されるべき位置にレーザ光LAが照射されるように、照射部102を制御する。以下同様にして、溶接装置100は、溶接対象物2,4に、ナゲット12b,12c,12d,12e,12fを形成する。
図2(b)は、「走査式形成法」を示す。この走査式形成法においては、例えば、溶接対象物2において、矢印Bで示すように、円周の軌跡(例えば、図1(a)におけるナゲット12の外周と同形状の軌跡)に沿ってレーザ光LAを走査することで、環状のナゲット12が形成される。具体的には、制御部104は、溶接対象物2におけるナゲット12aが形成されるべき位置において、円周の軌跡に沿ってレーザ光LAが走査されるように、照射部102を制御する。これにより、照射部102は、環状のナゲット12aを形成する。ナゲット12aが形成されると、制御部104は、ナゲット12bが形成されるべき位置にレーザ光LAが照射されるように、照射部102を制御する。以下同様にして、溶接装置100は、溶接対象物2,4に、ナゲット12b,12c,12d,12e,12fを形成する。
図2(c)は、「塗潰し式形成法」を示す。この塗潰し式形成法においては、まず、円周の軌跡に沿ってレーザ光LAを走査して環状のナゲットを形成する。次に、矢印Cで示すように、形成された環状のナゲットの内部を塗り潰すようにレーザ光LAを走査することで、円形のナゲット12を形成する。具体的には、制御部104は、溶接対象物2におけるナゲット12aが形成されるべき位置において、円周の軌跡に沿ってレーザ光LAが走査されるように、照射部102を制御する。これにより、照射部102は、環状のナゲットを形成する。次に、制御部104は、形成された環状のナゲットの内部を塗り潰すようにレーザ光LAが走査されるように、照射部102を制御する。これにより、照射部102は、環状のナゲットの内部を塗り潰すようにレーザ光LAを走査して、円形のナゲット12を形成する。ナゲット12aが形成されると、制御部104は、ナゲット12bが形成されるべき位置にレーザ光LAが照射されるように、照射部102を制御する。以下同様にして、溶接装置100は、溶接対象物2,4に、ナゲット12b,12c,12d,12e,12fを形成する。
図2(d)は、「スクリュー式形成法」を示す。このスクリュー式形成法においては、例えば、溶接対象物2において、矢印Dで示すように、渦巻状の軌跡に沿ってレーザ光LAを走査することで、円形のナゲット12が形成される。具体的には、制御部104は、溶接対象物2におけるナゲット12aが形成されるべき位置において、渦巻状の軌跡に沿ってレーザ光LAが走査されるように、照射部102を制御する。これにより、照射部102は、円形のナゲット12aを形成する。ナゲット12aが形成されると、制御部104は、ナゲット12bが形成されるべき位置にレーザ光LAが照射されるように、照射部102を制御する。以下同様にして、溶接装置100は、溶接対象物2,4に、ナゲット12b,12c,12d,12e,12fを形成する。
図3は、実施の形態1にかかる、様々な数のナゲット12から構成される溶接部10の例を示す図である。図3には、ナゲット数(打点数)が3,4,5である場合の溶接部10が、それぞれ示されている。
図3(a)は、ナゲット数が3個である溶接部10を示す。溶接部10は、3個のナゲット12a,12b,12cを有する。ナゲット12a,12b,12cは、仮想閉曲線14(例えば直径Dの円形)に沿って配置されるように形成されている。また、各ナゲット12の径はdであり、互いに隣り合うナゲット12間のピッチ寸法はpである。このとき、ナゲット12は、1/2<d/p≦1となるように配置されている。
図3(b)は、ナゲット数が4個である溶接部10を示す。溶接部10は、4個のナゲット12a,12b,12c,12dを有する。ナゲット12a,12b,12c,12dは、仮想閉曲線14(例えば直径Dの円形)に沿って配置されるように形成されている。また、各ナゲット12の径はdであり、互いに隣り合うナゲット12間のピッチ寸法はpである。このとき、ナゲット12は、1/2<d/p≦1となるように配置されている。
図3(c)は、ナゲット数が5個である溶接部10を示す。溶接部10は、5個のナゲット12a,12b,12c,12d,12eを有する。ナゲット12a,12b,12c,12d,12eは、仮想閉曲線14(例えば直径Dの円形)に沿って配置されるように形成されている。また、各ナゲット12の径はdであり、互いに隣り合うナゲット12間のピッチ寸法はpである。このとき、ナゲット12は、1/2<d/p≦1となるように配置されている。
図4は、実施の形態1にかかる、ピッチ寸法pに対するナゲット径dの比d/pと、溶接強度との関係を示すグラフである。ここで、図4(a)は、ピッチ寸法pに対するナゲット径dの比d/pと、剥離強度比率との関係を示すグラフであり、図4(b)は、ピッチ寸法pに対するナゲット径dの比d/pと、せん断強度比率との関係を示すグラフである。なお、図4の例にかかるグラフは、ナゲット12の数が3,4,5,6であり、0.2<d/p<2であり、溶接対象物2が板厚1.2mmのアルミニウム合金であり、溶接対象物4が板厚1.0mmのアルミニウム合金である場合を条件とした強度試験の結果を示している。
ここで、剥離強度とは、例えば、接合された溶接対象物2,4を剥離させる剥離方向(溶接対象物の厚み方向)に向かって加えられる引張荷重であって、溶接対象物2,4(溶接部10)が剥離せずに耐え得る引張荷重の最大値によって示される。また、せん断強度とは、例えば、接合された溶接対象物2,4に対して、せん断方向(溶接対象物の厚み方向と直交する方向)に向かって加えられる引張荷重であって、溶接対象物2,4(溶接部10)がせん断方向に剥離せずに耐え得る引張荷重の最大値によって示される。
また、剥離強度比率とは、溶接部10と同程度の大きさ(例えば直径D+d)からなる略円形の1つのナゲットで接合された場合の剥離強度を1とした場合の、実施の形態1にかかる溶接方法で形成された溶接部10の剥離強度の比率を示す。同様に、せん断強度比率とは、溶接部10と同程度の大きさ(例えば直径D+d)からなる略円形の1つのナゲットで接合された場合のせん断強度を1とした場合の、実施の形態1にかかる溶接方法で形成された溶接部10のせん断強度の比率を示す。
図4(a)に示すように、d/p<0.5の場合、剥離強度比率は、1よりも小さい。言い換えると、このとき、実施の形態1にかかる溶接方法で形成された溶接部10の剥離強度は、溶接部10と同程度の大きさ(例えば直径D+d)からなる略円形の1つのナゲットで接合された場合の剥離強度よりも小さくなっている。
d/p<0.5の場合、ピッチ寸法pに対してナゲット径が小さく、各ナゲット12が離れている。そのため、強度特性について、複数のナゲット12が相互に影響を及ぼさず、各ナゲット12の単独の強度を超える荷重が加わった場合に、破断が生じる。したがって、この場合、各ナゲット12それぞれの内部で別個に破断する。つまり、d/p<0.5の場合、実施の形態1にかかる溶接方法は、溶接強度の向上に寄与していない。
また、1<d/pの場合、剥離強度比率は、1の近傍である。言い換えると、このとき、実施の形態1にかかる溶接方法で形成された溶接部10の剥離強度は、溶接部10と同程度の大きさ(例えば直径D+d)からなる略円形の1つのナゲットで接合された場合の剥離強度と、ほぼ同程度である。
1<d/pの場合、ピッチ寸法pに対してナゲット径が大きすぎ、隣り合うナゲット12同士が重なってしまっている。したがって、ナゲット12の集まりである溶接部10の外周に沿って破断する(つまり複数のナゲット12が一体となって破断する)。また、この場合、隣り合うナゲット12同士が重なっているので、複数のナゲット12から構成される溶接部10の形状は、その溶接部10と同程度の大きさからなる略円形の1つのナゲットの形状と、強度特性上、ほぼ同一となる。したがって、この場合、溶接部10と同程度の大きさからなる略円形の1つのナゲットで接合したときの強度特性と同様の強度特性となる。つまり、1<d/pの場合、実施の形態1にかかる溶接方法は、溶接強度の向上にあまり寄与していない。
一方、0.5<d/p≦1の場合、領域A(破線で示す)で示すように、剥離強度比率は、1よりも大きい。言い換えると、このとき、実施の形態1にかかる溶接方法で形成された溶接部10の剥離強度は、溶接部10と同程度の大きさ(例えば直径D+d)からなる略円形の1つのナゲットで接合された場合の剥離強度よりも大きくなっている。したがって、この場合、溶接強度を向上させることが可能となる。
0.5<d/p≦1の場合、隣り合うナゲット12は離間しているので、隣り合うナゲット12間に母材(溶接対象物2,4)が設けられる。したがって、ナゲットが一体となり一度に破断することが抑制される。さらに、隣り合うナゲット12が離れすぎないため、ナゲットが個々に破断することも抑制される。したがって、この場合、母材(溶接対象物2,4)で破断する。
また、図4(b)に示すように、せん断強度特性についても、領域B(破線で示す)で示すように、図4(a)に示す結果と同様の結果が得られる。つまり、せん断強度についても、0.5<d/p≦1の場合に、溶接強度を向上させることが可能となる。
以下、本実施の形態にかかる溶接方法のメカニズムについて説明する。
図5は、比較例にかかる溶接方法によって形成された溶接構造体90を示す図であり、(a)は溶接構造体90の平面図を示し、(b)は溶接構造体90のA−A線断面図を示す。
溶接構造体90は、実施の形態1にかかる溶接構造体1と同様に、互いに重ね合わされた2つの溶接対象物2,4を有する。溶接対象物2,4は、溶接部92によって、重ね合された状態で接合されている。溶接部92は、レーザ溶接によって形成される。溶接部92は、略円形の1つのナゲットで構成される。
ここで、レーザ溶接においては、溶融部である溶接部92と、母材である溶接対象物2,4との境界(図5(b)に矢印Bで示す)で応力集中が発生する。したがって、この境界位置で亀裂が発生しやすい。さらに、図5(a)の矢印Cで示すように、円形の溶接部92の円周に沿って境界位置が連続して存在する。つまり、比較例においては、矢印Cで示すように亀裂が進展し、その進展方向に境界位置が存在するので、亀裂が進展しやすくなる。
図6は、実施の形態1にかかる溶接部10の破断のメカニズムについて説明するための図である。まず、溶接部10において、ナゲット12aと母材である溶接対象物2,4との境界の点Pで応力集中が発生し、亀裂が発生する。そして、溶接部10の外周(太い破線で示す)であるナゲット12aの円周に沿って、ナゲット12aと母材(溶接対象物2,4)との境界が存在することから、矢印A1で示すように、このナゲット12aの円周に沿って、亀裂が進展する。
そして、点B1において、ナゲット12aの円周は、溶接部10の外周から外れ、溶接部10の内側に位置することとなる。したがって、亀裂の進展方向は、矢印A2に示す方向に変わることとなる。したがって、点B1においては、亀裂の進展方向が連続である場合と比較して、亀裂の進展が抑制される。さらに、点B1には、母材である溶接対象物2,4が存在することとなる。言い換えると、点B1においては、ナゲット12と母材との境界が存在しない。したがって、点B1においては、ナゲット12(溶接部10)と母材との境界が連続する場合と比較して、亀裂の進展が抑制される。このことは、点B2においても同様である。このように、実施の形態1にかかる溶接方法により、隣り合うナゲット12が、間に母材を挟んで断続的に配置されることによって、溶接部10全体として、亀裂の進展を抑制することが可能となる。したがって、溶接強度を向上させることが可能となる。
図7は、実施の形態1にかかる溶接方法によって形成された溶接構造体1の強度試験の結果と、比較例にかかる溶接方法によって形成された溶接構造体90の強度試験の結果とを比較する図であり、(a)は、実施の形態1にかかる溶接方法についての強度試験の結果を示し、(b)は、比較例にかかる溶接方法についての強度試験の結果を示す。
図7において、縦軸は、溶接構造体に加えた荷重を示し、横軸は、経過時間を示す。つまり、図7は、荷重の経時変化を示すグラフを表している。ここで、溶接構造体のエネルギー吸収量は、図7に示すグラフにおいて、荷重の経時変化を示す曲線と、縦軸及び横軸とで囲まれた領域(斜線で示す)の面積で示される。
ここで、図7(a)に示された、実施の形態1にかかる溶接構造体1のエネルギー吸収量S1は、図7(b)に示された、比較例にかかる溶接構造体90のエネルギー吸収量S2よりも大きい。これは、図4を用いて上述したように、実施の形態1にかかる溶接構造体1は、母材(溶接対象物)で破断されるからである。したがって、図7で示すように、エネルギー吸収量を向上させることが可能となる。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。実施の形態2にかかる溶接構造体1においては、実施の形態1にかかる溶接構造体1と同様に、溶接部10によって、溶接対象物2,4が接合されている。溶接部10は、実施の形態1と同様に、複数のナゲット12によって構成されている。ナゲット12は、実施の形態1と同様に、1/2<d/p≦1となるように配置されるように形成されている。さらに、実施の形態2においては、d≦3Tとなるようにナゲット12が形成されている点で、実施の形態1と異なる。言い換えると、実施の形態2においては、総厚Tに対するナゲット径dの比d/Tが、3以下となるように、ナゲット12が形成されている。実施の形態2においては、このように構成されていることによって、溶接対象物2,4を垂直に設置した姿勢でレーザ溶接を行った場合であっても、溶融金属(ナゲット12)の自重垂れを抑制することが可能となる。
図8は、実施の形態2に関連し、溶接対象物2,4を垂直に設置した姿勢で溶接を行う状態を示した図である。図8に示すように、実施の形態2にかかる溶接方法おいては、この状態で、溶接対象物2,4が垂直に設置される。そして、溶接装置100の照射部102は、水平方向に、レーザ光LAを、溶接対象物2に対して照射する。
このとき、形成されたナゲット12においては、溶融金属が自重によって下側に移動してしまう自重垂れが生じるおそれがある。ここで、図8に示すように、溶融金属が自重によって下側に移動したことにより、ナゲット12の上側には凹みが生じ、下側には出っ張りが生じる。ここで、ナゲット12の上側の、溶接対象物2の表面Aからの凹みの量を上側凹量H1とする。また、ナゲット12の下側の、溶接対象物2の表面Aからの出っ張りの量を下側凸量H2とする。
図9は、総厚Tに対するナゲット径dの比d/Tと、上側凹量H1及び下側凸量H2との関係を測定した結果を示すグラフであり、(a)は、比d/Tと、上側凹量H1との関係を示し、(b)は、比d/Tと、下側凸量H2との関係を示す。
図9(a)に示すように、0<d/T≦3においては、上側凹量H1は、ほぼ0である。一方、3<d/Tにおいては、上側凹量H1は0を超える値となり、d/Tが増加するにつれて、上側凹量H1は増加する。また、図9(b)に示すように、0<d/T≦3においては、下側凸量H2は、ほぼ0である。一方、3<d/Tにおいては、下側凸量H2は0を超える値となり、d/Tが増加するにつれて、下側凸量H2は増加する。したがって、0<d/T≦3の条件では、ナゲット12の自重垂れの発生を抑制することが可能となる。よって、実施の形態2においては、溶接対象物2,4を垂直に設置した姿勢であっても、ナゲット12の自重垂れを抑制することが可能となる。
図10は、実施の形態2にかかる溶接方法によって形成された溶接構造体1の強度試験の結果と、比較例にかる溶接方法によって形成された溶接構造体の強度試験の結果とを比較する図である。ここで、比較例にかかる溶接方法は、図5を用いて上述したものと同様である。また、図10には、溶接部10が6個のナゲット12で構成される場合を例示している。また、図10において、縦軸は、剥離強度比を示す。図10における剥離強度比は、図1(a)に示すように溶接対象物2,4を水平に設置した姿勢で溶接を行ったときの剥離強度(水平剥離強度)を1とした場合の、図8に示すように溶接対象物2,4を垂直に設置した姿勢で溶接を行ったときの剥離強度(垂直剥離強度)の比率を示す。また、比較例にかかる溶接部92の径をdとすると、d/Tの値は5.5程度である。また、実施の形態2にかかるナゲット12の径をdとすると、d/Tの値は1.5程度である。
図10に示すように、比較例にかかる溶接部92においては、剥離強度比は1未満となる。つまり、比較例においては、溶接対象物2,4を垂直に設置した姿勢で溶接を行うと、溶接対象物2,4を水平に設置した姿勢で溶接を行った場合と比較して、溶接強度が悪化する。一方、実施の形態2にかかるナゲット12(溶接部10)においては、剥離強度比は1程度となる。つまり、実施の形態2においては、溶接対象物2,4を垂直に設置した姿勢で溶接を行っても、溶接対象物2,4を水平に設置した姿勢で溶接を行った場合と同等の溶接強度を保っている。
比較例にかかる溶接部92においては、溶接強度を保つために径を大きくすると、総厚Tに対する径dの値が大きくなってしまう。したがって、溶接対象物2,4を垂直に設置した姿勢で溶接を行うと、ナゲット12の自重垂れが生じてしまう。したがって、溶接対象物2,4を水平に設置した姿勢で溶接を行った場合と比較して、溶接強度が悪化する。
一方、本実施の形態においては、ナゲットの径が小さくても溶接強度を保つことが可能となる。したがって、実施の形態2においては、溶接対象物2,4を垂直に設置した姿勢で溶接を行っても、ナゲット12の自重垂れを抑制することが可能となる。つまり、実施の形態2においては、打点姿勢によらないで、溶融金属の自重垂れを抑制できる。さらに、実施の形態2においては、溶接対象物2,4を水平に設置した姿勢で溶接を行った場合と同等の溶接強度を保つことが可能となる。
(実施の形態3)
次に、実施の形態3について説明する。実施の形態3にかかる溶接構造体1においては、実施の形態1にかかる溶接構造体1と同様に、溶接部10によって、溶接対象物2,4が接合されている。溶接部10は、実施の形態1と同様に、複数のナゲット12によって構成されている。ナゲット12は、実施の形態1と同様に、1/2<d/p≦1となるように配置されるように形成されている。さらに、実施の形態3においては、d≦1.5tとなるようにナゲット12が形成されている点で、実施の形態1と異なる。言い換えると、実施の形態3においては、レーザ光を照射しない側の溶接対象物4の厚さtに対するナゲット径dの比d/tが、1.5以下となるように、ナゲット12が形成されている。実施の形態3においては、このように構成されていることによって、溶接対象物2,4がダイキャスト材や鋳物等である場合であっても、適切に溶接を行うことが可能となる。
図11は、実施の形態3にかかる溶接方法によって形成された溶接部10の溶接形状と、比較例にかかる溶接方法によって形成された溶接部92の溶接形状とを比較する図である。図11(a)は、比較例にかかる溶接方法によって形成された溶接構造体90の溶接部92における断面図を示し、図11(b)は、実施の形態3にかかる溶接方法によって形成された溶接構造体1の溶接部92における断面図を示す。図11(b)においては、溶接部10が3個のナゲット12で構成される場合を例示している。
図11において、溶接対象物2,4の少なくとも一方は、ダイキャスト材で形成されている。ダイキャスト材に溶接を施すと、ダイキャスト材の内部に含まれる気体又は不純物等が膨張する。これにより、溶接により溶融した溶融金属が、レーザ光を照射しない側の面から吹き出し、その吹き出した溶融金属からなる突起が形成されるおそれがある。これにより、溶接形状が悪化する。
図11(a)に示すように、比較例にかかる溶接構造体90の溶接部92は、略円形の1つのナゲットで構成される。ここで、溶接強度を保つためには、溶接部92の径を大きくする必要がある。したがって、溶接部92の径dは、溶接対象物4の厚さtの1.5倍よりも大きくなる。このように、溶接対象物4の厚さtに対して溶接部92の径dが大きくなると、図11(a)に示すように、溶接部92を形成する溶融金属が、溶接対象物4の下面(レーザ光を照射しない側の面)から吹き出し、突起94が形成される。なお、この突起の高さを示す突起量をH3とする。
一方、図11(b)に示すように、実施の形態3にかかる溶接構造体1の溶接部10は、複数(図11(b)では3個)のナゲット12で構成される。ここで、上述したように、本実施の形態においては、溶接強度を保つための条件は、1/2<d/p≦1であり、ナゲット径dを大きくする必要はない。したがって、実施の形態3においては、図11(b)に示すように、溶接対象物4の下面には、突起が形成されない。
図12は、厚さtに対するナゲット径dの比d/tと、突起量H3との関係を測定した結果を示すグラフである。なお、この測定は、溶接対象物2,4がダイキャスト材で形成された溶接構造体を用いて行われている。
図12に示すように、0<d/t≦1.5においては、突起量H3は0である。つまり、このとき、突起は形成されていない。一方、1.5<d/t<4においては、突起量H3は0を超える値となり、d/tが増加するにつれて、突起量H3は増加する。したがって、d/t≦1.5の条件では、溶接対象物2,4がダイキャスト材で形成された場合であっても、突起を形成することを抑制することが可能となる。よって、実施の形態3においては、実施の形態1と同様に溶接強度を保ちつつ、溶接形状を向上させることが可能となる。
(変形例)
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、上述した実施の形態においては、溶接対象物の数は2個としたが、これに限られない。溶接対象物の数は、3個以上であってもよい。また、本実施の形態にかかる溶接方法は、表面処理の施工の有無に関わらず、任意の溶接対象物に対して適用可能である。
また、本実施の形態においては、溶接部10は、複数のナゲット12が仮想閉曲線14に沿って配置されるように構成されるとしたが、このような構成に限られない。例えば、図13(a)に示すように、仮想閉曲線14に沿って配置された複数のナゲット12の内側にナゲット16を形成するようにして、溶接部10を形成してもよい。また、例えば、図13(b)に示すように、仮想閉曲線14に沿って配置された複数のナゲット12からなるナゲット群18A,18B,18Cを組み合わせるようにして、溶接部10を形成してもよい。なお、このとき、ナゲット群18Aを構成するナゲット12と、ナゲット群18Bを構成するナゲット12と、ナゲット群18Cを構成するナゲット12とは、互いに共通してもよい。
また、上述した実施の形態において、照射部102は、制御部104の制御によって、レーザ光の照射位置を設定するとしたが、このような構成に限られない。例えば、作業者の操作によって、レーザ光の照射位置を設定してもよい。
1 溶接構造体
2 溶接対象物
4 溶接対象物
10 溶接部
12 ナゲット
14 仮想閉曲線
100 溶接装置
102 照射部
104 制御部

Claims (6)

  1. 複数の溶接対象物を重ね合わせてレーザ溶接を行って前記複数の溶接対象物を接合する溶接方法であって、
    レーザ溶接によって、前記溶接対象物上の仮想閉曲線に沿って複数のナゲットを形成することによって、溶接部を形成し、
    前記仮想閉曲線の全周にわたって、互いに隣り合う前記ナゲット間のピッチ寸法pに対する、前記ナゲットの径dの比d/pが、1/2より大きく、かつ、1以下である
    溶接方法。
  2. 重ね合わされた前記複数の溶接対象物の厚さTに対する、前記ナゲットの径dの比d/Tが、3以下である
    請求項1に記載の溶接方法。
  3. 前記複数の溶接対象物のうち、レーザ光を照射しない側の前記溶接対象物の厚さtに対する、前記ナゲットの径dの比d/tが、1.5以下である
    請求項1に記載の溶接方法。
  4. レーザ溶接によって形成された溶接部により接合された複数の溶接対象物を有する溶接構造体であって、
    前記溶接部は、前記溶接対象物上の仮想閉曲線に沿って形成された複数のナゲットを有し、
    前記仮想閉曲線の全周にわたって、互いに隣り合う前記ナゲット間のピッチ寸法pに対する、前記ナゲットの径dの比d/pが、1/2より大きく、かつ、1以下である
    溶接構造体。
  5. 重ね合わされた前記複数の溶接対象物の厚さTに対する、前記ナゲットの径dの比d/Tが、3以下である
    請求項4に記載の溶接構造体。
  6. 前記複数の溶接対象物のうち、レーザ光を照射しない側の前記溶接対象物の厚さtに対する、前記ナゲットの径dの比d/tが、1.5以下である
    請求項4に記載の溶接構造体。
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