JP2009233712A - 溶接継手構造および溶接方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来の溶接継手構造における溶接部の形状として、例えばスポット溶接の円形状や直線形状、あるいはC字形状の形状などが知られている。また、直線形状の溶接部では継手強度と製品剛性の向上を図りやすい半面、溶接部の端部で応力集中が発生する。またC字形状の形状などでは溶接品質のバラツキにより、想定していた破壊荷重より小さい荷重により破断してしまう可能性があり、接合の信頼性が低く、作業効率が悪い問題があり、作業効率と高強度化の両方を満足することができなかった。
【解決手段】 溶接部の形状を、第1接合部とこれと同じ形状の第2接合部を離間して対向配置させたかっこ形状とする。これにより溶接部の端部の応力集中緩和と、継手強度・製品剛性の確保と、作業時間短縮のすべてを考慮した、重ね合わせレーザ接合における溶接継手構造および溶接方法を提供できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、接合対象物を複数枚重ね合わせてレーザ溶接する場合の、溶接継手構造および溶接方法に関する。
従来より、接合対象物を複数枚重ね合わせてレーザ溶接する場合の溶接継手構造については、その溶接部50の形状として図16(A)に示す直線形状が最も一般的に用いられている。また使用箇所によっては、図16(B)に示すループ形状(特許文献1参照。)あるいは図16(C)に示すスパイラル形状(特許文献2参照。)が知られている。
特開2000−145450号公報 特開2004−98122号公報
しかしながら、図16(A)に示す直線形状の溶接部50を有する溶接継手構造では継手強度と製品剛性の向上を図りやすい半面、溶接強度の不安定な溶接部の端点(レーザ照射の始点と終点)EP’と溶接形状としての端部Eが一致し、点EP’に応力集中が発生する。これは、直線形状の溶接部50の場合、レーザ溶接による溶接部の端部E(端点EP’)は直径D1(半径R1)の半円形状であり、曲率1/R1を有する。このため、矢印で示す引っ張り方向(あるいはそれと直交する方向)に対して直線形状の端部E(端点EP’)は曲率が大きいためである。このため、溶接品質のバラツキにより、想定していた破壊荷重より小さい荷重により破断してしまう可能性があり、接合の信頼性が低い問題がある。
一方、ループ形状(図16(B))やスパイラル形状(図16(C))の溶接部50を有する溶接継手構造では、レーザ走査の軌跡によってそれぞれ溶接の端点EP’は所望の位置にすることができる。つまり溶接部50の端部Eと端点EP’は一致せず、溶接部50の端部Eを、曲率がそれぞれ、1/R2(半径R2、直径D2)、1/R3(半径R3、直径D3)となる半円形状に溶接できる。このため、引っ張り方向(あるいはそれと直交方向)に対して溶接部50端部Eの応力集中は緩和される。従って、溶接品質のバラツキに対する継手強度の低下は抑制されるものの、直線形状と同等の製品剛性と継手強度を確保するためには、2倍前後の溶接長さを必要とし、溶接作業にかかる時間も同様に2倍前後長くなる問題があった。
このように現状では、重ね合わせレーザ接合において、溶接の作業効率の向上および、溶接部50の端部Eの応力集中緩和、継手強度および製品剛性の確保による高強度化の両方を充足する溶接継手構造および溶接方法を提供することが困難であった。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされ、第1に、複数の接合対象物を重ね合わせ、一の領域にレーザを照射した溶接部により前記接合対象物を接合した溶接継手構造であって、前記溶接部は、2つの端点を1つの円弧状の曲線部を含んで結合した形状の第1接合部と、該第1接合部と同等の形状で該第1接合部と対向配置された第2接合部の一対からなる形状を有することにより解決するものである。
また、前記2つの端点は直線部を含んで結合されることを特徴とするものである。
また、前記第1接合部と前記第2接合部は、所望の継手強度に応じた幅で離間されることを特徴とするものである。
また、前記曲線部の直径に対する、前記第1接合部と前記第2接合部の最も離間した2点間の距離の比が2〜4であることを特徴とするものである。
また、前記第1接合部と前記第2接合部の総接合面積における破壊荷重が、同一の接合面積を有する直線形状の接合部と比較して大きいことを特徴とするものである。
また、前記溶接部の内側に、前記第1接合部と前記第2接合部と離間して配置される第3の接合部を設けることを特徴とするものである。
第2に、複数の接合対象物を重ね合わせてレーザ照射し該接合対象物を接合する溶接方法であって、第1のレーザ照射により溶接された2つの端点を1つの円弧状の曲線部を含んで結合した形状の第1接合部を形成する工程と、第2のレーザ照射により溶接され、前記第1接合部と同等の形状で該第1接合部と対向配置された第2接合部を形成し、該第2接合部と前記第1接合部の一対からなる溶接部により前記接合対象物の一の領域を接合する工程と、を具備することにより解決するものである。
また、前記第1接合部と前記第2接合部が離間するように前記第1のレーザ照射および前記第2のレーザ照射を行うことを特徴とするものである。
また、前記第1接合部と前記第2接合部の間に、前記第1接合部および前記第2接合部と離間した第3の接合部を形成することを特徴とするものである。
本実施形態の溶接継手構造を用いることにより、複数枚接合対象物の重ね合わせレーザ溶接時の接合部の端部における応力集中を緩和し、継手強度および製品剛性を向上させることができる。
具体的には、スポット溶接の一点と同等の接合面積で比較すると、接合部を円形状(スポット溶接)、直線形状、およびC字形状に形成した場合のいずれと比較しても破壊荷重を最大にすることができる。
また、本実施形態の溶接方法を用いることにより、複数枚接合対象物の重ね合わせレーザ溶接において、同程度の溶接部回転変形に対する剛性、および溶接部の破壊荷重を有する形状と比較して作業効率を向上させることができる。
図1から図15を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1から図14は本発明の第1の実施形態を説明する図である。
図1は、本実施形態の溶接継手構造を示す平面図である。図1(A)は溶接継手構造を説明する平面図であり、図1(B)は接合対象物上の溶接継手構造を示す図である。
図1(A)を参照して、本発明の溶接継手構造は、複数の接合対象物を重ね合わせて一の領域をレーザ照射し、接合対象物を接合したレーザ溶接接合体の溶接部10の構造であり、溶接部10は、第1接合部11と、第2接合部12とを有する。
第1接合部11は2つの端点(レーザ照射の始点と終点)EP1、EP2を、円弧状の曲線部11aを少なくとも含んで結合した形状である。円弧状とは例えば直径D(半径R)の半円弧である。ここでの半円弧は、中心角が180度の完全な半円弧に限らず、わずかに中心角が180度を超えるか又は不足する略半円弧状のものも含むものとする。また曲線部11aは、優弧でもよく、半楕円(短軸長さD)であってもよい。
更に図1(A)の如く、第1接合部11は曲線部11a(半円弧)から溶接部10の中心線C方向に延在する直線部11bを含んでもよい。
第2接合部12は、第1接合部11と同等の形状であり2つの端点EP3、EP4を有し、円弧状の曲線部12aと、ここでは直線部12bを有する。第1接合部11と第2接合部12は、互いの端点EP1と端点EP3、端点EP2と端点EP4が互いに向かい合うよう離間して対向配置される。
つまり本実施形態では、分離した第1接合部11と第2接合部12を一対により、一の溶接部10が構成される。第1接合部11と第2接合部12の一対が、従来から用いられている円形状の溶接部により一の領域を溶接するスポット溶接の一点に相当するものであり、第1接合部11と第2接合部12の総接合面積が、一例として、一般的なスポット溶接の一点の接合面積(例えば19.6mm)とほぼ同等である。後述するが、本実施形態がスポット溶接の一点に相当する溶接継手構造であることの一例として、ここで接合面積について示したが、必要な継手強度等により接合面積は異なってくる。
以下、主に第1接合部11について説明するが、第2接合部12は溶接部10の中心線Cに対して第1接合部11と線対称に配置され同じ形状である。
第1接合部11のレーザ溶接部の線幅WLは、例えば1.2mmである。第1接合部11と第2接合部12で囲まれたその内側の領域はレーザ溶接されない非接合部20である。
第1接合部11と第2接合部12は、所望の継手強度に応じた離間幅Wで分離される。継手強度と離間幅Wの関係は後述するが、この離間幅Wは、例えば6mm〜10mm程度である。
第1接合部11の曲線部11aの直径Dを短辺L1とし、第1接合部11と第2接合部12の最も離間した端部E間の距離を長辺L2とすると、短辺L1に対する長辺L2の比は2〜4であり、一例として短辺L1:長辺L2=1:3.3である。短辺L1は、曲線部11aが優弧の場合は当該優弧をその一部とする円の直径Dであり、曲線部11aが半楕円の場合は軸の長さである。
つまり、本実施形態の溶接部10は、短辺L1と長辺L2の比が略限定されており、離間幅Wは継手強度に応じて決定されるので、第1接合部11と第2接合部12は極端に離間することはない。一例として、長辺L2は、16.6mmであり、短辺L1は5mmである。
図1(B)を参照して、複数の接合対象物31、32を重ね合わせて一の溶接領域33(破線)にレーザ照射して溶接することによりその溶接部10が第1接合部11と第2接合部12の一対により構成される。ここで溶接領域33とは、例えばスポット溶接を用いた場合には一点の溶接部で溶接が可能な(十分に溶接できる)程度の領域である。
溶接部10に矢印で示したX方向の引っ張り荷重がかかった場合には、第1接合部11および第2接合部12の曲線部11a、12a上の端部E近傍に最も応力がかかる。しかし曲線部11a、12aは曲率1/Rを有するため、溶接部50を直線形状で構成した場合(図16(A))と比較して端部E近傍の応力集中を緩和することができる。
また、非接合部20を第1接合部11および第2接合部12により囲い込むことで、溶接部10に負荷がかかった場合、非接合部20が第1接合部11および第2接合部12と一体的に挙動し、効率よく機械的強度を得ることができる。
溶接部10の端点EP1〜EP4は、一般的に溶接強度が不安定となる。しかし、曲線部11a、12aから中心線C方向に延在する直線部11b、12bを設けることで、端点EP1〜EP4を端部Eから離間した溶接部10の中心線Cよりに配置でき、端点EP1〜EP4への応力集中を緩和することができる。これにより、矢印で示したX方向のみならず、Y方向においても引っ張り応力に対する破壊荷重を高めることができる。
以下、図2から図14を参照してこれについて説明する。
まず、異なる溶接部PWの形状を有する溶接継手構造について強度解析を行った。
図2および図3は、溶接部の形状と破壊荷重の関係を示す図である。図2が溶接部PWの形状を説明する図であり、図3が強度評価の解析結果を示す図である。
図2に示すように、溶接部PWの形状をパラメータ化するために、接合対象物31、32の引っ張り方向に対してそれぞれ異なる、特徴的な7つの溶接部PWの形状を決定した。そして2枚の板状の接合対象物をそれぞれの形状の溶接部PWにて溶接した場合を想定した。
形状f1(図2(A))は、溶接部PWの形状が、図16(A)に示した直線形状であり、長手方向が接合対象物31、32の引っ張り方向(矢印)に沿って溶接された場合を示す。
形状f2(図2(B))および形状f3(図2(C))は、同じ面積を維持して形状f1を円形状(形状f4)に近づけるように変形したものであり、形状f2より形状f3の方が長手方向が短く円形状に近づいている。形状f2、形状f3のいずれも長手方向が引っ張り方向に沿って溶接された場合である。
形状f4(図2(D))は、溶接部PWの形状が円形状であり、従来のスポット溶接の溶接部の場合である。
形状f5(図2(E))、形状f6(図2(F))、形状f7(図2(G))は、それぞれ形状f3、形状f2、形状f1を90度回転させ、それぞれの形状の長手方向が引っ張り方向に対して直交するように溶接された場合である。
図2の形状をパラメータとし、強度解析により、各溶接部形状の強度評価を行った。
パラメータ化による良好な継手形状の導出法とは、具体的には以下の通りである。現状の最適化手法では、接合面積が同一という条件以外の形状の自由度が無限である場合(どのような形状でも良いという条件で)の導出方法が存在しないため、どのような形状が最適であるという解を得ることはできない。
そこで検討段階で得られた知見を基に、強度が良好であると考えられる形状領域に絞って、同一接合面積の形状について、検討した。すなわち、1)丸形状を中心とし、2)直線形状の縦横という両極端な形状と、3)その中間形状、という形状をパラメータ(変更可能要素)として、どのような形状が良好な継手強度を有するかを比較検討し、その結果を基により良い形状を決定する要因を導出した。
図2に示した形状f2、f3、f5、f6は、形状としてのみ考えた時に円形状(形状f4)と直線形状(形状f1、f7)の理想的な中間形状である。つまり、既述の破壊荷重を決定する要因を導出するにあたり、形状パラメータがスムーズに変化するように上記の形状を選択したものである。レーザ溶接では線幅が一定の線状の溶接であるため、上記の中間形状のような溶接は現実的でない。ここでは、形状をパラメータとした時の特性を検討する上での、理想的な中間形状として選択した。
図3は、図2に示す各形状で、ワークの変形、材料の非線形性を考慮した非線形解析を行った結果を示す。
これによると、直線形状(形状f1、形状f7)が、直線形状の長手方向及び長手方向に対して垂直方向のいずれの方向から引張り荷重をかけた場合においても、良好な強度があることが分かった。
図4では、実験(実測)のため、溶接部PWの形状として現実的な直線形状(形状f1、f7)および円形状(形状f4)に加え、直線形状をC字形状に変形させて接続部WPの端部の曲率を小さくし、引っ張り方向が端部同士の延長線方向(C字が縦)になるように溶接した形状f8と、引っ張り方向と端部同士の延長戦方向が直交方向(C字が横)となるように溶接した形状f9を追加し、形状のパラメータ化を行った。
実験の結果、形状1、形状4、形状7、形状8及び形状9について、図3に示した解析結果と傾向が一致したため、上記の解析が妥当であることが確認できた。
つまりこの場合も、直線形状(形状f1、形状f7)が、直線形状の長手方向及び長手方向に対して垂直方向のいずれの方向から引張り荷重をかけた場合においても、良好な強度があることが分かった。
図4の実線は、上記の実験により得られた破壊荷重を定性的にプロットしたものである。一点鎖線は、初期応力に基づく破壊荷重であり、線形解析により得られた応力分布を基に予想される破壊荷重を定性的にプロットしたものである。
この評価を基に形状パラメータと強度の関係を成立させている基本特性(応力と剛性)を、以下の如く把握した。すなわち直線形状を長手方向に引張り荷重を負荷した場合(形状f1)の弾性域の初期応力は、溶接部PWの端部Eに応力が集中するため全形状中最大になるにもかかわらず、良好な継手強度が得られる。つまり、溶接部PWの形状による接合部強度を決定する要因として、線形強度解析(比較的単純なシミュレーション)での荷重初期の応力(力学)形態(弾性域において同一荷重を負荷したときの応力分布・最大応力)のほかに、溶接部PWの回転変形に対する剛性を考慮することで,継手形状と破壊荷重の関係に整合性を得ることができる。
溶接部の回転変形は、重ね合わせ溶接に起因する変形であり、引張り荷重軸(接合対象物31、32の板厚方向中心位置)のずれにより発生する。
図5は、接合部の回転変形を説明する概要図であり、接合対象物の板厚方向(例えば図1(B)のV1方向)から見た溶接部50の拡大図である。なお形状f1から形状f9のいずれの接合部であっても回転変形のメカニズムは同様である
接合対象物31、32は溶接部PWによって接合されている。この接合対象物31、32をそれぞれ矢印方向に引っ張り荷重をかけると、接合部PWの重心を通り引っ張り荷重軸と平行な軸AXに対して角度θで溶接部PWが傾く回転変形が発生する。
溶接部PWの回転変形に対する剛性が低い場合、軸AXを中心とする溶接部回転変形量が大きくなりやすく、溶接部PWと接合対象物31、32の境界部B(丸印)では、接合対象物31、32側の局所ひずみが増大し、破断にいたる。
図6および図7は、溶接部PWの回転変形に対する剛性を説明する図である。図6は溶接部PWの形状f1(図6(A))および形状f8(図6(B))を示す平面図であり、図7(A)(B)はそれぞれの形状のa−a線、b−b線の断面を図6のV2方向から見た概要図である。
尚、形状f1は従来構造(図16(A))と同等の形状とし、長手方向の長さL3が本実施形態の溶接部10の長辺L2(=16.6.mm)と等しいとする。また形状f8は従来構造(図16(B)と同等の形状とし、曲線部の直径D(半径R)は溶接部10の直径D(半径R)と等しいとする。形状f8の端部間の距離(長手方向の長さ)L4は7.8mmである。またいずれもレーザ溶接部の線幅WLは1.2mmとする。
図6および図7において太矢印(ブロック矢印)が引っ張り方向である。また図7においてハッチング部分が溶接部PWである。
重ね合わせ溶接の場合、太矢印方向に荷重をかけると、荷重ベクトルPが、溶接部PWの重心を通る軸AXと一致するように、溶接部PWを角度θ分回転させようとする力Fmが働く。
この力Fmは、図6および図7の如く、端部E間の距離が長い方が、小さくなり、回転変形に対する剛性が高くなる。つまり図7(A)の端部E間の拒理L3は図7(B)の端部E間の距離L4より長いことから,両者を比較すると図7(A)つまり形状f1の方が回転変形に対する剛性が高くなり,この要因から推定される破壊荷重は向上する。
再び図4を参照して、初期応力に基づく破壊荷重(一点鎖線)に、溶接部回転変形に対する基本特性(破線)を重ねて示す。この基本特性とは、図6および図7の回転変形に対する剛性の考え方から推測される定性的な破壊荷重である。
これによれば、初期応力に基づく破壊荷重(一点鎖線)および、溶接部回転変形に対する基本特性(破線)の2つの特性を組み合わせることで実線で示す実際の破壊荷重と定性的に整合がとれた。
このため、既述のごとく、荷重初期の応力と、溶接部PWの回転変形に対する剛性とを考慮して、好適な溶接部PWの形状を推察した。
直線形状(形状f1、形状f7)は、強度上好ましい。しかし、レーザ溶接の溶接継手構造の形状は一般的に、連続した線描き(一筆書き)であり、2つの端点EP’(図16(A)参照)に溶接不良が発生しやすく、特に形状f1、形状f7では端点EP’に最大応力が発生する問題がある。
そこで、直線形状に近い形状で且つ端点(レーザ溶接の始点と終点)が応力集中部(各形状の端部E)と重ならない形状とすることで、図4の細破線丸印付近の特性が得られると考えた。そして新たな形状f10および形状f11を導出し、これらの形状を有する溶接部10’の特性を検討した。
図8は、溶接部10’の形状f10を説明する図であり、図8(A)が形状f10を示す平面図である。また図8(B)(C)は、形状f10の応力分布図である。尚、形状f11は、引っ張り応力を負荷する方向が90度異なるのみであり、形状f10と同様である。
図8(A)を参照して、溶接部10’の形状f10は、両端部Eが直径D(半径R)の半円からなる曲線部10a’で、これらを直線部10b’で結び、溶接後の形状としては端点を有さない閉じたループ形状である。溶接部10’の内側は非接合部20’である。
レーザの線幅WLは例えば1.2mmである。またループ形状の短軸方向の長さL1’が例えば、5mmであり、長軸方向の長さL2’が、例えば16.6mmである。
また、形状f10、形状f11の溶接部10’について、JISZ3136「抵抗スポット及びプロジェクション溶接継手のせん断試験に対する試験片寸法及び試験方法」で規定された寸法の試験片モデルを用いて強度解析を行った結果を図8(B)(C)に示す。
図8(B)(C)を参照して、形状f10にかかる応力について説明する。図8(B)は荷重方向がY方向の場合(形状f11)の応力分布図であり、図8(C)は荷重方向がX方向の場合(形状f10)の応力分布図である。
形状f10、形状f11の溶接部10’を有する溶接継手構造によれば、端点EP(溶接部10’の始点と終点)を例えば直線部10b’上にすることで、端点EPにかかる応力を緩和できる。また溶接部10’の端部Eは曲率1/Rを有する形状であるので、端部Eでの応力集中を緩和できる。更に溶接部10’と非接合部20’を一体的に挙動させることで剛性を高めることができる。
ところで、図8(B)(C)において、太破線で示した直線部10b’の内側の非接合部20’は、いずれの荷重方向であっても応力が低い領域であることがわかる。また、直線部10b’上の応力は曲線部10a’の近傍の応力に比して低いことがわかった。以下、両端の曲線部を除いた、応力が低い略矩形の非接合部20を、低応力域21と称する。
低応力域21の直線部10b’は継手強度には影響が少ないと考えられるので、この部分の溶接を省くことができる。これらのことから、本実施形態の第1接合部11および第2接合部12を一対とするかっこ形状の溶接部10の形状を得た(図1)。
継手強度にあまり寄与しない低応力域21の溶接を省くことで、強度の低下を抑制しつつ、図6に示した直線形状(形状f1)およびC字形状(形状f8)と同一の溶接距離で、かつ形状f1の長辺L3と同等の長辺L2を有し、形状f8と同じ端部Eの曲率1/Rを有する溶接部10を得ることができる。
形状f8、f9(C字形状)は、曲率1/Rを所望の値に選択できる(小さくできる)ので、形状f1、f7(直線形状)と比較して溶接部PWの端部Eにかかる引っ張り応力を低減できる。しかし、特に形状f8とf1を比較した場合、図7の如く、形状f1の方が、回転変形に対する剛性が高い。
本実施形態の溶接部10は、第1接合部11と第2接合部12の形状がかっこ形状でありC字形状の如く曲率1/Rを小さくすることができる。そして、第1接合部11と第2接合部12を離間して、長辺L2を長くすることによりC字形状より溶接部10の回転変形の剛性を高めることができる。
図9は、本実施形態の溶接部10の回転変形に対する剛性を示す図である。図9(A)は溶接部10の形状を示す平面図であり、図9(B)は図9(A)のc−c線の断面をV2方向から見た概要図である。
図9において太矢印(ブロック矢印)が引っ張り方向である。また図9においてハッチング部分が溶接部10である。
既述の如く、重ね合わせ溶接の場合には、太矢印方向に荷重をかけると、荷重ベクトルPが、接合部重心を通る直線AXと一致するように、溶接部10を角度θ分回転させる力Fmが働く。
溶接距離が同等の場合には、溶接部10の長手方向の長さ、すなわちこの場合は長辺L2(図9(A))が長い方が、力Fmは小さくなり,溶接部回転変形に対する剛性が高くなる。
つまり溶接部10は、低応力域21の溶接を省略したかっこ形状とすることで、C字形状(形状f8)と同じ溶接距離(≒接合面積)を確保する場合に、第1接合部11と第2接合部の端部Eの距離を離間(長辺L2を増加)させることができる。
つまり、C字形状(形状f8)の長手方向の長さL4より、長辺L2を長くできるので、C字形状より回転変形に強い形状となる。
このように本実施形態によれば、重ね合わせレーザ溶接において、端部Eの応力緩和によって溶接部が直線形状(形状f1)の場合より初期応力が低く、C字形状(形状f8)より溶接部回転変形に対する剛性を向上させ、破壊荷重を上昇させた溶接部10を提供できる。
図10は、第1接合部11および第2接合部12間の離間幅Wと破壊荷重の関係を示す図である。グラフの横軸が離間幅W(mm)であり、縦軸が破壊荷重(kN)である。
グラフは、一例として、所望の板厚(例えば2枚とも1mm)の接合対象物(例えば冷間圧延鋼(SPCC:steel cold rolled 1種))について、離間幅Wと破壊荷重の関係を示したものであり、このような特性図を準備しておくことで、必要な継手強度を得る離間幅Wを適切に選択できる。例えば、必要な継手強度が6.5kNであれば、第1接合部11と第2接合部12の離間幅Wは、8.5mmが好適となる。
第1接合部11および第2接合部12間の離間幅Wは、破壊荷重に影響し、破壊荷重は接合対象物31、32の材質や板厚などによっても適正値が変動する。従って、接合対象物ごとに図10の如き離間幅Wと継手強度の相間を表す線図を、強度解析または実験により作成する。そして、溶接継手構造に必要とされる強度を得るために適切な離間幅Wを決定する。これにより必要な強度を得るに十分な最低限の溶接長を有し、作業性を向上した形状を得ることができる。
尚、離間幅Wは、直線部11b、12bの長さを伸縮することで調整する。つまり、端部E間の距離L2を維持して、直線部11b、12bを伸縮させて離間幅Wを増減させる。
以下、本実施形態の溶接部10の特性について、実験した結果を示す。
図11および図12はそれぞれの形状における溶接部の強度を比較する図である。
図11は比較した溶接部の形状を示す平面図である。
図11(A)が本実施形態のかっこ形状(f12、f13)であり、図11(B)がスポット溶接の円形状(形状f4)であり、図11(C)がC字形状の形状f8、f9であり、図11(D)が直線形状(形状f1、f7)である。
接合面積は全て形状f4のスポット溶接の接合面積(19.6mm)と同一とした。またスポット溶接以外のレーザの線幅WLは1.2mmである。
図11(A)を参照して、本実施形態の溶接部10は、矢印のX方向に引っ張る場合を形状f12、Y方向に引っ張る場合を形状f13とした。また、溶接部10の短辺L1は5.0mm、長辺L2は16.6mm、第1接合部11と第2接合部12の離間幅Wは、9.2mmである。
接合対象物は厚さ1mmの冷間圧延鋼(SPCC)板材で、この板材2枚を重ね合せ上記の形状で溶接し、JISZ3136に規定された形状の試験片モデルまたは試験片を作成し、強度解析と引張試験を実施した。
図12にはその結果を示す。図12(A)がX方向の引張試験の結果であり、図12(B)がY方向の引張試験の結果である。
図12(A)(B)において、横軸が各種形状であり、縦軸が破壊荷重(kN)であり、実験結果と非線形解析(ε=0.7)の結果を併記した。
この結果から、溶接強度の不安定な溶接部の端部EP’(端点)に応力集中が生じる直線形状(形状f1、f7)では、実験による破壊荷重が大きくばらつくのに対し、本実施形態の溶接部10の形状f12、形状f13では安定した破壊荷重となることがわかる。またC字形状の形状f8、形状f9の破壊荷重は溶接部の端部EP’の応力集中が緩和されているため、破壊荷重は安定しているものの、本実施形態の溶接部10の形状f12、f13と比較して、1割程度低い破壊荷重となった。
この破壊荷重の検証は、各種の形状を有する溶接継手構造によるレーザ溶接接合体が、例えば自動車の車体の場合には衝突安全性に影響する。
更に、いずれの引っ張り荷重方向であっても、本実施形態の溶接部10の形状f12、f13は、総接合面積における破壊荷重が、同一の接合面積を有する直線形状(形状f1、f7)の接合部と比較して大きく、従来の形状(形状f4、形状f8、形状f9)と比較しても最も大きいことがわかる。
図13は、同一引っ張り荷重(5kN、X方向の引張試験)時における非線形解析の結果を示す図であり、図13(A)が本実施形態の溶接部10(形状f12)の場合であり、図13(B)が直線形状(形状f1)、図13(C)がC字形状(形状f8)の溶接部50(溶接部PW)の場合である。また図13(A)〜(C)はそれぞれ、図9(A)および図6のV2方向から見た断面図である。
これによれば、形状f8が、他の形状より回転角度が大きく、溶接部PWと接合対象物31、32の境界部B(丸印)では、接合対象物31、32側の局所ひずみが増大していることがわかる。
図14は、本実施形態の溶接方法を説明するための図である。
本実施形態の溶接方法は、例えばガルバノスキャナを用いたリモートレーザビーム装置によって、レーザ溶接を行う。
図14(A)を参照して、レーザ光学系はスキャニング方式の光学系であり、レーザ装置(不図示)などにより発生したレーザ光LAを光ファイバを介するなどしてガルバノスキャナ41、42に伝送し、接合対象物の一の領域にレーザ照射して、接合対象物を接合する。
図14(B)を参照して、第1のレーザ照射により熱処理を施し、半円弧の曲線部11aと直線部11bからなるかっこ形状の第1接合部11を形成する。例えば端点EP1が始点であり端点EP2が終点である。
次に、第2のレーザ照射により熱処理を施し、第1接合部11と同等の形状で第1接合部11と対向配置された第2接合部を形成する。すなわち、半円弧の曲線部12aと直線部12bからなるかっこ形状の第2接合部12を形成する。例えば端点EP3が始点であり端点EP4が終点である。
低応力域21の溶接を省くことで、作業効率を向上させることができる。一例として、低応力域21を溶接しない本実施形態の溶接部10の溶接時間は、図8に示す溶接部10’の約45%程度である。つまり、同程度の溶接部回転変形に対する剛性、および溶接部の破壊荷重を有する形状と比較して作業効率を向上させることができる。
図14(C)を参照して、溶接部10は、第1接合部11と第2接合部12が一対で、例えば従来のスポット溶接の一点の溶接部50に対応した溶接となり、破線で示した一の溶接領域33が溶接される。
例えば図の如く、スポット溶接にて3箇所の溶接を行う方法に代えて、本実施形態の溶接部10を3対(3組)設けるレーザ溶接を行うことで、高い破壊荷重を得ることができる。
さらに溶接部10は、第1接合部11と第2接合部12が離間した形状であるため、同一の溶接距離を維持したまま、溶接箇所の状況や必要な製品剛性に応じて、長辺L2(端部E間の距離)を変更できる。
図14(D)を参照して説明する。
例えば溶接可能な領域(溶接領域33)が狭い場合、第1接合部11と第2接合部12の形状(直線部11b、12bの長さ)を維持したまま、両者を近づけて長辺L2を接合領域33内に納めることができる。
レーザ溶接に当たり、レーザビームLAをガルバノスキャナ装置41、42により走査する、リモートレーザ溶接装置を用いることにより、溶接部10の形状生成の正確性が向上し、溶接部10の強度が解析値に近づくことが期待される。
尚、本実施形態のレーザ溶接は、上記の装置に限らず、通常のロボット溶接装置でも同様に実施できる。
図15は、本実施形態の溶接部10の他の形状を示す図である。
上記の実施形態では、第1接合部11(第2接合部12も同様)は、半円弧の曲線部11aと直線部11bからなり、端点EP1、EP2が、半円弧を溶接部10の中心方向に延在した直線上(直線部11b上)に存在する場合を例に示した。
しかし継手強度によっては、第1接合部11には直線部11bが含まれなくてもよく、直径Dの半円弧のみからなってもよい。
また、図15(A)の如く、端点EP1〜EP4は、半円弧の延長線(破線)上より内側の低応力域21に位置してもよい。第1接合部11と第2接合部12およびこれらの(曲線部11b)を直線(破線)で結んでなる領域の内側は、低応力域21である(図8(B)(C)参照)。
図15(B)は、比較のために端点EP1、EP2が低応力域21の外側を向く形状(例えば劣弧のみの曲線部、または劣弧の曲線部とそこから延在する直線部を有する形状)の接合部10’’を示す。この形状は、低応力域21の外側に位置する端点EP1’〜EP4’に応力集中が発生するため望ましくない。
従って、図15(A)の如く、第1接合部11を、半円弧の曲線部11aと直線部11bからなる形状で、端点EP1、EP2が低応力域21の内側(溶接部10の重心G方向)に配置される形状にすることで、端点EP1〜EP4における応力集中を回避できる。この場合は、図1に示した接合部10より更に端点EP1〜EP4における応力集中を緩和できる。
また、第1接続部11は優弧の曲線部11aのみからなる形状でもよく、この場合も低応力域21の内側に端点EP1、EP2が配置される。更に優弧の曲線部11aから直線部11bを溶接部10の重心G方向に延在させた形状でもよい。
更に、第1接続部11は、半楕円の曲線部11aのみ、または半楕円の曲線部11aと直線部11bの結合した形状であってもよい。
図15(B)は、第1接合部11と第2接合部12の間にこれらと離間した第3接合部13を設ける形状である。
第1接合部11と第2接合部12に囲まれた非接合部20の一部(例えば低応力域21の重心G付近)を接合し、第3接合部13を設ける。
第3接合部13は、例えばレーザ溶接により形成する。すなわち、第1のレーザ照射により第3接続部13を形成する。その後、第2のレーザ照射により第1接続部11を、第3のレーザ照射により第2接続部12を形成する(図14(B)参照)。
また第3接合部13については、レーザ溶接以外の接続方法であってもよく、例えば接着性樹脂による接着や、ロウ材による接着によって接合してもよい。
これにより、第1接合部11から第3接合部13のそれぞれの端点EP1〜EP6の応力集中を互いに低減し合い、かつ非接合部20の剛性を向上させることができる。
以上、本実施形態では、抵抗スポット溶接による接続部(溶接継手)との強度比較を行うため、同一の接合面積となる形状とした。その他レーザ溶接形状も含めて引張破壊荷重を比較した結果、本実施形態のかっこ形状(形状f12、f13)が同一接合面積(レーザ溶接同士では、接合面積と接合長さは同義)でもっとも良好であった。
実際に使用する場合は、必要継手強度や接合箇所の形状等により、第1接合部11および第2接合部12の端部E間の距離(長辺L2)や、離間幅W、短辺L1を適宜選択する。従って、接合面積も変化し、スポット溶接による接合部と同等とは限らない。
例えば既存のスポット溶接径が今回検討した5mmより大きい場合には、本実施形態のかっこ形状の溶接部10を同一の比率で拡大すると接合面積はスポット溶接の場合より小さくなり、逆にスポット溶接径が小さい場合は、スポット溶接よりかっこ形状の溶接部10の接合面積は大きくなる。
今後利用の拡大が予想されるレーザ溶接において、作業時間短縮と機械的性能(高強度・高剛性)を両立した溶接継手構造および溶接方法として有用である。
本実施形態の溶接継手構造の溶接部を示す平面図である。 本実施形態の溶接部の導出手法を説明する平面図である。 本実施形態の溶接部の導出手法を説明する特性図である。 本実施形態の溶接部の導出手法を説明する特性図である。 本実施形態の溶接部の導出手法を説明するための応力状態の断面図である。 本実施形態の溶接部の導出手法を説明するための平面図である。 本実施形態の溶接部の導出手法を説明するための応力状態の断面図である。 本実施形態の溶接部の導出手法を説明するための(A)平面図、(B)応力分布図、(C)応力分布図である。 本実施形態の溶接部を説明するための(A)平面図、(B)応力状態の断面図である。 本実施形態の溶接部を説明するための特性図である。 本実施形態の溶接部の形状と他の溶接部の形状を示す平面図である。 本実施形態の溶接部と他の溶接部を比較する特性図である。 本実施形態の溶接部と他の溶接部を比較する応力状態の断面図である。 本実施形態の溶接方法を説明するための(A)装置概略図、(B)平面図、(C)平面図、(D)平面図である。 本実施形態の他の形態を説明する平面図である。 従来の溶接部の形状を説明するための平面図である。
符号の説明
10、10’、10’’、50、PW 溶接部
10a’、11a、12a 曲線部
10b’、11b、12b 直線部
11 第1接合部
12 第2接合部
13 第3接合部
20、20’ 非接合部
21 低応力域
31、32、51、52 接合対象物
33 溶接領域
41、42 ガルバノスキャナ
E、E’ 端部
EP1、EP2、EP3、EP4、EP5、EP6、EP’ 端点
WL レーザ幅
W 離間幅
L2’ 接合長さ
L1 短辺
L2 長辺
LA レーザビーム

Claims (9)

  1. 複数の接合対象物を重ね合わせ、一の領域にレーザを照射した溶接部により前記接合対象物を接合した溶接継手構造であって、
    前記溶接部は、
    2つの端点を1つの円弧状の曲線部を含んで結合した形状の第1接合部と、
    該第1接合部と同等の形状で該第1接合部と対向配置された第2接合部の一対からなる形状を有することを特徴とする溶接継手構造。
  2. 前記2つの端点は直線部を含んで結合されることを特徴とする請求項1に記載の溶接継手構造。
  3. 前記第1接合部と前記第2接合部は、所望の継手強度に応じた幅で離間されることを特徴とする請求項1に記載の溶接継手構造。
  4. 前記曲線部の直径に対する、前記第1接合部と前記第2接合部の最も離間した2点間の距離の比が2〜4であることを特徴とする請求項1に記載の溶接継手構造。
  5. 前記第1接合部と前記第2接合部の総接合面積における破壊荷重が、同一の接合面積を有する直線形状の接合部と比較して大きいことを特徴とする請求項1に記載の溶接継手構造。
  6. 前記溶接部の内側に、前記第1接合部と前記第2接合部と離間して配置される第3の接合部を設けることを特徴とする請求項1に記載の溶接継手構造。
  7. 複数の接合対象物を重ね合わせてレーザ照射し該接合対象物を接合する溶接方法であって、
    第1のレーザ照射により溶接された2つの端点を1つの円弧状の曲線部を含んで結合した形状の第1接合部を形成する工程と、
    第2のレーザ照射により溶接され、前記第1接合部と同等の形状で該第1接合部と対向配置された第2接合部を形成し、該第2接合部と前記第1接合部の一対からなる溶接部により前記接合対象物の一の領域を接合する工程と、
    を具備することを特徴とする溶接方法。
  8. 前記第1接合部と前記第2接合部が離間するように前記第1のレーザ照射および前記第2のレーザ照射を行うことを特徴とする請求項7に記載の溶接方法。
  9. 前記第1接合部と前記第2接合部の間に、前記第1接合部および前記第2接合部と離間した第3の接合部を形成することを特徴とする請求項7に記載の溶接方法。
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