JPH06155058A - レーザ重合せ溶接方法 - Google Patents

レーザ重合せ溶接方法

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JPH06155058A
JPH06155058A JP4316846A JP31684692A JPH06155058A JP H06155058 A JPH06155058 A JP H06155058A JP 4316846 A JP4316846 A JP 4316846A JP 31684692 A JP31684692 A JP 31684692A JP H06155058 A JPH06155058 A JP H06155058A
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JP
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laser
welding
welded
laser light
light beam
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JP4316846A
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English (en)
Inventor
Mitsugi Fukahori
貢 深堀
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Mazda Motor Corp
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Mazda Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】実作業上、重合せ合溶接部における被溶接箇所
に形成される溶融部の数が制限されるもとにおいても、
被溶接箇所の溶接強度を効果的に向上させる。 【構成】重合せ溶接部(10)に対し、レーザ光ビーム
を、相互にオーバーラップする複数の溶融部(25)を
形成すべく、重合せ溶接部(10)の内部に向かう程相
互離隔距離が大となる方向をもって照射し、重合せ溶接
部(19)の溶接を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、重合せ溶接部の溶接
を、レーザ光ビームにより溶融部を形成して行うレーザ
重合せ溶接方法に関する。
【0002】
【従来の技術】複数の部材により形成される重合せ部に
対する溶接を、重合せ部上に相互離隔距離を置いて設定
される複数の被溶接箇所にレーザ光ビームを順次照射し
て、被溶接箇所におけるビームスポットが形成された部
分を溶融部となすスポット溶接により行うことが知られ
ている。斯かるレーザ光ビームによるスポット溶接にあ
っては、溶接時間の短縮が図られ、さらに、被溶接箇所
に与える熱影響が比較的小とされる利点があるが、反
面、ビームスポットにより形成される溶融部の径が比較
的小とされることに伴い、重合せ部上の被溶接箇所に得
られる接合領域が比較的小とされるので、溶接強度の点
で不利とされる。それゆえ、重合せ部に対するレーザ光
ビームの照射を、被溶接箇所に複数の溶融部を形成すべ
く行い、それにより被溶接箇所に得られる接合領域を増
大させて、溶接強度の向上を図ることが提案されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
如くのレーザ光ビームを用いて、重合せ部における被溶
接箇所に複数の溶融部を形成するスポット溶接あって
は、実作業上、被溶接箇所に形成することが可能とされ
る溶融部の数が自ずと制限されることになり、従来にお
いては、被溶接箇所に得られる接合領域を効果的に拡大
することが困難とされ、被溶接箇所における溶接強度の
充分な向上が図られているとは言えない。
【0004】斯かる点に鑑み、本発明は、重合せ溶接部
に対する溶接をレーザ光ビームを用いてスポット溶接に
より行うにあたり、実作業上、重合せ溶接部における被
溶接箇所に形成される溶融部の数が制限されるもとにお
いても、比較的簡単な手法をもって、被溶接箇所におけ
る溶接強度を効果的に向上させることができるようにさ
れたレーザ重合せ溶接方法を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成すべ
く、本発明に係るレーザ重合せ溶接方法は、重合せ溶接
部に対し、レーザ光ビームを、相互にオーバーラップす
る複数の溶融部を形成すべく、重合せ溶接部の内部に向
かう程相互離隔距離が大となる方向をもって照射し、重
合せ溶接部における溶接を行うものとされる。
【0006】さらに、本発明に係るレーザ重合せ溶接方
法においては、具体的には、相互にオーバーラップする
複数の溶融部の形成を、単一のレーザ光ビームを発生す
るレーザ光ビーム発生部を用いて順次行うものとされ
る。
【0007】
【作用】上述の如くとされる本発明に係るレーザ重合せ
溶接方法によれば、例えば、単一のレーザ光ビームを発
生するレーザ光ビーム発生部が用いられ、そのレーザ光
ビーム発生部からのレーザ光ビームの重合せ溶接部に対
する照射が、重合せ溶接部に相互にオーバーラップする
複数の溶融部を形成すべく、重合せ溶接の内部に向かう
程相互離隔距離が大となる方向をもって行われる。この
ようにされることにより、重合せ溶接部におけるレーザ
光ビームが照射された被溶接箇所には、相互にオーバー
ラップする部分を有して実質的に一体化され、重合せ溶
接部の内部に向かう程相互離隔距離が大となる方向に伸
びるものとされて、比較的大なる溶接強度を得ることが
できる複数の溶融部が形成され、その結果、被溶接箇所
における溶接強度が効果的に向上せしめられる。
【0008】
【実施例】図2は、本発明に係るレーザ重合せ溶接方法
の一例の実施に使用されるレーザ溶接機をそれにより重
合せ溶接が施される部材と共に示す。
【0009】図2に示されるレーザ溶接機1の下方に
は、板状部材2及び3が載置された基台4が配されてい
る。基台4上における板状部材2及び3は、夫々、例え
ば、JIS(日本工業規格)のSPC1に相当し、0.
8mmの厚みを有した圧延鋼材とされている。それら板
状部材2及び3の夫々における端部は、レーザ溶接機1
に設けられた鏡筒部6に対向する位置において重ね合わ
せられて、レーザ溶接機1による溶接が施される重合せ
溶接部10を形成している。
【0010】レーザ溶接機1は、鏡筒部6内に収容され
た集光レンズ11と、例えば、溶接出力が2.4kwの
大出力炭酸ガスレーザとされて、レーザ光ビームを発生
するレーザ光ビーム発生部12と、鏡筒部6とレーザ光
ビーム発生部12との間に配されたミラー収容部14と
を有して構成されており、重合せ溶接部10上に相互離
隔距離を置いて設定された複数の被溶接箇所の夫々に対
し、レーザ光ビーム発生部12からのレーザ光ビームを
順次照射して溶融するスポット溶接を行うものとされて
いる。レーザ溶接機1のミラー収容部14内には、図1
に示される如くの、可動ミラー15及びミラー駆動機構
16が配されており、レーザ光ビーム発生部12から発
射されたレーザ光ビームは、可動ミラー15により反射
され、集光レンズ11に入射せしめられて集光される。
そして、集光レンズ11によって集光されたレーザ光ビ
ームが、重合せ溶接部10の被溶接箇所に所定のビーム
スポットを形成するように照射せしめられ、被溶接箇所
に溶融部を形成する。
【0011】レーザ溶接機1のミラー駆動機構16は、
可動ミラー15における反射表面部15Aを除く部分を
包囲し、複数の軸受部材17により可動ミラー15を回
動可能に支持するミラーケース18と、可動ミラー15
にその回動軸19を介して接続されたモータ20とが備
えられており、可動ミラー15の反射表面部15Aは、
回動軸19に対して傾斜せしめられている。モータ20
は、可動ミラー15を一方向に所定角度をもって断続的
に回動させて、可動ミラー15における反射表面部15
Aの回動軸19に対する傾斜方向を変化させるものとさ
れている。従って、モータ20による可動ミラー15の
回動により、レーザ光ビーム発生部12から発射された
レーザ光ビームの集光レンズ11に対する反射方向が変
化せしめられ、それに伴って、重合せ溶接部10に形成
されるビームスポットの位置が変化する。そして、斯か
るビームスポットを形成するレーザ光ビームの重合せ溶
接部10に対する照射角度が、例えば、20度となるよ
うに、可動ミラー15における反射表面部15Aの回動
軸19に対する傾斜角度が選定されている。
【0012】上述の如くのレーザ溶接機1が用いられ
て、本発明に係るレーザ重合せ溶接方法の一例に従っ
て、重合せ溶接部10に対するスポット溶接を行うにあ
たっては、図1に示される如くに、レーザ溶接機1にお
ける鏡筒部6の先端を、重合せ溶接部10の被溶接箇所
に対向させたもとで、重合せ溶接部10の被溶接箇所に
相互にオーバーラップする4つの溶融部を形成すべく、
レーザ溶接機1に、レーザ光ビーム発生部12がレーザ
光ビームYを断続的に4回発射するとともに、それに同
期して、モータ20が可動ミラー15を90度づつ回動
する動作状態をとらせる。斯かる際、レーザ光ビーム発
生部12のレーザ光ビームYの発射時間は、例えば、
0.3秒間とする。
【0013】それにより、レーザ光ビーム発生部12か
ら断続的に発射されたレーザ光ビームYが、90度づつ
回動せしめられる可動ミラー15による反射によって、
図1において実線及び一点鎖線により示される如く、夫
々における光軸yが相互に離隔する方向に伸びるレーザ
光ビームY1,Y2,Y3及びY4とされて、集光レン
ズ11に順次入射せしめられる。そして、集光レンズ1
1に順次入射せしめられたレーザ光ビームY1,Y2,
Y3及びY4は、集光されて、重合せ溶接部10の内部
に向かう程相互離隔距離が大となる方向、及び、重合せ
溶接部10に対する垂線に対して20度とされる照射角
度をもって、重合せ溶接部10に照射せしめられる。斯
かるレーザ光ビームY1,Y2,Y3及びY4により、
重合せ溶接部10の被溶接箇所には、隣接する2個の中
心点間距離が2.5mmとされる4個のビームスポット
が順次形成され、それらビームスポットにより被溶接箇
所の溶融が行われる。その結果、図3のA及びBに示さ
れる如くに、重合せ溶接部10の被溶接箇所には、相互
にオーバーラップする部分を有して実質的に一体化さ
れ、重合せ溶接部10の内部に向かう程相互離隔距離が
大となる方向に伸びる4個の溶融部25が形成される。
【0014】なお、重合せ溶接部10における他の被溶
接箇所にも、同様にして、順次4個の溶融部を形成す
る。
【0015】次に、上述の如くの本発明に係るレーザ重
合せ溶接方法の一例についての、重合せ溶接部に形成さ
れる相互にオーバーラップする溶融部における引張強度
に関して、本願に係る発明者により行われた2種類の実
験の結果を以下に述べる。
【0016】第1の実験は、JISのSPC1に相当
し、0.8mmの厚みを有した圧延鋼材とされる2枚の
板状部材が重ね合わせられて形成された重合せ溶接部に
対して行われた。先ず、レーザ溶接機により、重合せ溶
接部に対し、光軸が直交するレーザ光ビームが断続的に
4回照射されて、4個のビームスポットが形成され、そ
れらビームスポットにより4個の溶融部が得られた重合
せ溶接部の引張強度を測定する作業が複数回行われた。
それら作業においては、重合せ溶接部に形成される4個
のビームスポットにおける隣接する2個の中心点間距離
が相互に異なるものとなるようにされた。
【0017】斯かる作業において、4個のビームスポッ
トにおける隣接する2個の中心点間距離が略5mm以上
となると、相互にオーバーラップする溶融部が得られな
いことが分かった。図4は、4個のビームスポットにお
ける隣接する2個の中心点間距離SDと重合せ溶接部に
得られた引張強度PSとの関係をあらわす特性図であ
る。図4に示される特性図において、実線は垂直方向に
対する引張強度の変化を示し、また、一点鎖線は水平方
向に対する引張強度の変化を示す。図5に示される特性
図から、4個のビームスポットにおける隣接する2個の
中心点間距離SDが略5mm以上とされて、相互にオー
バーラップしない溶融部が形成される重合せ溶接部にあ
っては、殆ど変化のない引張強度PSが得られるが、4
つのビームスポットにおける隣接する2個の中心点間距
離SDが略1mmから5mm未満とされて、相互にオー
バーラップする溶融部が形成される重合せ溶接部にあっ
ては、相互にオーバーラップしない溶融部が形成される
重合せ溶接部に比して、引張強度PSが大とされ、しか
も、隣接する2個の中心点間距離SDが略2.5mmと
される4つのビームスポットにより相互にオーバーラッ
プする溶融部が形成される重合せ溶接部にあっては、得
られる引張強度PSが他の場合より大とされることが確
認された。
【0018】斯かる第1の実験結果に基づいて、本発明
に係るレーザ重合せ溶接方法に従って形成された4個の
溶融部により構成される溶接接合部分(以下、溶接接合
部分SSと言う)と、本発明に係るレーザ重合せ溶接方
法とは異なる方法に従って形成された4個の溶融部によ
り夫々構成される2つの溶接接合部分(以下、比較例S
1及びS2という)の各々における引張強度の比較実験
が行われた。
【0019】この比較実験は、JISのSPC1に相当
し、厚みが0.8mmとされた圧延鋼材とされた2枚の
板状部材が重ね合わせられて形成された重合せ溶接部に
対して行われた。比較例S1は、溶接出力2.4kwの
レーザ溶接機が用いられ、重合せ溶接部に対し、0.3
秒間づつ4回、光軸が平行なものとなるレーザ光ビーム
を照射して、重合せ溶接部に、隣接する2個の中心点間
距離2.5mmとされる4個のビームスポットを形成
し、それにより得られた、図5のA及びBに示される如
くの、相互にオーバーラップする4個の溶融部26によ
りなるものとされる。また、比較例S2は、溶接出力
2.4kwのレーザ溶接機が用いられ、重合せ溶接部に
対し、0.3秒間づつ4回、光軸が集束するものとなる
レーザ光ビームを照射して、重合せ溶接部に、隣接する
2個の中心点間距離が2.5mmとされる4個のビーム
スポットを形成し、それにより得られた、図6のA及び
Bに示される如くの、相互にオーバーラップする4個の
溶融部27によりなるものとされる。図7は、溶接接合
部分SS,比較例S1及びS2の夫々における水平方向
に対する引張強度VPSをあらわすグラフであり、溶接
接合部分SSは、比較例S1及びS2に比して水平方向
に対する引張強度VPSが高いことが確認された。
【0020】斯かる図7に示されるグラフから、本発明
に係るレーザ重合せ溶接方法に従って重合せ溶接部分に
形成された4個の溶融部が、優れた引張強度が得られる
ものであることが分かる。
【0021】図8は、本発明に係るレーザ重合せ溶接方
法の他の例の実施に使用されるレーザ溶接機をそれによ
り重合せ溶接が施される部材と共に示し、図1に示され
る例における各部及び各部材と同様とされるものについ
ては、同じ符号を付して示し、それらについての重複説
明は省略する。
【0022】図8に示されるレーザ溶接機30は、鏡筒
部31内に収容された可動集光レンズ32と、図示が省
略されているが、例えば、溶接出力が2.4kwの大出
力炭酸ガスレーザとされて、レーザ光ビームを発生する
レーザ光ビーム発生部と、鏡筒部31とレーザ光ビーム
発生部との間に配されたミラー33と、可動集光レンズ
32の回動を行うレンズ駆動機構35とを有して構成さ
れており、重合せ溶接部10上に相互離隔距離を置いて
設定された複数の被溶接箇所の夫々に対し、レーザ光ビ
ーム発生部からのレーザ光ビームを順次照射して溶融す
るスポット溶接を行うものとされている。レーザ光ビー
ム発生部から発射されたレーザ光ビームは、ミラー33
により反射され、可動集光レンズ32に入射せしめられ
て集光される。そして、可動集光レンズ32によって集
光されたレーザ光ビームが、重合せ溶接部10の被溶接
箇所に所定のビームスポットを形成するように照射せし
められ、被溶接箇所に溶融部を形成する。
【0023】レーザ溶接機30のレンズ駆動機構35
は、鏡筒部31内に複数の軸受部材により回動可能に支
持されるとともに、可動集光レンズ32の周縁部が取り
付けられた大径ギア36と、大径ギア36に噛合する小
径ギア37と、小径ギア37を介して大径ギア36を回
動させるモータ38とが備えられている。大径ギア36
は、可動集光レンズ32を、ミラー33により反射され
るレーザ光ビームの光軸に対し、傾斜させて支持してい
る。斯かる大径ギア36は、モータ38により、可動集
光レンズ32の中心軸線回りを一方向に所定角度をもっ
て断続的に回動せしめられ、それにより、可動集光レン
ズ32を断続的に回動させて、ミラー33により反射さ
れるレーザ光ビームの光軸に対する可動集光レンズ32
の傾斜方向を変化させるものとされている。従って、モ
ータ38による大径ギア36の回動により、可動集光レ
ンズ32により集光されたレーザ光ビームの重合せ溶接
部10に対する照射方向が変化せしめられ、それに伴っ
て、重合せ溶接部10に形成されるビームスポットの位
置が変化する。そして、斯かるビームスポットを形成す
るレーザ光ビームの重合せ溶接部10に対する照射角度
が、例えば、20度となるように、ミラー33により反
射されるレーザ光ビームの光軸に対する可動集光レンズ
32の傾斜角度が選定されている。
【0024】上述の如くのレーザ溶接機30が用いられ
て、本発明に係るレーザ重合せ溶接方法の他の例に従っ
て、重合せ溶接部10に対するスポット溶接を行うにあ
たっては、図8に示される如くに、レーザ溶接機30に
おける鏡筒部31の先端を、重合せ溶接部10の被溶接
箇所に対向させたもとで、重合せ溶接部10の被溶接箇
所に相互にオーバーラップする4つの溶融部を形成すべ
く、レーザ溶接機30に、レーザ光ビーム発生部がレー
ザ光ビームYを断続的に4回発射するとともに、それに
同期して、モータ38が大径ギア36を90度づつ回動
する動作状態をとらせる。斯かる際、レーザ光ビーム発
生部のレーザ光ビームYの発射時間は、例えば、0.3
秒間とする。
【0025】それにより、レーザ光ビーム発生部から断
続的に発射されて、ミラー33により反射されたレーザ
光ビームYが、90度づつ回動せしめられる大径ギア3
6によって傾斜方向が変化せしめられる可動集光レンズ
32により順次集光されて、図8において実線及び一点
鎖線をもって示される如く、夫々における光軸y’が相
互に離隔する方向に伸びるレーザ光ビームYA,YB,
YC及びYDとされる。そして、可動集光レンズ32か
ら重合せ溶接部10に順次向かうレーザ光ビームYA,
YB,YC及びYDは、重合せ溶接部10の内部に向か
う程相互離隔距離が大となる方向、及び、重合せ溶接部
10に対する垂線に対して20度とされる照射角度をも
って、重合せ溶接部10に照射せしめられる。斯かるレ
ーザ光ビームYA,YB,YC及びYDにより、重合せ
溶接部10の被溶接箇所には、隣接する2個の中心点間
距離が2.5mmとされる4個のビームスポットが順次
形成され、それらビームスポットにより被溶接箇所の溶
融が行われる。その結果、重合せ溶接部10の被溶接箇
所には、図3及び図4に示される4個の溶融部25と同
様とされる、相互にオーバーラップする部分を有して実
質的に一体化され、重合せ溶接部10の内部に向かう程
相互離隔距離が大となる方向に伸びる4個の溶融部が形
成される。
【0026】なお、上述の例においては、レーザ光ビー
ム発生部から断続的に発射されるレーザ光ビームを用い
て、重合せ溶接部に相互にオーバーラップする複数の溶
融部を形成するようになされているが、本発明に係るレ
ーザ重合せ溶接方法にあっては、レーザ光ビーム発生部
から継続的に発射される1本のレーザ光ビームを用い
て、重合せ溶接部に相互にオーバーラップする複数の溶
融部を形成するようにしてもよい。斯かる場合には、可
動ミラーの断続的な回動、あるいは、可動集光レンズを
回動させる大径ギアの断続的な回動を、レーザ光ビーム
発生部について設定されるレーザ光ビームの発射継続期
間内に完了させるべく、可動ミラーを回動させるモー
タ、あるいは、大径ギアを回動させるモータの回転速度
を調整する。
【0027】
【発明の効果】以上の説明から明らかな如く、本発明に
係るレーザ重合せ溶接方法によれば、例えば、単一のレ
ーザ光ビームを発生するレーザ光ビーム発生部が用いら
れ、そのレーザ光ビーム発生部からのレーザ光ビームの
重合せ溶接部に対する照射が、重合せ溶接部に相互にオ
ーバーラップする複数の溶融部を形成すべく、重合せ溶
接の内部に向かう程相互離隔距離が大となる方向をもっ
て行われることにより、重合せ溶接部におけるレーザ光
ビームが照射された被溶接箇所には、相互にオーバーラ
ップする部分を有して実質的に一体化され、重合せ溶接
部の内部に向かう程相互離隔距離が大となる方向に伸び
るものとされて、比較的大なる溶接強度を得ることがで
きる複数の溶融部が形成されるので、被溶接箇所におけ
る溶接強度を効果的に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るレーザ重合せ溶接方法の一例の実
施に用いられるレーザ溶接機の部分を示す断面図であ
る。
【図2】本発明に係るレーザ重合せ溶接方法の一例の実
施に用いられるレーザ溶接機の部分及び溶接が施される
部材を示す図である。
【図3】本発明に係るレーザ重合せ溶接方法の一例に従
って形成される複数の溶融部の説明に供される概念図及
び断面図である。
【図4】本発明に係るレーザ重合せ溶接方法の一例の作
用効果の説明に供される特性図である。
【図5】本発明に係るレーザ重合せ溶接方法とは異なる
方法に従って形成された複数の溶融部の説明に供される
概念図及び断面図である。
【図6】本発明に係るレーザ重合せ溶接方法とは異なる
方法に従って形成された複数の溶融部の説明に供される
概念図及び断面図である。
【図7】本発明に係るレーザ重合せ溶接方法の一例の作
用効果の説明に供されるグラフである。
【図8】本発明に係るレーザ重合せ溶接方法の他の例の
実施に用いられるレーザ溶接機の部分を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1,30 レーザ溶接機 10 重合せ溶接部 11 集光レンズ 12 レーザ光ビーム発生部 15 可動ミラー 19 回動軸 20,38 モータ 25 溶融部 32 可動集光レンズ 36 大径ギア 37 小径ギア Y,Y1,Y2,Y3,Y4,YA,YB,YC,YD
レーザ光ビーム

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重合せ溶接部に対し、レーザ光ビームを、
    相互にオーバーラップする複数の溶融部を形成すべく、
    上記重合せ溶接部の内部に向かう程相互離隔距離が大と
    なる方向をもって照射し、上記重合せ溶接部における溶
    接を行うことを特徴とするレーザ重合せ溶接方法。
  2. 【請求項2】相互にオーバーラップする複数の溶融部の
    形成を、単一のレーザ光ビームを発生するレーザ光ビー
    ム発生部を用いて順次行うことを特徴とする請求項1記
    載のレーザ重合せ溶接方法。
JP4316846A 1992-11-26 1992-11-26 レーザ重合せ溶接方法 Pending JPH06155058A (ja)

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