JP6885088B2 - 溶接継手を有する鋼部材及びその製造方法 - Google Patents

溶接継手を有する鋼部材及びその製造方法 Download PDF

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本発明は、溶接継手を有する自動車用などの鋼部材及びその製造方法に関する。
従来から、自動車用などの鋼部材の組立において、複数の鋼板を電極で挟んで溶接するスポット溶接が広く用いられている。このスポット溶接は、ロボットが溶接ガンを運搬し、複数の位置に溶接を行うため、溶接ガンが溶接点の間を移動する空走時間が作業時間のロスを発生させていた。
一方、接合する材料(母材という)を局部的に溶融状態にして結合,凝固させる融接法(溶融溶接法)も用いられている。溶融溶接法の代表的なものは高パワー密度の光線(以下、単に「光線」と記載する場合がある)による溶接であり、スポット溶接のように溶接点を移動する空走時間のロスがほとんどなく、生産効率を高めるメリットがある。一般的に、光線による溶接はドア開口部周りに位置するルーフレールやサイドシルの組み立て溶接などに用いられている。しかし、光線による溶接では、従来から、鋼板を重ね合わせて溶接をする際、重ね合わせた鋼板の間に大きな隙間が存在すると、溶接欠陥が生じてしまい、溶接継手の強度が低下するという問題があった。
また、少なくとも1枚の亜鉛めっき鋼板を含む複数の鋼板を重ねて溶接用光線による溶接を行う場合、溶接金属およびその周辺のメッキに含まれる亜鉛(沸点:約900℃)が蒸気化する。複数の鋼板を隙間無く、もしくは非常に小さい隙間で重ね合わされていると、溶接熱で蒸気化した亜鉛の排出経路がなく、蒸気化した亜鉛が溶融した金属内に侵入し、溶融した金属内で急激に膨張することにより溶融した金属が外部に吹き飛ばされる。このため、溶融した金属の量が不足し、溶接金属の溶け落ち欠陥が発生する。
このような問題に対して、特許文献1〜3に示す対策手法が開示されている。
特開2010−089138号公報(特許文献1)には、複数枚の亜鉛めっき鋼板を、添加物を介して重ね合わせ、光線で加熱することにより、めっき中の亜鉛を沸点の高い亜鉛化合物とすることで、欠陥の原因となる亜鉛蒸気の発生量を低減させる手法が開示されている。
特開2008−126297号公報(特許文献2)には、2枚の金属板を重ね、その重ね合わせ部における一方の金属板の表面に溶接用の光線を照射して両金属板を溶接する際に、初めに光線を広い領域に低エネルギーで照射して光線の照射側の金属板を溶融させ、その後、光線を高エネルギーで照射して他方の金属板も溶融させることにより、板間隙間がある場合でも十分な溶着量が存在し、溶け落ちが防止され、欠陥のない溶接が安定的に行われる光線による溶接方法が開示されている。
特開2012−035303号公報(特許文献3)には、初めに隙間無く重ね合わされた亜鉛めっき鋼板の溶接用光線の照射側の鋼板に加熱用の光線を照射することで、熱変形により隙間が生じ、亜鉛蒸気の排出が可能となる。この状態で、溶接用光線を照射して溶接する溶接用光線による溶接方法が開示されている。
特開2010−089138号公報 特開2008−126297号公報 特開2012−035303号公報
しかしながら、特許文献1の方法では、事前に鋼板の表面に添加物を散布する必要があり、添加物にかかるコストアップ、作業時間の拡大、添加物を散布するための設備を別途導入する必要があるという問題がある。
特許文献2の方法では、初めに溶接用の光線の照射側の鋼板を低エネルギーの光線で広範囲を溶融させるには、通常の溶接時間に比べて長い時間が必要となり、加工時間が増大するという問題がある。
特許文献3の方法では、隙間調整工程として、溶接工程前に鋼板に対して屈曲用の光線を用いた熱処理を行う必要がある。このため、加工時間が増大するという問題がある。
また、溶接用光線の照射による溶接時間が長くなると、亜鉛蒸気の発生量が増加し、重ね合わせた板間の隙間が広い状態でも亜鉛蒸気の影響を強く受け、欠陥が発生しやすくなる。特に溶接面(溶融溶接用の熱源に向かい合う面)となる鋼板の板厚が薄い場合では、隙間の一部が溶接金属によって塞がれないという欠陥が生じやすくなり、特許文献1〜3の方法では、そのような問題を解決することはできない。
本発明の目的は、少なくとも1枚の亜鉛めっき鋼板を含む鋼板の溶融溶接による溶接継手に関し、溶け落ち欠陥の発生を防止し、溶接継手の強度低下を抑制した溶接継手を有する自動車用などの鋼部材を提供することにある。
(1)本発明の実施形態による溶接継手を有する鋼部材は、
少なくとも1枚の亜鉛めっき鋼板を含み、重ね合わされた複数の鋼板と、該複数の鋼板を重ね方向に柱状に貫通した、重ね方向から見て点状に存在する溶接金属とよりなり、該溶接金属により前記複数の鋼板が互いに溶接されている溶接継手を有する鋼部材であって、
前記溶接金属の重ね方向の端面は、鋼板表面に対して凹部を形成しており、かつ、一方の端面の面積は、他方の端面の面積よりも大きくなっており、
重ね合わされた複数の鋼板の最も外側に位置する鋼板のうち、前記溶接金属の端面の面積が大きい側の鋼板は1.0mm以下の厚さを有するものであり、かつ、該1.0mm以下の厚さを有する鋼板と重ねられる鋼板の間に亜鉛めっき層が存在しており、
さらに、前記溶接金属中のS含有量が0.0045質量%以下であることを特徴とする。
(2)上記(1)に記載の溶接継手を有する鋼部材は、好ましくは、前記溶接金属は円柱状であることを特徴とする。
(3)上記(1)又は(2)に記載の溶接継手を有する鋼部材は、好ましくは、前記溶接金属の端面の面積が大きい側の端面の面積は、5mm 以上100mm 以下であることを特徴とする。
(4)また、本発明の実施形態による溶接継手を有する鋼部材の製造方法は、
少なくとも1枚の亜鉛めっき鋼板を含む複数の鋼板を重ね合わせ、この重ね合わせた鋼板を、重ね合わせ方向から加熱し、重ね合わせた複数の鋼板を貫通する柱状の溶接金属を重ね方向から見て点状に形成し、重ね合わせた鋼板を溶融溶接する上記(1)に記載の溶接継手を有する鋼部材の製造方法であって、
前記鋼板として、加熱用の熱源に面して配置される1.0mm以下の厚さを有する鋼板を含み、かつ、該1.0mm以下の厚さを有する鋼板と重ねられる鋼板の間に亜鉛めっき層が存在しており、
さらに、重ね合わせる鋼板の組み合わせによって、前記溶接金属のS含有量を0.0045質量%以下とすることを特徴とする。
これらの実施の形態によれば、少なくとも1枚の亜鉛めっき鋼板を含む複数の鋼板を重ねて溶融溶接を行う場合、溶接金属中のSの含有量を0.0045質量%以下とすることにより、溶融した金属の表面張力の低下が抑制され、溶融金属への重ね面からの亜鉛蒸気の侵入が低減される。このため、溶け落ち欠陥を抑制することができる。また、溶接金属中のSの含有量を0.0045質量%以下とすることにより、溶融した金属の流動性の増大が抑制され、複数の鋼板を貫通する溶接金属が鋼板同士の接合部分に保持されやすい。すなわち、鋼板同士の隙間が大きくても溶接金属が溶け落ちにくい。その結果、重ね合わされた複数の鋼板における溶接の強度の低下を抑制することができる。
本発明によれば、少なくとも1枚の亜鉛めっき鋼板を含む複数の鋼板の溶接継手に関し、溶け落ち欠陥の発生を抑制し、溶接継手の強度低下を抑制した溶接継手を有する自動車用などの鋼部材を提供できる。
本発明の実施形態による溶接継手の構成を示す断面図である。 本発明の実施例における溶接金属中のS量と欠陥発生個数を示す図である。
以下、図面を参照し、本発明の実施形態である、溶接継手を有する鋼部材及びその製造方法を詳しく説明する。図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。なお、説明を分かりやすくするために、以下で参照する図面においては、構成が簡略化または模式化して示されたり、一部の構成部材が省略されたりしている。また、各図に示された構成部材間の寸法比は、必ずしも実際の寸法比を示すものではない。
[溶接継手]
以下、溶接継手について説明する。
図1を参照して、この溶接継手1は、重ね合わされた鋼板21〜22と、溶融溶接法で形成される柱状の溶接金属3とを備える。また、鋼板21および22の間には、溶接前に鋼板を重ね合わせたときに生じる隙間4を有していてもよい。
溶融溶接用の熱源に面する側の鋼板21は、1.0mm以下の厚さを有する。鋼板21の厚さの下限は、好ましくは0.5mm、さらに好ましくは0.7mmである。鋼板21は、鋼板22よりも薄い方が好ましい。また、鋼板21との重ね合わせ面に配置される鋼板22は、0.7超え〜3.6mmの範囲の厚さを有することが好ましい。
鋼板21と22のいずれか、もしくは両方が亜鉛めっき鋼板であり、少なくとも重ね面には亜鉛めっき層5が存在する。なお、図1では、鋼板22が亜鉛めっき鋼板の例を示す。
なお、鋼板21の厚さが1.0mmを超える場合で、かつ、隙間4が0〜1.0mmと小さければ、溶け落ち欠陥はあまり問題にならない。
溶接金属3は、外部から金属を溶加しない溶融溶接法で形成される。溶接金属3は、鋼板21〜22を柱状(通常は円柱状)に貫通する。この結果、鋼板21〜22は、溶接金属3により接合される。
この時、溶接金属3の重ね方向の端面6は、鋼板表面に対して凹部を形成しており、かつ、溶融溶接用の加熱源に面する側の鋼板21は、他側の鋼板22より広い面積で溶融するため、鋼板21における溶接金属の端面の面積は、鋼板22における溶接金属の端面の面積よりも大きくなっている。
大きい方の端面の面積は、継手強度を確保する観点から、5〜100mmの範囲が好ましく、さらに10〜80mmの範囲がより好ましい。
溶接金属中のSの含有量は0.0045質量%以下である。
溶接金属中のSは低いほど好ましい。しかしながら、Sを低減するには製造コストがかかるため、溶接金属中のSの含有量の下限は、好ましくは0.0005質量%、さらに好ましくは0.0008質量%である。
溶接金属中のS量の調整は、被溶接材の母材のS量で調整すればよく、重ね合わせる各母材の板厚とS含有量から溶接金属のSの含有量が0.0045質量%以下となる組み合わせを選択する。
[製造方法]
以下、溶接継手1の製造方法を説明する。
鋼板21〜22を互いに重ね合わせる。より具体的には、熱源に面する鋼板21を上側、鋼板22を下側に配置し、治具を用いて、鋼板21〜22を重ね合わせる。このとき、プレス精度の問題から、隙間4が形成されてしまう場合がある。
次に、外部から金属を溶加しない溶融溶接により、重ね合わせた鋼板21〜22を接合する。
接合方法は、溶融溶接法であればいずれでもかまわないが、以下は高パワー密度の光線による溶接をもとに説明する。
光線による溶接は、固体などの媒体を用いた発振器より照射される高パワー密度の光線の照射装置(図示せず)を用いて行う。光線による溶接は、鋼板21の外表面に対して行う。より具体的には、鋼板21の上方から、鋼板21の外表面の所定の領域内に溶接用光線を照射する。これにより、鋼板21〜22において、溶接用光線の照射された部分が溶融する。その結果、図1(a)、(b)に示すように、溶接金属3が柱状(通常は円柱状)に形成される。溶接金属3は、鋼板21〜22を貫通し、鋼板21〜22を接合する。
溶融溶接に使用する熱源が光線の場合には、好ましい条件の範囲は、波長:900nm〜1100nm、集光径:φ0.15mm-φ2.0mm、パワー密度:500〜10000kW/cm2である。
溶接用光線の照射方向は、鉛直方向の下向きに限らず、鋼板の配置位置などに応じて上方向、横方法など、あらゆる方向であってもよい。
以上により、溶接継手1が形成される。
[Sの含有量について]
本発明者らは、少なくとも1枚の亜鉛めっき鋼板を含む複数の鋼板を重ね合わせて溶融溶接を行う場合、蒸気化された亜鉛による溶接金属の欠陥の発生頻度が鋼板の化学成分に依存することを見出した。
少なくとも1枚の亜鉛めっき鋼板を含む複数の鋼板を重ねて溶接を行う場合、溶融した金属およびその周辺で亜鉛(沸点:約900℃)が蒸気化する。この蒸気化した亜鉛が、溶融した金属内に侵入し、蒸気化した亜鉛が溶融した金属内で急激に膨張することにより、溶融した金属の一部が吹き飛ばされる。このため、溶接金属の量が不足し、溶接金属の抜け落ち欠陥が発生する。
通常の線に沿った溶接であれば、重ね合わせた鋼板間の隙間を0.1mm程度確保するだけで蒸気化した亜鉛が隙間から排出され欠陥は抑制される。しかし、ある一定の面積に対して光線を0.2〜2.0秒程度走査し柱状の溶接部を形成すると、十分に亜鉛の排出が行われず、溶融した金属内に亜鉛が侵入するため、前述のように欠陥が発生する。
そこで、本発明者らは、溶接金属3中のSの含有量を規定することで、溶融した金属の表面張力の低下を抑制すると、蒸気化された亜鉛が溶融した金属内に侵入することが抑制され、上記欠陥が減少すると考えた。
本発明による実施形態による溶接継手1は、溶接金属3中のSの含有量を0.0045質量%以下とすることにより、溶融した金属の表面張力の低下が抑制され、蒸気化された亜鉛が溶融した金属内に侵入することを抑制する。その結果、溶け落ち欠陥が減少し、健全な接合部分としての溶接金属3を形成しやすくなる。
[その他の実施形態]
本発明の実施形態による溶接継手1では、2枚の鋼板21〜22を用いたが、この2枚の鋼板に限らず、3枚以上の鋼板を含む溶接継手であってもよい。また、鋼板は、溶接継手を形成する部分が重ね合わされる形状であればよく、鋼板からプレス成形された部材を含むものである。
溶接継手に用いる鋼板については、特定の組成のものに限定されるものではなく、例えば、自動車用鋼板やプレス加工用鋼板などがあげられる。
また、亜鉛めっき鋼板についても、亜鉛を主体としためっきを施した鋼板であれば、特定のめっき組成や母材組成に限定されるものではなく、例えば、自動車用鋼板として用いられている合金化溶融亜鉛めっき鋼板のほか、一般的なプレス加工用溶融亜鉛めっき鋼板などがあげられる。
以上、本発明についての実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態およびその変形例のみに限定されず、発明の範囲内で種々の変更が可能である。また、各実施形態およびその変形例は、適宜組み合わせて実施することが可能である。
上板および下板を用いて、試料番号1〜8からなる溶接継手のサンプルを作製し、それぞれのサンプルにおける欠陥の発生個数を溶接継手表面を目視観察することにより調べた。
本実施例による溶接継手のサンプルは、高パワー密度の光線による溶接により、上板および下板の2枚からなる鋼板を接合したものである。上板、下板の一方に合金化溶融亜鉛めっき鋼板を用いて、重ね面に亜鉛めっき層が存在するようにした。
上板には、質量%で、C:0.02〜0.05%、Si:0.005〜1.5%、Mn:0.1〜3%、Ti:0.5%以下、Cr:0.5%以下、Al:1%以下、S:0超〜0.02%以下の非めっき鋼板を用いた。下板には、質量%で、C:0.02〜0.2%、Si:0.005〜1.5%、Mn:0.1〜3%、Ti:0.5%以下、Cr:0.5%以下、Al:1%以下、S:0超〜0.007%以下の合金化溶融亜鉛めっき鋼板を用いた。
また、上板には厚み:0.7mmの、下板には厚み:1.4mmの鋼板を用いた。
試料番号1〜8において、それぞれ上板および下板を重ね合わせ、上板の表面に高パワー密度の光線であるレーザを照射し、円形の領域内で複数回レーザを走査させた。このとき上板と下板の間の隙間は0.3mm〜0.4mmであり、溶接用光線の照射条件は、波長:1070nm、集光径:φ0.6mm、パワー密度:1428.5kW/cm、照射時間:0.6秒間であった。
これにより、重ね方向端面が円形状の溶接金属を形成した。溶接金属の上板側と下板側の端面は、いずれも凹状を呈しており、上板側端面の表面積は下板側の端面の表面積よりも大きかった。
表1に、各試料番号における溶接金属のS含有量(質量%)、および溶接金属における欠陥の発生個数を示す。試料番号1〜6は本発明の実施例であり、試料番号7〜8は比較例である。
Figure 0006885088
[試験結果]
表1に示すように、試料番号1〜6では、溶接金属における欠陥の発生個数が15個以下となり、欠陥の発生個数が少なかった。
一方、表1に示すように、試料番号7および8では、溶接金属における欠陥の発生個数が15個を超えており、試料番号1〜6と比較して、欠陥の発生個数が多かった。図2を参照すると、試料番号7および8は、溶接金属中のSの含有量が0.0045質量%を超える範囲にあり、溶接金属における欠陥の発生が多くなることがわかった。
以上の実験結果により、溶接金属中のSの含有量が0.0045質量%以下となるように、鋼板の化学成分を調整して溶接金属を形成すれば、溶接金属における欠陥の発生を抑えることができることが確認された。
本発明は、少なくとも1枚の亜鉛めっき鋼板を含む複数枚の鋼板の溶接継手に関し、溶け落ち欠陥の発生を抑制し、継手強度の低下を抑制した溶接継手を有する自動車用鋼部材などとして産業上の利用が可能である。
1:溶接継手
21、22:鋼板
3:溶接金属
4:隙間
5:亜鉛めっき層
6:溶接金属の端面

Claims (4)

  1. 少なくとも1枚の亜鉛めっき鋼板を含み、重ね合わされた複数の鋼板と、該複数の鋼板を重ね方向に柱状に貫通した、重ね方向から見て点状に存在する溶接金属とよりなり、該溶接金属により前記複数の鋼板が互いに溶接されている溶接継手を有する鋼部材であって、
    前記溶接金属の重ね方向の端面は、鋼板表面に対して凹部を形成しており、かつ、一方の端面の面積は、他方の端面の面積よりも大きくなっており、
    重ね合わされた複数の鋼板の最も外側に位置する鋼板のうち、前記溶接金属の端面の面積が大きい側の鋼板は1.0mm以下の厚さを有するものであり、かつ、該1.0mm以下の厚さを有する鋼板と重ねられる鋼板の間に亜鉛めっき層が存在しており、
    さらに、前記溶接金属中のS含有量が0.0045質量%以下であることを特徴とする鋼部材。
  2. 前記溶接金属は円柱状であることを特徴とする請求項1に記載の鋼部材。
  3. 前記溶接金属の端面の面積が大きい側の端面の面積は、5mm 以上100mm 以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の鋼部材。
  4. 少なくとも1枚の亜鉛めっき鋼板を含む複数の鋼板を重ね合わせ、この重ね合わせた鋼板を、重ね合わせ方向から加熱し、重ね合わせた複数の鋼板を貫通する柱状の溶接金属を重ね方向から見て点状に形成し、重ね合わせた鋼板を溶融溶接する請求項1に記載の溶接継手を有する鋼部材の製造方法であって、
    前記鋼板として、加熱用の熱源に面して配置される1.0mm以下の厚さを有する鋼板を含み、かつ、該1.0mm以下の厚さを有する鋼板と重ねられる鋼板の間に亜鉛めっき層が存在しており、
    さらに、重ね合わせる鋼板の組み合わせによって、前記溶接金属のS含有量を0.0045質量%以下とすることを特徴とする鋼部材の製造方法。
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